JP3670998B2 - ゴルフカートの誘導装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ゴルフ場内での物品の搬送に用いられるゴルフカートの誘導装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフ場内で用いられるゴルフカートは、無謀な運転による事故の発生を防ぐと共に、コース上の芝生を保護することを目的として、コースに沿って設けられた専用の走行路(カート路)を誘導走行するものが主流となっている。また一方では、ゴルフバッグ等の物品の搬送のみならず、プレイヤー、キャディー等の利用者の乗車を可能とするため、大馬力が得られるエンジン駆動のゴルフカートの使用が切望されている。これらのことから近年においては、特開平4-364506号公報等に開示されている如く、エンジン駆動でありながら誘導走行が可能に構成されたゴルフカートが実用化されている。
【0003】
このゴルフカートは、車体の前部に左右一対の検出コイル(誘導信号センサ)と、他の一つの検出コイル(走行標識センサ)とを備えると共に、走行速度の変更手段として、エンジンのスロットル開度、及びブレーキ力の調節手段を夫々備え、更に、車体の操向のための操向手段を備えて構成されている。一方、走行路となるカート路には、交流電流が通電される誘導線が連続的に埋設してあり、また、速度の変更、停止等、走行条件の変更が必要な各位置に、これらの変更を指示するための標識マグネットが埋設してある。
【0004】
以上の如く構成されたゴルフカートは、利用者の乗車中には、乗車位置にて操作可能な発進スイッチのオンオフ操作に応じて、また非乗車中には、利用者により携帯されるリモコン発信器の操作に応じて発進及び停止せしめられる。この発進から停止までの間には、前記誘導線の周囲に形成される磁界の作用により前記誘導信号センサの一対の検出コイルに誘起される電圧を検出し、両検出コイルの誘起電圧の偏差を解消すべく操向手段を動作させ、前記誘導線を誘導標識としてたどる誘導走行が行われ、更にこの走行の間、前記走行標識センサにより標識マグネットが検出されたとき、これにより特定される走行条件を実現すべく速度変更手段を動作させ、走行速度の調整が行われる。
【0005】
走行標識センサの検出に応じた走行速度の調整は、種々に変化する走行路の全域に亘っての安全な走行を可能とするためのものである。走行路中の登坂、降坂及び急旋回地点等の危険か所の前には、通常の走行速度(6km/h前後)よりも低い速度(4km/h前後)での走行を指示する標識マグネット(低速度標識)が設けてあり、この低速度標識の検出に応じてゴルフカートは、低速度を保って走行せしめられ、安全な走行が可能となる。
【0006】
また、走行路上には、コース上の所定位置(ティーグラウンド、グリーン等)に対応させて停止を指示する標識マグネット(停止標識)が設けてあり、この停止標識の検出に応じてゴルフカートを自動停止せしめる構成となっている。これにより、非乗車状態での走行中にリモコン発信器の停止操作がなされなかった場合にゴルフカートが暴走することを未然に防止できるようになる。
【0007】
走行標識センサの検出対象となる走行標識は、前記低速度標識及び停止標識の他に、例えば、前記リモコン発信器からの発進信号を受け付けない指示、前方を通過する障害物の検出のために設けた障害物センサの感度を増減する指示等、走行路の状況に応じた種々の指示を行うために設けてある。
【0008】
なお以上の如き誘導走行は、本願出願人による特公平5-51762号公報及び特公平5-74842号公報等において、電動機を駆動源とする非乗用型のゴルフカートを対象として開示されている方法により実施され得るものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが以上の如く構成されたゴルフカートの使用においては、例えば、エンジンやブレーキなどのトラブルにより、走行標識による指示速度、即ち目標速度に実際の走行速度が維持できなかったとき、ゴルフカートに負荷が生じたり安全性が損なわれたりするという問題が生じる。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、実際の走行速度が目標速度に維持できなかったときの負荷の低減と安全性を確保することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1によると、誘導標識及び走行標識が設置された走行路上に、前記誘導標識の検出に応じた操向を行い、前記走行標識の検出に応じた速度を保ってゴルフカートを誘導走行せしめる装置において、前記走行標識は、通常走行時の速度よりも低い速度での走行を指示する低速度標識と、前記通常走行時の速度よりも高い速度での走行を指示する高速度標識とを設け、走行速度が前記走行標識による指示速度に達しないとき、一段低い速度を指示速度とすることを特徴とする。
【0012】
また、請求項2によると、前記低速度標識、或いは高速度標識を検出してから所定量走行したとき、前記低速度標識或いは前記高速度標識による指示を解除して前記通常走行時の速度での走行に復帰し、前記低速度標識或いは前記高速度標識による指示を解除するまでに前記走行標識を検出したとき、その走行標識の検出に応じた走行を行い、前記低速度標識或いは前記高速度標識による指示を解除するまでに検出される前記走行標識は、前記低速度標識、或いは高速度標識を解除する標識であることを特徴とする。
