JP2001057363A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

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JP2001057363A
JP2001057363A JP11232132A JP23213299A JP2001057363A JP 2001057363 A JP2001057363 A JP 2001057363A JP 11232132 A JP11232132 A JP 11232132A JP 23213299 A JP23213299 A JP 23213299A JP 2001057363 A JP2001057363 A JP 2001057363A
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plasma processing
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JP11232132A
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English (en)
Inventor
Toshio Masuda
俊夫 増田
Nushito Takahashi
主人 高橋
Ryoji Fukuyama
良次 福山
Satoyuki Tamura
智行 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定性・再現性にすぐれたプラズマ処理装置を
提供する 【解決手段】処理室100内に設けられたUHF帯アンテ
ナ110から放射される電磁波と,処理室100の周囲
に設置された磁場形成手段101で形成される磁場との
相互作用により,処理室内部にプラズマを発生してウエ
ハWを処理するプラズマ処理装置において,ウエハ外周
部にもうけたシリコン製の試料台リングにバイアスを印
加して反応生成物が堆積しない状態として,さらにウエ
ハ処理中の試料台リング表面の温度を概略150 ℃以上と
することで,試料台リング表面での反応を安定化させ
て,プロセスの安定性・再現性を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,プラズマ処理装置
およびプラズマ処理方法に係り,特に半導体製造工程に
おける微細なパターンを形成するのに好適なプラズマ処
理装置およびプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程では,エッチング,アッ
シング,成膜などの微細加工プロセスで,プラズマ処理
装置が広く用いられている。プラズマ処理によるプロセ
スは,真空チャンバー(リアクタ)内部に導入されたプ
ロセスガスをプラズマ発生手段によりプラズマ化し,半
導体ウエハ表面で反応させて微細加工を行うとともに,
揮発性の反応生成物を排気することにより,所定の処理
を行うものである。
【0003】このプラズマ処理装置およびプラズマ処理
プロセスにおいては,試料を処理・加工する際に,試料
を載置する下部電極周辺に反応生成物が付着・堆積し,
やがて堆積膜が剥離してウエハ表面に異物として付着し
て歩留まりを低下させる問題があり,この堆積物を除去
するために,プラズマ処理装置を定期的に清掃する必要
があった。
【0004】この問題を解決するために,特開平5―2
75385号公報には,平行平板型のプラズマ処理装置
において,被処理体保持手段であるクランプリングにプ
ラズマ処理により生じる反応生成物が付着しない温度に
昇温・維持させる加熱手段(抵抗発熱体)を設けた装置
が記載されている。加熱により反応生成物の付着が防止
できるので,反応生成物の剥離や,被処理体表面へのパ
ーティクルの付着が低減される。
【0005】一方,プラズマ処理装置においては,下部
電極の周辺は試料に近接しているため,試料への異物や
汚染の混入をひきおこしやすい。この問題を解決するた
めに,特開平7―135200号公報には,試料である
ウエハの周囲に設置したリング状部材を単結晶シリコン
で形成することによりウエハへの汚染を防止するととも
に,リング状部材の高さにより均一性を制御する装置が
記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記に記載の従来技術
においては,クランプリングの加熱は反応生成物の付着
防止が目的であり,クランプリングの表面の状態や温度
がプロセス特性や処理の安定性・再現性におよぼす影響
については考慮されていない。また,試料外周部にシリ
コン製のリング状部材を設ける場合についても,シリコ
ンを用いるのは試料への金属汚染の防止が目的であり,
また均一性におよぼす影響もウエハ面からの高さのみが
検討されていて,リング状部材の表面の状態や温度がプ
ロセスに及ぼす影響についてはなんら考慮されていな
い。
【0007】しかしながら,プラズマ処理装置における
リアクタ内面の温度や反応の制御の重要性については広
く認識されており,たとえばS.C. McNevin, et al., J.
Vac. Sci. Technol. B 15(2) Mar/Apr 1997, p.21, 'C
hemical challenge of submicron oxide etching' に
は,誘導結合型のプラズマにおいて,側壁温度が200 ℃
から170 ℃に変化すると酸化膜エッチレートが5%以上
増加し,安定したプロセス特性を得るにはリアクタ内表
面の温度をたとえば250℃±2℃というきわめて高い精度
に保つ必要があることが示されている。この結果,装置
にランプ加熱などを用いた複雑な温調機構や,きわめて
高精度なin-situ温度モニタリングあるいは温度制御機
能を備える必要が生じ,装置は複雑化し信頼性を低下さ
せるとともにコストアップを招くことになる。
【0008】特に試料の近傍におけるリアクタ内表面の
状態や温度はプロセス特性に大きな影響をおよぼすこと
が予想される。したがって,プロセス安定性・再現性を
広いマージンをもって得るためには,試料近傍における
表面反応の安定化が鍵であり,これを複雑な機構を用い
ることなく,量産装置として扱いやすく具現性の高い容
易な構造により実現することが望まれる。
【0009】本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意
研究を重ねた結果,試料外周部に設けたリング状の部材
の材質とバイアス印加量および温度をある条件に設定す
ることで,複雑な温度制御機構を用いることなく,試料
近傍における表面反応を安定化させることができ,プロ
セスの安定性・再現性が得られることを見出した。
【0010】本発明の目的は、上記この知見に基づいて
なされたものであり,安定性・再現性にすぐれたプロセ
ス特性が得られるプラズマ処理装置およびプラズマ処理
方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明に記載されるプラズマ処理装置およびプラズ
