JP2001123541A - 建物ユニット及びユニット建物並びに建物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金物を用いて柱を下部構造材にボルト接合す
るに際し、金物が壁開口の幅を制約しないようにするこ
と。 【解決手段】 建物ユニット１０において、床パネル１
１のコーナー内側に床金物３０を固定し、柱２２の下端
面に柱脚金物４０を固定し、床金物３０と柱脚金物４０
をボルト接合してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は建物ユニット及びユ
ニット建物並びに建物に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、柱を下部構造材に接合するに際
し、特開平6-57823 号公報に記載の如く、柱の側面に金
物を固定し、この金物と下部構造材とをボルト接合する
ものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来技術では、柱の側
面に金物が突出して設けられる。このため、金物を含む
壁面内に開口を形成する場合には、開口の幅が柱の側面
から取れず、金物の突出分だけ狭くなる。

【０００４】本発明の課題は、金物を用いて柱を下部構
造材にボルト接合するに際し、金物が壁開口の幅を制約
しないようにすることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の本発明
は、床パネルのコーナー上部に柱を備えた建物ユニット
において、床パネルのコーナー内側に床金物を固定し、
柱の下端面に柱脚金物を固定し、床金物と柱脚金物をボ
ルト接合してなるようにしたものである。

【０００６】請求項２記載の本発明は、請求項１記載の
建物ユニットを上階建物ユニットとし、上階建物ユニッ
トを下階建物ユニットの上に接合したユニット建物にお
いて、下階建物ユニットが床パネルのコーナー上部に柱
を備え、柱の上端面に柱頭金物を固定してなり、上階建
物ユニットの床金物と下階建物ユニットの柱頭金物をボ
ルト接合してなるようにしたものである。

【０００７】請求項３記載の本発明は、上階の床パネル
の上下に上階柱と下階柱を接合してなる建物において、
床パネルの内部に床金物を固定し、上階柱の下端面に柱
脚金物を固定し、下階柱の上端面に柱頭金物を固定し、
上階柱の柱脚金物と下階柱の柱頭金物のそれぞれを床金
物にボルト接合してなるようにしたものである。

【０００８】

【作用】請求項１の発明によれば下記の作用がある。 建物ユニットにおいて、柱を床パネルに接合するに際
し、柱の下端面に柱脚金物を固定し、この柱脚金物と床
パネル内の床金物とをボルト接合した。柱脚金物は柱の
下端面に固定され、柱の側面からの突出がないため、壁
開口の幅を制約しない。

【０００９】請求項２の発明によれば下記、の作用
がある。 上階建物ユニットを下階建物ユニットの上に接合する
に際し、上階建物ユニットにおいて上述を実現すると
ともに、下階建物ユニットの柱の上端面に柱頭金物を固
定し、この柱頭金物を上階建物ユニットの床パネル内の
床金物にボルト接合した。柱頭金物は下階建物ユニット
の柱の上端面に固定され、柱の側面からの突出がないた
め、壁開口の幅を制約しない。

【００１０】上階建物ユニットの床パネル内に床金物
を唯１個設けるだけで、上階建物ユニットの柱と上階建
物ユニットの床パネルと下階建物ユニットの柱の三者を
接合でき、接合部品数、接合作業工数を簡易化できる。

【００１１】請求項３の発明によれば下記の作用があ
る。 上階の床パネルの上下に上階柱と下階柱を接合する一
般の建物においても、上述〜を実現できる。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１はユニット建物の上下階接合
構造を示す断面図、図２は図１のII−II線に沿う断面
図、図３は図１の分解斜視図である。

【００１３】ユニット建物１は、基礎の上に複数の建物
ユニット１０（上階建物ユニット１０Ａ、下階建物ユニ
ット１０Ｂ等）を上下左右に接合して構築される。そし
て、建物ユニット１０は、図１に示す如く、床パネル１
１の上部に壁パネル２１を立設し、床パネル１１のコー
ナー上部に壁パネル２１の柱２２（柱材２２Ａ、２２
Ｂ）を備えて構成される。

【００１４】床パネル１１は、図１、図３に示す如く、
根太１２と端根太１３とを釘打ち及び／又は接着剤によ
り接合した床枠組の下面に下枠材１４を釘打ち及び／又
は接着剤により取着され、該床枠組の上面に床面材１５
を釘打ち及び／又は接着剤により取着されて構成され
る。

【００１５】壁パネル２１は、図１、図３に示す如く、
柱２２の上下に上枠材２３、下枠材２４を釘打ち及び／
又は接着剤により接合した壁枠組の両面に外壁面材２
５、内壁面材（不図示）を釘打ち及び／又は接着剤によ
り取着されて構成される。

【００１６】然るに、床パネル１１と壁パネル２１を接
合して建物ユニット１０を構成する接合構造について説
明する（図１〜図３）。 (1) 床パネル１１のコーナー内側を形成する、根太１２
と端根太１３の交差部に床金物３０を固定する。床金物
３０は、根太１２、端根太１３に釘打ち仮固定されるＬ
形断面の取付板３１と、取付板３１の上下端部のそれぞ
れに溶接される上下の支持板３２、３３と、取付板３１
の上下端部側の両外縁部と支持板３２、３３とに溶接さ
れる上下の補強側板３４、３５とを有する。上下の支持
板３２、３３は、ボルト挿通孔３２Ａ、３３Ａを備え
る。

【００１７】(2) 壁パネル２１の柱２２の直下の下端面
に柱脚金物４０を固定する。柱脚金物４０は、柱２２の
下端面と下枠材２４との間に介装されて仮固定される支
持箱４１と、支持箱４１の上端面に接合されて上方に延
びる長尺平板状の取付板４２とを有する。取付板４２
は、柱２２を構成する２本の柱材２２Ａ、２２Ｂの間に
挿入され、ピン４３（又はボルト）にてそれらの柱材２
２Ａ、２２Ｂに係止される。支持箱４１は、ボルト挿通
孔４１Ａ（不図示）を備える。

