JP3670052B2 - 揺動噴霧式自走防除機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、正面視アーチ型に構成される噴霧管を揺動しつつ、該噴霧管に具備された噴孔より薬液を噴霧して走行することで、果樹等の防除作業を行う揺動噴霧式自走防除機における噴霧管の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、正面視アーチ型に構成される噴霧管を揺動しつつ、該噴霧管に具備された噴孔より薬液を噴霧して走行する揺動噴霧式自走防除機について出願済みである。
【0003】
この中で、正面アーチ型を形成する噴霧管は、一体にて、前後左右に揺動可能となっており、これにて枝葉の表裏にわたって薬液の噴霧を可能としている。このため、アーチ型噴霧管の下方には、揺動のための支点軸やリンク、及びモーター等よりなる揺動機構を配設している。
また、噴霧管は、左右及び中央上部の三分割状になっていて、それぞれ独立して噴霧制御できるようになっている。例えば機体の左側のみ噴霧する場合には、中央上部、及び右側の噴霧管の噴霧を停止し、左側の噴霧管のみの噴孔より薬液を噴霧するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
揺動噴霧式自走防除機の噴霧管自身、及び噴霧管の下方における揺動機構は、各部材が防浸性のものから構成されている。
しかし、噴孔より滴る薬液がなるべくかからないようにするのに越したことはないし、また、大がかりに各部材の防浸性を高める必要がなくとも、各部材の耐久性が向上して、コスト低下にも繋がる。
【0005】
また、従来の噴霧管におけるアーチ形状は、ある程度上方に位置する枝葉に噴霧すべく想定されたものである。
従って、棚作果樹(ブドウ等)の場合には問題がないが、柑橘類等、地面に近いほど低い所まで枝葉のある果樹や、或いは、果樹が傾斜地に植えられた果樹園において、該傾斜地の傾斜面に等高線状に切り通して形成した走行路より下側の傾斜面に植えられている果樹に噴霧する場合、この噴霧管のアーチの下端より下方に枝葉が位置して、噴霧が届かないという不具合があった。
【0006】
アーチ型の噴霧管の下部より更に別個に噴霧管を垂設すれば、このように下方に存在する枝葉にも噴霧できるが、この場合に考えなければならないのは、その配設位置である。防除機は、傾斜地での走行時や、或いはトラックへの積込み時等に、機体が前後傾斜する場合があり、該別個の噴霧管を垂設した状態で、もし機体前部が上方に傾斜すれば、噴霧管を地面等に当接して破損するという可能性がある。
【0007】
また、側方位置においても、本体カバーの外端部よりも側方に突出しては、運転する者が想定する旋回範囲よりも外側に噴霧管が突出していることで、特に旋回半径を小さくする必要のある果樹園においては、旋回時に該噴霧管を果樹の枝等にひっかける可能性が高くなる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を用いる。
請求項1においては、複数個の噴孔2を具備し、正面視アーチ型に構成される噴霧管3を揺動しながら噴霧する揺動噴霧式自走防除機において、該噴霧管3上面に、各噴孔2の突設部を切り欠いて、該噴孔2のみを突出させた状態の防浸カバー5を貼設し、該防浸カバー5は、前記噴霧管3の揺動に追従可能な弾性を有し、両下端部は揺動に追随できるように撓み部分5a・5aを設け、噴霧部を被覆する噴霧部カバー1の両側の内側面に係止したものである。
【0009】
