JP3669971B2 - 半導体モジュール - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は電力変換装置などに用いられる半導体モジュールの構造に関するものであり、特にパワー半導体モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図22は従来のパワー半導体モジュールを示す断面図であり、このパワー半導体モジュールは、冷却装置を備えた汎用のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)モジュールである。
図において、61はIGBTモジュール、62はアルミや銅等からなる放熱用金属ベース板、63は両面に銅等からなる金属箔が接着されたアルミナや窒化アルミ等からなる絶縁性基板、64はIGBT素子、65はIGBT素子64のコレクタ電極、66はIGBT素子64のエミッタ電極である。
【0003】
また、67は主回路配線のコレクタ用ブスバー、68は主回路配線のエミッタ用ブスバー、69は中継基板、70はIGBT素子64のエミッタ電極66と工ミッタ用ブスバー68を接続するアルミワイヤ、71は半田、72はIGBTモジュール61の内部を封止するシリコンゲル、73はヒートシンク等の冷却装置、74はグリース等のコンパウンドである。
【0004】
図に示すように、IGBT素子64のコレクタ電極65は、絶縁性基板63の上に半田71を介して接合され、また絶縁性基板63は放熱用金属ベース板62の上に半田71を介して接合され、IGBTモジュール61は冷却装置73にコンパウンド74を介して接続・圧接されている。IGBTモジュールの運転時にIGBT素子64から発生する熱は、絶縁性基板63と放熱用金属べース板62とを介して冷却装置73に伝導し、これによりIGBT素子64等が冷却される。
【0005】
また、パワー半導体モジュールの他の構造としては、GTO(Gate Turn‐0ff Thyristor)等のパワー半導体素子の両面に、モリブデン、タングステン等からなる緩衝用電極と、銅等からなる主電極とが設けられ、パワー半導体モジュールの両面にヒートシンク等の冷却装置が取り付けられ、それぞれの接続部が外部からの圧力で接続されているような圧接スタック型モジュールがある。
【0006】
これらのパワー半導体モジュールの内部構造においては、使用されている各部材の線膨張係数が互いに異なるので、運転時の温度変化により熱変形が起こり、これにより熱応力が発生する。
また、大容量化に伴って半導体素子での発熱量は増加するとともに、さらに熱サイクル数も増大しているため長期に亘る信頼性に関しても問題がある。
【0007】
例えばIGBTモジュール61では、絶縁性基板63の線膨張係数が窒化アルミで構成した場合約4×10-6/Kであるのに対して、放熱用金属ベース板62の線膨張係数は銅で構成した場合約16×10-6/K、アルミで構成した場合約23×10-6/Kとその差が非常に大きく、このため運転時に生じる温度変化によって、絶縁性基板63と放熱用金属ベース板62の接合部には熱応力が発生し、従来の半田71のような硬い材料で構成した場合は亀裂などが起こりやすく、長期信頼性に問題があった。
さらに、IGBTモジュール61と冷却装置73の間は、熱伝導率の低いコンパウンド74で接続・圧接する構造となっているため、熱抵抗が高く、冷却性能が低いという問題もあった。
【0008】
また、圧接スタック型モジュールでは、パワー半導体素子と主電極の線膨張係数差が大きいため、パワー半導体素子と主電極の間に、パワー半導体素子と主電極材の中間の線膨張係数を持つ材料を緩衝用電極として挿入し、熱応力の緩和をはかり、半導体素子の破損を防止している。
しかしながら、この構造では、熱応力の発生はある程度は緩和できるものの、パワー半導体素子と緩衝用電極の接合部での熱応力が完全になくなるわけではない。
【0009】
例えば、パワー半導体素子としてGTO素子を用いた場合、その線膨張係数は約3×10-6/Kであるのに対して、緩衝用電極の線膨張係数はモリプデンで構成した場合約5×10-6/Kであり、タングステンで構成した場合約4×10-6/Kである。
また、モジュール内部の部材間の熱抵抗、あるいはモジュールと冷却装置の間の熱抵抗は、圧接力を大きくしなければ低減できないが、圧接力が大きいとパワー半導体素子が破損することがあるというような問題もあった。
【0010】
このような温度変化による熱応力を緩和する手段として、例えば特開平11−233696号公報には、パワー半導体モジュール内部の熱伝導路となる部材の長期に亘る信頼性と、半導体モジュールの冷却性能を向上させる構造が開示されている。
この構造は、パワー半導体モジュールの内部の熱伝導路となる絶縁基板と放熱用金属ベース板の間に、融点がパワー半導体素子の最高使用温度より低い低融点材が設けられ、かつこの低融点材と接触する絶縁基板および放熱用金属ベース板の表面には各々防食性部材がコーティングされ、その上に低融点材との接触性が良い高接触性部材がさらにコーティングされてなる2層のコーティングが設けられ、これにより部材間の熱応力がなくなり、長期に亘る信頼性が高められ、かつパワー半導体素子の冷却性能が高められるとともに、低融点材の合金化が抑制される。
【0011】
また、圧接スタック型モジュールについては、例えば特開平5−267491号公報に圧接型半導体装置及びこれを使用した電力変換装置が開示されている。この公報には、半導体基板と緩衝用電極の間、緩衝用電極と主電極の間、更には半導体基板と主電力の間に軟質材料からなる軟質層を設けることによって熱応力を緩和し、低い圧接力で熱抵抗を低減するものが示されている。
【0012】
さらに、もうひとつの圧接スタック型モジュールについての先行開示例として、例えば特開平6−37219号公報にパワー半導体の冷却装置が示されている。
この構造によれば、複数個の平形パワー半導体素子を積層して構成したスタック組み立て体に対し、積層するプレート内部に冷媒通路を設けたコールドプレートをパワー半導体素子に重ねて介装し、かつコールドプレートに出入りする冷媒循環路を電気絶縁材料からなるパイプで構成し、冷媒を強制循環させて半導体で発生した熱を放熱器を通じて系外に放熱して冷却するものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来の半導体モジュールは以上のように構成されていたので、特開平11−233696号公報に開示された構造では、発熱源のパワー半導体素子の片面から冷却するため、基本的には従来と同様の熱伝導路を構成することになり、さらには、コーティングを複数層に設けることとなり、工数が増加してしまい、コスト的に問題があった。
【0014】
又、特開平5−267491号公報に開示された構造では、部材間に軟質層を配置しているが、この構造によって熱応力が完全になくなるわけではないという問題があった。
さらに、特開平6−37219号公報に開示された圧接スタック型の構造では、パワー半導体の電力を導電する部材と、同じくパワー半導体の熱を伝熱する部材とが互いに独立した個々の部材から構成されるため、部品数が増えてしまい構造が複雑になるとともに、組立て工数が増加するという問題があった。
【0015】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、パワー半導体モジュール内部の熱伝導路となる各部材間の熱応力をなくすことにより、パワー半導体モジュールの信頼性を長期に亘って継続させることができ、さらにはパワー半導体モジュール内部の熱伝導路となる各部材間の熱抵抗の低減、及びパワー半導体モジュールと冷却装置の間の熱抵抗の低減をはかることができる半導体モジュールを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項lに係る半導体モジュールは、内部に半導体素子を封止したものであって、半導体素子の入力部および出力部に導電性と熱伝導性の高い金属材料から構成される電極を面接触させ、半導体素子並びに電極を積層構造とし、積層方向に積層部材相互を圧接するための弾性部材を設けたものである。
【0017】
この発明の請求項2に係る半導体モジュールは、電極となるコイルバネを半導体素子に押圧接触させるとともに、コイルバネの一端を制御基板に固着させたものである。
【0018】
この発明の請求項3に係る半導体モジュールは、コイルバネの位置決めを行なうための截頭円錐形伏を有する案内部材を設けたものである。
【0019】
この発明の請求項4に係る半導体モジュールは、積層部材の位置を決定するための位置決め部材を設けるとともに、各部材間に隙間を設けたものである。
【0020】
この発明の請求項5に係る半導体モジュールは、電極に放熱用のフィンを設けたものである。
【0021】
この発明の請求項6に係る半導体モジュールは、冷却用の冷媒が通過するための貫通穴を電極内部に設けるとともに、貫通穴の内壁に凹凸形状のフィンを設けたものである。
