JP3670570B2 - 自由勾配側溝用ブロック、側溝およびその施工方法 - Google Patents

自由勾配側溝用ブロック、側溝およびその施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、側溝用ブロックおよびそれを用いて土地境界を施工する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
断面がほぼL字形をした薄いブロックをL型側溝と称して道路と他の土地の境界に配置し、道路と地盤の高さの異なる土地の境界を形成する技術が知られている。また、U字形の側溝などの境界ブロックとを組み合わせて地盤の高さの異なる土地の境界を形成することも知られている。たとえば、実開平4−22580号には、U字形の側溝とL型側溝とを上下に重ねて土地境界に設置する従来の道路排水施工に対し、断面が逆U字形をした境界ブロックの一部に逆L字状の切り欠きを設け、U字形の側溝の側壁に組み合わせて道路排水施工を行うことが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
宅地あるいはその他の民生用の土地(民地)では、民地側を単に土盛りするだけで転圧もそれほどしないで庭あるいは田畑などに用いられることが多い。さらに、道路から車やトラクタなどが入れるように、道路と民地との境界の段差はそれほど大きくしない。また、道路を流れる水が民地に入り込むことを防止するためなどの目的で民地と道路との境界に側溝を施工することも多く、さらに、道路との境界を明確にしたり、民地の土が道路に流れ出さないようになどの目的で境界にブロックを設置することも多い。このような場所には、従来、上記のL型側溝が多く用いられているが、L型側溝のブロックは薄く軽いので車などが乗り上げると比較的容易に動いてしまう。さらに、民地側が単に土盛りをした程度であるので、L型側溝を支持する土圧も小さく固定することが難しい。また、L型側溝は排水能力が小さい。それをカバーするために、U字形の側溝と上下に並べてL型側溝ブロック同士の隙間から排水するようにしても、U字形側溝に土やごみが流れ込んだときに対処できないといった問題がある。
【0004】
U字形の側溝と境界ブロックとの組み合わせは、排水量が大きく取れるので、道路排水としては好ましい。しかしながら、境界ブロックは、歩道と車道の境界などの双方がコンクリートあるいはアスファルトなどで固められた地盤には有効であるが、民地の境界のように、一方が土盛りをした程度で境界ブロックを固定できない条件では、上記のL型側溝と同様、あるいはさらに動きやすく、車やトラクタが乗ると簡単に境界が崩れてしまう。
【0005】
そこで、本発明においては、民地と道路の境界のように、土盛りをした程度の土地の境界に施工でき、地盤の差を保持できるとともに排水能力も高く、さらに、車やトラクタなどが乗り上げても境界に施工されたブロックが容易に動くことがない土地境界の施工方法およびそれに適した側溝用ブロックを提供することを目的としている。
【0006】
さらに、乗り入れが簡単で、バリアフリーとなるような土地境界の施工方法、およびそれに適した側溝用ブロックを提供することも目的としている。また、長手方向に流路を有する本体の上面の長手方向の一方の縁を他方の縁よりも高くして土留め壁としたときに、土留め壁の側の幅を他の縁の幅に対し広くすると、側溝用ブロックの幅が土留め壁を有しない他の側溝用ブロックより広く設計されるが、本発明の側溝用ブロックに続いて、道路を横断するような側溝用ブロックを繋ぐケースもあり、道路を横断する側溝用ブロックは土留め壁が不要なので土留め壁を有する側溝用ブロックの幅を広げると他の土留め壁を有しない側溝用ブロックと幅が異なり、これらの側溝用ブロックを繋げて施工したときに違和感がある。一方、流路の幅を狭くして本体表面の幅を同じにするのでは排水能力に差がでるので好ましくない。したがって、土留め壁を備えた本発明の側溝用ブロックの本体の上面の幅も、土留め壁を有さず流路の幅がほぼ等しい他の側溝用ブロックとほぼ同じ幅とし、隣接して埋設できる側溝用ブロックを提供することも本発明の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の側溝の施工方法においては、長手方向に流路を有する本体の上面の長手方向の一方の縁が他方の縁よりも高い土留め壁となり、この土留め壁が本体と一体に形成されたコンクリート製の側溝用ブロックを土地の境界に埋設し、他方の縁に繋がる土地の地盤に対し、土留め壁に繋がる土地の地盤を高くできるようにしている。この施工方法に好適な側溝用ブロックは、長手方向に流路を有する本体の上面の長手方向の一方の縁が当該上面よりも上方に延び、本体と一体の土留め壁を形成している側溝用ブロックであって、土留め壁が本体の上面の長手方向の他方の縁よりも高いものである。
【0008】
長手方向に流路を有する本体の上面の長手方向の一方の縁が上面よりも上方に延び、本体と一体の土留め壁を形成している側溝用ブロックは、土留め壁が側溝ブロックの本体と一体になっているので、土留め壁が低く民地のような土盛りをした程度の土地の境界では土圧によって支持することができない程度の高さであっても安定して保持することができる。したがって、車が乗り上げやすい程度の段差で土盛りした土地の境界であっても安定して維持できる。さらに、車が乗り上げやすい程度の高さであって、実際に車が乗り上げて衝撃があっても、土留め壁は側溝ブロックの本体と一体となっているので安定し、土留め壁が動くことがない。
【0009】
さらに、本体の上面の長手方向の中央部分が開渠で、他の部分が暗渠である側溝用ブロックであって、本体の下方の少なくとも一部は開放されており、現場コンクリートにより側溝の底面を施工する自由勾配側溝用ブロックにおいては、土留め壁の近傍に流路に繋がった開口を設けられるので、雨水などの排水能力が高く、土留め壁が低くても排水が民地の側に侵入するのを防止できる。したがって、本発明の施工方法により、土留め壁に繋がる土地の地盤を該土留め壁と同じまたは高くすることができ、土留め壁に繋がる土地の地盤がそれほど固く施工されない状況でも、また、地盤の差が大きくないような土地であっても、その境界を安定して維持することができ、また、道路などの他の土地からの排水が土留め壁で境界が施工された民地などに侵入することも防ぐことができる。
【0010】
車あるいはトラクタなどが土留め壁を乗り上げできるようにすることを考慮すると、土留め壁自体の強度も要求される。したがって、土留め壁は、幅に対し高さが低いことが望ましい。すなわち、本発明の側溝の施工方法に適した側溝用ブロックは、ほぼ方形断面の流路を有する本体の上面の長手方向の一方の縁が他方の縁よりも高い土留め壁となり、この土留め壁が本体と一体に形成された、自由勾配側溝用ブロックであって、土留め壁は、幅に対し高さが低いことを特徴とするものである。
【0011】
高さの低い扁平な土留め壁で、側溝用ブロックと一体になっているので、埋設するだけでずれることなく簡単に固定することができる。たとえば、車両の乗り上げを考慮すると、土留め壁は高さが6cmあるいはそれ以下で、幅が12cmあるいはそれ以下であることが望ましい。特に、車両の通過を考慮すべき場合は、土留め壁の高さを4cmあるいはそれ以下にすることがさらに望ましい。上述したように、土留め壁自体は、高さが低く薄くても側溝用ブロックと一体になっているので十分な強度があり、さらに車両が通過してもずれることがない。したがって、従来の境界ブロック(縁石)の高さより低い土留め壁でも土地境界を施工でき、歩行や通行の妨げになり難く、すなわち乗り上げ易い境界を施工できる。さらに、単なる境界ブロックやL字ブロックなどと異なり、本発明の土留め壁は側溝用ブロックに設けられており、その本体に排水用の流路がある。このため、土留め壁に沿った適当な位置から排水を飲み込むように設計できる。したがって、土留め壁の高さが、従来の境界ブロックより低い、例えば4cm程度でも、道路の排水が民地側に流れ込むのを十分に防止できる。
【0012】
さらに土留め壁の強度を増すためには、本体の上面のうち、少なくとも土留め壁を鉄板でカバーしても良い。側溝用ブロックを製造するときに土留め壁の部分に鉄板を埋め込んでおくことが可能である。特に、土留め壁に車が乗り上げることを考慮すると、土留め壁には引張り力あるいは剪断力が働く可能性があり、コンクリートだけでは強度を維持することが難しいこともある。そのようなケースでは、鉄板で土留め壁を補強することは有効である。さらに、鉄板が表面になると滑りやすくなるので、土留め壁の表面、特に斜面をカバーする鉄板の表面には滑り止めとなる模様を形成することが望ましい。
【0013】
土留め壁の表面が鉄板でない場合も、土留め壁の少なくとも斜面に滑り止めとなる模様を形成することは有効である。また、本体の上面にも滑り止めとなる模様を形成することが可能であり統一性あるいは美観に優れた側溝用ブロックを提供できる。土留め壁と本体の上面とに模様を付す場合は、側溝用ブロックを製造する鋼板製の耐久性型枠を製造する際に、土留め壁の斜面と本体の上面との境界部分に模様があると、その模様を完全に浮き出させることは難しくなる。したがって、土留め壁の斜面と本体の上面との境界が模様の目地の部分になるようにデザインすることが望ましい。
【0014】
さらに、土留め壁に自動車や耕運機などの車両が乗り上げることを考慮すると、それらの車両の車輪が土留め壁に当ったときに土留め壁の側に転倒モーメントが作用する。したがって、側溝用ブロックの本体の下部に、土留め壁と反対側に、ほぼ水平方向に張り出した基礎部を設け、転倒モーメントに対抗できる形状の側溝用ブロックを採用することが望ましい。
【0015】
