JP3664152B2 - 陰極線管用電子銃及び表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陰極線管用電子銃、及びこの電子銃を備えた表示装置、例えば単色陰極線管を組み込んだ投射型表示装置(いわゆるプロジェクタ)、カラー陰極線管を組み込んだテレビ受像機、モニター、ディスプレイ等の表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
陰極線管に表示する画像の輪郭をくっきりさせる方法として、電子ビーム偏向を速度変調するという方法が知られている。
電子ビーム偏向の速度変調について説明する。陰極線管に画像を表示させるには、電子銃から電子ビームを出射し、偏向ヨークにより水平走査及び垂直走査して行っている。電子ビーム量(即ちカソード電流)は、画像信号の大きさに従い変調される。蛍光面の輝度を上げるには、電子ビーム量を増加させる。当然、蛍光面の蛍光体層を照射する電子の量(電流量)が増えれば、蛍光面が輝度飽和に達しない領域では、蛍光面からの発光輝度が増加する。この事を利用して、通常の偏向ヨークによる偏向に加えて、画像輝度信号の変化が激しくなるに従い、電子の走査速度を抑制するような機能を陰極線管に付加すると、画像輝度信号が激しく変化する画像地点で、電子ビームの速度を遅くし、電子ビームの蛍光面上の或る位置での滞在時間を長くすることができる。これは、その位置の蛍光体層への電子ビームによるエネルギーの注入が増加したことになり、その画像地点がより明るく発光することになり、より輪郭が強調された画像が映し出される。
【0003】
このような輪郭が強調された画像を実現する方法として、電界を利用した電界速度変調、電磁コイルを用いた電磁速度変調がある。
電界速度変調とは、電子銃の一部に電界の2極構造を作り、画像信号の輝度信号変化に応じてこの2極間の電位差を変化させることにより、電子ビームを走査方向に走査速度の変調を加える。
一方、電磁速度変調は、電子銃を内包した陰極線管のネック部に、電磁速度変調コイル、例えば電磁2極コイルを装着し、画像信号の輝度信号変化に応じてこのコイルに流れる電流を変化させ、電子ビームを走査方向に走査速度の変調を加える。
【0004】
ところで実際には、
1) 電磁速度変調は、電子銃に特別な構造を付加することなく、陰極線管のネック部に電磁2極コイルを装着するとで実現できる、
2) 電界速度変調では、電極に変調用信号としてMHz帯域の信号を付加するのであるが、高周波数を真空状態である陰極線管内の特定の電極に伝送するには困難が伴う、
ということから、電磁速度変調が広く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電磁速度変調にも問題点がある。一般に磁力線に対して垂直な金属表面には、磁力線の円周方向に磁界誘起残留渦電流が流れる。この時、外部磁場が時間周期で変化すると、この残留渦電流の作る磁場は、外部磁場の変化を打ち消す方向に働く。電磁速度変調コイルが取り付けられる電子銃の部位には、金属筒状電極が用いられているが、上記の現象により変調周波数が高くなるに従い、その部位内部への速度変調磁場の浸透が小さくなり、速度変調感度が低下する。
【0006】
この速度変調の感度を上げる方策としては、磁界誘起電流の流れを切断する方法がある。具体的には、電磁速度変調コイル近辺の電子銃電極に対して、(1)電極を分割する方法、(2)電極にスリットを入れる方法(特開平10ー172464号参照)、(3)電極の一部にバネ状のコイルを用いる方法(特開2002ー254161号参照)等がある。
【0007】
しかし、次のような問題点を有している。(1)の方法については、電極数を増やし細分化するほど、より高周波の変調磁界の浸透を妨げなくなるが、電極数を増やすに従い、部品点数、組み立て作業時間の増大を招く。(2)の方法については、スリット間隔を縮小し、スリット数を増やし細分化するほど、より高周波の変調磁界の浸透を妨げなくなる。しかし、この場合、電子銃の組み立て工程での作業の困難性は克服されるが、スリットのある電極を作成することにおいて、スリット間隔を縮小し、スリット数を増やすに従い、電極形状の精度維持に困難さが増大する。また、スリット部分において、高電圧放電対策として抜きバリ発生防止の対策をする必要がある。(3)の方法については、コイル線の線径を細くし巻き数を増やすほど、より高周波の変調磁界の浸透を妨げなくなる。しかし、この場合、コイルの形状維持強度が低下する(即ち、だらりと垂れる)。また、線材を巻き加工して形状を形成するため、高度の真円度、電極間同芯度が要求される電子レンズ形成部位に応用できない。また、電子銃は、真空中の高電圧下で動作させるため、放電対策として巻き始め、巻き終わりの端点をなんらかの処理をする必要がある。
