JPH0446853Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、例えば畦畔等に除草剤等を散布す
るのに使用される散布装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来、畦畔の防除や除草の対策としては、刈払
い機を用いて、草を刈るか、噴霧機等を利用して
圧送される散布剤をノズルを把持して散布を行な
つている。

［考案が解決しようとする課題］ 刈払い機による作業は、時間がかかるととも
に、労力が過大となり、また、刃物が回転するの
で、安全上の配慮が絶えず必要である。一方、ノ
ズルを把持しての散布剤の散布には時間がかかる
とともに、散布剤の散布が不均一になる。

この考案の目的は、散布剤を均一にかつ短時間
で散布することができる散布装置を提供すること
である。

［課題を解決するための手段］ この考案の散布装置によれば、圧送手段に可撓
性を有するホースが連通され、上下方向に揺動部
材を設け、かつ走行輪を有する枠体に散布手段を
具えた散布桿を配設し、前記ホースは圧送液を前
記枠体の一部を介して前記散布桿上の前記散布手
段に連通させるとともに前記散布桿両側端を可撓
性を有する散布管を介して散布手段に連通可能と
する。

［作用］ 作業者は、枠体を支持して、散布装置を押しな
がら前進する。散布装置は走行輪の回転により走
行する。圧送手段から圧送されて来る散布剤は、
ホース及び枠体の一部を介して散布桿及び散布管
へ導かれ、そこに具えられた各散布手段であるノ
ズルから噴出される。

ノズルの散布角度は可撓自在な散布管を曲げる
ことにより任意に調節される。

また、揺動部材を揺動させて、散布桿とともに
散布手段であるノズルの高さを任意に調節するこ
とができる。

［実施例］ 以下、この考案を図面の実施例について説明す
る。

第３図は実施例に係る散布装置の概略的に平面
図である。枠体である前後フレーム１０は、傾斜
部と上端の一方のハンドル部とをもち散布剤の導
管を兼ねる一方のフレーム部分１２と、この一方
のフレーム部分１２の途中から分岐し他方のハン
ドル部となる他方のフレーム部分１４とを有して
いる。

第４図は前後フレーム１０を含む範囲の側面図
であり、前後フレーム１０のハンドル部の端には
グリツプ１６が螺合により結合され、グリツプ１
６は、作業者により操作される操作レバー１８
と、この操作レバー１８の揺動によりグリツプ１
６内の通路を開閉する切換コツク２０とをもつ。
ホース２２は、一端において図示されていない背
負形動力噴霧機の吐出口へ接続され、他端におい
てグリツプ１６の基端に螺着され、グリツプ１６
内の通路を介して一方のフレーム部分１２内の通
路へ連通する。散布桿であるノズルパイプ２４
は、散布装置の前部において左右方向へ水平に延
び、軸方向中心において一方のフレーム部分１２
の下端に接続される。

第２図は実施例の概略的な側面図であり、走行
輪としての車輪２８は、耐薬剤性のプラスチツク
製タイヤを装着され、鉛直フレーム３０の下端に
おいて回動可能に支持され、揺動部材としての結
合ブラケツト３２は、互いに回動可能であつてそ
れぞれ鉛直フレーム３０及び一方のフレーム部分
１２を貫挿される円筒部３３ａ，３３ｂを有し、
ノブ３４，３５が円筒部３３ａ，３３ｂに螺着さ
れて鉛直フレーム３０及び一方のフレーム部分１
２を円筒部３３ａ，３３ｂに対して係止する。

第１図は実施例の正面図である。ノズルパイプ
２４は、一方のフレーム部分１２の下端に接続、
固定される中央の元パイプ３６と、この元パイプ
３６の両端に伸縮自在に嵌合している中間パイプ
３８、中間パイプ３８と、各中間パイプ３８の外
側の端に結合する可撓自在の散布管であるフレキ
シブルパイプ４０とを有している。散布手段であ
るノズル２６は、元パイプ３６の中心と両端部、
各中間パイプ３８の外側の端部、及び各フレキシ
ブルパイプ４０の外側の端部とに取付けられ、各
ノズル２６には開閉コツク４２が設けられ、各ノ
ズル２６ごとに開閉することができる。草分け４
４は、車輪２８の前方に配置されるように鉛直フ
レーム３０の下端部に固定され、車輪２８を畦畔
４６に走行させる際に畦畔４６上の草を左右にか
き分ける。

第５図は元パイプ３６と中間パイプ３８との結
合部の詳細な断面図である。元パイプ３６の端部
外周縁にはねじ４８が刻設され、固定ナツト５０
は、中間パイプ３８により貫通されるとともに、
元パイプ３６のねじ４８に螺合する。ねじ４８の
端とこの端に軸方向において対峙している固定ナ
ツト５０の部分とにはそれぞれテーパ部５２，５
４が形成され、すり割付きスリーブ５６がテーパ
ー部５２とテーパ部５４との間に挟持される。中
間パイプ３８は、固定ナツト５０及びすり割付き
スリーブ５６を貫通して、元パイプ３６内に挿入
及び元パイプ３６から引出自在に嵌合しており、
Ｏリング５８は、元パイプ３６の端部内周縁の環
状溝に嵌着され、液漏れを阻止している。固定ナ
ツト５０を緩めることにより、すり割付きスリー
ブ５６の内径が増大し、すり割付きスリーブ５６
は軸方向の拘束を解き、これにより中間パイプ３
８は元パイプ３６から引出及び挿入自在となる。
元パイプ３６からの中間パイプ３８の引出量が適
当なものになつたら、固定ナツト５０を締め、こ
れによりすり割付きスリーブ５６は元パイプ３６
及び固定ナツト５０のテーパ部５２，５４を介し
て軸方向へ圧縮され、すり割付きスリーブ５６の
内径が縮小し、軸方向の元パイプ３６に対する中
間パイプ３８の位置が固定される。

