JPH031084Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上利用分野 この考案は、畝間や生育中の作物の間を走行し
て薬液散布を行なう一輪管理機の動力噴霧機取付
構造に関するものである。

従来の技術 従来、移動農機に薬液タンクやポンプを取付
け、その移動農機を畝間や生育中の作物の間を走
行させて薬液を散布する作業が行なわれており、
このような散布作業には移動農機として小型の二
輪テイラー又は一輪管理機が使用されている。二
輪テイラーを使用したものにあつては、ハンドル
を機体前方のエンジン側に回動させて固定し、薬
液タンク及びポンプ等を機体後部側に取付け、薬
液タンクの下側には補助輪を取付けている。ま
た、ポンプへの動力伝達は機体のPTO軸から行
なつている。一輪管理機を使用したものにあつて
は、機体中央部の左右両側に薬液タンクを取付
け、ハンドルの下方に位置させてポンプ及び噴口
等を取付けている。なお、ポンプへの動力伝達は
二輪テイラーの場合と同様に機体のPTO軸から
行なつている。

考案が解決しようとする問題点 二輪テイラーを使用したものにあつては、ハン
ドルを回動させているために全長が長くなり、さ
らに、進行方向前方に補助輪が位置するために回
行時にはハンドルを押し下げて補助輪を浮き上が
らせなければならず、作業を簡易に行なうことが
できない。また、二輪であるために狭い畝間に入
ることができない。さらに、ポンプへの動力伝達
をPTO軸から行なつているために回転数に制約
があり、病虫害防止のための消毒作業又は消毒作
業に比べ約1.3倍の散布量を必要とする除草剤散
布のいずれか一方の作業にしか適さない。

一輪管理機を使用したものにあつては、機体左
右両側への薬液タンクの取付けにより機体幅が広
くなり、狭い作物間に入ることができない。ま
た、噴口が作業者の近くに位置しており、薬液が
作業者にかかり易い。したがつて、より一層薬液
が作業者にかかり易くなる垂直防除を行なうこと
ができない。さらに、ポンプへの動力伝達を
PTO軸から行なうため、二輪テイラーの場合と
同様に消毒作業又は除草剤散布のいずれか一方の
作業にしか適さない。

この考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、狭い畝間や狭い作物の間に入つて薬液の散布
を行なうことができ、作業者への薬液のかかりを
防止するとともに作業を簡単に行ない、しかも消
毒作業と除草剤散布との双方を行ないうる一輪管
理機の動力噴霧機取付構造を得ることを目的とす
る。

問題点を解するための手段 一輪管理機の機体後部にハンドル３の下方に位
置させて薬液タンク５を取付け、薬液タンク５の
下方に尾輪６を設ける。一輪管理機の機体１前部
にエンジン７かりの動力により駆動されるポンプ
９と、このポンプ９により薬液タンク５から吸水
した薬液を噴出させる噴口１４とを設ける。

作 用 薬液タンク５，ポンプ９等が機体１の前後に配
置されており、したがつて、これらの薬液タンク
５等の取付けによつて機１体幅が広くならず、し
かも走行輪が一輪であるために、狭い作物間や狭
い畝間の走行を容易に行なえる。また、噴口１４
が作業者から離れた機体１前部に位置しており、
薬液の作業者へのかかりが防止される。さらに、
ポンプ９への動力伝達をエンジン７から直接的に
行なうため、回転数の制約を受けず、消毒作業、
除草剤散布の双方を行なえる。

実施例 この考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。一輪管理機の機体１中央部には一個の走行輪
２が設けられている。前記機体１後部にはハンド
ル３の下方に位置してタンク台４が連結され、タ
ンク台４には薬液タンクであるポリタンク５が固
定的に搭載されている。前記タンク台４の下部に
は前記走行輪２と同一線上に位置して尾輪６が取
付けられている。