【0013】
更に、請求項3によると、前記走行標識は、マグネットによって構成されることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4によると、前記マグネットは、マグネットの極性、或いはマグネットの間隔を異ならせて配置することを特徴とする。
【0015】
更に、請求項5によると、前記低速度標識、或いは高速度標識を検出してから所定量走行したとき、前記低速度標識或いは前記高速度標識による指示を解除して前記通常走行時の速度での走行に復帰し、前記低速度標識或いは前記高速度標識による指示を解除するまでに前記走行標識を検出したとき、その走行標識の検出に応じた走行を行い、前記所定量は、前記低速度標識による所定量よりも高速度標識による所定量を長くし、前記所定量は、前記走行標識による指示を検知してからの走行距離であることを特徴とする。
【0016】
また、請求項6によると、前記走行標識による指示が低速度標識で、指示速度に達しないとき、停止することを特徴とする。
【0017】
そして、請求項7によると、駆動源であるエンジンの駆動力を調節するスロットルを設け、該スロットルの開度が上限値になっても指示速度に達しないときは一段低い速度を指示速度とすることを特徴とする。
【0018】
上記構成によって、ゴルフカートが誘導走行する走行路に、危険区間の前に通常走行時の走行速度よりも低い速度での走行を指示する低速度標識を設けると共に、前記通常走行時の走行速度よりも高い速度での走行を指示する高速度標識を更に設け、これらの検出に応じて、低速度、通常走行時の速度、及び高速度の夫々により走行させる。
【0019】
このとき、実際の速度が指示速度を維持できないとき、例えば高速走行の指示であれば通常走行時の速度を、通常走行時であれば低速走行を目標速度として走行を継続する。
【0020】
また高速度標識は、走行路が略直線であり、略平坦な部分が継続し、危険状態の確認が容易な区間に前置して安全性を確保する。また高速度又は低速度での走行への移行後、所定の走行量に達した時点で通常走行時の速度に復帰させ、この復帰のための新たな標識の設置を省略する。
【0021】
更に、通常走行時の速度への復帰のための走行量は、短時間にて比較的長い走行量がなされる高速走行に対して長くして、速度指定の継続のための標識の必要数を減らす。そして、高速度又は低速度での走行への移行後、所定の走行量に達するまでの間に、他の標識があった場合には、高速度又は低速度での走行を解除して通常の走行動作に移行する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施例を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る誘導装置が適用されるゴルフカートの外観を示す側面図、図2は、同じく内部の構成を模式的に示す平面図である。
【0023】
図示の如くゴルフカート1は、左右各一対の前輪2,2及び後輪3,3により支持された車体フレーム4の上部を、フロントカウル4a及びリアカウル4bにより覆うと共に、リアカウル4bの前側に着座のための座席5aとステップ5bとを設置して乗車部5を構成し、前記座席5aへの着座姿勢にて操作可能な位置に突設されたステアリングコラム6aの上端に、操向のためのステアリングホィール6を取付けてなる。
【0024】
乗車部5の上側は、フロントカウル4aから後上方に向けて突設された左右一対のサポート7a,7a(片側のみ図示)に支持されたルーフ板7bにより囲われ、同じく前側は、前記サポート7a,7a間に架設された風防板7cにより前方の透視が可能に囲われており、乗車部5上の乗員を風雨から保護するようになしてある。また乗車部5の後側には、ゴルフバッグ等の大嵩な物品を搭載し、適宜に固定可能に載置フレーム8aが突設してあり、乗車部5の前側には、グローブ、帽子等の小嵩の物品を収納するための小物入れ8bが取付けてある。
【0025】
以上の如きゴルフカート1は、後輪3,3を駆動輪とし、前輪2,2の操向により方向を変えて走行する。この走行は、乗車部5の座席5aに着座した運転者の手動操作による手動走行と、所定の走行路に沿って後述の如く行われる誘導走行とであるが、一般的に手動走行は、使用前の車庫出し及び使用後の車庫入れ等、専従の作業員の操作による場合に限って行われ、プレイヤー、キャディー等の一般の利用者の乗車中は、誘導走行のみが可能とされる。
【0026】
前輪2,2は、車体フレーム4の前部に横架されたフロントアクスル20の両端部に略鉛直な軸回りに揺動可能に取付けてあり、また、前記フロントアクスル20の後側に並設されたラック軸21の両端に、各別のナックルアーム22,22を介して連結されている。ラック軸21は、これを収納するラックハウジング23の内部において図示しないピニオンに噛合しており、該ピニオンは、前記ステアリングコラム6aの内部に枢支され、ステアリングホィール6の回転に伴って回転するステアリングシャフトにユニバーサルジョイント24を介して連結されている。
【0027】