【0008】
以上のような状況は、電磁速度変調に限らず、他の補正磁界による電子ビーム補正等においても、補正磁界が与えられる電子銃電極に上述の方策を利用したときに、同様の問題が発生する。
【0009】
本発明は、上述の点に鑑み、高周波磁界透過特性を向上し、且つ作成、組み立てを容易にした陰極線管用電子銃、及びこれを備えた表示装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る陰極線管用電子銃は、補正磁界の影響が及ぶ領域内にある電極の少なくとも一部を、山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極で形成して成る。
【0011】
本発明の陰極線管用電子銃によれば、補正磁界の影響が及ぶ領域内にある電極の少なくとも一部が、山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極で形成されるので、補正磁界による誘起残留渦電流の閉回路を遮断し逆磁界の発生を抑制することにより、補正磁界の、山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極内への浸透が大きくなり、電子ビームに対する磁界補正感度が高くなる。山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極とすることにより、(1)の方法のように独立した複数の電極構成で磁界補正感度を上げる場合より電極の作成、組み立てが容易になり、(2)の電極にスリットを入れる場合のような電極部品の作成の困難さも無く、且つ(3)のバネ状コイル電極を用いる場合より高度の電極形状精度が可能となる。
【0012】
本発明に係る陰極線管用電子銃は、主電子レンズを構成する電極群の少なくとも1つの電極の少なくとも一部を、山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極で形成して成る。
【0013】
本発明に係る陰極線管用電子銃では、主電子レンズを構成する電極群の少なくとも1つの電極の少なくとも一部が、山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極で形成されるので、補正磁界の連続重ね合わせ状電極内への浸透が大きくなり、電子ビームに対する磁界補正感度が高くなる。また、本発明はどの位置の電極にも応用可能であるが、電子ビームの飛行速度がより遅い空間である低電位電極部にも応用すれば、より好ましい磁界補正が可能になる。
【0014】
本発明に係る表示装置は、上記電子銃を備えて成る。
【0015】
本発明の表示装置では、上記構成の電子銃を備えることにより、電子ビームに対する高い磁界補正感度が得られ、磁界補正が良好に行われ、表示の高画質化が図れる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る陰極線管用電子銃は、複数の電極からなり、補正磁界の影響が及ぶ領域内にある電極の少なくとも一部を、山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極で形成した構成とする。
本発明に係る陰極線管用電子銃は、複数の電極からなり、その中の主電子レンズを構成する電極群の少なくとも1つの電極の、その少なくとも一部又は全部を、山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極で形成した構成とする。
電子ビームに与える補正磁界としては、例えば画像の輪郭を強調すべく電子ビームの走査速度を変調するための速度変調用磁界、画面周辺部でのビームスポットの歪みを補正するための四重極磁界、画面の台形歪みを補正するための台形歪み補正用磁界、または3つの単色陰極線管を配置したプロジェクタにおける両側に配置された2つの単色陰極線管の画面を予め台形歪みの状態にするための台形歪み用磁界、その他の補正磁界等がある。
