JP3483009B2 - ノズル回動防除機 - Google Patents

ノズル回動防除機

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JP3483009B2
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守 岩本
千昭 門田
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ノズル回動防除機にお
けるノズル回転速度に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、果樹等の防除作業を走行しながら
行う場合には、スピードスプレヤー等の自走式の防除機
やトラクター等で牽引するブームスプレヤーや走行車両
に搭載する防除機にて行うことが公知となっている。こ
れら防除機は、エンジン、薬液タンク、ポンプ、ノズル
及び送風機等にて構成され、タンク内の薬液をポンプに
て吸入、加圧し、ノズルから噴霧し、または、さらに送
風機にて吹き上げて果樹の下方より散布するように構成
されていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
のスピードスプレヤーにおいては、ノズルから噴霧した
薬液を送風機の風力にて吹き上げて果樹へ付着させるよ
うにしていたので、送風機の風力にて薬液を吹き上げて
散布した場合、その風力により葉が実を包み隠してしま
い、薬剤が実に直接当たらず十分な散布効果を得ること
ができないという不具合が生じるとともに、不必要に薬
剤を散布しがちとなっていた。また、ブームスプレヤー
の場合には薬液の噴霧方向が一定であるために果樹の葉
の一方向の裏面しか薬液が付着せず、散布ムラとなる部
分が生じていた。そこで、本発明は、送風機を用いず
に、薬液の付着性能を高めることができ、薬液の必要以
上の飛散を防ぎ確実に果樹へ散布することができる防除
機を構成することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めの手段として、本発明は、次の如く構成したものであ
る。前後に揺動するノズルリンク4により構成された前
後揺動機構と、左右に揺動するノズル支持フレーム10
により構成された左右揺動機構を介して、ノズルNを走
行しながら円又は楕円運動させ、薬液を均一に散布して
果樹の防除作業を行う防除機において、該ノズルNの円
又は楕円運動の回転数を変更可能に構成し、散布走行速
度0.4m/secに対する適正ノズル回転数を50r
pmから100rpmの範囲として、噴口1の各々の噴
霧中心軌跡をオーバーラップしたトロコイド曲線状とし
ものである。 【0005】 【作用】このように構成したことによって、適正ノズル
回転数の範囲内でノズルを回動させながら薬液の散布を
行うと、葉を揺すり、葉と葉の間を薬液が通り抜け、葉
の下面と上面及び実に均一に薬液を散布することがで
き、片道走行で往復散布の効果を得ることができる。 【0006】 【実施例】次に、実施例を説明する。図1は、ノズル回
動防除機の側面図、図2は、同じく後面図、図3は、ノ
ズル回動機構を示す正面図、図4は、同じく側面断面
図、図5は、走行速度0.4m/secでノズル回動数
40rpmのときの噴霧中心軌跡を示す平面図、図6
は、走行速度0.4m/secでノズル回動数70rp
mのときの噴霧中心軌跡を示す平面図、図7は、走行速
度0.4m/secでノズル回動数120rpmのとき
の噴霧中心軌跡を示す平面図、図8は、走行速度0.6
m/secでノズル回動数40rpmのときの噴霧中心
軌跡を示す平面図、図9は、走行速度0.6m/sec
でノズル回動数70rpmのときの噴霧中心軌跡を示す
平面図、図10は、走行速度0.6m/secでノズル
回動数120rpmのときの噴霧中心軌跡を示す平面図
である。 【0007】図1・図2において、ノズル回動防除機S
の全体構成について説明する。ノズル回動防除機Sの走
行部は、クローラ式走行装置Cにて構成されており、該