また、本体の上面を、他方の縁から一方の縁に向かってほぼ一様に傾斜させて上面全体で土留め壁を構成することも可能である。このような側溝用ブロックを採用すると、土留め壁の傾斜(勾配)が小さくなるので、車が乗り上げやすくなり、乗り上げるときのショックも少なくできる。また、車輪が土留め壁に当たるときのショックも小さくなるので、土留め壁の強度を維持することが容易となる。さらに、土留め壁自体の壁厚も厚くなるので強度を高めることは容易である。そして、土留め壁が本体の一方の側に形成されるのではなく、本体の上面全体が土留め壁となるので、車輪が土留め壁に当ったときに作用する転倒モーメントも小さいので、側溝用ブロックを安定して設置できる。
【0016】
このように、本発明の土地境界の施工方法では、低い土留め壁を備えた側溝用ブロックを用いて土地境界が施工され、土地境界が全体的に低い土留め壁で施工されることになるので、どこからでも乗り入れることが可能である。したがって、宅地造成の場合などは、住宅の出入口の場所を考慮する必要がなく、事前に設計が進まなくても土地境界を施工することができる。
【0017】
また、車やトラクタが土留め壁を乗り上げやすく、乗り上げたときの衝撃を小さくするには、土留め壁の外に出る面、すなわち、土留め壁の面のうち、本体の他方の縁に面した側を意識的に緩やかに設計および製造することが望ましい。たとえば、蓋の抜きや、型枠からの抜きを考慮した本体の開口の側面と比較した場合、開口の側面の傾斜よりも土留め壁の外側に出る面を緩く傾斜させることが望ましい。また、土留め壁の他方の縁に面した側の上端を、少なくとも約10mmの幅で面取りすることによりコンクリート壁のコーナのこば欠けを防止する効果に加え、乗り上げ易く、また、乗り上げたときの衝撃を小さくする効果が得られる。
【0018】
土留め壁は、上述したように強度を考慮すると、高さに対し幅を広くすることが望ましく、ある程度の高さを確保しようとすると幅も広くなる。したがって、土地境界に施工する側溝用ブロックは、開口の部分で、土留め壁の幅を開口の他方の縁の幅より広くし、土留め壁としての幅を確保すると共に開口面積も広く確保できるようにすることが望ましい。このような側溝用ブロックでは、少なくとも土留め壁の縁は本体の流路を形成する側壁から張り出した設計にすることにより、側壁の厚みが土圧などに対抗するために要求される程度に止めることができる。また、土留め壁および他の縁が本体の流路を形成する側壁から張り出しているものにおいては、それらの張り出し量を比較したときに、他の縁に対し土留め壁の方を大きくすることが望ましい。そして、このデザインであれば、開口が流路のほぼ中央になるように設計できる。
【0019】
一方、土留め壁の側の幅を他の縁の幅に対し広くすると、側溝用ブロックの幅が土留め壁を有しない他の側溝用ブロックより広く設計することも可能である。しかしながら、土地の境界部分に埋設した本発明の側溝用ブロックに続いて、道路を横断するような側溝用ブロックを繋ぐケースもあり、道路を横断する側溝用ブロックは土留め壁が不要なので土留め壁を有する側溝用ブロックの幅を広げると他の土留め壁を有しない側溝用ブロックと幅が異なり、これらの側溝用ブロックを繋げて施工したときに違和感がある。一方、流路の幅を狭くして本体表面の幅を同じにするのでは排水能力に差がでるので好ましくない。したがって、土留め壁を備えた本発明の側溝用ブロックの本体の上面の幅も、土留め壁を有せず流路の幅がほぼ等しい他の側溝用ブロックとほぼ同じ幅とし、隣接して埋設できるようにすることが望ましい。このような側溝用ブロックは、側溝用ブロックの開口の幅を他の側溝用ブロックの開口より狭くし、側溝用ブロックの幅を広げずに、土留め壁の幅を確保した側溝用ブロックにおいては、側壁の端面の中央からまっすぐ鉛直あるいは垂直には、土留め壁の斜面あるいは緩いコーナーがあるようにすることにより提供できる。
【0020】
また、開口の幅を単に狭くすると、蓋受けが側溝用ブロックの本体の流路を形成する側壁の上部に位置せず、蓋受けの強度が不足する可能性がある。したがって、側溝用ブロックの流路を形成する側壁の上部の内面を、型枠の抜き勾配、たとえば5から8mm程度以上に、すなわち、10mm以上に内側に突き出して蓋受けを支持するようにすることが望ましく、20mm前後あるいはそれ以上に内側に突き出して蓋受けを支持するようにすることがさらに望ましい。
【0021】
さらに、土留め壁の側を広げて、蓋受けを支持するように側壁の上部を厚くすると、側溝用ブロックの土留め壁の側の側壁から内面への突き出しの部分が大きくなり、土留め壁側の重量が著しく大きくなる。したがって、持ち運びや施工の際にバランスが悪い。このため、側溝用ブロックの流路の中心を他の側溝用ブロックの流路の中心に対し偏心するように流路を形成する側壁を配置することが望ましい。
【0022】
土留め壁は、断面が円形の流路を備えた側溝用ブロックにも設けることが可能であるが、本体の流路が、ほぼ方形の断面を備え、土留め壁の近傍に流路に繋がる開口を備えている側溝用ブロックを採用することにより排水能力の高い側溝で土地境界を施工できる。さらに、そのような側溝に着脱可能なコンクリート製の蓋を配置する際には、メンテナンス等のために用意される蓋の切り欠き部が土留め壁に沿って配置されるようにすると、その切り欠きから排水できるので、排水効率をさらに向上できる。
【0023】
断面が方形のものでは、U字形の側溝用ブロックに土留め壁を設けることも可能であるが、土留め壁で土留めを行う側の土地は土盛りをした程度の強度であることを考慮すると、本体の上部に構造壁をもった側溝用ブロックが望ましい。さらに、排水能力を考えると本体上部に十分な広さの開口があることが望ましいことは上述した通りである。したがって、本体の上面の長手方向の一部が開渠で、他の部分が暗渠である側溝用ブロックを用いて土地境界を施工することが望ましい。このような側溝用ブロックとしては、本体の下方の少なくとも一部は開放されており、現場コンクリートにより側溝の底面を施工する自由勾配側溝と称されるものがある。本体の下方が開放されているこの側溝用ブロックでは、製造用の型枠も本体の下方の側から抜くので、流路を形成する側壁の上部を内側に突き出すことが可能であり、上記の蓋受けの構造を作ることが容易である。これに対し、上方が開いたU字形の側溝は、側壁の上方を内側に出すと型枠を抜くのが難しく、特殊な製造方法が要求されるので製造コストが高くなってしまう。
【0024】
さらに、側溝用ブロックを連接する場合、それらの接合個所を水漏れしないように接続する必要がある。本体の側端の面に、本体の流路を形成する側壁のほぼ中心を上下に走る溝を形成し、側溝用ブロック同士を隣接した後に、溝にモルタルを注入することによりずれ止めと、止水ができる。しかしながら、本発明の側溝用ブロックにおいては、土留め壁が側壁の上方に形成されており、土留め壁の外に出る面は傾斜が緩くなっている。したがって、側壁から垂直に溝を延ばすと土留め壁の傾斜した面に当たり、溝に注入する口が傾斜した面に形成され、モルタルが注入し難い状況になる。このため、溝を側壁のほぼ中央から土留め壁の上面または本体の上面に向かって曲げ、水平な面に注入口が形成されるようにすることが望ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに説明する。図1に、本発明に係る側溝用ブロックの一例を示してある。この側溝用ブロック10は、断面がほぼ逆U字形であり、内部が流路(水路あるいは排水路)12となる本体11を有するコンクリート製のブロックである。本体11の上面13は、中央部分は開口14が形成された開渠15となり、その両側、すなわち、両端の部分が本体11の側壁16aおよび16bを上部で繋ぐ壁(構造壁)17で塞がれた暗渠18となっている。そして、上面13の長手方向Lに沿った一方の縁29aは他方の縁29bよりも高く立ち上がっており、土留め壁20となっている。
【0026】
本例の側溝用ブロック10は、幅Wが500mm、長さLが2m、高さHが445mmであり、本体11の内部に幅Cが300mmの流路12が形成されるようになっている。土留め壁20は、本体11と一体に成形されており、幅Sが100mm程度で、高さhが60mm程度で、他方の縁29aに面した側で埋設したときに外側に表れる面(斜面)21の傾斜が反対側の土留めとして機能する面22の傾斜より緩く、特に土留めとして機能する面22がほとんど垂直になった、いわゆる方台形と称される断面に形成されている。土留め壁20の上面23はほぼ水平であり、これらの面21、22および23が接合するコーナは曲面に成形されている。特に、斜面21と上面23とが繋がるコーナ24は、曲率半径は大きくなっている。
【0027】
この側溝用ブロック10は、本体11の下方が開口19になっており、自由勾配側溝と称されるタイプのブロックであり、ブロック10をレベルコンクリートの上に設置した後に、ブロック10の底面をインバートコンクリートによって現場で施工できる。このため、側溝の施工が容易となり、広い流路を確保しやすい。さらに、上面13が構造壁17により接続されているので横あるいは上からの圧力に耐えることができ、U字形の側溝よりも広範囲な用途に用いることができる。
【0028】
また、上面13に設けられた開口14から流路12の内部を掃除あるいは点検することも容易であり、道路に沿った部分などのごみや土砂の溜まりやすい部分に側溝を施工するときにも適している。開口14は蓋30により塞ぐことができ、蓋30を適当な形状にすることにより開口14を通して雨水などの排水を流路12に流し込むことができる。開口14をグレーチング蓋のような開口率の大きな蓋でカバーすれば排水効率は非常に高くなる。図1に示した例では、蓋30の縁31に下方が内側に傾斜したきり欠き32が形成されており、その切り欠き32を土留め壁20に沿って配置してある。したがって、土留め壁20に沿った水の流れがあると、切り欠き32を通して流路12に排出される。さらに、土留め壁20の縁20aに蓋30の切り欠き32を合わせて設置することで、雨水と供に泥も、流路12に流れ落ち易くなる。特に、土留め壁20にトラクタや自動車などの車両が載りあがるときは、車輪から泥などが落ちやすく、土留め壁20に沿って溜まりやすい。そのような場合に、土留め壁20に沿って切り欠き32を配置すると、泥が切り欠き32から排出されるので、側溝の上面13を綺麗に保ことができ、掃除の手間を省くことができる。
