JP3666105B2 - 不飽和(ポリ)ウレタン及びそれを含む硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化した時に、優れた接着性、耐熱性、耐水性及び可撓性を示す不飽和(ポリ)ウレタン及び該不飽和(ポリ)ウレタンを含有してなる硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
UV硬化性樹脂組成物などの硬化性樹脂組成物は、乾燥速度が速く、作業環境を汚染しないなどの特徴を持ち、塗料、インキ、接着剤などの多くの分野で使用されている。近年、(メタ)アクリレート系硬化樹脂組成物は、注入型のガスケットやシール材及び被覆用途でその需要が伸びており、その要求品質も厳しくなっている。ガスケットやシール材では基材との密着性の点で可撓性や接着性が要求されるのみならず、高温多湿の環境下での耐久性として耐水性や耐熱性が厳しく要求されている。
【0003】
従来、アクリレート系硬化樹脂組成物として、例えば、特開昭58−76414号公報や特開昭61−21120号公報には、ポリブタジエンポリオール/ポリイソシアネート/ヒドロキシアルキルアクリレートを反応させて得られるポリウレタンアクリレートを含有する硬化性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、このポリブタジエンポリオールを用いる方法では、可撓性や耐水性には優れるものの、接着性や耐熱性に劣る問題点を有している。また、UV・EB硬化材料(シーエムシー社発行),P74,(1992年)には、アジピン酸、コハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオールなどのグリコールとを縮重合して得られるポリエステルポリオール/ポリイソシアネート/ヒドロキシアルキルアクリレートを反応させて得られるポリウレタンアクリレートを含有する硬化性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、このポリエステルポリオールを用いる方法では、可撓性、耐熱性、及び耐水性に劣る等の問題点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、硬化させた場合に、基材との接着性に優れ、しかも耐熱性、耐水性及び可撓性にも優れた重合性不飽和化合物を提供することにある。
本発明の他の目的は、重合性不飽和化合物及び希釈剤を含有し、接着性、耐水性、耐熱性及び可撓性に優れた硬化性樹脂組成物、並びに該硬化性樹脂組成物を硬化してなる成形体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究を重ねた結果、重合性不飽和成分として、多価カルボン酸と、特定のヒンダードグリコールを含有する多価アルコール成分とを縮重合して得られる、特定の水酸基価を有するポリエステルポリオールとポリイソシアネートと活性水素を有する重合性不飽和化合物とを反応して得られる不飽和(ポリ)ウレタンを用いることにより、基材との接着性に優れ、しかも可撓性、耐熱性及び耐水性にも優れた硬化性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明に従えば、多価カルボン酸及び/または多価カルボン酸エステルと下記一般式(1)
(一般式(1)において、R1およびR2は、それぞれ独立して炭素数2〜4個のアルキル基である。)
で表されるヒンダードグリコールを含有する多価アルコール成分とを縮重合して得られる、水酸基価が3〜200mgKOH/gのポリエステルポリオール(a)、ポリイソシアネート(b)、及び分子内に活性水素と重合性の炭素−炭素不飽和結合とを有する化合物(c)を反応させて得られる重量平均分子量(Mw)が5,000〜100,000で分子内に少なくとも2つの重合性炭素−炭素不飽和結合を有する不飽和(ポリ)ウレタン(i)が提供される。
【0010】
本発明によれば、さらに、分子内に少なくとも2つの重合性炭素−炭素不飽和結合を有する重合性不飽和化合物(f)と希釈剤(g)を含有してなる硬化性樹脂組成物であって、該重合性不飽和化合物(f)が上記不飽和(ポリ)ウレタン(i)を含むものである硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明によれば、さらに、上記硬化性樹脂組成物を硬化してなる成形体が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
不飽和(ポリ)ウレタン(i)
本発明の不飽和(ポリ)ウレタン(i)は、多価カルボン酸及び/または多価カルボン酸エステルと下記一般式(1)
(一般式(1)において、R1およびR2は、それぞれ独立して炭素数2〜4個のアルキル基である。)
で表されるヒンダードグリコールを含有する多価アルコール成分とを縮重合して得られる、水酸基価が3〜200mgKOH/gのポリエステルポリオール(a)、ポリイソシアネート(b)、及び分子内に活性水素と重合性の炭素−炭素不飽和結合とを有する化合物(c)を反応させて得られる分子内に少なくとも2つの重合性炭素−炭素不飽和結合を有する不飽和ウレタン化合物または不飽和ポリウレタン化合物である。
【0012】
本発明の不飽和(ポリ)ウレタン(i)の重合性炭素−炭素不飽和結合は、放射線照射、熱及び種々の重合開始剤によって開始される重合反応に関与しうる炭素−炭素不飽和結合であれば特に限定はないが、通常、ビニル結合やビニリデン結合などである。
【0013】
本発明の不飽和(ポリ)ウレタン(i)の分子量は、ゲルパミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)で、5,000〜100,000、好ましくは7,000〜50,000、より好ましくは9,000〜30,000の範囲である。不飽和(ポリ)ウレタン(i)の分子量が過度に小さいと可撓性に劣り、逆に、過度に大きいと耐水性に劣り、いずれも好ましくない。
【0014】
ポリエステルポリオール(a)の多価カルボン酸成分としては、多価カルボン酸及び/または多価カルボン酸エステルが用いられ、通常のポリエステル合成に用いられるものであれば特に制限はない。好適には、2価カルボン酸及び/または2価カルボン酸エステルを主成分とするものが用いられる。
【0015】
2価カルボン酸としては、特に制限はなく、例えば、2価の低級カルボン酸や2価の高級カルボン酸などが用いられる。接着性、可撓性、耐水性及び耐熱性を高度にバランスさせる上では、特に2価の高級カルボン酸が好適である。2価低級カルボン酸としては、例えば、コハク酸、マロン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、グルタル酸、マレイン酸、イタコン酸などのような炭素数1〜5の低級脂肪族2価カルボン酸などが挙げられる。2価高級カルボン酸の炭素数は、通常6以上、好ましくは8〜200、より好ましくは10〜150、最も好ましくは12〜100の範囲である。2価高級カルボン酸の具体例としては、例えば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、1,6−シクロヘキサン・二酸、ポリアルキレン琥珀酸、重合脂肪酸のダイマー酸(以下、「ダイマー酸」と略記。)などのような2価高級脂肪族カルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、メチルイソフタル酸などの2価芳香族カルボン酸;などが挙げられ、これらの中でも、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、1,6−シクロヘキサン・二酸、ポリアルキレン琥珀酸、ダイマー酸、テレフタル酸、イソフタル酸、メチルイソフタル酸などが好ましく、ポリアルキレン琥珀酸、ダイマー酸が特に好ましい。
【0016】
2価カルボン酸エステルとしては、特に制限はないが、通常、上記2価カルボン酸のアルキルエステルが用いられる。アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、アミルエステル、ヘキシルエステルなどの低級アルキルエステル;オクチルエステル、デシルエステル、ドデシルエステル、ペンタデシルエステル、オクタデシルエステルなどの高級アルキルエステルなどが挙げられ、好ましくは低級アルキルエステルで、より好ましくはメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステルなどである。
【0017】
これらの2価カルボン酸及び2価カルボン酸エステルは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。多価カルボン酸中の2価カルボン酸及び/または2価カルボン酸エステルの割合は、全多価カルボン酸量の50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%の範囲である。
【0018】
本発明においては、ダイマー酸及び/またはダイマー酸エステルを少なくとも含む2価カルボン酸及び/または2価カルボン酸エステルを用いることにより、接着性、耐熱性、耐水性及び可撓性のいずれの特性も高度にバランスさせることができ好適である。その時のダイマー酸及び/またはダイマー酸エステルの割合は、全2価カルボン酸(2価カルボン酸+2価カルボン酸エステル)量の通常20重量%以上、好ましくは40〜100重量%、より好ましくは60〜100重量%、最も好ましくは80〜100重量%の範囲である。