クローラ式走行装置Cの前側上面には、運転座席25が
配設され、その前方には操作コラム26が立設され、そ
れら前面と上部がキャノピー27にて覆われている。前
記クローラ式走行装置Cの上面で運転座席25の後方に
は、薬液タンク28が配設され、該薬液タンク28の後
方には左右位置にエンジンEと動力噴霧機Pが配設さ
れ、これらの後方にはノズルNが配設されており、前記
薬液タンク28、エンジンE、動力噴霧機P及びノズル
Nの基部はそれぞれ独立したカバーにて覆われている。 【0008】このようにクローラ式走行装置Cの上面に
は操作部と噴霧作業部が構成されている。前記エンジン
Eからの動力は、ミッションケースと動力噴霧機Pに伝
達され、その動力にて前記ミッションケースから突出さ
れた車軸を介して駆動輪を回動させてクローラ式走行装
置Cを駆動し、前後走行可能に構成し、併せて前記動力
噴霧機Pを駆動し、該動力噴霧機Pを介して薬液タンク
28内の薬液を吸入、吐出してノズルNから噴霧可能に
構成したことによって、ノズル回動防除機Sは走行しな
がら噴霧作業を行うことができるように構成されてい
る。また、前記ノズルNは前後揺動機構及び左右揺動機
構からなるノズル回動機構を介して円又は楕円運動する
ように構成されている。以下において説明する。 【0009】図3・図4に示す如く、前記ノズルNは噴
口1・1・・・を三噴口一組として三分割した左ノズ
ル、中ノズル及び右ノズルにて構成されており、前記噴
口1・1・・・は正面視扇状に配設され、噴口台2・2
・・・の上面に立設されており、該噴口台2・2・・・
は正面視円弧形状で噴口1・1・・・と略同心で正面視
扇状に配設されている。そして、モーターMを駆動し、
駆動軸22を介して偏心軸23を回転させると、該偏心
軸23に枢支されているリンク板15の一端部分が正面
視で円運動し、他端部分が左右に揺動するとともに、中
途部分に枢支されているジョイント16の下端部が正面
視で円又は楕円運動するように構成されている。 【0010】前記リンク板15が左右揺動することによ
って、ノズルセット台20の前側中央に立設されている
回動支持台14に左右回動軸7を介して軸支されている
左右回動ステー5が左右に揺動し、前記左右回動軸7を
支点として正面視略台形のノズル支持フレーム10が左
右に揺動し、該ノズル支持フレーム10に取付固定され
ている台座13、該台座13の先端部に軸架されている
ノズル回動軸11及び該ノズル回動軸11を軸支して噴
口台2に固設されているノズル回動ステー9を介してノ
ズルNの噴口1・1・・・が左右に揺動するように構成
されている。 【0011】また、前記ジョイント16の下端部が円又
は楕円運動することによって、ジョイント16が上下動
し、該ジョイント16の上端部が枢結されている連結板
17が上下回動し、該連結板17が固設されている前後
回動軸8が回動し、この前記ノズルセット台20の後側
左右位置に立設されている回動支持フレーム12・12
に軸架されている前後回動軸8を支点として、該前後回
動軸8に両端部が固設されている略半円形状の揺動リン
ク3が前後に揺動する。該揺動リンク3を挟持して噴口
台2に突設されているノズルリンク4・4が前後に揺動
し、前記ノズル回動軸11を支点としてノズルNの噴口
1・1・・・が前後に揺動するように構成されている。 【0012】前記揺動リンク3とノズルリンク4・4の
係合部は摺動部とされており、前記噴口1・1・・・が
左右に揺動するときにはノズルリンク4・4が揺動リン
ク3の左右方向に摺動し、噴口1・1・・・が前後に揺
動するときにはノズルリンク4・4が揺動リンク3の上
下方向に摺動するように構成されており、これらを合成
すると噴口1・1・・・が各々回動軌跡を描き、この噴
口1の噴霧中心軌跡は、噴口1の前後揺動量を左右揺動
量より多く設定することによって、例えば、前後揺動角
度x(図1に示す)を30度に、左右揺動角度y(図2
に示す)を20度に設定することによって、図5に示す
如く、平面視で中央は円又は前後方向に長い楕円を描
き、左右両側へ移るに従い円から左右方向に長い楕円を
描くように構成されている。また、前記ノズルNの噴口
