JP3663601B2 - 反射部品 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガードレール等の相手物に固定されて自動車等からの投光による光を反射して相手物の存在を知らせる反射部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献】
特開2002−88723号
従来、道路に沿ってガードレールが設置され、通行する自動車の安全が図られているが、夜間自動車の運転者ができるだけ早く道路の曲がる方向が分かるようにガードレール側面に取り付ける半円筒面形状の反射面を持つ反射キャップが創案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この反射キャップの場合には、道路が直線状であっても、半円筒面形状の端部側に自動車からの光が当たるので、遠くに位置する自動車の運転手もガードレールの位置を早い時期に把握することができる。しかしながら、道路が大きく曲がっている場合には、光は半円筒面部の前面部に当たり、一定幅の反射面を得ることができるが、その端部側に十分な側面があるにも拘わらずほとんど光が当たらず、反射キャップの大きさの割に反射面が大して増加しない等の欠点が生じている。
【0004】
本発明は、上記欠点の除去を目的とするもので、ガードレール等の相手物に取付けられて遠方からの光量の少ない光でも十分に反射することができ、しかも大きく曲がったところに設置されていてもどの角度からもその大きさに応じた反射面が無駄なく得られる反射部品を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
反射部品は透過性のある材料でなり、その前面側または背面側の少なくとも一方側に短軸の長さを半径の1/3〜2/3とする円弧を水平断面上に持つ部分円筒面部が設けられ、この部分円筒面部の一つにビーズを有する反射層が設けられている。また、前記反射層の背面に金属を蒸着し、ビーズに再帰反射機能を持たせるようにしてもよい。
【0006】
前記部分円筒面部の前面側に酸化チタンをコーティングし、紫外線を受けることにより機能する光触媒機能により前面の汚れを分解するようにしたり、シリカをコーティングして親水機能を持たせて、汚れが流れ落ちるようにしてもよい。また、前記部分円筒面部の周縁部に相手物に固定される固定具に係合する係合溝を設けてもよい。さらに、前記固定具に後退可能な係止爪を設ける一方、部分円筒面部の周縁部の側方に有底の小孔を設けて、係止爪を小孔に対応して位置させるようにしてもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施態様を反射部品の一例の反射キャップについて説明する。図1および図2において、1は相手物の一例のガードレール2に付設される反射キャップであり、透過性が高い無色の硬質樹脂でなっている。また、この反射キャップ1は前面側に位置して所定厚みを備えた部分円筒面部1aとその側部を覆って背面側に矩形状の周縁部を形成する壁面部1bとこれらにより形成される収納室1cとから構成されており、部分円筒面部1aを通過する光は大部分収納室1cに達するように構成されている。前記部分円筒面部1aは垂直断面が直線に、水平断面が円弧をなすように構成されており、その収納室1c側に円弧面1dが形成されるように構成されている。前記円弧は図3に示すように、その高さHを半径Rのほぼ1/2、すなわち長軸L、短軸(高さ)Hとすると、次式の
L=2(2RH−H2)1/2
から、長軸Lの長さが短軸(高さ)Hの長さのほぼ3.5倍となるように構成されている。この寸法関係から部分円筒面部1aのガードレール2からの飛び出し量すなわち高さHを極力抑え、なおかつ反射面はその3.5倍得られ、最適なバランスが得られる。また、この部分円筒面部1aの前面側には透過性が高く親水機能を持つ酸化チタン(図示せず)が塗布されており、自動車の排ガスの粒子等の汚れが付着しても紫外線を受けることにより機能する光触媒機能により汚れが分解され、雨水により簡単に洗い落とされるように構成されている。
【0008】
前記部分円筒面部1aの円弧面1dには、反射層3が形成されており、この反射層3は図6に示すように透過性の高いクリア樹脂層3aに固定された細かな多数のガラス製のビーズ3bと、このビーズ3bの背面を覆うように蒸着された金属蒸着層3cと、クリア樹脂層3aの前面に設けられた透過性の高いオレンジ色の着色樹脂層3dとからなっている。前記金属蒸着層3cは反射効率の高い金属が使用された蒸着層であればよく、アルミ蒸着層がコスト的にも最適である。また、前記ビーズ3bは図7に示すように背面に反射面を持つため、入射した光がこれと平行に抜け出る再帰反射機能を有し、わずかな光量の光でも投光側に大部分戻るように構成されている。さらに、前記着色樹脂層3dは光が通過するとオレンジ色を発し、ガードレール2の位置を運転者に知らせるように構成されている。なお、前記着色樹脂層3dはオレンジ色以外の危険を知らせる色であってもよい。また、着色樹脂層3dをクリア樹脂層3aとするとともに、反射キャップ1を着色した樹脂で構成してもよい。