【0029】
図2に、本例の側溝用ブロック10を用いて側溝1を施工した一例を示してある。複数の側溝用ブロック10が土地2の境界に沿って並べて埋設され、土地2の周囲に側溝1が施工されている。それと共に、側溝用ブロック10の土留め壁20が土地2と、この土地2の地盤の高さより一段低い道路3との境界5を形成している。たとえば、宅地造成の場合、道路3よりも数cmから10cm程度高く土盛りされて宅地(民地)2が造成される。雨が降ったときなどに、道路3を流れる排水が民地2に侵入しないようにすることが主な目的であり、また、10cm程度であれば、自動車などが道路3から民地2に支障無く入ることができるからである。
【0030】
従来、多くのケースでは、民地2と道路3との境界にL型側溝と称される薄いL字形に加工されたコンクリートプレートが配置されており、その立上りの部分で土地境界を形成していた。しかしながら、L型側溝では期間が経過したり、車が頻繁に乗り上げたりしていると、L型側溝がずれて民地2の境界が崩れたりする要因となっている。すなわち、民地2の内部は土盛りされただけで道路3のように押し固められた状態ではなく、期間が経過すると土盛りの状態が変動してL型側溝から剥離したり、L型側溝を押し出したりすることがある。また、車がL型側溝に乗り上げたり、カーブでL型側溝がタイヤで押されるような配置になっていると、その圧力などによってL型側溝が動くことが多い。さらに、L型側溝は、板状で、平面的に僅かしか排水を集めることができず、さらに、側溝の上を排水が主に流れるだけなので、排水効率は高くない。したがって、排水が民地2の側に溢れることもある。また、U字形の側溝と組み合わせて土地境界を施工することも可能であるが、2種類の側溝用ブロックを組み合わせて施工する必要があるので手間がかかり、コストも高くなる。
【0031】
これに対し、本例の側溝用ブロック10により施工された側溝1では、側溝用ブロック10の本体11と一体に形成された土留め壁20によって民地2と道路3との境界5が形成される。土留め壁20は埋設された本体11と一体になっているので、土留め壁20が単独で動くことはない。したがって、民地2が土盛りをした程度であっても、その土地境界5を長期間にわたり保持することができる。また、車が乗り上げるなどの圧力が土留め壁20に加わったとしても、側溝用ブロック10が全体的に沈んだり動いたりすることがない。このため、土留め壁20も動くことはなく、車のみならず、トラクタなどの重量物が乗り上げるような環境、たとえば、民地2が田畑であっても土留め壁20による土地境界5を長期間にわたり維持することができる。
【0032】
さらに、本例の側溝用ブロック10を用いて施工した側溝1では、開渠部15と暗渠部18とが繰り返し表れ、開渠部15の開口14から道路3を流れる排水、特に、土留め壁20に沿って流れる排水を流路12に飲み込むことができる。したがって、排水能力の高い側溝1を土地境界5に沿って施工することができ、民地2に排水が流れ込むことを防ぐことができる。さらに、本例の側溝用ブロック10においては、止水壁あるいは堰としての機能も果たす土留め壁20が側溝用ブロック10の本体11に一体になっているので、側溝用ブロック10を埋設して側溝1を施工するだけで、土地境界5も施工することができ、地表からの排水能力の高い側溝も施工することができる。したがって、短期間に低コストで側溝1および土地境界5を施工することが可能であり、宅地造成や田畑の造成に適している。
【0033】
さらに、本例の側溝用ブロック10を用いて側溝1を施工すると、側溝1に沿って一定の高さ、本例では、高さ3cm、幅10cmの土留め壁20が土地境界5を形成する。この程度の高さの土留め壁20であると、車両が乗り越えるのには支障がなく、その一方で、土地の境界5を明確にして排水が流れ込むのを防止するには十分な高さである。車両の乗り上げを考慮すると、土留め壁20の高さは6cmあるいはそれ以下が望ましい。特に、土留め壁20の高さは低い方が乗り上げは容易となるので、本例では、一般に用いられている境界ブロックの高さ(5cm程度)より低い土留め壁20としている。この程度の高さ(段差)であれば、よりいっそう歩行や通行の妨げにならず、乗り上げ易い。さらに、本例の側溝用ブロック10は、境界ブロックと異なり、本体11に流路12があるため、土留め壁20に沿った適当な位置から排水68を取込むことができ、排水性能が高い。
【0034】
したがって、5cm程度以下、例えば4cmあるいは本例のように3cmの土留め壁20であっても、排水が民地2の側に流水されることなく、流路12へ排水することができる。このように、本例の側溝用ブロック10により側溝1を施工することで、土地の境界5のどこからも車両が乗り込むことができるように民地2を造成することができ、造成に先立って車両が入る場所を決定する必要がない。このため、住宅の出入口や、田畑へのトラクタの出入口を考慮せずに造成することができ、土地開発が容易となる。従来は、出入する場所を予め決定して、高さの異なる境界ブロックや、境界ブロックとL型側溝の組み合わせで施工しており、手間がかかると共に設計変更などに対し柔軟に対応できなかった。これに対し、本例の側溝用ブロック10を用いて土地境界5を施工すること、そのようなディメリットも排除することができるので、新しい造成方法であるということができる。
【0035】
また、本例の側溝用ブロック10を用いた側溝1の排水能力は高いが、それを開口14に設置する蓋30の種類によって適当に調整することも可能である。たとえば、図1に示したような縁31に下方が内側に斜めになった切り欠き32を有するコンクリート製の蓋30を、その蓋の切り欠き32が土留め壁20に面するように設置すると、蓋受け51と蓋30との間に水が流れる経路ができる。したがって、土留め壁20に沿って流れる少量の排水であっても効率良く排出できる。最も排出効率の良い蓋の1つはグレーチング33であり、グレーチング蓋33で開口14をカバーすることにより大量の排水でも流路12に排出することができる。しかしながら、台風などの特殊な条件でなければ、そのような大量の排水が発生することはなく、また、流路12の断面積を考慮したときに、すべての開口14から大量の排水が入っても処理することは難しい。したがって、蓋の一部をグレーチング蓋34にして残りをコンクリート蓋35で覆ったり、上述したきり欠き32のある蓋30で開口14をカバーするだけで十分な排水能力を得ることができる。また、側溝用ブロック10の長手方向Lに沿って切り欠き32を配置しても、側溝1の上を流れる排水を流路12に排出することができ、道路3を流れるほとんどの排水を処理することができる。
【0036】
本例の側溝用ブロック10を用いて土地境界5を施工した様子を図3に断面を用いて示してある。側溝用ブロック10は、レベル設定を行う基礎コンクリート61の上に設定され、開口19を埋めるように現場でインバートコンクリート62が打設されて側溝1の底63が形成される。同時に、側溝用ブロック10の本体11と一体になった土留め壁20によって民地2と道路3との境界5が施工される。したがって、民地2の地盤が道路3より高い場合でも民地2の境界5を土留め壁20で維持あるいは護ることができる。民地2の地盤あるいは地表2aは、図3(a)に示すように、土留め壁20とほぼ同じ一定の高さにすることも可能であるし、図3(b)に示すように、民地2の内側に行くにしたがって徐々に高くなるような傾斜あるいは斜面にしても良い。いずれの場合も、民地2の境界を土留め壁20で土留めできるので、民地2の側の土砂が道路3の側に崩れることがなく、民地2を安定させることができる。
【0037】
さらに、土留め壁20は車輪69が支障無く乗り越えられる程度の高さであるので、車やトラクタなどが民地2に入り込むことができる。そして、土留め壁20の上に車輪69が乗って上から加重がかかった状態であっても、また、民地2の側に車輪69が落ちて土留め壁20を押し出すような状態になっても、土留め壁20は側溝用ブロック10と一体になっているので動くことがない。したがって、民地2の側の土砂も車の出入程度では動くことが無く、土盛りした程度でそれほど転圧されていない状態でも民地2の側を安定して維持することができる。
【0038】
また、道路3を流れる排水68に着目すると、土留め壁20に沿った流れ68は、開口14に設置された蓋30の切り欠き32を通って側溝1の流路12に効率良く排出される。蓋は、これに限らずグレーチング蓋33であってもよく、また、蓋30の側に切り欠きを設ける代わりに、本体11の蓋受け51の側に切り欠きを設けても良い。したがって、土留め壁20はそれほど高さがないが、排水68が土留め壁20を乗り越えることはなく、民地2の側に排水68が入り込むことはない。そして、このように土留め壁20が低くても民地2の側を排水68から保護できるようになっているので、どこからでも車が入り込むことができる造成ができるのである。
【0039】
このように、本体11の一方の縁に上部に立ち上がった土留め壁20が一体に形成された側溝用ブロック10を用いることにより、土地の境界5を容易に施工できる。さらに、側溝用ブロック10が並んだ方向に沿って土留め壁20が並び、隣接する側溝用ブロック10の高さおよび位置を揃えることにより土留め壁20も高さおよび位置が揃う。このため、側溝1を施工することにより、土留め壁20が境界5に沿って美しく整然と整列させることが可能となり、大変に見栄えの良い土地境界5を簡単に、すなわち、側溝1を施工する手間だけで施工することができる。
【0040】
さらに、本例の側溝用ブロック10は、図2に示したような道路横断部を施工する側溝用ブロック(その他の側溝用ブロック)9とも繋げられるようになっている。側溝1は、民地2の周囲だけで終わるものではなく、排水を流すために道路横断部を介して主流となる排水経路に接続される。本例の側溝用ブロック10は、強度を確保するために幅が広い土留め壁20を設けてあるために、そのままでは、土留め壁20の無い、道路横断部などを施工する側溝用ブロック9とは幅が異なってしまう。しかしながら、本例においては、開口14の寸法などを調整することにより、土留め壁20のない、その他の側溝用ブロック9と幅が同一に設計および製造されており、これらの側溝用ブロック9とも自由に接続し、側溝1を施工することができる。