主電子レンズを構成する電極群の中でフォーカス電極の少なくとも一部、または全部を、山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極で形成することができる。
【0017】
本発明に係る表示装置は、上記いずれかの電子銃を備えた陰極線管を有する構成とする。
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の例を説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る陰極線管の一実施の形態を示す。本実施の形態は例えばプロジェクタ等に適用されるモノクローム陰極線管に適用した場合である。
本実施の形態に係る陰極線管1は、陰極線管体(ガラス管体)2のパネル2Pの内面に単色蛍光面3が形成され、ネック部3N内に本発明による電子銃4が配置されて成る。管体の外側には電子銃4からの電子ビームBを水平、垂直方向に偏向させるための偏向ヨーク5が配置される。また、ネック部2Nの外側には、電磁速度変調させるための補正磁界を発生する磁界発生手段、本例では電磁速度変調コイルである例えば電磁2極コイル6が配置される。電磁2極コイル6は、後述する所要の電極に対応する位置に配置される。7は両側例えば赤色、青色陰極線管の場合、台形歪みを積極的に付けるための4極あるいは6極補正コイル、8はアノード電圧を供給するためのアノードボタンを示す。
この陰極線管1では、電子銃4のカソードから出射された電子ビームBが複数の電極で形成された主電子レンズで収束され、蛍光面3上でフォーカスされる。この電子ビームBが偏向ヨーク5によって水平、垂直方向に偏向されて所要の画像が表示される。そして、電子銃4を通過する電子ビームは、電磁2極コイル6による高周波の変調磁界により速度変調され、輪郭が強調された画像が表示される。プロジェクタでは、赤、緑及び青に対応する3つの上記陰極線管1〔1R,1G,1B〕が配置され、各陰極線管1R,1G,1Bの各色画像がレンズ径を介してスクリーン上に投射され、所要のカラー画像が表示される。
【0020】
図3A,Bは、かかる陰極線管1における電子銃4の一実施の形態を示す。図2は、この電子銃4の要部の拡大図である。
本実施の形態に係る電子銃4は、同軸上にカソードK、第1電極G1 、第2電極G2 、第3電極G3 、第4電極G4 及び第5電極G5 が配置されて成る。第5電極G5 と第3電極G3 は、接続線11を介して接続されアノードボタン8よりアノード電圧が印加される。第4電極G4 にはステムピン12及び接続線13を通してフォーカス電圧が印加される。これら第3電極G3 、第4電極G4 及び第5電極G5 によってユニポテンシャル型の主電子レンズが構成される。第1電極G1 、第2電極G2 には、ステムピン12より所要の低電圧が印加される。
カソードKは、絶縁基板15に之を貫通するように支持され、スペーサ16を介して第1電極G1 内に挿入され、リテーナ17を介して第1電極G1 内に溶接等により固着される。各第1電極G1 〜第5電極G5 は、所定間隔を保って配列された状態で、これら各電極に溶接等で固着された金属支持片19を介して1対のビードガラス18A,18Bにより支持される。
【0021】
そして、本実施の形態においては、特に、電子ビームの飛行速度が遅くなる第4電極、即ちフォーカス電極Gの中央部に、導電性を有し複数の連続する環状薄板が交互に折り返して、山折りと谷折りが繰り返されて形成された連続重ね合わせ状電極Gを挟むようにして、フォーカス電極Gを構成する。この連続重ね合わせ状電極は、図示の例では2分割した筒状のフォーカス電極部G4AとG4B配置され例えば溶接により固着される。従って、フォーカス電極Gは、電極部G4A、G4B及び連続重ね合わせ状電極Gにて構成される。電磁2極コイル6は、フォーカス電極G連続重ね合わせ状電極Gに対応する位置に配置される。
【0022】
この場合、主電子レンズのレンズ効果は、低圧のフォーカス電極Gとこれに対向する高電圧の第3電極G及び第5電極Gとの間隔部分で生じる。連続重ね合わせ状電極Gにおいては、レンズ効果が生じないような位置を選択している。このようにすることにより、連続重ね合わせ状電極Gの加工精度を粗くしても電子レンズの組み立て精度に影響しない。
【0023】
次に、山折りと谷折りが繰り返されて形成された連続重ね合わせ状電極Gの作成法の実施の形態を説明する。