而して、ステアリングホィール6の操作がなされた場合、ユニバーサルジョイント24を介して前記ピニオンが回転し、この回転がラック軸21の軸長方向の移動に変換され、この移動によりナックルアーム22,22が揺動し、前輪2,2は、ステアリングホィール6の操作方向に操作量に相当する角度だけ操向される。
【0028】
また、前記ラックハウジング23の中途部には、ステアリングモータM1が取付けてあり、該ステアリングモータM1の出力端は、ラックハウジング23の内部に延設され、図示しないピニオンを介して前記ラック軸21に噛合させてある。
【0029】
而して、ステアリングモータM1が回転した場合、この回転が前記ピニオンを介してラック軸21に伝達され、該ラック軸21の軸長方向の移動によりナックルアーム22,22が揺動せしめられ、前輪2,2は、ステアリングモータM1の回転方向に回転量に相当する角度だけ操向される。このステアリングモータM1は、誘導走行中のゴルフカート1の操向手段として、車体フレーム4の中央部近傍に搭載された走行制御部10から与えられる駆動信号に応じて回転駆動される。
【0030】
手動走行と誘導走行との切り換えは、ステアリングコラム6aの中途部に配された走行切り換えレバー25の操作に応じて行われる。該走行切り換えレバー25は、ステアリングコラム6aに内蔵された図示しないクラッチを操作し、ステアリングホィール6とユニバーサルジョイント24との連結を係断する構成となっており、前記クラッチの遮断時には、ステアリングホィール6の操作による前輪2,2の操向が不能となり、ステアリングモータM1 の回転に応じた操向のみが有効な誘導走行状態となる。走行切り換えレバー25の誘導走行側(又は手動走行側)への切り換えは、該レバー25に近接して配され、マイクロスイッチを用いてなる走行切換スイッチ11(図1参照)のオン・オフにより検出され、この検出結果は、前記走行制御部10に与えられている。
【0031】
次に、駆動輪となる後輪3,3の駆動系の構成について述べる。後輪3,3の駆動源となるエンジンEは、左右の後輪3,3よりもやや前側の車体フレーム4上に、その出力軸を左右方向に向けて横置き固定され、該エンジンEの出力端には、遠心クラッチ30が付設された駆動プーリ31が嵌着されている。
【0032】
また車体フレーム4には、後輪3,3の車軸を収納するリアアクスル32の上部に位置してトランスミッションTが固定してある。エンジンEの出力端と同側に突設されたトランスミッションTの入力端には、従動プーリ33が嵌着してあり、エンジンEの出力は、駆動プーリ31と従動プーリ33との間に巻架された伝動ベルト34を介してトランスミッションTに伝達され、更に、該トランスミッションTの下部に連設され、リアアクスル32の中途部に同軸的に構成されたディファレンシャルギヤD(図1参照)により分配されて、左右の後輪3,3に伝達されるようになしてある。
【0033】
駆動プーリ31と従動プーリ33とは、両者間に巻架された伝動ベルト34の張力の作用により夫々の幅を逆方向に変え、エンジンEからトランスミッションTへの伝動の際の減速比を、エンジンEの負荷の増減に応じて変える自動変速機を構成している。これにより、人員の乗車時、多量の物品の搭載時、登坂走行時等、エンジンE負荷の増大を招く走行時に、後輪3,3に十分な回転トルクを得ることが可能となる。トランスミッションTは、前,後進の切り換えのみを可能としたものであり、この切り換えは、乗車部5の座席5a下部に位置してリアカウル4bの側面に配された前後進切り換えレバー36(図1参照)の操作により行われる。
【0034】
またエンジンEの出力端には、スタータベルト35を介してスタータモータM4が連結され、前記エンジンEは、スタータモータM4の回転により出力軸を強制回転せしめて起動されるようになしてある。駆動プーリ31に付設された遠心クラッチ30は、エンジンEの回転速度が所定の大きさに達することにより係合する動作をなすものであり、駆動プーリ31へのエンジンEの出力の取り出しは、前記遠心クラッチ30の係合を条件として行われるようになしてある。従って、前述したエンジンEの起動は、遠心クラッチ30の遮断によりトランスミッションTから切り離された状態でなされることになり、乗車部5にて操作可能な位置に配された図示しないキースイッチの操作等、スタータモータM4を駆動するための容易な操作によりエンジンEを確実に起動することができる。
【0035】
エンジンEの外側には、スロットルモータM2とチョークソレノイド38とが取付けてある。スロットルモータM2は、その回転によりスロットルワイヤ37を巻き取り、エンジンEに内蔵された図示しないスロットル弁を開閉する動作をなすものであり、該エンジンEの出力は、スロットルモータM2の正逆転に応じて増減される。
【0036】
スロットルモータM2は、誘導走行中におけるゴルフカート1の走行速度を調整すべく、前記走行制御部10から与えられる駆動信号に応じて回転駆動される。この回転に応じて定まるスロットル開度は、スロットルモータM2の回転角度を媒介として、ポテンシオメータ等を用いてなるスロットル開度センサ50により検出されて走行制御部10に与えられている。
【0037】