【0022】
この発明の請求項7に係る半導体モジュールは、電極に空洞を設けるとともに、この空洞内に熱を移動させるための作動液を封入したものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の一実施形態を図に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施の形態1によるIGBTモジュールを示す平面図、図2は図1のA方向から見た側面図、図3は図1のB方向から見た正面図である。図において、1はIGBTモジュール、2は銅やアルミ等からなる一方のIGBT素子のコレクタ部に面接触する電極であり、放熱用のフィン3を有している。
【0024】
4は銅やアルミ等からなる他方のIGBT素子に於けるエミッタ部に接する電極で、電極2と同様に放熱用のフィン3を有する。
5は電極2がIGBT素子のコレクタ部に接することで、コレクタとして機能する場合には、エミッタ部となり、更には電極4がIGBT素子のエミッタ部に接することで、エミッタとして機能する場合にはコレクタ部となる共用電極であり、電極2、4と同様に放熱用のフィン3が設けられている。
【0025】
又、6は各部品を埋め込んだモジュール本体、7はIGBT素子のスイッチ信号を制御する制御基板、8はIGBT素子のスイッチ信号をIGBT素子のゲート部、あるいはベース部に伝達する電極で、バネ鋼に錫メッキ等を施したコイルバネからできている。
【0026】
また、図4は図2におけるC−C線断面平面図であり、図において、9はIGBT素子、10はゲート部、11はフライホイルダイオードであり、IGBT素子9とは対に構成されている。
【0027】
電極2は、制御の対象となるモータ(図示しない)が電動機として作用する場合に、IGBT素子9のコレクタ部に電池(図示しない)からの正電圧を導く働きを有している。そして電極2が接するIGBT素子9のゲート信号がONであれば、エミッタから電池の正電圧が放出され、電極5がこれを導き、モータ(図示しない)の界磁コイル(図示しない)に電流を伝達する。
【0028】
反対にモータが発電機として作用し、発電機が回生制動の際、電池に蓄電作用する場合には、発電機(図示しない)の界磁コイル(図示しない)で発生した電流を電極5が導くことにより、電極5はIGBT素子のコレクタ部として機能し、発電機からの正電圧を供給する。
このとき、電極5に接するIGBT素子のゲート信号がONであれば、エミッタから正電位が電極4により通電され、二次電池(図示しない)ヘと電流を伝達する。
【0029】
図5は図lにおけるD−D線側面断面図であり、図において、12はIGBT素子9のゲート部10の電極となるコイルバネ8を所望の位置に案内するための截頭直円錐形状を有する案内部材である。
そして、制御基板7に固着されたゲート電極となるコイルバネ8が、モジュール本体6に組みつけられるときに、モジュール本体6側に固着された截頭直円錐形状の案内部材12の斜面に沿いながら、コイルバネ8の中心と、IGBT素子9のゲート部10の中心が、截頭直円錐形状の案内部材12の円錐の軸12aと同軸となるように自動的に位置合わせされるので、コイルバネ8とゲート部10との微妙な位置調整が不要となり、しかも簡便で高速かつ確実にゲート部10にコイルバネ8が接触するよう組み立てることができる。
【0030】
更に、13は板バネなどからなるバネであり、IGBT素子9とフライホイルダイオード11、および電極2、4、5とを積層した状態で押圧力を発生させるもので、これにより、IGBT素子9と電極2、4、5の電気的な導通を可能にするとともに、IGBT素子9とフライホイルダイオード11で発生する熱を、電極2、4、5に伝えるようにすることができる。
【0031】
図6は図2におけるE−E線正面断面図であり、図において、14はパワー半導体モジュール内部の積層構造の各層において、IGBT素子9、フライホイルダイオード11および電極2、4、5の位置を決定するための位置決め板状部材である。そしてこの位置決め部材14は上記IGBT素子9等を構成する部材と積層方向の厚みがほぼ等しく構成されており、より正確には若干(10〜100μm程度)薄くなる寸法を有し、電気的に絶縁され、かつ熱的な伝導性に優れる材料で構成されており、たとえばセラミック(内部抵抗約1010Ωm、熱伝導率170W/m・K、線膨張係数約4.5×10−6/K)や磁器(内部抵抗約1011Ωm、熱伝導率1.5W/m・K、線膨張係数約4.5×10−6/K)からなり、上記IGBT素子9等を構成する部材の周囲を囲むようにして位置決めを行う。
【0032】
この時、各層においてはIGBT素子9等の各機能部材と位置決め部材14は相互に隙間xを有し、隣接して配置される。
この隙間xはIGBT素子9及びフライホイルダイオード11の半導体素子を構成する主材料であるシリコンの線膨張係数約2.4×10−6/Kと、板状の位置決め部材14の線膨張係数約4.5×10−6/K、更には電極2、4、5を構成する銅の線膨張係数約16.7×10−6/Kまたはアルミの線膨張係数約23×10−6/K等、異種材料による膨張差を吸収するための空間を確保する為に設けられたものである。
【0033】
また、15はケースであり、板状位置決め部材14と同様に、電気絶縁性と熱伝導性に優れる材料からなり、パワー半導体モジュール外殻の下部を構成しており、このケース15と、外殻の上部を構成するカバー16が、互いに嵌め合わされることでパワー半導体モジュール外殻を構成し、モジュール本体6を形成する。
【0034】
以上のように、本発明に係るパワー半導体モジュールは、パワー半導体モジュール内部の電力および熱の伝導路となる部材間に、半田等の導電性溶着接合部材を溶着せず、パワー半導体素子のパワー入力部およびパワー出力部に、直接導電性と熱伝導性とに優れる金属材料からなる電極2,4,5を面接触させることにより、導電性と熱伝導性とを発揮させるため、本来の電力の導電機能を確保しながらも、発生する熱による部材間の熱応力が発生せず、パワー半導体モジュールの長期に亘る信頼性を確保することができる。
【0035】
又、本洗明に係るパワー半導体モジュールは、パワー半導体モジュール内部の電力および熱の伝導路となる部材を積層構造とするとともに、積層方向に積層部材相互を加圧するためのバネ13等からなる弾性部材を設けたので、所望の導電性と熱伝導性(熱抵抗)、および機械的耐久性を設定し維持できることが可能となり、パワー半導体素子の長寿命化を図るとともに、長期に亘る信頼性を確保することができる。
【0036】
更に、本発明に係るバワー半導体モジュールは、パワー半導体素子におけるゲート部10あるいはベース部に、通電と遮断の信号を伝送するための電極として、導電性材料により成形したコイルバネ8を構成し、このコイルバネ8を押圧接触することで電気的な導通を可能としたので、本来の導電機能を確保しながらも、発生する熱による部材間の熱応力が発生せず、パワー半導体素子の長期信頼性が飛躍的に向上する。
さらに、コイルバネ8を制御基板7側に固着させるために、パワー半導体素子に通電と遮断の信号を伝送する電極となる部材を別に設ける必要がなく、構造が簡素化され、パワー半導体素子の製造コストが抑制できる。
【0037】
又、本発明に係るパワー半導体モジュールは、パワー半導体素子のゲート部10あるいはベース部の中心と、その中心軸とが一致し、かつゲート電極あるいはベース電極となるコイルバネ8の形状に応じた截頭直円錐形状の案内部材12を設けたので、組立て時にパワー半導体素子のゲート部10あるいはベース部と、電極となるコイルバネ8との位置調整をする必要がなく、組立て性が簡素化されるので、製造コストを抑えることができる。
【0038】
更に、本発明に係るパワー半導体モジュールは、截頭直円錐形状の案内部材12が、パワー半導体モジュール本体の積層構造側に固着されるため、截頭直円錐の中心軸12aとパワー半導体のゲート部10あるいはベース部の位置とが合致する構造となるので、組立て時にパワー半導体素子のゲート部10あるいはベース部と、電極となるコイルバネ8との位置調整をする必要がなくなり、組立てが簡素化されるので、製造コストを抑えることができる。
【0039】
又、本発明に係るパワー半導体モジュールは、パワー半導体モジュールの積層構造において、同層で隣り合う複数の部材間に隙間xを設けたので、熱変化による膨張と収縮による部材間の熱応力が発生せず、パワー半導体モジュールの長期信頼度が向上する。
【0040】
更に、本発明に係るパワー半導体モジュールは、パワー半導体素子のパワー入力部とパワー出力部に面接触させる導電性と熱伝導性に優れる金属部材において、この金属部材(電極)に放熱用のフィン3を設けることにより、冷却性能が高まるので、パワー半導体素子の長寿命化を図るとともに、長期に亘る信頼度を確保することができる。
【0041】
実施の形態2.
