JP5417145B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電源と負荷の間に設けられている電力変換装置に関する。本発明は特に、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置、交流電力を直流電力に変換する電力変換装置、電圧値を変換する電力変換装置に関する。
例えば、ハイブリッド車両又は電気車両に搭載されるモータを駆動するために、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置の開発が進められている。この種の電力変換装置は、直流電源の正極性側に接続される高圧側配線と直流電源の負極性側に接続される低圧側配線の間に設けられているインバータ回路を備えている。
この種の電力変換装置のインバータ回路は、3つの単相ユニット(U相ユニットとV相ユニットとW相ユニット)で構成されていることが多い。例えば、特許文献1には、この種のインバータ回路で用いられる単相ユニットの一例が開示されている。一般的に、単相ユニットは、一対の入力アームと、その一対の入力アームの間に直列に接続されている一対のトランジスタと、一対のトランジスタの間に接続されている出力アームとを備えている。
特開2002−26251号公報
通常、3つの単相ユニットは、絶縁性基板の上面に並べられている。さらに、その絶縁性基板の下面にはフィンが設けられており、そのフィンを利用してトランジスタで発生した熱を放熱させている。このため、トランジスタで発生した熱は、絶縁性基板を超えてフィンまで伝熱する必要がある。しかしながら、一般的に、絶縁性基板は、熱伝導率が低い。このため、この種のモジュールでは、放熱能力を向上させるために、フィンが水冷用であることが多い。これにより、この種のモジュールは、大型で重量が重いという問題がある。本明細書は、電力変換装置の小型化及び重量の低減化が可能な技術を提供することを目的としている。
本明細書で開示される技術は、アームにフィンが設けられていることを特徴としている。これにより、アームを利用してトランジスタで発生した熱を伝熱させ、フィンで放熱させることができる。この態様によると、トランジスタで発生した熱を高効率で放熱させることができるので、空冷方式を採用することが可能となる。これにより、本明細書で開示される電力変換装置は、小型化及び重量の低減化が可能となる。
すなわち、本明細書で開示される技術は、電源の一方の極性に接続される第1配線と電源の他方の極性に接続される第2配線の間に接続されている電力変換装置に具現化される。電力変換装置は、第1入力アームと第2入力アームと出力アームと第1トランジスタと第2トランジスタとを備えている。第1入力アーム、第1トランジスタ、出力アーム、第2トランジスタ、第2入力アームがこの順で電気的に接続されている。本明細書で開示される電力変換装置では、第1入力アームと第2入力アームと出力アームのうちの少なくとも1つにフィンが設けられている。
上記電力変換装置では、第1入力アームが、第1トランジスタと接触する第1トランジスタ接触部と、第1延長部と、第1トランジスタ接触部と第1延長部の間に設けられているとともに第1配線と電気的に接続する第1配線接続部とを有している。さらに、上記電力変換装置では、第2入力アームが、第2トランジスタと接触する第2トランジスタ接触部と、第2延長部と、第2トランジスタ接触部と第2延長部の間に設けられているとともに第2配線と電気的に接続する第2配線接続部とを有している。この場合、フィンは、第1延長部と第2延長部の少なくともいずれか一方に設けられている。第1入力アームでは、第1トランジスタと第1配線の間を流れる電流は、第1トランジスタ接触部と第1配線接続部を介して流れる。このため、第1入力アームの第1延長部は、電流が流れる部分ではない。また、第2入力アームでも、第2トランジスタと第2配線の間を流れる電流は、第2トランジスタ接触部と第2配線接続部を介して流れる。このため、第2入力アームの第2延長部も、電流が流れる部分ではない。したがって、上記態様によると、フィンは、電流経路外に設けられている。これにより、入力アームにフィンが設けられていたとしても、寄生インダクタンスの増加が抑制される。