一方、手動走行中のゴルフカート1の速度調整は、乗車部5のステップ5b上に突設されたアクセルペダルAPの踏圧操作に応じて行われる。但し、エンジンEのスロットルワイヤ37とアクセルペダルAPとは、機械的に連結されておらず、手動走行中の速度調整は、ポテンシオメータ等を用いてなるアクセルセンサ51によりアクセルペダルAPの踏み込み量を検出し、この検出結果に基づく前記走行制御部10の動作によりスロットルモータM2を駆動して、エンジンEの出力を調整する手順により行われている。
【0038】
一方チョークソレノイド38は、エンジンEの燃料供給系に配された図示しないチョーク弁に連結してあり、その励磁コイルへの通電に応じて前記チョーク弁を開放し、エンジンEに供給される混合気中の燃料濃度を高める動作をなすものである。このチョークソレノイド38への通電は、乗車部5において操作可能な位置に配設された図示しないチョークボタンの操作に応じてなされ、この操作は、例えば、寒冷地においてエンジンEの速やかな起動が困難な場合に行われる。
【0039】
また左右の後輪3,3には、これら夫々にブレーキ力を加えるためのブレーキ40,40が付設してある。これらのブレーキ40,40は、前記アクセルペダルAPに並べて乗車部5のステップ5b上に突設されたブレーキペダルBPに、図中に2点鎖線により示す各別のブレーキワイヤ41,41、及び図示しないリンク機構を介して連結されている。また、ブレーキペダルBPの配設位置の後方の車体フレーム4上には、ブレーキモータM3が取付けてあり、該ブレーキモータM3の出力端は、図示しない減速装置、及びブレーキペダルBPと共通のリンク機構を介して前記ブレーキワイヤ41,41に連結されている。
【0040】
而してブレーキワイヤ41,41は、ブレーキペダルBPの踏み込み、又はブレーキモータM3の回転に応じて引っ張られ、この引っ張りに応じてブレーキ40,40が発生する制動力が後輪3,3に夫々加えられる。ブレーキペダルBPの踏み込みとブレーキモータM3の回転との干渉は、前記リンク機構により吸収されるようになしてある。
【0041】
ブレーキモータM3は、誘導走行中のゴルフカート1を停止させるべく、また走行速度を調整すべく、前記走行制御部10から与えられる駆動信号に応じて回転駆動される。この回転により後輪3,3に加わるブレーキ力は、ブレーキモータM3の回転角度として、ポテンシオメータ等を用いてなるブレーキセンサ52により検出されて前記走行制御部10に与えられている。
【0042】
ゴルフカート1の前部には、その中途部をフロントアクスル20の略中央に枢支してセンサアーム60が取付けてある。該センサアーム60は、車体フレーム4の下側にて前輪2,2の前方に至るまで延設され左右両側に分岐されており、これらの分岐端には一対の誘導信号センサ61,61が、前輪2,2及び後輪3,3が接地する路面に対向して取付けてある。センサアーム60の後端は、前記ラックハウジング23内部のラック軸21に係合され、ラック軸21と共に左右に移動するようになしてある。この構成により、センサアーム60前部の誘導信号センサ61,61は、ラック軸21の移動に伴う前輪2,2の操向に追随して、前記路面と略平行をなす面内にて左右両側に揺動することになる。
【0043】
また、ラックハウジング23のやや後側の車体フレーム4の底面には、幅方向の中央から一側にずらせた位置に、前輪2,2及び後輪3,3が接地する路面に対向せしめて走行標識センサ62が取付けてある。該走行標識センサ62及び前記誘導信号センサ61,61はいずれも、周辺磁場の作用により誘起電圧を発生するコイルであり、前者は、路面下に埋設されて交流電流が通電される誘導線9aの周囲に形成される磁界を検出対象とし、また後者は、路面下の所要位置に埋設された標識マグネット9bにより形成される磁界を検出対象とする。誘導信号センサ61,61及び走行標識センサ62の検出結果は、これらに誘起される電圧信号として前記走行制御部10に与えられている。
【0044】
図3は、以上の如く構成されたゴルフカート1の制御系の構成を示すブロック図である。マイクロプロセッサを用いてなる走行制御部10の入力側には、前記スロットル開度センサ50、前記アクセルセンサ51、及びブレーキセンサ52の各検出信号が与えられている。また、誘導信号センサ61,61の誘起電圧は、各別の増幅器63,63により増幅されて比較器64に与えられ、該比較器64の出力、即ち、両センサ61,61の誘起電圧の偏差信号として走行制御部10に与えられ、また走行標識センサ62の誘起電圧は、増幅器65により増幅され、波形整形回路66を経て走行制御部10に与えられている。
【0045】
更に走行制御部10の入力側には、前記走行切換スイッチ11のオンオフ信号、乗車部5上にて操作可能な位置に配設された発進スイッチ12のオンオフ信号、適宜位置に搭載されたリモコン受信器13の出力信号、車体フレーム4の前部に配設された障害物センサ14の出力信号、ゴルフカート1の走行速度を検出する車速センサ15の出力信号が夫々与えられている。
【0046】
発進スイッチ12は、乗車部5に乗車した利用者が発進及び停止手段として使用するものであり、またリモコン受信器13は、ゴルフカート1から離れた位置での発進及び停止操作のために利用者により携帯されるリモコン発信器16からの発進又は停止信号を受信し、この受信結果を出力するものであり、これらからの入力に応じた走行制御部10の所定の動作によりゴルフカート1は、発進スイッチ12のオン操作又はリモコン発信器16の発進操作に応じて発進せしめられ、また発進スイッチ12のオフ操作、リモコン発信器16の停止操作、又は後述する定点停止用の標識マグネット9bの検出に応じて停止せしめられる。