【0019】
多価カルボン酸成分中の2価成分(2価カルボン酸及び2価カルボン酸エステル)以外の残部は、特に制限はされず、例えば3価以上のカルボン酸や3価以上のカルボン酸エステルが用いられる。好適には、3価カルボン酸や3価カルボン酸エステルである。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、トリカルバリル酸、カンホロン酸、トリメシン酸、重合脂肪酸のトリマー酸(以下、「トリマー酸」と略記。)などが挙げられる。これらの中でも、トリマー酸が好適である。3価以上のカルボン酸エステルは、これらの3価以上のカルボン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシルなどのアルキルエステルが用いられる。これらの3価以上のカルボン酸及び/または3価以上のカルボン酸エステルは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0020】
本発明においては、多価カルボン酸成分として、本発明の効果を損なわない範囲であれば、蟻酸、酢酸、酪酸、2−メチルプロパン酸、吉草酸、イソオクチル酸、イソノナノイック酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、リノール酸、オレイン酸、エライジン酸などの1価カルボン酸やこれら1価のカルボン酸のエステル化合物を併用してもよい。その許容量は、全多価カルボン酸成分中の通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
【0021】
ポリエステルポリオール(a)の多価アルコール成分としては、上記一般式(1)で表されるヒンダードグリコールを含有するものが用いられる。
【0022】
一般式(1)で表されるヒンダードグリコールにおいて、R1、R2は、それぞれ独立してアルキル基を示す。アルキル基の炭素数は、2〜4個である。アルキル基の具体例としては、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基などが挙げられ、これらの中でも、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。
【0023】
一般式(1)で表されるヒンダードグリコールの具体例としては、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジプロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジイソプロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジイソブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられ、これらの中でも、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジプロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールが好ましい。
これらのヒンダードグリコールは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、一般式(1)で表されるヒンダードグリコール、または一般式(1)で表されるヒンダードグリコールと3価以上のヒンダードアルコールの混合物が用いられる。
【0024】
3価以上のヒンダードアルコールとして、例えば、一般式(2)
HOCH2−C(R3R4)−CH2OH (2)
で表されるものが用いることができる。式中のR3、R4は、それぞれ独立してアルキル基またはヒドロキシル基を有するアルキル基を示し、R3、R4の少なくとも一つがヒドロキシル基を有するアルキル基である。ここで、アルキル基の炭素数は、特に制限はないが、通常1〜50個、好ましくは1〜20個、より好ましくは2〜10個である。かかる三価以上のヒンダードアルコールの具体例としては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
【0025】
その他のヒンダード多価アルコールを併用することもでき、その例として、ジペンタエリストールなどが挙げられる。
【0027】
本発明において、一般式(1)で表されるヒンダードグリコール、または該ヒンダードグリコールと他のヒンダードアルコールとの混合物を用いる場合、多価ヒンダードアルコール成分中の一般式(1)で表されるヒンダードグリコールの割合は、全多価ヒンダードアルコール量の通常30重量%以上、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、最も好ましくは90〜100重量%の範囲である。
【0028】
多価アルコール成分中の多価ヒンダードアルコールの割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよく、全多価アルコール量の通常30重量%以上、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、最も好ましくは90〜100重量%の範囲である。多価ヒンダードアルコールを含まない多価アルコール成分を用いると、耐熱性、耐水性に劣り好ましくない。
【0029】
多価アルコール成分の多価ヒンダードアルコール以外の残部は、通常のポリエステル合成で使用されるその他の多価アルコールを用いることができ、通常、その他の2価アルコールあるいはその他の2価アルコールとその他の3価以上のアルコールの混合物が用いられる。好適には、その他の2価アルコールである。残部のその他の2価アルコールの割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、ヒンダード多価アルコール以外の全多価アルコール量の通常30重量%以上、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、最も好ましくは90〜100重量%の範囲である。
【0030】
その他の2価アルコールとしては、例えば、アルカンジオール、シクロアルカンジオール、芳香族系ジオール、オリゴオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールなどが挙げられる。これらの中では、アルカンジオール、シクロアルカンジオールなどが好ましく、特にアルカンジオールが好ましい。
【0031】
アルカンジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジール、1,9−ノナンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールなどの炭素数が4〜9のアルカンジオールが好ましい。
【0032】
シクロアルカンジオールとしては、例えば、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,3−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロオクタン−1,4−ジオール、2,5−ノルボルナンジオールなどが挙げられる。
【0033】
芳香族系ジオールとしては、例えば、p−キシレンジオール、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,5−ナフタレンジオールなどが挙げられる。
【0034】
オリゴオキシアルキレングリコールおよびポリオキシアルキレングリコールとしては、例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン等の酸化アルキレンの単独もしくは混合物を公知の方法で重合したものを用いることができ、例えば、一般式(3)
HO−((CH2)a−CHR5O)b−H (3)
で表さわれる。ここで、R5は、水素原子またはメチル基、エチル基などの低級アルキル基を示し、好ましくは水素原子またはメチル基である。aは、1〜6の整数を示し、好ましくは1〜4の整数である。bは、2〜100の整数を示し、好ましくは2〜50、より好ましくは2〜25の整数である。具体的には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどのオリゴオキシアルキレングリコール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールなどが挙げられる。
【0035】
これらのその他の2価アルコールは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0036】
その他の3価以上のアルコールとしては、3個以上のヒドロキシル基を有するものであれば格別限定されない。3価以上のアルコールの具体例としては、例えば、グリセロール、ジグリセロール、ポリグリセロールなどのグリセロール化合物;ソルビトール、グルコース、マンニトール、ショ糖、ブドウ糖などの糖類;などが挙げられる。これらのその他の3価以上のアルコールは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0037】
