JP3662145B2 - インクジェット画像形成装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタ等のインクジェット画像形成装置に関し、さらに詳しくは、記録用紙を搬送するための搬送ローラが記録用紙上のインクを乾燥するための熱の影響を受けたとしても、記録用紙の送り速度には影響を与えない搬送装置を有するインクジェット画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットプリンタにおける記録用紙上に画像形成されたインク粒の乾燥には、加熱による方法、すなわち熱定着法が用いられている。この熱定着法の例として、たとえば特開平8−258254号公報に開示されているように、ヒートローラおよび熱風による加熱が用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の技術のような方法を用いた装置では、記録用紙上のインクを乾燥するための熱量が記録用紙搬送路周辺の搬送ローラや各ユニットに悪影響を及ぼすおそれがある。たとえば、上記熱量によって搬送ローラが膨張し該ローラの径が増大する。特に、装置をコンパクトに設計するあまり、熱定着部と各搬送ローラとを近接して配置する場合には、熱定着に際しての輻射熱等によって、搬送ローラの熱膨張は著しくなる。
そのため、熱膨張前と後ではローラ径の相違が大きなものとなり、その結果、該ローラの周速度が変化し、記録用紙の搬送速度が所望の速度から大きく変化してしまう。
【0004】
上記熱膨張による悪影響は、ほとんどの場合、ローラ径が大きくなることにより、記録用紙の搬送速度が増加することによりもたらされる。搬送速度の増加により、所定幅の搬送量に対して記録紙が所望の搬送量より多く搬送されることとなり、画像形成部における各印字幅のピッチが広くなり、白抜け等の画像形成不良を発生する。
【0005】
また、搬送速度が増加することで、乾燥過程で十分な乾燥がなされないうちに用紙が排紙される。したがって、乾燥不良によるインクのにじみ(画像形成された部位が他のローラとの接触することによって不十分な乾燥状態のインクがにじむ)などが発生するおそれがある。
【0006】
また、搬送ローラと従動ローラの位置関係を、従来電子写真方式の複写機・プリンタ等で用いられているトナー定着部のように、定着ローラの回転軸に対し加圧ローラの回転軸を、軸両端の板金等に設けた長孔内に移動可能に位置決めし、加圧ローラの軸端部をバネ等の加圧部材により定着ローラに押し付けるような構成、すなわち、搬送ローラの回転軸と従動ローラの回転軸を板金などにより大まかに位置決めし、バネ等の加圧部材で従動ローラを搬送ローラに押し付けるような構成にすると、加圧部材のたわみにより搬送ローラと従動ローラの軸間距離が微妙に変動し、搬送ローラの熱膨張による搬送速度変動を十分に吸収できず、結果として搬送速度の増大を招くおそれもある。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、インクの熱定着による輻射熱を受けても径の変化ができる限り抑制された搬送ローラを有するインクジェット画像形成装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、インクを液滴として記録用紙上に吐出して画像を形成する画像形成部と、該画像形成部で画像形成された記録用紙上のインクを乾燥させるインク乾燥部とを備えるインクジェット画像形成装置において、前記インク乾燥部には、前記記録用紙を所定幅毎に搬送する搬送ローラ及び該搬送ローラに対向して配置され前記搬送ローラとの間に記録用紙を挟持する従動ローラからなる用紙搬送装置が配置されており、前記搬送ローラの回転軸と前記従動ローラの回転軸との距離が位置固定部材によって所定間隔に保持されているとともに、前記搬送ローラが前記インク乾燥部による加熱によって熱膨張した場合に、前記所定間隔を維持するように、前記搬送ローラが対向して配置された前記従動ローラによって変形する材質から形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、インクを液滴として記録用紙上に吐出して画像を形成する画像形成部と、該画像形成部で画像形成された記録用紙上のインクを乾燥させるインク乾燥部とを備えるインクジェット画像形成装置において、前記インク乾燥部には、前記記録用