請求項2においては、請求項1記載の揺動噴霧式自走防除機において、独立して噴霧又は噴霧停止の制御ができる下部噴霧管4を左右の各噴霧管3下端より垂設し、該下部噴霧管4の下端の最下部の噴孔2aの左右揺動下限位置を、クローラ走行式又は車輪走行式のものにおいて、側面視にて、クローラの接地部後端、又は最後部に配設した車輪の接地部後端より、シャーシ9後端を結ぶ直線Lの直上位置に配置し、該下部噴霧管4に付設する噴孔2の外端を、前記噴霧部カバー1の内側に配置したものである。
【0010】
【作用】
噴霧管に防浸カバーを貼設することで、噴霧管自体が水や薬液から防禦されることは勿論、アーチ状の噴霧管の両側下端部より薬液が滴下されるので、該噴霧管下方の揺動要部への薬液や水の滴下も低減される。
【0011】
下部噴霧管を追加して垂設することにより、機体下方に噴孔が位置し、下枝葉の低い柑橘類や、等高線状の走行路から下方の傾斜面に植えられた樹木の枝葉に噴霧が可能となる。
独立して噴霧制御できるので、低位置に噴霧しなければならない時に、噴霧を必要とする側だけの下部噴霧管より噴霧を行えばよい。
【0012】
また、機体前部が上方傾斜可能なのは、シャーシ後端が地面に接するまでである。従って、下部噴霧管の下端は、クローラ走行式の場合、クローラ接地部後端とシャーシ後端とを結ぶ直線、車輪走行式の場合、車輪の接地部後端とシャーシ後端とを結ぶ直線より上方であれば、いくら前後傾斜の大きな場所を走行して、機体前部が上方に傾斜しても、シャーシ後端が地面に接した状態よりも傾斜することはないため、該下部噴霧管の下端が地面に当接するおそれはない。
【0013】
更に、該下部噴霧管の側幅も、カバーよりも内側とすることで、旋回においては、該カバーの外面のみを旋回半径として想定すればよく、旋回時にカバーより側方に突出した下部噴霧管が樹木や枝葉等に当接するという事態を生じない。
【0014】
【実施例】
本発明の実施例を、添付の図面を基に説明する。
図1は本発明に係る揺動噴霧式自走防除機の側面図、図2は同じく後面図、図3は下部噴霧管4を取り付けた噴霧管3と、その揺動機構を示す正面図、図4は下部噴霧管4を取り付けた噴霧管3に対する薬液供給回路図、図5は噴霧管3の両側に下部噴霧管4を取り付けた場合において、上方より地表近くまで噴霧した状態の噴霧域を示す正面略図、図6は噴霧管3の両側に下部噴霧管4を取り付けた場合において、傾斜面における等高線状の走行路より両側の傾斜面に噴霧した状態の噴霧域を示す正面略図、図7は噴霧管3の両側に下部噴霧管4を取り付けた場合において、棚作果樹に対して噴霧した状態の噴霧域を示す正面略図、図8は防浸カバー5を貼設した状態の噴霧管3と、その揺動機構を示す正面図、図9は噴霧管3と、その揺動機構を示す側面図、図10は同じく平面図、図11は前後回動軸15への前後揺動リンク17の固定部を示す斜視図、図12はマフラー管35の周囲に排風カバー38を取り付けた状態のエンジンEの側面図、図13は同じく正面図、図14は手動散布用のホースリールRの回転制動手段を示す斜視図である。
【0015】
図1、図5乃至図7より、まず、本発明に係る揺動噴霧式自走防除機(以下、「防除機SW」と称する。)について説明する。
左右クローラ10を巻回してなるクローラ走行装置上にシャーシ9が固設されていて、該シャーシ9より前方に、操作部が形成されていて、その後端部には運転席11を配設しており、その前方及び左側には、様々なレバー類を具備する操作コラム12が立設されている。
該運転席11より後方のシャーシ9上において、最前部には、薬液タンク7を、中間部には、機関部カバー8に被覆されて、走行駆動及び動噴駆動用のエンジンE、手動散布用ホースリールR、及び動噴Pを内設する機関部を、最後部には、噴霧部カバー1にて被覆され、複数個の噴孔2を具備する噴霧管3及び下部噴霧管4を内設する噴霧部を配設している。これら薬液タンク7・機関部・噴霧部にて本体部Mを構成している。
【0016】
