JP2003217897A - プラズマ測定装置、測定方法及びセンサプローブ - Google Patents

プラズマ測定装置、測定方法及びセンサプローブ

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JP2003217897A JP2002016631A JP2002016631A JP2003217897A JP 2003217897 A JP2003217897 A JP 2003217897A JP 2002016631 A JP2002016631 A JP 2002016631A JP 2002016631 A JP2002016631 A JP 2002016631A JP 2003217897 A JP2003217897 A JP 2003217897A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラズマにより生じる汚れが付着しても精度良
くプラズマ密度、電子温度及びプラズマポテンシャルの
プラズマパラメータを測定できるようにする。 【解決手段】測定対象となるプラズマ雰囲気内に、プラ
ズマ雰囲気中でバイアス電圧が印加されるバイアス電極
(5)と、当該電極(5)又はその電極近傍の温度を検
出する温度センサ(6)を備えたセンサプローブ(3)
を設置し、センサプローブ(3)に印加されたバイアス
電圧と検出された温度により得られた電圧−温度特性に
基づいてプラズマパラメータを算出する演算装置(4)
を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測定対象となるプ
ラズマ雰囲気内にセンサプローブを設置し、その測定値
に基づいてプラズマ密度、電子温度及びプラズマポテン
シャル等のプラズマパラメータを測定するプラズマ測定
装置、測定方法及びセンサプローブに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラズマ放電による分子解離の結
果発生する励起分子、ラジカル、イオン等を利用して、
洗浄、エッチング、膜形成、表面改質を行うプラズマ加
工が注目されている。このプラズマ加工は、熱ではなく
放電による解離を利用するため、比較的低温で処理する
ことができ、耐熱温度の低い材料でも、高精度で加工す
ることができることから、LSI、超LSIなどの集積
回路素子の製作にも盛んに利用されている。
【0003】この場合に、プラズマ加工により得られる
製品を一定品質に維持するには、常に同一条件でプラズ
マ加工を行う必要があり、そのためには、プラズマ密
度、電子温度及びプラズマポテンシャルなどのプラズマ
パラメータを一定に維持管理することが望ましい。
【0004】この加工中のプラズマ雰囲気におけるプラ
ズマパラメータを測定する方法として、従来より、質量
分析法、吸光度分析法、光分離プローブ法、ラングミュ
アプローブ法のような計測手段が知られているが、質量
分析法、吸光度分析法、光分離プローブ法に用いる計測
器は極めて高価であり、これを個々のプラズマ加工装置
に設けることは現実的でない。
【0005】このため通常は、図8に示すように、ガラ
スなどの絶縁材で被覆された支柱51の先端に金属電極
52を露出形成したラングミュアプローブ53をチャン
バ54に設置して測定する方法が採られている。この方
法は、可変電源55を介してラングミュアプローブ53
を基準電極となる陽極56又は陰極57に接続し、陽極
56又は陰極57間にプラズマを発生させる。
【0006】そして、可変電源55により印加電圧を広
い範囲にわたって変化させながら当該プローブ53に印
加される電圧及び電流を電圧計58及び電流計59で測
定し、得られた電圧Vp−電流Ip特性に基づいて、プ
ラズマ密度、電子温度及びプラズマポテンシャルのプラ
ズマパラメータを算出する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ラング
ミュアプローブ53は金属電極52をプラズマ中に露出
させて設けていることから、その表面にプラズマにより
生じる汚れが付着し易く、その汚れが電気抵抗となるた
め、金属電極52に印加する電圧を一定にしても、電流
が変化し、長時間測定するうちに測定値が数十〜数百%
のオーダーで大幅に狂い、センサプローブとして全く機