【0009】
前記部分円筒面部1aの壁面部1bにはそれぞれ所定長さの係合溝1eが設けられており、後記する固定具4の係止板部4aが挿入可能に構成されている。また、前記壁面部1bの外側面にはそれぞれ両側の2カ所に有底の小孔1fが設けられており、対向する位置にある小孔1fを特殊工具(図示せず)で挟圧するとこの小孔1fが内部の係合溝1eに連通するように構成されている。
【0010】
前記反射キャップ1はガードレール2を支柱(図示せず)に固定するボルト5の首下に取付けられる固定具4に装着される。この固定具4は、図4および図5に示すように1点が軸支された開閉自在な2枚の底板部4bと、この底板部4bそれぞれの一部を折り曲げた係止板部4aとからなっている。前記底板部4bの開放端側には閉止時嵌合する凹部(図示せず)と凸部(図示せず)とが設けられており、底板部4bは一旦閉止されると開放しにくくなるように構成されている。また、前記底板部4bの中央部内側にはそれぞれ切欠4cが設けられており、底板部4bの閉止時にはボルト5の首下の非円形段部5aに嵌合可能に構成されている。この非円形段部5aは円柱を2面取りした形状をしており、ガードレール2に設けられた廻り止め用の同形状のボルト取付穴2aに嵌合すると、固定具4の切欠4cをこの2面に沿わせ、係止板部4aをガードレール2に対して常に平行として、反射キャップ1を自動的にガードレール2と平行に取付け、常に反射状態が一定に保てるように構成されている。
【0011】
前記係止板部4aは底板部4b閉止時反射キャップ1の壁面部1bに設けられた係合溝1eに対応する位置となるように設けられており、反射キャップ1の部分円筒面部1aの延びる方向がガードレール2の延びる方向に簡単に一致するように構成されている。また、この係止板部4aは前記小孔1fに対応する位置に後退可能な係止爪4dを有しており、一旦係止板部4aが係合溝1eに挿入されると、引き抜く方向の力が加わっても係止爪4dが反射キャップ1にくさび作用により食い込んで反射キャップ1が抜けないように構成されている。
【0012】
上記反射キャップ1をガードレール2に取り付ける際には、あらかじめガードレール2を支柱に固定するボルト5の非円形段部5aを挟むように固定具4が固定される。この時、固定具4の切欠4cが非円形段部5aの2面に沿うので、固定具4がガードレール2に対して常に平行となる。
【0013】
その後、図8に示すように、反射キャップ1の周縁部に設けられた係止溝1eに、固定具4の係止板部4aが挿入されるように反射キャップ1が装着され、反射キャップ1の部分円筒面部1aが自動的にガードレール2の延びる方向に沿って位置する。この時、反射キャップ1に引き抜く方向の力が働くと、固定具4の係止爪4dが小孔1f付近でくさび作用により部分円筒面部1aに食い込み、反射キャップ1は抜けない。この状態で、夜間自動車(図示せず)から投光されると、反射キャップ1はガードレール2と平行に配置されているので、すべての反射キャップ1の反射状態は一定に保持される。また、ガードレール2が直線状に延びている場合には、自動車近くはもちろんのこと、自動車から遠く離れた位置の反射キャップ1にわずかでも光が当たると、この光が部分円筒面部1aを透過して反射層3の着色樹脂層3dを通ってクリア樹脂層3aに達する。この光は反射層3の端部が自動車側に向いているため、広い面積にわたってビーズ3b内に入射し、しかも金属蒸着層3cで入射方向と平行方向に反射される。この時、この反射光は着色樹脂層3dを通過してオレンジ色を発して自動車の運転者は矩形状の反射キャップ1を認識できる。さらに、道路が大きく曲がっている時には、その位置から自動車が離れていてもガードレール2が曲がっていればいる程、反射層3が自動車に向かう面積は広くなり、反射キャップ1の矩形状の反射面の幅が広くなる。そのため、反射キャップ1は多くの光を受けてこれを運転者に返すことができ、遠くからでもガードレール2の位置を十分認識でき、運転者はいち早く道路の曲がりを認識することができる。しかも、反射層3の端部の曲がりが少ないため、その端部まで反射面となり、無駄のない反射面を供給することができる。
【0014】
また、万一反射キャップ1を取り外す必要が生じた時には、特殊工具で対向する小孔1fの底部を挟圧し、小孔1fと係合溝1eとを連通させて係止爪4dを押し戻して反射キャップ1を固定具4から取り外すことができる。
