JP3670940B2 - ユニット建物及び建物ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はユニット建物に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10のユニット建物は、複数の下階建物ユニット1の上に、複数の上階建物ユニット2とバルコニーユニット3を搭載し、それらの上階建物ユニット2の上に屋根ユニット4を搭載したものである。このとき、上階建物ユニット2とバルコニーユニット3は、特開平7-76879号公報に記載の如くの、壁パネルの内面部に床パネルの外縁部を突合せ配置するとともに、床パネルを該ユニットの下端レベルより高位に設定してなるものとされ、下階天井高を確保可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、従来技術では、複数の下階建物ユニット1にまたがる下階天井空間の中に、上階建物ユニット2の壁パネル2Aの下端部が垂れ壁状に突出し、下階天井空間の開放感が損なわれ、また、上階建物ユニット2の直下に設備箱物類が置けない。
【0004】
本発明の課題は、壁パネルの内面部に床パネルの外縁部を突合せ配置し、床パネルをユニットの下端レベルより高位に設定した建物ユニットを用いながら、広く開放的な下階天井空間を形成し、設備箱物類の下階への設置自由度も向上することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、下階建物ユニットの上に複数の上階建物ユニットを並べて搭載するに際し、複数の相並ぶ上階建物ユニットの壁パネルを下階建物ユニットの壁パネルのない位置の上方にセットバックして配置するユニット建物において、下階建物ユニットの壁パネルのない位置に支持梁を架け渡し、支持梁の両端部は下階建物ユニットの上端部に載架され、上階建物ユニットは壁パネルの内面部に床パネルの外縁部を突合せ配置するとともに、床パネルを該ユニットの下端レベルより高位に設定し、かつセットバックする壁パネルの下端部を該ユニットの下端レベルより高位に設定し、該セットバックする壁パネルの下端部を上記支持梁の上に支持してなるようにしたものである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記上階建物ユニットのセットバックする壁パネルの下端部に大断面の木質材を設け、この木質材を前記支持梁の上に支持してなるようにしたものである。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記支持梁の端部に設けた脚の外側面に接合部材が固定され、下階建物ユニットの上端部に設けた引張ピンに該接合部材を締結してなるようにしたものである。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3の発明において更に、前記支持梁の脚を下階建物ユニットの上端部に載架した状態で、前記引張ピンは前記接合部材の被締結板が備える孔を上方に貫通し、該引張ピンの上端側膨出状頭部と該被締結板とのスペースに横方から挿入される締結板を差し込んでなるようにしたものである。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記複数の相並んで壁パネルをセットバックしてなる上階建物ユニットの側傍に、他の上階建物ユニットを配置するに際し、前記支持梁の端部に設けた脚の外側面に、頭部とくびれ部からなる突起部を備え、前記他の上階建物ユニットの端部で、上記支持梁の突起部を備えた脚に相対する端部に、頭部とくびれ部からなる突起部を備えた接合部材を取着し、前記支持梁の突起部と前記接合部材の突起部のそれぞれに係合する第1と第2の切欠溝を備えた係合部材を、下階建物ユニットに結合したボルトに締結してなるようにしたものである。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1〜5の発明において更に、前記支持梁の脚が、下階建物ユニットの上端部に設けたガイドピンに係入する位置決め孔を備えてなるようにしたものである。
【0014】
【作用】
請求項の発明によれば下記(a)の作用がある。