紙を所定幅毎に搬送する搬送ローラ及び該搬送ローラに対向して配置され前記搬送ローラとの間に記録用紙を挟持する従動スターローラからなる用紙搬送装置が配置されており、前記搬送ローラの回転軸と前記従動スターローラの回転軸との距離が位置固定部材によって所定間隔に保持されているとともに、前記搬送ローラは前記インク乾燥部による加熱によってもその直径をほぼ維持し得る熱膨張率が低い材質から形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1に記載の画像形成装置の前記搬送ローラ及び従動ローラの回転軸として用いられるシャフト、又は、請求項2に記載の画像形成装置の前記搬送ローラ及び従動スターローラの回転軸として用いられるシャフトは、熱膨張率の小さい材質で形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット画像形成装置において、前記搬送ローラはエラストマー材質からなっていることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット画像形成装置において、前記従動ローラまたは従動スターローラはインクとの親和性の低い材質からなっていることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット画像形成装置において、前記従動ローラまたは従動スターローラの表面にインクが付着した場合に、該インクを除去するクリーニング手段を備えていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
電子写真方式の画像形成装置では、記録用紙上にトナー像を転写して固着させるが、このトナーの固着(定着)方法としては熱ローラによる熱・圧力定着法が一般的に用いられている。電子写真方式の画像形成装置では、この熱定着のために、熱ローラに備えられているヒータが所定の定着温度に達するまで、画像形成動作を停止した状態で保持するウォームアップ時間が設定されている。そのため、ヒータとその周辺領域が所定の温度に達した時点ではじめて画像形成動作が可能になる。なお、電子写真方式の画像形成装置では、熱源である熱ローラを含む周辺領域の駆動機構は、熱ローラから受ける熱量を考慮してローラの周速度等を設定している。
【0015】
これに対して、インクジェット方式の画像形成装置では、上述した電子写真方式のように、定着過程でヒータとその周辺領域を全て所定の温度に上昇させるようなことは行わない。つまり、インクジェット方式では、画像形成途中に、記録用紙上に付着したインクの乾燥工程をスタートさせるとともに、装置の小電力化のために電子写真方式のようなウォームアップ時間を設定しない。
【0016】
そのため、インクジェット方式の画像形成装置では、急激にヒータが加熱されるために、そのヒータから急激に大量の熱量が放出される。この大量の熱量は、記録用紙の搬送路に設けられている搬送ローラを急激に加熱するために、搬送ローラが熱膨張してしまう。その結果、膨張していない状態の搬送ローラと膨張した状態の搬送ローラとでは、ローラ径に大きな誤差が生じることになり、搬送ローラの周速度に変化を発生させる。
つまり、熱膨張によって搬送ローラの径が大きくなるため、記録用紙の搬送速度は熱膨張する以前よりも速くなる。
【0017】
ところが、インクジェット方式の画像形成装置では、インクヘッドが記録用紙の所定領域を走査しながら画像形成を行い、走査方向全体の画像形成が完了すると、記録用紙を所定幅搬送し、この搬送した分に対して再びインクヘッドが走査しながら画像形成を行う構成となっている。そのため、記録用紙を正確に搬送しなければ、記録用紙の搬送量が多過ぎてインクヘッド1走査分の画像の間に隙間ができたり(白抜けとよばれる現象)、あるいは記録用紙の搬送量が少な過ぎてインクヘッド1走査分の画像の一部が重なったりする画像形成不良が生じる。
特に、上記のように搬送ローラの周速度が増加すると記録用紙の搬送速度が増加するため、白抜けが発生し易くなる。
【0018】
さらに、上記ヒータは記録用紙上に形成されたインクを乾燥させるためのものであり、膨張していない搬送ローラによって搬送される所定時間内でインクを乾燥する程度の熱量を放出するように設定されている。その結果、搬送ローラの搬送速度の増加によって、インクの乾燥が不十分となり乾燥不良が発生するおそれがある。
【0019】