1・1・・・の回動数は、モーターMの駆動軸22の回
転数を変更することによって所望の値(例えば、40r
pmから120rpmの間)に変速可能に構成されてい
る。 【0013】また、前記ノズルNの噴口1・1・・・の
口径は、中央から左右両側へ順に大きくなるように設定
されており、例えば、中央から1.2mm、1.2m
m、1.5mm、1.7mm、2.0mmの口径の噴口
とすることによって、図2に示す所定高さhの樹木の幹
間の距離kが左右方向に長い(通常、最大幅は7m程
度)棚作りの果樹等において散布作業を行う場合、左右
方向の薬液の到達距離が長くなり、薬液の噴霧濃度が均
一となり、効率よく散布できる。さらに、前記ノズルN
の噴口1・1・・・を回動させながら薬液の散布を行う
ことによって、葉を揺すり、葉と葉の間を薬液が通り抜
け、葉の下面と上面及び実に均一に薬液を散布すること
ができ、片道走行で往復散布の効果を得ることができ、
塗り潰し効果を得ることができるように構成されてい
る。また、前記ノズル回動防除機Sの散布走行速度は、
例えば、0.3m/secから0.6m/secの間
で、果樹等の作物の生育状態もしくは品種または散布場
所の状態によって変更することができるように構成され
ている。 【0014】そして、以上のように構成したノズルNを
搭載したノズル回動防除機Sにて、所定高さhの樹木の
幹間の距離kが左右方向に長い(通常、最大幅は7m程
度)棚作りの果樹等において散布作業を行う場合におい
て、走行速度を0.4m/secとしノズル回動数40
rpmに設定したときには、噴口1の各々の噴霧中心軌
跡は図5に示すようなトロコイド曲線状となり、さらに
ノズル回転数を上げて60rpmに設定したときには、
噴口1の各々の噴霧中心軌跡は図6に示すようなオーバ
ーラップしたトロコイド曲線状となり、塗り潰し効果を
得てムラ散布とならない。しかし、さらにノズル回動数
を上げて120rpmに設定したときには、噴口1の各
々の噴霧中心軌跡は図7に示すようなさらにオーバーラ
ップしたトロコイド曲線状となり、塗り潰し効果は得る
のであるが、ノズル回動が速いために左右方向の薬液の
到達距離が短くなり、左右の樹木の端部まで薬液がとど
かなくなりムラ散布となる。 【0015】また、前記走行速度を上げて0.6m/s
ecとしノズル回動数40rpmに設定したときには、
噴口1の各々の噴霧中心軌跡は図8に示すようなトロコ
イド曲線状となり、オーバーラップしていないので、塗
り潰し効果を得ることができずムラ散布となる。さらに
ノズル回転数を上げて60rpmに設定したときには、
噴口1の各々の噴霧中心軌跡は図9に示すようなトロコ
イド曲線状となり、塗り潰し効果を得てムラ散布となら
ない。しかし、さらにノズル回動数を上げて120rp
mに設定したときには、噴口1の各々の噴霧中心軌跡は
図10に示すようなオーバーラップしたトロコイド曲線
状となり、塗り潰し効果は得るのであるが、ノズル回動
が速いために左右方向の薬液の到達距離が短くなり、左
右の樹木の端部まで薬液がとどかなくなりムラ散布とな
る。 【0016】以上のことから、ノズル回動数が40rp
mのときには走行速度が遅ければ問題ないが、速いとム
ラ散布となり、70rpmのときには走行速度を変えて
も塗り潰し効果を得て散布性能に影響がなく、120r
pmのときには走行速度に関係なく左右方向への薬液の
到達性が(約2割程度)悪化し、問題があるので、散布
走行速度に対する適正な防除効果を得ることができるノ
ズル回転数の範囲は、例えば走行速度を0.4m/se
cとして50rpmから100rpmの間であることが
望ましい。よって、栽培する果樹の形態や生長の度合い
に対応させて薬液の散布作業を行うことができる。ただ
し、前記幹間の距離kが最大幅7mより短い棚作りの果
樹等においては前記適正ノズル回転数を上げることがで
きる。 【0017】なお、本実施例において、噴口1・1・・
・を三噴口一組として三分割した左ノズル、中ノズル及
び右ノズルを構成しているが、噴口1及びノズルNの配
設数は特に限定するものではない。また、林檎等の立木