図4は、山折りと谷折りが繰り返されて形成された連続重ね合わせ状電極Gの一例を示す。本例の作成法は、予め金属板材21にプレス加工により外形切断、孔開けを行い、連続する複数の環状体、本例では一部で連続する複数の円環状体21Aから成る帯状体22を成形した後(同図A参照)、各円環状体21Aの一方の一つ置きの連接部aを例えば山折りにし、他方の一つ置きの連接部bを例えば谷折りにするようにして、山折りと谷折りが繰り返されて形成された連続重ね合わせ状電極Gを作成する(同図B参照)。
図5は、山折りと谷折りが繰り返されて形成された連続重ね合わせ状電極Gの作成法の他の例を示す。本例の作成法は、逆に、先ず帯状の金属板材21(同図A参照)を等間隔に付した折り線(上記連接部に相当する)のうち、一方の一つ置きの折り線aを山型に折り、他方の一つ置きの折り線bを谷型に折るようにして、折り曲げ加工をして重ね合わせ(同図B参照)、この折り返して重ね合わせた金属板材21を一度にプレス加工で外形加工、孔開けを行って、山折りと谷折りが繰り返されて形成された連続重ね合わせ状電極Gを作成する(同図C参照)。
【0024】
山折りと谷折りが繰り返されて形成された連続重ね合わせ状電極G重ね合わせ部の枚数は、図示の例では5枚であるが、何枚設けても良い。但し、陰極線管のサイズ、管体のネック径に応じてその重ね合わせ部の外径、内径、板厚、重ね合わせ部の枚数、重ね合わせ電極の長さ等が設定される。
例えば本発明を、16cm(7インチ)蛍光面を有し、ネック径が29.1mmのプロジェクタ用のモノクローム陰極線管に適用した場合の好ましい具体例を示すと、
重ね合わせ部外径: 12.0mmφ
重ね合わせ部内径: 8.0mmφ
板厚 : 0.2mm
重ね合わせ部枚数: 17枚
重ね合わせ電極長: 10.0mm
である。重ね合わせ部の間隔は、重ね合わせ電極の動径方向電極幅(内径半径差の半分)と、連続重ね合わせ状電極外径とCRTネック内径との距離になるが、動径方向電極幅程度までが適当である(上記例の場合、2.0mmまで)。それより大きいと、外部電界の影響を受けやすくなる。
【0025】
図7は、本実施の形態に係る陰極線管1の効果を示すグラフである。このグラフは、変調磁界の周波数(横軸)と、磁界変調度、いわゆる変調感度(縦軸)との関係を示す。ここで、変調度とは、2極電磁コイル6に一定エネルギーの周波数を与えた時の、蛍光面3上での電子ビーム輝度点の振幅(同図中の電子ビームの中心間の振れ幅w、w)を示す。この値が大きい程、磁界変調の効果が大きいことを示す。図6において、曲線イは連続重ね合わせ状電極Gを有する本実施の形態の陰極線管、曲線ロは連続重ね合わせ状電極Gを設けない場合の参考例の陰極線管である。本実施の形態の陰極線管の場合は、電子ビームの振れ幅wが大きく、磁場による速度変調補正の補正感度が高い。参考例の陰極線管の場合は、電子ビームの振れ幅wが小さく、速度変調補正の補正感度が低い。
【0026】
また、連続重ね合わせ状電極Gを用いた電子銃4において、連続重ね合わせ状電極内での磁界誘起残留渦電流が問題になるほどの、さらなる高周波磁界にて、さらに連続重ね合わせ状電極Gでの磁界誘起残留渦電流効果の影響を少なくする方法として、図6に示すように、重ね合わせ板、即ち円環状体21Aの連接部分にスリット24を設け、または円環状体21Aの一部に切欠き25を設けることも可能である。
【0027】
上述の本実施の形態は、長いフォーカス電極Gの中央部の電界強度の弱い部分に連続重ね合わせ状電極Gを設けた。こうすることにより、
1)連続重ね合わせ状電極G位置の電界強度が弱いため、同電極の形状精度(真円度・電極間同芯度等)は、電子レンズの歪みに影響しない。このため、この場合、連続重ね合わせ状電極Gの作成には、高い加工精度を必要としなく、同電極の作成、組み立てが容易になる。
2)連続重ね合わせ状電極G位置の電位が低いため、電子ビームの飛行速度が遅くなり、磁界による電子ビームの方向変更感度が高くなり、磁界による電子ビームの速度変調の感度を高めることができる。
