JP3667858B2 - 清掃用具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は粘着テープロールを有する清掃用具(粘着テープクリーナー)に関し、さらに詳しく言えば、電気掃除機に取り付けられてそれとともに用いられるようにした清掃用具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
粘着テープクリーナーは、包装用などに用いられるガムテープなどの粘着テープを丁度逆様に巻回したものからなり、その典型例が図6に例示されている。そなわち、合成樹脂もしくは紙製のテープ状基材2の一方の面に粘着剤3を塗布し、他方の面に例えばシリコンなどの離型剤4を塗布してなる粘着テープ1を円筒状の巻芯5にその粘着剤3の塗布面を外側にして巻回した粘着テープロール6を備えている。
【0003】
この粘着テープロール6は、被清掃面である例えばカーペット上に転がらせて使用されるのであるが、実際に使用するにあたっては、その操作性を考慮して保持部材としてのアーム部材7が用いられる。この例に即して説明すると、アーム部材7は例えば立ち姿勢で操作できる長さの支柱からなり、その上端側にグリップ7aを有するとともに、下端側には被清掃面と平行とされた支持軸7bを備え、この支持軸7bには粘着テープロール6の巻芯5内に着脱自在に挿通される円筒状支持ローラ8が回転可能に装着されている。
【0004】
粘着テープロール6は、このアーム部材7を介して被清掃面である例えばカーペット上を転動され、粘着剤3の粘着力により例えば髪の毛などの細かいゴミを捕獲し、その粘着剤3の粘着力が衰えると、図示しない切れ目線に沿って一周分を巻き剥がし、新たな粘着剤3を表面に露出して使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この粘着テープクリーナーによれば、その粘着剤3と接触する被清掃面の表面にある髪の毛などはきわめて綺麗に取り去ることができるが、例えばカーペットなどの場合には、その奥深く入り込んだチリやゴミにまでは粘着力が行き届かないため、置き去りにされる。
【0006】
したがって、そのようなチリやゴミは依然として電気掃除機の吸引に頼ることになるが、電気掃除機による清掃が先か、この粘着クリーナーによる清掃が先かは別として、いずれにしても清掃を完全にするには、電気掃除機と粘着クリーナーによる清掃とを2度行なわなければならず、二重に手間がかかり面倒であった。
【0007】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、その目的は、例えば電気掃除機(もしくは粘着クリーナー)をかけながら、粘着クリーナー(もしくは電気掃除機)による清掃をも併せて行なうことができるようにした清掃用具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、合成樹脂もしくは紙製のテープ状基材の一方の面に粘着剤を塗布し、他方の面に離型剤を塗布してなる粘着テープを円筒状の巻芯にその粘着剤塗布面を外側にして巻回した粘着テープロールと、同粘着テープロールを上記巻芯内に着脱自在に挿通される円筒状支持ローラを介して回転可能に保持するアーム部材と備え、上記アーム部材には電気掃除機の吸引パイプに対する取付手段が設けられている清掃用具において、上記取付手段が閉方向にバネ付勢された開閉可能なクランプであり、上記クランプがコイルバネからなる弾性変形可能な中継ぎアームを介して上記アーム部材に連結されていることを特徴としている。
【0009】
これによれば、粘着テープロールをきわめて簡単な操作で、電気掃除機の吸引パイプに着脱することができるとともに、電気掃除機の吸引パイプを操作する際、その角度に応じて中継ぎアームが撓むため、電気掃除機の吸引パイプをある角度範囲内で使用するかぎり、粘着テープロールが被清掃面上に適当な圧力で押し付けられ、被清掃面からの浮き上がりが防止される。
【0010】
請求項2に記載の発明は、合成樹脂もしくは紙製のテープ状基材の一方の面に粘着剤を塗布し、他方の面に離型剤を塗布してなる粘着テープを円筒状の巻芯にその粘着剤塗布面を外側にして巻回した粘着テープロールと、同粘着テープロールを上記巻芯内に着脱自在に挿通される円筒状支持ローラを介して回転可能に保持するアーム部材と備え、上記アーム部材の先端部が電気掃除機の吸引ノズル側に設けられている差込穴に対してほぼ水平状態として着脱自在に嵌合保持される清掃用具において、上記アーム部材の上記先端部を除く所定部分には、上記粘着テープロールがその最小巻径時において被清掃面に若干の押圧力で接触するような上向きの角度θが付けられていることを特徴としている。