マ処理方法は,真空容器としての処理室と,該処理室内
にプラズマを発生するプラズマ発生装置と,前記処理室
内で処理される試料を保持する電極を有するプラズマ処
理装置において, a)前記電極の上面の試料外周部にシリコンよりなるリ
ング状部材を設置し, b)前記リング状部材にバイアスを印加し, c)前記バイアスは前記リング状部材に反応生成物が堆
積しないような強さ以上とし, d)前記試料の処理開始時のリング状部材の表面温度を
概略150℃以上とする ことを特徴とするものである。
【0012】本発明の他の特徴は,前記のリング状部材
へのバイアス印加量を,リング状部材の単位面積あたり
の電力として,0.1 W/cm2ないし5 W/cm2とするものであ
る。あるいは,前記のリング状部材へのバイアス印加量
が,リング状部材の単位時間当たりの消耗レートが0.3
μm / hrないし6μm / hrとなるように設定するもので
ある。
【0013】本発明のさらに他の特徴は,前記リング状
部材にバイアスを印加する方法として,前記電極上面と
前記リング状部材の間に設けられた絶縁材料を通して前
記電極に供給される電力の一部が漏洩する構造としてバ
イアスを印加するものである。そして,前記のリング状
部材へのバイアス印加量を調整する方法として,前記絶
縁材料を誘電率・厚みの異なるユニット部品として処理
条件に応じて交換可能とすることを特徴とするものであ
る。
【0014】本発明のさらに他の特徴は,前記リング状
部材にバイアスを印加する方法として,前記電極のうち
前記リング状部材の下方部分を分離して,前記分離部分
に前記電極への供給電力の一部を電力配分機構により配
分し,比率を可変として制御することが可能な構造とし
たことにある。
【0015】本発明のさらに他の特徴は,前記のリング
状部材の表面温度を上昇させる方法として,試料の処理
開始前に処理試料とは異なる試料を用いたダミー処理に
よりリング状部材を概略150 ℃以上に予熱するものであ
る。前記のリング状部材の昇温方法であるダミー処理条
件は,試料処理条件と同一とする。または,前記のリン
グ状部材の昇温方法であるダミー処理として,試料処理
条件よりも大きな下部電力を供給して,ダミー試料とし
てシリコンウエハを用いるものである。
【0016】本発明のさらに他の特徴は,前記のリング
状部材の昇温方法であるダミー処理を,前記のリング状
部材温度が概略150 ℃以上の場合にのみ実施することに
ある。
【0017】本発明のさらに他の特徴は,前記のリング
状部材を前記電極に組み込んだ発熱体により,試料の処
理開始前にリング状部材を概略150 ℃以上に予熱するも
のである。または,前記電極に赤外線照射系を組み込
み,電極とリング状部材の間に赤外線に透明な絶縁材料
を設置して,リング状部材を赤外光で予熱するものであ
る。
【0018】本発明によれば,試料の外周部に設けたシ
リコン製のリング状部材の表面における反応を複雑な温
度制御機構を用いることなく安定化でき,安定性・再現
性にすぐれたプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
を実現することができる。またリング状部材の表面には
反応生成物が堆積しないので,堆積膜の剥離に起因する
異物が発生しない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下,本発明の一実施例につい
て,図面に基づいて説明する。
【0020】図1は,本発明を,有磁場UHF帯電磁波
放射放電方式のプラズマエッチング装置へ適用した実施
例を示すもので,当該プラズマエッチング装置の断面模
式図である。
【0021】図1において,処理室100は,10ー6 To
rr程度の真空度を達成可能な真空容器であり,その上部
に電磁波を放射するアンテナ110を,下部にはウエハ
などの試料Wを載置する下部電極130を備えている。
アンテナ110と下部電極130は,平行して対向する
形で設置される。処理室100の周囲には,たとえば電
磁コイルとヨークよりなる磁場形成手段101が設置さ
れている。そして,アンテナ110から放射される電磁
波と磁場形成手段101で形成される磁場との相互作用
により,処理室内部に導入された処理ガスをプラズマ化
して,プラズマPを発生させ,試料Wを処理する。
【0022】一方,処理室100は,真空室105に接
続された真空排気系106により真空排気され,圧力制
御手段107により圧力が制御される。処理圧力は,0.
1 Pa以上10 Pa以下,望ましくは0.5 Pa以上4 Pa以下の
範囲に調整される。処理室100および真空室105は
アース電位となっている。処理室100の側壁102に
は,温度制御機能をもつ側壁インナーユニット103が
交換可能に設置される。側壁インナーユニット103
は,熱媒体供給手段104から熱媒体が循環供給される
ことにより処理室内表面の温度が制御される。あるいは
ヒータ加熱機構と温度検知手段によるフィードバック制
御により温度を制御してもよい。温度制御範囲は,0 ℃
〜100 ℃,望ましくは20 ℃〜80 ℃で,±10 ℃以内の
精度で制御される。処理室100の側壁102,側壁ユ
ニット103は重金属を含まず熱伝導性のよいたとえば
アルミニウムなどの非磁性金属材料として,表面に耐プ
ラズマ性のアルマイトなどの表面処理を施すのが望まし
い。
【0023】アンテナ110は,円板状導電体111,誘
電体112,誘電体リング113からなり,真空容器の一
部としてのハウジング114に保持される。また,円板
状導電体111のプラズマに接する側の面にはプレート1
15が設置され,さらにその外側に外周リング116が
設置される。円板状導電体111は,図示しない温度制
御手段,すなわちその内部を循環する熱媒体により温度
が所定の値に維持され,円板状導電体111に接するプ
レート115の表面温度がたとえば100 ℃程度に制御さ
れる。試料のエッチング,成膜等の処理を行なう処理ガ
スは,ガス供給手段117から所定の流量と混合比をも
って供給され,円板状導電体111とプレート115に設
けられた多数の孔を通して,所定の分布に制御されて,
処理室100に供給される。
【0024】アンテナ110には,アンテナ電源120
として,アンテナ電源121,アンテナバイアス電源1
22が,それぞれマッチング回路・フィルタ系123,
124を介して接続され,またフィルタ125を通して
アースに接続される。アンテナ電源121は,300 MHz
から1 GHzのUHF帯周波数の電力を供給する。円板状導電
体111の径をある特性長にしておくことで,たとえばT
M01モードのような固有の励振モードが形成される。本
一実施例では,アンテナ電源121の周波数を450 MH
z,円板状導電体111の直径を330 mmとしている。一
方,アンテナバイアス電源122は,アンテナ110に
数10 kHzから数10 MHzの範囲の周波数のバイアス電力を
印加することで,円板状導電体111に接するプレート
115へのセルフバイアスを調整してその表面での反応
を制御する。本一実施例では,周波数を13.56 MHzとし
