JP3975759B2 - プラズマ測定装置、測定方法及びセンサプローブ - Google Patents

プラズマ測定装置、測定方法及びセンサプローブ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象となるプラズマ雰囲気内にセンサプローブを設置し、その測定値に基づいてプラズマ密度、電子温度及びプラズマポテンシャル等のプラズマパラメータを測定するプラズマ測定装置、測定方法及びセンサプローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラズマ放電による分子解離の結果発生する励起分子、ラジカル、イオン等を利用して、洗浄、エッチング、膜形成、表面改質を行うプラズマ加工が注目されている。
このプラズマ加工は、熱ではなく放電による解離を利用するため、比較的低温で処理することができ、耐熱温度の低い材料でも、高精度で加工することができることから、LSI、超LSIなどの集積回路素子の製作にも盛んに利用されている。
【0003】この場合に、プラズマ加工により得られる製品を一定品質に維持するには、常に同一条件でプラズマ加工を行う必要があり、そのためには、プラズマ密度、電子温度及びプラズマポテンシャルなどのプラズマパラメータを一定に維持管理することが望ましい。
【0004】この加工中のプラズマ雰囲気におけるプラズマパラメータを測定する方法として、従来より、質量分析法、吸光度分析法、光分離プローブ法、ラングミュアプローブ法のような計測手段が知られているが、質量分析法、吸光度分析法、光分離プローブ法に用いる計測器は極めて高価であり、これを個々のプラズマ加工装置に設けることは現実的でない。
【0005】このため通常は、図8に示すように、ガラスなどの絶縁材で被覆された支柱51の先端に金属電極52を露出形成したラングミュアプローブ53をチャンバ54に設置して測定する方法が採られている。
この方法は、可変電源55を介してラングミュアプローブ53を基準電極となる陽極56又は陰極57に接続し、陽極56又は陰極57間にプラズマを発生させる。
【0006】そして、可変電源55により印加電圧を広い範囲にわたって変化させながら当該プローブ53に印加される電圧及び電流を電圧計58及び電流計59で測定し、得られた電圧Vp−電流Ip特性に基づいて、プラズマ密度、電子温度及びプラズマポテンシャルのプラズマパラメータを算出する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ラングミュアプローブ53は金属電極52をプラズマ中に露出させて設けていることから、その表面にプラズマにより生じる汚れが付着し易く、その汚れが電気抵抗となるため、金属電極52に印加する電圧を一定にしても、電流が変化し、長時間測定するうちに測定値が数十〜数百%のオーダーで大幅に狂い、センサプローブとして全く機能しなくなるという問題があった。
【0008】そこで本発明は、プラズマにより生じる汚れが付着しても精度良くプラズマパラメータを測定できるようにすることを技術的課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、請求項1の発明は、測定対象となるプラズマ雰囲気内にセンサプローブを設置し、その測定値に基づいてプラズマ密度、電子温度及びプラズマポテンシャルのプラズマパラメータの少なくとも一を測定するプラズマ測定装置において、前記センサプローブは、プラズマ雰囲気中でバイアス電圧が印加されるバイアス電極と、当該電極又はその電極近傍の温度を検出する温度センサを備え、当該センサプローブに印加されたバイアス電圧と検出された温度により得られた電圧−温度特性に基づいて前記プラズマパラメータの少なくとも一を算出する演算装置を備えたことを特徴とする。
【0010】請求項1の発明によれば、測定対象となるプラズマ雰囲気内に請求項3のセンサプローブが設置される。
このセンサプローブは、プラズマ雰囲気中でバイアス電圧が印加されるバイアス電極と、当該電極又はその電極近傍の温度を温度を検出する温度センサを備えている。
【0011】
バイアス電極は、請求項4の発明のように、白金、金、タングステン、モリブデン、タンタル、ステンレスから選ばれる耐食性金属で形成すれば、プラズマ中でも酸化したり腐食され難く、長寿命化できる。
【0012】また、温度センサは、請求項5の発明のようにバイアス電極を構成する金属で被覆又はコーティングされていても、請求項6の発明のようにバイアス電極の表面に接触した状態に配されていても、請求項7の発明のようにバイアス電極から所定距離離隔して配されていてもよい。