前記機体１前部に設けられたエンジン７の前方
にはポンプ台８がエンジン６に共締めされてお
り、このポンプ台８にはポンプ９が固定的に取付
けられ、さらに、ポンプ台８の先端部に位置して
逆Ｕ字形のアーム１０が固定されている。前記ポ
ンプ９の入力軸１１の先端部に固定されたプーリ
（図示せず）と前記エンジン７の出力軸（図示せ
ず）に固定されたプーリ（図示せず）との間には
Ｖベルト（図示せず）が巻回され、これらのプー
リ、Ｖベルトはベルトカバー１２により覆われて
いる。また、ポンプ９と前記ポリタンク５とが吸
水ホース１３により接続されている。

前記アーム１０の前方に位置して複数の噴口１
４を有する二本の長管１５が設けられており、こ
れらの長管１５は下端部同志がピン１６により回
動自在に連結されている。また、前記長管１５は
前記アーム１０に上下方向の任意位置で固定自在
に取付けられた支持部材１７により締付け固定さ
れ、支持部材１７の固定位置を上下動させること
により長管１５の傾き調節が行なわれる。なお、
長管１５と前記ポンプ９とが吐出ホース１８によ
り接続されている。

このような構成において、エンジン７からの動
力によりポンプ９が駆動され、ポリタンク５内の
薬液を吸水ホース１３を介して吸水するとともに
吐出ホース１８を介して吐出し、噴口１４から噴
出させる。ここで、ポンプ９への動力伝達がエン
ジン７から直接的に行なわれており、ポンプ９の
回転数の調節幅が大きくなり、しかも、高い回転
数を得ることができる。このため、病虫害防止の
ための消毒作業及び除草剤散布の双方を行なえ
る。

つぎに、ポリタンク５及びポンプ９が機体１の
前後に配置されており、機体１の左右幅が広がら
ない。さらに、走行輪２と尾輪６とが同一線上に
配置されているため、狭い作物間や狭い畝間に容
易に入ることができ、かかる場所における薬液散
布を容易に行なえる。また、機体１の全長が大き
くならず、ポリタンク５の設置箇所がロータリ等
の作業機が設置される箇所であるために機体１の
前後のバランスが良く、操向操作を容易に行なえ
る。回行時にはハンドル３を持上げて尾輪６を地
面から浮かせればよく、回行操作を容易に、しか
も最小旋回径にて行なえる。

つぎに、噴口１４が作業者から離れて位置して
おり、作業者への薬液のかかりが防止される。ま
た、長管１５の傾き調節によつて作物の背丈に応
じた薬液散布を行なうことができ、支持部材１７
を外して長管１５を水平向きに回動させることに
よつて薬液散布を幅広く行なえる。

なお、本実施例においては単輪の尾輪６を用い
たものについて説明したが、ポリタンク５の下に
納まるものであれば二輪であつてもよい。

考案の効果 この考案は、上述のように一輪管理機の機体の
後部に薬液タンクを配置し、機体前部にポンプを
配置したことにより、機体の左右幅を広げること
なく薬液タンク等の取付けを行なうことができ、
したがつて、狭い作物間や狭い畝間においても薬
液散布を容易に行なうことができ、また、ポンプ
への動力伝達をエンジンから直接的に行なつたこ
とによりポンプの回転数の調節幅を大きくするこ
とができるとともに高い回転数を得ることがで
き、これによつて消毒作業と除草剤散布との双方
を行なうことができ、さらに、噴口が作業者から
離れた機体前部に配置されているために薬液が作
業者にかかることを防止しつつ薬液散布を行なう
ことができる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は側面図、第２図は正面図、第３図は平面図で
ある。 １……機体、３……ハンドル、５……ポリタン
ク（薬液タンク）、６……尾輪、７……エンジン、
９……ポンプ、１４……噴口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一輪管理機の機体後部にハンドルの下方に位置
   させて薬液タンクを取付けるとともにこの薬液タ
   ンクの下方に尾輪を設け、前記機体前部に設けら
   れたエンジンンの前方に位置させて前記エンジン
   からの動力により駆動されるポンプとこのポンプ
   により前記薬液タンクから吸水された薬液を噴出
   させる噴口とを設けたことを特徴とする一輪管理
   機の動力噴霧機取付構造。