【0015】
なお、実施例では部分円筒面部の円弧の高さHはその半径のほぼ1/2となっているが、1/3〜2/3であっても同様の効果がある。また、反射キャップ1は楕円筒面部(図示せず)であってもよい。さらに、反射層3は部分円筒面部1aに一体に設けられているが、透明なクリア樹脂層に高密度に埋め込んだ矩形状の反射シートであってもよい。しかも、前記クリア樹脂層3aの前面側に透過性の高い接着剤を塗布して、この接着剤により反射シートを部分円筒面部1aの円弧面1dに簡単に貼付されるようにしてもよい。その上、反射キャップ1の周縁部に内方に突出する爪部(図示せず)を設ける一方、前記反射シートの背部に可撓性を有する補強シートを設けておけば、反射シートを収納室1cに押し込むだけで、反射シートを係止して前記円弧面に沿って湾曲させることができる。また、反射層3のビーズ3bは透過性の高い樹脂等であってもよく、また固定具4は金属製であっても、硬質の樹脂製であってもよい。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は透過性の高い樹脂で部分円筒面部を形成し、その部分円筒面部を短軸の長さが半径の1/3〜2/3とする円弧を水平断面上に持つ形状とするとともに、この部分円筒面部に沿ってビーズを持つ反射層を設けるように構成しているため、直線状に延びる相手物に対しては、反射層の端部が反射面となるので、遠方からの光量の少ない光を反射でき、また相手物が曲がっている場合には、その曲がりが大きければ大きい程、反射面が広がって多くの光を反射することができ、いち早く相手物の位置を投光側に知らせることができる。また、本発明は光を正面から受けても部分円筒面部の端部の曲がりは小さいため、ほぼ全長にわたって反射面となり、無駄のない反射キャップを提供することができる。さらに、本発明は部分円筒面部の周縁部に相手物に固定される固定具に係合する係合溝を設けるとともに、この係合溝に固定具の係止爪を係合可能に構成しているため、ガードレール等の相手物への取付けが簡単に行える。しかも、本発明は部分円筒面部を囲う壁面部の側方に小孔を設けているため、特殊工具以外で取り外しができず、いたずらによる取り外しを防ぐことができる等の利点がある。その上、本発明は反射層のビーズの背面に金属を蒸着してビーズに再帰反射機能を持たせているため、反射効率が格段に向上し、わずかの光量で明るく輝く反射部品を提供できるばかりか、部分円筒面部の前面側に酸化チタンをコーティングし、紫外線を受けて機能する光触媒機能により前面の汚れを分解するようにしたり、シリカをコーティングして親水機能を持たせて、汚れが流れ落ちるようにしているため、受光面の汚れが少なく、受光した光はほとんど減衰なく反射層まで達することができる等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の反射キャップの外観図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】本発明に係る部分円筒面部の水平断面説明図である。
【図4】本発明に係る固定具の平面図である。
【図5】本発明に係る固定具の要部正面図である。
【図6】本発明に係る反射層の要部断面図である。
【図7】本発明に係るビーズの再帰反射機能の説明図である。
【図8】本発明の実施状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 反射キャップ
1a 部分円筒面部
1b 壁面部
1c 収納室
1d 円弧面
1e 係合溝
1f 小孔
2 ガードレール
2a ボルト取付穴
3 反射層
3a クリア樹脂層
3b ビーズ
3c 金属蒸着層
3d 着色樹脂層
4 固定具
4a 係止板部
4b 底板部
4c 切欠
4d 係止爪
5 ボルト
5a 非円形段部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガードレール等の相手物に固定されて自動車等からの投光による光を反射して相手物の存在を知らせる反射部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献】
特開2002−88723号