【0013】そして、このセンサプローブをプラズマ雰囲気内に設置し、バイアス電極にバイアス電圧を印加すると共に、そのときのプラズマ雰囲気中の温度を温度センサで検出することによりバイアス電圧−温度特性を求める。
【0014】本発明者の研究によれば、バイアス電圧−温度特性のグラフ線図がラングミュアプローブにおける電圧−電流特性のグラフ線図に似ていることが判明した。
そして、電流に替えて温度を測定することにより、そのバイアス電圧−温度特性から、プラズマ密度、電子温度及びプラズマポテンシャルのプラズマパラメータは、バイアス電圧−温度特性に基づいて理論的に算出することができることを解明した。
さらに、その測定結果は、汚れが付着していないラングミューアプローブで測定した結果と略一致した。
【0015】この場合、センサプローブに流れる電流は測定する必要がないので、バイアス電極に汚れが付着しても印加電圧に影響はない。また、温度センサに汚れが付着しても、その熱伝導率は電気抵抗ほど変化しないので、センサプローブに流れる電流を測定するラングミューアプローブと異なり、長期間にわたってプラズマパラメータを正確に測定できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明に係るセンサプローブを用いたプラズマパラメータ測定装置を示す説明図、図2は処理手順を示すフローチャ−ト、図3及び図4はグラフ、図5は他の実施形態を示す説明図、図6はその処理手順を示す説明図、図7は他の実施形態を示す説明図である。
【0017】図1に示す測定装置1は、プラズマを発生させる任意のチャンバ2に設けられるもので、アース電位に維持されるチャンバ2内に設置されるセンサプローブ3と、その測定値に基づいてプラズマ密度、電子温度及びプラズマポテンシャルのプラズマパラメータを算出する演算装置4を備えている。
【0018】センサプローブ3は、プラズマ雰囲気中でバイアス電圧が印加されるバイアス電極5と、当該バイアス電極5の温度又はその電極5近傍の温度を検出する温度センサ6を備えており、チャンバ2に絶縁支柱7で支持されている。
【0019】バイアス電極5は、金、白金、タングステン、モリブデン、タンタル、ステンレスなどの耐食性金属で形成することが好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば不活性ガス中で限定使用されるものであればそれほど高い耐食性は必要ない。
【0020】また、その形状は任意であるが、表面積の計算や理論解析の都合上、球状、平板状、円柱状、多角柱状、正多面体などの幾何学形状に形成されており、本例では球状のものを用いている。
【0021】バイアス電極5の電源回路8は、絶縁支柱7内を通ってチャンバ2の外側に配された可変電源9に接続されると共に、バイアス電極5に印加されるバイアス電圧Vを測定する電圧計10に接続されている。
また、バイアス電極5とチャンバ2間には、その電位差をフローティング電位Vf0として測定する電圧計11が接続されている。
【0022】温度センサ6としては、熱電対、白金測温抵抗体、サーミスタ、IC化温度センサ、サーモパイルなど任意のものを採用することができ、本例では、熱電対をバイアス電極5に埋め込んだ構成となっており、その熱起電力を測定する電圧計12が設けられている。
そして、各電圧計10〜12は、その測定結果が演算装置4に入力されるようになっている。
【0023】また、チャンバ2には、真空ポンプ13によりチャンバ2内を減圧する排気系14、ガスボンベ15からチャンバ2にアルゴンガスを供給するアルゴンガス供給系16、熱陰極17、陽極を兼用するチャンバ2と熱陰極17の間に所定電圧を印加するグロー放電用電源18、熱陰極17からの電子放出量をコントロールする電子放出用電源19が設けられている。
【0024】演算装置4は、センサプローブ3のバイアス電極5に印加されたバイアス電圧Vと温度センサ6の熱起電力により定まるプローブ温度Tpから得られた電圧V−温度Tpの関係に基づいて、プラズマ密度、電子温度及びプラズマポテンシャルのプラズマパラメータを算出するプログラムがインストールされたパソコンなどが用いられている。
【0025】図2はこのプログラムの処理手順を示すフローチャートである。
プラズマ発生条件に応じて、真空ポンプ13でチャンバ2内を予め設定された圧力まで減圧した後、アルゴンガス供給系16からアルゴンガスを導入して所定の圧力に調整したところで、プログラムを実行開始させる。
【0026】まず、ステップSTP1で、温度センサ6を起動させプラズマ発生前の雰囲気温度をガス温度Tnとして測定する。
次いで、ステップSTP2でグロー放電用電源18及び電子放出用電源19をオンしてプラズマを発生させ、バイアス電圧V=0のときのフローティング電位Vf0を電圧計11により測定する。