該本体部Mは、前記の如く、薬液タンク7・機関部・噴霧部と前後に三分割されていて、その外面を形成する薬液タンク7外面、機関部カバー8、噴霧部カバー1の外面は、連続状になっていて、本体部M全体にて、外面形状は、低木の果樹が多く植えられている果樹園等でも容易に旋回できるよう、旋回半径をなるべく小さくできるように、前から後ろに尻窄みの形状となっている。
【0017】
この本体部Mの中で、まず、機関部カバー8に被覆される機関部では、図1の如く、該エンジンEの排気管37及びマフラー36が、該シャーシ9より下方に突設しており、該機関部内にて、図12及び図13の如く、エンジンEのシリンダーヘッド34よりマフラー37までマフラー管35が配設されている。
また、エンジンEに冷却風吸引ファン33が取り付けてあり、該冷却風吸引ファン33より吸引した風は、該エンジンEの外部を、特にシリンダーヘッド34外部に突設するフィンを通り、エンジンを冷却する。
更に、本実施例においては、シリンダーヘッド34よりマフラー管35を被覆するように、平面視「コ」の字状の排風カバー38を取り付けている。該シリンダーヘッド34外部を冷却した風は、該排風カバー38内に導入されて、マフラー管35を冷却する。排風カバー38の上端は閉塞されており、一方、下端は開口されていて、該排風カバー38内に導入された風は、マフラー36の配設されているシャーシ9の下方に抜けて排風される。
【0018】
こうして、マフラー管35からの放熱を、機体下方に排出することができ、マフラー管35の放熱による機関部内の温度上昇が低減されるので、同じく機関部内に内設するホースリールRに巻き付けられたホースの軟化を防止し、また、エンジンの油温や燃料温度の上昇を抑え、オーバーヒート等を解消する。
【0019】
また、同じく機関部内においては、前記の如く手動噴霧用ホースリールRが配設されている。ホースリールRは、図14の如く、両側の側板40・40間に筒状のホース巻付け部39を固設し、一方の側板40の外側に回転軸41が突設されており、該回転軸41を、本体に固定された支持具44上端の軸受部44aにて回転自在に軸受けしている。更に該回転軸41の外端に回転操作用レバー42を付設しているが、この回転操作レバー42を持って回転操作すると、ホースリールR全体が回転し、ホース巻付け部39に巻き付けたホースを繰り出し、また、繰り出したホースを巻き付けることができる。該ホース巻付け部39は、動噴Pからの薬液を導入して、該ホース巻付け部39に巻き取られているホース内に導入可能となっており、手動散布時には、図示せぬコックを開くと、手散布可能となっている。
【0020】
使用しない時には、ホースを該ホース巻付け部39に巻き付けた状態にしておくが、ホースリールRの回転を制動しておかないと、自然に回転して、ホースが撓んだりもつれたりする。
そこで、図14の如く、前記支持具44の軸受部44aに、「コ」の字形状の回転止めストッパー43を枢支し、ホースを使用しない時には、該回転止めストッパー43を倒して、図14に示すように、回転軸41外端の回転操作用レバー42を挟持して固定し、ホースリールRが回転しないようにしている。
また、該回転止めストッパー43よりホース先端止め43aを突設しており、ホースを使用しない時は、ホースの先端を該ホース先端止め43aに外嵌することにより、ホース先端を位置固定できる。
【0021】
更に、該機関部内には、エンジンEにて駆動される動噴Pが配設されており、該動噴Pにて、前部の薬液タンク7より、後部の噴霧部における各噴霧管3・4に薬液を圧送するものである。
【0022】
次に、噴霧部の構成について、図1乃至図11より説明する。
噴霧部の外部は、図1及び図2の如く、噴霧部カバー1にて覆われていて、該噴霧部カバー1に収納される如く、噴霧管3L・3M・3R(これらを一体としたものを指して、噴霧管3と称する。)が正面視アーチ型に配設されている。