【0047】
障害物センサ14は、図1及び図2に示す如く、例えば、超音波の発信器又は受信器を車体フレーム4の前部に配し、発信器から前方に発せられた超音波の障害物からの反射波を受信器により捉え、該受信器の出力の高低により障害物の有無を判定する公知のものであってよい。なお、この障害物センサ14による検出がなされた場合、走行制御部10は、ゴルフカート1を緊急停止せしめる所定の動作を行う。
【0048】
また車速センサ15は、例えば、トランスミッションTから後輪3,3までの伝動系の適宜位置に取付けたスリット円板とこれを挾んで配されたフォトインタラプタとを備え、後輪3,3の一回転当たり複数のパルス信号を得て、F/V変換器により後輪3,3の回転速度、即ち、ゴルフカート1の車速に対応する出力を得るようにしたものを用いればよい。車速センサ15の出力は、標識マグネット9bにより後述の如く指定される目標速度との比較、及び走行距離の算定に用いられている。
【0049】
一方走行制御部10の出力側には、前記ステアリングモータM1、スロットルモータM2、及びブレーキモータM3が各別の駆動回路D1,D2,D3を介して接続されており、各モータM1,M2,M3は、走行制御部10から各別に与えられる駆動信号に応じて回転駆動され、夫々の動作、即ち、前輪2,2の操向、エンジンEの出力調整、及び後輪3,3の制動を行う。
【0050】
図4は、ゴルフカート1が使用されるゴルフ場の一例を示す平面図である。前記誘導線9aは、コースに沿って設けられた専用のカート路Rの略中央に連続的に埋設されている。この誘導線9aは、ゴルフカート1をカート路Rに沿って誘導走行せしめる際の誘導標識となるものであり、誘導走行の開始に際しゴルフカート1は、カート路Rの起点において、図2に示す如く、前部に取付けた一対の誘導信号センサ61,61が誘導線9aを跨ぐように位置決めされ、走行切り換えレバー25を誘導走行側に操作して利用者に受け渡される。
【0051】
走行制御部10は、走行切換スイッチ11のオンにより誘導走行状態への切り換えを認識し、この後のゴルフカート1は、乗車部5に乗車した利用者による前記発進スイッチ12のオン操作、又は離れた位置での前記リモコン発信器16の発進操作に応じて走行を開始する。この走行の間、前記誘導信号センサ61,61には、誘導線9aの周囲に形成される磁界の作用により誘起電圧が夫々発生し、これらの誘起電圧の大きさは、磁界の発生源たる誘導線9aからの距離に反比例する。
【0052】
従って、前記比較器64の出力は、両誘導信号センサ61,61の中央、即ち、これらを前部に備えたゴルフカート1の幅方向の略中央部分が前記誘導線9aに対して偏ったとき、この偏りの方向に対応する符号と、偏り量に相当するレベルとを有する信号となる。走行制御部10は、前記誘導線9aに対するゴルフカート1の偏りを前記比較器64からの入力により認識し、この偏りを解消すべく出力側に接続されたステアリングモータM1に駆動指令を発し、前輪2,2を操向せしめる動作をなす。これによりゴルフカート1は、幅方向の中央部が前記誘導線9aをたどるように自動操向されつつカート路R上を走行する。
【0053】
また、走行標識センサ61の検出対象となる標識マグネット9bは、周辺の自然条件に合わせて種々に変化するカート路Rの全域に亘っての安全な走行を可能とするためのものであり、速度の変更、停止等、走行条件の変更が必要な各位置に埋設されている。
【0054】
標識マグネット9bは、速度変更、停止に限らず、コース上からの見通しが困難な位置での危険な遠隔操作が行われることを防止するため、前記リモコン発信器16から受信器13を経て与えられる発進指令を無視する指示、カート路Rに近接して立ち木等が存在する位置での無意味な停止を防ぐため、障害物センサ14の検出感度を減ずる指示、逆に、人の横断等が予想される位置での安全性を増すため、障害物センサ14の検出感度を増す指示等、走行路の状況に応じた種々の指示が可能に設けてあり、これらの指示の種別は、標識マグネット9bの極性の相違、複数の標識マグネット9bの並設順、これらの並設間隔の相違等を利用して行わせるようになっている。
【0055】
本発明においては、更に、速度変更の指示のための標識マグネット9bが、通常走行時の中間速度(6km/h前後)よりも低い走行速度(4km/h前後)での走行を指示する低速度標識に加えて、中間速度よりも高い走行速度(10km/h前後)での走行を指示する高速度標識を備えていることを特徴とする。
【0056】
低速度標識は、従来においても設けられているものであり、カート路Rの中途に存在する登坂、降坂及び急旋回地点等の危険か所に前置されている。図4においては、降坂部の前となるA1 地点、林への突入前のA2 地点に、例えば、夫々N及びSの極性を有する2つの標識マグネット9b,9bを、この順に60cm程度の短間隔にて埋め込んで低速度標識が設けてある。
【0057】
一方、高速度標識は、急旋回、登坂及び降坂を含まない略直線状の平坦部分が継続する区間に前置されている。図4においては、B1地点、B2地点、B3地点、及びB4地点に、例えば、夫々S及びNの極性を有する2つの標識マグネット9b,9bを、この順に 120cm程度の長間隔にて埋め込んで高速度標識が設けてある。