【0041】
図4を参照しながら、さらに詳しく説明する。図4(a)に上面13の縁の一方29aが立ち上がった側溝用ブロック71の暗渠部18の端面を示してある。また、図4(b)に、側溝用ブロック71の開渠部15の断面を示してある。このブロック71は、幅Wが500mmであり、開口14が構造壁17の上面13の中央に形成されているタイプである。したがって、従来の土留め壁20のない側溝用ブロック9の一方の縁29aをそのまま上方に立ち上げて壁72を形成したタイプである。このため、壁72の無い側溝用ブロック9と幅などは同一であり、これらを接続することは容易である。しかしながら、壁72の幅Sが40mm程度しか確保できない。したがって、壁の断面積が少なく、壁自体の強度を確保できない。さらに、高さhが60mm程度の壁72にすると高さhが幅Sより大きくなり、車輪が乗ったときなどに折れやすい形状となる。したがって、壁72が本体11と一体となって動きにくいものであるが、土留め壁として、特に、車などが自由に乗り上げることができる壁を備えた側溝用ブロックとして提供することができない。したがって、上述したような土地境界を施工する側溝用ブロックとしては適した形状ではない。
【0042】
図4(c)に暗渠部18の端面を示し、図4(d)に開渠部15の断面を示した側溝用ブロック73は、上記と同様に一方の縁29aを立ち上げて壁72にした側溝用ブロックであるが、壁72の幅Sを広げて90mm程度を確保できるようにしている。したがって、壁72の断面強度は高くなり、また、高さhに対して幅Sが大きくなるので、車輪が乗り上げた衝撃にも強い形状になる。また、この側溝用ブロック73も、本体11のサイズは壁72を有しない他の側溝用ブロック9と同じなので接続することは可能である。
【0043】
しかしながら、壁72を含めた上面の幅Wは550mmと広がってしまい、壁の無いその他の側溝用ブロック9と並べたときに地面に現れる両端が合わない状態となる。流路12の寸法(幅)は合致しているので側溝としての機能には支障は無いが、地表に表れた側溝の幅が揃わないので見た目に不自然である。また、土地境界を考慮すると、壁72の外側を民地2の境界にすることになるが、民地2の境界をこの側溝用ブロック73と壁72の無い側溝用ブロック9との組み合わせで施工することになったときに、道路2の側の端が合わず、流路12も合わせることができない。したがって、道路のローラ転圧が難しくなったり、流路12から水漏れが発生したりする。道路側を合わせて民地側の境界を出入するような施工は、土地境界が変わってしまうので難しい。このため、側溝用ブロック73の幅Wが、その他のブロック9よりも50mm増えただけで、側溝1の設計条件や施工条件などが制限されてしまう。
【0044】
さらに、図4(c)に示した側溝用ブロック73では、壁72が横に延びているだけであり、その下方72aが支えられていない。したがって、壁72に上方から加重が加えられたときの強度が問題となる。特に、壁72の側が民地2で、土盛りした程度であると、壁72を支持する耐力は得られない。したがって、この点でも、側溝用ブロック73は、上記の土地境界を施工する側溝用ブロックとしてはそれほど適したものとは言えない。
【0045】
これに対し、図5(a)に暗渠部18の端面を示し、図5(b)に開渠部15の断面を示した側溝用ブロック74は、横に延びた壁72の下方を本体11から斜めに支持する部分72bを設けており、壁72の強度が向上する。このように、流路12を形成する側壁16aおよび16bに対し、上面の縁29aおよび29bの張り出し量E1およびE2を変えることにより、上面13から立ち上がった壁72の強度を上げることができ、また、それを本体11から支持することができる。また、壁72の形状も横に長いものにすることができる。すなわち、立ち上がった側の縁29aを反対側の縁29bよりも大きく張り出すことにより、上面13から立ち上がる面積を増やすことが可能となり、十分な強度を備えた断面の立上り部72を形成することができる。したがって、これらの点では、本例の側溝用ブロック74は、土地境界5を形成する側溝用ブロックとして適している。しかしながら、この側溝用ブロック74も幅Wは550mmであり、立上り壁72の無い、その他の側溝用ブロック9の幅よりも広い。したがって、上述した側溝用ブロック73と同様に、他の側溝用ブロック9との組み合わせができず、側溝の設計および施工上などの問題は解決されていない。
【0046】
図5(c)に暗渠部18の端面を示し、図5(d)に開渠部15の断面を示した側溝用ブロック75は、上記の側溝用ブロック73あるいは74と異なり、開口14の幅dを小さくして立上り壁72の幅Sを確保した例である。たとえば、開口14の幅を400mm程度から360mm程度に小さくすれば、幅80mm程度の立上り壁72を形成することができる。したがって、土留め壁として十分な断面形状を確保でき、また、高さhよりも大きな幅Sも確保できるので、土留め壁として強度的には問題のない立上り壁72を用意できる。また、開口14の幅dを小さくしているので、側溝用ブロック75の幅Wは500mmに保つことができる。したがって、立上り壁のない、他の側溝用ブロック9と同じ幅となりまた、流路12の幅も同じにできる。このため、特に制限なくこれらの側溝用ブロック9と組み合わせて側溝を設計および施工できる。したがって、この側溝用ブロック75は、上述した土地境界5を施工する側溝用ブロックとして適したものの1つである。
【0047】
しかしながら、図5(d)から分かるように、開口14の幅dを小さくしたので、開口14の端の位置が側壁16aの上から外れてしまい十分な面積の蓋掛り51を形成することができない。このため、開口14に蓋を載せることができず、実際にはこの形状では側溝用ブロックとして採用することが難しい。図5(e)に開渠部15の断面を示したブロック76は、この問題を解決したものであり、側壁16aを内側に張り出して蓋受け51として十分な面積を確保できるようにしている。すなわち、側壁16aの上面を内側に突き出すあるいは張り出した部分55を設けることにより、蓋を安全に設置することができる側溝用ブロックとして提供することができる。したがって、図5(e)に示した断面の側溝用ブロック76は、土地境界5を施工する側溝用ブロックとして適している。
【0048】
しかしながら、この側溝用ブロック76においても、側壁16aの上部の構造を見ると、土留め壁となる立上り壁72があり、内側には蓋受け51を支持するための張り出し55がある形状となる。したがって、側壁16aの上部の断面が大きくなり、荷重的に増える。このため、側溝76の重心はかなり側壁16aの側に位置しており、運搬するときなどに流路12に治具を通して側溝用ブロック76を吊り上げようとすると回転してしまい危険である。また、吊り上げた状態が安定しないので、精度よく設置位置をだすことができないなどの施工上の問題がある。また、1箇所だけが厚くなるデザインは、コンクリートの利用効率があがらず、強度的にもバランスをとることが難しい。
【0049】
図5(f)に暗渠部18の端面を示し、図5(g)に開渠部15の断面を示した側溝用ブロック10が、上記の問題を解決した本例の側溝用ブロックである。この側溝用ブロック10では、上記の側溝用ブロック75および76と同様に、開口14の幅dを小さくすることにより、土留め壁20の幅Sを確保している。したがって、側溝用ブロック10の幅Wは、土留め壁を有しない他の側溝用ブロック9と同じく、本例では500mmに止めることができる。そして、開口14の蓋受け51の面積を確保するために、流路12のセンター12c、すなわち、側壁16aと16bのセンターを本体11のセンター11cからずらしている。これにより、土留め壁20の幅Sを確保するために開口14の位置はずらさずに、開口14のセンター14cと側壁16aおよび16bのセンター12cがほぼ一致するようにしている。このように、側壁16aおよび16bを土留め壁20と反対側、すなわち、他の縁29bの側あるいは開口14の側にシフトすることにより、幅dが狭くなった開口14の端14eがほぼ均等に双方の側壁16aおよび16bで支持されるようにしている。さらに、蓋受けとしての面積が不足する分については、双方の側壁16aおよび16bの内面上部を内側に突き出して支持部55を設け、蓋受け51を形成している。
【0050】
支持部55は、型枠の抜きを考慮した勾配より大きく内側に突き出しており、型枠からの抜きを考慮した勾配であれば5から8mm程度に収まるのに対し、本例では20mm前後まで支持部55を水路12の方向に突き出して蓋受けあるいは蓋掛り51として十分な面積を確保している。
【0051】
したがって、この側溝用ブロック10では、土留め壁20の幅Sが十分に確保され、断面強度も高く、また、高さhに対して幅Sが大きな土留め壁20を設けることができる。このため、車両の乗り上げなどのショックに対して十分に耐えられる強度の高い土留め壁20を本体11と一体に形成することができる。このような土留め壁20を形成するために、流路12の幅は変えずに、開口14の幅dを小さくしているので、側溝用ブロック10の幅Wは広がらず、設計および施工などの条件は、従来の側溝用ブロック9と同じでよく、これらを組み合わせて側溝を施工することが可能であり、境界や道路幅に凹凸が発生するようなことはない。
【0052】
さらに、側壁16aおよび16bを開口14の側にシフトしているので、開口14の蓋掛り51の面積を確保でき、蓋を設置したときに双方の側壁16aおよび16bで均等に支持できる。また、蓋受け51を形成するために内側に突き出た支持部55を双方の側壁16aおよび16bに設けているので、一方の側壁16aに荷重が集中するのを緩和することができ、重心を本体11の中心に近づけることができる。したがって、運搬や搬送のときにブロック10が回転することを防止でき、安定した姿勢でこれらの作業を行うことができる。このため、安全に作業できる。また、施工時の姿勢が安定するので、予定された設置位置に精度よく合わせることも容易となり、品質の高い側溝1および土地境界5を短時間で施工することができる。