本発明においては、多価アルコール成分として、本発明の効果を損ねない範囲で、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノール、ネオペンチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、2,3,3−トリメチル−2−ブタノール、1−デカノール、ノニルアルコールなどの1価アルコールを併用してもよい。その許容量は、全多価アルコール成分中の通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
【0038】
全多価カルボン酸成分と全多価アルコール成分の割合は、所望するポリエステルの分子量及び水酸基価に合わせて適宜選択すればよいが、ヒドロキシル基/カルボキシル基(当量)比で、通常1.05〜5、好ましくは1.1〜3、より好ましくは1.2〜2の範囲である。
【0039】
縮重合反応は、常法に従えばよく、例えば反応温度が100〜300℃、好ましくは150〜280℃で行われ、特に不活性ガスの存在下で行うのが好ましい。必要に応じて、トルエン、キシレンなどの水と共沸する非水溶性の有機溶媒を使用してもよく、また反応を減圧下で行ってもよい。また、エステル化縮重合反応時には、通常、エステル化触媒が用いられる。エステル化触媒としては、例えば、パラトルエンスルホン酸、硫酸、リン酸などのブレンステッド酸;三フッ化ホウ素錯体、四塩化チタン、四塩化スズなどのルイス酸;ステアリン酸亜鉛、アルキル錫オキサイド、チタンアルコキサイドなどの有機金属化合物などが挙げられ、得られたポリエステルの酸化安定性の点で周期律表第IV族の有機金属化合物が好ましい。
【0040】
本発明に使用されるポリエステルポリオール(a)の分子量は、特に制限はないが、GPCで測定される標準ポリエステル換算の重量平均分子量(Mw)で、通常1,000〜100,000、好ましくは1,500〜50,000、より好ましくは2,000〜20、000であるときに、耐水性や可撓性などの特性が格別に優れるので好適である。
【0041】
ポリエステルポリオール(a)の水酸基価は、3〜200mgKOH/g、好ましくは5〜150mgKOH/g、より好ましくは10〜120mgKOH/gの範囲である。
【0042】
本発明に使用されるポリイソシアネート(b)は、通常のポリウレタン合成で用いられるものであれば格別な制限はないが、通常ジイソシアネート化合物が用いられる。ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネートなどのような脂肪族ポリイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどのような脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオホスフェートなどのような芳香族ポリイソシアネート類;水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートなどのような水添芳香族ポリイソシアネートなどが挙げられ、これらの中でも、脂環族ポリイソシアネート類、芳香族ポリイソシアネート類が好ましく、芳香族ポリイソシアネート類が特に好ましい。
【0043】
これらのポリイソシアネート(b)は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。ポリイソシアネートの使用量は、ポリエステルポリオール(a)中のヒドロキシル基数、活性水素含有炭素−炭素不飽和化合物(c)中の活性水素数、あるいはポリエステルポリオール(a)と活性水素含有炭素−炭素不飽和化合物(c)との(ヒドロキシル基+活性水素)数により適宜選択され、イソシアネート基/ヒドロキシル基(当量)比、イソシアネート基/活性水素(当量)比、あるいはイソシアネート基/(ヒドロキシル基+活性水素)(当量)比で、通常1.01〜5、好ましくは1.05〜4、より好ましくは1.1〜3.5、最も好ましくは1.2〜2.5の範囲である。
【0044】
本発明に使用される分子内に活性水素と重合性炭素−炭素不飽和結合とを有する化合物(c)としては、分子内にイソシアネート基と反応する少なくとも1つの活性水素と少なくとも一つの重合性炭素−炭素不飽和結合とを有する化合物であれば特に制限はないが、好適には分子内に1つの活性水素と1つの炭素−炭素不飽和結合とを有する化合物が用いられる。活性水素としては、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基などのものが挙げられ、好ましくはヒドロキシル基である。重合性の炭素−炭素不飽和結合としては、特に制限はないが、通常、ビニル結合やビニリデン結合などが挙げられる。
【0045】
好ましい化合物(c)としては、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのような(メタ)アクリル酸アミド;活性水素含有の(メタ)アクリル酸エステル;などの活性水素含有の(メタ)アクリル酸誘導体や活性水素含有のスチレン類などが挙げられる。これらの中でも、活性水素含有(メタ)アクリル酸エステルや活性水素含有スチレン類が好ましく、活性水素含有(メタ)アクリル酸エステルが最も好ましい。
【0046】
活性水素含有の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル、カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル、アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられ、好ましくはヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルである。
【0047】
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、一般式(4)
CH2=CR6−C(=O)−O−(A)m−H (4)
(式中、R6は水素原子またはメチル基、Aはアルキレンオキシ基、mは1〜100の整数を示す。)で表される化合物や3価以上の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられるが、特に一般式(4)で表される化合物が好ましく、mが1の時の一般式(4)で表される化合物が最も好ましい。
【0048】
一般式(4)中のAは、アルキレンオキシ基を示す。Aの具体例としては、例えば、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、イソプロピレン基オキシ、ブチレンオキシ基、イソブチレンオキシ基、sec−ブチレンオキシ基、tert−ブチレンオキシ基、ペンタメチレンオキシ基、ヘキサメチレンオキシ基、イソヘキシレンオキシ基、オクタメチレンオキシ基、ドデシルメチレンオキシ基、テトラドデシルメチレンオキシ基、ペンタドデシルメチレンオキシ基などが挙げられる。これらの中でも、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、イソプロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、イソブチレンオキシ基、sec−ブチレンオキシ基、tert−ブチレンオキシ基、ペンタメチレンオキシ基、ヘキサメチレンオキシ基、イソヘキシレン基などの低級アルキレンオキシ基が好ましく、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、ペンタメチレンオキシ基、ヘキシメチレンオキシ基などの直鎖の低級アルキレンオキシ基が特に好ましい。式中のmは、1〜100の整数を示し、好ましくは1〜50の整数、より好ましくは1〜10の整数、最も好ましくは1である。
【0049】
一般式(4)のmが1であるアクリル酸エステルの具体例としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらの中でも、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなどが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなどが特に好ましい。
【0050】
一般式(4)のmが2〜100である(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられ、好ましくはジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどである。
【0051】
3価以上の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、好ましくはグリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートなどである。
【0052】
その他のヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのようなアルコキシ基とヒドロキシル基含有の(メタ)アクリル酸エステル類;ステアリン酸変性ペンタエリストールジアクリレートなどの変性アクリル酸エステル類;などが挙げられる。
【0053】
活性水素含有スチレン類としては、例えば、一般式(5)
CH2=CR7−B−X (5)