また、電子銃の電界強度の強い部位にて磁界変調させる場合にも、本発明は、応用できる。この場合、上記例とは逆に、連続重ね合わせ状電極の形状精度(真円度・電極間同芯度等)を高めないと、電子ビームに歪みを与え、CRTの解像度を劣化させる。連続重ね合わせ状電極の場合、外形、内孔形状は、プレス抜き加工で工作できるため、高精度が確保できる。また折り曲げ加工形状においても、連続重ね合わせ状電極Gであることにより、その一部にビードガラス18A,18Bへの支持片を一体に形成することが可能であり、連続重ね合わせ状電極Gが垂れ下がることなく電極形状を維持することができ、電子ビームの透過孔の真円度・電極間同芯度を容易に高精度に維持することができる。一方、連続重ね合わせ状電極同様の磁界変調補正感度向上特性のあるバネ状コイル電極では、このような応用には、線材の曲げ精度、形状の垂れの問題により困難を伴う。
【0028】
上例では、本発明をプロジェクタに用いるモノクローム陰極線管に適用したが、その他、例えばカラー陰極線管にも適用することができる。電極形状が楕円形であれば、連続重ね合わせ状電極Gの環状体の内径形状を楕円形状にすれば良い。
本発明は、カラー陰極線管用の電子銃として、例えば3つの電子ビームを主電子レンズの中心で交差させ静電コンバージェンス手段を介して蛍光面上でコンバージェンスさせる方式のいわゆる複ビーム単電子銃にも適用できる。3ガンタイプのカラー陰極線管用電子銃にも適用できる。バイポテンシャル型電子銃にも適用できる。
【0029】
電子ビームの速度の遅い方が、磁場による速度変調補正感度が高く得られるので、連続重ね合わせ状電極Gは、低電位電極側に設けるのが好ましい。従って、連続重ね合わせ状電極Gはフォーカス電極以外の、電子ビーム速度の遅い部分の電極に設けることもできる。設計によっては、高電圧側の電極に設けることも可能である。
【0030】
上例では、連続重ね合わせ状電極Gフォーカス電極の一部に設けた構成としたが、フォーカス電極の全てを連続重ね合わせ状電極Gで構成することもできる。主電子レンズを構成する電極群の少なくとも1つの電極の少なくとも一部を連続重ね合わせ状電極Gで形成することができる。フォーカス電極に限らず、他の電極に連続重ね合わせ状電極Gを設ける場合にも、一部、または全部を連続重ね合わせ状電極Gで構成することができる。
【0031】
前述したように、電子銃の電子ビームには、目的に応じて外部より種々の補正磁界が与えられる。従って、本発明では、補正磁界の電極内への浸透を良くして補正感度を上げるために、速度変調用磁界に限らず、四重極磁界、台形歪み磁界、台形歪み補正用磁界、等の補正磁界の影響が及ぶ領域の電極に連続重ね合わせ状電極Gを用いることができる。
例えば、図1において、補正コイル7は第5電極Gに対応する位置に設けられているが、この場合、第5電極G 一部又は全部を連続重ね合わせ状電極Gで形成すれば、補正コイルの消費電力量を低減することが可能になる。
【0032】
本発明は、上述した各実施形態の電子銃を備えた陰極線管、例えば図3の単色用電子銃4を備えた複数の単色陰極線管1を有する投射型表示装置(プロジェクタ)として構成し、あるいは複数電子ビーム方式の電子銃を備えたカラー陰極線管をセットに組み込み、例えばテレビ受像機、モニター、ディスプレイ等の表示装置として構成する。
かかる表示装置によれば、陰極線管の外部からの高周波補正磁界(速度変調磁界、四重極磁界、台形歪み補正磁界、あるいは台形歪み用磁界等)、中でも高周波変調磁界に対して、ビーム補正効果、中でも電子ビーム変調効果が得られ、高画質表示装置を提供することができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明に係る陰極線管用電子銃によれば、補正磁界の影響が及ぶ領域内にある電極の少なくとも一部を連続重ね合わせ状電極で形成することにより、陰極線管の外部からの高周波補正磁界に対して磁界の電極内への浸透を良くし、磁界を妨げることなく良好な電子ビーム補正効果が得られる。
主電子レンズを構成する電極群の少なくとも1つの電極の少なくとも一部を連続重ね合わせ状電極で形成するときは、より良好な磁界補正効果が得られる。
フォーカス電極の一部または全部を連続重ね合わせ状電極で形成するときは、特に電子ビームの飛行速度が遅いところで磁界を受けるので、特に磁界速度変調に適用した場合、その電子ビームの速度変調の感度を高めることができる。
より少ない磁界エネルギーにて磁界変調等の磁界補正をすることができまた、より高い周波数まで磁界変調等の磁界補正をすることができる。