上記のような本発明の実施の形態1にかかるIGBTモジュールの構造では、比較的少ない種類の部材でパワー半導体モジュールの導電機能を確保することができるものの、パワー半導体素子の冷却に関しては、効率が良いものとはいえない。
なぜなら熱源となるパワー半導体素子から伝熱される熱流束は、一旦、電極2,4,5の断面内を通過し、放熱フィン3のある部位にまで移動をすることになる。
【0042】
この熱流東の移動に際して熱抵抗Rthが発生するが、熱抵抗Rthは次式で表されるように
Rth=D/λ・S
D:熱の移動する距離[m]
λ:熱伝導率[W/m・K]
S:熱の移動する経路の断面積[m2]
移動する距離Dに比例し、熱流束の通過する部材の断面積Sに反比例する。このことは本発明の実施の形態1にかかるIGBTモジュールの電極2,4,5のように、比較的細長く扁平の形状の部材では、熱の移動距離Dが長くなり、しかも断面積Sが小さくなるため、抵抗Rthの値は高い値にならざるを得ないからである。
【0043】
また、断面積Sを増加させるために単純に部材の寸法を増やすことは、モジュールの本来の目的である小型化と低コスト化に違背することとなる。
熱抵抗Rthの値が高くなると、定常状態においては伝達経路の部材の温度が比例して上昇し、熱源となるパワー半導体素子の温度も、この伝達経路部材の温度より高い状態で維持されることになってしまう。
そこで、熱の移動距離Dを最小に抑えつつ、できるだけ熱流束が通過できるよう断面積Sを広く確保することにより、熱抵抗Rthを最小限にするために、実施の形態2においては、電極に付帯する冷却構造を工夫するものである。
【0044】
図7はこの発明の実施の形態2によるIGBTモジュールを示す平面図、図8は図7のF方向からみた側面図、図9は図7のG方向からみた正面図である。
図において、21はIGBTモジュール、22は銅やアルミ等からなるIGBT素子のコレクタ部に接する電極であり、冷却のための冷媒を伝送するとともに電気的に絶縁性を有する材料から構成される配管(図示しない)と嵌め合い結合で一体となるニップル23が、電極22に圧入されている。
【0045】
24は銅やアルミ等からなるIGBT素子におけるエミッタ部に接する電極で、電極22と同様に冷媒用のニップル23が圧入される。25は電極22がIGBTのコレクタ部に接することでコレクタとして機能する場合にはエミッタ部となり、更には電極24がIGBT素子のエミッタ部に接することで、エミッタとして機能する場合にはコレクタ部となる共用電極であり、電極22,24と同様に冷媒用のニップル23が圧入されている。
【0046】
又、26は各部品を埋め込んだモジュール本体、27はIGBT素子のスイッチ信号を制御する制御基板、28はIGBT素子のスイッチ信号をIGBTのゲート部に伝達する電極で、バネ鋼に錫メッキ等を施したコイルバネからできている。
【0047】
図10は図8におけるH−H線断面平面図、図11は図8におけるI−I線断面平面図であり、図において、29はIGBT素子、30はゲート部、31はフライホイルダイオードであり、IGBT素子29とは対に構成されている。
電極22は、制御の対象となるモータ(図示しない)が電動機として作用する場合に、IGBT素子のコレクタ部に電池(図示しない)からの正電圧を導く働きを有している。そして、電極22が接するIGBT素子のゲート信号がONであれば、エミッタから電池の正電位が放出され、電極25がこれを導き、モータ(図示しない)の界磁コイル(図示しない)に電流を伝達する。
【0048】
反対にモータが発電機として作用し、発電機が回生制動の際、電池に蓄電作用する場合には、図11に記載されたもう一つのIGBT素子29が機能することになる。
即ち、発電機(図示しない)の界磁コイル(図示しない)で発生した電流を電極25が導くことにより、電極25はIGBT素子のコレクタ部として機能し、発電機からの正電圧を供給する。
このとき電極25に接するIGBT素子のゲート信号がONであれば、エミッタから正電位が電極24により通電され、二次電池(図示しない)ヘと電流を伝達し充電する。
【0049】
図12は図7におけるJ−J線側面断面図であり、図において、32はIGBT素子29のゲート部30の電極となるコイルバネ28を所望の位置に案内するための截頭直円錐形状を有する案内部材である。
これは制御基板27に固着されたゲート電極となるコイルバネ28が、モジュール本体26に組みつけられるときに、モジュール本体26側に固着された截頭直円錐形状の案内部材32の斜面に沿いながら、コイル電極のバネ28の中心と、IGBT素子29のゲート部30の中心が、截頭直円錐形状の案内部材32の円錐の軸32aと同軸となるように自動的に位置合わせされるので、コイルバネ28とゲート部30との微妙な位置調整が不要となり、しかも簡便で高速かつ確実にゲート部30にコイルバネ28が接触するよう組み立てることができる。
【0050】
更に、33は板バネ等からなるバネであり、IGBT素子29とフライホイルダイオード31、および電極22,24,25とを積層した状態で押圧力を発生させるもので、これにより、IGBT素子29と電極22,24,25の電気的な導通を可能にするとともに、IGBT素子29とフライホイルダイオード31で発生する熱を、電極22,24,25に伝えるようにすることができる。
【0051】
図13は図8におけるK−K線正面断面図であり、図において、34はパワー半導体モジュール内部の積層構造の各層において、IGBT素子29、フライホイルダイオード31および電極22,24,25の位置を決定するための位置決め部材である。そして、この位置決め部材34は上記IGBT素子29等を構成する部材と積層方向の厚みがほぼ等しく構成されており、より正確には若干(10〜100μm程度)薄くなる寸法を有し、電気的に絶縁され、かつ熱的な伝導性に優れる材料で構成されており、たとえばセラミック(内部抵抗約1010Ωm、熱伝導率170W/m・K、線膨張係数約4.5×10-6/K)や磁器(内部抵抗約1011Ωm、熱伝導率1.5W/m・K、線膨張係数約4.5×10-6/K)からなり、上記IGBT素子29等を構成する部材の周囲を囲むようにして位置決めを行う。
【0052】
この時、各層においてはIGBT素子29等の各機能部材と位置決め部材34は相互に隙間xを有し、隣接して配置される。この隙間xはIGBT素子29及びフライホイルダイオード31の半導体素子を構成する主材料であるシリコンの線膨張係数約2.4×10-6/Kと、板状の位置決め部材34の線膨張係数約4.5×10-6/K、更には電極22,24,25を構成する銅の線膨張係数約16.7×10-6/K、またはアルミの線膨張係数約23×10-6/K等、異種材料による膨張差を吸収するための空間を確保する為に設けられたものである。
【0053】
又、35はケースであり、板状位置決め部材34と同様に、電気絶縁性と熱伝導性に優れる材料からなり、パワー半導体モジュール外殻の下部を構成しており、このケース35と、外殻の上部を構成するカバー36が、互いに嵌め合わされることで、パワー半導体モジュール外殻を構成し、モジュール本体26を形成する。
【0054】
図14は図8におけるL−L線正面断面図であり、図において、37は電極22,24,25の内部を貫通する冷却用の冷媒が通過するための貫通穴である。図15はこの貫通穴37の断面形状を示すための拡大図である。図15に示すように、冷媒との接触面積を広げるために、貫通穴37の内壁には、凹凸形状のフィン38が設けられている。この凹凸形状のフィン38が接触面積を広げ、熱抵抗Rthを抑え、熱伝達性能を高めている。このように冷却性能が高まるので、パワー半導体素子の長寿命が図れるとともに、長期に亘って信頼性を確保することができる。
【0055】
そして、貫通穴37を通過する冷却用の冷媒として、電気的に絶縁材料となる空気、あるいはフロロカーボン液などを使用することが考えられる。
【0056】
実施の形態3.