加えて、搬送速度の変化にともなって、インクの乾燥不良や白抜けの発生以外に記録用紙の非画像領域(インクが形成されていない領域)で乾燥状態にばらつきが発生する。その結果、記録用紙の保水率が不均一となって該記録用紙にカールやしわが生じたりするおそれもある。
【0020】
そこで本発明では、インクジェット方式の画像形成装置における搬送ローラの熱膨張を避けがたいものとし、逆に膨張した搬送ローラにおける周速度を変えないような構成を用いた画像形成装置を提供する。
【0021】
まず、本発明のインクジェット方式の記録ジェットを用いたインクジェット画像形成装置について、以下に説明する。
図1は画像形成装置の構成の概略図である。
図1に示すように、インクジェット画像形成装置は、給紙トレイ1,ピックアップローラ2,給紙ローラ3,用紙搬送路4,PSローラ(第二給紙ローラ)5,インクキャリッジ6,キャリッジガイドシャフト7,用紙吸着ベルト8,インク乾燥部(ヒータ)9,搬送ローラ10,従動ローラ11,排紙ローラ12,排紙トレイ13等を備えている。
【0022】
給紙部は、給紙トレイ1,ピックアップローラ2,給紙ローラ3,用紙搬送路4,PSローラ5等で構成され、記録用紙Pは給紙トレイ1上に積載されている。
画像形成装置には図示しないコンピュータなどが接続されている。このコンピュータなどからの画像情報に基づいて画像形成要求が画像形成装置に送信されたときに、ピックアップローラ2によって給紙ローラ3に1枚の記録用紙Pが給紙され、給紙ローラ3によって用紙搬送路4へ搬送される。用紙搬送路4は図1に示すように、U字型をしており、下方に配置されている給紙部から給紙された記録用紙Pを上方に位置する画像形成部に供給する。用紙搬送路4の終端部にはPSローラ5が配置されており、画像形成部に記録用紙Pを給紙する。上記PSローラ5は、上記画像情報に基づいて、画像情報の先端と用紙先端を調整するように記録用紙Pを搬送する。
【0023】
画像形成部は、インクキャリッジ6,キャリッジガイドシャフト7,用紙吸着ベルト8等によって構成される。
インクキャリッジ6は、所望の画像情報に応じてインクを吐出するヘッドと、取り替え可能なインクタンクを備えている。このインクキャリッジ6は、所定方向に記録用紙P上を走査するためにキャリッジガイドシャフト7によって移動可能に保持されている。
【0024】
PSローラ5から給紙された記録用紙Pはこのインクキャリッジ6が配置されている位置に到達する。インクキャリッジ6は、画像情報に対応して必要なインクを吐出し、記録用紙P上に画像を形成する。このとき記録用紙Pの搬送は、インクヘッドが1ライン(1方向)の走査を終了して画像を形成し終わるまで、一旦停止される。
【0025】
1ラインの走査が終了すると、記録用紙Pにおける、インクヘッドが有する複数のインクノズル分に相当する幅、すなわち、インクノズルにより形成された画像幅分が搬送される。このような処理が継続して実施されることによって記録用紙P上に画像が形成される。それゆえ記録用紙Pの搬送は、この1回の走査分の幅だけ精密に搬送されなければならない。
この記録用紙Pの画像領域における搬送は用紙吸着ベル8により行われる。
用紙吸着ベルト8は、図示しないモータにより上記画像幅に応じた量だけ、ベルト表面に吸着された記録用紙Pを搬送する。
【0026】
インク定着部は、インク乾燥部(ヒータ)9,搬送ローラ10,従動ローラ11により構成される。
その表面にインクによる画像情報を形成された記録用紙Pは、用紙吸着ベルト8を通過した後、インク乾燥部9の下へ搬送される。インク乾燥部9の下では、記録用紙Pは搬送ローラ10と搬送ローラに対向して配置された従動ローラ11により挟持される。
【0027】
従動ローラ11は画像形成後のインクが未乾燥であるため、画像劣化を極力少なくするために、厚さ0.05mmから0.2mm程度のステンレス、たとえばJIS G 4313に規定されるSUS304−CSPやSUS631等の薄板を星形に形成したいわゆるスターローラが用いられる。
また、従動ローラ11は搬送ローラ10と連携して記録用紙Pをインク乾燥部9において搬送するだけでなく、記録用紙Pがインク乾燥部9内で浮き上がり、インク乾燥部9の内部に侵入し、ヒータの熱を直接受けてこげたり、発火したりするのを防止する役目も併せ持っている。
【0028】
記録用紙P上のインク画像は、インク乾燥部9で空気の対流や、ヒータの輻射熱、熱伝導などによりインクの溶媒成分が除去され乾燥・定着が完了する。
