JP2007008093A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像形成装置のフルラインヘッドユニット2は4個のヘッドユニット12(12c、12k、12m、12y)と、これらを所定の間隔で保持するヘッドユニット固定部材13と、用紙先端位置センサ14を備えている。用紙搬送ユニット3は搬送ベルト15、プラテン16、駆動ローラ17、従動ローラ18、張力ローラ19、吸着フアンユニット21、駆動モータ25、エンコーダ26、これらを保持するフレーム22を備えている。この画像形成装置はヘッドピッチ固定部材13と従動ローラ18の熱膨張係数の差が「±100×10^−6(m)/(固定ヘッド配設距離(m)×変動温度(K))」以下であるように構成される。
【選択図】 図2
Description
このようなフルラインインクジェットプリンタの各色の印字タイミングは、各色の印字ヘッド間の距離と用紙の搬送速度から定まる。その用紙の搬送速度を検知する方法として例えば用紙搬送ベルトを駆動するローラに直結した駆動モータの回転数を検知し、この検知した駆動モータの回転数に基づいて印字タイミングを制御する方式が知られている。そして、この方式では、負荷によるモータの発熱に起因する駆動ローラの外径変形や、印字ヘッドの発熱による各色の印字ヘッド間のピッチ間隔の熱膨張により、印字タイミングにずれが生じるため、定期的に温度を検知して印字タイミングを補正している。(例えば、特許文献2参照。)
また、用紙搬送ベルトの速度を直接検知して、搬送速度の色ずれへの影響を排除する方法も提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
本発明の画像形成装置は、用紙を搬送すべく、少なくとも搬送ベルトと、該搬送ベルトを張設する駆動ローラ、従動ローラ、及び張力ローラを有する搬送手段と、上記用紙の搬送方向に所定の間隔でヘッドピッチ固定部材に配置された複数の固定ヘッドと、を備え、上記ヘッドピッチ固定部材の熱膨張係数と上記従動ローラの熱膨張係数との差が、±100×10^−6(m)/(固定ヘッド配設距離(m)×変動温度(K))以下であるように構成される。
また、この画像形成装置は、例えば、上記固定ヘッドと上記ヘッドピッチ固定部材の間に介装された断熱部材を備えるように構成される。
このプリンタ1は、印刷画像データに基づいて4色のインク滴を吐出するフルラインヘッドユニット2、このフルラインヘッドユニット2の下側に配置され、印刷する用紙Pを搬送する用紙搬送ユニット3、この用紙搬送ユニット3に用紙Pを供給する供給ユニット4、及び印刷されて排出される用紙Pを収納する排紙ユニット5を備えている。
供給トレイ6は、プリンタ1の本体筐体外部に取り付けられ、多枚数の用紙Pを載置可能に構成されている。供給ローラ対7は、供給トレイ6に載置された用紙Pを、供給トレイ6から1枚ごと取り出して、プリンタ1の内部に給送する。レジストローラ対8は、供給ローラ対7から給送されてくる用紙Pを、一時停止させて斜行等の搬送姿勢を整えるとともに、印刷タイミングに合わせて用紙搬送ユニット3に給送する。
排紙ローラ9は、印刷されて用紙搬送ユニット3から排出される用紙Pを外部に排出する。排紙トレイ11は、排紙ローラ9により排出されてくる用紙Pを、積み重ねて収容する。
そして、駆動ローラ17の回転軸の一方の端部には駆動モータ25が接続され、駆動モータ25は、駆動ローラ17を回転駆動する。
搬送ベルト15が、張力ローラ19により適切な張力に維持されているため、搬送ベルト15に従動する従動ローラ18は搬送ベルト15に同期して回転する。搬送ベルト15の循環移動速度は、搬送ベルト15に同期して回転する従動ローラ18の回転角速度を検知するエンコーダ26から得られる。
ω=Vb/D ・・・ (2)
ここで従動ローラ18の熱膨張係数をα2とすると、雰囲気温度の変化量ΔTによる従動ローラ18の回転角速度の変化量、すなわちエンコーダ26の出力の変化量Δωは、次のようになる。
=1/(1+α2×ΔT) ・・・ (3)
ヘッドユニット12のインク滴の吐出を制御するヘッドユニット制御部31は、エンコーダ26から出力される従動ローラ回転角速度信号bからインク吐出タイミングを生成する方式なので、出力の変化によってインク吐出タイミングが変化する。
γ=1/Δω=1+α2×ΔT ・・・ (4)
ここで、最も離れたヘッドユニット12cと12y間において、搬送ベルト15の速度Vbにおけるインク吐出タイミングをtとすると、このインク吐出タイミングの変化による隣り合う2つのヘッドユニット間の印字ずれ量Δpは次の式で表すことができる。なおここでは、用紙搬送方向の印字ずれを+とする。