第６図は散布幅が狭い場合に各フレキシブルパ
イプ４０を上方内側へ折り曲げた状態を示してい
る。可撓自在な散布管としてのフレキシブルパイ
プ４０は、任意の形状に折り曲げられ、その形状
に保持される。

第７図及び第８図は実施例の使用状況を示して
いる。なお、ノズルパイプ２４は簡略化のため図
示を省略してある。作業者６０は圧送手段である
背負形動力噴霧機６２を背中に背負い、背負形動
力噴霧機６２の吐出口はホース２２に接続され
る。ノブ３４を緩め、円筒部３３ａを鉛直フレー
ム３０の上下方向に移動し、ノブ３４を再度、締
めることにより円筒部３３ａの高さ、すなわちノ
ズル２６の高さを調節することができる。その
際、鉛直フレーム３０における円筒部３３ａの上
下位置に応じて前後フレーム１０の一方のフレー
ム部分１２の傾斜部における円筒部３３ｂの位置
もノブ３５の操作により調節される。第７図及び
第８図はノズル２６の高さをそれぞれ最低及び最
高にしたとき示している。

実施例の作用について説明する。

畦畔４６等に散布剤を散布するときは、第１図
に示されるように、中間パイプ３８を元パイプ３
６から適当な長さだけ引き出すとともに、ノズル
パイプ２４の両端の各フレキシブルパイプ４０を
下方内側へ折り曲げ、フレキシブルパイプ４０の
先端のノズル２６が畦畔４６の側面に向くように
する。畦畔４６の上面の幅が第１図のようなもの
であるときは、各中間パイプ３８の端に取付けら
れているノズル２６からの散布剤の噴出を中止す
るために、そのノズル２６の開閉コツク４２を操
作してそのノズル２６を閉止状態にする。散布状
況に合わせて、フレキシブルパイプ４０の折り曲
げ形状、固定ナツト５０の回転操作による元パイ
プ３６からの中間パイプ３８の引出量、ノブ３
４，３５の操作によるノズルパイプ２４の高さ、
及び開閉コツク４２の操作による各ノズル２６の
開閉が制御される。背負形動力噴霧機６２から圧
送される散布剤は、ホース２２、グリツプ１６及
び一方のフレーム部分１２を介してノズルパイプ
２４へ導かれ、ノズルパイプ２４に接続されて開
閉コツク４２が開状態になつているノズル２６か
ら噴出される。グリツプ１６の切換コツク２０は
ホース２２と一方のフレーム部分１２との間の連
通を制御するので、作業者６０は、グリツプ１６
の操作レバー１８を操作して、全体のノズル２６
からの散布剤の噴出及びその中止を制御すること
ができる。作業者６０は、前後フレーム１０のハ
ンドル部を把持しつつ、前進する。車輪２８は、
散布装置のほぼ全体の重量を支持するとともに、
回転し、散布装置を走行させる。複数個のノズル
２６から散布剤の散布が行なわれるので、散布剤
の散布が均一になり、また、散布装置は車輪２８
の回転により走行するので、作業者６０の労力が
軽減され、かつ散布時間が短縮される。

［考案の効果］ このように、この考案によれば、可撓自在な散
布管を曲げたり、散布桿の高さを変更することに
より、散布剤の散布角度及び散布高さを畦畔の側
面に対して調節することができ、状況に応じて適
切な散布を行なうことができる。

また、散布手段すなわちノズルを具備する散布
装置は走行輪に支持されかつ走行輪の回転により
走行するので、散布作業の労力を軽減させ、そし
て、散布剤を短時間かつ均一に散布することがで
きる。

しかもこの考案では、圧送液は枠体の一部を介
して散布桿上の散布手段に連通されるので、枠体
にホースを沿設することなく、構造が簡素化で
き、散布中、散布対象に枠体近くのホースが引つ
掛つたりする懸念がない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は正
面図、第２図は概略的な側面図、第３図は概略的
な平面図、第４図は前後フレームの一方のフレー
ム部分を含む範囲を示す側面図、第５図は元パイ
プと中間パイプとの結合部の詳細な断面図、第６
図はフレキシブルパイプを上方へ曲げたときの正
面図、第７図及び第８図はノズルの高さをそれぞ
れ最低及び最高にした使用状況を示す図である。 １０……前後フレーム（枠体）、２２……ホー
ス、２４……ノズルパイプ（散布桿）、２６……
ノズル（散布手段）、２８……車輪（走行輪）、３
０……鉛直フレーム、３２……結合ブラケツト
（揺動部材）、４０……フレキシブルパイプ（散布
管）、６２……背負形動力噴霧機（圧送手段）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧送手段６２に可撓性を有するホース２２が連
   通され、上下方向に揺動部材３２を設け、かつ走
   行輪２８を有する枠体１０に散布手段２６を具え
   た散布桿２４を配設した散布装置において、前記
   ホース２２は圧送液を前記枠体１０の一部を介し
   て前記散布桿２４上の前記散布手段２６に連通さ
   れるとともに、前記散布桿２４の両側端を可撓自
   在な散布管４０を介して散布手段２６に連通可能
   とすることを特徴とする散布装置。