ている。プレート115はウエハと対向しているので,
処理プロセスにもっとも大きく影響するが,この面にバ
イアスを印加し,かつ温度を一定に制御して表面反応を
安定化させることで,安定したプロセス特性が得られ
る。また,たとえば,CF系のガスを用いた酸化膜エッチ
ングにおいて,プレート115の材質を高純度のシリコ
ンやカーボンなどとすることで,プレート115の表面
でのFラジカルやCFxラジカルの反応を制御して,ラジ
カルの組成比を調整する。プレート115の下面とウエ
ハWの距離(以下,ギャップと呼ぶ)は,30mm以上150
mm以下,望ましくは50 mm以上120 mm以下とする。
【0025】処理室100の下部には,アンテナ110
に対向して下部電極130が設けられている。下部電極
130には,たとえば400 kHzから13.56 MHzの範囲のバ
イアス電力を供給するバイアス電源141がマッチング
回路・フィルタ系142を介して接続されて試料Wに印
加するバイアスを制御するとともに,フィルタ143を
介してアースに接続される。本一実施例では,バイアス
電源141の周波数を800 kHzとしている。
【0026】下部電極130は,静電吸着装置131に
より,その上面,すなわち試料載置面にウエハなどの試
料Wを載置保持する。静電吸着装置131は,その上面
に静電吸着用誘電体層(以下,静電吸着膜と略称する)
が形成されており,静電吸着用の直流電源144とフィ
ルタ145から数100 V〜数kVの直流電圧を印加するこ
とで,静電吸着力により,試料Wを下部電極130上に
吸着・保持する。静電吸着膜としては,たとえば酸化ア
ルミニウムや酸化アルミニウムにチタン酸化物を混合し
た誘電体を用いる。また,静電吸着装置131は,図示
しない温度制御手段によりその表面が所定の温度に制御
される。そして,静電吸着装置131の表面には,不活
性ガス,たとえばHeガスが所定の流量と圧力に設定され
て供給されており,試料Wとの間の熱伝達性を高めてい
る。これにより,試料Wの表面温度を,たとえばおよそ
100 ℃〜110 ℃の範囲に精度よく制御することが可能と
なる。
【0027】静電吸着装置131の上面の試料Wの外周
部には,高純度のシリコンで形成されたリング状の部材
である試料台リング132が設けられている。試料台リ
ング132は絶縁体133により静電吸着装置131と
絶縁される。電極の外側には電極外周カバー134を設
けてある。絶縁体133,電極外周カバー134にはア
ルミナや石英を用いるのが好適である。本一実施例にお
いては,絶縁体133,電極外周カバー134にはアル
ミナを用いている。絶縁体133,電極外周カバー13
4は必ずしも別個の部品とする必要はなく,たとえばア
ルミナを用いて一体型としてもよい。また,本一実施例
では,絶縁体133の厚みは径方向に一定として試料台
リング132に一定のバイアスがかかるようにしてある
が,絶縁体133や試料台リング132の厚みを場所に
よって変えるなどして,試料台リング132へのバイア
ス量に分布をもたせてもよい。
【0028】このような構造により,試料台リング13
2には,下部電極に印加されるバイアス電力を,絶縁体
133を介して一部漏洩させて加えることができる。試
料台リング132へのバイアス印加の強さは,絶縁体1
33の誘電率および厚みにより適度に調整できる。この
結果,試料台リングに引き込まれるイオンにより堆積膜
をスパッタさせることで,試料台リング上に堆積膜が形
成されないような状態とすることができる。また,試料
台リング132は絶縁体133とは真空断熱されていて
熱的にはほぼ非接触であるので,プラズマおよびバイア
スによる加熱で概略150 ℃以上の温度に昇温することが
容易に可能である。このような条件では,後に述べるよ
うに,シリコン表面での反応が安定化し,試料台リング
表面での反応の温度依存性が小さくなって,試料台リン
グの温度制御の精度のマージンを広くとれるので,試料
台リングの温度を制御する複雑な機構を設けなくとも安
定したプロセス特性が得られる。
【0029】また,試料台リング132の材質をシリコ
ンとすることで,試料台リング132の表面でのシリコ
ンのスカベンジ作用により,FラジカルやCFxラジカル
の反応あるいはラジカル組成を調整でき,特にウエハ外
周部でのエッチング均一性の制御が可能となる。一方,
試料台リング132に過大なバイアスをかけすぎると,
エッチングの均一性がくずれたり,試料台リングの材料
であるシリコンの消耗が進んでしまう。試料台リング1
32への印加バイアス量は,これらの条件を満足するよ
うに設定する。
【0030】本一実施例では,絶縁体133は交換可能
なユニット部品であり,絶縁体133の材料と厚みによ
りインピーダンスを調整する。後に詳しく説明するよう
に,絶縁体133に厚さ3 mmのアルミナを用いること
で,下部電極バイアスが600 Wのときに試料台リング上
に反応生成物が堆積しない状態とすることができる。こ
のとき,試料台リングの表面温度はおよそ10分で概略15
0℃以上に達する。さらに,下部電極バイアスを増加さ
せて1600 Wとすることで,150℃への昇温時間は3分に短
縮可能である。試料台リングのシリコンの消耗の速度は
およそ1.5μm/hrであり,試料台リングの寿命をたとえ
ば1000時間以上に保つことが可能である。
【0031】本一実施例によるプラズマエッチング装置
は以上のように構成されており,このプラズマエッチン
グ装置を用いて,たとえばシリコン酸化膜のエッチング
を行う場合の具体的なプロセスを,図1を用いて説明す
る。
【0032】まず,処理の対象物であるウエハWは,図
示していない試料搬入機構から処理室100に搬入され
た後,下部電極130の上に載置・吸着され,必要に応
じて下部電極の高さが調整されて所定のギャップに設定
される。ついで,処理室100内に試料Wのエッチング
処理に必要なガス,たとえばC4F8とArとO2がガス供給手
段117から供給され,円板状導電体111の内部で拡
散されて,プレート115を通して所定の流量と混合比
をもって処理室100に供給される。同時に,処理室1
00は,真空排気系106および圧力制御手段107に
より,所定の処理圧力に調整される。次に,アンテナ電
源121からの450 MHzの電力供給により,アンテナ1
10から電磁波が放射される。そして,磁場形成手段1
01により処理室100の内部に形成される160ガウス
(450 MHzに対する電子サイクロトロン共鳴磁場強度)
の概略水平な磁場との相互作用により,処理室100内
にプラズマPが生成され,処理ガスが解離されてイオン
・ラジカルが発生する。さらにアンテナバイアス電源1
22からのアンテナバイアス電力や下部電極のバイアス
電源141からのバイアス電力により,プラズマ中のイ
オンやラジカルの組成比やエネルギーを制御して,ウェ
ハWにエッチング処理を行う。そして,エッチング処理
の終了にともない,電力・磁場および処理ガスの供給を
停止してエッチングを終了する。
【0033】本一実施例におけるプラズマ処理装置は上