上記、工程により画像情報が定着された記録用紙Pは搬送ローラ10の回転に伴い排紙部へ記録用紙Pを排紙する。
排紙部は、排紙ローラ12,排紙トレイ13等からなり、乾燥して画像が定着した記録用紙Pを排紙ローラ12にて排紙トレイ13に排紙する。
【0029】
次に、上記搬送ローラ10および従動ローラ11の構成を含む本発明の画像形成装置について、図1乃至図6に基づいて説明する。
【0030】
(実施例1)
図1において、本発明のインクジェット画像形成装置のインク乾燥部9は、記録用紙Pの全幅に対し熱を加えることができるようになっているため、記録用紙P上の未乾燥インクを完全に乾燥することが可能となっているが、このインク乾燥部9によって記録用紙P上に放出される熱量は、記録用紙P以外の近傍にも空気の対流,輻射,熱伝導などにより拡散する。
【0031】
インク乾燥部9の近傍には、上述したように、記録用紙Pを搬送するための搬送ローラ10や従動ローラ11,排紙ローラ12が配置されているが、これらが上記熱によって加熱される。
【0032】
上記熱による温度上昇をΔT、搬送ローラ10の熱膨張率をkとすると、図2に示すように、上記熱によって搬送ローラ10は熱膨張し、熱膨張以前と比較して搬送ローラ10′のように変形し、ローラ径がΔd分だけ大きくなる。このΔdは次式で表される。なお、搬送ローラ10の元の直径をφdとする。
Δd=k×ΔT×φd
【0033】
ここで、この熱膨張について、搬送ローラ10を例に挙げて説明する。まず、搬送ローラ10の駆動源から伝達される回転数をa(rps)、円周率をπとすると、膨張前の搬送ローラ10の周速度V0は次式で表される。
V0=π×a×φd
一方、膨張後の搬送ローラ10′の周速度Vdは次式で表される。
Figure 0003662145
すなわち搬送ローラ10の周速度の増加ΔVは、次式で表される。
ΔV=π×a×Δd
すなわち直径の増分Δd分周速度が増加する。
上記熱膨張は、搬送ローラ10だけでなく排紙ローラ12にも同様に発生するが、排紙ローラ12に比べて上記搬送ローラ10は記録用紙Pを精密な周速度で搬送するものであるため、熱膨張が得られる画像の品位に悪影響を与えることになる。
【0034】
そこで、本発明の第1の実施例では、搬送ローラ10の周速度の変化を抑制するために、該搬送ローラ10に次の2つの構成を適用する。
第1の構成は、搬送ローラ10の表面硬度を従来のものよりも低下させる、すなわち搬送ローラ10を従来のものよりも柔らかい材質とする構成である。
第2の構成は、搬送ローラ10の回転軸と従動ローラ11の回転軸との間の間隔を、搬送ローラ10の膨張に関わらず一定に保持する構成である。
上記2つの構成を同時に適用することによって、搬送ローラ10が熱膨張してもその周速度をほぼ一定に維持することができる。
【0035】
従来の搬送ローラ10では、図3に示すように、熱膨張前の半径をR=φd/2とすると、熱膨張して半径がΔR=Δd/2だけ増大すれば、従動ローラ11であるスターローラがこのΔR分だけ押し上げられていた。
これに対して、本発明の第1の実施例では、搬送ローラ10の材質が柔らかいものである上に、上述したように搬送ローラ10の回転軸と従動ローラ11の回転軸とが一定の間隔に保たれているので、図4に示すように、従動ローラ11(スターローラ)により搬送ローラ10が押圧されて変形し凹む。
【0036】
ここで、搬送ローラ10の周速度は、前述したように搬送ローラ10の回転軸から搬送ローラ10と従動ローラ11との接点までの距離(熱膨張しなければ、R)と、駆動源から伝達される搬送ローラ10の回転数によって決定される。
本発明の第1実施例の構成によれば、熱膨張によっても上記距離がほぼRに維持されるため、図4に示すように、熱膨張の有無を問わず、搬送ローラ10の周速度がほぼ一定に維持される。その結果、従来のような周速度の増加を回避してより高品位の画像を形成することができる。
【0037】
また、図5は、前記従来の電子写真方式の定着部などに用いられている定着ローラと加圧ローラの2本のローラの位置関係を示している。従来の電子写真方式における定着部においては、定着ローラ21と加圧ローラ23をそれぞれの軸受け22,24を介して側面の板金部材25に配置されている。一般に、定着ローラ21の軸受け部材22は板金部材25に対して定められた位置に固定され、加圧ローラ23の軸受け部材24は、板金部材25に設けられた長孔26によって定着ローラ21に対して両ローラの軸と軸を結ぶ方向に移動可能に配置されている。加圧ローラ23の両端の軸部あるいは軸受け24はバネ等の加圧部材27により定着ローラ21に対して1kgf〜数kgfで加圧されている。