上記電力変換装置では、第1延長部と第2延長部が対向しているのが望ましい。上記したように、第1延長部と第2延長部はいずれも電流経路から外れている。しかしながら、第1延長部と第2延長部はいずれも、電位が加わる部位である。この第1延長部と第2延長部が対向するように配置されていると、第1延長部と第2延長部の間に寄生の容量成分が発生する。これにより、第1延長部と第2延長部で構成されるコンデンサは、サージ電圧を吸収するスナバコンデンサとして機能する。さらに、第1延長部と第2延長部の少なくともいずれか一方にフィンが設けられているので、延長部の表面積は広い。これにより、スナバコンデンサの容量が大きくなり、サージ吸収能が高い。
上記電力変換装置では、フィンの表面に絶縁膜が被覆されているのが望ましい。絶縁性を向上させることができる。
上記電力変換装置では、第1入力アーム、第1トランジスタ、出力アーム、第2トランジスタ、第2入力アームがこの順で積層方向に積層しているのが望ましい。第1入力アームと第2入力アームは、積層方向に直交する方向に伸びているのが望ましい。さらに、出力アームも、積層方向に直交する方向に伸びているのが望ましい。この場合、積層方向から観測したときに、第1入力アームの第1配線接続部及び第1延長部と第2入力アームの第2配線接続部及び第2延長部は、出力アームと重複しないのが望ましい。この態様によると、入力アームと出力アームの間に寄生の静電容量が発生しない。これにより、入力アームと出力アームの間に不要な共振回路が生じないので、高周波電流によるリーク電流が流れることが抑制される。
本明細書で開示される技術によると、アームにフィンが設けられているので、そのアームを利用してトランジスタで発生した熱を伝熱させ、フィンで放熱させることができる。これにより、空冷方式を採用することが可能となり、電力変換装置の小型化及び重量の低減化が可能となる。
電力変換装置の回路図の概略を示す。 昇圧コンバータとインバータが一体化したパワーモジュールの側面図を模式的に示す。 U相ユニットの一部を拡大した分解斜視図を示す。 アームの延長部の断面図を模式的に示す。 U相ユニットとV相ユニットの一部を拡大した断面図を模式的に示す。 並列型のパワーモジュールの側面図を模式的に示す。 並列型のパワーモジュールの平面図を模式的に示す。
本明細書で開示される技術を整理しておく。
(第1特徴) パワーモジュールは、複数の単相ユニットを備えている。単相ユニットは、積層方向に沿って積層している。単相ユニットは、一対の入力アームと、その一対の入力アームの間に直列に接続されている一対のトランジスタと、一対のトランジスタの間に接続されている出力アームとを備えている。積層方向に隣接する単相ユニットでは、入力アームを共用している。
(第2特徴) 第1特徴において、パワーモジュールは、昇圧コンバータをさらに備えている。昇圧コンバータは、積層方向において、少なくとも1つの単相ユニットに隣接している。昇圧コンバータは、一対の入力アームと、その一対の入力アームの間に直列に接続されている一対のトランジスタと、一対のトランジスタの間に接続されているリアクトル接続用アームとを備えている。昇圧コンバータと単相ユニットの間で、入力アームが共用されている。
(第3特徴) 第1特徴において、入力アームには空冷用のフィンが設けられている。
図1に、電力変換装置10の回路図の概略を示す。電力変換装置10は、直流電源11と交流モータ16の間に設けられており、直流電力を交流電力に変換し、その交流電力を交流モータ16に供給する。電力変換装置10は、昇圧コンバータ13と、コンデンサ14と、インバータ15を備えている。直流電源11と昇圧コンバータ13の間には、リアクトル12が接続されている。
昇圧コンバータ13は、直流電源11の正極性に接続される高圧側配線10Hと直流電源11の負極性に接続される低圧側配線10Lの間に設けられており、一対の縦型のトランジスタT1,T2と、一対の縦型の還流ダイオードD1,D2を有している。一例では、トランジスタT1,T2は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。なお、トランジスタT1,T2には、IGBTに代えて、MOSFET(Metal Oxide Silicon Field Effect Transistor)又は他のパワーデバイスを用いることができる。還流ダイオードD1,D2は、IGBTとは別の外付け型の素子でもよく、IGBT内に組み込まれた一体型の素子でもよい。本実施例では、還流ダイオードがIGBT内に組み込みこまれた一体型の素子の場合を例示する。