【0058】
また、コース内のティーグラウンドTG、グリーンG、及びこれらの中間の第2打地点に夫々近接したカート路R上の各地点(C1,C2,C3)には、例えば、共にSの極性を有する2つの標識マグネット9b,9bを、この順に60cm程度の短間隔にて埋め込んで停止標識が設けてある。
【0059】
なお、図4中には、前記各地点における標識マグネット9bの埋設位置をドットにより図示してあるが、各ドットの間隔は、前述した短間隔と長間隔との相違を模式的に表すものであり、実際の埋設間隔に相当するものではない。また、前記各ドットは、図示の都合上、カート路Rの外側に示してあるが、実際の標識マグネット9bは、図2にも示されているように、カート路Rに埋設された誘導線9aの一側に近接して埋設される。
【0060】
走行制御部10は、標識マグネット9bの検出に応じた走行標識センサ62の出力が与えられた場合、この時点から車速センサ15の検出結果に基づいて走行距離を算出し、この距離が所定距離( 120cm)に達するまでの間に次なる標識マグネット9bの検出がなされるか否かを監視し、この検出がなされた場合、この標識マグネット9bの極性を調べ、これらの結果から走行標識の種別を判定する。
【0061】
即ち、第1回目にS極の標識マグネット9bが検出され、その後に 120cmの走行がなされた時点でN極の標識マグネット9bが検出された場合、走行制御部10は、前述した高速度標識が検出されたと認識し、同じく、60cmの走行がなされた時点で再度S極の標識マグネット9bが検出された場合、走行制御部10は、前述した停止標識が検出されたと認識する。また、第1回目にN極の標識マグネット9bが検出され、その後に60cmの走行がなされた時点でS極の標識マグネット9bが検出された場合、走行制御部10は、前述した低速度標識が検出されたと認識する。
【0062】
更には、2回目の標識マグネット9bの検出が、前述した各時点と異なる時点でなされた場合、又は、120cmの走行の間に2回目の標識マグネット9bの検出がなされなかった場合には、低速度標識、高速度標識及び停止標識以外の走行標識が検出されたと認識する。
【0063】
図5は、走行制御部10の動作内容を示すフローチャートである。走行制御部10は、図示しないキースイッチの操作によるエンジンEの起動に応じてその動作を開始し、まず走行切換スイッチ11のオンオフ状態を調べ(ステップ1)、また誘導信号センサ61,61による誘導線9aの検出の有無を調べ(ステップ2)、走行切換スイッチ11がオンであり、誘導線9aの検出がなされている場合、誘導走行が可能な待機状態となる。なおこの待機状態への移行に際しては、障害物センサ14による検出がなされていないこと、車体前部のバンパに接触物がないこと、出力側の各モータM1,M2,M3への通電が正常に行われること等、安全な発進を可能とするための他の条件の確認も行われるが、図5にはこれらの確認のためのステップは省略してある。
【0064】
待機状態への移行後、走行制御部10は、発進操作の有無、具体的には、発進スイッチ12からのオン信号、又はリモコン受信器13の出力信号の入力の有無を調べ(ステップ3)、発進操作がなされなていない場合、ステップ1及びステップ2の判定を繰り返しつつ待機状態を継続し、発進操作がなされた場合には、この操作に応じて通常走行動作を開始する(ステップ4)。
【0065】
この通常走行動作は、予め設定された中間速度(例えば6km/h)を目標速度とする誘導走行のための動作であり、後述する高速走行サブルーチンにおいて詳述するように、車速センサ15による検出車速を取り込み、これを目標速度と比較して、両者の偏差を解消すべく、スロットルモータM2に駆動指令を発してエンジンEの出力を調整し、更に必要な場合にブレーキモータM3に駆動指令を発し、ブレーキ40,40により後輪3,3に制動力を加える速度制御と、前述の如く、誘導信号センサ61,61からの入力により誘導線9aに対する偏りを認識し、この偏りを解消すべくステアリングモータM1に駆動指令を発し、前輪2,2を操向せしめる操向制御とが行われる。
【0066】
このような通常走行中、走行制御部10は、走行標識センサ62からの入力を常時監視し(ステップ5)、走行標識の検出がなされた場合、次にこの標識の種別を特定し、この結果、高速度標識であるとの特定がなされたとき(ステップ6)、又は低速度標識であるとの特定がなされたとき(ステップ7)、高速度走行のための高速走行サブルーチン(ステップ8)、又は低速度走行のための低速走行サブルーチン(ステップ9)に従った動作をなす。
【0067】
更に、ステップ6での特定の結果、検出された走行標識が停止標識であった場合(ステップ10)、ゴルフカート1を緩やかに停止せしめるための所定の停止動作を行い(ステップ11)、この動作終了後、ステップ1に戻って前述した動作を繰り返す。また、停止標識でない場合、即ち、高速度標識、低速度標識、及び停止標識以外の走行標識が検出された場合、夫々の走行標識に従う所定の動作を行い(ステップ12)、これらの動作終了後、ステップ4に戻って通常走行を継続する。
【0068】