=L×α2×ΔT ・・・ (5)
(1)式と(5)式から、ヘッドユニット間距離の温度変化量Δlと、吐出タイミングの温度変化による印字ずれ量Δpの差(単位はm(メートル))を式に表すと次のようになる。ここでは用紙搬送方向の差を+とする。
=L×(ΔTh×α1+ΔT×(α1−α2)) ・・・ (6)
本発明では、ヘッドユニット固定部材13の熱膨張係数α1と従動ローラ18の熱膨張係数α2が、ともに2×10^−6/Kのインバーで構成されている。
本例のプリンタ1の構成においては、実測で、ヘッドユニット群の発熱は最大で30℃程度である。また最も離れたヘッドユニット12cと12y間の距離Lを0.33mとすると、式(6)は次のようになる。
=20×10^−6 ・・・ (7)
一般に、目視で認識できる印刷物の色ずれは、100μm以上とされている。本例では印刷物の色ずれが20μmなので、目視認識できないレベルである。
つまり、ヘッドユニット群の発熱による最も離れたヘッドユニット間の熱伸縮量が100μm以下となるような熱膨張係数であれば、目視認識できるレベルの印字ずれが生じないのである。
以上、説明した第1の実施形態によれば、ヘッドユニットの温度如何にかかわらず、多数箇所の温度を検出あるいは回転体の温度を検出したり、補正演算などの複雑な制御をすることなく、温度による印字色ずれが削減できる。
なお、本実施例では、従動ローラ18にエンコーダ26を配置し、従動ローラ18の回転速度を検出したが、駆動ローラ17にエンコーダ26等を配置し、駆動ローラ17の回転速度を検出しても良い。この場合には、駆動ローラ17の材質をヘッドユニット固定部材13の線膨張係数と略等しく、さらにインバー等の線膨張係数の小さな材質にすれば同様の効果を得る事ができる。
尚、本例におけるプリンタのフルラインヘッドユニット及び後述する用紙搬送ユニット36以外の全体構成は、図1、図2(b) 及び図3に示した構成と同一である。尚、図4には、図2(a) に示した構成と同一構成部分には図2(a) と同一の番号を付与して示している。
図5は、本例におけるプリンタの用紙搬送ユニットの外観及び一部を切り欠いて内部の構成を示す斜視図である。尚、図5には、図2(b) に示した構成と同一構成部分には図2(b) と同一の番号を付与して示している。
その発熱がヘッドユニット固定部材34に伝導されないように、各ヘッドユニット12とヘッドユニット固定部材34との間に断熱部材35が介装されている。
搬送ベルト15が張力ローラ19により適切な張力に維持されているため、搬送ベルト15に従動する従動ローラ37は搬送ベルト15に同期して回転する。搬送ベルト15の循環移動速度は、搬送ベルト15に同期して回転する従動ローラ37の回転角速度を検知するエンコーダ26から得られる。このエンコーダ26は、図2(b) で既に説明したものと同一のものである。
ω=Vb/D ・・・ (10)
ここで従動ローラ37の熱膨張係数をα2とすると、雰囲気温度の変化量ΔTによる回転角速度の変化量、すなわちエンコーダ26の出力の変化量Δωは次のようになる。
=1/(1+α2×ΔT) ・・・ (11)
ヘッドユニット12のインク吐出タイミングを制御するヘッドユニット制御部31は、エンコーダ26の出力からインク吐出タイミングを生成する方式や、インク吐出タイミングを一定に固定しておいて、このタイミングに合うようにエンコーダ26の出力が一定になるように搬送ベルト15の循環移動の速度を制御する方式がある。
γ=1/Δω=1+α2×ΔT ・・・ (12)
ここで最も離れたヘッドユニット12間の距離がLのとき、搬送ベルト15の循環移動速度がVbにおけるインク吐出タイミングをtとすると、このインク吐出タイミングの変化による隣り合う2つのヘッドユニット12による印字ずれ量Δpは、次の式で表すことができる。なおここでは、用紙搬送方向の印字ずれを+とする。
=(Vb×L/Vb)×(1+α2×ΔT)−L
=L×α2×ΔT ・・・ (13)
式(9)と式(13)から、ヘッドユニット間距離の温度変化量Δlと、インク吐出タイミングの温度変化による印字ずれ量Δpの差を式に表すと次のようになる。ここでは用紙搬送方向の差を+とする。
=L×ΔT×(α1−α2) ・・・ (14)
このように、ヘッドユニット間距離の温度変化量Δlと、インク吐出タイミングの温度変化による印字ずれ量Δpの差は、最も離れたヘッドユニット間の距離Lと、雰囲気温度の変化量ΔTに比例し、ヘッドユニット固定部材34の熱膨張係数α1と従動ローラ37の熱膨張係数α2の差に比例する。