(a)複数の相並ぶ上階建物ユニットの壁パネルを下階建物ユニットの壁パネルのない位置の上方にセットバックするに際し、上階建物ユニットの壁パネルの下端部を該ユニットの下端レベルより高位に設定し、かつこの上階建物ユニットの壁パネルの下端部を下階建物ユニットの上端部に載架した支持梁に支持し、支持梁の両端部は下階建物ユニットの上端部に載架した。従って、相並ぶ上階建物ユニットを下階建物ユニットの壁パネルのない位置の上方にセットバック状態で支持でき、かつそれら複数の上階建物ユニットの壁パネルの下端部を下階天井空間に垂れ壁状に突出することがなく、結果として、高く開放的な下階天井空間を形成し、設備箱物類の下階への設置自由度も向上できる。
【0015】
請求項の発明によれば下記(b)の作用がある。
(b)上階建物ユニットのセットバックする壁パネルの下端部を大断面の木質材とした。
従って、この壁パネルの下端部を支持梁に支持するに際し、壁パネルの下端部を構成する木質材の自由な位置にボルト、釘等を設けて、これを支持梁にボルト接合、釘打ち等にて固定できる。
【0016】
請求項の発明によれば下記(c)の作用がある。
(c)支持梁の脚を下階建物ユニットの上端部に載架するに際し、脚の外側面に固定した接合部材を下階建物ユニットの上端部に設けた引張ピンに締結するものであるから、支持梁の脚の横方から取付作業でき、施工性が良い。
【0017】
請求項の発明によれば下記(d)の作用がある。
(d)上述(c)の取付作業が、支持梁の脚を下階建物ユニットの上端部に載架するとき、接合部材の被締結板の孔を上方から引張ピンに貫通し、引張ピンの膨出状頭部と被締結板とのスペースに横方から締結板を差し込むことにてなされる。従って、施工性を良好にしながら、支持梁の脚を下階建物ユニットの上端部に強固に固定できる。
【0018】
請求項の発明によれば下記(e)の作用がある。
(e)相並んで壁パネルをセットバックしてなる上階建物ユニットの側傍に、他の上階建物ユニットを配置するに際し、支持梁の脚に設け突起部と、上記他の上階建物ユニットに設けた接合部材の突起部のそれぞれに、下階建物ユニットに結合したボルトを締結することとした。従って、下階建物ユニットの上端部への支持梁の固定と、下階建物ユニットと上階建物ユニットの連結と、相隣る上階建物ユニット同士の連結とを同時に行なうことができ、施工性を向上できる。
【0019】
請求項の発明によれば下記(f)の作用がある。
(f)支持梁の脚に位置決め孔を備え、この位置決め孔を下階建物ユニットのガイドピンに係入せしめたから、下階建物ユニットに対する支持梁の位置決め精度を簡易に向上できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は参考例1のユニット建物を示す縦断面図、図2は図1の要部分解斜視図、図3は第実施形態のユニット建物を示す縦断面図、図4は図3の分解斜視図、図5は図3の要部拡大断面図、図6は図3の壁パネルと支持体の接合構造を示す断面図、図7は第実施形態のユニット建物の構築手順を示し、(A)は妻壁パネルを示す斜視図、(B)は妻壁パネルを示す側面図、(C)は妻壁パネルと床パネルの接合構造を示す斜視図、(D)は桁壁パネルの接合構造を示す斜視図、(E)は支持梁を示す斜視図、(F)は支持梁と妻壁パネルの接合構造を示す斜視図、図8は参考例2を示し、(A)はユニット建物を示す縦断面図、(B)は要部拡大断面図、図9は図8の分解斜視図、図10は従来例を示す縦断面図である。
【0022】
図11は第実施形態を示し、(A)はユニット建物を示す模式平面図、(B)は下階部分を示す模式斜視図、図12は支持梁の取付過程を示す斜視図、図13は支持梁の一端固定構造を示す断面図、図14は締結板の挿入状態を示す斜視図、図15は支持梁の他端固定構造を示す断面図、図16はジョイントプレートの固定状態を示す斜視図、図17は係合部材の取付状態を示す斜視図である。
【0023】
参考例1)(図1、図2)
ユニット建物10は、複数の下階建物ユニット11〜13、複数の上階建物ユニット21、22、バルコニーユニット23、屋根ユニット31を少なくとも一部に有する接合体である。
【0024】
下階建物ユニット11は、床パネル11Aの相対する2つの外縁部に壁パネル11B、11Cを二の字状に接合したものである。下階建物ユニット12(13も同じ)は、床パネル12Aの3つの外縁部に壁パネル12B、12C、12Dをコの字状に接合したものである。
【0025】