で表される。式中、R7は水素原子またはアルキル基を示し、Bはフェニレン基を示す。Xはヒドロキシル基、アミノ基またはカルボキシル基を示し、好ましくはヒドロキシル基である。かかる化合物の具体例としては、例えば、p−ヒドロキシスチレン、p−カルボキシスチレンなどが挙げられる。
【0054】
これらの活性水素含有の重合性炭素−炭素不飽和化合物(c)は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。化合物(c)の使用量は、イソシアネート基を有する化合物に対して、イソシアネート基/活性水素(当量)比で、通常0.5〜3、好ましくは0.8〜2、より好ましくは1〜1.5の範囲である。
【0055】
本発明の不飽和(ポリ)ウレタン(i)は、(1)上記各成分[(a)、(b)及び(c)]を同時に反応させて製造することができる。また、本発明の不飽和(ポリ)ウレタン(i)は、(2)(a)成分と(b)成分を反応させて少なくとも2つのイソシアネート基を有する(ポリ)ウレタン化合物(d)を製造し、次いで該イソシアネート含有(ポリ)ウレタン化合物(d)と活性水素含有重合性炭素−炭素不飽和化合物(c)とを反応させて製造することができる。さらに、本発明の不飽和(ポリ)ウレタン(i)は、(3)(b)と(c)とを反応させてイソシアネート基含有の(ポリ)ウレタン化合物(e)を製造し、次いで該イソシアネート含有(ポリ)ウレタン化合物(e)と、多価カルボン酸と多価ヒンダードアルコールを含有する多価アルコールとを縮重合して得られるポリエステルポリオール(a)とを反応させて製造することができる。
【0056】
上記(1)の[(a)、(b)及び(c)]を同時に反応させる方法は、反応終了後の未反応イソシアネート基量が、反応前のイソシアネート量の通常1モル%以下、好ましくは0.5モル%以下、より好ましくは0.1モル%以下になるように各成分を適宜調整すればよく、通常(a)成分のヒドロキシル基と(c)成分の活性水素量の合計量とイソシアネート基量がほぼ当量になるように仕込まれる。具体的には、イソシアネート基/(ヒドロキシル基+活性水素)当量比が、通常0.5〜3、好ましくは0.7〜2、より好ましくは0.9〜1.1の範囲であり、ヒドロキシル基/活性水素(当量)比が、通常0.2〜5、好ましくは0.5〜2、より好ましくは0.9〜1.1の範囲である。
【0057】
(1)の反応は、無触媒でもよいが、通常は、トリエチルアミン、モルホリン、ピペラジンなどのような第3級アミン;ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズアセテート、モノブチルスズオキサイド、オレイン酸第一スズ、タル油酸第一スズ、オクタン酸鉛などのような有機金属化合物;などの触媒存在下で行われる。触媒の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量に対して、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%の範囲である。また、(1)の反応は、キシレン、トルエン、2−エトキシエチルアセテートなどの化学的に不活性な溶媒を用いてもよいが、通常は、無溶媒系で行われる。反応温度は、通常0〜200℃、好ましくは30〜150℃、より好ましくは50〜120℃の範囲であり、反応時間は、通常0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間、より好ましくは2〜8時間の範囲である。
【0058】
上記(2)の(a)と(b)を反応させる第1段回目の反応は、反応生成物である(ポリ)ウレタン化合物(d)がイソシアネート基を有するように、イソシアネート基/ヒドロキシル基(当量)比で、通常1以上、好ましくは1〜5、より好ましくは1.1〜3、最も好ましくは1.2〜2の範囲で行われる。この反応は、無触媒でもよいが、通常は(1)の反応と同様な第3級アミンや有機金属化合物などの触媒存在下で行われる。触媒の使用量は、(a)と(b)の合計量に対して、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%の範囲である。反応温度は、通常0〜200℃、好ましくは30〜150℃、より好ましくは50〜120℃の範囲であり、反応時間は、通常0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間、より好ましくは2〜8時間の範囲である。
【0059】
上記(2)の(d)と(c)を反応させる第2段回目の反応は、反応生成物である不飽和(ポリ)ウレタン(i)中の重合性炭素−炭素不飽和基の数が少なくとも2つになるように(d)成分と(c)成分の割合が適宜選択される。(d)成分と(c)成分の割合は、イソシアネート基/活性水素(当量)比で、通常0.5〜3、好ましくは1〜2、より好ましくは1〜1.5の範囲である。この反応は、無触媒でもよいが、通常は(1)の反応と同様な第3級アミンや有機金属化合物などの触媒存在下で行われる。触媒の使用量は、(d)と(c)の合計量に対して、通常0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%の範囲である。反応温度は、通常0〜200℃、好ましくは30〜150℃、より好ましくは50〜120℃の範囲であり、反応時間は、通常0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間、より好ましくは2〜8時間の範囲である。
【0060】
上記(3)の(b)と(c)を反応させる第1段回目の反応は、反応生成物である(ポリ)ウレタン化合物(e)が分子内にイソシアネート基を有するように、イソシアネート基/ヒドロキシル基(当量)比で、通常1以上、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3、最も好ましくは1〜2の範囲で行われる。この反応は、無触媒でもよいが、通常は(1)の反応と同様な第3級アミンや有機金属化合物などの触媒存在下で行われる。触媒の使用量は、(b)と(c)の合計量に対して、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%の範囲である。反応温度は、通常0〜200℃、好ましくは30〜150℃、より好ましくは50〜120℃の範囲であり、反応時間は、通常0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間、より好ましくは2〜8時間の範囲である。
【0061】
上記(3)の(e)と(a)を反応させる第2段回目の反応は、反応生成物(i)が少なくとも2つの重合性炭素−炭素不飽和を有するように(e)成分及び(a)成分の割合が適宜選択される。(e)成分と(a)成分の割合は、イソシアネート基/活性水素(当量)比で、通常0.5〜3、好ましくは1〜2、より好ましくは1〜1.5の範囲である。この反応は、無触媒でもよいが、通常は(1)の反応と同様な第3級アミンや有機金属化合物などの触媒存在下で行われる。触媒の使用量は、(e)と(a)の合計量に対して、通常0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%の範囲である。反応温度は、通常0〜200℃、好ましくは30〜150℃、より好ましくは50〜120℃の範囲であり、反応時間は、通常0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間、より好ましくは2〜8時間の範囲である。
【0062】
上記(1)、(2)及び(3)の製造方法において、重合性炭素−炭素結合の重合反応を防ぐ上で重合禁止剤を添加するのが好ましい。重合禁止剤としては、ラジカル重合を防ぐために通常使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、例えば、トリハイドロキノン、ハイドロキノン、1,4−ナフトキノン、パラベンゾキノン、トルハイドロキノン、p−tert−ブチルカテコール、2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。これらの重合禁止剤の使用量は、化合物(c)に対して、通常0.00001〜0.5重量%、好ましくは0.0001〜0.1重量%、より好ましくは0.001〜0.05重量%の範囲である。
【0063】
かくして得られる本発明の不飽和(ポリ)ウレタン(i)としては、例えば、一般式(6)
P1(OH)n (6)
(式中、P1は重合脂肪酸及び/または重合脂肪酸エステルを含む多価カルボン酸成分と多価アルコールを縮重合したポリエステル鎖、nは少なくとも2の整数を示す。)で表されるポリエステルポリオール(a)を用いて、一般式(7)
OCN−R8−NCO (7)
(式中、R8はアルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキレンアルキレン基またはアリーレン基を示す。)
で表される2価のポリイソシアネート(b)と前記一般式(4)で表され式中のmが1である化合物(c)とを上記(3)の方法で反応させた場合、一般式(8)
P1(OCONH−R8−NHCO−A−CR6=CH2)n (8)
で表される。
【0064】
一般式(8)中のR6およびAは、前記一般式(4)中の具体例と同様である。