【0011】
これによれば、粘着テープロールは吸引ノズルに引き摺られるようにして被清掃面上を転動することになる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、合成樹脂もしくは紙製のテープ状基材の一方の面に粘着剤を塗布し、他方の面に離型剤を塗布してなる粘着テープを円筒状の巻芯にその粘着剤塗布面を外側にして巻回した粘着テープロールを備えてなる清掃用具において、上記粘着テープロールが電気掃除機の吸引パイプに着脱自在に連結可能とされたハウジング内に回転可能に保持されていることを特徴としている。
【0013】
これによれば、電気掃除機の吸引パイプから吸引ノズルを外して、吸引パイプにハウジングを取り付けることにより、電気掃除機を粘着クリーナーとして使用することができる。その場合、電気掃除機を起動してそのハウジングを吸引ノズルとして使用してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の技術的思想をよりよく理解するうえで、その実施の形態について説明する。なお、先に説明した粘着テープロール6およびその巻芯5に着脱自在に挿通される円筒状支持ローラ8については、この実施例でもそれと同じものが使用されている。
【0015】
図1の第1実施例において、粘着テープロール6はその巻芯5に着脱自在に挿通される円筒状支持ローラ8を介してアーム部材10により回転可能に保持されるが、この場合、アーム部材10は先に図6で説明したアーム部材7よりも短く形成され、その先端には電気掃除機の吸引パイプ11に対して取り付けるための取付手段12が設けられている。
【0016】
すなわち、アーム部材10は金属製の円柱ロッドからなり、円筒状支持ローラ8内に挿通され、その回転軸となる支持軸101と、同支持軸101の一端からほぼ直角に折り曲げられ、少なくとも粘着テープロール6の最大巻径時の1/2以上の長さ寸法とされた第1折曲げ部102と、同第1折曲げ部102の端部から支持軸101とほぼ平行で、かつ同方向に折曲げられた第2折曲げ部103とを備えている。
【0017】
第2折曲げ部103は支持軸101の約半分の長さとされ、その端部には中継ぎアーム104を介して吸引パイプ11に対する取付手段12が設けられている。この場合、中継ぎアーム104は所定長さのコイルバネからなり、その軸線が支持軸101に対してほぼ直交し、かつ外側(同支持軸101から離れる方向)に向かって延びるように配向されている。
【0018】
なお、第2折曲げ部103と中継ぎアーム(コイルバネ)104との連結部分は詳しく図示されていないが、この実施例では第2折曲げ部103の端部をほぼ直角に折曲げて連結軸とし、その連結軸にコイルバネ104の一端を嵌合して接着剤にて両者を固定した構造としている。
【0019】
次に、取付手段12であるが、本発明では常に閉方向にバネ付勢された開閉可能なクランプ13が用いられている。すなわち、このクランプ13は蝶番軸131にて開閉自在に連結された一対の把持片132,132を備えている。なお、図示されていないが、蝶番軸131には把持片132,132を閉方向に付勢するバネ部材が設けられている。
【0020】
このクランプ13は中継ぎアームとしてコイルバネ104の端部に取り付け保持されるが、この実施例では一方の把持片132の外側のほぼ中央にボス(図示省略)を形成し、そのボスにコイルバネ104の端部を嵌合して例えば接着剤にて固定するようにしている。
【0021】
これによると、そのクランプ13を介して粘着テープロール6を電気掃除機の吸引パイプ11の所定部位に着脱自在に取り付けることができる。その取付け部位は、吸引ノズル14を被清掃面に置いて実際に清掃する場合、その吸引パイプ11の傾斜角度やアーム部材10の長さなどを勘案して粘着テープロール6が被清掃面上に接触する位置とされる。
【0022】
その場合、この実施例では中継ぎアーム104が変形可能で、吸引パイプの傾斜角度の変化をある程度吸収するため、さほどの厳密さは要求されないが、若干吸引ノズル14側に位置させるとよい。これによれば、粘着テープローラ6が適度な弾性をもって被清掃面上に押し付けられ、吸引ノズル14に追従して転動する。
【0023】
したがって、電気掃除機では除去しきれない髪の毛などが粘着テープローラ6の粘着力にて捕獲され、従来のように電気掃除機による掃除後に再度粘着テープローラ6による清掃を行なう必要がなくなり、一度の掃除で済ませられる。粘着テープローラ6の粘着力が衰えた場合には、例えばクランプ131を外して粘着テープローラ6の表面に出ている粘着テープを一周分剥がした後、再度クランプ131を介して吸引パイプ11に取付ければよい。
【0024】