図1に示されるように、第1トランジスタT1では、コレクタが高圧側配線分岐接続部22を介して高圧側配線10Hに接続されており、エミッタが中間接続部21を介して第2トランジスタT2のコレクタに接続されている。第2トランジスタT2では、エミッタが低圧側配線分岐接続部23を介して低圧側配線10Lに接続されている。中間接続部21は、リアクトル12に接続されている。第1ダイオードD1は、第1トランジスタT1に並列に接続されており、カソードが第1トランジスタT1のコレクタに接続されており、アノードが第1トランジスタT1のエミッタに接続されている。第2ダイオードD2は、第2トランジスタT2に並列に接続されており、カソードが第2トランジスタT2のコレクタに接続されており、アノードが第2トランジスタT2のエミッタに接続されている。
昇圧コンバータ13は、直流電源11から供給された直流電圧を昇圧してコンデンサ14に供給する。また、昇圧コンバータ13は、コンデンサ14を介してインバータ15から供給された直流電圧を降圧して直流電源11に供給することもできる。コンデンサ14は、昇圧コンバータ13から出力された直流電圧を平滑化し、平滑化した直流電圧をインバータ15に供給する。なお、例示されている昇圧コンバータ13は、一対のトランジスタT1,T2と一対の還流ダイオードD1,D2で構成されているが、これらの構成の複数個が高圧側配線10Hと低圧側配線10Lの間に並列に接続されていてもよい。
インバータ15は、3相インバータであり、U相ユニット15Uと、V相ユニット15Vと、W相ユニット15Wを備えている。U相ユニット15U、V相ユニット15V及びW相ユニット15Wは、高圧側配線10Hと低圧側配線10Lの間に並列に設けられている。
U相ユニット15Uは、一対の縦型のトランジスタT3,T4と、一対の縦型の還流ダイオードD3,D4を有している。一例では、トランジスタT3,T4は、IGBTである。トランジスタT3,T4には、IGBTに代えて、MOSFET又は他のパワーデバイスを用いることができる。還流ダイオードD3,D4は、IGBTとは別の外付け型の素子でもよく、IGBT内に組み込まれている一体型の素子でもよい。本実施例では、還流ダイオードD3,D4がIGBT内に組み込まれた一体型の素子の場合を例示する。図1に示されるように、第3トランジスタT3では、コレクタが高圧側配線分岐接続部24を介して高圧側配線10Hに接続されており、エミッタが中間接続部In1を介して第4トランジスタT4のコレクタに接続されている。第4トランジスタT4では、エミッタが低圧側配線分岐接続部25を介して低圧側配線10Lに接続されている。第3ダイオードD3は、第3トランジスタT3に並列に接続されており、カソードが第3トランジスタT3のコレクタに接続されており、アノードが第3トランジスタT3のエミッタに接続されている。第4ダイオードD4は、第4トランジスタT4に並列に接続されており、カソードが第4トランジスタT4のコレクタに接続されており、アノードが第4トランジスタT4のエミッタに接続されている。なお、V相ユニット15V及びW相ユニット15Wは、U相ユニット15Uと共通の構成を有しているので、それらの説明を省略する。
各単相ユニット15U,15V,15Wの中間接続部In1,In2,In3は、交流モータ16の各相コイルの各相端に接続されている。一例では、交流モータ16は、3相の永久磁石モータである。交流モータ16では、U相コイルの一端とV相コイルの一端とW相コイルの一端が接続されている。さらに、交流モータ16では、U相コイルの他端がU相ユニット15Uの中間接続部In1に接続されており、V相コイルの他端がV相ユニット15Vの中間接続部In2に接続されており、W相コイルの他端がW相ユニット15Wの中間接続部In3に接続されている。
次に、電力変換装置10のうちの昇圧コンバータ13とインバータ15が一体化したパワーモジュールを説明する。図2に、このパワーモジュールの側面図を模式的に示す。図2に示されるように、パワーモジュールは、複数の入力アーム30a,30b,30c,30d,30eと、複数の出力アーム30f,30g,30hと、リアクトル接続用アーム30iと、複数のトランジスタT1〜T8を備えている。ここで、入力アーム30a,30c,30eは、低圧側配線分岐接続部23,25,27,29を介して低圧側配線10Lに接続されており、n型入力アームともいう。入力アーム30b,30dは、高圧側配線分岐接続部22,24,26,28を介して高圧側配線10Hに接続されており、p型入力アームともいう。また、出力アーム30fはU相出力アームともいい、出力アーム30gはV相出力アームともいい、出力アーム30hはW相出力アームともいう。各アームは、導電性の材料で形成されている。後述するように、各アームは、一例では材料がアルミニウムの平板状であり、内部に冷媒が充填された空洞が形成されている。