一般式(8)中のR8は、アルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキレンアルキレン基、アリーレン基を示し、好ましくはシクロアルキレンアルキレン基、アリーレン基であり、より好ましくはアリーレン基である。アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ヘキシレン基などが挙げられる。シクロアルキレン基としては、例えば、シクロペンチリレン基、シクロヘキシリレン基などが挙げられる。シクロアルキレンアルキレン基としては、例えば、シクロヘキシレンメチレン基、シクロヘキシルエチレン基などが挙げられ、1〜4個の低級アルキル基が置換されていてもよい。アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、トリレン基、ナフタレン基などが挙げられ、1〜4個の低級アルキル基が置換されていてもよい。
【0065】
また、本発明の(ポリ)ウレタン(i)は、例えば、一般式(9)
HO−P2−OH (9)
(式中、P2はダイマー酸及び/またはダイマー酸エステルを含む2価カルボン酸成分と2価アルコールを縮重合したポリエステル鎖を示す。)で表されるポリエステルポリオール(a)を用いて、前記一般式(7)で表される2価のポリイソシアネート(b)と前記一般式(4)で表され式中のmが1である化合物(c)とを上記(1)または(2)の方法で反応させた場合、一般式(10)
H2C=CR6-A-OCONH-R8-NHCOO-(P2-OCONH-R8-)p-NHCOO-A-CR6=CH2 (10)
で表される。
【0066】
一般式(10)中のP2は、前記一般式(9)のP2、一般式(10)中のR8は前記一般式(7)の具体例と同様であり、一般式(10)中のR6およびAは、前記一般式(4)中の具体例と同様である。式中のpは、1〜20の整数を示し、好ましくは1〜10の整数、より好ましくは1〜5の整数を示す。
【0067】
硬化性樹脂組成物
本発明の硬化性樹脂組成物は、分子内に少なくとも2つの重合性炭素−炭素不飽和結合を有する重合性不飽和化合物(f)と希釈剤(g)とを含有してなり、重合性不飽和化合物(f)として前記不飽和(ポリ)ウレタン(i)を含むことを特徴とする。
【0068】
重合性不飽和化合物中の前記不飽和(ポリ)ウレタン(i)の含有量は、全重合性不飽和化合物量の通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。
【0069】
重合性不飽和化合物中の前記不飽和(ポリ)ウレタン(i)以外の残部は、重合性の炭素−炭素不飽和結合を分子内に少なくとも2つ有するものであれば特に制限はされず、例えば、ポリエーテルポリオールのウレタンアクリレートオリゴマー、その他のポリエステルポリオールのウレタンアクリレートオリゴマー、エーテル基とエステル基の両方を有するウレタンアクリレートオリゴマー、カーボネートポリオールのウレタンアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。これらの重合性不飽和化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0070】
希釈剤(g)としては、通常の硬化性樹脂組成物で一般的に使用されるものであれば特に限定はされず、例えば、モノビニル化合物などが用いられる。モノビニル化合物としては、例えば、脂肪族ビニル、芳香族ビニル、複素環式ビニル、不飽和アルコールエステル、不飽和エーテル、不飽和カルボン酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも不飽和カルボン酸エステルが好適である。
【0071】
脂肪族ビニルとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−オクタデセンなどの分子末端に炭素−炭素二重結合を有するオレフィン化合物が挙げられる。これらの中でも、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−オクタデセンなどの分子末端に炭素−炭素二重結合を有する高級オレフィン類が挙げなどが好ましい。
【0072】
芳香族ビニルとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレン等を挙げることができる。これらの中でも、スチレンが好ましい。
【0073】
複素環式ビニルとしては、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン,N−ビニルイミダゾリン、N−ビニルカプロラクタムなどが挙げられる。
【0074】
不飽和アルコールのエステルや不飽和エーテルなどに用いられる不飽和アルコールは、炭素数が通常2〜20、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6のものが用いられる。不飽和アルコールの好ましい例としては、例えば、ビニルアルコール、1−メチルビニルアルコール、アリルアルコール、10−ウンデセン−1−オール、1−オクテン−3−オール、2−メタノールノルボルネン、p−ヒドロキシスチレンなどが挙げられ、これらの中でもビニルアルコール、1−メチルビニルアルコールなどが特に好ましい。
【0075】
不飽和アルコールのエステルとしては、上記不飽和アルコールのエステル化合物であれば特に制限はないが、通常、不飽和アルコールの飽和カルボン酸エステルが用いられる。飽和カルボン酸としては、炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6のものが用いられる。飽和カルボン酸の具体例としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、オクタン酸、ラウリル酸、ステアリン酸、エイコ酸などが挙げられ、好ましくは蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸などである。不飽和アルコールのエステルの好ましい例としては、例えば、蟻酸ビニル、蟻酸アリル、酢酸ビニル、酢酸アリル、プロピオン酸ビニル、プロピオン酸アリル、酪酸ビニル、酪酸アリルなどが挙げられ、これらの中でも酢酸ビニル、酢酸アリルなどが最も好ましい。
【0076】
不飽和エーテルとしては、上記不飽和アルコールのエーテル化合物であれば特に制限はないが、例えば、ヒドロキシメチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシメチルプロペニルエーテル、2−ヒドロキエチルイソプロペニルエーテルなどが好ましい例として挙げられ、好ましくはヒドロキシメチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテルなどである。
【0077】
不飽和カルボン酸エステルとしては、特に、アクリル酸やメタクリル酸のエステル化合物が好適である。(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸やメタクリル酸などの置換基を有してもよいアルキルエステル、置換基を有してもよいシクロアルキルエステル、置換基を有してもよいアリールエステル、置換基を有してもよいアラルキルエステルなどが挙げられ、これらの中でも、置換基を有してもよいアルキルエステルが好ましい。
【0078】
アルキルエステルの置換基を有さないアルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、sec−ノニル、1−エチルヘプチル、1−プロピルヘキシル、1−ブチルアミル、イソボニル、オクタデシルなどが挙げられ、これらの中でも、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、sec−ノニル、1−エチルヘプチル、1−プロピルヘキシル、1−ブチルアミル、イソボニル、オクタデシルなどの高級アルキルが好ましい。
【0079】
アルキルの置換基としては、本発明に反応に影響しないものであれば特に制限はされず、例えば、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリロキシ基、アルキルアミノ基、ハロゲン原子などが挙げられ、好ましくはヒドロキシル基、アルコキシ基、アリロキシ基である。かかる置換基を有するアルキル基としては、特に該置換基を有する低級アルキル基が好ましい。
【0080】
シクロアルキルエステルのシクロアルキルとしては、例えば、シクロペンチル、2−メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシルなどのが挙げられる。アリールエステルのアリールとしては、例えば、フェニルなどが挙げられる。アラルキルエステルのアラルキルとしては、例えば、ベンジル、フェネチルなどが挙げられる。これらシクロアルキル、アリール及びアラルキルの置換基は、上記アルキル基の置換基の具体例とアルキル基などが挙げられる。
【0081】