記のように構成されている。次に,本実施例の装置を用
いてシリコン酸化膜のエッチングにより試料台リング1
32の温度変化とエッチング特性との関係を調べた実験
結果をもとに,試料台リング132へのバイアス印加と
昇温制御の効果について,具体的に説明していく。
【0034】図2は,図1の実施例のプラズマ処理装置
において,ウエハ連続処理を模擬して1枚のウエハあた
り3分間の放電を1分間の休止時間をおいて繰返した時
の試料台リング132の温度上昇の時間変化を測定した
結果である。放電時間はウエハ処理の時間,休止時間は
ウエハの搬送に要する時間に相当する。実験条件として
は,下記の処理条件Aを用いている。
【0035】処理条件A: エッチングガス組成:Ar / C4F8 / O2 = 400 / 15 / 9
sccm, ガス圧力:2.0 Pa, ギャップ:70 mm 電力:アンテナ/アンテナバイアス/下部バイアス = 100
0 W / 400 W / 600W また,試料台リング132へのバイアス印加量を調整す
る絶縁体133には厚さ3 mmのアルミナを用いている。
この厚みは,試料台リング132に有効にバイアスがか
かって試料台リング132上に反応生成物が堆積しない
ように設計された値である。このとき,ウエハWにはお
よそ2 W/cm2,試料台リング132には0.5W /cm2のバイ
アス電力(単位面積あたり)が印加されている。また,
試料台リング132の厚みは3 mmであり,絶縁体133
の上に載置されているのみで,温度制御機構は設けてい
ない。
【0036】図2の結果からわかるように,試料台リン
グ132の温度は,放電時に上昇と休止時に低下を繰り
返しながら,およそ10分後に150 ℃に達し,放電のON/O
FFにともなって15 ℃程度の変動を示しながら,約1時
間後に190 ℃(放電時)となってほぼ定常状態に達す
る。試料台リングは,放電中はプラズマからの加熱とバ
イアス電力とにより加熱され,休止中に放熱してこれら
がバランスしたところで定常状態に達する。試料台リン
グ132に対しては積極的な温度制御はなされていない
ので,試料台リング132の温度が150 ℃に達してから
定常状態に達するまでにはさらに30 分以上を要してお
り,その間に温度は40 ℃以上も上昇する。
【0037】試料台リングのこのような温度変化にとも
なって,エッチング特性も変化することが予想される。
そこで次に,上記と同一の処理条件におけるシリコン熱
酸化膜(以下TEOSと略記),窒化シリコン膜(以下SiN
と略記)のエッチングレートと試料台リングの温度の関
係を調べた。結果を図3に示す。図中では,−■−がTE
OS,−◆−がSiNレートを示している。なお,白抜きの
−□−,−◇−については後に説明する。この実験にお
いては,リアクタ内の試料台リング以外の部分の温度は
一定に制御されていてプロセス特性には影響しないこと
を確認している。
【0038】この図からわかるように,試料台リング温
度が150 ℃以下では,予想どおり,試料台リングの温度
変化にともなって,エッチングレートが変化しており,
たとえば試料台リング温度が120 ℃から150 ℃にあがる
と,TEOSレートは約5%低下する。しかしながら,試料台
リング温度が150 ℃以上では,温度が190 ℃まで上昇し
て40 ℃以上の変化があるにもかかわらず,TEOSレー
ト,SiNレートのいずれとも試料台リングの温度によら
ずにほぼ一定であることがわかる。この理由は,シリコ
ンに適度なバイアスを印加することで,150 ℃以上では
表面反応が温度によらずに一定となるためにプラズマ中
のラジカル組成が安定に保たれることによると考えられ
る。このことは,プラズマ発光計測でラジカルの発光強
度が試料台リング温度によらずに一定であることからも
裏付けられる。
【0039】したがって,試料台リングにバイアスを印
加して反応生成物が堆積しない状態において,ウエハ処
理中の試料台リングの温度を150 ℃以上とすることで,
安定したプロセス特性が得られると予測できる。このた
めには,図2の結果からわかるように,ロット開始時に
処理条件Aと同一の条件で10分間の試料台リング昇温処
理を行って,試料台リングの温度を150 ℃に上昇させれ
ばよい。
【0040】次に,本一実施例のプラズマエッチング装
置において,上記のような試料台リング昇温処理を用い
た場合の実際のプラズマ処理方法を説明する。図4は,
本発明の一実施例であり,試料台リング昇温ステップを
用いたプラズマ処理方法を示すフロー図である。まず,
ステップS1において処理室100内に処理ウエハーと
は異なる試料であるダミーウエハを搬入し,ステップS
2において試料台リング昇温ステップにより試料台リン
グの温度を上昇させた後,ステップS3で処理室100
内からダミーウエハを搬出する。ついで,ステップS4
により処理室100内に処理ウエハを搬入し,ステップ
S5においてウエハを処理して,ステップS6で処理室
100内から処理ウエハを搬出する。そして,S4〜S
6のステップを繰り返して所定枚数のウエハを処理し
て,ステップ7で処理を終了する。
【0041】試料台リング昇温ステップ条件は下記に示
すように処理条件Aと同一であり,図2で示した試料台
リング昇温特性にもとづいて時間を10分間としている。
【0042】試料台リング昇温ステップ条件F1: エッチングガス組成:Ar / C4F8 / O2 = 400 / 15 / 9
sccm, ガス圧力:2.0 Pa, ギャップ:70 mm 電力:アンテナ/アンテナバイアス/下部バイアス = 100
0 W / 400 W / 1000W 時間:10分間 いうまでもなく,試料台リング昇温ステップはウエハ1
枚ごとに実施する必要はなく,ロット処理開始前に1回
だけ行えばよい。また,図1で説明したように,本一実
施例のプラズマ処理装置では,処理プロセスに大きく影
響するプレート115にバイアスを印加して,かつ温度
を一定に制御することで安定したプロセス特性が得られ
ており,ウエハ1枚ごとに処理室内壁の状態を調整する
いわゆるシーズニング処理や,処理後に堆積物を除去し
たりする必要はない。
【0043】ところで,図4においては,試料台リング
昇温ステップS2では処理に10分を要しているが,この
時間はステップ4以降のウエハの処理・加工にとっては
待ち時間であり,ロット処理のスループットを低下させ
るので,可能な限り時間を短縮するのが望ましい。これ
は,試料台リング昇温ステップS2において,大きなバ
イアス電力を投入して試料台リングをバイアスにより加
熱することで,複雑な機構を用いることなく短時間で試
料台リング温度を150 ℃以上に昇温することができる。
【0044】一例として,試料台リング昇温条件として
下記の条件F2,すなわち処理条件Aにおいて下部バイア
ス電力を1600 Wとして3分間投入した場合の昇温特性を
図5に太実線で示す。この条件は,処理条件Aにおいて
下部バイアス電力を1600 Wとして3分間投入したもので
あり,他の電力条件やガス組成などは同一である。
【0045】試料台リング昇温ステップ条件F2: エッチングガス組成:Ar / C4F8 / O2 = 400 / 15 / 9