上階建物ユニット21は、床パネル21Aの3つの外縁部に壁パネル21B、21C、21Dをコの字状に接合したものであり、壁パネル21B〜21Dの内面部に床パネル21Aの外縁部を突合せ配置するとともに、床パネル21Aを該ユニット21の下端レベル(壁パネル21C、21Dの下端レベル)より高位に設定し、かつ壁パネル21Bの下端部を該ユニット21の下端レベルより高位(床パネル21Aの下端レベルと同じ)に設定している。
【0026】
上階建物ユニット22は、床パネル22Aの3つの外縁部に壁パネル22B、22C、22Dをコの字状に接合したものであり、壁パネル22B〜22Dの内面部に床パネル22Aの外縁部を突合せ配置するとともに、床パネル22Aを該ユニット22の下端レベル(壁パネル22B〜22Dの下端レベル)より高位に設定している。
【0027】
バルコニーユニット23は、床パネル23Aの3つの外縁部に手すり壁状の壁パネル23B、23C、23Dをコの字状に接合したものであり、壁パネル23B〜23Dの内面部に床パネル23Aの外縁部を突合せ配置するとともに、床パネル23Aを該ユニット23の下端レベル(壁パネル23B〜23Dの下端レベル)より高位に設定している。
【0028】
尚、上階建物ユニット21、22とバルコニーユニット23において、それらの床パネル21A、22A、23Aは互いに同レベルに設定されている。
【0029】
ユニット建物10は、以下の如くに構築される。
(1)下階建物ユニット11〜13を基礎の上に据付ける。
【0030】
(2)下階建物ユニット11の上に上階建物ユニット21を、下階建物ユニット12の上に上階建物ユニット22を、下階建物ユニット13の上にバルコニーユニット23を据付ける。これにより、上階建物ユニット21の壁パネル21Bが下階建物ユニット11の壁パネルのない位置の上方にセットバックして配置される。
【0031】
(3)上階建物ユニット21、22の上に屋根ユニット31を据付ける。
【0032】
尚、図1において、14は設備箱物類である。
【0033】
従って、参考例1によれば、以下の作用がある。
(1)上階建物ユニット21、22とバルコニーユニット23はそれらの床パネル21A、22A、23Aを該ユニット21、22、23の下端レベルより高位に設定してあるから、下階天井高を確保できる。
【0034】
(2)上階建物ユニット21の壁パネル21Bを下階建物ユニット11の壁パネルのない位置の上方にセットバックするに際し、上階建物ユニット21の壁パネル21Bの下端部を該ユニット21の下端レベルより高位に設定した。従って、上階建物ユニット21の壁パネル21Bの下端部を下階天井空間に垂れ壁状に突出することがなく、結果として、高く開放的な下階天井空間を形成し、設備箱物類の下階への設置自由度も向上できる。
【0035】
(第実施形態)(図3〜図7)
ユニット建物40は、複数の下階建物ユニット41〜43、複数の上階建物ユニット51、52、バルコニーユニット53、支持梁54、屋根ユニット61を少なくとも一部に有する接合体である。
【0036】
下階建物ユニット41(43も同じ)は、床パネル41Aの3つの外縁部に壁パネル41B、41C、41Dをコの字状に接合したものである。下階建物ユニット42は、床パネル42Aの相対する2つの外縁部に壁パネル42B、42Cを二の字状に接合するとともに、1つの外縁部に壁パネル42BとL形をなす壁パネル42Dを接合したものである。
【0037】
上階建物ユニット51は、床パネル51Aの3つの外縁部に壁パネル51B、51C、51Dをコの字状に接合したものであり、壁パネル51B〜51Dの内面部に床パネル51Aの外縁部を突合せ配置するとともに、床パネル51Aを該ユニット51の下端レベル(壁パネル51C、51Dの下端レベル)より高位に設定し、かつ壁パネル51Bの下端部(木質材56)を該ユニット51の下端レベルより(支持梁54の略脚高さ分)高位に設定している。木質材56は、下階の天井材設置レベルから、上階の床材設置レベルに渡る大断面をなす。
【0038】
上階建物ユニット51は、具体的には、以下の如くに製造される(図7(A)〜(D))。
(1)壁パネル51B(妻壁パネル)を、壁枠組55の下端部に大断面の木質材56を釘打ち固定することにて構成する(図7(A)、(B))。
【0039】
(2)壁パネル51Bに床パネル51Aを接合する。このとき、壁パネル51Bの木質材56に、床パネル51Aの床梁(C形鋼)57を接合する(図6、図7(C))。