に防除を行う場合には、左右斜め方向のノズルNの噴口
1の口径を大きくし、上方への散布は必要でないので、
噴霧バルブを開閉操作して左ノズルと右ノズルの噴口1
から噴霧を行うようにし、さらに、片側のみの立木に防
除を行う場合には、噴霧バルブを開閉操作して左ノズル
か右ノズルのいずれかの噴口1から噴霧を行うようにし
ている。よって、栽培する樹形に合わせて噴口1の口径
を変更し、全面、両面、片側噴霧に切り換えることによ
って、薬液を無駄なく均一に散布することができるよう
に構成されている。 【0018】 【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。即ち、適正ノズル回転数
の範囲内でノズルを回動させながら薬液の散布を行うこ
とにより、葉を揺すり、葉と葉の間を薬液が通り抜け、
葉の下面と上面及び実に均一に薬液を散布することがで
き、片道走行で往復散布の効果を得ることができるの
で、従来のように薬液を送風機の風力にて吹き上げてな
くても、簡単な機構にて容易に果樹へ薬液の散布を行う
ことができるとともに、薬液の散布ムラが生じることが
なくなり、薬液の果樹への付着性能を高めることができ
る。また、薬液が必要以上に飛散しなくなり、薬液が果
樹園以外に流れ出て悪影響を与えることがなくなり、無
駄な薬液の散布を防止することができる。また、噴口1
の各々の噴霧中心軌跡は図6に示すようなオーバーラッ
プしたトロコイド曲線状となるので、塗り潰し効果を得
てムラ散布とならないのである。
【図面の簡単な説明】 【図1】ノズル回動防除機の側面図である。 【図2】同じく後面図である。 【図3】ノズル回動機構を示す正面図である。 【図4】同じく側面断面図である。 【図5】走行速度0.4m/secでノズル回動数40
rpmのときの噴霧中心軌跡を示す平面図である。 【図6】走行速度0.4m/secでノズル回動数70
rpmのときの噴霧中心軌跡を示す平面図である。 【図7】走行速度0.4m/secでノズル回動数12
0rpmのときの噴霧中心軌跡を示す平面図である。 【図8】走行速度0.6m/secでノズル回動数40
rpmのときの噴霧中心軌跡を示す平面図である。 【図9】走行速度0.6m/secでノズル回動数70
rpmのときの噴霧中心軌跡を示す平面図である。 【図10】走行速度0.6m/secでノズル回動数1
20rpmのときの噴霧中心軌跡を示す平面図である。 【符号の説明】 1 噴口 N ノズル S ノズル回動防除機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平2−150051(JP,U) 実開 平4−118156(JP,U) 実開 平5−13569(JP,U) 実公 昭63−30517(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05B 17/00 B05B 3/00 - 3/18 A01M 7/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 前後に揺動するノズルリンク4により構
    成された前後揺動機構と、左右に揺動するノズル支持フ
    レーム10により構成された左右揺動機構を介して、ノ
    ズルNを走行しながら円又は楕円運動させ、薬液を均一
    に散布して果樹の防除作業を行う防除機において、該ノ
    ズルNの円又は楕円運動の回転数を変更可能に構成し、
    散布走行速度0.4m/secに対する適正ノズル回転
    数を50rpmから100rpmの範囲として、噴口1
    の各々の噴霧中心軌跡をオーバーラップしたトロコイド
    曲線状としたことを特徴とするノズル回動防除機。
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CN107279109B (zh) * 2017-07-07 2023-07-21 农业农村部南京农业机械化研究所 一种旋转式果树喷雾机

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