sccm, ガス圧力:2.0 Pa, ギャップ:70 mm 電力:アンテナ/アンテナバイアス/下部バイアス = 100
0 W / 400 W / 1600W 時間:3分間 図5中には,図2に示したのと同じ昇温特性を細実線で
示しており,これらを比較すれば,下部バイアス電力を
1600 Wとすることで放電開始後の温度上昇がはやくな
り,試料台リング温度が3分間でほぼ150 ℃に達して,
試料台リング昇温の時間が図中の矢印で示すように短縮
できることがわかる。したがって,下部バイアス電力を
1600 W投入することで,ウエハ1枚の処理時間に相当す
る3分間の放電により試料台リングを150℃に予熱でき
ることがわかる。この実験では,試料台リングを昇温し
た直後にTEOS,SiNのエッチング(1分間の処理で測定
した)を引き続いて行った。その結果得られたエッチン
グレートを図3の中に白抜きの−□−,−◇−(矢印で
示す)で示しており,これらは定常状態でのレート値と
一致している。したがって,上記のように下部バイアス
電力を1600 Wで3分間投入することにより,試料台リン
グ昇温時間を10分間から3分間に短縮できることが確認
できた。
【0046】このように,試料台リングの温度を上昇さ
せるのにもっとも効果があるのは下部バイアス電力であ
る。そこで,試料台リング昇温ステップの条件は,下部
バイアス電力の条件と時間を中心にして,エッチング特
性の変動が所定の許容範囲におさまるようにあらかじめ
設定しておく。あるいは,試料台リングの温度上昇には
プラズマ密度も影響するので,プラズマ生成用電力であ
るアンテナ電力を,たとえば1500 Wなどと増加させても
よい。上記以外のガス組成・圧力・ギャップなどの条件
は,処理条件とほぼ同一とすればよく,この場合試料台
リング昇温ステップ時のプラズマ状態がプラズマ処理時
の状態と近くなるので,試料台リング昇温ステップが処
理室内部やプラズマの状態に大きく影響することはな
い。もちろん,試料台リング昇温ステップ後のエッチン
グ特性に影響しない範囲で,たとえばガス組成を堆積性
の少ない条件にするなどとしてもよい。
【0047】試料台リング昇温ステップにおけるダミー
ウエハは,シリコンベアウエハあるいはレジストを塗布
したウエハを用いる。ただし,ウエハの処理温度が高
く,しかも試料台リング昇温ステップにおいて印加する
下部バイアス電力が大きい場合には,ウエハの温度が上
昇しすぎてレジストが焼けてしまうので,この場合はシ
リコンウエハを用いる。
【0048】ところで,これまで説明してきたように,
プロセス安定性は適正なバイアスをかけた上で試料台リ
ング温度を概略150 ℃以上にすることで実現できるが,
これは別の見方をすれば,試料台リング昇温ステップは
試料台リングの温度が150 ℃以下の場合にのみ必要とい
うことである。図5においては50分以降の太実線で処理
終了後の試料台リングの温度低下の様子も示している
が,この結果からわかるように,一連の処理が終了した
時点では試料台リングの温度はおよそ200 ℃に達してお
り,処理終了により放電が停止すると試料台リングの温
度は低下するが,およそ5分間は試料台リングの温度が
150 ℃以上に保たれている。したがって,2ロット以上
を連続して処理する場合,ロット終了時の試料台リング
温度が150℃よりも高く,かつロット間の時間間隔が短
くて次のロットが始まるときに試料台リングの温度が15
0 ℃以上に保たれていれば,試料台リング昇温ステップ
は必要ない。
【0049】図6は,このような試料台リング昇温ステ
ップの必要の有無を判断するステップを加えた場合のプ
ラズマ処理方法を示すフロー図である。図5のフロー図
との違いは,ステップSJ1において昇温ステップの必
要の有無を判断している点であり,ロット処理開始時に
試料台リングの温度が150℃以上を保っていると判断し
た場合は試料台リング昇温ステップ処理S1〜S3をス
キップして,ウエハ処理ステップS4〜S6を行う。こ
のように,状況に応じて試料台リング昇温ステップを省
略することで,無駄な時間をはぶいてスループットを向
上させることができる。
【0050】ステップSJ1における判断には,いくつ
かの方法が考えられる。もっとも簡便には,すぐ前のロ
ットが終了してからの時間により,たとえば5分以上ロ
ット間隔があいていたら試料台リング昇温ステップを行
う,とすればよい。また,与えられたプロセス条件に対
応してロット処理の間隔とエッチング特性の相関をあら
かじめ調べておいて,試料台リング昇温ステップを行う
ロット処理の時間間隔を設定してもよい。あるいは,試
料台リングの温度変化の特性をあらかじめ測定しておい
たり,シミュレーションにより計算しておいた結果を用
いて時間を設定してもよい。これらの判断をあらかじめ
プラズマエッチング装置の制御システムにプログラムし
ておくことで,ユーザは試料台リング昇温ステップの必
要の有無を判断する必要はなくなり,ユーザに余分な負
担がかかることはない。もちろん,試料台リングの温度
をモニターしておき,その測定値から試料台リング昇温
の必要性を判断してもよく,この場合試料台リングの温
度が150 ℃に達した時点で試料台リング昇温を停止する
といったきめこまかい制御が可能になる。
【0051】次に,上記の結果を総合して,量産を模擬
した状況で連続処理試験を行って,試料台リング昇温の
効果によるプロセス安定性を検証した結果を,図7を用
いて説明する。実験は全部で6ロットの処理を行ない,
ロット開始時・終了時およびロット中間でのTEOS(シリ
コン熱酸化膜),SiN(窒化シリコン膜)のエッチング
レートを測定した。図中では,−■−がTEOS,−◆−が
SiNレート,- -●- -がTEOS/ SiN選択比を示している。
また,それぞれのロット終了時の値と開始時の値を区別
するために,ロット開始時の値を白抜きの□,◇,○で
示している。そして着工の時間間隔を,ロット1〜2お
よびロット4〜5は5分以内で連続させて,それ以外は
1.5時間さらには12時間の長い時間間隔をおいて処理し
た。そして,図6のフロー図で説明したように,ロット
1の開始時およびロット間の時間間隔が長いロット3,
4,6の開始時に試料台リング昇温ステップをいれた。
図にはロット間の休止時間(Interval)を示すととも
に,試料台リング昇温ステップ(Focus Ring Temp Rais
e Step)をいれたタイミングを矢印で示している。処理
条件および試料台リング昇温ステップ条件は,前に述べ
た処理条件A,試料台リング昇温ステップ条件F2を用い
た。
【0052】この結果,図7に示すように,ロット内・
ロット間を通じて,安定したTEOS,SiNのエッチング特
性が得られた。定量的には,TEOSのレート変動は±2 %
以内,TEOS/SiN選択比の変動は±3 %以内であり,すぐ
れた安定性・再現性を示している。また,プラズマ発光
でみたラジカル組成も安定していた。さらに,試料台リ
ングには反応生成物が付着しないので,堆積膜の剥離に
よる異物の発生もなく,異物数は20個/ウエハ以下(0.