【0040】
(3)床パネル51Aに壁パネル51C、壁パネル51D(桁壁パネル)を接合する(図7(D))。
【0041】
上階建物ユニット52は、床パネル52Aの相対する2つの外縁部に壁パネル52B、52Cを二の字状に接合したものであり、壁パネル52B、52Cの内面部に床パネル52Aの外縁部を突合せ配置するとともに、床パネル52Aを該ユニット52の下端レベル(壁パネル52Cの下端レベル)より高位に設定し、かつ壁パネル52Bの下端部(木質材56)を該ユニット52の下端レベルより(支持梁54の略脚高さ分)高位に設定している。
【0042】
上階建物ユニット52も、上階建物ユニット51と同様に製造され、壁パネル52Bは壁枠組55の下端部に木質材56を備え、床パネル52Aと壁パネル52Bの接合に際し、壁パネル52Bの木質材56に床パネル52Aの床梁57が接合される。
【0043】
バルコニーユニット53は、床パネル53Aの3つの外縁部に手すり壁状の壁パネル53B、53C、53Dをコの字状に接合したものであり、壁パネル53B〜53Dの内面部に床パネル53Aの外縁部を突合せ配置するとともに、床パネル53Aを該ユニット53の下端レベル(壁パネル53B〜53Dの下端レベル)より高位に設定している。
【0044】
支持梁54は、下階建物ユニット41の壁パネル41Dと下階建物ユニット42の壁パネル42Dに架け渡され、相並ぶ上階建物ユニット51、52の壁パネル51B、52Bの下端部(木質材56)を支持する。支持梁54は、下階建物ユニット41、42の壁パネル41D、42Dに載架される脚54Bを、梁本体54Aの両端部にて下方に突出させて備える。
【0045】
尚、上階建物ユニット51、52とバルコニーユニット53において、それらの床パネル51A、52A、53Aは互いに同レベルに設定されている。
【0046】
ユニット建物40は以下の如くに構築される。
(1)下階建物ユニット41〜43を基礎の上に据付ける。
【0047】
(2)下階建物ユニット41の壁パネル41Dと下階建物ユニット42の壁パネル42Dに支持梁54を架け渡す。支持梁54の脚54Bを壁パネル41D、42Dに設けてあるボルトに締結する(図7(E))。
【0048】
(3)下階建物ユニット41と支持梁54の上に上階建物ユニット51を、下階建物ユニット42と支持梁54の上に上階建物ユニット52を、下階建物ユニット41、42の上にバルコニーユニット53を据付ける。上階建物ユニット51、52の壁パネル51B、52B(木質材56)が支持梁54の梁本体54Aにボルト結合され、かつ釘打ち固定される(図7(F))。これにより、2つの相並ぶ上階建物ユニット51、52の壁パネル51B、52B(木質材56)が、下階建物ユニット41、42の壁パネルのない位置の上方にセットバックして配置される。
【0049】
(4)上階建物ユニット51、52の上に屋根ユニット61を据付ける。
【0050】
従って、本実施形態によれば、以下の作用がある。
▲1▼上階建物ユニット51、52とバルコニーユニット53はそれらの床パネル51A、52A、53Aを該ユニット51、52、53の下端レベルより高位に設定してあるから、下階天井高を確保できる。
【0051】
▲2▼複数の相並ぶ上階建物ユニット51、52の壁パネル51B、52Bを下階建物ユニット41、42の壁パネルのない位置の上方にセットバックするに際し、上階建物ユニット51、52の壁パネル51B、52Bの下端部を該ユニット51、52の下端レベルより高位に設定し、かつこの上階建物ユニット51、52の壁パネル51B、52Bの下端部を下階建物ユニット41、42の上端部に載架した支持梁54に支持し、支持梁54の両端部は脚54Bを介して下階建物ユニット41、42の上端部に載架した。従って、相並ぶ上階建物ユニット51、52を下階建物ユニット41、42の壁パネルのない位置の上方にセットバック状態で支持でき、かつそれら複数の上階建物ユニット51、52の壁パネル51B、52Bの下端部を下階天井空間に垂れ壁状に突出することがなく、結果として、高く開放的な下階天井空間を形成し、設備箱物類の下階への設置自由度も向上できる。
【0052】