能しなくなるという問題があった。
【0008】そこで本発明は、プラズマにより生じる汚
れが付着しても精度良くプラズマパラメータを測定でき
るようにすることを技術的課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、請求項1の発明は、測定対象となるプラズマ雰囲気
内にセンサプローブを設置し、その測定値に基づいてプ
ラズマ密度、電子温度及びプラズマポテンシャルのプラ
ズマパラメータの少なくとも一を測定するプラズマ測定
装置において、前記センサプローブは、プラズマ雰囲気
中でバイアス電圧が印加されるバイアス電極と、当該電
極又はその電極近傍の温度を検出する温度センサを備
え、当該センサプローブに印加されたバイアス電圧と検
出された温度により得られた電圧−温度特性に基づいて
前記プラズマパラメータの少なくとも一を算出する演算
装置を備えたことを特徴とする。
【0010】請求項1の発明によれば、測定対象となる
プラズマ雰囲気内に請求項3のセンサプローブが設置さ
れる。このセンサプローブは、プラズマ雰囲気中でバイ
アス電圧が印加されるバイアス電極と、当該電極又はそ
の電極近傍の温度を温度を検出する温度センサを備えて
いる。
【0011】バイアス電極は、請求項4の発明のよう
に、白金、金、タングステン、モリブデン、タンタル、
ステンレスなどの耐食性金属で形成すれば、プラズマ中
でも酸化したり腐食され難く、長寿命化できる。
【0012】また、温度センサは、請求項5の発明のよ
うにバイアス電極を構成する金属で被覆又はコーティン
グされていても、請求項6の発明のようにバイアス電極
の表面に接触した状態に配されていても、請求項7の発
明のようにバイアス電極から所定距離離隔して配されて
いてもよい。
【0013】そして、このセンサプローブをプラズマ雰
囲気内に設置し、バイアス電極にバイアス電圧を印加す
ると共に、そのときのプラズマ雰囲気中の温度を温度セ
ンサで検出することによりバイアス電圧−温度特性を求
める。
【0014】本発明者の研究によれば、バイアス電圧−
温度特性のグラフ線図がラングミュアプローブにおける
電圧−電流特性のグラフ線図に似ていることが判明し
た。そして、電流に替えて温度を測定することにより、
そのバイアス電圧−温度特性から、プラズマ密度、電子
温度及びプラズマポテンシャルのプラズマパラメータ
は、バイアス電圧−温度特性に基づいて理論的に算出す
ることができることを解明した。さらに、その測定結果
は、汚れが付着していないラングミューアプローブで測
定した結果と略一致した。
【0015】この場合、センサプローブに流れる電流は
測定する必要がないので、バイアス電極に汚れが付着し
ても印加電圧に影響はない。また、温度センサに汚れが
付着しても、その熱伝導率は電気抵抗ほど変化しないの
で、センサプローブに流れる電流を測定するラングミュ
ーアプローブと異なり、長期間にわたってプラズマパラ
メータを正確に測定できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて具体的に説明する。図1は本発明に係るセン
サプローブを用いたプラズマパラメータ測定装置を示す
説明図、図2は処理手順を示すフローチャ−ト、図3及
び図4はグラフ、図5は他の実施形態を示す説明図、図
6はその処理手順を示す説明図、図7は他の実施形態を
示す説明図である。
【0017】図1に示す測定装置1は、プラズマを発生
させる任意のチャンバ2に設けられるもので、アース電
位に維持されるチャンバ2内に設置されるセンサプロー
ブ3と、その測定値に基づいてプラズマ密度、電子温度
及びプラズマポテンシャルのプラズマパラメータを算出
する演算装置4を備えている。
【0018】センサプローブ3は、プラズマ雰囲気中で
バイアス電圧が印加されるバイアス電極5と、当該バイ
アス電極5の温度又はその電極5近傍の温度を検出する
温度センサ6を備えており、チャンバ2に絶縁支柱7で
支持されている。
【0019】バイアス電極5は、金、白金、タングステ
ン、モリブデン、タンタル、ステンレスなどの耐食性金
属で形成することが好ましいが、これに限定されるもの
ではなく、例えば不活性ガス中で限定使用されるもので
あればそれほど高い耐食性は必要ない。
【0020】また、その形状は任意であるが、表面積の