2 μm以上)を安定して維持していた。これらの結果か
ら,ロット間の着工間隔がばらつく量産に近い状況にお
いても,試料台リング昇温ステップを加えることで,安
定したプロセス特性を得られ,試料台リング昇温による
プロセス安定化の効果を検証できた。
【0053】一方,比較のために,上記と同様の条件に
おいて試料台リング昇温ステップを加えない場合の結果
を,図8に示す。この場合,ロット1および着工間隔が
長いロット3,4,6の開始時,すなわち試料台リング
の温度が低い状態のときに,5%以上のレートや選択比
の変動がみられた。この実験の場合でも試料台リングに
はもれバイアスが印加されているので,試料台リング上
には反応生成物は堆積しない。これらのことから考え
て,安定した試料台リング表面状態あるいは表面反応
は,単にシリコン表面にバイアスを印加して試料台リン
グ上に反応生成物が堆積しない状態とするだけでは得ら
れず,試料台リングを150℃以上に昇温することが必要
であることがわかる。
【0054】逆に,試料台リングを加熱して150 ℃以上
の温度としても,試料台リングに十分なバイアスが印加
されていないと,試料台リング上への反応生成物の堆積
により,プロセス特性は経時的に変化する。このこと
は,試料台リングへのバイアス印加量を調整する絶縁体
133のアルミナの厚みを3 mmから6 mmに変更した実験
により検証した。アルミナ厚が6 mmの場合には,試料台
リングの昇温特性は3 mmの場合とほぼ同様で,定常的な
温度は150 ℃よりも十分に高い温度に達する。しかしな
がらバイアス印加が不十分なため,試料台リング上には
経時的に反応生成物が堆積していく。このような条件の
もとで,図7で示したと同じ6ロットの連続試験を行っ
た結果,図としては結果を示さないが,ロット処理を重
ねるごとにTEOSレート,SiNレートが漸次低下してい
き,10 %以上のレート変動が生じる結果となった。この
とき,プラズマ発光のモニタリング結果は,Fラジカル
の量が時間とともに低下していったことを示していた。
このことから,試料台リング上に反応生成物が堆積し,
時間とともに厚みが増していったことで,試料台リング
のシリコン表面でのたとえばFラジカルのスカベンジ作
用といった表面反応が時間とともに変化して,プロセス
特性が変化したものと推測できる。この結果は,シリコ
ン試料台リングの表面反応の安定化のためには,単に温
度を150 ℃以上に上昇させるだけでは不十分で,適正な
バイアス印加により反応生成物が堆積しない状態とする
ことが必要であることを示している。また,特に12時間
といった長い休止時間の後に,試料台リング上に堆積し
た反応生成物の剥離による異物が発生した。したがっ
て,異物抑制の観点からも試料台リング上には反応生成
物を堆積させないことが必要である。
【0055】以上の結果から,試料台リングにシリコン
を用いて,試料台リングに適正なバイアスを加えて反応
生成物が堆積しない状態とした上で,試料台リング温度
が概略150 ℃以上の範囲でエッチング処理を行うことに
より,試料台リング表面での反応が安定化できて,処理
特性の安定性・再現性を確保できることが明らかとなっ
た。さらにこの場合,試料台リング上には反応生成物が
堆積しないので,堆積膜の剥離に起因する異物も発生し
ない。
【0056】なお,試料台リングにシリコンを用いてバ
イアスを印加すると,シリコンが消耗してウエハの処理
コストの増加につながるとの懸念が考えられる。図1の
実施例では試料台リングにおよそ0.5 W/cm2のバイアス
が印加されているが,この場合の試料台リング材料のシ
リコンの消耗量(放電1時間あたりの消耗レート)はお
よそ1.5μm / hr(25 nm / min)であった。これは,放
電1000時間で1.5 mm消耗するレベルであり,たとえば試
料台リングの初期厚さを3 mmとして削れ量1.5mmまでの
消耗まで許容するとすれば,試料台リングの寿命は放電
1000時間以上と十分に長くもたせることができる。さら
に試料台リングへのバイアス印加を低減することで,シ
リコンの消耗レートを0.3μm / hr(5 nm / min)程度
に抑制でき,この場合プロセスの安定性・再現性に影響
することなくウエハ処理コストを低減させることができ
る。一方,シリコンの消耗量の最大値としては,ウエハ
処理コストとの兼ね合いから,およそ6μm / hr(100 n
m / min)程度以下に抑制する必要がある。
【0057】ところで,試料台リングへのバイアスは,
処理対象やプロセス条件に応じて可変とできることが望
ましい。たとえば,自己整合コンタクト(SAC: Self Al
igned Contact)では,高いTEOS/SiN選択比を得るため
に下部バイアスの投入電力を比較的小さく設定(たとえ
ば600 W)してイオンエネルギーを下げることが一つの
方策である。一方,コンタクトホールのエッチングで
は,高いイオンエネルギーを得るために,下部バイアス
の投入電力を大きく設定する(たとえば1600 W)ことが
有効と考えられる。これらのプロセスに対して,試料台
リングへのバイアス印加量を調整する絶縁体133の厚
みを同じとすると,たとえばSACプロセスで適正なバイ
アス印加量になるようにした場合,コンタクトホールの
プロセスでは試料台リングに過大なバイアスがかかって
しまう。この結果,たとえばシリコン表面でのFのスカ
ベンジ反応が促進されすぎてプロセスや均一性に影響し
たり,シリコンの消耗が進みすぎたり,試料台リングの
温度が上昇しすぎる,といったデメリットが生じる可能
性があり,試料台リングへのバイアス印加を減らす必要
がある。
【0058】これはいくつかの方法で実現することがで
きる。たとえば,図1の実施例における試料台リング1
32へのバイアス印加量を調整する絶縁体133を,プ
ロセス条件に対応して誘電率や厚みの異なるいくつかの
種類を交換可能なユニット部品としてあらかじめ用意し
ておき,プロセス変更時に交換することにより,簡便に
かつ複雑な機構を用いることなく実現できる。
【0059】また,図1の実施例における静電吸着装置
131について,試料台リング132へのバイアス印加
部分をウエハWへのバイアス印加部分と別個の構造とし
た上で,これらの部分への下部バイアス電源141から
の電力の配分比率,すなわちバイアス量のバランスを電
力配分機構,たとえば可変コンデンサ機構,を用いてプ
ロセスに応じて調整可能としてもよい。もちろん,これ
らの部分に対して個別のバイアス電源をもうけて,試料
台リングへのバイアスを独立して設定できるようにして
もよい。このような構造とすれば,異なるプロセス条件
に対しても部品交換を行うことなく試料台リング132
へのバイアス印加量を調整でき,また制御の自由度が大
きい利点がある。
【0060】図1の実施例においては,試料台リング1
32へのバイアス印加量は0.5 W/cm2程度であるので,
シリコンの消耗量やプロセスへの影響なども総合的に考
慮して,ユニット部品や可変コンデンサによるバイアス
制御の範囲は,およそ0.1〜5W/cm2とすればよい。
【0061】また,これまでの説明では試料台リング1
32の温度を150℃以上に上昇させるのに試料台リング
132へのバイアス印加によっていたが,もちろん試料
台リング132に対する予熱機構あるいは温調機構を組
込むことを否定するものではない。予熱の方法として
は,たとえば絶縁体133あるいは静電吸着装置131
に発熱体,たとえばヒーターを組み込むのが比較的容易
である。あるいは,静電吸着装置131にランプなどの
赤外線照射系を組み込んでおき,絶縁体133に赤外線
を透過する材料であるたとえば石英を用いて赤外光を試
料台リング132の下面に照射して試料台リングを加熱
してもよい。あるいは,試料台リング132の下面,あ
るいは絶縁体133の上部に赤外線吸収体を設けること
で効率よく加熱してもよい。いずれの方法にせよ,試料
台リング132の温度を概略150℃以上に予熱すること
が目的であるので,複雑で高精度な温度制御機構は必要
としない。
【0062】なお,前記の各実施例は,いずれも有磁場
UHF帯電磁波放射放電方式のプラズマ処理装置の場合で
あったが,放射される電磁波はUHF帯以外にも,たとえ
ば2.45 GHzのマイクロ波や,あるいは数10 MHzから300
MHz程度までのVHF帯でもよい。また,磁場強度は,450
MHzに対する電子サイクロトロン共鳴磁場強度である160
ガウスの場合について説明したが,必ずしも共鳴磁場を