本実施形態は、更に熱の移動を高速に行い、効率的に熱交換を行うため、ヒートパイプを電極に施したものである。
図16はこの発明の実施の形態3によるIGBTモジュールを示す平面図、図17は図16のM方向からみた側面図、図18は図16のN方向からみた正面図である。図において、41はIGBTモジュール、42は銅により外殻を構成するヒートパイプであり、一方のIGBT素子のコレクタ部に接する電極をも兼ねている。
又、このヒートパイプ42の放熱部には放熱用のフィン43を有している。
【0057】
44は鋼からなるヒートパイプで、他方のIGBT素子におけるエミッタ部に接する電極をも兼ねており、ヒートパイプ42と同様に放熱用のフィン43を有する。
45は電極42がIGBT素子のコレクタに接することでコレクタとして機能する場合はエミッタ部となり、更には電極44がIGBT素子のエミッタ部に接することで、エミッタとして機能する場合にはコレクタ部となる共用電極であり、これも銅から構成され、ヒートパイプをも兼用し、放熱用のフィン43を有している。
【0058】
又、46は各部品を埋め込んだモジュール本体、47はIGBT素子のスイッチ信号を制御する制御基板、48はIGBT素子のスイッチ信号をIGBT素子のゲート部に伝達する電極で、バネ鋼に錫メッキ等を施したコイルバネからできている。
【0059】
又、図19は図17におけるO−O線断面平面図であり、図において、49はIGBT素子、50はゲート部、51はフライホイルダイオードであり、IGBT素子49とは対に構成されている。
【0060】
電極42は、制御の対象となるモータ(図示しない)が電動機として作用する場合に、IGBT素子49のコレクタ部に電池(図示しない)からの正電圧を導く働きを有している。そして、電極42が接するIGBT素子49のゲート信号がONであれば、エミッタから電池の正電圧が放出され、電極45がこれを導き、モータ(図示しない)の界磁コイル(図示しない)に電流を伝達する。
【0061】
反対にモータが発電機として作用し、発電機が回生制動の際、電池に蓄電作用する場合には、発電機(図示しない)の界磁コイル(図示しない)で発生した電流を電極45が導くことにより、電極45はIGBT素子49のコレクタ部として機能し、発電機からの正電圧を供給する。
このとき電極45に接するIGBT素子49のゲート信号がONであれば、エミッタから正電位が電極44により通電され、二次電池(図示しない)ヘと電流を伝達する。
【0062】
図20は図16におけるP−P線側面断面図であり、図において、52はIGBT素子49のゲート部50の電極となるコイルバネ48を所望の位置に案内するための截頭直円錐形状を有する案内部材である。
これは制御基板47に固着されたゲート電極となるコイルバネ48が、モジュール本体46に組みつけられるときに、モジュール本体46側に固着された截頭直円錐形状の案内部材52の斜面に沿いながら、コイルバネ48の中心と、IGBT素子49のゲート部50の中心が、截頭直円錐形状の案内部材52の円錐の軸52aと同軸となるように自動的に位置合わせされるので、コイルバネ48とゲート部50との微妙な位置調整が不要となり、しかも簡便で高速かつ確実にゲート部50にコイルバネ48が接触するよう組み立てることができる。
【0063】
更に、53は板バネ等からなるバネであり、IGBT素子49とフライホイルダイオード51、および電極42,44,45とを積層した状態で押圧力を発生させるもので、これによりIGBT素子49と電極42,44,45の電気的な導通を可能にするとともに、IGBT素子49とフライホイルダイオード51で発生する熱を、電極42,44,45に伝えるようにすることができる。
【0064】
図21は図17におけるQ−Q線正面断面図であり、図において、54はパワー半導体モジュール内部の積層構造の各層において、IGBT素子49、フライホイルダイオード51および電極42,44,45の位置を決定するための位置決め板状部材である。そしてこの位置決め板状部材54は上記IGBT素子49等を構成する部材と積層方向の厚みがほぼ等しく構成されており、より正確には若干(10〜100μm程度)薄くなる寸法を有し、電気的に絶縁され、かつ熱的な伝導性に優れる材料で構成されており、たとえばセラミック(内部抵抗約1010Ωm、熱伝導率170W/m・K、線膨張係数約4.5×10−6/K)や磁器(内部抵抗約1011Ωm、熱伝導率l.5W/m・K、線膨張係数約4.5×10−6/K)からなり、上記IGBT素子49等を構成する部材の周囲を囲むようにして位置決めを行う。
【0065】
この時、各層においてはIGBT素子49等の各機能部材と位置決め部材54は相互に隙間xを有し、隣接して配置される。
この隙間xはIGBT素子49及びフライホイルダイオード51の半導体素子を構成する主材料であるシリコンの線膨張係数約2.4×10−6/Kと、板伏の位置決め部材54の線膨張係数約4.5×10−6/K、更には電極42,44,45を構成する銅の線膨張係数約16.7×10−6/Kまたはアルミの線膨張係数約23×10−6/K等、異種材料による膨張差を吸収するための空間を確保する為に設けられたものである。
【0066】
又、55はケースであり、板状位置決め部材54と同様に、電気絶縁性と熱伝導性に優れる材料からなり、パワー半導体モジュール外殻の下部を構成しており、このケース55と、外殻の上部を構成するカバー56が、互いに嵌め含わされることで、パワー半導体モジュール外殻を構成し、モジュール本体46を形成する。
【0067】
電極42,44,45は図20に示すように、内部に空洞57が設けられており、ウイック(図示しない)とよばれる毛細管組織がこの空洞57の内壁面に形成され、さらにこの内側の空間に作動液(図示しない)とよばれる、熱を移動させる液体が封入されている。
IGBT素子49とフライホイルダイオード51で発生した熱が、熱伝導体であるヒートパイプを兼ねる電極42,44,45に伝達され、ヒートパイプの入熱部の壁に伝達される。
これにより、ヒートパイプの内側の空洞57に封入されている作動液が加熱され蒸発する。
【0068】
この気化によって得られた蒸気は、ヒートパイプの入熱部から放熱部に移動し、放熱部で熱を放出して凝縮し再び作動液に戻る。
蒸気から放出された潜熱は、ヒートパイプの放熱部のフィン43に伝達されて空気中に放出される。
また、作動液はヒートパイプの放熱部から入熱部に還流する。
【0069】
また、上記各実施の形態で説明したパワー半導体素子は、IGBT素子に限定するものではなく、IGBT素子の他にダイオード、サイリスタ、トライアック、MOSFET、バイポーラトランジスタ、SIT等を単独、あるいはこれらが混在するものを用いることができる。
【0070】
上記のように、本発明に係るパワー半導体モジュールは、パワー半導体素子のパワー入力部とパワー出力部に面接触させる導電性と熱伝導性に優れる金属部材を設け、この金属部材をヒートパイプとしても機能させるので、熱源となるパワー半導体素子を複数の異種部材を介在させて冷却するのではなく、この金属部材(電極)自体で冷却機能を兼ねるため、構成部材の簡素化と組立ての容易化が可能となり、パワー半導体モジュールの製造に関するコストを大幅に下げる効果が得られる。
【0071】
さらに、この金属部材(電極)に熱を吸熱し移動させる冷媒の通路を構成することにより、熱抵抗を大幅に抑えることが可能となり、パワー半導体素子の長寿命化と長期に亘る信頼性をさらに向上させることが可能となる。
また、金属部材(電極)に放熱用のフィン43を設けることにより、冷却性能が高まるので、パワー半導体素子の長寿命化と長期に亘る信頼性をさらに向上させることが可能となる。
【0072】
【発明の効果】
この発明の請求項1に係る半導体モジュールによれば、内部に半導体素子を封止したものであって、半導体素子の入力部および出力部に導電性と熱伝導性の高い金属材料から構成される電極を面接触させ、半導体素子並びに電極を積層構造とし、積層方向に積層部材相互を圧接するための弾性部材を設けたので、発生する熱による部材間の熱応力が発生せず、又、所望の導電性と熱伝導性、並びに機械的耐久性を維持することができ、半導体素子の長寿命化が図れ、長期に亘る信頼性を確保することができる。
【0073】
この発明の請求項2に係る半導体モジュールによれば、電極となるコイルバネを半導体素子に押圧接触させるとともに、コイルバネの一端を制御基板に固着させたので、構造が簡素化され、製造コストを抑制することができる。
【0074】
この発明の請求項3に係る半導体モジュールによれば、コイルバネの位置決めを行なうための截頭円錐形状を有する案内部材を設けたので、組立てを容易に行なうことができる。
【0075】
この発明の請求項4に係る半導体モジュールによれば、積層部材の位置を決定するための位置決め部材を設けるとともに、各部材間に隙間を設けたので、部材間の熱応力が発生しなくなる。
【0076】
この発明の請求項5に係る半導体モジュールによれば、電極に放熱用のフィンを設けたので、冷却性能を高めることができる。
【0077】
この発明の請求項6に係る半導体モジュールによれば、冷却用の冷媒が通過するための貫通穴を電極内部に設けるとともに、貫通穴の内壁に凹凸形状のフィンを設けたので、冷却性能を高めることができる。
【0078】
この発明の請求項7に係る半導体モジュールによれば、電極に空洞を設けるとともに、この空洞内に熱を移動させるための作動液を封入したので、冷却性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による半導体モジュールを示す平面図である。