【0038】
しかしながら、このように各ローラの軸間を大まかに位置決めし、バネ等の加圧部材27により片方のローラを押し付けるような構成では、ローラが熱膨張した際に、加圧部材27の弾性によりローラの軸間距離が初期の値から離間し、結果的に、ローラの速度増加を低減させることはできない。
【0039】
本発明においては、図6に示すように、搬送ローラ10と従動ローラ11の軸間を位置固定部材14等により所望の値に設定することにより、図4の実施例において説明したように、搬送ローラ10の熱膨張による径変化も搬送ローラ10の弾性により吸収され、且つ上述のように軸間距離は変わらないため、搬送ローラ10の速度増加は大幅に低減される。
【0040】
上記位置固定するための構成は特に限定されるものではないが、板状の位置固定部材14を用いて搬送ローラ10及び従動ローラ11の各回転軸の位置を固定する構成であってもよいし、別途軸間距離を調整する部材を設け調整後固定するような構成であってもよい。
【0041】
上記各位置固定部材14を形成する材質としては特に限定されるものではないが、前述した熱輻射を受けても位置固定状態に変化がないような熱膨張率の小さい材質であることが好ましい。
また、上記回転軸として用いられるシャフトは熱膨張の少ない金属などで形成されることが好ましい。
上記搬送ローラ10の材質は、従来のローラに比べて硬度の低い材質(柔らかい材質)である。
【0042】
該材質としては、たとえばゴム(エラストマー)材質を好適に用いることができ、中でもシリコーン樹脂(SiO)系の発泡ゴム材質、いわゆるスポンジ状でなおかつ表面に厚さ0.1mm〜数mm程度のスキン層を有するもので、通常用いられる搬送ローラの表面硬度(JISアスカF硬度60度前後)よりも柔らかい、JISアスカF硬度40度前後のものが好ましい。
【0043】
上記従動ローラ11は、記録用紙Pにおける画像形成面に直面するため、未乾燥のインクで汚れるおそれがある。そこで従動ローラ11に汚れを除去するような構成を加えることが好ましい。たとえば、上記インクはほとんどが水溶性であるため、従動ローラ11に撥水性材料を混ぜてインクが付着しにくくする構成や、従動ローラ11の回転領域周辺にクリーニング部材を設け、従動ローラ11の回転に伴ってクリーニングする構成を用いることができる。
【0044】
以上のように、本発明の第1の実施例のインクジェット画像形成装置では、搬送ローラ10の硬度を柔らかくするとともに、搬送ローラ10及び従動ローラ11の回転軸を所定の距離で位置固定することによって、インク乾燥部における輻射熱で搬送ローラ10が膨張しても記録用紙も搬送速度をほぼ一定とし、高品位の画像形成を実現する。
さらに従動ローラ11として用いられるスターローラの形状を変更する。これによって、乾燥部における輻射熱で搬送ローラが膨張しても、記録用紙の搬送速度に影響のない駆動が可能となる。
【0045】
(実施例2)
前述した第1実施例では、搬送ローラ10の硬度を従来のものよりも低下させるとともに、搬送ローラ10及び従動ローラ11の軸間距離を位置固定部材14によって一定に固定する構成であったが、第2の実施例では、搬送ローラ10の材質を熱膨張率の小さいものを用いることで、搬送ローラ10の径の増大を抑制し、搬送速度の増加を低減する。
【0046】
従来のものよりも熱膨張率の低い搬送ローラの材質としては、たとえば前述した柔らかい搬送ローラ10と同様にシリコーン樹脂(SiO)系のゴム材質を用いることができるが、前述の第1実施例の場合より高硬度の配合のゴム材料を用いることができる。また、金属などの材質や、金属製の芯金にセラミックコートを施したものも好適に用いることができる。
それ以外の構成は前記第1実施例と同様である。これによって、第1実施例の場合と同様の効果が得られる。
【0047】
【発明の効果】
請求項1または2の発明によれば、インク加熱部によって搬送ローラが加熱されても、搬送ローラの周速度、すなわち搬送ローラによる記録用紙の搬送速度にほとんど影響しないので、記録用紙を所定速度で搬送し、高品位の画像を形成することができる。
【0048】
