JP3665751B2 - プラズマ処理中の温度測定方法及びそれに使用する温度測定用部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェーハ等の被処理物をプラズマ処理する際の温度を測定する技術に関し、特に、半導体デバイス製造工程に用いられるプラズマ装置において、プラズマ処理中の温度を測定する方法、及びこの温度測定に使用する温度測定用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイス製造工程には、シリコンウェーハの表面に回路パターンを形成するためにエッチング工程や、酸化膜や窒化膜等の膜付けを行うCVD工程等がある。近年、このような工程においては、回路パターンの配線の微細化や均一性の観点からドライ化及び枚葉化が進められている。
このドライ化の処理においては、プラズマ中で行われるのが普通となってきており、プラズマドライエッチング装置やプラズマCVD装置が一般に用いられている。
【0003】
これらのプラズマ装置を用いてシリコンウェーハを処理する際、プラズマ処理中の温度を測定する方法としては、従来、熱電対を被処理物であるシリコンウェーハの近傍に置いて温度を測定する方法がある。しかしこの方法では、プラズマ処理中のシリコンウェーハの実際の温度を測定することができないほか、熱電対には通常重金属が用いられているため、熱電対に起因するシリコンウェーハの重金属汚染が生じるという問題があった。また、シリコンウェーハ近傍に熱電対を置くため、プラズマ処理の均一性が乱れるという問題もあった。
【0004】
これらの問題を解決する手段として、シリコンウェーハの裏面に熱電対を接触させて温度を測定するという方法もある。
ところが、近年のプラズマ装置においては、シリコンウェーハを載置するステージには静電チャックが採用されている。この静電チャックは、通常、ステージ全面にチャック用の電極が埋設されていて、ウェーハ裏面全体を均一に吸着するというものである。従って、上記方法のように熱電対をウェーハの裏面に接触させるには、ステージの一部に熱電対を挿入するための孔をあけたり、静電チャック用の電極パターンを変形させることが必要となる。しかしながら、静電チャックに上記のような加工を施すと、シリコンウェーハ全体を均一にチャックすることができなくなる。従って、この方法でもウェーハ全面を均一にプラズマ処理できない場合がある。
【0005】
また、プラズマCVD装置においては、シリコンウェーハを加熱する必要があるが、このヒーターは、通常シリコンウェーハの裏面側(ステージ)に配置されている。従って、熱電対を裏面側からシリコンウェーハに接触させて温度を測定した場合、その測定値はヒーターの影響を少なからず受けたものとなり、シリコンウェーハの温度を正確に測定できないという問題もあった。
【0006】
さらに、プラズマ処理中の温度測定手段として、熱電対を埋め込んだシリコンウェーハを用いる方法がある。この方法で予め温度データを測定しておき、この際の条件でシリコンウェーハをプラズマ処理する等の方法も良く用いられる。しかしながら、この方法では、実際にプラズマ処理を行う際に温度を測定するものではなく、前もって行った温度データを取るための処理と実際のプラズマ処理とが全く同じ処理になるとは限られず、温度を正確に測定しているとは言い難い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、プラズマ処理中の被処理物の温度を測定する場合、従来の熱電対を用いた温度測定では、重金属汚染や不均一なプラズマ処理が生じるおそれがあるほか、正確に温度を測定することが難しいという問題があった。