n型入力アーム30aとp型入力アーム30bとU相出力アーム30fとトランジスタT3,T4は、U相ユニット15Uを構成している。p型入力アーム30bとn型入力アーム30cとV相出力アーム30gとトランジスタT5,T6は、V相ユニット15Vを構成している。n型入力アーム30cとp型入力アーム30dとW相出力アーム30hとトランジスタT7,T8は、W相ユニット15Wを構成している。p型入力アーム30dとn型入力アーム30eとリアクトル接続用アーム30iとトランジスタT1,T2は、昇圧コンバータ13を構成している。すなわち、U相ユニット15UとV相ユニット15VとW相ユニット15Wと昇圧コンバータ13は、y軸方向に沿って積層している。
図2に示されるように、各アームはいずれも、x軸方向に伸びた平板状であり、y軸方向から観測すると(平面視すると)矩形状である。隣接するアームの間には、樹脂製の絶縁板50が設けられているのが望ましい。入力アーム30a,30b,30c,30d,30eは、トランジスタT1〜T8の積層位置から紙面右向きに伸びている。一方、出力アーム30f,30g,30h及びリアクトル接続用アーム30iは、トランジスタT1〜T8の積層位置から紙面左向きに伸びている。このため、入力アーム30a,30b,30c,30d,30eは、y軸方向に観測したときに、出力アーム30f,30g,30h及びリアクトル接続用アーム30iと重複していない。
入力アーム30a,30b,30c,30d,30eでは、隣接するアームがy軸方向に対向している。すなわち、入力アーム30a,30b,30c,30d,30eは、y軸方向に観測したときに重複している。出力アーム30f,30g,30hとリアクトル接続用アーム30iも、隣接するアームがy軸方向に対向している。すなわち、出力アーム30f,30g,30h及びリアクトル接続用アーム30iは、y軸方向に観測したときに重複している。なお、これは一例であり、入力アーム30a,30b,30c,30d,30eは、y軸方向以外の方向に対向していてもよい。同様に、出力アーム30f,30g,30h及びリアクトル接続用アーム30iも、y軸方向以外の方向に対向していてもよい。
この例では、入力アーム30a,30b,30c,30d,30eがトランジスタT1〜T8の積層位置から紙面右向きに伸びており、出力アーム30f,30g,30h及びリアクトル接続用アーム30iがトランジスタT1〜T8の積層位置から紙面左向きに伸びている。この例に代えて、全てのアームがトランジスタT1〜T8の積層位置から同じ向きに伸びていてもよい。ただし、y軸方向から観測したときに、入力アーム30a,30b,30c,30d,30eが重複する位置と、出力アーム30f,30g,30h及びリアクトル接続用アーム30iが重複する位置がオフセットされているのが望ましい。
各アームの形態は、必要に応じて、非共通の形態でもよく、共通の形態でもよい。本実施例では、各アームの形態は、実質的に共通の形態である。以下、n型入力アーム30aを例にして、その形態を説明する。
図2に示されるように、n型入力アーム30aは、トランジスタT4と接触するトランジスタ接触部32と、低圧側配線分岐接続部25を介して低圧側配線10Lと電気的に接続する配線接続部34と、空冷用のフィン40が設けられている延長部36を有している。配線接続部34は、トランジスタ接触部32と延長部36の間に設けられている。図2に示されるように、延長部36は、一端36aが配線接続部34に接続されており、端部36bは空間に浮いている。即ち、延長部36の端部36bは、他の部材から電気的に絶縁されているので、延長部36には電流が流れない。このため、低圧側配線分岐接続部25とトランジスタT4の間の電流経路は、トランジスタ接触部32と配線接続部34で構築されており、延長部36は電流経路から外れている。なお、この例では、延長部36の端部36bが空間に浮いているが、絶縁性の他の部材で支持されていてもよい。