【図2】 図1のA方向から見た側面図である。
【図3】 図lのB方向から見た正面図である。
【図4】 図2におけるC−C線断面平面図である。
【図5】 図1におけるD−D線断面側面図である。
【図6】 図2におけるE−E線断面正面図である。
【図7】 この発明の実施の形態2による半導体モジュールを示す平面図である。
【図8】 図7のF方向から見た側面図である。
【図9】 図7のG方向から見た正面図である。
【図10】 図8におけるH−H線断面平面図である。
【図11】 図8におけるI−I線断面平面図である。
【図12】 図7におけるJ−J線断面側面図である。
【図13】 図8におけるK−K線断面正面図である。
【図14】 図8におけるL−L線断面正面図である。
【図15】 貫通穴部分を示すための拡大図である。
【図16】 この発明の実施の形態3による半導体モジュールを示す平面図である。
【図17】 図16のM方向から見た側面図である。
【図18】 図16のN方向から見た正面図である。
【図19】 図17におけるO−O線断面平面図である。
【図20】 図16におけるP−P線断面側面図である。
【図21】 図17におけるQ−Q線断面正面図である。
【図22】 従来の半導体モジュールを示す断面図である。
【符号の説明】
2,4,5,22,24,25,42,44,45 電極、3,43 フィン、7,27,47 制御基板、8,28,48 コイルバネ、12,32,52案内部材、13,33,53 弾性部材、14,34,54 位置決め部材、37 貫通穴、57 空洞。
【発明の属する技術分野】
この発明は電力変換装置などに用いられる半導体モジュールの構造に関するものであり、特にパワー半導体モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図22は従来のパワー半導体モジュールを示す断面図であり、このパワー半導体モジュールは、冷却装置を備えた汎用のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)モジュールである。
図において、61はIGBTモジュール、62はアルミや銅等からなる放熱用金属ベース板、63は両面に銅等からなる金属箔が接着されたアルミナや窒化アルミ等からなる絶縁性基板、64はIGBT素子、65はIGBT素子64のコレクタ電極、66はIGBT素子64のエミッタ電極である。
【0003】
また、67は主回路配線のコレクタ用ブスバー、68は主回路配線のエミッタ用ブスバー、69は中継基板、70はIGBT素子64のエミッタ電極66と工ミッタ用ブスバー68を接続するアルミワイヤ、71は半田、72はIGBTモジュール61の内部を封止するシリコンゲル、73はヒートシンク等の冷却装置、74はグリース等のコンパウンドである。
【0004】
図に示すように、IGBT素子64のコレクタ電極65は、絶縁性基板63の上に半田71を介して接合され、また絶縁性基板63は放熱用金属ベース板62の上に半田71を介して接合され、IGBTモジュール61は冷却装置73にコンパウンド74を介して接続・圧接されている。IGBTモジュールの運転時にIGBT素子64から発生する熱は、絶縁性基板63と放熱用金属べース板62とを介して冷却装置73に伝導し、これによりIGBT素子64等が冷却される。
【0005】
また、パワー半導体モジュールの他の構造としては、GTO(Gate Turn‐0ff Thyristor)等のパワー半導体素子の両面に、モリブデン、タングステン等からなる緩衝用電極と、銅等からなる主電極とが設けられ、パワー半導体モジュールの両面にヒートシンク等の冷却装置が取り付けられ、それぞれの接続部が外部からの圧力で接続されているような圧接スタック型モジュールがある。
【0006】
これらのパワー半導体モジュールの内部構造においては、使用されている各部材の線膨張係数が互いに異なるので、運転時の温度変化により熱変形が起こり、これにより熱応力が発生する。
また、大容量化に伴って半導体素子での発熱量は増加するとともに、さらに熱サイクル数も増大しているため長期に亘る信頼性に関しても問題がある。
【0007】
例えばIGBTモジュール61では、絶縁性基板63の線膨張係数が窒化アルミで構成した場合約4×10-6/Kであるのに対して、放熱用金属ベース板62の線膨張係数は銅で構成した場合約16×10-6/K、アルミで構成した場合約23×10-6/Kとその差が非常に大きく、このため運転時に生じる温度変化によって、絶縁性基板63と放熱用金属ベース板62の接合部には熱応力が発生し、従来の半田71のような硬い材料で構成した場合は亀裂などが起こりやすく、長期信頼性に問題があった。
さらに、IGBTモジュール61と冷却装置73の間は、熱伝導率の低いコンパウンド74で接続・圧接する構造となっているため、熱抵抗が高く、冷却性能が低いという問題もあった。
【0008】
また、圧接スタック型モジュールでは、パワー半導体素子と主電極の線膨張係数差が大きいため、パワー半導体素子と主電極の間に、パワー半導体素子と主電極材の中間の線膨張係数を持つ材料を緩衝用電極として挿入し、熱応力の緩和をはかり、半導体素子の破損を防止している。
しかしながら、この構造では、熱応力の発生はある程度は緩和できるものの、パワー半導体素子と緩衝用電極の接合部での熱応力が完全になくなるわけではない。
【0009】
例えば、パワー半導体素子としてGTO素子を用いた場合、その線膨張係数は約3×10-6/Kであるのに対して、緩衝用電極の線膨張係数はモリプデンで構成した場合約5×10-6/Kであり、タングステンで構成した場合約4×10-6/Kである。
また、モジュール内部の部材間の熱抵抗、あるいはモジュールと冷却装置の間の熱抵抗は、圧接力を大きくしなければ低減できないが、圧接力が大きいとパワー半導体素子が破損することがあるというような問題もあった。
【0010】
このような温度変化による熱応力を緩和する手段として、例えば特開平11−233696号公報には、パワー半導体モジュール内部の熱伝導路となる部材の長期に亘る信頼性と、半導体モジュールの冷却性能を向上させる構造が開示されている。
この構造は、パワー半導体モジュールの内部の熱伝導路となる絶縁基板と放熱用金属ベース板の間に、融点がパワー半導体素子の最高使用温度より低い低融点材が設けられ、かつこの低融点材と接触する絶縁基板および放熱用金属ベース板の表面には各々防食性部材がコーティングされ、その上に低融点材との接触性が良い高接触性部材がさらにコーティングされてなる2層のコーティングが設けられ、これにより部材間の熱応力がなくなり、長期に亘る信頼性が高められ、かつパワー半導体素子の冷却性能が高められるとともに、低融点材の合金化が抑制される。
【0011】
また、圧接スタック型モジュールについては、例えば特開平5−267491号公報に圧接型半導体装置及びこれを使用した電力変換装置が開示されている。この公報には、半導体基板と緩衝用電極の間、緩衝用電極と主電極の間、更には半導体基板と主電力の間に軟質材料からなる軟質層を設けることによって熱応力を緩和し、低い圧接力で熱抵抗を低減するものが示されている。
【0012】
さらに、もうひとつの圧接スタック型モジュールについての先行開示例として、例えば特開平6−37219号公報にパワー半導体の冷却装置が示されている。
この構造によれば、複数個の平形パワー半導体素子を積層して構成したスタック組み立て体に対し、積層するプレート内部に冷媒通路を設けたコールドプレートをパワー半導体素子に重ねて介装し、かつコールドプレートに出入りする冷媒循環路を電気絶縁材料からなるパイプで構成し、冷媒を強制循環させて半導体で発生した熱を放熱器を通じて系外に放熱して冷却するものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来の半導体モジュールは以上のように構成されていたので、特開平11−233696号公報に開示された構造では、発熱源のパワー半導体素子の片面から冷却するため、基本的には従来と同様の熱伝導路を構成することになり、さらには、コーティングを複数層に設けることとなり、工数が増加してしまい、コスト的に問題があった。
【0014】
又、特開平5−267491号公報に開示された構造では、部材間に軟質層を配置しているが、この構造によって熱応力が完全になくなるわけではないという問題があった。
さらに、特開平6−37219号公報に開示された圧接スタック型の構造では、パワー半導体の電力を導電する部材と、同じくパワー半導体の熱を伝熱する部材とが互いに独立した個々の部材から構成されるため、部品数が増えてしまい構造が複雑になるとともに、組立て工数が増加するという問題があった。
【0015】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、パワー半導体モジュール内部の熱伝導路となる各部材間の熱応力をなくすことにより、パワー半導体モジュールの信頼性を長期に亘って継続させることができ、さらにはパワー半導体モジュール内部の熱伝導路となる各部材間の熱抵抗の低減、及びパワー半導体モジュールと冷却装置の間の熱抵抗の低減をはかることができる半導体モジュールを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項lに係る半導体モジュールは、内部に半導体素子を封止したものであって、半導体素子の入力部および出力部に導電性と熱伝導性の高い金属材料から構成される電極を面接触させ、半導体素子並びに電極を積層構造とし、積層方向に積層部材相互を圧接するための弾性部材を設けたものである。
【0017】