ヘッドユニット固定部材34を構成するアルミダイカスト(ADC12)と、従動ローラ37を構成するアルミ合金(A5056)の熱膨張係数は、ほぼ同一の22×10^−6/Kである。
尚、本例におけるプリンタの用紙搬送ユニット以外の全体構成は、図1、図3及び図4に示した構成と同一である。尚、図6には、図5に示した構成と同一構成部分には図5と同一の番号を付与して示している。
続いて、本実施例の特徴となる構成上の作用を説明する。図示を省略した本例のフルラインヘッドユニットは、図4に示したフルラインヘッドユニット33と同一の構成である。したがって、ヘッドユニット間の距離の変化量Δlは前述の式(9)で表される。
エンコーダローラ39の外径は、雰囲気温度に従って膨縮するため、搬送ベルト15の循環移動走行速度とエンコーダローラ39の回転角速度の相関も雰囲気温度に従って変化する。
搬送ベルト15の循環移動走行速度をVb、エンコーダローラ39の直径をD、エンコーダローラ39の回転角速度をωとすると、回転角速度ωは前述の式(10)と同じになる。
2 フルラインヘッドユニット
P 用紙
3 用紙搬送ユニット
4 供給ユニット
5 排紙ユニット
6 供給トレイ
7 供給ローラ対
8 レジストローラ対
9 排紙ローラ
11 排紙トレイ
12(12c、12k、12m、12y) ヘッドユニット
13 ヘッドユニット固定部材
14 用紙先端位置センサ
15 搬送ベルト
16 プラテン
17 駆動ローラ
18 従動ローラ
19 張力ローラ
21 吸着フアンユニット
22 フレーム
23 吸着孔
24 通気孔
25 駆動モータ
26 エンコーダ
27 回動部材
30 制御ユニット
31 ヘッドユニット制御部
32 用紙搬送制御部
a 用紙先端位置検出信号
b 従動ローラ回転角速度信号
33 フルラインヘッドユニット
34 ヘッドユニット固定部材
35 断熱部材
36 用紙搬送ユニット
37 従動ローラ
38 用紙搬送ユニット
39 エンコーダローラ
Claims (7)
- 用紙を搬送すべく、少なくとも搬送ベルトと、該搬送ベルトを張設する駆動ローラ、従動ローラ、及び張力ローラを有する搬送手段と、
前記用紙の搬送方向に所定の間隔でヘッドピッチ固定部材に配置された複数の固定ヘッドと、
を備え、
前記ヘッドピッチ固定部材の熱膨張係数と前記駆動ローラ及び/または従動ローラの熱膨張係数との差が、±100×10^−6(m)/(固定ヘッド配設距離(m)×変動温度(K))以下である、ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記駆動ローラ及び/または従動ローラは、該駆動ローラ及び/または従動ローラの回転速度を検出されるためのエンコーダを有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記固定ヘッドと前記ヘッドピッチ固定部材の間に介装された断熱部材を備える、ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記搬送ベルトに外接し前記搬送ベルトと同期して回転する外接ローラと、該外接ローラの回転速度を検出するためのエンコーダとを有し、
前記ヘッドピッチ固定部材の熱膨張係数と前記外接ローラの熱膨張係数との差が、±100×10^−6(m)/(固定ヘッド配設距離(m)×変動温度(K))以下である、ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記固定ヘッドピッチ固定部材と前記従動ローラの材質がインバー又は、窒化アルミ又は、チタン合金であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記固定ヘッドピッチ固定部材と前記外接ローラの材質がインバー又は、窒化アルミ又は、チタン合金であることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
- 前記固定ヘッドピッチ固定部材と前記従動ローラの材質がアルミ合金、亜鉛合金、マグネシウム合金、ステンレスの何れかと、インバー、窒化アルミ、チタン合金の何れかの組合せであることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
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