そして、ステップSTP3に移行して、可変電源9によりバイアス電圧Vを段階的に変化させながら、電圧計10及び12の測定結果に基づき、バイアス電圧Vに応じたプローブ温度Tpを測定する。
【0027】ステップSTP4では、ステップSTP3で測定されたバイアス電圧V及びプローブ温度Tpと、ステップSTP1で測定されたガス温度Tnに基づき、プラズマパラメータの一であるプラズマポテンシャルVplを求める。
まず、ΔT=Tp−Tnを算出し、図3に示すようなV−ΔTの特性線図を描くと屈曲点Pが表れ、この屈曲点Pにおける電圧がプラズマポテンシャルVplとなる。
【0028】次に、ステップSTP5でプラズマパラメータの一である電子温度Teを算出する。
センサプローブ3への熱流入項Qは、熱平衡状態では、以下に示すように、プローブ3表面への電子衝突による加熱割合QHeと、イオン衝撃による加熱割合QHiの和で表わされる。
=QHe+QHi………(式1)
【0029】電子衝突による加熱割合QHeは、プローブの表面積S、ボルツマン定数k、電子温度Te、電子の質量me、電子密度ne、電荷e、バイアス電圧Vとすると、式2で表わされる。
【数1】
Figure 0003975759
【0030】また、イオン衝撃による加熱割合QHiは、イオン電流Ii(V)、使用する気体の電離電圧εi、プローブの仕事関数φ、正イオンとプローブ間のエネルギー移送率ζ(≒0.01)、イオン密度nとすると、式3で表わされる。
【数2】
Figure 0003975759
【0031】既知の値を定数として整理すると、電子衝突による加熱割合QHeは、n、Te、Vの関数として、
He=F(n、Te、V)
で表わされ、イオン衝撃による加熱割合QHiは、n、Te、V、Vplの関数として、
Hi=F(n、Te、V、Vpl
で表わされる。
プラズマ内ではn=nであるから、式1の熱流入項Qは、プラズマ密度n、電子温度Te、バイアス電圧V、プラズマポテンシャルVplの関数として、
=F(n、Te、V、Vpl)………(式4)
で表わされる。
【0032】また、熱放射によるプローブ3の冷却項をq、流体の粘性を考慮した時の熱伝導による損失項をqkとすると、熱平衡状態では、熱流入項Qは熱損失項と等しく、
=S(q+qk)…………(式5)
で表わされる。
【0033】冷却項qは、ステファン・ボルツマン定数σ、プローブの表面からの熱放射係数εR(≒1)、プローブの熱吸収係数σR(≒1)、ガス温度Tnとすると、式6で表わされる。
qR=σ(εRTp 4−σRTn 4) …………(式6)
【0034】損失項をqkは、ガス比熱容量係数γ、調整係数α=1、イオンの質量miとすると、式7で表わされる。
【数3】
Figure 0003975759
【0035】既知の値を定数として整理すると、冷却項をq及び損失項をqkは、それぞれ、
=F(Tp、Tn)
k=F(Tp、Tn)
で表わされるので、式5の熱流入項Qは、プローブ温度Tpとガス温度Tnの関数として、式8で表わされる。
=F(Tp、Tn)………………(式8)
【0036】式4及び式8より、
(n、Te、V、Vpl)=F(Tp、Tn)
となり、ここで、プラズマポテンシャルVpl及びガス温度Tnとして、ステップSTP1及びSTP4で測定された値を代入すれば、未知数はn、Te、V、Tpの四つとなる。
【0037】n及びTeの値が決まれば、未知数はV、Tpの二つだけとなるので、n=1013〜1016/m、Te=0.5〜10eVの範囲で任意の値を与えてV−Tpを算出し、n及びTeの値を変化させながら、ステップSTP3で測定したV−Tpに最も近くなるときのTeの代入値を電子温度Teとする。これにより、高精度で電子温度Teを算出できる。
【0038】なお、電子温度Teを簡便に求める場合は、ステップSTP3で測定したバイアス電圧Vと、ステップSTP4で算出したΔTを、図4に示すような片対数グラフにプロットし、バイアス電圧VがプラズマポテンシャルVplよりも少し低い範囲における傾きを求めれば、その傾きが電子温度Teに近似的に等しい。
【0039】そして最後に、ステップSTP6でプラズマパラメータの一であるプラズマ密度nを式9により算出し、処理を終了する。
【数4】
Figure 0003975759
【0040】表1は、本発明に係るセンサプローブ3及びラングミュアプローブにより測定した各プラズマパラメータについて、表面に汚れが付着する前後に測定したときの測定値の変化を示すものである。
【0041】
【表1】
Figure 0003975759