図2および図3には第2実施例が示されている。これによると、アーム部材10はその第1折曲げ部102がまっすぐに延ばされているとともに、吸引ノズル14側にはその第1折曲げ部102の先端が嵌合される連結穴141が穿設されている。
【0025】
この場合、第1折曲げ部102と連結穴141とは多少の引っ張り力では抜けない程度の摩擦嵌合であることが構造を簡単にするうえで好ましく、これによれば、アーム部材10の先端を吸引ノズル14の連結穴141に差し込むだけで、吸引ノズル14に対して粘着テープローラ6を取付けることができ、上記第1実施例と同様に粘着テープローラ6が吸引ノズル14に追従して転動する。
【0026】
このように、アーム部材10を吸引ノズル14に対して差し込み連結とする場合、吸引ノズル14を被清掃面から浮き上がらせることなく、粘着テープローラ6がその最大巻径時から最小巻径時に至るまで、被清掃面と接触するようにする必要がある。
【0027】
それには、第1折曲げ部102をある程度の長さとして、そのしなりを利用するのがもっとも簡単であるが、図3に示されているように、第1折曲げ部102の所定部分に粘着テープローラ6がその最小巻径時において被清掃面に対し若干の押圧力で接触するようなオフセット的な上向き角度θを持たせることが好ましく、これによれば第1折曲げ部102の長さをより短くできるとともに、最大巻径状態の粘着テープローラ6に対してもその被清掃面への押圧力をより緩和することができる。
【0028】
なお、この第2実施例では第1折曲げ部102をまっすぐに延ばしているが、上記第1実施例のように、第2折曲げ部103を形成し、その端部を吸引ノズル14に連結するようにしてもよい。
【0029】
図4は第3実施例の外観斜視図であり、図5にはその断面図が示されている。この実施例によると、粘着テープロール6は電気掃除機の吸引パイプ11に対して着脱可能に連結されるハウジング20内に収納保持されている。
【0030】
この実施例において、ハウジング20は下面が開放され、外観的には吸引ノズル14を模して形成されたハウジング本体21を備え、同ハウジング本体21の上面ほぼ中央部には、吸引パイプ11に対する連結手段としての差込みパイプ22がある角度範囲内において俯仰自在に設けられている。
【0031】
ハウジング本体21は、その内部に粘着テープロール6を収納し得る大きさの空間を有し、その内部側の両側壁には粘着テープロール6の巻芯5内に突出して同粘着テープロール6を回転可能に保持するボス軸211,212が設けられている。
【0032】
この場合、各ボス軸211,212は粘着テープロール6の巻芯5よりも小径に形成されており、したがって粘着テープロール6はその径の差分だけ上下動が許容されている。すなわち、粘着テープロール6はその使用にしたがって一周分ずつ剥がされ、最大巻径から最小巻径へとその径が縮小するが、最小巻径時となっても被清掃面に接触できるように、その巻芯5に対して各ボス軸211,212の径が相対的に決められている。
【0033】
この実施例では、図5に示されているように、一方のボス軸212はハウジング本体21の側壁を貫通し、その外側端には摘み23が設けられている。すなわち、ボス軸212は摘み23によって矢印Aにて示すように、ハウジング本体21内に出没可能とされ、これにより粘着テープロール6を適宜交換できるようになっている。
【0034】
この第3実施例によると、例えば電気掃除機による掃除後、その吸引ノズル14に代えて吸引パイプ11に粘着テープロール6を有するハウジング本体21をその差込みパイプ22を介して交換することにより、電気掃除機でありながら粘着クリーナーとして使用することができる。
【0035】
この場合、ハウジング20は吸引ノズル14と同じように形成されているため、粘着テープローラ6による清掃を行ないながら、電気掃除機を起動させて粘着テープローラ6による清掃と電気掃除機による掃除を併せて行なうことも可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、合成樹脂もしくは紙製のテープ状基材の一方の面に粘着剤を塗布し、他方の面に離型剤を塗布してなる粘着テープを円筒状の巻芯にその粘着剤塗布面を外側にして巻回した粘着テープロールと、同粘着テープロールを上記巻芯内に着脱自在に挿通される円筒状支持ローラを介して回転可能に保持するアーム部材と備えてなる清掃用具において、上記アーム部材に電気掃除機の吸引パイプに対する取付手段を設けたことにより、粘着テープロールがそのアーム部材および取付手段を介して電気掃除機の吸引パイプに取り付けられ、粘着テープロールは電気掃除機による清掃に伴なって被清掃面上を転動することになる。したがって、その主従は別として、電気掃除機による掃除を行ないながら、同時に粘着テープロールによる清掃を行なうことが可能となる。また、上記取付手段を閉方向にバネ付勢された開閉可能なクランプとしたことにより、粘着テープロールをきわめて簡単な操作で、電気掃除機の吸引パイプに着脱することができる。また、上記取付手段をコイルバネからなる弾性変形可能な中継ぎアームを介して上記アーム部材に連結されるようにしたことにより、その中継ぎアームにより電気掃除機の吸引パイプの操作角度に応じて中継ぎアームが撓むため、電気掃除機の吸引パイプをある角度範囲内で使用するかぎり、粘着テープロールを被清掃面上に適当な圧力で押し付け、被清掃面からの浮き上がりが防止される。