この発明の請求項2に係る半導体モジュールは、電極となるコイルバネを半導体素子に押圧接触させるとともに、コイルバネの一端を制御基板に固着させたものである。
【0018】
この発明の請求項3に係る半導体モジュールは、コイルバネの位置決めを行なうための截頭円錐形伏を有する案内部材を設けたものである。
【0019】
この発明の請求項4に係る半導体モジュールは、積層部材の位置を決定するための位置決め部材を設けるとともに、各部材間に隙間を設けたものである。
【0020】
この発明の請求項5に係る半導体モジュールは、電極に放熱用のフィンを設けたものである。
【0021】
この発明の請求項6に係る半導体モジュールは、冷却用の冷媒が通過するための貫通穴を電極内部に設けるとともに、貫通穴の内壁に凹凸形状のフィンを設けたものである。
【0022】
この発明の請求項7に係る半導体モジュールは、電極に空洞を設けるとともに、この空洞内に熱を移動させるための作動液を封入したものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の一実施形態を図に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施の形態1によるIGBTモジュールを示す平面図、図2は図1のA方向から見た側面図、図3は図1のB方向から見た正面図である。図において、1はIGBTモジュール、2は銅やアルミ等からなる一方のIGBT素子のコレクタ部に面接触する電極であり、放熱用のフィン3を有している。
【0024】
4は銅やアルミ等からなる他方のIGBT素子に於けるエミッタ部に接する電極で、電極2と同様に放熱用のフィン3を有する。
5は電極2がIGBT素子のコレクタ部に接することで、コレクタとして機能する場合には、エミッタ部となり、更には電極4がIGBT素子のエミッタ部に接することで、エミッタとして機能する場合にはコレクタ部となる共用電極であり、電極2、4と同様に放熱用のフィン3が設けられている。
【0025】
又、6は各部品を埋め込んだモジュール本体、7はIGBT素子のスイッチ信号を制御する制御基板、8はIGBT素子のスイッチ信号をIGBT素子のゲート部、あるいはベース部に伝達する電極で、バネ鋼に錫メッキ等を施したコイルバネからできている。
【0026】
また、図4は図2におけるC−C線断面平面図であり、図において、9はIGBT素子、10はゲート部、11はフライホイルダイオードであり、IGBT素子9とは対に構成されている。
【0027】
電極2は、制御の対象となるモータ(図示しない)が電動機として作用する場合に、IGBT素子9のコレクタ部に電池(図示しない)からの正電圧を導く働きを有している。そして電極2が接するIGBT素子9のゲート信号がONであれば、エミッタから電池の正電圧が放出され、電極5がこれを導き、モータ(図示しない)の界磁コイル(図示しない)に電流を伝達する。
【0028】
反対にモータが発電機として作用し、発電機が回生制動の際、電池に蓄電作用する場合には、発電機(図示しない)の界磁コイル(図示しない)で発生した電流を電極5が導くことにより、電極5はIGBT素子のコレクタ部として機能し、発電機からの正電圧を供給する。
このとき、電極5に接するIGBT素子のゲート信号がONであれば、エミッタから正電位が電極4により通電され、二次電池(図示しない)ヘと電流を伝達する。
【0029】
図5は図lにおけるD−D線側面断面図であり、図において、12はIGBT素子9のゲート部10の電極となるコイルバネ8を所望の位置に案内するための截頭直円錐形状を有する案内部材である。
そして、制御基板7に固着されたゲート電極となるコイルバネ8が、モジュール本体6に組みつけられるときに、モジュール本体6側に固着された截頭直円錐形状の案内部材12の斜面に沿いながら、コイルバネ8の中心と、IGBT素子9のゲート部10の中心が、截頭直円錐形状の案内部材12の円錐の軸12aと同軸となるように自動的に位置合わせされるので、コイルバネ8とゲート部10との微妙な位置調整が不要となり、しかも簡便で高速かつ確実にゲート部10にコイルバネ8が接触するよう組み立てることができる。
【0030】
更に、13は板バネなどからなるバネであり、IGBT素子9とフライホイルダイオード11、および電極2、4、5とを積層した状態で押圧力を発生させるもので、これにより、IGBT素子9と電極2、4、5の電気的な導通を可能にするとともに、IGBT素子9とフライホイルダイオード11で発生する熱を、電極2、4、5に伝えるようにすることができる。
【0031】
図6は図2におけるE−E線正面断面図であり、図において、14はパワー半導体モジュール内部の積層構造の各層において、IGBT素子9、フライホイルダイオード11および電極2、4、5の位置を決定するための位置決め板状部材である。そしてこの位置決め部材14は上記IGBT素子9等を構成する部材と積層方向の厚みがほぼ等しく構成されており、より正確には若干(10〜100μm程度)薄くなる寸法を有し、電気的に絶縁され、かつ熱的な伝導性に優れる材料で構成されており、たとえばセラミック(内部抵抗約1010Ωm、熱伝導率170W/m・K、線膨張係数約4.5×10−6/K)や磁器(内部抵抗約1011Ωm、熱伝導率1.5W/m・K、線膨張係数約4.5×10−6/K)からなり、上記IGBT素子9等を構成する部材の周囲を囲むようにして位置決めを行う。
【0032】
この時、各層においてはIGBT素子9等の各機能部材と位置決め部材14は相互に隙間xを有し、隣接して配置される。
この隙間xはIGBT素子9及びフライホイルダイオード11の半導体素子を構成する主材料であるシリコンの線膨張係数約2.4×10−6/Kと、板状の位置決め部材14の線膨張係数約4.5×10−6/K、更には電極2、4、5を構成する銅の線膨張係数約16.7×10−6/Kまたはアルミの線膨張係数約23×10−6/K等、異種材料による膨張差を吸収するための空間を確保する為に設けられたものである。
【0033】
また、15はケースであり、板状位置決め部材14と同様に、電気絶縁性と熱伝導性に優れる材料からなり、パワー半導体モジュール外殻の下部を構成しており、このケース15と、外殻の上部を構成するカバー16が、互いに嵌め合わされることでパワー半導体モジュール外殻を構成し、モジュール本体6を形成する。
【0034】
以上のように、本発明に係るパワー半導体モジュールは、パワー半導体モジュール内部の電力および熱の伝導路となる部材間に、半田等の導電性溶着接合部材を溶着せず、パワー半導体素子のパワー入力部およびパワー出力部に、直接導電性と熱伝導性とに優れる金属材料からなる電極2,4,5を面接触させることにより、導電性と熱伝導性とを発揮させるため、本来の電力の導電機能を確保しながらも、発生する熱による部材間の熱応力が発生せず、パワー半導体モジュールの長期に亘る信頼性を確保することができる。
【0035】
又、本洗明に係るパワー半導体モジュールは、パワー半導体モジュール内部の電力および熱の伝導路となる部材を積層構造とするとともに、積層方向に積層部材相互を加圧するためのバネ13等からなる弾性部材を設けたので、所望の導電性と熱伝導性(熱抵抗)、および機械的耐久性を設定し維持できることが可能となり、パワー半導体素子の長寿命化を図るとともに、長期に亘る信頼性を確保することができる。
【0036】
更に、本発明に係るバワー半導体モジュールは、パワー半導体素子におけるゲート部10あるいはベース部に、通電と遮断の信号を伝送するための電極として、導電性材料により成形したコイルバネ8を構成し、このコイルバネ8を押圧接触することで電気的な導通を可能としたので、本来の導電機能を確保しながらも、発生する熱による部材間の熱応力が発生せず、パワー半導体素子の長期信頼性が飛躍的に向上する。
さらに、コイルバネ8を制御基板7側に固着させるために、パワー半導体素子に通電と遮断の信号を伝送する電極となる部材を別に設ける必要がなく、構造が簡素化され、パワー半導体素子の製造コストが抑制できる。
【0037】
又、本発明に係るパワー半導体モジュールは、パワー半導体素子のゲート部10あるいはベース部の中心と、その中心軸とが一致し、かつゲート電極あるいはベース電極となるコイルバネ8の形状に応じた截頭直円錐形状の案内部材12を設けたので、組立て時にパワー半導体素子のゲート部10あるいはベース部と、電極となるコイルバネ8との位置調整をする必要がなく、組立て性が簡素化されるので、製造コストを抑えることができる。
【0038】
更に、本発明に係るパワー半導体モジュールは、截頭直円錐形状の案内部材12が、パワー半導体モジュール本体の積層構造側に固着されるため、截頭直円錐の中心軸12aとパワー半導体のゲート部10あるいはベース部の位置とが合致する構造となるので、組立て時にパワー半導体素子のゲート部10あるいはベース部と、電極となるコイルバネ8との位置調整をする必要がなくなり、組立てが簡素化されるので、製造コストを抑えることができる。
【0039】
又、本発明に係るパワー半導体モジュールは、パワー半導体モジュールの積層構造において、同層で隣り合う複数の部材間に隙間xを設けたので、熱変化による膨張と収縮による部材間の熱応力が発生せず、パワー半導体モジュールの長期信頼度が向上する。
【0040】
更に、本発明に係るパワー半導体モジュールは、パワー半導体素子のパワー入力部とパワー出力部に面接触させる導電性と熱伝導性に優れる金属部材において、この金属部材(電極)に放熱用のフィン3を設けることにより、冷却性能が高まるので、パワー半導体素子の長寿命化を図るとともに、長期に亘る信頼度を確保することができる。
【0041】
実施の形態2.