各噴霧管3L・3M・3Rの上面には、複数個の噴孔2・2・・・が付設されている。また、各前面には、薬液ホースを繋ぐ薬液ポート3bが突設されている。更に、図8の実施例においては、該噴霧管3の上面全体にわたって、各噴孔2の突設部を切り欠いて、防浸カバー5を被せている。
該防浸カバー5は、防浸性を有し、かつ、噴霧管3の揺動に追従できるよう、弾性を有するものとする必要がある。例えば、ゴムや軟質ビニル等が該防浸カバー5となり得る。該防浸カバー5の両下端部は、揺動に充分追随できるよう、図8の如く撓ませて、ボルト6・6にて噴霧部カバー1の両側の内側面に螺止する。
こうして、噴孔2より滴下する水や薬液は、防浸カバー5の介在により、噴霧管3に直接かからず、また、防浸カバー5上を流れ、両側下端部の撓み部分5a・5aより滴下する。即ち、噴霧管3の両側下端より水や薬液が滴下され、噴霧管3下方にある揺動機構への薬液の滴下を低減している。
【0023】
噴霧管3の揺動構成について、図3、図8乃至図11より説明する。
揺動に際しては、噴霧管3全体が一体となって前後左右に揺動するものである。各噴霧管3L・3M・3Rより前後平行に各二本の棒状の挟持部材18・18を垂設している。一方、機体の床部に固設した台座13より立設する立状フレーム14・14の上部にて前後回動軸15を回転自在に軸架し、該前後回動軸15に、正面視アーチ状の前後揺動リンク17の左右下端部を固定し、該前後揺動リンク17を前記の各噴霧管3L・3M・3Rより垂設する前後の挟持部材18・18にて回転自在に挟持している。また、各噴霧管3L・3M・3Rは、後記の如く回動自在に位置固定されている。
こうして、図9の如く、前後回転軸15の回動により、前後揺動リンク17、挟持部材18・18を介して、噴霧管3を前後回動するものであり、該噴霧管3より突設する噴孔2・2・・・が、該噴霧管3を揺動支点として、前後に揺動することとなる。即ち、前後揺動しながらの噴霧が可能となるのである。
【0024】
この中で、該前後回動軸15に対する該前後揺動リンク17下端部の固定に関しては、図3、図8及び図11の如く、該前後回動軸15の左右に、立状の筒部15a・15aを固着し、各筒部15a・15aに前後揺動リンク17の左右下端部を嵌挿し、該筒部15a・15aに穿設したボルト孔にボルト16を嵌入し、該筒部15a・15a内にて前後揺動リンク17を該ボルト16先端にて抑止固定している。
なお、該前後揺動リンク17の両側下端部付近に、上下方向に複数のボルト孔を穿設し、該筒と該前後揺動リンク17のボルト孔にボルト16を嵌挿して、ナットにて締止する方法としてもよい。
【0025】
このような固定方法とすることで、ボルト16を緩めれば(後者の固定方法ならば、ボルト16を抜けば)、筒部15a内にて該前後揺動リンク17が摺動自在となり、該前後揺動リンク17全体を上下に位置調節することができる。このように、該前後揺動リンク17の下端固定位置を上下に調節できることで、噴霧管3から前後回動軸15までの距離を調節でき、従って、作物の形態によって、噴霧管3の前後回動量(噴孔2の前後揺動量)を調節することができる。
【0026】
次に、噴霧管3の左右揺動構成について説明する。各噴霧管3L・3M・3Rの前部左右に軸受部3a・3aを突設しており、左右軸受部3a・3a間に回転軸19を回転自在に軸支している。一方、正面視台形状の噴霧フレーム21の上部水平部及び左右傾斜部に、側面視L字状の噴霧管固定板20・20・20を固設し、該噴霧管固定板20の先端部が筒状となっていて、各回転軸19上に環設している。該噴霧フレーム21は、左右揺動板22の上面に固設されており、また、前記台座13上の前記立状フレーム14・14の前方位置に立設された軸支持フレーム25の上端に、軸受24が前後方向に固設されており、左右回動軸23が該軸受24に軸支されて、その両端を、図9の如く、該左右揺動板22の前後垂直部分に固定している。