【0042】このように、ラングミュアプローブで測定した場合は表面に汚れが付着する前後で、電子温度で約40%、プラズマ密度で約30%、プラズマポテンシャルで約60%と、いずれも各プラズマパラメータの測定値が数十%以上も変化しているのに対し、本発明のセンサプローブ3で測定した場合は、電子温度で2.2%、プラズマ密度で2.0%、プラズマポテンシャルで5.6%と僅か数%しか変化せず、ラングミュアプローブよりも正確に誤差なく測定できることがわかる。
【0043】図5はグロー放電を用いた基板洗浄装置に本発明に係るプラズマ測定装置を設置した場合を示す説明図である。なお、図1と共通する部分については同一符号を付して詳細説明は省略する。
【0044】基板洗浄装置21は、直径150mm×深さ100mm程度のステンレス製のチャンバ22に碍子23を介して一対の対抗電極24A、24Bが上下に設けられると共に、電極24A及び24B間にグロー放電用電源25が接続されている。
また、真空ポンプ13によりチャンバ22内を減圧する排気系14、ガスボンベ15からチャンバ22にアルゴンガスを供給するアルゴンガス供給系16が設けられている点は共通である。
【0045】プラズマ測定装置1のセンサプローブ3は、対抗電極24A及び24Bの間に配され、金を直径4mmの球状に形成したバイアス電極5の内部に、白金ロジウム−白金系熱電対の温度センサ6を配した構造となっており、バイアス電極5に印加されるバイアス電圧及びフローティング電位と、温度センサ6の熱起電力を測定する電圧計10〜12がプラズマパラメータを算出する演算装置4に接続されている。
【0046】真空ポンプ13にてチャンバ22の内圧が1×10−5Torr程度になるまで真空引きを行った後、アルゴンガス供給系16からアルゴンガスを導入して内圧を3mTorrに調整した状態で、図6に示す演算装置4のプログラムを実行開始する。
【0047】まず、ステップSTP1で温度センサ6によりプラズマ発生前の雰囲気温度をガス温度Tnとして測定し、次いで、ステップSTP2でグロー放電用電源25にて対抗電極24A、24B間に電圧を印加し、チャンバ22内にグロー放電を開始させ、ステップSTP3に移行して可変電源9によりバイアス電極5に印加するバイアス電圧を段階的に変化させながら電圧計10〜12の測定結果に基づき、バイアス電圧Vに応じたフローティング電位Vf0及びプローブ温度Tpを測定する。
【0048】そして、ステップSTP4〜STP6により、プラズマ密度n、電子温度Te、プラズマポテンシャルVplを算出する。
本例では、プラズマ密度n=5.9×1015(m−3)、電子温度Te=1.32(eV)、プラズマポテンシャルVpl=−1.5(V)であった。
【0049】次いで、ステップSTP7に移行して算出されたプラズマ密度nと予め設定された値nを比較し、n>nの場合はステップSTP8に移行してグロー放電用電源25からの供給電圧を減少させ、n=nの場合はステップSTP9に移行してグロー放電用電源25からの供給電圧を維持し、n<nの場合はステップSTP10に移行してグロー放電用電源25からの供給電圧を増大させる。
【0050】なお、プラズマ密度nを一定に維持させる場合に限らず、電子温度TeやプラズマポテンシャルVplを設定値と比較して、これらを一定に維持するように制御することも可能である。
【0051】図7は高周波放電を用いた表面改質装置に本発明に係るプラズマ測定装置を設置した場合を示す説明図である。なお、図1と共通する部分については同一符号を付して詳細説明は省略する。
【0052】表面改質装置31は、直径200mm×深さ200mmのステンレス製の真空チャンバ32内に、碍子33を介して高周波放電用主電極34、高周波放電用対向電極35が配置されている。主電極34はブロッキングコンデンサー36を介して13.56MHzの高周波電源37に接続され、各電極34、35に対して冷却水を循環供給する冷却用水循環器38が設けられている。
【0053】また、真空ポンプ13によりチャンバ32内を減圧する排気系14、ガスボンベ15からチャンバ32にアルゴンガスを供給するアルゴンガス供給系16が設けられている点は、図1及び図5のチャンバ2、22と同様である。
【0054】プラズマ測定装置1のセンサプローブ3は、電極34及び35の間に配され、金を直径4mmの球状に形成したバイアス電極5の内部に、白金ロジウム−白金系熱電対の温度センサ6を配した構造となっている。
【0055】バイアス電極5に印加されるバイアス電圧Vは、演算装置4からD/A変換器39を介して電力増幅アンプ40に制御信号が入力され、当該アンプ40から出力される。
このバイアス電圧Vは、差動アンプ41、絶縁アンプ42のアナログコンピュータにて測定され、その測定結果が、A/D変換器43を介して演算装置4に入力されるようになっている。