(メタ)アクリル酸エステルの好ましい例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、1−ブチルアミル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのオリゴまたはポリオキシアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリレート;グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートなどの3価以上のアルコールの(メタ)アクリレート;などが挙げられる。これらの中でも、アルキル(メタ)アクリレートやヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが好ましく、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、1−ブチルアミル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレートなどの高級アルキル(メタ)アクリレートやヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなどの低級ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0082】
その他の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシルカルビトール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0083】
これらの希釈剤(g)は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。希釈剤(g)の使用量は、重合性不飽和化合物(f)100重量部に対して、通常10〜300重量部、好ましくは20〜200重量部、より好ましくは30〜150重量部の範囲である。
【0084】
本発明の硬化性樹脂組成物の硬化は、特に制限はなく、例えば、熱や活性エネルギー線の照射により行うことができるが、好適には活性エネルギー線の照射である。活性エネルギー線とは、紫外線及び電子線、α線、β線、γ線のような電離性放射線を言い、紫外線を用いる場合の本発明の硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤(h)及び/または光増感剤(j)を含有させることが好ましい。電子線、γ線のような電離性放射線を用いる場合には、光重合開始剤や光増感剤を含有させることなく速やかに硬化を進めることができる。
【0085】
光重合開始剤(h)としては、光によりラジカルを発生し、そのラジカルが重合性不飽和化合物と効率的に反応するものであれば、特に制限はなく、公知の光重合開始剤を使用することができる。
【0086】
光重合開始剤(h)の具体例としては、例えば、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル系化合物;ベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ジベンジル、ベンジルジメチルケタールなどのベンジル系化合物;2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4’−フェノキシ−2,2−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン系化合物;2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2−エチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、ナフトキノン等のアントラキノン系化合物;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4’−ドデシル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノン系化合物;オクテン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクテン酸マンガン、ナフテン酸マンガン等の有機酸金属塩;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物;等の光重合開始剤を挙げることができる。
【0087】
これらの光重合開始剤(h)は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。光重合開始剤(h)の使用量は、重合性単量体成分(f)100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部の範囲である。
【0088】
光増感剤(j)としては、通常の光硬化性樹脂組成物で用いられるものであれば格別制限はなく、例えば、メチルアミン、トリブチルアミン、n−メチルジエタノールアミン等のような脂肪族アミン類;ジフェニルアミン、トリベンジルアミン等のような芳香族アミン類;o−トリルチオ尿素、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルフォネート等のようなイオウ化合物;N,N−ジ置換−p−アミノベンゾニトリル化合物等のようなニトリル類;トリ−n−ブチルホスフィン等のようなリン化合物;N−ニトロソヒドロキシルアミン等のニトロソアミン類;を挙げることができる。
【0089】
これらの光増感剤(j)は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。光増感剤(j)の使用量は、本発明の効果を妨げない範囲で適宜選択される。
【0090】
本発明の硬化性樹脂組成物においては、保存時の重合を防ぐ上で重合禁止剤(k)を添加するのがよい。該重合禁止剤(k)としては、通常の硬化性樹脂組成物で用いられるものであれば格別制限はなく、例えば、トリハイドロキノン、ハイドロキノン、1,4−ナフトキノン、パラベンゾキノン、トルハイドロキノン、p−tert−ブチルカテコール、2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。
【0091】
これらの重合禁止剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせてもちることができる。重合禁止剤(k)の使用量は、硬化性樹脂組成物中、通常1〜1000ppm、好ましくは5〜500ppm、より好ましくは10〜100ppmの範囲である。
【0092】
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記各成分を常法に従って混合して製造することが出来る。本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、通常の硬化性樹脂組成物で一般的に用いられるその他の配合剤を添加することができる。その他の配合剤としては、例えば、特開平7−268046号公報に開示される天然及び合成高分子化合物;特開平7−268046号公報に開示される繊維強化材;鉄、クロム、ニッケル、コバルトもしくはこれらの合金、もしくはこれらの酸化物;フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−オクチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、p−イソプロポキシ・ジフェニルアミン、ジ−o−トリルエチレンジアミンなどの各種安定剤(酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱防止剤等);ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルラウリルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジラウリルフタレート、ジ−2−オクチルフタレート、ジ−n−ブチルアジペート、ジイソオクチルアジペート、オクチルデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシル−4−チオアゼレート、ジエチルセバケート、ジ−n−ブチルマレート、ジエチルマレートなどの可塑剤;酸化チタン、亜鉛華、鉛白、鉛丹、亜酸化銅、鉄黒、カドミウムイエロー、モリブデンレッド、銀朱、黄鉛、酸化クロム、紺青、カーボンブラック、硫酸バリウム、アルミナホワイト、ホワイトカーボンなどの無機顔料、有機顔料等の着色剤;フェライト等の導電性付与剤;炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、マイカ、ドロマイト、クレー、タルク、酸化亜鉛、ガラス繊維等の無機充填剤;シリカ、カーボンブラックなどの補強剤;フェライトなどの導電性付与剤剤;帯電防止剤;核剤;難燃剤;オイルなどの各種添加剤が挙げられる。
【0093】
これらの配合剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を併用して使用することができ、その配合量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜決められる。
【0094】
本発明の硬化性樹脂組成物の硬化方法は、常法に従って行うことができる。例えば、紫外線源としては、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等を挙げることができる。紫外線を照射する雰囲気としては、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下あるいは酸素濃度を低下させた雰囲気が好ましいが、通常の空気雰囲気下でも本発明の硬化性樹脂組成物を硬化することができる。照射雰囲気温度としては、常温でも、積極的に加温して硬化反応に熱を利用してもよく、通常10〜200℃の範囲で硬化することができる。