計算や理論解析の都合上、球状、平板状、円柱状、多角
柱状、正多面体などの幾何学形状に形成されており、本
例では球状のものを用いている。
【0021】バイアス電極5の電源回路8は、絶縁支柱
7内を通ってチャンバ2の外側に配された可変電源9に
接続されると共に、バイアス電極5に印加されるバイア
ス電圧Vを測定する電圧計10に接続されている。ま
た、バイアス電極5とチャンバ2間には、その電位差を
フローティング電位Vf0として測定する電圧計11が
接続されている。
【0022】温度センサ6としては、熱電対、白金測温
抵抗体、サーミスタ、IC化温度センサ、サーモパイル
など任意のものを採用することができ、本例では、熱電
対をバイアス電極5に埋め込んだ構成となっており、そ
の熱起電力を測定する電圧計12が設けられている。そ
して、各電圧計10〜12は、その測定結果が演算装置
4に入力されるようになっている。
【0023】また、チャンバ2には、真空ポンプ13に
よりチャンバ2内を減圧する排気系14、ガスボンベ1
5からチャンバ2にアルゴンガスを供給するアルゴンガ
ス供給系16、熱陰極17、陽極を兼用するチャンバ2
と熱陰極17の間に所定電圧を印加するグロー放電用電
源18、熱陰極17からの電子放出量をコントロールす
る電子放出用電源19が設けられている。
【0024】演算装置4は、センサプローブ3のバイア
ス電極5に印加されたバイアス電圧Vと温度センサ6の
熱起電力により定まるプローブ温度Tpから得られた電
圧V−温度Tpの関係に基づいて、プラズマ密度、電子
温度及びプラズマポテンシャルのプラズマパラメータを
算出するプログラムがインストールされたパソコンなど
が用いられている。
【0025】図2はこのプログラムの処理手順を示すフ
ローチャートである。プラズマ発生条件に応じて、真空
ポンプ13でチャンバ2内を予め設定された圧力まで減
圧した後、アルゴンガス供給系16からアルゴンガスを
導入して所定の圧力に調整したところで、プログラムを
実行開始させる。
【0026】まず、ステップSTP1で、温度センサ6
を起動させプラズマ発生前の雰囲気温度をガス温度Tn
として測定する。次いで、ステップSTP2でグロー放
電用電源18及び電子放出用電源19をオンしてプラズ
マを発生させ、バイアス電圧V=0のときのフローティ
ング電位Vf0を電圧計11により測定する。そして、
ステップSTP3に移行して、可変電源9によりバイア
ス電圧Vを段階的に変化させながら、電圧計10及び1
2の測定結果に基づき、バイアス電圧Vに応じたプロー
ブ温度Tpを測定する。
【0027】ステップSTP4では、ステップSTP3
で測定されたバイアス電圧V及びプローブ温度Tpと、
ステップSTP1で測定されたガス温度Tnに基づき、
プラズマパラメータの一であるプラズマポテンシャルV
plを求める。まず、ΔT=Tp−Tnを算出し、図3
に示すようなV−ΔTの特性線図を描くと屈曲点P
表れ、この屈曲点Pにおける電圧がプラズマポテンシ
ャルV plとなる。
【0028】次に、ステップSTP5でプラズマパラメ
ータの一である電子温度Teを算出する。センサプロー
ブ3への熱流入項Qは、熱平衡状態では、以下に示す
ように、プローブ3表面への電子衝突による加熱割合Q
Heと、イオン衝撃による加熱割合QHiの和で表わさ
れる。 Q=QHe+QHi………(式1)
【0029】電子衝突による加熱割合QHeは、プロー
ブの表面積S、ボルツマン定数k、電子温度Te、電子
の質量me、電子密度ne、電荷e、バイアス電圧Vとす
ると、式2で表わされる。
【数1】
【0030】また、イオン衝撃による加熱割合Q
Hiは、イオン電流Ii(V)、使用する気体の電離電圧
εi、プローブの仕事関数φ、正イオンとプローブ間の
エネルギー移送率ζ(≒0.01)、イオン密度nとする
と、式3で表わされる。
【数2】
【0031】既知の値を定数として整理すると、電子衝
突による加熱割合QHeは、n、Te、Vの関数とし
て、 QHe=F(n、Te、V) で表わされ、イオン衝撃による加熱割合QHiは、
、Te、V、Vplの関数として、 QHi=F(n、Te、V、Vpl) で表わされる。プラズマ内ではn=nであるから、
式1の熱流入項Qは、プラズマ密度n、電子温度T
e、バイアス電圧V、プラズマポテンシャルVplの関
数として、 Q=F(n、Te、V、Vpl)………(式4) で表わされる。