【0056】また、温度センサ6の熱起電力は、差動アンプ44、絶縁アンプ45のアナログコンピュータにて測定され、その測定結果が、A/D変換器43を介して演算装置4に入力されるようになっている。
【0057】高周波放電用対向電極35上に表面改質を行うワークWとしてパイレックス(登録商標)の基板を置き、真空ポンプ13にてチャンバ32を1×10−5Torr以下まで真空引きを行い、アルゴンガス供給系16よりアルゴンガスを導入しチャンバ32内の真空度を5mTorrに調整し、プラズマ発生前に温度センサ6によりガス温度Tnを検出する。
【0058】次いで、高周波電源37をオンして高周波プラズマ放電を開始させ、バイアス電圧Vを段階的に変化させながらプローブ温度Tpを測定し、電圧−温度特性から算出されたプラズマパラメータの値は、プラズマ密度n=1.5×1015(m−3)、電子温度Te=2.0(eV)、プラズマポテンシャルVpl=2.0(V)であった。
したがって、ワークWを加工するごとに、プラズマパラメータの各値がこの値に維持されるように高周波電源37の出力を制御すれば、同一条件で表面改質を行うことができ、仕上の品質を一定に維持できる。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るセンサプローブは、バイアス電圧が印加されるバイアス電極と、当該電極又はその近傍の温度を測定する温度センサを備え、電極表面に付着する汚れによる誤差の大きい電流を測定するまでもなく、電圧−温度特性に基づいて、プラズマ密度、電子温度、プラズマポテンシャルなどのプラズマパラメータを測定することができるので、測定誤差の要因となる電極表面に付着する汚れによる影響をほとんど受けることなく精度良く測定することができるという大変優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマパラメータ測定装置を示す説明図。
【図2】その処理手順を示すフローチャ−ト。
【図3】ΔT−V線図。
【図4】その対数グラフ。
【図5】他の実施形態を示す説明図。
【図6】その処理手順を示すフローチャート。
【図7】他の実施形態を示す説明図。
【図8】従来装置を示す説明図。
【符号の説明】
1………プラズマパラメータ測定装置
2………チャンバ
3………センサプローブ
4………演算装置
5………バイアス電極
6………温度センサ

Claims (7)

  1. 測定対象となるプラズマ雰囲気内にセンサプローブ(3)を設置し、その測定値に基づいてプラズマ密度、電子温度及びプラズマポテンシャルのプラズマパラメータの少なくとも一を測定するプラズマ測定装置において、
    前記センサプローブ(3)は、プラズマ雰囲気中でバイアス電圧が印加されるバイアス電極(5)と、当該電極(5)又はその電極近傍の温度を検出する温度センサ(6)を備え、当該センサプローブ(3)に印加されたバイアス電圧と検出された温度により得られた電圧−温度特性に基づいて前記プラズマパラメータの少なくとも一を算出する演算装置(4)を備えたことを特徴とするプラズマ測定装置。
  2. 測定対象となるプラズマ雰囲気内に、バイアス電圧が印加されるバイアス電極(5)と、当該電極(5)又はその電極近傍の温度を検出する温度センサ(6)とを備えたセンサプローブ(3)を設置し、前記バイアス電極(5)に印加されたバイアス電圧及び前記温度センサ(6)で検出された温度から電圧−温度特性を求め、得られた電圧−温度特性に基づいてプラズマ密度、電子温度及びプラズマポテンシャルのプラズマパラメータの少なくとも一を算出することを特徴とするプラズマパラメータ測定方法。
  3. プラズマ雰囲気中でバイアス電圧が印加されるバイアス電極(5)と、当該電極(5)又はその電極近傍の温度を検出する温度センサ(6)とを備えたことを特徴とするプラズマパラメータ測定用センサプローブ。
  4. 前記バイアス電極(5)が、白金、金、タングステン、モリブデン、タンタル、ステンレスから選ばれる耐食性金属で形成されてなる請求項3記載のプラズマパラメータ測定用センサプローブ。
  5. 前記温度センサ(6)が前記バイアス電極(5)を構成する金属で被覆又はコーティングされて成る請求項3記載のプラズマパラメータ測定用センサプローブ。
  6. 前記バイアス電極(5)の表面に前記温度センサ(6)が接触した状態に配されて成る請求項3記載のプラズマパラメータ測定用センサプローブ。
  7. 前記バイアス電極(5)と前記温度センサ(6)が所定距離離隔して配されて成る請求項3記載のプラズマパラメータ測定用センサプローブ。
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