JPH0448847Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は車体の後部に装架されかつその後方へ
開いた吸気口を有する送風装置を有し、該送風装
置の吐風口側に薬液噴霧ノズルを配置し、薬液噴
霧ノズルから噴霧された薬液を送風装置の吐風口
からの高速空気流に微粒化して乗せ、周囲の樹木
等に霧状に薬液を散布し、かつ薬液散布用ホース
を巻いたリール装置を補助的に取付けて有し、作
業者がこのホースに接続した噴霧ノズルでも薬剤
を散布し得るようになつている種類の薬液散布車
（スピードスプレーヤ）に関する。

従来の技術 前記の如き薬液散布車は一般的に樹木間をその
枝下を通り抜けながら薬液を散布しなければなら
ないので車高が比較的低く設計されており、また
広範囲に効率よく薬液を散布するために送風装置
の吸気口を大きくして大量の空気を強力に吸引す
るように構成されている。このため、従来の薬液
散布車では、地上に落ちている落葉や小石などが
空気と一緒に送風装置の吸気口に吸引され、送風
能力を低下させるのみならず送風装置を損傷する
危険があつた。また、補助的に使用される薬液散
布用ホースを巻いたリール装置は、従来は車体の
側部などに配置され大きなスペースを取る等の問
題が有つた。

考案が解決しようとする問題点 そこで、本考案はこのような従来の薬液散布車
の問題点を解決した実用性の高い薬液散布車を提
供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案によれば、この種の薬液散布車は、リー
ル装置のホースを巻いた横長のリールを該送風装
置の吸気口の直下の車体の後部端部分にほぼ平行
に配設するとともに、リールの下方に近接してホ
ース受け板を配設した構成を特徴とする。

作 用 本考案の前記した構成により、送風装置の吸気
口に最も近い地面付近の空気は、リール装置のリ
ールによつて送風装置の吸気口における吸引力の
作用を大きく減衰した状態で受けるので、地面に
落ちている落葉などは送風装置の吸気口へ吸引さ
れる程大きな吸引力を受けない。

実施例 次に、本考案による薬液散布車の一実施例を図
面に基づいて説明する。

本実施例の薬液散布車は車体１を有し、車体１
は図示しない車輪によつて走行可能に支持されて
いる。更に、車体１は従来の薬液散布車における
ように内燃機関を搭載して作業者の運転により果
樹園等を走行したり、動力車に牽引されて走行す
るようになつている。

車体１はその中央部に薬液タンク２を装架して
おり、薬液タンク２は散布される薬液を収容する
ようになつている。薬液タンク２の後方に、車体
１の両側方及び上方に向けて多数の薬液噴霧ノズ
ル３が半円形状に配設されており、それぞれの薬
液噴霧ノズル３は薬液タンク２から所定量の薬液
の供給を受け、かつそれを外部へ噴霧するように
なつている。

車体１の後部に送風装置４が装架されている。
送風装置４はその内部に軸流フアン５を有し、か
つ送風装置４の吸気口６は車体１の後端部分で後
方へ向いて開いており、かつ送風装置４の吐風口
７は空気を半円形状の隙間８を通して外部へ高速
空気流を吐出するようになつている。この空気流
によつて薬液噴霧ノズル３から噴霧された薬液を
周囲の樹木へ散布する。

補助的に使用される手持ノズル（図示せず）を
接続する適当な長さの薬液散布用ホース９を巻回
したリール装置１０が送風装置４の吸気口６の下
端部に近接して車体１の後端部分に車巾内に納ま
る程度の長さに細長くほぼ平行かつ水平に取付け
られている。リール装置１０は、ホース９を巻回
した車巾方向に沿つて横に細長いリール１１と、
車体１の後端部分の両側に配置されてリール１１
を取外し可能にかつ回転可能に支持する一対の腕
部材１２，１３と、リール１１及び腕部材１２，
１３の下方に近接して配置されたホース受け板１
４とを有する。腕部材１２，１３のそれぞれはそ
の一端に形成された端部フランジ部分１８におい
てボルト１９によつて車体１の後端部分に固定さ
れており、かつ腕部材１２，１３の中間部分２０
は上方へ湾曲しており、かつ腕部材１２，１３の
他端はリール１１の中心軸１５の両端部をそれぞ
れ受け、リール１１をほぼ水平に車体１の後端部
分にほぼ平行した位置に保持するようになつてい
る。

ホース受け板１４はリール１１よりやや大きい
長さを有しかつ腕部材１２，１３とほぼ平行に上
方へ弯曲して延在している。ホース受け板１４の
固定端２２は屈曲されて車体１の後端部分及び腕
部材１２，１３の端部フランジ部分１８の間に延
在し、ボルト１９によつて腕部材と共に車体１に
一緒に固定されている。このホース受け板１４は
リール１１に巻回されたホース９の弛みによる垂
下りを防止する為のものであるが、リール装置１
０の遮蔽効果に加えて送風装置４の吸気口６をそ
の直下の地面から完全に遮蔽するので、地面の落
葉などが吸気口６へ吸引されるのをより確実に防
止する効果も有する。なお、リール１１の中心軸
１５の一端に回転ハンドル２６を取付けてリール
１１のホース９の巻出し及び巻込みを容易に行な
うことができるようになつている。

考案の効果 以上説明した本考案の構成により、本考案は特
別の装置を設けることなく補助散布用のリール装
置によつて送風装置の吸気口への落葉の付着等を
防止することができ、さらに車体の後端部分にほ
ぼ平行に横長のリールを有するリール装置を取付
けることにより長いホースでもリール装置のリー
ル径を大きくすることなく、車長もそれ程長くす
ることなく巻き込める等のすぐれた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による薬液散布車の一実施例を
示す要部側面図、及び第２図は第１図の要部拡大
斜視図である。 １……車体、３……薬液噴霧ノズル、４……送
風装置、６……吸気口、７……吐風口、９……ホ
ース、１０……リール装置、１１……リール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の後部に装架されかつその後方へ開いた吸
   気口を有する送風装置と、該送風装置の吐風口側
   に設けられて薬液を噴霧しかつ送風装置の吐風口
   からの空気流に乗せて周囲に散布する複数個の薬
   液噴霧ノズルと、補助的に薬液を散布するための
   ホースを巻いたリール装置とを有する薬液散布車
   において、前記リール装置の前記ホースを巻いた
   横長のリールを前記送風装置の前記吸気口の直下
   の前記車体の後端部分にほぼ平行に配設するとと
   もに、前記リールの下方に近接してホース受け板
   を配置したことを特徴とする薬液散布車。