【0032】また、熱放射によるプローブ3の冷却項を
、流体の粘性を考慮した時の熱伝導による損失項を
kとすると、熱平衡状態では、熱流入項Qは熱損失
項と等しく、 Q=S(q+qk)…………(式5) で表わされる。
【0033】冷却項qは、ステファン・ボルツマン定
数σ、プローブの表面からの熱放射係数εR(≒1)、
プローブの熱吸収係数σR(≒1)、ガス温度Tnとす
ると、式6で表わされる。 qR=σ(εRTp 4−σRTn 4) …………(式6)
【0034】損失項をqkは、ガス比熱容量係数γ、調
整係数α=1、イオンの質量miとすると、式7で表わ
される。
【数3】
【0035】既知の値を定数として整理すると、冷却項
をq及び損失項をqkは、それぞれ、 q=F(Tp、Tn) qk=F(Tp、Tn) で表わされるので、式5の熱流入項Qは、プローブ温
度Tpとガス温度Tnの関数として、式8で表わされ
る。 Q=F(Tp、Tn)………………(式8)
【0036】式4及び式8より、 F(n、Te、V、Vpl)=F(Tp、Tn) となり、ここで、プラズマポテンシャルVpl及びガス
温度Tnとして、ステップSTP1及びSTP4で測定
された値を代入すれば、未知数はn、Te、V、Tp
の四つとなる。
【0037】n及びTeの値が決まれば、未知数は
V、Tpの二つだけとなるので、n=1013〜10
16/m、Te=0.5〜10eVの範囲で任意の値
を与えてV−Tpを算出し、n及びTeの値を変化さ
せながら、ステップSTP3で測定したV−Tpに最も
近くなるときのTeの代入値を電子温度Teとする。こ
れにより、高精度で電子温度Teを算出できる。
【0038】なお、電子温度Teを簡便に求める場合
は、ステップSTP3で測定したバイアス電圧Vと、ス
テップSTP4で算出したΔTを、図4に示すような片
対数グラフにプロットし、バイアス電圧Vがプラズマポ
テンシャルVplよりも少し低い範囲における傾きを求
めれば、その傾きが電子温度Teに近似的に等しい。
【0039】そして最後に、ステップSTP6でプラズ
マパラメータの一であるプラズマ密度nを式9により
算出し、処理を終了する。
【数4】
【0040】表1は、本発明に係るセンサプローブ3及
びラングミュアプローブにより測定した各プラズマパラ
メータについて、表面に汚れが付着する前後に測定した
ときの測定値の変化を示すものである。
【0041】
【表1】
【0042】このように、ラングミュアプローブで測定
した場合は表面に汚れが付着する前後で、電子温度で約
40%、プラズマ密度で約30%、プラズマポテンシャ
ルで約60%と、いずれも各プラズマパラメータの測定
値が数十%以上も変化しているのに対し、本発明のセン
サプローブ3で測定した場合は、電子温度で2.2%、
プラズマ密度で2.0%、プラズマポテンシャルで5.6
%と僅か数%しか変化せず、ラングミュアプローブより
も正確に誤差なく測定できることがわかる。
【0043】図5はグロー放電を用いた基板洗浄装置に
本発明に係るプラズマ測定装置を設置した場合を示す説
明図である。なお、図1と共通する部分については同一
符号を付して詳細説明は省略する。
【0044】基板洗浄装置21は、直径150mm×深
さ100mm程度のステンレス製のチャンバ22に碍子
23を介して一対の対抗電極24A、24Bが上下に設
けられると共に、電極24A及び24B間にグロー放電
用電源25が接続されている。また、真空ポンプ13に
よりチャンバ22内を減圧する排気系14、ガスボンベ
15からチャンバ22にアルゴンガスを供給するアルゴ
ンガス供給系16が設けられている点は共通である。
【0045】プラズマ測定装置1のセンサプローブ3
は、対抗電極24A及び24Bの間に配され、金を直径
4mmの球状に形成したバイアス電極5の内部に、白金
ロジウム−白金系熱電対の温度センサ6を配した構造と
なっており、バイアス電極5に印加されるバイアス電圧
及びフローティング電位と、温度センサ6の熱起電力を
測定する電圧計10〜12がプラズマパラメータを算出
する演算装置4に接続されている。
【0046】真空ポンプ13にてチャンバ22の内圧が
1×10−5Torr程度になるまで真空引きを行った後、
アルゴンガス供給系16からアルゴンガスを導入して内
圧を3mTorrに調整した状態で、図6に示す演算装置4
のプログラムを実行開始する。