こうして、左右揺動板22が左右回動軸23を揺動支点として左右に揺動し、該左右揺動板22と一体の噴霧フレーム21及び噴霧管3を左右揺動可能としている。
【0027】
前記台座13上には、揺動用モーター30が配設されており、該揺動用モーター30のモーター軸に固設した偏心ピン29と、左右揺動板22の後方垂直部分に突設した枢支ピン22aとを、水平リンク26の両端に各々枢支する。
該水平リンク26の中途部には、複数のピン孔が穿設されていて、その一つを選択して枢支ピン28を嵌挿するものである。一方、前記前後回動軸15の中途部より前方に取付部15bを突設しており、該取付部15bに穿設したピン孔に枢支ピン28を嵌挿している。
そして、垂直リンク27の両端が、球形ジョイントを具備しており、上端は前後回動軸15側の枢支ピン28に、下端は水平リンク26側の枢支ピン28に、前後回動可能に枢支されている。
【0028】
このように構成することで、揺動用モーター30の駆動にて、水平リンク26の偏心ピン29の枢支側端部は、正面視でモーター軸を中心とする円運動をし、それにつれて、左右揺動板22の枢支ピン22a枢支側端部を左右揺動し、これにより、左右揺動板22及び噴霧フレーム21、そして噴霧管3及び噴孔2が左右揺動する。
そして、垂直リンク27の下端部を枢支する水平リンク26の中途部においては、該揺動用モーター30の駆動に伴って、正面視にて左右長径状の楕円運動をし、該垂直リンク27の上端部は、左右回動が枢支ピン28に対して自在となっているものの、その下端部の上下移動に伴って上下移動し、該上端部を枢支する枢支ピン28を介して前後回動軸15を上下回動し、これによって、噴霧管3が前後回動し、噴孔2・2・・・が前後揺動する。
従って、噴霧管3は、左右揺動すると共に前後揺動するので、噴孔2・2・・・は円又は楕円形状に動いて、通常噴霧の届かない枝葉の裏側まで噴霧ができるのである。
【0029】
なお、図3及び図8に示す噴霧管3及び揺動機構においては、噴霧管3より、前後揺動軸リンク17、前後回動軸15、噴霧フレーム21等を含めて、左右揺動板22までの部分は、左右揺動の振幅域の中央位置にある状態となっているが、水平リンク26及び垂直リンク27は、該噴霧管3が、左右揺動における左側の振幅終端にある時の状態となっているので注意しておく。
また、図3においては、右側の振幅終端にある時の噴霧管3Rの位置(3R’として示す。)、及びそれに取り付ける下部噴霧管4Rの位置を開示している。
【0030】
以上のように揺動される噴霧管3において、図3の如く、左右の噴霧管3L・3Rの下端には、噴孔2・2を具備する下部噴霧管4L・4R(総称して下部噴霧管4)を垂設可能となっている。(図3においては、下部噴霧管4Rのみを図示している。)該下部噴霧管4L・4Rを取り付けると、本来のアーチ型の噴霧管3の左右部分を下方に延長した形状となる。
勿論、該噴霧管3は、下部噴霧管4L・4Rを取り付けた状態で、一体に揺動する。また、勿論、下部噴霧管4L・4Rのうち、どちらか一方だけ取り付けることも可能である。
【0031】
下部噴霧管4の噴孔2・2からの噴霧は、側方低位置になされるものであり、例えば、図5の如く、柑橘類等の低木等、地表近くまで下枝葉のある樹木へ噴霧する場合、また、図6の如く、傾斜面に等高線状に走行する場合に有効である。
下部噴霧管4の噴霧制御は、図4図示の後記コック32L・32Rの開閉にて行うものであり、図6の場合には、該コックの開閉にて、上方傾斜面側の下方噴霧管4の噴霧を止め、下方傾斜面側の下部噴霧管4の噴霧を行うということが可能となる。
また、なるべく低位置に噴霧できるように、噴孔2・2の一つは、該下部噴霧管4の下端部に突設されている。(これを噴孔2aと称する。)また、下部噴霧管4は、噴霧管3と一体に揺動するから、該下部噴霧管4の噴孔2も円又は楕円を描いて動き、低位置の枝葉の裏側にも噴霧が届くようになっている。