図3に、n型入力アーム30aの延長部36の断面図を模式的に示す。図3に示されるように、n型入力アーム30aは、アルミニウム製又は銅製のボディ部31と、そのボディ部31で取囲まれた空洞33を備えている。空洞33には、材料がブタン、エタノール又は水の冷媒が充填されている。空洞33は、配線接続部34を超えてトランジスタ接触部32にまで伸びている。このため、動作中にトランジスタが高温になると、トランジスタ接触部32に存在する冷媒と延長部36に存在する冷媒の間に温度差が生じ、冷媒が自励振動し、トランジスタで発生した熱をトランジスタ接触部32から配線接続部34を超えて延長部36にまで高効率に伝熱することができる。
図3に示されるように、延長部36の両面に設けられたフィン40は、材料がアルミニウム又は銅のボディ部42と、そのボディ部42を被覆する材料がDLC(ダイヤモンドライクカーボン)の絶縁部44を備えている。絶縁部44は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)技術を利用して、ボディ部42の表面に被膜させることができる。また、絶縁部44は、テフロン(登録商標)等の有機膜でもよい。この場合、絶縁膜44は、例えば塗布又はスプレー技術を利用して、ボディ部42の表面に被膜させることができる。一例では、フィン40は、はんだ技術、ろう付け技術、接着材又は他の適切な手法を用いて、延長部36の表面に固定されている。この例に代えて、延長部36の表面を加工することによって、フィンを形成することもできる。
図4に、U相ユニット15Uの一部を拡大した分解斜視図を示す。図4に示されるように、n型入力アーム30aの配線接続部34は、トランジスタ接触部32と延長部36の間に位置しており、低圧側配線分岐接続部25を介して低圧側配線10Lに電気的に接続している。また、p型入力アーム30bの配線接続部34も、トランジスタ接触部32と延長部36の間に位置しており、高圧側配線分岐接続部24,26を介して高圧側配線10Hに電気的に接続している。図4に示されるように、低圧側配線10Lと高圧側配線10Hは、y軸方向に沿って伸びており、z軸方向で対向している。これにより、低圧側配線10Lと高圧側配線10Hに寄生するインダクタンス成分が相殺される。
図4に示されるように、n型入力アーム30aとp型入力アーム30bの延長部36は、y軸方向に対向している。これらの延長部36は、配線10L,10Hとトランジスタの間の電流経路内に配置されておらず、電流が流れる部分ではない。一方、これら延長部36は、配線10L,10Hと電気的に接続されており、電位が加わる部分である。したがって、n型入力アーム30aの延長部36とp型入力アーム30bの延長部36がy軸方向に対向していると、これらの延長部36の間に寄生の容量成分が発生する。これにより、隣接する延長部36の間で構成されるコンデンサは、サージ電圧を吸収するスナバコンデンサとして機能する。
図5に、U相ユニット15UとV相ユニット15Vの一部を拡大した断面図を模式的に示す。図5に示されるように、トランジスタT3〜T6のそれぞれには、エミッタ用金属板62とコレクタ用金属板64とゲート用金属板66が接続されている。これらの金属板62,64,66には、一例では銅板が用いられる。図5に示されるように、U相ユニット15Uを構成するトランジスタT3,T4では、エミッタ用金属板62とコレクタ用金属板64を結ぶ向きはy軸方向に沿って紙面下向きである。一方、V相ユニット15Vを構成するトランジスタT5,T6では、エミッタ用金属板62とコレクタ用金属板64を結ぶ向きはy軸方向に沿って紙面上向きである。このように、隣接する単相ユニットのトランジスタの向きを逆向きにすることで、単相ユニットを一方向に積層したモジュールを構築することができる。
以下、本実施例のパワーモジュールの特徴を整理する。