【0095】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。これらの例中の部および%は、特に断わりがない限り重量基準である。
【0096】
なお、物性の測定は、下記の方法に準拠した。
(1)重量平均分子量
ポリエステルの重量平均分子量は、GPC法に従って、標準ポリスチレン換算量として算出した。
(2)水酸基価
ポリエステルの水酸基価は、“基準油脂分析試験法2,4,9,2−83”(日本油化学協会)に準じて測定した。
(3)イソシアネート基含有量
JIS K7301に準じて、試料を乾燥トルエンに溶解後、過剰のジ−n−ブチルアミン溶液を加えて反応させ、残存ジ−n−ブチルアミン量を塩酸標準溶液で逆滴定して求めた。
(4)遊離トリレンジイソシアネート量(TDI)
JIS K7301に準じて、試料に溶剤として流動パラフィン、共沸溶剤として安息香酸イソアミルを添加し溶液とした後、真空蒸留によって、溶液から共沸溶剤と遊離TDIを留出させ、留出した遊離TDIを過剰のジ−n−ブチルアミン溶液を加えて反応させ、残存するジー−n−ブチルアミンを塩酸標準溶液で逆滴定して求めた。
(5)可撓性
JIS K6301に準じて測定し、ショア硬度Aとした表示した。ショア硬度が小さい程、可撓性に優れる。
(6)耐熱性
105℃のオーブン中で1時間放置後の重量変化率(%)を求めた。
(7)耐水性
JIS K6911に準じ、3個の試料について25℃、24時間後における樹脂硬化物の吸水率(%)を測定した。
(8)接着性
ポリプロピレン板に光硬化性樹脂組成物を厚さ50μmに塗布し、予め140℃で4分間加熱していたSUS304板を塗布面に載せ、0.5kg/cm2 の圧力で10秒間圧締する。80℃×12時間後の常態剥離強度を50mm/minの引っ張り速度で測定した。
【0097】
実施例1
撹拌機、温度計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入管を備えた1000cc用四つ口フラスコに、重合脂肪酸(ハリダイマー300;酸価195、モノマー酸0.5%、ダイマー酸97.0%、トリマー酸2.5%、ハリマ化成社製)320.0g、2−ブチル−2−エチル1,3−プロパンジオール115.9g及び触媒としてモノブチルチンオキサイド0.26gを仕込んだ。(OH/COOH当量比=1.30)
【0098】
窒素ガス導入しながら撹拌を行い、100℃まで昇温した。続いて、反応中に生成する水及び未反応のジオールを除去しながら、100℃から240℃まで6時間を要して昇温した。その後240℃で脱水を行いながら、8時間反応を続けた。更に240℃の温度で、100mmHgの減圧下で2時間反応を行った。得られたポリエステルポリオール1は重量平均分子量6300、酸価0.3、水酸基価41.4であった。
【0099】
次いで、撹拌機、温度計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入管を備えた1000cc用四つ口フラスコに、上記製造したポリエステルポリオール1を240gと2,4−トリレンジイソシアネート30.8gを仕込み、触媒としてジブチル錫ジラウレートを10ppmを加え60℃で4時間反応させた。反応終了後の水酸基価は0.15mgKOH/g、NCO含有量は2.73%であった。次いで、2−ヒドロキシプロピルアクリレートを23.0部、重合禁止剤としてt−ブチルハイドロキノンを40ppm及び触媒としてジブチル錫ジラウレートを10ppmを加え、さらに70℃で10時間反応させて、アクリロイル基(赤外吸収スペクトルにてC=CとC=Oの共役吸収波長1600cmー1の存在により確認した。)を有する重合性不飽和(ポリ)ウレタン化合物(A−1)を得た。A−2の重量平均分子量は9850、残存イソシアネートは0.02重量%であった。
【0100】
実施例2
撹拌機、温度計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入管を備えた1000cc用四つ口フラスコに、水素化重合脂肪酸(ハリダイマー300の水素化物;ヨウ素価6、酸価195、モノマー酸0.5%、ダイマー酸97.0%、トリマー酸2.5%、ハリマ化成社製)315.4g、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール 86.8g及び触媒としてモノブチルチンオキサイド0.26gを仕込んだ。(OH/COOH当量比=1.20)
【0101】
窒素ガス導入しながら撹拌を行い、100℃まで昇温した。続いて、反応中に生成する水及び未反応のジオールを除去しながら、100℃から240℃まで6時間を要して昇温した。その後240℃で脱水を行いながら、8時間反応を続けた。更に240℃の温度で、100mmHgの減圧下で2時間反応を行った。得られたポリエステルポリオール2は重量平均分子量9860、酸価0.21、水酸基価25.7であった。
【0102】
次いで、撹拌機、温度計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入管を備えた1000cc用四つ口フラスコに、上記製造したポリエステルポリオール2を300gと2,4−トリレンジイソシアネート23.9gを仕込み、触媒としてジブチル錫ジラウレートを10ppmを加え60℃で4時間反応させた。反応終了後の水酸基価は0.25mgKOH/g、NCO含有量は1.78%であった。次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレートを11.6g、重合禁止剤としてt−ブチルハイドロキノンを40ppm及び触媒としてジブチル錫ジラウレートを10ppmを加え、さらに70℃で10時間反応させて、アクリロイル基を有する重合性不飽和(ポリ)ウレタン化合物(A−2)を得た。A−2の重量平均分子量は15,400、残存イソシアネートは0.05重量%であった。
【0103】
実施例3
撹拌機、温度計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入管を備えた1000cc用四つ口フラスコに、アジピン酸73.1g、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール104.2g及び触媒としてモノブチルチンオキサイド0.26gを仕込んだ。(OH/COOH当量比=1.30)
【0104】
窒素ガス導入しながら撹拌を行い、100℃まで昇温した。続いて、反応中に生成する水及び未反応のジオールを除去しながら、100℃から240℃まで6時間を要して昇温した。その後240℃で脱水を行いながら、8時間反応を続けた。更に240℃の温度で、100mmHgの減圧下で2時間反応を行った。得られたポリエステルポリオール3は重量平均分子量3540、酸価0.1、水酸基価57.3であった。
【0105】
次いで、撹拌機、温度計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入管を備えた1000cc用四つ口フラスコに、上記ポリエステルポリオール3を300gと2,4−トリレンジイソシアネート37.3gを仕込み、触媒としてジブチル錫ジラウレートを10ppmを加え60℃で4時間反応させた。反応終了後の水酸基価は0.42mgKOH/gであり、NCO含有量は1.33%であった。次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレートを12.4g、重合禁止剤としてt−ブチルハイドロキノンを40ppm及び触媒としてジブチル錫ジラウレートを10ppmを加え、さらに70℃で10時間反応させて、アクリロイル基を有する重合性不飽和(ポリ)ウレタン化合物(A−3)を得た。A−3の重量平均分子量は18,500、残存イソシアネートは0.04重量%であった。
【0106】
比較例1
撹拌機、温度計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入管を備えた1000cc用四つ口フラスコに、アジピン酸154.3g、1,6−ヘキサンジオール149.7g及び触媒としてモノブチルチンオキサイド0.26gを仕込んだ。(OH/COOH当量比=1.20)
【0107】
窒素ガス導入しながら撹拌を行い、100℃まで昇温した。続いて、反応中に生成する水及び未反応のジオールを除去しながら、100℃から240℃まで6時間を要して昇温した。その後240℃で脱水を行いながら、8時間反応を続けた。更に240℃の温度で、100mmHgの減圧下で2時間反応を行った。得られたポリエステルポリオール4は重量平均分子量4980、酸価0.3、水酸基価43.3であった。
【0108】