【0037】
一方、合成樹脂もしくは紙製のテープ状基材の一方の面に粘着剤を塗布し、他方の面に離型剤を塗布してなる粘着テープを円筒状の巻芯にその粘着剤塗布面を外側にして巻回した粘着テープロールと、同粘着テープロールを上記巻芯内に着脱自在に挿通される円筒状支持ローラを介して回転可能に保持するアーム部材と備えてなる清掃用具において、上記アーム部材を介して電気掃除機の吸引ノズルに着脱自在に連結されるようにした請求項2の発明によると、上記アーム部材の先端部を上記吸引ノズルを側に設けられている差込穴に対して嵌合することにより、粘着テープロールを吸引ノズルに引き摺られるようにして被清掃面上を転動させることができ、請求項1と同様な効果が奏される。
【0038】
また、合成樹脂もしくは紙製のテープ状基材の一方の面に粘着剤を塗布し、他方の面に離型剤を塗布してなる粘着テープを円筒状の巻芯にその粘着剤塗布面を外側にして巻回した粘着テープロールを備えてなる清掃用具において、上記粘着テープロールを電気掃除機の吸引パイプに着脱自在に連結可能としたハウジング内に回転可能に保持する請求項3の発明によると、電気掃除機の吸引パイプから吸引ノズルを外して、その代わりにハウジングを取り付けることにより、電気掃除機を例えばその掃除がけの後、粘着クリーナーとして使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示した斜視図。
【図2】 本発明の第2実施例を示した斜視図。
【図3】 第2実施例のアーム部材と吸引ノズルの接続構造を一部断面として示した側面図。
【図4】 本発明の第3実施例を示した外観斜視図。
【図5】 第3実施例の断面図。
【図6】 従来の粘着テープクリーナーの構成を説明するための分解斜視図。
【符号の説明】
1 粘着テープ
2 テープ状基材
3 粘着剤層
4 離型剤層
5 巻芯
6 粘着テープロール
10 アーム部材
11 吸引パイプ
12 取付手段(クランプ)
104 中継ぎアーム(コイルバネ)
14 吸引ノズル
20 ハウジング
21 ハウジング本体
22 差込みパイプ
211,212 ボス軸
Claims (3)
- 合成樹脂もしくは紙製のテープ状基材の一方の面に粘着剤を塗布し、他方の面に離型剤を塗布してなる粘着テープを円筒状の巻芯にその粘着剤塗布面を外側にして巻回した粘着テープロールと、同粘着テープロールを上記巻芯内に着脱自在に挿通される円筒状支持ローラを介して回転可能に保持するアーム部材と備え、上記アーム部材には電気掃除機の吸引パイプに対する取付手段が設けられている清掃用具において、
上記取付手段が閉方向にバネ付勢された開閉可能なクランプであり、上記クランプがコイルバネからなる弾性変形可能な中継ぎアームを介して上記アーム部材に連結されていることを特徴とする清掃用具。 - 合成樹脂もしくは紙製のテープ状基材の一方の面に粘着剤を塗布し、他方の面に離型剤を塗布してなる粘着テープを円筒状の巻芯にその粘着剤塗布面を外側にして巻回した粘着テープロールと、同粘着テープロールを上記巻芯内に着脱自在に挿通される円筒状支持ローラを介して回転可能に保持するアーム部材と備え、上記アーム部材の先端部が電気掃除機の吸引ノズル側に設けられている差込穴に対してほぼ水平状態として着脱自在に嵌合保持される清掃用具において、
上記アーム部材の上記先端部を除く所定部分には、上記粘着テープロールがその最小巻径時において被清掃面に若干の押圧力で接触するような上向きの角度θが付けられていることを特徴とする清掃用具。 - 合成樹脂もしくは紙製のテープ状基材の一方の面に粘着剤を塗布し、他方の面に離型剤を塗布してなる粘着テープを円筒状の巻芯にその粘着剤塗布面を外側にして巻回した粘着テープロールを備えてなる清掃用具において、
上記粘着テープロールが電気掃除機の吸引パイプに着脱自在に連結可能とされたハウジング内に回転可能に保持されていることを特徴とする清掃用具。
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