そこで、本発明では、重金属汚染を発生させず、また、ウェーハ面内の処理の均一性も損なわずに、プラズマ処理中の実際の温度を正確に測定することができる技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を行った結果、シリコン単結晶の比抵抗が温度により変化するという特性を利用し、これまで非常に困難であったプラズマ処理中の温度を、重金属汚染等を引き起こさずに正確に測定することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、チャンバ内で被処理物をプラズマにより処理する際に温度を測定する方法であって、チャンバ内に、シリコン単結晶からなる測温部材を設置し、プラズマ処理中に前記測温部材の電気抵抗を測定し、該測定値を前記温度に換算することを特徴とするプラズマ処理中の温度測定方法が提供される。
【0009】
このように、チャンバ内に配置したシリコン単結晶からなる測温部材の電気抵抗を測定し、その抵抗値を前記比抵抗と温度との相関関係に当てはめることで、そのときの温度を正確に測定することができる。また、この方法では測温部材をプラズマ処理の妨げにならない位置に設置して温度を測定することができるので、ウェーハ表面に均一なプラズマ処理を施すことができ、重金属を使用しないため、重金属汚染を引き起こすこともない。
【0010】
この場合、被処理物をシリコン単結晶ウェーハとすることが好ましい。
このようにシリコン単結晶ウェーハをプラズマ処理する際に本発明を適用すれば、測温部材が被処理物と同じ材質であるので、プラズマに測温部材が曝されたとしても、ウェーハが重金属等で汚染されることはない。従って、デバイス製造工程においてシリコンウェーハを処理する際に本発明を適用すれば、不純物汚染もほとんどなく、非常に優れたデバイスを製造することができる。
【0011】
さらに、測温部材は、処理されるシリコン単結晶ウェーハと結晶方位が同じシリコン単結晶からなるものを使用することが好ましく、また、処理されるシリコン単結晶ウェーハと同じ表面皮膜を有するものが好ましい。
このように処理されるシリコン単結晶ウェーハと同じ結晶方位や表面皮膜を有するシリコン単結晶からなる測温部材を構成すれば、実質的に処理されるウェーハと同じものの比抵抗を測定することになり、ウェーハ自体の温度をより正確に測定することができる。
【0012】
測温部材は、少なくとも前記被処理物の周囲に環状に設置することが好ましい。
測温部材を上記のように設置すれば、被処理物に非常に近い位置で測定することになり、プラズマ処理中の被処理物の温度を一層正確に把握することができる。
【0013】
また、測温部材は、少なくとも前記チャンバの内壁に設置してもよい。
このように内壁に設置した測温部材の比抵抗を測定して温度に換算することもできる。この場合、測温部材はプラズマに直接当たり難くなるので、測温部材の消耗を効果的に防ぐことができる。
【0014】
さらに、測温部材としては、測定すべきプラズマ処理中の温度に応じて、室温での比抵抗が0.001Ωcm以上、100Ωcm以下のシリコン単結晶からなるものを使用することができる。
シリコン単結晶は、室温での比抵抗が違えば、他の温度域での比抵抗の変化の仕方も異なる。従って、例えば測定すべき温度域において抵抗値が温度に比例して大きく変化するシリコン単結晶を測温部材として使用すれば、測定した抵抗値を温度に換算し易く、より正確な温度を求めることがきる。
【0015】
例えば、測定すべきプラズマ処理中の温度が300℃以下の場合、測温部材として、室温での比抵抗が0.001Ωcm以上、1Ωcm以下のシリコン単結晶からなるものを使用することが好ましく、一方、測定すべきプラズマ処理中の温度が300℃を超える場合は、室温での比抵抗が1Ωcmより大きく、100Ωcm以下のシリコン単結晶からなるものを使用することが好ましい。
【0016】
上記のように測定すべき特定の温度域に応じて測温部材を使い分ければ、部材の抵抗値と温度は1対1の関係になるので、それぞれ測定した抵抗値から温度を容易に決定することができるという利点がある。
【0017】
さらに、本発明によれば、チャンバ内で被処理物をプラズマにより処理する際に温度を測定するための部材であって、少なくともシリコン単結晶からなり、該部材の電気抵抗を測定するための配線が設けられていることを特徴とする温度測定用部材が提供される。