図6は、高速走行サブルーチンにおける走行制御部10の動作内容を示すフローチャートである。この高速走行サブルーチンにおいては、通常走行時における走行速度よりも高い速度(例えば10km/h)が目標速度VHとなり、走行制御部10はまず、内蔵する距離カウンタをリセットする(ステップ20)。この距離カウンタは、車速センサ15の検出車速に基づいて算出される走行距離のカウンタであり、後述する如く、リターンのための条件の一つとなる。
【0069】
その後走行制御部10は、車速センサ15による検出車速Vを取り込み(ステップ21)、これを前記目標速度VHと比較して(ステップ22)、V<VHである場合(移行直後はこの状態にある)、スロットルモータM2に正転のための駆動信号を発し、スロットル開度を増してエンジンEの出力を増大せしめる加速動作をなし(ステップ23)、V≧VHである場合、スロットルモータM2に逆転のための駆動信号を発し、スロットル開度を減じてエンジンEの出力を減少せしめる減速動作をなす(ステップ24)。
【0070】
以上の如き加速動作中及び減速動作中、走行制御部10は、スロットル開度センサ51から入力される現状のスロットル開度を監視し、加速動作中にスロットル開度が所定の上限値を上回った場合(ステップ25)、又は減速動作中にスロットル開度が所定の下限値を下回った場合(ステップ26)、高速走行サブルーチンに従う動作を直ちに停止し、図5のステップ4にリターンする。
【0071】
この動作は、カート路R中の登坂部又は降坂部において高速走行サブルーチンが実行され、スロットル開度を上限まで増した、又は下限まで減じたにも拘わらず目標速度VHの維持がなされない場合のためのものであり、エンジンE負荷の低減及び安全性の確保を図るべく、通常走行への速やかな移行が行われる。なお実際には、登坂部又は降坂部の前には、前述の如く低速度標識が設置され、ステップ25又はステップ26での判定が是となることはない。
【0072】
ステップ25又はステップ26での判定が否であった場合、走行制御部10は、走行標識センサ62からの入力により走行標識の検出の有無を調べ(ステップ27)、走行標識の検出がなされた場合、これが高速度標識であるか否かを調べ(ステップ28)、高速度標識である場合、ステップ20に戻り、前記距離カウンタを再度リセットして前述した動作を繰り返す。一方、他の標識であった場合には、高速走行サブルーチンを直ちに離脱し、図5のステップ4にリターンする。
【0073】
一方、走行標識の検出がなされない場合、走行制御部10は、前記距離カウンタのカウント値を調べ(ステップ29)、カウントアップしている場合にはリターンし、カウント中である場合には、ステップ21に戻り、前述した動作を繰り返す。この場合、距離カウンタはリセットされず、カウントを継続する。
【0074】
前記距離カウンタは、所定距離(例えば50m)のカウントによりカウントアップするようになしてある。即ち、高速走行サブルーチンに従う動作は、高速度標識の検出に伴う移行の後、前記所定距離の進行後に自動的に解除され、またこの進行の間に新たな高速度標識が再検出された場合、前記距離カウンタのリセットが行われる結果、再検出地点から前記所定距離だけ進行する間継続される。
【0075】
前記図4におけるB4地点に設けた高速度標識は、これ以前のB3地点に設けた高速度標識に従う高速走行状態をB4地点以後も継続するために必要なものである。また、B1地点に設けた高速度標識に従う高速走行状態は、停止標識が設けられたC2地点に達する前に解除され、C2地点での停止が、中間速度からの停止となるようにしてある。
【0076】
そしてこの間においては、現状の車速Vと目標速度VHとの偏差を解消すべくエンジンEのスロットル開度が増減される結果、前記目標速度VHを維持しての高速走行が行われる。この間、誘導信号センサ61,61からの入力により誘導線9aに対する偏りを認識し、この偏りを解消すべくステアリングモータM1 に駆動指令を発する操向制御が併せて行われることは言うまでもない。
【0077】
なお本実施例においては、ステップ28での判定の結果、高速度標識以外の走行標識が検出された場合に無条件にリターンするようにしたが、低速度標識又は停止標識が検出された場合にのみリターンし、その他の場合は高速走行状態を継続するようにしてもよい。但し、その他の走行標識は、前述した如く、リモコン発信器16の操作による発進指令を無視する指示、障害物センサ14の検出感度を増減する指示等、安全性を確保するためのものが主体であり、本実施例に示す如く、高速度標識以外の走行標識が検出された場合に無条件にリターンし、通常走行又は低速走行に移行するようにするのが望ましい。
【0078】
低速走行サブルーチンにおける制御内容は、高速走行サブルーチンにおける制御内容と同様であり詳細な説明を省略するが、前記ステップ22での比較が、通常走行時における中間速度よりも低い速度(例えば4km/h)に対して行われること、またステップ25において、スロットル開度が上限値を超えるまで加速動作を行ったにも拘わらず前記目標速度の維持がなされない場合、走行を停止するようにすることが異なる。この停止は、例えば、停止動作を指示するためのフラグをセットしてリターンすることにより実現できる。
【0079】