従来、道路に沿ってガードレールが設置され、通行する自動車の安全が図られているが、夜間自動車の運転者ができるだけ早く道路の曲がる方向が分かるようにガードレール側面に取り付ける半円筒面形状の反射面を持つ反射キャップが創案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この反射キャップの場合には、道路が直線状であっても、半円筒面形状の端部側に自動車からの光が当たるので、遠くに位置する自動車の運転手もガードレールの位置を早い時期に把握することができる。しかしながら、道路が大きく曲がっている場合には、光は半円筒面部の前面部に当たり、一定幅の反射面を得ることができるが、その端部側に十分な側面があるにも拘わらずほとんど光が当たらず、反射キャップの大きさの割に反射面が大して増加しない等の欠点が生じている。
【0004】
本発明は、上記欠点の除去を目的とするもので、ガードレール等の相手物に取付けられて遠方からの光量の少ない光でも十分に反射することができ、しかも大きく曲がったところに設置されていてもどの角度からもその大きさに応じた反射面が無駄なく得られる反射部品を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
反射部品は透過性のある材料でなり、その前面側または背面側の少なくとも一方側に短軸の長さを半径の1/3〜2/3とする円弧を水平断面上に持つ部分円筒面部が設けられ、この部分円筒面部の一つにビーズを有する反射層が設けられている。また、前記反射層の背面に金属を蒸着し、ビーズに再帰反射機能を持たせるようにしてもよい。
【0006】
前記部分円筒面部の前面側に酸化チタンをコーティングし、紫外線を受けることにより機能する光触媒機能により前面の汚れを分解するようにしたり、シリカをコーティングして親水機能を持たせて、汚れが流れ落ちるようにしてもよい。また、前記部分円筒面部の周縁部に相手物に固定される固定具に係合する係合溝を設けてもよい。さらに、前記固定具に後退可能な係止爪を設ける一方、部分円筒面部の周縁部の側方に有底の小孔を設けて、係止爪を小孔に対応して位置させるようにしてもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施態様を反射部品の一例の反射キャップについて説明する。図1および図2において、1は相手物の一例のガードレール2に付設される反射キャップであり、透過性が高い無色の硬質樹脂でなっている。また、この反射キャップ1は前面側に位置して所定厚みを備えた部分円筒面部1aとその側部を覆って背面側に矩形状の周縁部を形成する壁面部1bとこれらにより形成される収納室1cとから構成されており、部分円筒面部1aを通過する光は大部分収納室1cに達するように構成されている。前記部分円筒面部1aは垂直断面が直線に、水平断面が円弧をなすように構成されており、その収納室1c側に円弧面1dが形成されるように構成されている。前記円弧は図3に示すように、その高さHを半径Rのほぼ1/2、すなわち長軸L、短軸(高さ)Hとすると、次式の
L=2(2RH−H2)1/2
から、長軸Lの長さが短軸(高さ)Hの長さのほぼ3.5倍となるように構成されている。この寸法関係から部分円筒面部1aのガードレール2からの飛び出し量すなわち高さHを極力抑え、なおかつ反射面はその3.5倍得られ、最適なバランスが得られる。また、この部分円筒面部1aの前面側には透過性が高く親水機能を持つ酸化チタン(図示せず)が塗布されており、自動車の排ガスの粒子等の汚れが付着しても紫外線を受けることにより機能する光触媒機能により汚れが分解され、雨水により簡単に洗い落とされるように構成されている。
【0008】
前記部分円筒面部1aの円弧面1dには、反射層3が形成されており、この反射層3は図6に示すように透過性の高いクリア樹脂層3aに固定された細かな多数のガラス製のビーズ3bと、このビーズ3bの背面を覆うように蒸着された金属蒸着層3cと、クリア樹脂層3aの前面に設けられた透過性の高いオレンジ色の着色樹脂層3dとからなっている。前記金属蒸着層3cは反射効率の高い金属が使用された蒸着層であればよく、アルミ蒸着層がコスト的にも最適である。また、前記ビーズ3bは図7に示すように背面に反射面を持つため、入射した光がこれと平行に抜け出る再帰反射機能を有し、わずかな光量の光でも投光側に大部分戻るように構成されている。さらに、前記着色樹脂層3dは光が通過するとオレンジ色を発し、ガードレール2の位置を運転者に知らせるように構成されている。なお、前記着色樹脂層3dはオレンジ色以外の危険を知らせる色であってもよい。また、着色樹脂層3dをクリア樹脂層3aとするとともに、反射キャップ1を着色した樹脂で構成してもよい。
【0009】
前記部分円筒面部1aの壁面部1bにはそれぞれ所定長さの係合溝1eが設けられており、後記する固定具4の係止板部4aが挿入可能に構成されている。また、前記壁面部1bの外側面にはそれぞれ両側の2カ所に有底の小孔1fが設けられており、対向する位置にある小孔1fを特殊工具(図示せず)で挟圧するとこの小孔1fが内部の係合溝1eに連通するように構成されている。