次いで、撹拌機、温度計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入管を備えた1000cc用四つ口フラスコに、上記ポリエステルポリオール4を300gと2,4−トリレンジイソシアネート32.2gを仕込み、触媒としてジブチル錫ジラウレートを10ppmを加え60℃で4時間反応させた。反応終了後の水酸基価は0.03mgKOH/gであり、NCO含有量は1.17%であった。次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレートを10.7g、重合禁止剤としてt−ブチルハイドロキノンを40ppm及び触媒としてジブチル錫ジラウレートを10ppmを加え、さらに70℃で10時間反応させて、アクリロイル基を有する重合性不飽和(ポリ)ウレタン化合物(B−1)を得た。B−1の重量平均分子量は14,700、残存イソシアネートは0.02重量%であった。
【0109】
比較例2
撹拌機、温度計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入管を備えた1000cc用四つ口フラスコに、アジピン酸73.1g、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール104.2g及び触媒としてモノブチルチンオキサイド0.26gを仕込んだ。(OH/COOH当量比=1.30)
【0110】
窒素ガス導入しながら撹拌を行い、100℃まで昇温した。続いて、反応中に生成する水及び未反応のジオールを除去しながら、100℃から240℃まで6時間を要して昇温した。その後240℃で脱水を行いながら、8時間反応を続けた。更に240℃の温度で、100mmHgの減圧下で2時間反応を行った。得られたポリエステルポリオール5は重量平均分子量3540、酸価0.1、水酸基価57.3であった。
【0111】
次いで、撹拌機、温度計、還流冷却管、分水管及び窒素ガス導入管を備えた1000cc用四つ口フラスコに、上記ポリエステルポリオール5を300gと2,4−トリレンジイソシアネート53.2gを仕込み、触媒としてジブチル錫ジラウレートを10ppmを加え60℃で4時間反応させた。反応終了後の水酸基価は0.03mgKOH/gであり、NCO含有量は1.82%であった。次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレートを17.7g、重合禁止剤としてt−ブチルハイドロキノンを40ppm及び触媒としてジブチル錫ジラウレートを10ppmを加え、さらに70℃で10時間反応させて、アクリロイル基を有する重合性不飽和(ポリ)ウレタン化合物(B−2)を得た。B−2の重量平均分子量は4,330、残存イソシアネートは0.04重量%であった。
【0112】
実施例4〜6、比較例3〜4
実施例1〜3で得た不飽和(ポリ)ウレタン(A−1)〜(A−3)もしくは比較例1〜2で得た不飽和(ポリ)ウレタン(B−1)〜(B−2)を70部、3−ヒドロキシプロピルアクリレートを12部、イソボルニルアクリレートを38部、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレートを10部、光重合開始剤1部(IRGACURE−184;チバガイギー社製)を配合・混合し、石英ガラス板上に展延し、厚さ2mmのスペーサーをあてがって石英ガラスを重ねた。これに1200mj/cm2の紫外線を照射して硬化シートを作成し、各種試験を実施した。その結果を表1に示した。
【0113】
【表1】
【0114】
表1より、本発明の多価アルコール成分として一般式(1)で表されるヒンダードグリコールを含むものを用いた不飽和(ポリ)ウレタンを含有する硬化性樹脂組成物(実施例4〜6)は、可撓性、耐熱性、耐水性及び接着性のいずれの特性にも優れていることがわかる。また、ポリエステルポリオールの多価カルボン酸成分として重合脂肪酸を含むものを用いた時に(実施例4〜5)、可撓性、耐水性及び接着性が更に改善されることが判る。一方、多価アルコール成分として一般式(1)で表されるヒンダードグリコールを含むものを用いても、不飽和(ポリ)ウレタン化合物の重量平均分子量が小さい場合(比較例4)は、可撓性、耐水性及び接着性に劣ることがわかる。
【0115】
本発明の好ましい実施態様を以下に示す。
(1)多価カルボン酸及び/または多価カルボン酸エステルと、前記一般式(1)で表されるヒンダードグリコールを含有する多価アルコール成分とを縮重合して得られる、水酸基価が3〜200mgKOH/gのポリエステルポリオール(a)、ポリイソシアネート(b)、及び分子内に活性水素と重合性の炭素−炭素不飽和結合とを有する化合物(c)を反応させて得られる重量平均分子量(Mw)が5,000〜100,000で分子内に少なくとも2つの重合性炭素−炭素不飽和結合を有する不飽和(ポリ)ウレタン(i)。
(2)多価カルボン酸及び/または多価カルボン酸エステルと、前記一般式(1)で表されるヒンダードグリコールを含有する多価アルコール成分とを縮重合して得られる、水酸基価が3〜200mgKOH/gのポリエステルポリオール(a)とポリイソシアネート(b)とを反応させて得られる少なくとも2つのイソシアネート基を含有する(ポリ)ウレタン化合物(d)と分子内に活性水素と重合性炭素−炭素不飽和結合とを有する化合物(c)とを反応させて得られる(1)記載の不飽和(ポリ)ウレタン(i)。
(3)ポリイソシアネート(b)と分子内に活性水素と重合性炭素−炭素不飽和結合とを有する化合物(c)とを反応させて得られるイソシアネート基含有の(ポリ)ウレタン化合物(e)と多価カルボン酸及び/または多価カルボン酸エステルと、前記一般式(1)で表されるヒンダードグリコールを含有する多価アルコール成分とを縮重合して得られる、水酸基価が3〜200mgKOH/gのポリエステルポリオール(a)とを反応させて得られる(1)記載の不飽和(ポリ)ウレタン(i)。
【0121】
(4)分子内に少なくとも2つの重合性炭素−炭素不飽和結合を有する重合性不飽和化合物(f)と希釈剤(g)を含有してなる硬化性樹脂組成物であって、該重合性不飽和化合物が(1)〜(3)のいずれかに記載の不飽和(ポリ)ウレタン(i)を50重量%以上含むものである硬化性樹脂組成物。
(5)希釈剤(g)の使用量が、重合性不飽和化合物(f)100重量部に対して、10〜300重量部である(4)記載の硬化性樹脂組成物。
(6)希釈剤(g)が、モノビニル化合物である(4)または(5)記載の硬化性樹脂組成物。
(7)モノビニル化合物が、脂肪族ビニル、芳香族ビニル、複素環式ビニル、不飽和カルボン酸エステル、不飽和アルコールエステル及び不飽和エーテルから選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは不飽和カルボン酸エステルである(6)記載の硬化性樹脂組成物。
(8)不飽和カルボン酸エステルが、(メタ)アクリル酸エステルである(7)記載の硬化性樹脂組成物。
【0122】
(9)さらに光重合開始剤(h)を含有してなる(4)〜(8)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(10)光重合開始剤(h)の使用量が、重合性単量体成分(g)100重量部に対して、0.1〜20重量部である(9)記載の硬化性樹脂組成物。
(11)光重合開始剤(h)が、ベンゾインアルキルエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、チオキサントン系化合物及びアントラキノン系化合物から選ばれる少なくとも1種である(9)または(10)記載の硬化性樹脂組成物。
(12)さらに光増感剤(j)を含有してなる(4)〜(11)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(13)さらに重合禁止剤(k)を含有してなる(4)〜(12)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(14)重合禁止剤(k)の使用量が、硬化性樹脂組成物中、1〜1000ppmの範囲である(13)記載の硬化性樹脂組成物。
(15)上記(4)〜(14)のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる成形体。
【0123】
【発明の効果】
本発明を実施することにより、硬化性に優れ、しかも接着性、耐熱性、耐水性及び可撓性にも優れた重合性不飽和化合物及び硬化性樹脂組成物、ならびに該硬化性樹脂組成物を硬化してなる成形体を提供できる。本発明の硬化性樹脂組成物および成形体は、これらの特性を活かして、FRP成形材料、パテ、注形品、接着剤やインキ等のバインダー、シール材、ガスケット及び被覆用途、例えばゲルコート剤、シーリング材、防水材、ライニング材、床材等の土木建築関係用途などに使用できる。
Claims (8)
- 分子内に少なくとも2つの重合性炭素−炭素不飽和結合を有する重合性不飽和化合物(f)と希釈剤(g)を含有してなる硬化性樹脂組成物であって、該重合性不飽和化合物(f)が請求項1〜3のいずれかに記載の不飽和(ポリ)ウレタン(i)を50重量%以上含むものである硬化性樹脂組成物。
- さらに光重合開始剤(h)を含有してなる請求項4記載の硬化性樹脂組成物。
- さらに光増感剤(j)を含有してなる請求項4または請求項5に記載の硬化性樹脂組成物。
- さらに重合禁止剤(k)を含有してなる請求項4〜請求項6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項4〜請求項7のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる成形体。
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