(1)従来のパワーモジュールは、3つの単相ユニットがセラミック製の絶縁性基板の上面に並べられた構成を備えている。さらに、フィンがその絶縁性基板の下面に取り付けられていることが多い。このような構成の場合、トランジスタで発生した熱は、絶縁性基板を超えてフィンまで伝熱する必要がある。しかしながら、一般的に、絶縁性基板は熱伝導率が低い。このため、従来のパワーモジュールでは、放熱能力を向上させるために、フィンが水冷用であることが多い。これにより、従来のパワーモジュールは大型化で重量が重いという問題がある。一方、図2に示されるように、本実施例のパワーモジュールでは、トランジスタで発生した熱を入力/出力アームを介してフィン40まで伝熱させる。入力/出力アームは、導電性であり、トランジスタ接触部32からフィン40が設けられている延長部36の間に絶縁物質が介在していない。このため、トランジスタで発生した熱を高効率でフィン40まで伝熱させることができる。さらに、本実施例のパワーモジュールでは、入力/出力アームにヒートパイプが採用されており、極めて高効率に熱を伝熱させることができる。本実施例のパワーモジュールでは、空冷方式を採用したとしても、充分な冷却効果を得ることができる。これにより、パワーモジュールの小型化及び重量の低減が可能となる。
(2)図2に示されるように、U相ユニット15UとV相ユニット15Vは、入力アーム30bをp型入力アームとして共用している。V相ユニット15VとW相ユニット15Wは、入力アーム30cをn型入力アームとして共用している。さらに、W相ユニット15Wと昇圧コンバータ13は、入力アーム30dをp型入力アームとして共用している。このように、パワーモジュールは、隣接するユニット間で入力アームを共用することができるので、部品点数が削減され、小型化が実現される。
(3)図2に示されるように、本実施例のp型入力アームの延長部36とn型入力アームの延長部36は、y軸方向に対向しており、スナバコンデンサを構成している。さらに、それらの延長部36の表面には、空冷用のフィン40が設けられているので、延長部36の表面積は広い。これにより、スナバコンデンサの容量が大きくなり、サージ吸収能が高い。また、本実施例では、p型入力アームとn型入力アームにフィン40が設けられているので、p型入力アームとn型入力アームの間にある程度の距離を確保しなければならない。一般的に、p型入力アームとn型入力アームの間の距離が大きくなると、インダクタンス成分の相殺効果が低下し、結果として、インダクタンス成分が増加する。しかしながら、本実施例では、p型入力アームとn型入力アームの延長部36にフィン40が選択的に設けられている。延長部36は、電流経路外であることから、この延長部36間の距離が大きくなっても、インダクタンス成分の増加は抑制される。また、本実施例では、電流経路を配線接続部34で分岐させることにより、図4に示されるように、高圧側配線10Hと低圧側配線10Lを近接させた形態が実現されている。これにより、本実施例のパワーモジュールは、インダクタンス成分が相殺され、極めて高いサージ耐圧を有する。
本実施例に係る技術は、次のようなパワーモジュールにも適用することができる。
(4)本実施例では、1つの交流モータ16を駆動するパワーモジュールを例示した。この例に代えて、本実施例に係る技術は、2つの交流モータ16を駆動するパワーモジュールに適用することができる。この場合、本実施例のパワーモジュールにおいて、y軸方向にさらに3つの単相ユニットを積層させればよい。この場合も、隣接する単相ユニットの間で入力アームを共用することができるので、部品点数が削減され、小型化が実現される。
(5)本実施例では、3相インバータを有するパワーモジュールを例示した。この例に代えて、本実施例に係る技術は、2相インバータを有するパワーモジュールに適用することができる。この場合でも、隣接する単相ユニットの間で入力アームを共用することができるので、部品点数が削減され、小型化が実現される。
(6)本実施例では、昇圧コンバータ13とインバータ15が一体化されたパワーモジュールを例示した。この例に代えて、本実施例に係る技術は、昇圧コンバータ13とインバータ15が別体のパワーモジュールに適用することができる。例えば、昇圧コンバータが2並列の場合、同様にユニットを積層させることで、入力アームを共用することができるので、部品点数が削減され、小型化が実現される。
(7)本実施例では、入力/出力アームがヒートパイプの場合を例示した。本実施例に係る技術では、入力/出力アームは、導電性を有するとともに高熱伝導率であればよく、その材料又は構成は特に限定されない。例えば、入力/出力アームは、金属板であってもよく、この場合、銅、アルミニウム等の材料を用いることができる。また、この例に代えて、入力/出力アームは、導電性及び熱伝導性に異方性を有するグラファイトを用いてもよい。