【0047】まず、ステップSTP1で温度センサ6に
よりプラズマ発生前の雰囲気温度をガス温度Tnとして
測定し、次いで、ステップSTP2でグロー放電用電源
25にて対抗電極24A、24B間に電圧を印加し、チ
ャンバ22内にグロー放電を開始させ、ステップSTP
3に移行して可変電源9によりバイアス電極5に印加す
るバイアス電圧を段階的に変化させながら電圧計10〜
12の測定結果に基づき、バイアス電圧Vに応じたフロ
ーティング電位Vf0及びプローブ温度Tpを測定す
る。
【0048】そして、ステップSTP4〜STP6によ
り、プラズマ密度n、電子温度Te、プラズマポテン
シャルVplを算出する。本例では、プラズマ密度n
=5.9×1015(m−3)、電子温度Te=1.32
(eV)、プラズマポテンシャルVpl=−1.5
(V)であった。
【0049】次いで、ステップSTP7に移行して算出
されたプラズマ密度nと予め設定された値nを比較
し、n>nの場合はステップSTP8に移行してグ
ロー放電用電源25からの供給電圧を減少させ、n
の場合はステップSTP9に移行してグロー放電用
電源25からの供給電圧を維持し、n<nの場合は
ステップSTP10に移行してグロー放電用電源25か
らの供給電圧を増大させる。
【0050】なお、プラズマ密度nを一定に維持させ
る場合に限らず、電子温度Teやプラズマポテンシャル
plを設定値と比較して、これらを一定に維持するよ
うに制御することも可能である。
【0051】図7は高周波放電を用いた表面改質装置に
本発明に係るプラズマ測定装置を設置した場合を示す説
明図である。なお、図1と共通する部分については同一
符号を付して詳細説明は省略する。
【0052】表面改質装置31は、直径200mm×深
さ200mmのステンレス製の真空チャンバ32内に、
碍子33を介して高周波放電用主電極34、高周波放電
用対向電極35が配置されている。主電極34はブロッ
キングコンデンサー36を介して13.56MHzの高
周波電源37に接続され、各電極34、35に対して冷
却水を循環供給する冷却用水循環器38が設けられてい
る。
【0053】また、真空ポンプ13によりチャンバ32
内を減圧する排気系14、ガスボンベ15からチャンバ
32にアルゴンガスを供給するアルゴンガス供給系16
が設けられている点は、図1及び図5のチャンバ2、2
2と同様である。
【0054】プラズマ測定装置1のセンサプローブ3
は、電極34及び35の間に配され、金を直径4mmの
球状に形成したバイアス電極5の内部に、白金ロジウム
−白金系熱電対の温度センサ6を配した構造となってい
る。
【0055】バイアス電極5に印加されるバイアス電圧
Vは、演算装置4からD/A変換器39を介して電力増
幅アンプ40に制御信号が入力され、当該アンプ40か
ら出力される。このバイアス電圧Vは、差動アンプ4
1、絶縁アンプ42のアナログコンピュータにて測定さ
れ、その測定結果が、A/D変換器43を介して演算装
置4に入力されるようになっている。
【0056】また、温度センサ6の熱起電力は、差動ア
ンプ44、絶縁アンプ45のアナログコンピュータにて
測定され、その測定結果が、A/D変換器43を介して
演算装置4に入力されるようになっている。
【0057】高周波放電用対向電極35上に表面改質を
行うワークWとしてパイレックス(登録商標)の基板を
置き、真空ポンプ13にてチャンバ32を1×10−5T
orr以下まで真空引きを行い、アルゴンガス供給系16
よりアルゴンガスを導入しチャンバ32内の真空度を5
mTorrに調整し、プラズマ発生前に温度センサ6により
ガス温度Tnを検出する。
【0058】次いで、高周波電源37をオンして高周波
プラズマ放電を開始させ、バイアス電圧Vを段階的に変
化させながらプローブ温度Tpを測定し、電圧−温度特
性から算出されたプラズマパラメータの値は、プラズマ
密度n=1.5×1015(m−3)、電子温度Te=
2.0(eV)、プラズマポテンシャルV pl=2.0
(V)であった。したがって、ワークWを加工するごと
に、プラズマパラメータの各値がこの値に維持されるよ
うに高周波電源37の出力を制御すれば、同一条件で表
面改質を行うことができ、仕上の品質を一定に維持でき
る。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係るセンサ