このようなシリコン単結晶を前記本発明の温度測定方法に使用すれば、電気抵抗を容易に測定して温度に換算することができるし、被処理物がシリコンウェーハである場合には、不純物となり難いという利点がある。
【0018】
また、温度測定用部材(測温部材)は、室温での比抵抗が0.001Ωcm以上、100Ωcm以下のシリコン単結晶からなることが好ましい。
この範囲の比抵抗を有するシリコン単結晶を使用すれば、測定した抵抗値を温度に換算し易い上、安価に入手可能であることから部材の製造コストを低く抑えることができる。
【0019】
さらに、前記部材の形状は、環状であることが好ましい。
このように、部材を環状とし、被処理物の周囲に設置すれば、プラズマ処理の均一性を乱すことなく、被処理物に非常に近い位置で温度を正確に測定することができるものとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明についてさらに詳しく説明する。なお、本発明が適用される被処理物は特に限定されないが、好適な態様として、シリコン単結晶ウェーハ(本発明では、単に「シリコンウェーハ」とも言う。)をプラズマ処理する場合について説明する。
【0021】
本発明では、チャンバ内で被処理物(シリコン単結晶ウェーハ)をプラズマにより処理する際、チャンバ内に、シリコン単結晶からなる温度測定用部材(本発明では「測温部材」とも言う。)を設置し、プラズマ処理中に前記測温部材の電気抵抗を測定し、該測定値を前記温度に換算することを特徴としている。すなわち、シリコン単結晶の比抵抗は温度によって変化するため、チャンバ内にシリコン単結晶からなる測温部材を設置してプラズマ処理中の電気抵抗を測定すれば、これを上記相関に当てはめて温度に換算することができる。
【0022】
シリコン単結晶の温度と比抵抗は、図2に示される関係にあることが分かっている。例えば、ドーパントがボロン(B)の場合、図2(b)から明らかなように、室温での比抵抗が0.01Ωcm程度であるものは、温度上昇とともに比抵抗も上昇し、750℃付近で最大となり、さらに温度が上昇すると比抵抗は低下する。すなわち、このようなシリコン単結晶は、少なくとも700℃までは比抵抗が上昇するという特性を有しており、逆に、比抵抗を測定すれば、その時の温度を割り出すことができる。
【0023】
また、図2に示されるように、シリコン単結晶の比抵抗のピークや傾きは、室温における比抵抗によって異なる。例えば、図2(b)に示されているように、ドーパントがBであり、室温で10Ωcm程度のシリコン単結晶では、約200℃のところに比抵抗のピークがある。また、このシリコン単結晶は、温度に対する比抵抗の変化量が大きく、温度に敏感に変化することもわかる。
このように比抵抗のピークや傾きは、シリコン単結晶の室温での比抵抗によって異なるので、測温部材として使用するシリコン単結晶は、測定すべきあるいは制御するべきプラズマ処理中のシリコンウェーハの温度に応じて適宜選択することが好ましい。
【0024】
例えば、測定すべき温度が室温から約300℃以下の範囲の場合、図2(b)に示されるように、室温での比抵抗が0.001Ωcm以上、1Ωcm以下のシリコン単結晶からなる測温部材を使用すれば、少なくとも室温から300℃以下の温度域では比抵抗が上昇し続け、比抵抗と温度は1対1の関係になる。従って、このような測温部材を使用して抵抗値を測定し、比抵抗を求めれば、この比抵抗の値から温度を容易に決定することができる。特に、室温での比抵抗が1Ωcm程度のBドープシリコン単結晶からなる測温部材を使用すれば、ほぼ300℃まで比抵抗が大きく上昇するので、測定した抵抗値から温度を算出し易く精度も高くなり有利である。
【0025】
なお、図2(b)に示されるように、例えば、室温での比抵抗が10ΩcmのBドープシリコン単結晶の場合、比抵抗は200℃付近まで上昇し、その後低下する。従って、室温から300℃までの温度域では、1つの比抵抗の値に対して2つの温度が対応し、温度を1つの値に特定できないおそれがある。従って、上記のように、300℃以下の測温では1Ωcm以下の比抵抗のものを用いる方がよい。ただし、測定すべき温度が200℃以内であれば、室温での比抵抗が10Ωcmのシリコン単結晶の比抵抗は、200℃まで急勾配で上昇するので、これを測温部材とすることで精度良く温度を測定することができる。