▲3▼上階建物ユニットのセットバックする壁パネルの下端部を大断面の木質材とした。従って、この壁パネルの下端部を支持梁54に支持するに際し、壁パネルの下端部を構成する木質材の自由な位置にボルト、釘等を設けて、これを支持梁54にボルト接合、釘打ち等にて固定できる。
【0053】
(第実施形態)(図11〜図17)
ユニット建物100は、第実施形態のユニット建物40の変形例であり、図11に示す如く、ユニット建物40におけると同様の下階建物ユニット41、42、上階建物ユニット51、52に加え、下階建物ユニット42の側傍の下階建物ユニット101、上階建物ユニット52の側傍の上階建物ユニット102、支持梁110を少なくとも一部に有する接合体である。
【0054】
支持梁110は、下階建物ユニット41の壁パネル41Dと下階建物ユニット42の壁パネル42Dに架け渡され、相並ぶ上階建物ユニット51、52の壁パネル51B、52Bの下端部(木質材56)を支持する。支持梁110は、下階建物ユニット41、42の壁パネル41D、42Dに載架される脚111、112を梁本体110Aの両端部にて下方に突出させて備える。
【0055】
隣接する下階建物ユニットを側傍に有さない下階建物ユニット41の壁パネル41Dに固定される支持梁110の脚111は、図13、図14に示す取付構造を付与される。
【0056】
即ち、下階建物ユニット41の壁パネル41Dの上枠に取着されたガイドピン121、引張ピン122が、壁パネル41Dの上面に設けためり込み防止プレート123をそれぞれ上方に貫通して突出配置される。
【0057】
支持梁110の一端部に設けた脚111は、下階建物ユニット41のガイドピン121に係入する位置決め孔124を備える。
【0058】
支持梁110の一端部に設けた脚111の外側面には、L形板と、2枚の台形板の溶接物である接合部材125が溶接され、下階建物ユニット41の上端部に設けた上述の引張ピン122に接合部材125が締結される。具体的には、支持梁110の脚111を下階建物ユニット41の壁パネル41Dのめり込み防止プレート123に載架した状態で、引張ピン122は接合部材125のL形板の底板である被締結板125Aの孔を上方に貫通し、引張ピン122の上端側膨出状頭部122Aと被締結板125Aとのスペースに横方から挿入される締結板126のU字締結部126Aが差し込まれ、締結板126の固定板126Bが壁パネル41Dの上枠側面に木ねじ固定される(図14)。
【0059】
他方、隣接する下階建物ユニット101を側傍に有する下階建物ユニット42の壁パネル42Dに固定される支持梁110の脚112は、図15〜図17に示す取付構造を付与される。
【0060】
即ち、下階建物ユニット42の壁パネル42Dの中柱に固定された柱頭金物131にはガイドピン132が上方に突出配置され、下階建物ユニット101のコーナー柱に固定された柱頭金物133にはガイドピン134が上方に突出配置される。
【0061】
支持梁110の他端部に設けた脚112は、下階建物ユニット42のガイドピン132に係入する位置決め孔135を備え、上階建物ユニット102のコーナー柱に固定された柱脚金物136は、下階建物ユニット101のガイドピン134に係入する位置決め孔137を備える。
【0062】
相隣る下階建物ユニット42のガイドピン132と、下階建物ユニット101のガイドピン134には、それらの据付状態下でジョイントプレート138の両端孔が係入され、ジョイントプレート138は下階建物ユニット42、101の柱頭に木ねじ固定される。ジョイントプレート138は、下階建物ユニット42と下階建物ユニット101の柱間隔を規定する一対のスペーサ板139を備える。このとき、下階建物ユニット42の柱頭金物131と下階建物ユニット101の柱頭金物133の相対する側面には、頭部とくびれ部からなる突起部141、142が設けられ、係合部材143の第1と第2の切欠溝(不図示)がそれらの突起部141、142のそれぞれに係合され、係合部材143に下から貫通するボルト144がナット145によりジョイントプレート138の中央孔に挿通されて固定される。
【0063】
支持梁110の脚112の上階建物ユニット102に相対する外側面に、頭部とくびれ部からなる突起部151を備える。他方、上階建物ユニット102の上記脚112に相対するコーナー柱には接合部材(柱脚金物)160が取着され、接合部材160の該脚112に相対する外側面には頭部とくびれ部からなる突起部161が設けられる。そして、支持梁110の突起部151と、接合部材160の突起部161のそれぞれのくびれ部に挿着されて頭部に係合する第1と第2の切欠溝171を備えた係合部材170が、下階建物ユニット42、101に結合した上述のボルト144にナット146で締結される。