上記のような本発明の実施の形態1にかかるIGBTモジュールの構造では、比較的少ない種類の部材でパワー半導体モジュールの導電機能を確保することができるものの、パワー半導体素子の冷却に関しては、効率が良いものとはいえない。
なぜなら熱源となるパワー半導体素子から伝熱される熱流束は、一旦、電極2,4,5の断面内を通過し、放熱フィン3のある部位にまで移動をすることになる。
【0042】
この熱流東の移動に際して熱抵抗Rthが発生するが、熱抵抗Rthは次式で表されるように
Rth=D/λ・S
D:熱の移動する距離[m]
λ:熱伝導率[W/m・K]
S:熱の移動する経路の断面積[m2]
移動する距離Dに比例し、熱流束の通過する部材の断面積Sに反比例する。このことは本発明の実施の形態1にかかるIGBTモジュールの電極2,4,5のように、比較的細長く扁平の形状の部材では、熱の移動距離Dが長くなり、しかも断面積Sが小さくなるため、抵抗Rthの値は高い値にならざるを得ないからである。
【0043】
また、断面積Sを増加させるために単純に部材の寸法を増やすことは、モジュールの本来の目的である小型化と低コスト化に違背することとなる。
熱抵抗Rthの値が高くなると、定常状態においては伝達経路の部材の温度が比例して上昇し、熱源となるパワー半導体素子の温度も、この伝達経路部材の温度より高い状態で維持されることになってしまう。
そこで、熱の移動距離Dを最小に抑えつつ、できるだけ熱流束が通過できるよう断面積Sを広く確保することにより、熱抵抗Rthを最小限にするために、実施の形態2においては、電極に付帯する冷却構造を工夫するものである。
【0044】
図7はこの発明の実施の形態2によるIGBTモジュールを示す平面図、図8は図7のF方向からみた側面図、図9は図7のG方向からみた正面図である。
図において、21はIGBTモジュール、22は銅やアルミ等からなるIGBT素子のコレクタ部に接する電極であり、冷却のための冷媒を伝送するとともに電気的に絶縁性を有する材料から構成される配管(図示しない)と嵌め合い結合で一体となるニップル23が、電極22に圧入されている。
【0045】
24は銅やアルミ等からなるIGBT素子におけるエミッタ部に接する電極で、電極22と同様に冷媒用のニップル23が圧入される。25は電極22がIGBTのコレクタ部に接することでコレクタとして機能する場合にはエミッタ部となり、更には電極24がIGBT素子のエミッタ部に接することで、エミッタとして機能する場合にはコレクタ部となる共用電極であり、電極22,24と同様に冷媒用のニップル23が圧入されている。
【0046】
又、26は各部品を埋め込んだモジュール本体、27はIGBT素子のスイッチ信号を制御する制御基板、28はIGBT素子のスイッチ信号をIGBTのゲート部に伝達する電極で、バネ鋼に錫メッキ等を施したコイルバネからできている。
【0047】
図10は図8におけるH−H線断面平面図、図11は図8におけるI−I線断面平面図であり、図において、29はIGBT素子、30はゲート部、31はフライホイルダイオードであり、IGBT素子29とは対に構成されている。
電極22は、制御の対象となるモータ(図示しない)が電動機として作用する場合に、IGBT素子のコレクタ部に電池(図示しない)からの正電圧を導く働きを有している。そして、電極22が接するIGBT素子のゲート信号がONであれば、エミッタから電池の正電位が放出され、電極25がこれを導き、モータ(図示しない)の界磁コイル(図示しない)に電流を伝達する。
【0048】
反対にモータが発電機として作用し、発電機が回生制動の際、電池に蓄電作用する場合には、図11に記載されたもう一つのIGBT素子29が機能することになる。
即ち、発電機(図示しない)の界磁コイル(図示しない)で発生した電流を電極25が導くことにより、電極25はIGBT素子のコレクタ部として機能し、発電機からの正電圧を供給する。
このとき電極25に接するIGBT素子のゲート信号がONであれば、エミッタから正電位が電極24により通電され、二次電池(図示しない)ヘと電流を伝達し充電する。
【0049】
図12は図7におけるJ−J線側面断面図であり、図において、32はIGBT素子29のゲート部30の電極となるコイルバネ28を所望の位置に案内するための截頭直円錐形状を有する案内部材である。
これは制御基板27に固着されたゲート電極となるコイルバネ28が、モジュール本体26に組みつけられるときに、モジュール本体26側に固着された截頭直円錐形状の案内部材32の斜面に沿いながら、コイル電極のバネ28の中心と、IGBT素子29のゲート部30の中心が、截頭直円錐形状の案内部材32の円錐の軸32aと同軸となるように自動的に位置合わせされるので、コイルバネ28とゲート部30との微妙な位置調整が不要となり、しかも簡便で高速かつ確実にゲート部30にコイルバネ28が接触するよう組み立てることができる。
【0050】
更に、33は板バネ等からなるバネであり、IGBT素子29とフライホイルダイオード31、および電極22,24,25とを積層した状態で押圧力を発生させるもので、これにより、IGBT素子29と電極22,24,25の電気的な導通を可能にするとともに、IGBT素子29とフライホイルダイオード31で発生する熱を、電極22,24,25に伝えるようにすることができる。
【0051】
図13は図8におけるK−K線正面断面図であり、図において、34はパワー半導体モジュール内部の積層構造の各層において、IGBT素子29、フライホイルダイオード31および電極22,24,25の位置を決定するための位置決め部材である。そして、この位置決め部材34は上記IGBT素子29等を構成する部材と積層方向の厚みがほぼ等しく構成されており、より正確には若干(10〜100μm程度)薄くなる寸法を有し、電気的に絶縁され、かつ熱的な伝導性に優れる材料で構成されており、たとえばセラミック(内部抵抗約1010Ωm、熱伝導率170W/m・K、線膨張係数約4.5×10-6/K)や磁器(内部抵抗約1011Ωm、熱伝導率1.5W/m・K、線膨張係数約4.5×10-6/K)からなり、上記IGBT素子29等を構成する部材の周囲を囲むようにして位置決めを行う。
【0052】
この時、各層においてはIGBT素子29等の各機能部材と位置決め部材34は相互に隙間xを有し、隣接して配置される。この隙間xはIGBT素子29及びフライホイルダイオード31の半導体素子を構成する主材料であるシリコンの線膨張係数約2.4×10-6/Kと、板状の位置決め部材34の線膨張係数約4.5×10-6/K、更には電極22,24,25を構成する銅の線膨張係数約16.7×10-6/K、またはアルミの線膨張係数約23×10-6/K等、異種材料による膨張差を吸収するための空間を確保する為に設けられたものである。
【0053】
又、35はケースであり、板状位置決め部材34と同様に、電気絶縁性と熱伝導性に優れる材料からなり、パワー半導体モジュール外殻の下部を構成しており、このケース35と、外殻の上部を構成するカバー36が、互いに嵌め合わされることで、パワー半導体モジュール外殻を構成し、モジュール本体26を形成する。
【0054】
図14は図8におけるL−L線正面断面図であり、図において、37は電極22,24,25の内部を貫通する冷却用の冷媒が通過するための貫通穴である。図15はこの貫通穴37の断面形状を示すための拡大図である。図15に示すように、冷媒との接触面積を広げるために、貫通穴37の内壁には、凹凸形状のフィン38が設けられている。この凹凸形状のフィン38が接触面積を広げ、熱抵抗Rthを抑え、熱伝達性能を高めている。このように冷却性能が高まるので、パワー半導体素子の長寿命が図れるとともに、長期に亘って信頼性を確保することができる。
【0055】
そして、貫通穴37を通過する冷却用の冷媒として、電気的に絶縁材料となる空気、あるいはフロロカーボン液などを使用することが考えられる。
【0056】
実施の形態3.
本実施形態は、更に熱の移動を高速に行い、効率的に熱交換を行うため、ヒートパイプを電極に施したものである。
図16はこの発明の実施の形態3によるIGBTモジュールを示す平面図、図17は図16のM方向からみた側面図、図18は図16のN方向からみた正面図である。図において、41はIGBTモジュール、42は銅により外殻を構成するヒートパイプであり、一方のIGBT素子のコレクタ部に接する電極をも兼ねている。
又、このヒートパイプ42の放熱部には放熱用のフィン43を有している。
【0057】
44は鋼からなるヒートパイプで、他方のIGBT素子におけるエミッタ部に接する電極をも兼ねており、ヒートパイプ42と同様に放熱用のフィン43を有する。
45は電極42がIGBT素子のコレクタに接することでコレクタとして機能する場合はエミッタ部となり、更には電極44がIGBT素子のエミッタ部に接することで、エミッタとして機能する場合にはコレクタ部となる共用電極であり、これも銅から構成され、ヒートパイプをも兼用し、放熱用のフィン43を有している。
【0058】
又、46は各部品を埋め込んだモジュール本体、47はIGBT素子のスイッチ信号を制御する制御基板、48はIGBT素子のスイッチ信号をIGBT素子のゲート部に伝達する電極で、バネ鋼に錫メッキ等を施したコイルバネからできている。
【0059】
又、図19は図17におけるO−O線断面平面図であり、図において、49はIGBT素子、50はゲート部、51はフライホイルダイオードであり、IGBT素子49とは対に構成されている。
【0060】
電極42は、制御の対象となるモータ(図示しない)が電動機として作用する場合に、IGBT素子49のコレクタ部に電池(図示しない)からの正電圧を導く働きを有している。そして、電極42が接するIGBT素子49のゲート信号がONであれば、エミッタから電池の正電圧が放出され、電極45がこれを導き、モータ(図示しない)の界磁コイル(図示しない)に電流を伝達する。
【0061】
反対にモータが発電機として作用し、発電機が回生制動の際、電池に蓄電作用する場合には、発電機(図示しない)の界磁コイル(図示しない)で発生した電流を電極45が導くことにより、電極45はIGBT素子49のコレクタ部として機能し、発電機からの正電圧を供給する。
このとき電極45に接するIGBT素子49のゲート信号がONであれば、エミッタから正電位が電極44により通電され、二次電池(図示しない)ヘと電流を伝達する。
【0062】