【0026】
一方、室温での比抵抗が1Ωcmより大きく、100Ωcm以下のシリコン単結晶では、図2(b)に示されるように、300℃を超える温度域では抵抗値が比較的急勾配で低下し続け、抵抗値と温度は1対1の関係になる。従って、測定すべき温度が300℃を超える場合は、上記のような測温部材を用いて測定した抵抗値から比抵抗を割り出し、これからそのときの温度を容易に決定することができる。
【0027】
ただし、測定すべき温度が、常温から1000℃近くまでに及ぶ場合は、例えば室温の抵抗値が0.01Ωcmより小さいシリコン単結晶は、比較的緩やかな勾配ではあるが、1000℃近くまで上昇し続けて比抵抗と温度との対応が1対1になる。従って、このようなシリコン単結晶を測温部材として使用すれば、測定した抵抗値から広い範囲にわたって温度を特定することができる。
【0028】
なお、室温での比抵抗を0.001Ωcmよりも小さくするには、ドーパント量を極めて多くする必要があり、固溶限界に近く、このようなシリコン単結晶の製造は極めて難しくなるという問題がある。従って、シリコン単結晶の室温での比抵抗は、0.001Ωcm以上に設定することが望ましい。
また、100Ωcmを超えるシリコン単結晶を使用すると、測定温度範囲が制限されるほか、シリコン単結晶を製造する際に不純物のコントロールを非常に高い精度で行わなければならないため、製造コストが大幅にアップしてしまう。
従って、測温部材としては、室温での比抵抗が0.001以上、100Ωcm以下のシリコン単結晶を使用することが好ましい。また、この範囲の比抵抗のものであれば、安価に手に入るという利点もある。
【0029】
本発明によるプラズマ処理中の温度測定方法で使用する測温部材の形状や設置の仕方は適宜選択すれば良いが、好適には、測温部材をシリコンウェーハの周囲に環状に配置することができる。
図1は、本発明のプラズマ処理中の温度測定方法を行うことができるプラズマ装置の一例を示している。チャンバ2内には、多数の貫通孔4があいた上部電極3とステージを兼ねた下部電極5が設けられている。また、下部電極5の周辺部にはシリコン単結晶からなる環状の測温部材6が、被処理物であるシリコンウェーハWの周囲に設置されている。この測温部材6の下面には、その電気抵抗を測定するための配線7が設けられており、配線7の途中には直流電源10、電圧計8、及び電流計9がそれぞれ接続されている。
【0030】
プラズマ処理を行う際には、処理ガスが上部電極3の貫通孔4を通ってチャンバ2内でプラズマ化し、下部電極5に載置されたウェーハWの表面がプラズマ処理される。
このとき、プラズマ処理中に電圧と電流を読みとることでそのときの測温部材6の電気抵抗を測定することができる。なお、測温部材6の電気抵抗の測定の仕方は限定されるものではない。例えば、定電圧を印加して電流値の変化を読み取ってもよいし、定電流として、発生電圧を読み取るようにしてもよい。また、測温部材の配線や接続の仕方に関しては、プラズマ処理に極力影響を与えない材質、位置を選択することが望ましい。
【0031】
測温部材6に印加する電圧は、直流でも交流でもよい。プラズマ発生時に測温部材に印加する電圧にノイズが発生するおそれがあるが、これを防止するために適宜フィルター(図示せず)を用いればよい。また、測温部材6に印加する電圧は、測温部材6の抵抗率に応じて適宜設定すればよい。なお、電圧を適当な数値以上に設定すると、測温部材自体が発熱することになるが、この測温部材の温度がプラズマ処理によって発生するウェーハの加熱温度と等しくなるのが一番望ましいが、適宜コントロールすればよい。
【0032】
また、シリコンウェーハの周囲に環状の測温部材を置く場合、測温部材の比抵抗や酸素濃度、ミラー面への加工、結晶方位、その他の仕様は、処理するシリコンウェーハと同一のものにすると、実質的にシリコンウェーハと同じものの抵抗値を測定することになり、温度を極めて正確に測定することができる。