【0032】
このように装着した下部噴霧管4についての問題点として、まず、機体下方に垂設されるため、機体前部が上方傾斜した場合(傾斜地を走行する場合やトラックに積み込む場合に、この状態が発生することがある。)に地面に当接しないかという点がある。噴霧管3は左右揺動するので、下部噴霧管4を装着した場合、左右揺動の下限位置を考慮しなければならない。機体前部が上方傾斜して地面に当接するおそれがあるのは、図1の如く、側面視において、クローラ10の接地部分10aの後端部よりシャーシ9の後端部を通る直線Lより下方位置である。機体前部の上方傾斜の上限は、シャーシ9の後端部が地面に当接する状態、即ち、該直線Lが地表面と一致する状態なので、該直線Lより上方ならば、地面に当接することはない。
一方、果樹によっては、地面近くに枝葉を張る種類のものもあり、噴孔位置はなるべく低位置にするのが望ましい。そこで、該下部噴霧管4は、その下端部の、左右揺動した時の下限位置が、該直線Lより上方であって、なるべく該直線Lに近い位置にすればよい。つまり、機体前部の上方傾斜の際に地面が当接しない範囲で、可能な限り低い位置に、最下部の噴孔2aを位置させるようにする。
図1に示す噴孔2a’は、噴霧管3及び下部噴霧管4の左右揺動時における下限位置に達した時の最下端の噴孔2aの位置を示すものであって、この位置を、該直線Lの直上方位置としているのである。
【0033】
なお、該防除機SWが、車輪走行式、即ち、車輪を直接接地して走行する型式のものであれば、最後部に配設された車輪の接地部後端よりシャーシ後端を結ぶ直線が該直線Lに相当し、下部噴霧管4の左右揺動における最下端の噴孔2a’は、この直線の直上方位置に配置する。
【0034】
また、その側方位置であるが、図2に示すように、元来のアーチ型の噴霧管3のうち、左右の噴霧管3L・3Rに突設する各噴孔2は、前記の如く、噴霧部カバー1の中に収納された状態となっていて、その外端部が、噴霧部カバー1の外面より外側方に突出していることはない。
そのため、運転者は、旋回の際に機体後部の旋回範囲を確認するのは、噴霧部カバー1の外面位置を確認しておけばよい。そして、下部噴霧管4L・4Rを装着した場合にもこの状態を保持できるようにすべく、装着した該下部噴霧管4L・4Rの外側端位置は、図2の如く、噴霧部カバー1の側方の外面位置よりも内側に位置している。即ち、旋回時に、噴霧部カバー1の外面位置さえ確認して旋回すれば、下部噴霧管4L・4Rが下枝等に引っ掛かるという事態は発生しない。
【0035】
最後に、図4より、噴霧管3及び下部噴霧管4への薬液供給構成について説明する。前記の如く、噴霧管3への薬液供給動力は、機関部内に配設される動噴Pによるものであり、下部噴霧管4へも勿論、該動噴Pより薬液供給がなされる。図4の如く、動噴Pより各噴霧管3L・3M・3Rへは独立して薬液を供給路を配管しており、該下部噴霧管4L・4Rへの薬液供給路は、それぞれ該噴霧管3L・3Rへの薬液供給路より分岐させている。各噴霧管3L・3M・3Rへの薬液供給路には、それぞれ開閉コック31L・31M・31Rが介設されていて、3つの噴霧管3L・3M・3Rの噴霧制御(噴霧又は噴霧停止)を独立して行うことができる。例えば、上方より左側のみ噴霧を必要とする場合には、右側の噴霧管3Rの噴霧のみを停止して、噴霧作業を行う。
【0036】
更に、左右の噴霧管3L・3Rへの薬液供給路における各開閉コック31L・31Rの下手側より、前記の下部噴霧管4L・4Rへの薬液供給路を分岐させており、この分岐した各薬液供給路に開閉コック32L・32Rを介設している。従って、各下部噴霧管4L・4Rは、それを取り付ける噴霧管3L・3Rに薬液が供給されている限りにおいて、独立して噴霧制御をすることができる。