【0064】
ユニット建物100は以下の如くに構築される。
(1)下階建物ユニット41、42、101を基礎の上に据付ける。下階建物ユニット42のガイドピン132と、下階建物ユニット101のガイドピン134にジョイントプレート138を係入して固定する。続いて、下階建物ユニット42の柱頭金物131の突起部141と下階建物ユニット101の柱頭金物133の突起部142に係合部材143を係合し、係合部材143とジョイントプレート138にボルト144を取着する。
【0065】
(2)支持梁110のボルト固定用孔にアイボルト113を取付けてクレーンで吊上げ、この支持梁110を下階建物ユニット41の壁パネル41Dと下階建物ユニット42の壁パネル42Dに架け渡す(図12)。支持梁110の脚111、112の位置決め孔124、135を、下階建物ユニット41のガイドピン121、下階建物ユニット42のガイドピン132に係入する。支持梁110の一端側の脚111の接合部材125の被締結板125Aを下階建物ユニット41の引張ピン122に貫通し、引張ピン122の上端側膨出状頭部122Aと被締結板125Aのスペースに横方から締結板126を差し込み、締結板126を壁パネル41Dに木ねじ固定する。支持梁110の他端側の脚112の突起部151と、上階建物ユニット102の接合部材160の突起部161に係合部材170を係合し、係合部材170を上述(1)のボルト144に締結する。
【0066】
(3)下階建物ユニット41と支持梁110の上に上階建物ユニット51を、下階建物ユニット42と支持梁110の上に上階建物ユニット52を据付ける。上階建物ユニット51、52の壁パネル51B、52B(木質材56)が支持梁110の梁本体110Aにボルト結合され、且つ釘打ち固定される。これにより、2つの相並ぶ上階建物ユニット51、52の壁パネル51B、52B(木質材56)が、下階建物ユニット41、42の壁パネルのない位置の上方にセットバックして配置される。
【0067】
従って本実施形態によれば、以下の作用がある。
▲1▼支持梁110の脚111を下階建物ユニット41の上端部に載架するに際し、脚111の外側面に固定した接合部材125を下階建物ユニット41の上端部に設けた引張ピン122に締結するものであるから、支持梁110の脚111の横方から取付作業でき、施工性が良い。
【0068】
▲2▼上述▲1▼の取付作業が、支持梁110の脚111を下階建物ユニット41の上端部に載架するとき、接合部材125の被締結板125Aの孔を上方から引張ピン122に貫通し、引張ピン122の膨出状頭部122Aと被締結板125Aとのスペースに横方から締結板126を差し込むことにてなされる。従って、施工性を良好にしながら、支持梁110の脚111を下階建物ユニット41の上端部に強固に固定できる。
【0069】
▲3▼相並んで壁パネル51B、52Bをセットバックしてなる上階建物ユニット51、52の側傍に、他の上階建物ユニット102を配置するに際し、支持梁110の脚112に設け突起部151と、上記他の上階建物ユニット102に設けた接合部材160の突起部161のそれぞれに、下階建物ユニット42、101に結合したボルト144を締結することとした。従って、下階建物ユニット42の上端部への支持梁110の固定と、下階建物ユニット42、101と上階建物ユニット52、102の連結と、相隣る上階建物ユニット52、102同士の連結とを同時に行なうことができ、施工性を向上できる。
【0070】
▲4▼支持梁110の脚111、112に位置決め孔124、135を備え、この位置決め孔124、135を下階建物ユニット41、42のガイドピン121、132に係入せしめたから、下階建物ユニット41、42に対する支持梁110の位置決め精度を簡易に向上できる。
【0071】
参考例2)(図8、図9)
ユニット建物70は、複数の下階建物ユニット71〜73、複数の上階建物ユニット81〜83、仕切部材(仕切パネル)84、屋根ユニット91を少なくとも一部に有する接合体であり、バルコニー92を備える。
【0072】