【0010】
前記反射キャップ1はガードレール2を支柱(図示せず)に固定するボルト5の首下に取付けられる固定具4に装着される。この固定具4は、図4および図5に示すように1点が軸支された開閉自在な2枚の底板部4bと、この底板部4bそれぞれの一部を折り曲げた係止板部4aとからなっている。前記底板部4bの開放端側には閉止時嵌合する凹部(図示せず)と凸部(図示せず)とが設けられており、底板部4bは一旦閉止されると開放しにくくなるように構成されている。また、前記底板部4bの中央部内側にはそれぞれ切欠4cが設けられており、底板部4bの閉止時にはボルト5の首下の非円形段部5aに嵌合可能に構成されている。この非円形段部5aは円柱を2面取りした形状をしており、ガードレール2に設けられた廻り止め用の同形状のボルト取付穴2aに嵌合すると、固定具4の切欠4cをこの2面に沿わせ、係止板部4aをガードレール2に対して常に平行として、反射キャップ1を自動的にガードレール2と平行に取付け、常に反射状態が一定に保てるように構成されている。
【0011】
前記係止板部4aは底板部4b閉止時反射キャップ1の壁面部1bに設けられた係合溝1eに対応する位置となるように設けられており、反射キャップ1の部分円筒面部1aの延びる方向がガードレール2の延びる方向に簡単に一致するように構成されている。また、この係止板部4aは前記小孔1fに対応する位置に後退可能な係止爪4dを有しており、一旦係止板部4aが係合溝1eに挿入されると、引き抜く方向の力が加わっても係止爪4dが反射キャップ1にくさび作用により食い込んで反射キャップ1が抜けないように構成されている。
【0012】
上記反射キャップ1をガードレール2に取り付ける際には、あらかじめガードレール2を支柱に固定するボルト5の非円形段部5aを挟むように固定具4が固定される。この時、固定具4の切欠4cが非円形段部5aの2面に沿うので、固定具4がガードレール2に対して常に平行となる。
【0013】
その後、図8に示すように、反射キャップ1の周縁部に設けられた係止溝1eに、固定具4の係止板部4aが挿入されるように反射キャップ1が装着され、反射キャップ1の部分円筒面部1aが自動的にガードレール2の延びる方向に沿って位置する。この時、反射キャップ1に引き抜く方向の力が働くと、固定具4の係止爪4dが小孔1f付近でくさび作用により部分円筒面部1aに食い込み、反射キャップ1は抜けない。この状態で、夜間自動車(図示せず)から投光されると、反射キャップ1はガードレール2と平行に配置されているので、すべての反射キャップ1の反射状態は一定に保持される。また、ガードレール2が直線状に延びている場合には、自動車近くはもちろんのこと、自動車から遠く離れた位置の反射キャップ1にわずかでも光が当たると、この光が部分円筒面部1aを透過して反射層3の着色樹脂層3dを通ってクリア樹脂層3aに達する。この光は反射層3の端部が自動車側に向いているため、広い面積にわたってビーズ3b内に入射し、しかも金属蒸着層3cで入射方向と平行方向に反射される。この時、この反射光は着色樹脂層3dを通過してオレンジ色を発して自動車の運転者は矩形状の反射キャップ1を認識できる。さらに、道路が大きく曲がっている時には、その位置から自動車が離れていてもガードレール2が曲がっていればいる程、反射層3が自動車に向かう面積は広くなり、反射キャップ1の矩形状の反射面の幅が広くなる。そのため、反射キャップ1は多くの光を受けてこれを運転者に返すことができ、遠くからでもガードレール2の位置を十分認識でき、運転者はいち早く道路の曲がりを認識することができる。しかも、反射層3の端部の曲がりが少ないため、その端部まで反射面となり、無駄のない反射面を供給することができる。
【0014】
また、万一反射キャップ1を取り外す必要が生じた時には、特殊工具で対向する小孔1fの底部を挟圧し、小孔1fと係合溝1eとを連通させて係止爪4dを押し戻して反射キャップ1を固定具4から取り外すことができる。
【0015】
なお、実施例では部分円筒面部の円弧の高さHはその半径のほぼ1/2となっているが、1/3〜2/3であっても同様の効果がある。また、反射キャップ1は楕円筒面部(図示せず)であってもよい。さらに、反射層3は部分円筒面部1aに一体に設けられているが、透明なクリア樹脂層に高密度に埋め込んだ矩形状の反射シートであってもよい。しかも、前記クリア樹脂層3aの前面側に透過性の高い接着剤を塗布して、この接着剤により反射シートを部分円筒面部1aの円弧面1dに簡単に貼付されるようにしてもよい。その上、反射キャップ1の周縁部に内方に突出する爪部(図示せず)を設ける一方、前記反射シートの背部に可撓性を有する補強シートを設けておけば、反射シートを収納室1cに押し込むだけで、反射シートを係止して前記円弧面に沿って湾曲させることができる。