【0037】
このような薬液供給構成より、図5乃至図7に図示するような、様々な噴霧パターンを提供することができる。まず、5つの噴霧管についての全コックを開けば、図5のように、上方より地表近くまでの防除機SWの周囲に噴霧することができて、地表近くまで枝葉を張る果樹に対しての噴霧が可能である。
また、図6のように、傾斜面である果樹園に等高線状に切り通して作った走行路を通る防除機SWから見て、左側が山側、右側が谷側とすれば、前記開閉コック32Lのみを閉じて、左の下部噴霧管4Lの噴霧は停止し、右の下部噴霧管4Rのみ噴霧すればよい。右の下部噴霧管4Rからの噴霧は、谷側の果樹の低い位置に生える枝葉にもかかり、都合がよい。
なお、走行路の上方となる上方噴霧は必要としないので、開閉コック31Mも閉じ、噴霧管3Mの噴霧を停止している。また、前記の薬液供給構成より、右の下部噴霧管4Rから噴霧されている場合には、必ず右の噴霧管3Rからも噴霧がなされている。即ち、右の下部噴霧管4Rの噴霧を行いながら右の噴霧管3Rのみを停止することはできない。一方、左の下部噴霧管4Lは噴霧していても防除作業そのものには影響はないが、該下部噴霧管4Lからの噴霧は全く防除作業には使用されないので、無駄な噴霧を続けることになるので、このように噴霧停止するのがよい。
そして、前記の薬液供給構成より、左の噴霧管3Lは、該下部噴霧管4Lの噴霧又は噴霧停止に関わらず、噴霧制御することができ、山側に生えたある程度高い位置の果樹の枝葉に、該噴霧管3Lによって噴霧をすることができるのである。
【0038】
図7図示の噴霧パターンは、開閉コック32L・32Rを閉じて、両下部噴霧管4L・4Rの噴霧を停止することでできるものである。即ち、元来の噴霧管3L・3M・3Rよりの噴霧により、上方より側方までの防除機SWの周囲を噴霧でき、例えば、図示するような、棚作果樹に噴霧する場合に、無駄なく効率のよい噴霧を実現できるのである。
【0039】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、次のような効果を奏する。
即ち、請求項1の如く、複数個の噴孔2を具備し、正面視アーチ型に構成される噴霧管3を揺動しながら噴霧する揺動噴霧式自走防除機において、該噴霧管3上面に、各噴孔2の突設部を切り欠いて、該噴孔2のみを突出させた状態の防浸カバー5を貼設し、該防浸カバー5は、前記噴霧管3の揺動に追従可能な弾性を有し、両下端部は揺動に充分追随できるように撓み部分5a・5aを設け、噴霧部を被覆する噴霧部カバー1の両側の内側面に係止したことにより、噴霧管に防浸カバーを貼設することで、噴霧管自体が水や薬液から防禦される。
また、前記噴孔2より滴下する水や薬液は、該防浸カバー5上を流れ、両側下端部の撓み部分5a・5aより滴下し、アーチ状の噴霧管の両側方下端部より薬液が滴下されるので、該噴霧管下方の揺動要部への薬液や水の滴下も低減され、揺動要部の各部材の耐久性を向上させることができる。
また、防浸カバー自体を取り替えることで、噴霧管及び揺動要部の防浸性を持続させることができ、防浸カバーそのものは安価なので、コスト低減に貢献する。
【0040】
請求項2の如く、独立して噴霧又は噴霧停止の制御ができる下部噴霧管4を左右の各噴霧管3下端より垂設し、該下部噴霧管4の下端の最下部の噴孔2aの左右揺動下限位置を、クローラ走行式又は車輪走行式のものにおいて、側面視にて、クローラの接地部後端、又は最後部に配設した車輪の接地部後端より、シャーシ9後端を結ぶ直線Lの直上位置に配置し、該下部噴霧管4に付設する噴孔2の外端を、噴霧管3を被覆する噴霧部カバー1の内側に配置したので、機体下方に噴孔が位置し、枝葉の低い柑橘類や、等高線状の走行路から下方の傾斜面に植えられた樹木の枝葉に噴霧が可能となる。独立して噴霧制御できるので、低位置に噴霧しなければならない時に、噴霧を必要とする側だけの下部噴霧管より噴霧を行えばよいので、無駄な噴霧で薬液を浪費することなく、経済的である。