さらに、シリコンウェーハに各種の膜が付着している場合、同様な膜付けを測温部材にも施すことが望ましい。
【0033】
上記のように測温部材をウェーハの周囲に環状に設置し、電気抵抗を容易に測定できる構造とすれば、プラズマ処理に影響を与えることもなく、処理中のウェーハの温度を好適に測定することができる。ただし、測温部材の形状、設置位置、配線の仕方等に関しては、図1に示した態様に限定されず、例えば、測温部材は、プラズマ処理に影響を与えない位置(プラズマが当たらない位置)、例えばチャンバの内壁に設置しても良い。
また、測温部材の厚さ、大きさ等に関しては、測定したい温度の感度に応じて適宜決めればよい。厚さを薄く、大きさを小さくすることにより、高感度で温度を検出することが可能となる。
【0034】
なお、シリコンウェーハをプラズマ処理する場合、測温部材に直接プラズマが当たって部材表面が侵されたとしても、測温部材の素材が被処理物であるシリコンウェーハと同じシリコン単結晶製であるため、シリコンウェーハを汚染することはない。
ただし、測温部材がプラズマに当たって消耗した場合には、測温部材全体での抵抗が変化して正確な比抵抗の値が求められない結果、正確な温度測定ができなくなる問題が生ずるおそれがある。従って、予め、消耗に伴なう板厚変化等による抵抗値の変化分について把握しておき、適宜補正をかけるか、またはプラズマにより消耗をしないように測温部材の表面に耐プラズマ製のコーティングを施すこと等を行うことが望ましい。この場合、コーティング材料より不純物が発生しないようにその材質等は考慮する必要がある。
【0035】
本発明に係る上記のような測温部材は、例えばチョクラルスキー法(CZ法)により、所定の比抵抗となるようにボロンをドープしてシリコン単結晶インゴットを引き上げ、これを所望のシリコン電極板形状に加工して作製すればよい。なお、FZ法等の他の製造方法により製造したシリコン単結晶インゴットを使用してもよい。
測温部材に各種の加工を施した後は、加工時に付着した汚染物質を洗浄するために、エッチング等酸処理や、アンモニア+過酸化水素水による処理等を適宜行えばよい。
【0036】
上記説明では、主としてボロンドープしたシリコン単結晶を測温部材として用いて温度測定を行う方法について説明したが、他のp型シリコン単結晶を測温部材として使用することもできる。また、図2(a)に示されているように、例えばリンをドープしたn型シリコン単結晶もその比抵抗と温度の相関は判っているので、これを測温部材として使用しても、プラズマ処理中の温度を測定することができる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
直径300mm、ドーパントBで室温での比抵抗0.01Ωcmのシリコン単結晶のインゴットをCZ法にて引上げを行った。これを厚さ3mmの板厚に切断し、さらに加工及び研磨を行い、外径260mm、内径200mmのリング状の測温部材を作製した。このリング状測温部材を、図1のようなプラズマドライエッチング装置1のチャンバ内にウェーハの周囲に設置するとともに、測温部材の下面側よりチャンバー外へ配線を行った。この配線に安定直流電源を接続し、電圧及び電流を測定する機器を接続した。
【0038】
プラズマを発生させない状態で10Vの定電圧を印加したところ、電流が5A流れていることがわかった。このことから測温部材の室温での抵抗値は2Ωであり、その形状から比抵抗は、0.5Ωcmであることが分かった。その後、この装置でドライエッチングを行ったところ、同じ電圧で電流は10Aまで流れることがわかった。この部材の抵抗値の変化、すなわち比抵抗の変化により、温度は300℃であると換算された。
この処理の後に、熱電対を接着したウェーハをチャンバ内に設置し、同じ条件下でプラズマ処理中の温度を測定したところ、300℃となり、測温部材で測定した温度と同じであった。
【0039】
(実施例2)
実施例1と同様のシリコン単結晶を測温部材に加工し、チャンバの内壁に取り付けた。実施例1と同様に電圧と電流を測定し、抵抗を測定した後に温度に換算した。さらに、熱電対で温度を測定したところ、上記測温部材で測定した温度と同じであることが確認された。