用いる必要はなく,これよりも強い磁場やあるいは逆に
数10ガウス程度以下の弱い磁場を用いてもよい。さらに
は,磁場を用いない例えば無磁場マイクロ波放電でもよ
い。さらに,上記以外にも,たとえば磁場を用いたマグ
ネトロン型のプラズマ処理装置や平行平板型の容量結合
方式プラズマ処理装置,あるいは誘導結合型のプラズマ
処理装置などに,前記の各実施例を適用できる。
【0063】図9は,本発明を,磁場を用いたRIE装
置(マグネトロンRIE装置やMagnetically Enhanced
RIE装置)に適用した例である。真空容器としての処理
室100は,側壁102と,ウエハなどの試料Wを載置
する下部電極130と,これに対向して接地される上部
電極201を備え,また真空容器内に所定のガスを導入
するガス供給手段117と,真空容器内を減圧排気する
真空排気系106と,前記下部電極に高周波電力を印加
する高周波電源205と,真空容器内に磁界を発生させ
る磁界発生手段202を備えている。高周波電源205
は,試料Wにイオンをひきこむセルフバイアスを発生さ
せる役割ももっている。磁界発生手段202は,複数の
永久磁石またはコイルが処理室100の外周にリング状
に配置され,処理室内部に電極に対してほぼ平行な磁場
を形成する。そして,高周波電源205からの電力によ
り下部電極と上部電極の間に電界を発生させ,処理ガス
をプラズマ化してプラズマPを発生させ,試料Wを処理
する。さらに,マグネトロンRIEでは,電界とほぼ直
交する方向に磁場が形成されるので,電子とプラズマ中
の分子・原子との衝突頻度が高まって,プラズマ密度が
増加し,高いエッチング特性が得られる。
【0064】本一実施例では,図1で述べた実施例と同
様にシリコン製の試料台リング132に高周波電源20
5から供給される高周波電力の一部を漏洩させている
が,下部電極をウエハ下部の内周部131Aと試料台リ
ング下部の外周部131Bとに分離して,コンデンサな
どの電力分配手段135により高周波電源205から供
給される高周波電力の一部を分配し,分配比率を可変と
できる構造としている。このような構造とすることで,
図1で述べた実施例と同様に,試料台リング132にお
ける表面反応や試料の処理特性が安定化できるととも
に,反応生成物の堆積を防止して堆積膜の剥離による試
料表面へのパーティクルの付着が低減される。さらに分
配比率を調整できる構造とすることで,たとえばプロセ
ス条件に応じて試料台リングへのバイアス印加量を調整
したり,あるいは試料台リング昇温ステップ時に試料台
リングに投入する電力を増やすといった制御が可能とな
る。
【0065】図10は,本発明を,平行平板型プラズマ
処理装置に適用した例である。真空容器としての処理室
100は,側壁102と,ウエハなどの試料Wを載置す
る下部電極130と,これに対向する上部電極210,
および上部電極210に電力を供給して電極間に電界を
発生させる電界発生手段221とを備えている。所定の
処理ガスが処理室100内にガス供給手段117より供
給され,真空排気系106で真空容器内が減圧排気され
る。そして,電極間に発生する電界により処理ガスをプ
ラズマ化して,プラズマPを発生させ,試料Wを処理す
る。上部電極210は,電極板211が絶縁体212,
213で絶縁されてハウジング214に保持される。ま
た,電極板211のプラズマに接する側の面にはプレー
ト215が,その外周にはシールドリング216が設置
される。シールドリング216は,絶縁体212,21
3をプラズマから保護すると同時に,試料台リング13
2と対をなして,プラズマPを処理室100に封じ込め
ることでプラズマ密度を向上させて,高いエッチング特
性を得る。
【0066】一方,下部電極130は,絶縁体133を
電極の外周をもカバーするような一体構造としており,
さらに静電吸着装置131の外周部に抵抗発熱体136
を設置している。また,試料台リング132の外側には
石英製の外周リング137を設置している。本一実施例
では,試料台リング132への漏洩バイアス印加構造は
図1で述べた実施例と同様であり,試料台リング132
表面での反応状態が安定に維持できるとともに,反応生
成物が堆積しないのでパーティクルが発生しない。さら
に,抵抗発熱体136により絶縁体133を介して試料
台リング132を加熱できるので,ロット間の休止時に
試料台リングを150℃程度に予熱しておくことで,試料
台リング昇温ステップを加えなくともプロセスの安定性
が確保できる。この場合,試料台リングにバイアスが印
加されているので,精度の高い温度調整は必要ない。さ
らに,試料台リング132の外側でバイアスが印加され
ない部分に石英製の外周リング137を設置すること
で,消耗品である試料台リングの外径を小さくしてラン
ニングコストを低減することができる図11は,本発明
を,誘導結合型のプラズマ処理装置に適用した例であ
る。真空容器としての処理室100は,側壁102と,
ウエハなどの試料Wを載置する下部電極130と,天板
230とを備えており,真空排気系106で減圧排気さ
れる。天板230の上部には,誘導放電用コイル231
が配置され,高周波電源232から高周波電力を供給す
る。処理ガスはガス供給手段117より供給され,誘導
結合放電によりプラズマ化されてプラズマPが発生し,
試料Wを処理する。誘導結合型のプラズマ処理装置で
は,プラズマ密度が高いためにプロセスガスの解離が進
むので,天板や側壁を150 ℃〜200 ℃以上に加熱して高
精度な温度制御を行ったり,ファラデーシールドや磁場
などの手段で天板や側壁などの内壁とプラズマとの相互
作用を抑制することでプロセスを安定化させる。
【0067】下部電極130については,試料台リング
132への漏洩バイアス印加構造により表面反応を安定
化するとともに反応生成物の堆積を抑制している点は図
1の実施例と同様である。さらに本実施例では,電極1
30内部の試料台リング下部にあたる部分に赤外ランプ
233を設置し,絶縁体133に赤外光を透過する石英
を用いることで試料台リングを加熱できる構造としてい
る。この場合,図10の実施例と同様に,ロット処理の
休止時に試料台リングを150 ℃程度に予熱しておくこと
で,試料台リング昇温ステップを加えなくともプロセス
の安定性が確保できる。また,誘導結合型のプラズマ処
理装置では,プラズマ密度が高いために試料台リングに
バイアスを印加しないと試料台リングの温調に高い精度
が要求されるが,本実施例のように試料台リングにバイ
アスを印加することで,試料台リング表面での反応が安
定化できるので,温度制御の精度や機構を簡素化できる
利点がある。
【0068】なお,前記の各実施例は,いずれも処理対
象が半導体ウエハであり,これに対するエッチング処理
の場合であったが,本発明はこれに限らず,例えば処理
対象が液晶基板の場合にも適用でき,また処理自体もエ
ッチングに限らず,たとえばスパッタリングやCVD処
理に対しても適宜適用可能である。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば,試料近傍における表面
反応を複雑な温度制御機構を用いることなく安定化させ
ることができるので,安定性・再現性にすぐれたプロセ
ス特性が得られるプラズマ処理装置およびプラズマ処理
方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を,有磁場UHF帯電磁波放射放電方式
のプラズマエッチング装置へ適用した一実施例の断面模
式図である。
【図2】本一実施例によるプラズマエッチング装置にお
ける試料台リングの温度上昇特性を示す説明図である。
【図3】本一実施例によるプラズマエッチング装置にお
ける試料台リング温度とエッチング特性との関係を示す
説明図である。
【図4】本一実施例によるプラズマエッチング装置にお
いて,試料台リング昇温ステップを用いたプラズマ処理
方法を示すフロー図である。
【図5】本一実施例によるプラズマエッチング装置にお
いて試料台リングの温度上昇をはやめた場合の昇温特性
を示す説明図である。
【図6】本一実施例によるプラズマエッチング装置にお
いて,試料台リング昇温の必要の有無を判断するステッ
プを設けたプラズマ処理方法を示すフロー図である。
【図7】本一実施例によるプラズマエッチング装置にお
いて,試料台リング昇温ステップを用いた場合のプラズ
マ処理方法によるエッチング特性の安定性を示す説明図
である。
【図8】本一実施例によるプラズマエッチング装置にお