【0041】
また、クローラ走行式、或いは車輪走行式のものにおいて、下部噴霧管の下端の、左右揺動における下限位置が、側面視で、クローラ走行式のものならばクローラ接地部後端、車輪走行式のものならば最後部に配設した車輪の接地部後端とシャーシ後端とを結ぶ直線より上方にあるので、いくら機体前部が上方に傾斜しても、地面に当接することがなく、更に、該直線にできるだけ近づけることで、なるべく低位置への噴霧が可能となる。
【0042】
更に、該下部噴霧管の外側端位置を、本体カバーの外面よりも内側とすることで、旋回においては、噴霧管を被覆するカバーの側面のみを旋回半径として想定すればよく、旋回時に該カバーより下部噴霧管が側方に突出していて、樹木や枝葉等に当接するという事態を発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る揺動噴霧式自走防除機の側面図である。
【図2】 同じく後面図である。
【図3】 下部噴霧管4を取り付けた噴霧管3と、その揺動機構を示す正面図である。
【図4】 下部噴霧管4を取り付けた噴霧管3に対する薬液供給回路図である。
【図5】 噴霧管3の両側に下部噴霧管4を取り付けた場合において、上方より地表近くまで噴霧した状態の噴霧域を示す正面略図である。
【図6】 噴霧管3の両側に下部噴霧管4を取り付けた場合において、傾斜面における等高線状の走行路より両側の傾斜面に噴霧した状態の噴霧域を示す正面略図である。
【図7】 噴霧管3の両側に下部噴霧管4を取り付けた場合において、棚作果樹に対して噴霧した状態の噴霧域を示す正面略図である。
【図8】 防浸カバー5を貼設した状態の噴霧管3と、その揺動機構を示す正面図である。
【図9】 噴霧管3と、その揺動機構を示す側面図である。
【図10】 同じく平面図である。
【図11】 前後回動軸15への前後揺動リンク17の固定部を示す斜視図である。
【図12】 マフラー管35の周囲に排風カバー38を取り付けた状態のエンジンの側面図である。
【図13】 同じく正面図である。
【図14】 手動散布用のホースリールRの回転制動手段を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 噴霧部カバー
2 噴孔
3 噴霧管
4 下部噴霧管
5 防浸カバー
9 シャーシ
10 クローラ

Claims (2)

  1. 複数個の噴孔2を具備し、正面視アーチ型に構成される噴霧管3を揺動しながら噴霧する揺動噴霧式自走防除機において、該噴霧管3上面に、各噴孔2の突設部を切り欠いて、該噴孔2のみを突出させた状態の防浸カバー5を貼設し、
    該防浸カバー5は、前記噴霧管3の揺動に追従可能な弾性を有し、両下端部は揺動に追随できるように撓み部分5a・5aを設け、噴霧部を被覆する噴霧部カバー1の両側の内側面に係止したことを特徴とする揺動噴霧式自走防除機。
  2. 請求項1記載の揺動噴霧式自走防除機において、独立して噴霧又は噴霧停止の制御ができる下部噴霧管4を左右の各噴霧管3下端より垂設し、
    該下部噴霧管4の下端の最下部の噴孔2aの左右揺動下限位置を、クローラ走行式又は車輪走行式のものにおいて、側面視にて、クローラの接地部後端、又は最後部に配設した車輪の接地部後端より、シャーシ9後端を結ぶ直線Lの、直上位置に配置し、該下部噴霧管4に付設する噴孔2の外端を、前記噴霧部カバー1の内側に配置したことを特徴とする揺動噴霧式自走防除機。
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