【0053】
このように、本例の側溝用ブロック10においては、開口14の幅dを小さくし、さらに、流路12のセンター12cを土留め壁20と反対側に若干(幅Wが500mmの本例のブロックでは10数mm、たとえば10から15mm程度)シフトしている。したがって、開口14の両側の縁29aと29bの幅F1とF2とを比較すると、土留め壁20が形成されている方の縁29aの幅F1が広くなる。また、側壁16aおよび16bが、土留め壁20と反対側にシフトしているので、これらの壁16aおよび16bからの縁29aおよび29bの張り出し量E1およびE2を比較すると、先に側溝用ブロック74に基づき説明したように、土留め壁20の側の張り出し量E1の方が、反対側の張り出し量E2より大きくなる。そして、土留め壁20の下側に側壁16aから繋がる張り出し部56を設けてあるので、土留め壁20の荷重は本体11あるいは側壁16aで十分に受けることができ、土留め壁20の強度を十分に高くすることができる。
【0054】
さらに、本例の側溝用ブロック10においては、流路12を構成する側壁16aおよび16bをシフトしているが、平行にシフトしており、流路12の幅Cは変化ない。したがって、流路12の性能は変わりがなく、流路12の排水能力は確保でき、流量計算をやり直す必要も無い。しかしながら、側壁16aおよび16bを10数mm程度シフトしているので、土留め壁20を有しない他の側溝用ブロック9と接続したときに、本例の側溝用ブロック10の流路12の中心と、他の側溝用ブロックの流路の中心は10数mm偏心(シフト)した状態となる。このため、これらの側溝用ブロックを並べたときに側壁の位置は完全には一致せず、流路12の内面に若干の段差が発生する。しかしながら、その段差は10数mmであり、側壁の幅が50mm程度あるいはそれ以上が要求されることを考えると、水漏れなどの要因になる可能性はない。また、上述したように、他の側溝用ブロック9と本例の側溝用ブロック10を並べて接続したときに、地表にでる上面13は両端が揃った状態となり、見栄えもよく、境界線あるいは道路工事の転圧面積の相違などの問題は回避できる。
【0055】
図4および図5に示した各側溝用ブロックの端面を参照しながら、さらに、側壁16aおよび16bの端面57に設けられシール用の溝58について説明する。側溝用ブロック10を用いて側溝1を施工する際、隣接する側溝用ブロック同士の連結および止水が問題となる。すなわち、複数の側溝用ブロックを繋げたときに、施工後、側溝用ブロックが相対的にずれると、水漏れの原因なる。特に、本例の側溝用ブロック10は、車両が乗り上げることを想定しており、隣接する側溝用ブロック10に異なる加重が働いたときでもそれにずれが生じないようにする必要がある。もちろん、基礎ブロック61の強度を十分に確保しておくことも重要であるが、本例においては、さらに、端面17にシール用の溝58を設けてある。このシール用の溝58は、端面17同士を接続すると溝58が合わさって注入孔となる。したがって、側溝用ブロック10を付き合わせた後に、端面を付き合わせた部分に形成された溝58による注入孔にモルタルを注入することにより側壁用ブロック10の横ずれを防止できる。さらに、注入孔に注入したモルタルで流路12の止水もできるので、水漏れも防止できる。なお、本例の側溝1では流路12の底面63はインバートコンクリート62により形成されるので、底面63の水漏れは防止でき、また、インバートコンクリート62がブロック同士のずれ止めを防止する作用も果たす。
【0056】
注入孔にモルタルを注入することを考えた場合、注入口59が平らな面に出ていることが望ましく、傾斜した面に表れていると、モルタルが注入口に入りにくく流れてしまう。また、止水およびずれ止めを考慮すると、溝58は側壁の端面57の中央に形成することが望ましい。さらに、製造および運搬するときに、溝58の両側のコンクリートの厚みが薄いと割れやすく溝としての機能を果たさなくなる。したがって、この点でも、溝58は側壁16aおよび16bの中央に形成することが望ましい。図4(a)に示したように、側溝用ブロックの幅Wが500mmであっても壁72の幅Sが狭い場合は、側壁16aの端面57の中央からまっすぐに垂直あるいは鉛直方向に溝58を延ばすことができ、注入口59は水平な上面13に表れる。したがって、モルタルを注入するには支障がない。
【0057】
また、立上り壁72の幅Sを広げたタイプでも、図4(c)および図5(a)に示すように、ブロックの幅Wを550mmに広げたものでは、上記と同様に側壁16aの端面57の中央からまっすぐ垂直に注入孔58を延ばすことにより注入口59を上面13に設置できる。
【0058】
しかしながら、図5(c)および図5(f)に示すように、側溝用ブロックの幅Wを広げずに、土留め壁20の幅Sを確保した側溝用ブロック75あるいは10においては、注入溝58を側壁16aの端面57の中央からまっすぐ鉛直あるいは垂直に延ばすと、土留め壁20の斜面21あるいはコーナーに当たり、平坦な面に注入口が表れない。したがって、これらの側溝用ブロック10および75においては、側壁16aの上部で注入溝58の途中を曲げ、これらの例では、土留め壁20から外れた上面13の部分に注入口59が表れるようにしている。これにより、ブロックの幅Wを広げず、土留め壁20の幅Sを広げた側溝用ブロック10あるいは75、さらには76を用いて側溝1を施工する際も、平坦な面に表れた注入口59からモルタルを効率良く注入することができる。また、側壁16aの上部は土留め壁20を支持するための張り出しや、蓋受け51を支持するための張り出し55がある部分であり、溝58を曲げても溝の周囲のコンクリートの厚みを十分に確保することができる。したがって、コンクリートが欠けて溝58としての機能が損なわれることはない。
【0059】
図6に、本例に係る側溝用ブロック10の幾つかの変形例を示してある。図6(a)は、注入溝58を側壁16aの上部で土留め壁20の側に曲げた例であり、注入口59が土留め壁20の上面23に表れている。土留め壁20の上面23もほぼ水平な面となるので、モルタルを注入するには適している。図6(b)は、土留め壁20の斜面21および上面23に鉄板81を埋設した例であり、土留め壁20の強度をさらに高めることができる。面22も含めて土留め壁20の全体を覆うように鉄板をコンクリートに埋設することも可能である。鉄板81は、側溝用ブロック10を型枠で成形するときに、型枠の土留め壁20を成形する個所に予めセットしておけば、土留め壁20に埋設した状態で成形できる。土留め壁20に鉄筋が埋設される場合は、それに予め溶接などによって取付けておいても良い。あるいは、インサートを埋設しておいて、成形後に鉄板を取り付けることも可能である。
【0060】
図6(c)および(d)は、土留め壁20の斜面21の部分が比較的垂直に立上り、上面23とのコーナー24の曲率半径が大きく形成されたブロックの例である。たとえば、コーナー24のRを20から30mmあるいはそれ以上にすることにより、斜面21の角度をそれほど緩くしなくても車両が乗り入れるときの障害とならない土留め壁20を持った側溝用ブロック10を提供することができる。図6(c)は、さらに、注入溝58が上部で本体11の上面13の側に曲がって注入口59が本体11の上面13に表れている例であり、図6(d)は、注入溝58が上部で土留め壁20の側に曲がって注入口59が土留め壁20の上面23に表れている例である。
【0061】
図6(e)および(f)は、側壁16aおよび16bの下部82が外側に広がった例であり、設置したときに安定がよく、また、底面を構成するインバートコンクリートを打設したときに接触面積が大きく、水漏れなどの心配が少ないタイプである。しかしながら、コンクリート量が多くなるので若干重く高価になる。図6(e)は、注入溝58が上部で本体11の上面13の側に曲がって注入口59が本体11の上面13に表れている例であり、図6(f)は、注入溝58が上部で土留め壁20の側に曲がって注入口59が土留め壁20の上面23に表れている例である。
【0062】
図6に示した側溝用ブロック10の開渠部15の各断面を図7に示してある。図7(a)に示した例は、車両が乗り上げやすいように、土留め壁20の斜面21を意識的に緩く傾斜した例であり、開口14の側面52の傾斜よりもかなり角度が緩くなっていることが分かる。開口14の側面52の傾斜は、製造時の型枠からの抜き勾配と、開口14に蓋を設置するときの蓋とのクリアランスなどを考慮して設定された勾配であり、土留め壁を有しない他の側溝用ブロック9においても開口などに採用されている傾斜角である。これに対し、本例の側溝用ブロック10では、土留め壁20に自動車のタイヤや、トラクタの車輪、あるいはキャタピラなどが乗り上げることを考慮して設計されており、車輪などが乗り上げやすく、また、その際の衝撃をすくなくするように、土留め壁20の外側に表れる斜面21の傾斜角を小さく、緩く形成している。これに対し、土留めとして機能する反対側の面22は、土圧を受けやすいようにほぼ垂直な面になっている。
【0063】
また、開口14の蓋受け51の部分は、先に説明したように、流路12を形成する本体11の側壁16aおよび16bの内面上部が内側に突き出た部分55によって支持されており、ほぼ均等に双方の側壁16aおよび16bに蓋の荷重がかかるようになっている。また、土留め壁20の下方には、本体11の側壁16aに繋がる張り出し部56が設けられているので、土留め壁20の荷重および車輪などが乗ったときに上方から加えられる加重を本体11に伝えることができ、土留め壁20は強固に本体11から支持されている形状になっている。さらに、土留め壁20自体の形状も高さに対して幅が広く、また、十分な断面積が確保されているので、強度が高く壊れ難い構造になっている。強度的な面と、車両が乗り上げやすい構造という面を満足するには、土留め壁20の高さは6cm以下程度が望ましく、特に4cm以下が望ましいことは上述した通りである。これに対し、土留め壁20の幅は、開口の大きさをできる限り大きくし、さらに、側壁に蓋掛りが載るようにすることを考えると12cm以下、例えば、6cmから12cm程度の範囲が望ましく、8cmから10cm程度の範囲がさらに望ましい。