請求項3の発明によれば、搬送ローラ従動ローラ、従動スターローラの回転軸として用いられるシャフトの熱膨張率も小さいので、搬送ローラ及び従動ローラの回転軸間を所定間隔に保持することがより容易となる。
【0049】
請求項4の発明によれば、搬送ローラが弾性のあるエラストマー材質からなっているので、記録用紙に悪影響を及ぼすことなく、また振動や騒音を発することなく搬送することができる。
【0050】
請求項5または6の発明によれば、記録用紙における画像形成面に直面して未乾燥のインクで汚れ易くなっている従動ローラまたは従動スターローラに汚れを付着させない、あるいは汚れを除去することができるので、画像形成に際して記録用紙が汚れることを回避してより高品位の画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における画像形成装置の構成の概略図である。
【図2】搬送ローラの熱膨張による径の増大の模式図である。
【図3】従来の搬送ローラと従動ローラの配置と熱膨張による影響を示した図である。
【図4】本発明による搬送ローラと従動ローラの配置と熱膨張による影響を示した図である。
【図5】従来の電子写真方式の定着部の熱膨張による影響を示した図である。
【図6】本発明の位置固定部材の説明をするための図である。
【符号の説明】
1…給紙トレイ、2…ピックアップローラ、3…給紙ローラ、4…用紙搬送路、5…PSローラ、6…インクキャリッジ、7…キャリッジガイドシャフト、8…用紙吸着ベルト、9…インク乾燥部、10…搬送ローラ、11…従動ローラ、12…排紙ローラ、13…排紙トレイ、14…位置固定部材、P…記録用紙。

Claims (6)

  1. インクを液滴として記録用紙上に吐出して画像を形成する画像形成部と、該画像形成部で画像形成された記録用紙上のインクを乾燥させるインク乾燥部とを備えるインクジェット画像形成装置において、
    前記インク乾燥部には、前記記録用紙を所定幅毎に搬送する搬送ローラ及び該搬送ローラに対向して配置され前記搬送ローラとの間に記録用紙を挟持する従動ローラからなる用紙搬送装置が配置されており、前記搬送ローラの回転軸と前記従動ローラの回転軸との距離が位置固定部材によって所定間隔に保持されているとともに、前記搬送ローラが前記インク乾燥部による加熱によって熱膨張した場合に、前記所定間隔を維持するように、前記搬送ローラが対向して配置された前記従動ローラによって変形する材質から形成されていることを特徴とするインクジェット画像形成装置。
  2. インクを液滴として記録用紙上に吐出して画像を形成する画像形成部と、該画像形成部で画像形成された記録用紙上のインクを乾燥させるインク乾燥部とを備えるインクジェット画像形成装置において、
    前記インク乾燥部には、前記記録用紙を所定幅毎に搬送する搬送ローラ及び該搬送ローラに対向して配置され前記搬送ローラとの間に記録用紙を挟持する従動スターローラからなる用紙搬送装置が配置されており、前記搬送ローラの回転軸と前記従動スターローラの回転軸との距離が位置固定部材によって所定間隔に保持されているとともに、前記搬送ローラは前記インク乾燥部による加熱によってもその直径をほぼ維持し得る熱膨張率が低い材質から形成されていることを特徴とするインクジェット画像形成装置。
  3. 請求項1に記載の画像形成装置の前記搬送ローラ及び従動ローラの回転軸として用いられるシャフト、又は、請求項2に記載の画像形成装置の前記搬送ローラ及び従動スターローラの回転軸として用いられるシャフトは、熱膨張率の小さい材質で形成されていることを特徴とする
  4. 前記搬送ローラはエラストマー材質からなっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット画像形成装置。
  5. 前記従動ローラまたは従動スターローラはインクとの親和性の低い材質からなっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット画像形成装置。
  6. 前記従動ローラまたは従動スターローラの表面にインクが付着した場合に、該インクを除去するクリーニング手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット画像形成装置。
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