図20は図16におけるP−P線側面断面図であり、図において、52はIGBT素子49のゲート部50の電極となるコイルバネ48を所望の位置に案内するための截頭直円錐形状を有する案内部材である。
これは制御基板47に固着されたゲート電極となるコイルバネ48が、モジュール本体46に組みつけられるときに、モジュール本体46側に固着された截頭直円錐形状の案内部材52の斜面に沿いながら、コイルバネ48の中心と、IGBT素子49のゲート部50の中心が、截頭直円錐形状の案内部材52の円錐の軸52aと同軸となるように自動的に位置合わせされるので、コイルバネ48とゲート部50との微妙な位置調整が不要となり、しかも簡便で高速かつ確実にゲート部50にコイルバネ48が接触するよう組み立てることができる。
【0063】
更に、53は板バネ等からなるバネであり、IGBT素子49とフライホイルダイオード51、および電極42,44,45とを積層した状態で押圧力を発生させるもので、これによりIGBT素子49と電極42,44,45の電気的な導通を可能にするとともに、IGBT素子49とフライホイルダイオード51で発生する熱を、電極42,44,45に伝えるようにすることができる。
【0064】
図21は図17におけるQ−Q線正面断面図であり、図において、54はパワー半導体モジュール内部の積層構造の各層において、IGBT素子49、フライホイルダイオード51および電極42,44,45の位置を決定するための位置決め板状部材である。そしてこの位置決め板状部材54は上記IGBT素子49等を構成する部材と積層方向の厚みがほぼ等しく構成されており、より正確には若干(10〜100μm程度)薄くなる寸法を有し、電気的に絶縁され、かつ熱的な伝導性に優れる材料で構成されており、たとえばセラミック(内部抵抗約1010Ωm、熱伝導率170W/m・K、線膨張係数約4.5×10−6/K)や磁器(内部抵抗約1011Ωm、熱伝導率l.5W/m・K、線膨張係数約4.5×10−6/K)からなり、上記IGBT素子49等を構成する部材の周囲を囲むようにして位置決めを行う。
【0065】
この時、各層においてはIGBT素子49等の各機能部材と位置決め部材54は相互に隙間xを有し、隣接して配置される。
この隙間xはIGBT素子49及びフライホイルダイオード51の半導体素子を構成する主材料であるシリコンの線膨張係数約2.4×10−6/Kと、板伏の位置決め部材54の線膨張係数約4.5×10−6/K、更には電極42,44,45を構成する銅の線膨張係数約16.7×10−6/Kまたはアルミの線膨張係数約23×10−6/K等、異種材料による膨張差を吸収するための空間を確保する為に設けられたものである。
【0066】
又、55はケースであり、板状位置決め部材54と同様に、電気絶縁性と熱伝導性に優れる材料からなり、パワー半導体モジュール外殻の下部を構成しており、このケース55と、外殻の上部を構成するカバー56が、互いに嵌め含わされることで、パワー半導体モジュール外殻を構成し、モジュール本体46を形成する。
【0067】
電極42,44,45は図20に示すように、内部に空洞57が設けられており、ウイック(図示しない)とよばれる毛細管組織がこの空洞57の内壁面に形成され、さらにこの内側の空間に作動液(図示しない)とよばれる、熱を移動させる液体が封入されている。
IGBT素子49とフライホイルダイオード51で発生した熱が、熱伝導体であるヒートパイプを兼ねる電極42,44,45に伝達され、ヒートパイプの入熱部の壁に伝達される。
これにより、ヒートパイプの内側の空洞57に封入されている作動液が加熱され蒸発する。
【0068】
この気化によって得られた蒸気は、ヒートパイプの入熱部から放熱部に移動し、放熱部で熱を放出して凝縮し再び作動液に戻る。
蒸気から放出された潜熱は、ヒートパイプの放熱部のフィン43に伝達されて空気中に放出される。
また、作動液はヒートパイプの放熱部から入熱部に還流する。
【0069】
また、上記各実施の形態で説明したパワー半導体素子は、IGBT素子に限定するものではなく、IGBT素子の他にダイオード、サイリスタ、トライアック、MOSFET、バイポーラトランジスタ、SIT等を単独、あるいはこれらが混在するものを用いることができる。
【0070】
上記のように、本発明に係るパワー半導体モジュールは、パワー半導体素子のパワー入力部とパワー出力部に面接触させる導電性と熱伝導性に優れる金属部材を設け、この金属部材をヒートパイプとしても機能させるので、熱源となるパワー半導体素子を複数の異種部材を介在させて冷却するのではなく、この金属部材(電極)自体で冷却機能を兼ねるため、構成部材の簡素化と組立ての容易化が可能となり、パワー半導体モジュールの製造に関するコストを大幅に下げる効果が得られる。
【0071】
さらに、この金属部材(電極)に熱を吸熱し移動させる冷媒の通路を構成することにより、熱抵抗を大幅に抑えることが可能となり、パワー半導体素子の長寿命化と長期に亘る信頼性をさらに向上させることが可能となる。
また、金属部材(電極)に放熱用のフィン43を設けることにより、冷却性能が高まるので、パワー半導体素子の長寿命化と長期に亘る信頼性をさらに向上させることが可能となる。
【0072】
【発明の効果】
この発明の請求項1に係る半導体モジュールによれば、内部に半導体素子を封止したものであって、半導体素子の入力部および出力部に導電性と熱伝導性の高い金属材料から構成される電極を面接触させ、半導体素子並びに電極を積層構造とし、積層方向に積層部材相互を圧接するための弾性部材を設けたので、発生する熱による部材間の熱応力が発生せず、又、所望の導電性と熱伝導性、並びに機械的耐久性を維持することができ、半導体素子の長寿命化が図れ、長期に亘る信頼性を確保することができる。
【0073】
この発明の請求項2に係る半導体モジュールによれば、電極となるコイルバネを半導体素子に押圧接触させるとともに、コイルバネの一端を制御基板に固着させたので、構造が簡素化され、製造コストを抑制することができる。
【0074】
この発明の請求項3に係る半導体モジュールによれば、コイルバネの位置決めを行なうための截頭円錐形状を有する案内部材を設けたので、組立てを容易に行なうことができる。
【0075】
この発明の請求項4に係る半導体モジュールによれば、積層部材の位置を決定するための位置決め部材を設けるとともに、各部材間に隙間を設けたので、部材間の熱応力が発生しなくなる。
【0076】
この発明の請求項5に係る半導体モジュールによれば、電極に放熱用のフィンを設けたので、冷却性能を高めることができる。
【0077】
この発明の請求項6に係る半導体モジュールによれば、冷却用の冷媒が通過するための貫通穴を電極内部に設けるとともに、貫通穴の内壁に凹凸形状のフィンを設けたので、冷却性能を高めることができる。
【0078】
この発明の請求項7に係る半導体モジュールによれば、電極に空洞を設けるとともに、この空洞内に熱を移動させるための作動液を封入したので、冷却性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による半導体モジュールを示す平面図である。
【図2】 図1のA方向から見た側面図である。
【図3】 図lのB方向から見た正面図である。
【図4】 図2におけるC−C線断面平面図である。
【図5】 図1におけるD−D線断面側面図である。
【図6】 図2におけるE−E線断面正面図である。
【図7】 この発明の実施の形態2による半導体モジュールを示す平面図である。
【図8】 図7のF方向から見た側面図である。
【図9】 図7のG方向から見た正面図である。
【図10】 図8におけるH−H線断面平面図である。
【図11】 図8におけるI−I線断面平面図である。
【図12】 図7におけるJ−J線断面側面図である。
【図13】 図8におけるK−K線断面正面図である。
【図14】 図8におけるL−L線断面正面図である。
【図15】 貫通穴部分を示すための拡大図である。
【図16】 この発明の実施の形態3による半導体モジュールを示す平面図である。
【図17】 図16のM方向から見た側面図である。
【図18】 図16のN方向から見た正面図である。
【図19】 図17におけるO−O線断面平面図である。
【図20】 図16におけるP−P線断面側面図である。
【図21】 図17におけるQ−Q線断面正面図である。
【図22】 従来の半導体モジュールを示す断面図である。
【符号の説明】
2,4,5,22,24,25,42,44,45 電極、3,43 フィン、7,27,47 制御基板、8,28,48 コイルバネ、12,32,52案内部材、13,33,53 弾性部材、14,34,54 位置決め部材、37 貫通穴、57 空洞。
Claims (7)
- 内部に半導体素子を封止した半導体モジュールであって、上記半導体素子の入力部および出力部に導電性と熱伝導性の高い金属材料から構成される電極を面接触させ、上記半導体素子並びに上記電極を積層構造とし、積層方向に積層部材相互を圧接するための弾性部材を設けたことを特徴とする半導体モジュール。
- 電極となるコイルバネを上記半導体素子に押圧接触させるとともに、上記コイルバネの一端を制御基板に固着させたことを特徴とする請求項1記載の半導体モジュール。
- 上記コイルバネの位置決めを行なうための載頭円錐形状を有する案内部材を設けたことを特徴とする請求項2記載の半導体モジュール。
- 上記積層部材の位置を決定するための位置決め部材を設けるとともに、各部材間に隙間を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体モジュール。
- 上記電極に放熱用のフィンを設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体モジュール。
- 冷却用の冷媒が通過するための貫通穴を上記電極内部に設けるとともに、上記貫通穴の内壁に凹凸形伏のフィンを設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の半導体モジュール。
- 上記電極に空洞を設けるとともに、この空洞内に熱を移動させるための作動液を封入したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の半導体モジュール。
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