【0064】
図7(b)に示した例は、土留め壁20の斜面21の斜度はほぼ開口の側面52と同じ角度で形成し、斜面21と上面23とのコーナー24の曲率半径を大きくし、曲率を小さくすることにより車輪などが乗り上げ易く、また、乗り上げたときのショックが小さくなるようにしている。図7(c)に示した土留め壁20の形状は、上記の中間的なものであり、斜面21の傾斜は開口14の側面52の傾斜より緩くなっており、開口14から斜面21に繋がる部分で面の角度が変わっている。さらに、斜面21と上面23とのコーナー24の曲率半径Rも20mm程度と大きい。コーナー24を曲面で構成する代わりに面取りすることも可能であり、その場合は、通常のコーナーのこば欠けを防止するための面取りよりも大きく、少なくとも10mm程度あるいはそれ以上の幅で面取りすることが望ましい。これらの形状の土留め壁20はいずれも車輪が載りやすく、また、そのときのショックを軽減できるので、車などが土留め壁20に乗り上げたときに土留め壁20が壊れることがない、あるいは壊れ難い構成になっている。
【0065】
以上に説明したように、本例に係る側溝用ブロック10を用いて土地境界5に側溝1を施工することにより、側溝1を施工すると同時に土地境界5となる土留め壁20を施工することができる。したがって、土地境界5と側溝1を同時に施工できるので、土地境界を非常に安価に、そして短期間に施工することができる。そして、民地2などの土盛りをして道路3よりも若干高くなった領域を土留め壁20で保護することができ、雨水などが浸入しないようにすることができる。また、土留め壁20は、側溝用ブロック本体11と一体に成形されているので、従来のL型側溝のような軽量のブロックと異なり、土圧や車両が乗り上げたときの衝撃で動いたり外れたりすることがない。さらに、土留め壁20が乗り上げやすく、十分な強度を備えた構成になっているので、土留め壁20で形成された土地境界5のどこからでも車両などが入り込めるように宅地造成したり、田畑を区画整理したりすることができる。
【0066】
側溝本体と上記のような土留め壁とを一体にした側溝用ブロック10では、上述したようなメリットを生かして、それぞれ施工現場のレベル(高さ)に合わせた柔軟な施工も可能である。図8は、本発明に係る複数の側溝用ブロック10が、田畑として利用されている民地2と道路3の境界5に並べて埋設され、道路3に沿って、畑の周囲に側溝1が施工されている。そして、本例の側溝用ブロック10を採用すると、田畑に高低があっても同一形状の側溝用ブロック10によりそれらの周囲を囲うことができるので施工が簡単であり、さらに、美観の良い施工ができる。さらに、本例では、民地2が起伏があるような場合にも同一の側溝用ブロック10で境界5を施工できることを示してある。そして、レベル(標高)が同じではない起伏があるような場所にも、連続して同一形状の側溝用ブロック10を埋設(敷設)することにより統一感のある区画整理ができる。図8の各々の領域の断面を図9に示してあるが、図8の右側(上側)の畑2cは、図9(a)に示すように、レベルが道路3より高くなっており、側溝用ブロック10の土留め壁20の上面23を田畑2のレベルに合わせて施工し、この畑2cの土留めとして土留め壁20を使用し、地盤の高さより一段低い道路3との境界5を形成することができる。
【0067】
これに対し、図8の左側(下側)は、畑2dが図9(c)に示すように、道路3よりも低くなっており、土留め壁20を乗り上げて畑2dに車両が入るような場所ではない。しかしながら、道路3に沿って本例の側溝用ブロック10を施工することにより、土留め壁20が道路3の側から雨水などが畑2dへ浸水しないようにできる。そして、土留め壁20により関止められた雨水は、土留め壁20に沿って配置された蓋30の切り欠き32から流路12に排出され、土留め壁20を乗り越えて畑2dに排水が流れ込むことはない。
【0068】
さらに、畑2dのレベルが道路3より低いような場所でも、田んぼのあぜ道のように、予め、トラクタなどが乗り込む入口部分を設け、農作業に必要なトラクタ(耕運機)などの車両を畑2dに導くための道路2bは必要である。そのような部分は図8の中ほど、および図9(b)に示すように、道路2bが畑2dに盛り土されて高くなっており、道路3のレベルあるいはそれ以上になっている。本例の側溝用ブロック10を用いると、道路2bの部分は土盛りをした高さを土留め壁20で保持することができ、上述した他の領域と同様に車両を乗り入れ易くできる。
【0069】
このように、本例の側溝用ブロック10は、民地2に高低があるような領域でも、全ての境界の施工に採用することができ、土留めとしての機能はもちろん、雨水排水が民地に流れ込むのを防止するという役割を果たすことができる。そして、全体を本例の側溝用ブロック10で囲うと、レベルの低い民地に乗り入れる道路でもどこにでも設置できる。このため、側溝1を施工するのに先立って民地側の計画を完成させる必要はなく、極めてフレキシブルに土地の整理および区画作業を行うことができる。
【0070】
図10に、側溝用ブロック10の土留め壁20の一部を拡大して、模式的に示してある。図7(a)で説明したように、側溝用ブロック10では、車両が乗り上げやすく、また、その際の衝撃を少なくするように、土留め壁20の外側に表れる斜面21の傾斜角を小さく緩く形成している。特に、歩車道境界ブロックが道路側に設けられていないような施工現場、あるいは自転車が歩道を走るような施工現場では、自転車のタイヤが土留め壁20に接触する可能性が高くなる。さらに、土留め壁20を斜めに自転車が登ることも予想される。このような場合に、自転車のタイヤが土留め壁20に引っ掛かったり、土留め壁20を斜めに登りきれずに滑り落ちると、自転車が転倒するなどの危険な事態が発生し得る。したがって、土留め壁の斜面21の角度は、このような事態に対応できる程度に緩く設計することが望ましい。このような状況を考慮すると、土留め壁20の斜面21は、傾斜角θ1は60度以下が望ましく、45度以下にすることがさらに望ましい。すなわち、斜面21が法線Mとのなす角θ2は30度以上が望ましく、45度以上とすることがさらに望ましい。
【0071】
したがって、側溝用ブロック10において、このような状況を考慮しない場所、たとえば、製造時の型枠の抜きや、蓋30とのクリアランスが考慮された開口の縁14eでは勾配が1〜2°程度の角度θ3が設けられていることを考えると、土留め壁20の斜面21は、ブロック10の中で非常に斜度が緩い、特別な勾配となっている。そして、この程度の斜面21を設けることで、側溝用ブロック10は、土地の境界5を施工できる機能を果たし地盤の差を保持すると共に、ユーザが躓くことなく、さらに、自転車のみならず、身障者用の車椅子、乳母車、および小さな車輪を備えた車両(身障者用の歩行補助車)などでも、スムーズに乗り越えることができる。このため、本例の側溝用ブロック10を採用することによりバリアフリーな土地境界5を施工できる。
【0072】
さらに、図11に示すように、上面13が他方の縁29bから一方の縁29aに向かってほぼ一様に傾斜し、上面13が全体で土留め壁20になった側溝用ブロック10を提供することも可能である。このような側溝用ブロック10であれば、25mm程度の段差dを確保するために、500mm程度の幅のブロックであれば上面13の傾斜を5%程度に止めることができる。この程度の傾斜になると、自転車やその他の車両はほとんど困難なく、上り下りすることが可能であり、滑って転んだりする危険もない。さらに、側溝用ブロック10の上部が傾斜しそれが土留め壁20となっているので、土留め壁20となる傾斜は非常に緩やかであり、車輪69が乗り上げるときにショックもなく、土留め壁20に急激に力が作用することもない。したがって、土留め壁20を乗り越えるときの乗り心地が良く、また、土留め壁20に急激に力が作用しないので、土留め壁20の強度も低くて良い。さらに、土留め壁20の壁厚が側溝用ブロック10の幅に等しいということもできるので、土留め壁20の強度は非常に高くなる。このため、土留め壁20の角が欠けたりすることなく、壊れ難い構造の側溝用ブロックでもある。
【0073】
一方、上面13から突き出た形状の土留め壁20を設けた側溝用ブロック10においても、滑り止めをさらに考慮することが望ましい。このため、図12および図13に示した側溝用ブロック92においては、土留め壁20の斜面21および上面23と、ブロック10の上面13に凹凸25で滑り止め用の模様を付してタイヤが滑るのを防止し、さらに、バリアフリーな側溝1で土地境界5を施工できるようにしている。まず、本例の側溝用ブロック92は、土留め壁20の斜面21および上面23を覆うように鉄板81が埋設されており、土留め壁20が補強されている。本例の側溝用ブロックにおいては、土留め壁20の幅が広くできるように設計されているので、強度は高い。しかしながら、裏面22からの土圧がそれほど期待できないような地盤、重量の大きな車両が乗り入れる可能性がある境界においては、土留め壁20には非常に大きな力が作用する可能性がある。特に、土留め壁20はコンクリート製であり、側溝用ブロック92から立ち上がった形状になっているので、土留め壁20に対し水平方向に強い力が作用すると、内部では引張り応力なる可能性がある。コンクリートであると引張り応力に対する強度はそれほど高くないので、このようなケースが想定される現場では鉄板81を埋め込んで引張り応力も向上しておくことが望ましい。
【0074】