【0040】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、プラズマ処理中の被処理物の温度を精度良く測温できる上、熱電対を使用した場合に生じるような重金属汚染やプラズマ処理の均一性の乱れを防ぐことができる。特に、デバイス製造工程においてシリコンウェーハを処理する際に本発明を適用すれば、測温部材が被処理物と同一の素材からなるため、不純物汚染も少ない非常に優れたデバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る温度測定用部材を組み込んだプラズマ装置の一例の概略図である。
【図2】シリコン単結晶の比抵抗と温度との関係を示すグラフである。
(a)n型シリコン
(b)ボロンドープシリコン
【符号の説明】
1…プラズマ装置、 2…チャンバ、 3…上部電極、 4…貫通孔、 5…下部電極(ステージ)、 6…測温部材、 7…配線、 8…電圧計、 9…電流計、 10…直流電源、 W…ウェーハ。
Claims (8)
- チャンバ内で被処理物をプラズマにより処理する際にプラズマ処理中の温度を測定する方法であって、チャンバ内に、前記被処理物と、シリコン単結晶からなる温度測定用部材を設置し、プラズマ処理中に前記温度測定用部材の電気抵抗を測定し、該測定値を温度に換算して前記プラズマ処理中の温度を測定する場合に、前記測定すべきプラズマ処理中の温度が300℃以下の場合、前記温度測定用部材として、室温での比抵抗が0.001Ωcm以上、1Ωcm以下のシリコン単結晶からなるものを使用し、前記測定すべきプラズマ処理中の温度が300℃を超える場合、前記温度測定用部材として、室温での比抵抗が1Ωcmより大きく、100Ωcm以下のシリコン単結晶からなるものを使用することを特徴とするプラズマ処理中の温度測定方法。
- チャンバ内で被処理物をプラズマにより処理する際にプラズマ処理中の温度を測定する方法であって、チャンバ内に、前記被処理物と、シリコン単結晶からなる温度測定用部材を設置し、プラズマ処理中に前記温度測定用部材の電気抵抗を測定し、該測定値を温度に換算して前記プラズマ処理中の温度を測定する場合に、前記温度測定用部材を、少なくとも前記被処理物の周囲に環状に設置することを特徴とするプラズマ処理中の温度測定方法。
- チャンバ内で被処理物をプラズマにより処理する際にプラズマ処理中の温度を測定する方法であって、チャンバ内に、前記被処理物と、シリコン単結晶からなる温度測定用部材を設置し、プラズマ処理中に前記温度測定用部材の電気抵抗を測定し、該測定値を温度に換算して前記プラズマ処理中の温度を測定する場合に、前記温度測定用部材を、少なくとも前記チャンバの内壁に設置することを特徴とするプラズマ処理中の温度測定方法。
- 前記被処理物を、シリコン単結晶ウェーハとすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のプラズマ処理中の温度測定方法。
- 前記温度測定用部材として、処理されるシリコン単結晶ウェーハと結晶方位が同じシリコン単結晶からなるものを使用することを特徴とする請求項4に記載のプラズマ処理中の温度測定方法。
- 前記温度測定用部材として、処理されるシリコン単結晶ウェーハと同じ表面皮膜を有するものを使用することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のプラズマ処理中の温度測定方法。
- チャンバ内で被処理物をプラズマにより処理する際にプラズマ処理中の温度を測定するための温度測定用部材であって、少なくともシリコン単結晶からなり、該部材の電気抵抗を測定するための配線が設けられており、前記部材の形状が、環状であることを特徴とする温度測定用部材。
- 前記部材が、室温での比抵抗が0.001Ωcm以上、100Ωcm以下のシリコン単結晶からなることを特徴とする請求項7に記載の温度測定用部材。
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