下階建物ユニット71は、床パネル71Aの相対する2つの外縁部に壁パネル71B、71Cを二の字状に接合したものである。下階建物ユニット72は、床パネル72Aの3つの外縁部に壁パネル72B、72C、72Dをコの字状に接合したものである。下階建物ユニット73は、床パネル73Aの3つの外縁部に壁パネル73B、73C、73Dをコの字状に接合したものである。
【0073】
上階建物ユニット81は、床パネル81Aの相対する2つの外縁部に壁パネル81B、81Cを二の字状に接合したものであり、壁パネル81Bの全部を低壁とし、これをバルコニー92の手すり壁とするものである。このとき、上階建物ユニット81は、壁パネル81B、81Cの内面部に床パネル81Aの外縁部を突合せ配置するとともに、床パネル81Aを壁パネル81B、81Cの下端レベルよりも高位に設定している。
【0074】
上階建物ユニット82は、床パネル82Aの3つの外縁部に壁パネル82B、82C、82Dをコの字状に接合したものであり、壁パネル82Bの全部と壁パネル82Dの一部を低壁状とし、これらをバルコニー92の手すり壁とするものである。このとき、上階建物ユニット82は、壁パネル82B〜82Dの内面部に床パネル82Aの外縁部を突合せ配置するとともに、床パネル82Aを壁パネル82B〜82Dの下端レベルよりも高位に設定している。
【0075】
上階建物ユニット83は、床パネル83Aの3つの外縁部に壁パネル83B、83C、83Dをコの字状に接合したものであり、壁パネル83Bの全部と壁パネル83Dの一部を低壁状とし、これらをバルコニー92の手すり壁とするものである。このとき、上階建物ユニット83は、壁パネル83B〜83Dの内面部に床パネル83Aの外縁部を突合せ配置するとともに、床パネル83Aを壁パネル83B〜83Dの下端レベルよりも高位に設定している。
【0076】
仕切部材84は、上階建物ユニット81〜83のそれぞれに設けられ、それらの床パネル81A〜83Aの中間部に立てられ、居室床部70Aとバルコニー床部92Aとを区画する。尚、上階建物ユニット81〜83の床パネル81A〜83Aは、互いに同レベルに設定されるとともに、図8(B)に示す如く、仕切部材84の設置対応部に補強根太85を備える。
【0077】
従って、ユニット建物70は以下の如くに構築される。
(1)下階建物ユニット71〜73を基礎の上に据付ける。
【0078】
(2)下階建物ユニット71の上に上階建物ユニット81を、下階建物ユニット72の上に上階建物ユニット82を、下階建物ユニット73の上に上階建物ユニット83を据付ける。このとき、上階建物ユニット81〜83のそれぞれに、予め工場生産段階で仕切部材84を設けてあっても良く、仕切部材84を現地付けするものであっても良い。
【0079】
(3)上階建物ユニット81〜83の居室床部70Aの上に屋根ユニット91を据付ける。
【0080】
従って、本実施形態によれば、以下の作用がある。
▲1▼上階建物ユニット81、82、83は、それらの床パネル81A、82A、83Aを該ユニット81、82、83の下端レベルより高位に設定してあるから、下階天井高を確保できる。
【0081】
▲2▼建物ユニット81〜83の床パネル81A〜83Aの中間部に仕切部材84を立て、この仕切部材84によって居室床部70Aとバルコニー床部92Aとを区画する。従って、床パネル81A〜83Aの下方に高く開放的な下階天井空間を形成しながら、バルコニー床部92Aを構成できる。
【0082】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、図8、図9のユニット建物70において、仕切部材84は各上階建物ユニット81〜83ごとに分断されず、上階建物ユニット81〜83の全体に渡る長尺状とされても良い。このとき、仕切部材84は現地付けされ、上階建物ユニット81〜83の全ユニットに渡る大開口を形成できる。
【0083】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、壁パネルの内面部に床パネルの外縁部を突合せ配置し、床パネルをユニットの下端レベルより高位に設定した建物ユニットを用いながら、広く開放的な下階天井空間を形成し、設備箱物類の下階への設置自由度も向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は参考例1のユニット建物を示す縦断面図である。
【図2】 図2は図1の要部分解斜視図である。