また、反射層3のビーズ3bは透過性の高い樹脂等であってもよく、また固定具4は金属製であっても、硬質の樹脂製であってもよい。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は透過性の高い樹脂で部分円筒面部を形成し、その部分円筒面部を短軸の長さが半径の1/3〜2/3とする円弧を水平断面上に持つ形状とするとともに、この部分円筒面部に沿ってビーズを持つ反射層を設けるように構成しているため、直線状に延びる相手物に対しては、反射層の端部が反射面となるので、遠方からの光量の少ない光を反射でき、また相手物が曲がっている場合には、その曲がりが大きければ大きい程、反射面が広がって多くの光を反射することができ、いち早く相手物の位置を投光側に知らせることができる。また、本発明は光を正面から受けても部分円筒面部の端部の曲がりは小さいため、ほぼ全長にわたって反射面となり、無駄のない反射キャップを提供することができる。さらに、本発明は部分円筒面部の周縁部に相手物に固定される固定具に係合する係合溝を設けるとともに、この係合溝に固定具の係止爪を係合可能に構成しているため、ガードレール等の相手物への取付けが簡単に行える。しかも、本発明は部分円筒面部を囲う壁面部の側方に小孔を設けているため、特殊工具以外で取り外しができず、いたずらによる取り外しを防ぐことができる等の利点がある。その上、本発明は反射層のビーズの背面に金属を蒸着してビーズに再帰反射機能を持たせているため、反射効率が格段に向上し、わずかの光量で明るく輝く反射部品を提供できるばかりか、部分円筒面部の前面側に酸化チタンをコーティングし、紫外線を受けて機能する光触媒機能により前面の汚れを分解するようにしたり、シリカをコーティングして親水機能を持たせて、汚れが流れ落ちるようにしているため、受光面の汚れが少なく、受光した光はほとんど減衰なく反射層まで達することができる等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の反射キャップの外観図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】本発明に係る部分円筒面部の水平断面説明図である。
【図4】本発明に係る固定具の平面図である。
【図5】本発明に係る固定具の要部正面図である。
【図6】本発明に係る反射層の要部断面図である。
【図7】本発明に係るビーズの再帰反射機能の説明図である。
【図8】本発明の実施状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 反射キャップ
1a 部分円筒面部
1b 壁面部
1c 収納室
1d 円弧面
1e 係合溝
1f 小孔
2 ガードレール
2a ボルト取付穴
3 反射層
3a クリア樹脂層
3b ビーズ
3c 金属蒸着層
3d 着色樹脂層
4 固定具
4a 係止板部
4b 底板部
4c 切欠
4d 係止爪
5 ボルト
5a 非円形段部
Claims (6)
- 透過性のある材料でなり、前面側または背面側の少なくとも一方側に短軸の長さを半径の1/3〜2/3とする円弧を水平断面上に持つ部分円筒面部を設け、この部分円筒面部の一つにビーズを有する反射層を設けたことを特徴とする反射部品。
- 反射層の背面に金属を蒸着し、ビーズに再帰反射機能を持たせたことを特徴とする請求項1に記載の反射部品。
- 前面側に酸化チタンをコーティングし、紫外線を受けて機能する光触媒機能により前面の汚れを分解するように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の反射部品。
- 前面側にシリカをコーティングして親水機能を持たせて、汚れが流れ落ちるように構成したことを特徴とする請求項3に記載の反射部品。
- 部分円筒面部の周縁部に相手物に固定される固定具に係合する係合溝を設けたことを特徴とする反射部品。
- 固定具は後退可能な係止爪を有する一方、部分円筒面部の周縁部の側方に有底の小孔を有し、前記係止爪を小孔に対応して位置するように構成したことを特徴とする請求項5に記載の反射部品
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002383676A JP3663601B2 (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 反射部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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