プローブは、バイアス電圧が印加されるバイアス電極
と、当該電極又はその近傍の温度を測定する温度センサ
を備え、電極表面に付着する汚れによる誤差の大きい電
流を測定するまでもなく、電圧−温度特性に基づいて、
プラズマ密度、電子温度、プラズマポテンシャルなどの
プラズマパラメータを測定することができるので、測定
誤差の要因となる電極表面に付着する汚れによる影響を
ほとんど受けることなく精度良く測定することができる
という大変優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマパラメータ測定装置を示
す説明図。
【図2】その処理手順を示すフローチャ−ト。
【図3】ΔT−V線図。
【図4】その対数グラフ。
【図5】他の実施形態を示す説明図。
【図6】その処理手順を示すフローチャート。
【図7】他の実施形態を示す説明図。
【図8】従来装置を示す説明図。
【符号の説明】
1………プラズマパラメータ測定装置 2………チャンバ 3………センサプローブ 4………演算装置 5………バイアス電極 6………温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川 井 博 埼玉県行田市富士見町1−20 岩崎電気株 式会社開発センター内 Fターム(参考) 5F004 AA16 BA04 BB18 BB29 BB30 CB06 CB16 5F045 AA08 DP03 DQ10 EH13 EH19 GB08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定対象となるプラズマ雰囲気内にセンサ
    プローブ(3)を設置し、その測定値に基づいてプラズ
    マ密度、電子温度及びプラズマポテンシャルのプラズマ
    パラメータの少なくとも一を測定するプラズマ測定装置
    において、 前記センサプローブ(3)は、プラズマ雰囲気中でバイ
    アス電圧が印加されるバイアス電極(5)と、当該電極
    (5)又はその電極近傍の温度を検出する温度センサ
    (6)を備え、当該センサプローブ(3)に印加された
    バイアス電圧と検出された温度により得られた電圧−温
    度特性に基づいて前記プラズマパラメータの少なくとも
    一を算出する演算装置(4)を備えたことを特徴とする
    プラズマ測定装置。
  2. 【請求項2】測定対象となるプラズマ雰囲気内に、バイ
    アス電圧が印加されるバイアス電極(5)と、当該電極
    (5)又はその電極近傍の温度を検出する温度センサ
    (6)とを備えたセンサプローブ(3)を設置し、前記
    バイアス電極(5)に印加されたバイアス電圧及び前記
    温度センサ(6)で検出された温度から電圧−温度特性
    を求め、得られた電圧−温度特性に基づいてプラズマ密
    度、電子温度及びプラズマポテンシャルのプラズマパラ
    メータの少なくとも一を算出することを特徴とするプラ
    ズマパラメータ測定方法。
  3. 【請求項3】プラズマ雰囲気中でバイアス電圧が印加さ
    れるバイアス電極(5)と、当該電極(5)又はその電
    極近傍の温度を検出する温度センサ(6)とを備えたこ
    とを特徴とするプラズマパラメータ測定用センサプロー
    ブ。
  4. 【請求項4】前記バイアス電極(5)が、白金、金、タ
    ングステン、モリブデン、タンタル、ステンレスなどの
    耐食性金属で形成されてなる請求項3記載のプラズマパ
    ラメータ測定用センサプローブ。
  5. 【請求項5】前記温度センサ(6)が前記バイアス電極
    (5)を構成する金属で被覆又はコーティングされて成
    る請求項3記載のプラズマパラメータ測定用センサプロ
    ーブ。
  6. 【請求項6】前記バイアス電極(5)の表面に前記温度
    センサ(6)が接触した状態に配されて成る請求項3記
    載のプラズマパラメータ測定用センサプローブ。
  7. 【請求項7】前記バイアス電極(5)と前記温度センサ
    (6)が所定距離離隔して配されて成る請求項3記載の
    プラズマパラメータ測定用センサプローブ。
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