いて,試料台リング昇温ステップを用いない場合のプラ
ズマ処理方法によるエッチング特性を示す説明図であ
る。
【図9】本発明を,磁場を用いたRIE装置(たとえば
マグネトロンRIE装置)に適用した一実施例を示す説
明図である。
【図10】本発明を,平行平板型のプラズマ処理装置に
適用した一実施例を示す説明図である。
【図11】本発明を,誘導結合型のプラズマ処理装置に
適用した一実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
100…処理室,101…磁場形成手段,102…処理
室側壁,103…側壁インナーユニット,104…ガス
供給手段,105…真空室,106…真空排気系,11
0…アンテナ,110…円板状導電体,112…誘電
体,113…誘電体リング,115…プレート,116
…温度制御手段,117…ガス供給手段,121…アン
テナ電源,122…アンテナバイアス電源,130…下
部電極,131…静電吸着装置,132…試料台リン
グ,133…絶縁体,141…バイアス電源,142…
静電吸着装置,143…絶縁体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福山 良次 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 田村 智行 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸事業所内 Fターム(参考) 4K057 DA01 DA16 DG14 DG15 DM05 DM08 DM28 DM33 DM39 DM40 DN01 5F004 AA14 AA15 AA16 BA09 BA20 BB11 BB13 BB18 BB22 BB23 BB25 BB28 BB29 BD01 CA04 CA06

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器としての処理室と,前記処理室内
    にプラズマを発生するプラズマ発生装置と,前記処理室
    内で処理される試料を保持する電極と,前記処理室に処
    理ガスを供給する処理ガス供給手段と,前記処理室を減
    圧する真空排気系とを有するプラズマ処理装置におい
    て,前記電極の上面の試料外周部にシリコンよりなるリ
    ング状部材を設置し,前記リング状部材にバイアスが印
    加可能であり,前記リング状部材に反応生成物が堆積し
    ないような強さ以上に前記バイアスが設定可能であり,
    前記試料の処理開始時のリング状部材の表面温度を概略
    150℃以上に昇温可能に構成したことを特徴とするプラ
    ズマ処理装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のプラズマ処理装置におい
    て,前記リング状部材へのバイアス印加量を,リング状
    部材の単位面積あたりの電力として,0.1 W / cm2ない
    し5 W/ cm2とすることを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のプラズマ処理装置におい
    て,前記のリング状部材へのバイアス印加量が,リング
    状部材の単位時間当たりの消耗レートが0.3μm / hrな
    いし6μm / hrとなるように設定することを特徴とする
    プラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3に記載のプラズマ
    処理装置において,前記リング状部材にバイアスを印加
    する手段として,前記電極上面と前記リング状部材の間
    に設けられた絶縁材料を通して前記電極に供給される電
    力の一部が漏洩する構造としてバイアスを印加すること
    を特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のプラズマ処理装置におい
    て,前記リング状部材へのバイアス印加量を調整する手
    段として,前記絶縁材料を誘電率・厚みの異なるユニッ
    ト部品として処理条件に応じて交換可能とすることを特
    徴とするプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項3に記載のプラズマ
    処理装置において,前記リング状部材にバイアスを印加
    する手段として,前記電極のうち前記リング状部材の下
    方部分を分離して,前記分離部分に前記電極への供給電
    力の一部を電力配分機構により配分して比率を可変とし
    て制御することが可能な構造としたことを特徴とするプ
    ラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項3に記載のプラズマ
    処理装置を用いる試料の処理方法において,前記試料の
    処理開始時のリング状部材の表面温度を概略150℃以上
    に昇温し,前記試料処理時のバイアスを前記リング状部
    材に反応生成物が堆積しないような強さ以上に設定して
    試料の処理を行うことを特徴とするプラズマ処理方法。
  8. 【請求項8】請求項4及び請求項5に記載のプラズマ処
    理装置を用いる試料の処理方法において,前記リング状
    部材へのバイアス印加量を調整する方法として,前記絶
    縁材料を誘電率・厚みの異なるユニット部品として処理
    条件に応じて交換することを特徴とするプラズマ処理方
    法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載のプラズマ処理装置を用い
    る試料の処理方法において,前記リング状部材にバイア
    スを印加する方法として,前記電極のうち前記リング状
    部材の下方の分離部分に前記電極への供給電力の一部
    を,処理条件に応じて比率を可変とした電力配分機構に
    より配分することを特徴とするプラズマ処理方法。
  10. 【請求項10】請求項1ないし請求項9に記載のプラズ
    マ処理装置およびプラズマ処理方法において,前記のリ
    ング状部材の表面温度を上昇させる方法として,試料の
    処理開始前に処理試料とは異なる試料を用いたダミー処
    理により,リング状部材を概略150 ℃以上に予熱する工
    程を設けたことを特徴とするプラズマ処理方法。
  11. 【請求項11】請求項10に記載のプラズマ処理方法に
    おいて,前記のリング状部材の昇温方法であるダミー処
    理条件は,試料処理条件と同一とすることを特徴とする
    プラズマ処理方法。
  12. 【請求項12】請求項10に記載のプラズマ処理方法に
    おいて,前記のリング状部材の昇温方法であるダミー処
    理として,試料処理条件よりも大きな下部電力を供給し
    て,ダミー試料としてシリコンウエハを用いることを特
    徴とするプラズマ処理方法。
  13. 【請求項13】請求項10ないし請求項12に記載のプ
    ラズマ処理方法において,前記のリング状部材の昇温方
    法であるダミー処理を,前記のリング状部材温度が概略
    150 ℃以上の場合にのみ実施することを特徴とするプラ
    ズマ処理方法。
  14. 【請求項14】請求項1ないし請求項9に記載のプラズ
    マ処理装置およびプラズマ処理方法において,前記のリ
    ング状部材の表面温度を上昇させる方法として,前記の
    リング状部材を前記電極に組み込んだ発熱体により,前
    記試料の処理開始前にリング状部材を概略150 ℃以上に
    予熱することを特徴とするプラズマ処理装置およびプラ
    ズマ処理方法。
  15. 【請求項15】請求項1ないし請求項9に記載のプラズ
    マ処理装置およびプラズマ処理方法において,前記のリ
    ング状部材の表面温度を上昇させる方法として,前記電
    極に赤外線照射系を組み込み,電極とリング状部材の間
    に赤外線に透明な絶縁材料を設置して,前記試料の処理
    開始前にリング状部材を赤外光により概略150 ℃以上に
    予熱することを特徴とするプラズマ処理装置およびプラ
    ズマ処理方法。
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