なお、低速走行サブルーチンに従う動作は、高速走行の場合と同様、低速度標識の検出に伴う移行の後、所定距離の進行後に自動的に解除されるが、この所定距離は、高速走行時における前述した所定距離(50m)よりも十分短く(例えば10m)に設定してある。これは高速走行の指定が、長く見通しの良い直線状のカート路Rが継続する区間において行われるのに対し、低速走行の指定は、路幅が狭く、樹木等の障害物の多い危険か所にて局所的に行われるためである。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述した如く、ゴルフカートが誘導走行する走行路に、通常走行時の走行速度よりも低い速度での走行を指示する低速度標識、及び前記通常走行時の走行速度よりも高い速度での走行を指示する高速度標識を設け、走行速度が前記走行標識による指示速度に達しないとき、一段低い速度を指示速度とするので、エンジン等の負荷の低減及び安全性を確保できるという効果を奏する。
【0081】
また高速度標識は、走行路が略直線であり、略平坦な部分が継続する区間、即ち、危険の予測が容易な区間に前置したから、安全上の問題が生じる虞れは小さく、また低速度標識及び高速度標識による指示は所定量の走行に達した時点で解除されるから、通常走行時の速度への復帰を指示する走行標識を設ける必要がない上、比較的長い距離の間継続されることの多い高速度走行からの復帰のための所定量を、低速度走行からのそれよりも長くしてあるから、高速度走行の継続のための標識の設置数を最小限に抑えることができ、標識設置のための手間が大幅に削減される。
【0082】
更に、高速度又は低速度での走行への移行後、低速度標識及び高速度標識による指示が解除されるまでの間に、他の標識があった場合には、高速度又は低速度での走行を解除して通常の走行動作に移行するため、高速度又は低速度での走行を解除するまでに速度を変更することができるので、カート路上でのゴルフカートの停滞の発生を緩和でき、また、安全性を向上させることができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る誘導装置が適用されるゴルフカートの外観を示す側面図である。
【図2】本発明に係る誘導装置が適用されるゴルフカートの内部構成を模式的に示す平面図である。
【図3】本発明に係る誘導装置が適用されるゴルフカートの制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る誘導装置を備えたゴルフ場の一例を示す平面図である。
【図5】走行制御部の動作内容を示すフローチャートである。
【図6】高速度標識の検出に伴う走行制御部の動作内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ゴルフカート
9a 誘導線
9b 標識マグネット
11 走行切換スイッチ
61 誘導信号センサ
62 走行標識センサ
R カート路
6 ステアリングホィール
AP アクセルペダル
Claims (7)
- 誘導標識及び走行標識が設置された走行路上に、前記誘導標識の検出に応じた操向を行い、前記走行標識の検出に応じた速度を保ってゴルフカートを誘導走行せしめる装置において、
前記走行標識は、通常走行時の速度よりも低い速度での走行を指示する低速度標識と、前記通常走行時の速度よりも高い速度での走行を指示する高速度標識とを設け、走行速度が前記走行標識による指示速度に達しないとき、一段低い速度を指示速度とすることを特徴とするゴルフカートの誘導装置。 - 前記低速度標識、或いは高速度標識を検出してから所定量走行したとき、前記低速度標識或いは前記高速度標識による指示を解除して前記通常走行時の速度での走行に復帰し、前記低速度標識或いは前記高速度標識による指示を解除するまでに前記走行標識を検出したとき、その走行標識の検出に応じた走行を行い、前記低速度標識或いは前記高速度標識による指示を解除するまでに検出される前記走行標識は、前記低速度標識、或いは高速度標識を解除する標識であることを特徴とする請求項1記載のゴルフカートの誘導装置。
- 前記走行標識は、マグネットによって構成されることを特徴とする請求項1記載のゴルフカートの誘導装置。
- 前記マグネットは、マグネットの極性、或いはマグネットの間隔を異ならせて配置することを特徴とする請求項3記載のゴルフカートの誘導装置。
- 前記低速度標識、或いは高速度標識を検出してから所定量走行したとき、前記低速度標識或いは前記高速度標識による指示を解除して前記通常走行時の速度での走行に復帰し、前記低速度標識或いは前記高速度標識による指示を解除するまでに前記走行標識を検出したとき、その走行標識の検出に応じた走行を行い、前記所定量は、前記低速度標識による所定量よりも高速度標識による所定量を長くし、前記所定量は、前記走行標識による指示を検知してからの走行距離であることを特徴とする請求項1記載のゴルフカートの誘導装置。
- 前記走行標識による指示が低速度標識で、指示速度に達しないとき、停止することを特徴とする請求項1記載のゴルフカートの誘導装置。
- 駆動源であるエンジンの駆動力を調節するスロットルを設け、該スロットルの開度が上限値になっても指示速度に達しないときは一段低い速度を指示速度とすることを特徴とする請求項1記載のゴルフカートの誘導装置。
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