【図3】 図3は第実施形態のユニット建物を示す縦断面図である。
【図4】 図4は図3の分解斜視図である。
【図5】 図5は図3の要部拡大断面図である。
【図6】 図6は図3の壁パネルと支持体の接合構造を示す断面図である。
【図7】 図7は第実施形態のユニット建物の構築手順を示し、(A)は妻壁パネルを示す斜視図、(B)は妻壁パネルを示す側面図、(C)は妻壁パネルと床パネルの接合構造を示す斜視図、(D)は桁壁パネルの接合構造を示す斜視図、(E)は支持梁を示す斜視図、(F)は支持梁と妻壁パネルの接合構造を示す斜視図である。
【図8】 図8は参考例2を示し、(A)はユニット建物を示す縦断面図、(B)は要部拡大断面図である。
【図9】 図9は図8の分解斜視図である。
【図10】 図10は従来例を示す縦断面図である。
【図11】 図11は第実施形態を示し、(A)はユニット建物を示す模式平面図、(B)は下階部分を示す模式斜視図である。
【図12】 図12は支持梁の取付過程を示す斜視図である。
【図13】 図13は支持梁の一端固定構造を示す断面図である。
【図14】 図14は締結板の挿入状態を示す斜視図である。
【図15】 図15は支持梁の他端固定構造を示す断面図である。
【図16】 図16はジョイントプレートの固定状態を示す斜視図である。
【図17】 図17は係合部材の取付状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
40、100 ユニット建物
41〜43、101 下階建物ユニット
51、52、102 上階建物ユニット
51A、52A 床パネル
51B、52B 壁パネル
54、110 支持梁
54A、110A 梁本体
54B、111、112 脚
56 木質材
121、132 ガイドピン
122 引張ピン
122A 膨出状頭部
124、135 位置決め孔
125 接合部材
125A 被締結板
126 締結板
144 ボルト
151、161 突起部
170 係合部材
171 切欠溝

Claims (6)

  1. 下階建物ユニットの上に複数の上階建物ユニットを並べて搭載するに際し、複数の相並ぶ上階建物ユニットの壁パネルを下階建物ユニットの壁パネルのない位置の上方にセットバックして配置するユニット建物において、
    下階建物ユニットの壁パネルのない位置に支持梁を架け渡し、支持梁の両端部は下階建物ユニットの上端部に載架され、
    上階建物ユニットは壁パネルの内面部に床パネルの外縁部を突合せ配置するとともに、床パネルを該ユニットの下端レベルより高位に設定し、かつセットバックする壁パネルの下端部を該ユニットの下端レベルより高位に設定し、該セットバックする壁パネルの下端部を上記支持梁の上に支持してなることを特徴とするユニット建物。
  2. 前記上階建物ユニットのセットバックする壁パネルの下端部に大断面の木質材を設け、この木質材を前記支持梁の上に支持してなる請求項1記載のユニット建物。
  3. 前記支持梁の端部に設けた脚の外側面に接合部材が固定され、下階建物ユニットの上端部に設けた引張ピンに該接合部材を締結してなる請求項1又は2に記載のユニット建物。
  4. 前記支持梁の脚を下階建物ユニットの上端部に載架した状態で、前記引張ピンは前記接合部材の被締結板が備える孔を上方に貫通し、該引張ピンの上端側膨出状頭部と該被締結板とのスペースに横方から挿入される締結板を差し込んでなる請求項3のユニット建物。
  5. 前記複数の相並んで壁パネルをセットバックしてなる上階建物ユニットの側傍に、他の上階建物ユニットを配置するに際し、
    前記支持梁の端部に設けた脚の外側面に、頭部とくびれ部からなる突起部を備え、
    前記他の上階建物ユニットの端部で、上記支持梁の突起部を備えた脚に相対する端部に、頭部とくびれ部からなる突起部を備えた接合部材を取着し、
    前記支持梁の突起部と前記接合部材の突起部のそれぞれに係合する第1と第2の切欠溝を備えた係合部材を、下階建物ユニットに結合したボルトに締結してなる請求項1又は2に記載のユニット建物。
  6. 前記支持梁の脚が、下階建物ユニットの上端部に設けたガイドピンに係入する位置決め孔を備えてなる請求項1〜5のいずれかに記載のユニット建物。
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