しかしながら、土留め壁20の表面、特に斜面21を鉄板81で形成すると滑りやすくなる。また、鉄板81でない場合も斜面である以上、ある程度滑りやすくなる。したがって、本例では、凹凸模様25を設けることにより滑りにくくしている。また、側溝92の上面13にも同様の凹凸模様25を設けることにより、施工された側溝として統一感があり、また、美観の良いものを施工することができる。凹凸部25は、さらに、蓋30の表面にも凹凸模様25を設けることが可能であり、トータル的にデザイン化された側溝を施工することができる。
【0075】
滑り止めの模様はこの凹凸模様に限定されないが、側溝用ブロック92を製造する際に、土留め壁20および上面13は同一の耐久性型枠により製造されることを考えると、土留め壁20と上面13との境界13aに沿って目地の部分(本例であれば凹みの部分)25aを配置することができる模様が望ましい。耐久性型枠を製造する際に、上面13から土留め壁20を形成する部分はベンディングされるので、凸状の模様であるとベンディングによって形状が崩れてしまい、所望の形状を側溝用ブロック10の表面に形成することが困難であるからである。したがって、側溝用ブロック10の上面13に模様を設ける場合は、タイル模様のように規則的な模様が望ましい。たとえば、土留め壁20の表面を形成する鉄板81にはデッキパネルやその他の規則的な模様の有るパネルを利用できるので、それと同様の模様を側溝用ブロックの上面13に形成するようにしても良い。
【0076】
さらに、図13に示した側溝用ブロック92は、図14に断面図で示すように、土留め壁20に対峙する側の側壁16bの下部に、基礎となる水平方向に延びたフーチング部27を備えている。この側溝用ブロック82であれば、土地の境界5に施工するとフーチング部27を備えた側壁16bの側が土圧による抵抗を大きく確保できる。土留め壁20に車(タイヤ)69が乗り上げると、その荷重によって図14であれば、反時計方向の転倒モーメントが発生する。しかしながら、本例の側溝用ブロック82であれば、フーチング部27によりその方向の転倒モーメントに対抗できるので、側溝用ブロック92が転倒モーメントで傾いたり、隣接する他の側溝用ブロック92とずれたりするのを防止できる。
【0077】
また、このフーチング部27を備えた側溝用ブロック82は、逆方向、すなわち、時計方向の転倒モーメントに対しても対抗できるので、土留め壁20の側の土圧に対しても対抗する能力が高い。このため、側壁16aを擁壁として機能させるのに適した形状である。
【0078】
また、図15に示した側溝用ブロック93は、側面図(図15(a))および断面図(図15(b))から分かるように、幅に対して深い流路12を備えた側溝を施工するのに適した側溝用ブロックである。したがって、側壁16aおよび側壁16bに掛かる土圧が大きくなり、それらの側壁の厚みTは厚く設計される。このため、図5あるいは図6などに示した比較的浅い側溝用のブロック10と比較すると、上部の張り出し量は小さくなる。特に、上面13から立ち上がった土留め壁20と対峙する側の縁29bの張り出し量は、ほとんど無くすことができる。しかしながら、本例のブロック93においても、土留め壁20の側の縁29aの張り出し量E1はある程度確保されており、側壁16aは土留め壁20の幅ではなく、土圧に対抗できる最小限の設計値で製造できるようにしている。
【0079】
図16に、断面図を用いて示した側溝用ブロック94は、側溝用ブロックの上面13が、土留め壁20の側に傾いたものであり、土留め壁20の上面23と、対峙する側壁16bの反対側の縁29bが同じ高さとなっている。したがって、土留め壁20は、ブロック94の上面13より上方に延び、その縁29aも上面13よりも上方に延びた形状になっているが、縁29aおよび29bの高さはほぼ同じに設計されている。このような側溝用ブロック94であっても、土留め壁20により民地2との境界を施工することができる。しかしながら、民地2を道路3より高くするような現場にはそれほど適していない。その一方で、側溝の上面13は、道路側の縁29bから土留め壁20に向かって傾いて施工されるので、道路側3から流れてきた雨水68などを、土留め壁20の斜面21に集水しやすく、排水能力に優れた側溝を施工することができる。
【0080】
以上に説明した側溝用ブロックは、暗渠部18と開渠部15を備えて、開渠部15が1/3以上を占めているものであるが、これに限らず、暗渠部だけの側溝用ブロックに対しても本発明を適用できる。さらに、開渠部15の開口率や流路12の形状の異なる側溝用ブロックであっても、上述したような境界の施工を行うことができる。
【0081】
まず、図17(a)に上面図を、図17(b)に断面図を用いて示した側溝用ブロック95は、開口14が上面13のほぼ中央に幅が狭く、ほぼスリット状に形成されている。そして、ブロック95の長手方向に開口14が断続的に設けられており、開口率の小さな側溝用ブロックである。このようなブロック95であっても上面13の一方の縁29aに上面13から立ち上がった土留め壁20を設けることにより、上記のような民地と道路との境界を施工することができる。
【0082】
本例の側溝用ブロック95に用意された開口14は細長いものなので、蓋を取付けなくても良く、あるいは、グレーチング36等の蓋を取付けて、歩行の障害にならないようにしても良い。開口14が小さいのでグレーチング36でカバーする面積も小さくて良く、低コストで歩行の障害ならないように側溝を施工できる。したがって、側溝を歩道などとして利用するには適しているが、開口14の面積が小さくため、集水性はそれほど高くならない。このような側溝用ブロック95は、他のタイプでも同様であるが、図1に示した集水性の高い側溝用ブロック10、あるいは他のタイプの側溝用ブロックと組み合わせて施工することが可能である。
【0083】
図18に断面を用いて示した側溝用ブロック96および図19に断面を用いて示した側溝用ブロック97は、いずれも、上面13が、両側の縁29aおよび29bから中央の開口14に向けて傾いた構造となっている。したがって、縁29aの側は、土留め壁20としての機能を備えており、これらの側溝用ブロック96および97を用いて土地境界を施工することができる。また、上面13は両端29aおよび29bから中央の開口14に向かって傾斜するように形成されているため、集水性は良い。もちろん、この側溝用ブロック96も、上述した各側溝用ブロックと同様に、本体11の幅Wを他の側溝用ブロックあるいは土留め壁を持たない側溝用ブロックと同じ幅に設定することで、それらを一連で続けて埋設し、広範囲に側溝網を施工することができる。
【0084】
さらに、図20(a)に上面図、図20(b)に断面図を用いて示した側溝用ブロック98は、本体11に長手方向に沿って断面が円形の流路12が形成された側溝用ブロックである。本例の側溝用ブロック98においても、上面13の一方の縁29aを上面13から立ち上げて一体となった土留め壁20を形成することが可能であり、上述したように、土留め壁20の形態として、その幅を高さより大きくするなど、上記にて説明した形態を採用することが可能である。そして、本例の側溝用ブロック98を採用して上記と同様に土地境界を施工することができる。本例の側溝用ブロック98は、流路12が丸型のボックス型であり、開口14(開渠部15)が占める割合が小さい。このため、集水性は低いが、構造的な強度は高い。また、ボックス型であるため、全体の構造が暗渠に近く、上面13の面積は十分に確保できるので、幅が広く、傾斜が緩やかで強度も高い土留め壁20を形成するには適した構造である。しかしながら、流路12の形状は予め形成されているので、上述した底面をインバートコンクリートで施工する自由勾配側溝型の側溝用ブロック10などと比較し、現場にフレキシブルに対応することができず、施工および設計は困難になる。
【0085】
すなわち、上述したような側溝用ブロック96、97および98などのカルバートタイプの側溝用ブロックで側溝を構成すると、道路から流路に排水を効率良く排出することができないので、道路からの排水を考慮する場合には採用しがたい。したがって、宅地造成や田畑の区画整理にはそれほど適しているとは言えない。また、開口の幅も狭くなるので、メンテナンスは困難となり、田畑の近傍では泥やごみなどの清掃が問題になる可能性がある。これに対し、上述した暗渠と開渠とが所定の間隔で繰り返し表に現れる本例の側溝用ブロック10などは、開口面積が大きいので、排水能力も高く、さらに、開口から流路内の清掃も容易である。
【0086】
側溝本体と上記のような土留め壁とを一体にした側溝用ブロックは、上述したような逆U字形の断面を備えた自由勾配側溝用のブロックに限らず、U字形側溝側溝用ブロックでも形成できる。例えば、図21に断面を用いて示すように、U字型の側溝用ブロック99にも適用できる。そして、先に説明した側溝用ブロックと同様の効果を得ることができる。さらに、図22に断面を用いて示すように、フーチング部27を備えたU字型の側溝用ブロック100を形成することもできる。この側溝用ブロック100は、土留め壁20に対峙する側の側壁16にフーチング部27が設けられている。したがって、図13にて説明した側溝用ブロック92と同様の効果を得ることができる。
【0087】
しかしながら、U字形側溝用ブロックでは、上面を構成する構造壁17の部分がないので、民地2からの土圧に対しそれほど強くない。また、上部にトラクタなどの重量物が載ったときに、その加重によってU字形の本体自体が広がってしまい構造的に強度が不足するなどの強度的な問題が発生する可能性がある。さらに、土留め壁を、側溝用ブロックの外側の寸法に影響を与えずに、内側に作ることが難しいという大きな問題もある。すなわち、土留め壁を有しないU字形側溝と同じ幅で土留め壁を設けようとすると、上述した逆U字形の側溝用ブロックと同様に開口を狭くして、ブロックの内側に土留め壁を持ってくる必要がある。しかしながら、U字形の側溝では、製造時にブロックを上下逆転して成形し、側溝用ブロックを上方に抜くので、土留め壁があると内型枠からブロックを上方に抜くことができない。したがって、製造方法自体を変える必要があり、非常にコスト高になる。
【0088】