(8)本実施例では、中間接続部21,In1,In2,In3が出力アーム30f,30g,30h及びリアクトル接続用アーム30iの付け根に接続されている。この例に代えて、中間接続部21,In1,In2,In3は、出力アーム30f,30g,30h及びリアクトル接続用アーム30iの先端に接続されていてもよい。
(9)本実施例では、単相ユニット15U,15V,15Wが積層方向に積層した積層型のパワーモジュールを例示した。この例に代えて、本実施例に係る技術は、単相ユニット15U,15V,15Wが並列に並べられた並列型のパワーモジュールにも適用することができる。図6に、並列型のパワーモジュールの側面図を模式的に示す。図7に、並列型のパワーモジュールの平面図を模式的に示す。なお、積層型のパワーモジュールと共通する構成要素に関しては共通の符号を付し、その説明を省略する。図6に示されるように、単相ユニットは、n型入力アーム30と、下側トランジスタT4,T5,T8と、出力アームIn1,In2,In3(この例では、出力アームと中間接続部が共用されている)と、上側トランジスタT3,T5,T7と、p型入力アーム30pがy軸方向に積層している。図7に示されるように、これらの単相ユニット15U,15V,15Wがz軸方向に並列に並べられている。この並列型のパワーモジュールでも、入力アームの延長部36にフィン40が設けられていることを特徴としている。これにより、並列型のパワーモジュールも、空冷用として用いることができる。さらに、延長部36は、スナバコンデンサを構成しており、サージを吸収することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:電力変換装置
10H:高圧側配線
10L:低圧側配線
11:直流電源
12:リアクトル
13:昇圧コンバータ
14:コンデンサ
15:インバータ
15U,15V,15W:単相ユニット
16:交流モータ
22,24,26,28:高圧側配線分岐接続部
23,25,27,29:低圧側配線分岐接続部
30a,30b,30c,30d,30e,30p,30n:入力アーム
30f,30g,30h:出力アーム
30i:リアクトル接続用アーム
32:トランジスタ接触部
34:配線接続部
36:延長部
40:フィン
D1−D8:還流ダイオード
T1−T8:トランジスタ

Claims (4)

  1. 電源の一方の極性に接続される第1配線と電源の他方の極性に接続される第2配線の間に接続されている電力変換装置であって、
    第1入力アームと第2入力アームと出力アームと第1トランジスタと第2トランジスタとを備えており、
    前記第1入力アーム、前記第1トランジスタ、前記出力アーム、前記第2トランジスタ、前記第2入力アームがこの順で電気的に接続されており、
    前記第1入力アームと前記第2入力アームと前記出力アームのうちの少なくとも1つにフィンが設けられており、
    前記第1入力アームは、前記第1トランジスタと接触する第1トランジスタ接触部と、第1延長部と、前記第1トランジスタ接触部と前記第1延長部の間に設けられているとともに前記第1配線と電気的に接続する第1配線接続部とを有しており、
    前記第2入力アームは、前記第2トランジスタと接触する第2トランジスタ接触部と、第2延長部と、前記第2トランジスタ接触部と前記第2延長部の間に設けられているとともに前記第2配線と電気的に接続する第2配線接続部とを有しており、
    前記フィンは、前記第1延長部と前記第2延長部の少なくともいずれか一方に設けられている電力変換装置。
  2. 前記第1延長部と前記第2延長部が対向している請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記フィンの表面に絶縁膜が被覆されている請求項1又は2に記載の電力変換装置。
  4. 前記第1入力アーム、前記第1トランジスタ、前記出力アーム、前記第2トランジスタ、前記第2入力アームがこの順で積層方向に積層しており、
    前記第1入力アームと前記第2入力アームは、前記積層方向に直交する方向に伸びており、
    前記出力アームは、前記積層方向に直交する方向に伸びており、
    前記積層方向から観測したときに、前記第1入力アームの前記第1配線接続部及び前記第1延長部と前記第2入力アームの前記第2配線接続部及び前記第2延長部は、前記出力アームと重複しない請求項1〜3のいずれか一項に記載の電力変換装置。
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