そして、連続重ね合わせ状電極を用いることにより、必要とあらば、ビードガラスへの支持片を一体形成できるので、バネ状コイル電極のような電極自体の垂るみを生じることがなく、電極としての真円度・電極間同芯度を維持することができる。重ね合わせ部のピッチ、板厚、枚数等の精度の良い、設定、選定が可能になり、所望の電子ビーム補正を精度良く設定することができる。また、連続重ね合わせ状電極により、磁界浸透可能な電極を作成するのに、電界強度の小さい部位応用すれば、高い加工精度を必要とせず、その電極の作成、組み立てをさらに容易にする。従って、安価で磁界変調等の磁界補正の感度を向上した電子銃を提供できる。
【0034】
本発明に係る表示装置によれば、上記電子銃を備えることにより、電子ビーム電子銃としての信頼性が上がり、電子ビームに対する磁界速度変調等の磁界補正が良好に行われ、より高画質の表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る陰極線管を示す構成図である。
【図2】 本発明の一実施の形態に係る電子銃の要部の拡大図である。
【図3】 A 本発明の一実施の形態に係る電子銃の側面図である。
B 本発明の一実施の形態に係る電子銃の断面図である。
【図4】 A〜B 本発明の連続重ね合わせ状電極の作成法の一例を示す作成工程図である。
【図5】 A〜C 本発明の連続重ね合わせ状電極の作成法の他の例を示す作成工程図である。
【図6】 本発明の連続重ね合わせ状電極の他の例を示す展開図である。
【図7】 本発明の説明に供する変調磁界の周波数と磁界変調度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・陰極線管、2・・・管体、3・・・蛍光面、4・・・電子銃、5・・・偏向ヨーク、6・・・速度変調用の電磁2極コイル、7・・・補正コイル、8・・・アノードボタン、K・・・カソード、G1〜G5・・・電極、GC・・・連続重ね合わせ状電極、18A,18B・・・ビードガラス、21・・・金属板材、21A・・・環状体、a,b・・・折り線

Claims (10)

  1. 補正磁界の影響が及ぶ領域内にある電極の少なくとも一部が、山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極で形成されて成る
    ことを特徴とする陰極線管用電子銃。
  2. 主電子レンズを構成する電極群の少なくとも1つの電極の少なくとも一部が、山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極で形成されて成る
    ことを特徴とする陰極線管用電子銃。
  3. フォーカス電極の少なくとも一部が、山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極で形成されて成る
    ことを特徴とする請求項2記載の陰極線管用電子銃。
  4. 前記フォーカスの全部が、山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極で形成されて成る
    ことを特徴とする請求項2記載の陰極線管用電子銃。
  5. 前記補正磁界は、速度変調用磁界、四重極磁界、台形歪み補正磁界、または台形歪み用磁界である
    ことを特徴とする請求項1記載の陰極線管用電子銃。
  6. 補正磁界の影響が及ぶ領域内にある電極の少なくとも一部が、山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極で形成された電子銃を備えて成る
    ことを特徴とする表示装置。
  7. 主電子レンズを構成する電極群の少なくとも1つの電極の少なくとも一部が、山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極で形成された電子銃を備えて成る
    ことを特徴とする表示装置。
  8. 前記電子銃におけるフォーカス電極の少なくとも一部が、山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極で形成されて成る
    ことを特徴とする請求項7記載の表示装置。
  9. 前記電子銃における前記フォーカスの全部が、山折りと谷折りが繰り返された連続重ね合わせ状電極で形成されて成る
    ことを特徴とする請求項7記載の表示装置。
  10. 前記補正磁界は、速度変調用磁界、四重極磁界、台形歪み補正磁界、または台形歪み用磁界である
    ことを特徴とする請求項6記載の表示装置。
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