これに対し、上述した逆U字形でブロックの下方が開放された自由勾配側溝は、強度的な問題はなく、また、ブロックを上下逆転して製造するときに内型枠を上方に抜くことができるので製造上の問題も無い。したがって、上述した本発明に係る側溝用ブロック10を容易に製造することができる。また、製造時に内型枠を上方に抜いて底が開放された状態の自由勾配側溝用のブロックを製造した後、強度補強などの目的で梁や部分的な壁をブロックの底となる部分に形成しても良い。
【0089】
さらに、本例の側溝用ブロック10は、土留め壁のない従来の逆U字形の自由勾配側溝と幅が同一で製造できるので、これらを組み合わせて、道路横断部なども自由に設計および施工することが可能である。また、流路の性能も変わりなく、流量計算のやり直しなどの手間を省くことができる。したがって、従来からの逆U字形の自由勾配側溝と同じ感覚で施工することが可能であり、同時に土地境界となる土留め壁も施工できてしまうものである。
【0090】
なお、上記では、本体の幅Wが500mmで水路あるいは流路の幅が300mmの比較的利用個所の多い側溝用ブロックを例に本発明を説明しているが、これらの寸法は例示であり、本体の幅Wが500mmのブロックに限定されるものではなく、さらに幅の広い側溝用ブロックあるいは幅の狭い側溝用ブロックにも本発明を適用することができる。
【0091】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る自由勾配側溝用ブロックは、側壁の中央の直上が土留め壁の斜面または緩いコーナーであり、側溝用ブロックの開口の幅を他の側溝用ブロックの開口より狭くすることにより、土留め壁を有しない他の自由勾配側溝用ブロックと、流路の幅が同じで排水能力に差はなく、さらに、本体の幅も等しい側溝用ブロックであって、高さに対して幅が大きく、内側が斜面または緩いコーナーとなった車両の乗り上げやすい土留め壁が長手方向の一方の縁に立ち上った側溝用ブロックを提供でき、他の側溝用ブロックと隣接しても埋設できる。また、本発明の側溝の施工方法は、側溝を施工すると同時に民地などの境界となる土留め壁を施工することができるものであり、低コストで短期間に宅地造成や田畑の区画整理を行うのに適したものである。さらに、土留め壁は側溝本体と一体に形成されているので、その後の経過によって土留め壁が外れたり、崩れたりする恐れはなく、耐久性も高い土留め壁を施工することができる。
【0092】
さらに、本発明の自由勾配側溝用ブロックにより、乗り入れが簡単で、バリアフリーとなるような土地境界を施工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る側溝用ブロックの概要を示す斜視図である。
【図2】図1に示す側溝用ブロックを用いて土地境界を施工した様子を示す図である。
【図3】土地境界を施工した状態を示す断面図である。
【図4】本発明に適した側溝用ブロックを順次説明するための図である。
【図5】図4に続いて本発明に適した側溝用ブロックを説明するための図である。
【図6】側溝用ブロックの幾つかの例を示す図である。
【図7】図6に示した側溝用ブロックの開渠部の構成を示す図である。
【図8】図1に示す側溝用ブロックを用いて、レベルの異なる民地の境界を施工した様子を示す図である。
【図9】図8に示した土地境界を施工した状態を示す断面図であり、図9(a)は、道路側より畑側が高い場所を示してあり、図9(b)は、道路と畑の乗り入れ場所を示してあり、図9(c)は、道路側より畑側が低くなっている場所を示す図である。
【図10】側溝用ブロックの土留め壁の一部分を拡大して示した図である。
【図11】側溝用ブロックの異なる例を示す図であり、ブロックの上面が、段差を形成する他方の縁から一方の縁に向けてほぼ一様に傾斜し土留め壁が形成されている側溝用ブロックを示す断面図である。
【図12】側溝用ブロックの異なる例を示す図であり、表面に滑り止めの凹凸が加工されている側溝用ブロックの一部を拡大して示す図である。
【図13】側溝用ブロックの異なる例を示す図であり、土留め壁と対峙する側にフーチングを備えた側溝用ブロックの概要を示す斜視図である。
【図14】図13に示すフーチングを備えた側溝用ブロックを示す断面図である。
【図15】側溝用ブロックの異なる例を示す図であり、土留め壁と対峙する側壁の幅が広い側溝用ブロックであり、図15(a)は側面図、図15(b)は断面図である。
【図16】側溝用ブロックの異なる例を示す図であり、ブロックの上面が、土留め壁の上面と、対峙する側壁の部分の上面が同じ高さであり、側壁の部分から土留め壁に向かって傾いている側溝用ブロックを示す断面図である。
【図17】側溝用ブロックの異なる例を示す図であり、スリット状の開口を持つ側溝用ブロックの図17(a)は上面図、図17(b)は断面図である。
【図18】側溝用ブロックの異なる例を示す図であり、側溝用ブロックの上面が、開口に向けて傾斜している側溝用ブロックを示す断面図である。
【図19】側溝用ブロックの異なる例を示す図であり、側溝用ブロックの上面が、開口に向けて傾斜している側溝用ブロックを示す断面図である。
【図20】側溝用ブロックの異なる例を示す図であり、流路が丸型のボックス型であり、図20(a)は上面図であり、図20(b)は断面図である。
【図21】側溝用ブロックの異なる例を示す図であり、U字型の側溝用ブロックを示す断面図である。
【図22】側溝用ブロックの異なる例を示す図であり、フーチングを備えたU字型の側溝用ブロックを示す断面図である。
【符号の説明】
1 側溝
2 民地
3 道路
5 土地境界
9 道路横断部などに用いられる土留め壁を備えていない他の側溝用ブロック10 側溝用ブロック
11 ブロック本体
12 流路(水路)
13 ブロックの上面
14 ブロックの開口
15 開渠部
16 流路を構成する側壁
17 ブロックの上面を構成する構造壁
18 暗渠部
19 ブロックの下方の開口部分
20 土留め壁
21 斜面
22 土留め用の面
23 上面
24 コーナ
25 滑り止め模様(凹凸部)
27 フーチング部
30、33、34、35、36 蓋
32 排水用の切り欠き
51 蓋受け(蓋掛り)
52 開口の内面
55 蓋受けを支持するために突き出た部分
56 土留め壁を支持するために張り出した部分
61 基礎コンクリート、62 インバートコンクリート
68 排水
69 車輪
71、73、74、75、76 側溝用ブロック
72 立上り部(土留め壁として機能するものも含む)
92〜100 側溝用ブロック

Claims (13)

  1. 長手方向に流路を形成する本体を有し、前記本体の長手方向の中央部分は開口が形成された開渠で、他の部分が暗渠であり、前記本体の下方の少なくとも一部が開放されている自由勾配側溝用ブロックであって、
    前記本体の上面の長手方向の一方の縁が前記開口を挟んだ他方の縁よりも高い土留め壁となり、この土留め壁は、高さに対して幅が大きく、その幅が前記他方の縁の幅より広く、前記他方の縁に面した側が斜面または少なくとも約10mmの幅で面取りされたコーナーとなり、少なくとも前記土留め壁の外縁は、前記本体の流路を形成する側壁から張り出しており、前記本体の側端の面では、前記側壁の中央の直上が前記土留め壁の前記斜面または前記コーナーであり、さらに、前記本体の側端の面に、前記側壁のほぼ中央を上下に走る溝が形成され、この溝が側壁のほぼ中央から前記斜面または前記コーナーを避けて前記土留め壁の上面または前記本体の上面に向かって曲がっている自由勾配側溝用ブロック。
  2. 請求項1において、前記本体の上面の幅は、前記土留め壁を有しない他の自由勾配側溝用ブロックであって、前記流路の幅がほぼ等しい他の自由勾配側溝用ブロックと同じであり、
    前記自由勾配側溝用ブロックと、前記他の自由勾配側溝用ブロックを隣接して埋設して側溝を形成可能な自由勾配側溝用ブロック。
  3. 請求項2において、前記流路の中心が、前記他の自由勾配側溝用ブロックの流路の中心に対し偏心している自由勾配側溝用ブロック。
  4. 請求項1において、前記土留め壁の外縁および前記他の縁は、前記本体の流路を形成する側壁からそれぞれ張り出しており、それらの張り出し量は前記他の縁に対し前記土留め壁の外縁の方が大きい自由勾配側溝用ブロック。
  5. 請求項1において、前記側壁の上部内面が内側に突き出て前記開口の蓋受けを支持している自由勾配側溝用ブロック。
  6. 請求項1において、少なくとも前記土留め壁が鉄板によりカバーされている自由勾配側溝用ブロック。
  7. 請求項1において、少なくとも前記土留め壁の前記斜面に滑り止めとなる模様が形成されている自由勾配側溝用ブロック。
  8. 請求項において、前記本体の上面にも滑り止めとなる模様が形成されており、前記斜面と前記本体の上面との境界が模様の目地の部分になっている自由勾配側溝用ブロック。
  9. 請求項1において、前記側溝用ブロックは、前記本体の下部に、前記土留め壁と反対側に、ほぼ水平方向に張り出した基礎部を備えている自由勾配側溝用ブロック。
  10. 請求項1に記載の自由勾配側溝用ブロックを用いて側溝を施工する方法であって、
    前記自由勾配側溝用ブロックの本体の上面の幅は、前記土留め壁を有しない他の自由勾配側溝用ブロックであって、前記流路の幅がほぼ等しい他の自由勾配側溝用ブロックと同じであり、
    前記自由勾配側溝用ブロックと、前記他の自由勾配側溝用ブロックを隣接して埋設する工程を有する側溝の施工方法。
  11. 請求項1に記載の自由勾配側溝用ブロックを用いて側溝を施工する方法であって、
    前記自由勾配側溝用ブロック同士を付き合わせた後に前記溝にモルタルを注入する工程を有する側溝の施工方法。
  12. 請求項10または11において、前記自由勾配側溝用ブロックを土地の境界に埋設し、前記他方の縁に繋がる土地の地盤に対し、前記土留め壁に繋がる土地の地盤を高くする側溝の施工方法。
  13. 請求項1に記載の自由勾配側溝用ブロックを用いて施工された側溝。
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