【００１８】(3) 床パネル１１に設けた床金物３０の上
支持板３２と、壁パネル２１に設けた柱脚金物４０の支
持箱４１をボルト３６、ナット３７により接合する。ボ
ルト３６は、床金物３０と柱脚金物４０の間で、床パネ
ル１１の床面材１５、壁パネル２１の下枠材２４を貫通
する。

【００１９】次に、上階建物ユニット１０Ａを下階建物
ユニット１０Ｂの上に接合してユニット建物１を構成す
る接合構造について説明する（図１〜図３）。 (1) 上階建物ユニット１０Ａ、下階建物ユニット１０Ｂ
のそれぞれに上述の床金物３０、柱脚金物４０を用い
た、床パネル１１と壁パネル２１の接合構造を採用す
る。

【００２０】(2) 下階建物ユニット１０Ｂにおいて、壁
パネル２１の柱２２の直上の上端面に柱頭金物５０を固
定する。柱頭金物５０は、柱２２の上端面と上枠材２３
との間に介装されて仮固定される支持箱５１と、支持箱
５１の下端面に接合されて下方に延びる長尺平板状の取
付板５２とを有する。取付板５２は、柱２２を構成する
２本の柱材２２Ａ、２２Ｂの間に挿入され、ピン５３
（又はボルト）にてそれらの柱材２２Ａ、２２Ｂに係止
される。支持箱５１は、ボルト挿通孔５１Ａ（不図示）
を備える。

【００２１】(3) 下階建物ユニット１０Ｂの上に上階建
物ユニット１０Ａを搭載し、上階建物ユニット１０Ａの
床パネル１１に設けた床金物３０の下支持板３３と、上
階建物ユニット１０Ｂの壁パネル２１に設けた柱頭金物
５０の支持箱５１をボルト３８、ナット３９により接合
する。ボルト３８は、床金物３０と柱頭金物５０の間
で、床パネル１１の下枠材１４、壁パネル２１の上枠材
２３を貫通する。

【００２２】尚、下階建物ユニット１０Ｂを基礎に固定
する構造としては、下階建物ユニット１０Ｂの床パネル
１１に設けた床金物３０の下支持板３３を基礎のアンカ
ーボルトに締結するものを採用できる。

【００２３】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。 建物ユニット１０（上階建物ユニット１０Ａ、下階建
物ユニット１０Ｂ）において、柱２２を床パネル１１に
接合するに際し、柱２２の下端面に柱脚金物４０を固定
し、この柱脚金物４０と床パネル１１内の床金物３０と
をボルト接合した。柱脚金物４０は柱２２の下端面に固
定され、柱２２の側面からの突出がないため、壁開口の
幅Ｗを制約しない。

【００２４】上階建物ユニット１０Ａを下階建物ユニ
ット１０Ｂの上に接合するに際し、上階建物ユニット１
０Ａにおいて上述を実現するとともに、下階建物ユニ
ット１０Ｂの柱２２の上端面に柱頭金物５０を固定し、
この柱頭金物５０を上階建物ユニット１０Ａの床パネル
１１内の床金物３０にボルト接合した。柱頭金物５０は
下階建物ユニット１０Ｂの柱２２の上端面に固定され、
柱２２の側面からの突出がないため、壁開口の幅Ｗを制
約しない。

【００２５】上階建物ユニット１０Ａの床パネル１１
内に床金物３０を唯１個設けるだけで、上階建物ユニッ
ト１０Ａの柱２２と上階建物ユニット１０Ａの床パネル
１１と下階建物ユニット１０Ｂの柱２２の三者を接合で
き、接合部品数、接合作業工数を簡易化できる。

【００２６】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本
発明は、上階の床パネルの上下に上階柱と下階柱を接合
してなる一般建物においても適用できる。

【００２７】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、金物を用
いて柱を下部構造材にボルト接合するに際し、金物が壁
開口の幅を制約しないようにすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１はユニット建物の上下階接合構造を示す断
面図である。

【図２】図２は図１のII−II線に沿う断面図である。

【図３】図３は図１の分解斜視図である。

【符号の説明】

１ ユニット建物 １０ 建物ユニット １０Ａ 上階建物ユニット １０Ｂ 下階建物ユニット １１ 床パネル ２１ 壁パネル ２２ 柱 ３０ 床金物 ３６、３８ ボルト ４０ 柱脚金物 ５０ 柱頭金物

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 床パネルのコーナー上部に柱を備えた建
   物ユニットにおいて、 床パネルのコーナー内側に床金物を固定し、柱の下端面
   に柱脚金物を固定し、床金物と柱脚金物をボルト接合し
   てなることを特徴とする建物ユニット。
2. 【請求項２】 請求項１記載の建物ユニットを上階建物
   ユニットとし、上階建物ユニットを下階建物ユニットの
   上に接合したユニット建物において、 下階建物ユニットが床パネルのコーナー上部に柱を備
   え、柱の上端面に柱頭金物を固定してなり、 上階建物ユニットの床金物と下階建物ユニットの柱頭金
   物をボルト接合してなるユニット建物。
3. 【請求項３】 上階の床パネルの上下に上階柱と下階柱
   を接合してなる建物において、 床パネルの内部に床金物を固定し、上階柱の下端面に柱
   脚金物を固定し、下階柱の上端面に柱頭金物を固定し、 上階柱の柱脚金物と下階柱の柱頭金物のそれぞれを床金
   物にボルト接合してなる建物。