JPH11342598A - 記録装置および記録ヘッド - Google Patents

記録装置および記録ヘッド

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JPH11342598A
JPH11342598A JP9305499A JP9305499A JPH11342598A JP H11342598 A JPH11342598 A JP H11342598A JP 9305499 A JP9305499 A JP 9305499A JP 9305499 A JP9305499 A JP 9305499A JP H11342598 A JPH11342598 A JP H11342598A
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JP
Japan
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recording
heat
recording head
recording medium
head
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Withdrawn
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JP9305499A
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Hitoshi Tsuboi
仁 坪井
Norifumi Koitabashi
規文 小板橋
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録液を定着させるために被記録媒体と共に
記録液をヒーターにより加熱する際、ヒーターによる記
録ヘッドの温度上昇を抑制すると共にヒーターからの熱
を有効に使用することを可能にする。 【解決手段】 記録ヘッド1のフェイス面1a側の部分
に、吐出口3を有する吐出ノズル2が複数形成されてい
る。フェイス面1a、およびフェイス面1aに連なった
記録ヘッド1の側面の一部に熱反射板4が接合され、熱
反射板4の、吐出口3に対応する部分に貫通孔5が形成
される。プラテン7表層の、熱反射板4が対向する部分
にはヒーター8が埋め込まれる。熱反射板4とヒーター
8との間を記録用紙6が通過する際、ヒーター8からの
熱が記録用紙6を通して熱反射板4に伝導されると、そ
の熱のほとんどが熱反射板4によって記録用紙6に向け
て反射される。反射されなかった熱や、ノズル部周辺で
受けた熱は熱反射板4を伝わり、熱反射板4の放熱板部
4aで放熱される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録装置および記
録ヘッドに関し、特に、被記録媒体を加熱するためのヒ
ーターなどを有する記録装置および、その記録装置に搭
載される記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録装置では、記
録ヘッドから直接、記録液としてのインク液滴を被記録
媒体に飛ばして、そのインク液滴を被記録媒体の表面に
付着させることにより被記録媒体に対して記録が行われ
る。このようなインクジェット記録装置は、記録装置と
しての機構の単純さからプリンターや複写機などによく
使われるようになっている。多くのインクジェット記録
装置では、被記録媒体上に付着された記録液が自然乾燥
によって乾くことによって、被記録媒体の表面に記録画
像が定着される。
【0003】また、被記録媒体上の記録画像の縁部での
記録液のにじみを防いだり、被記録媒体上に記録画像を
高速に定着させたり、記録画像の濃度低下を防いだりす
る効果を得るには、熱による記録液の乾燥が有効な手段
となる。この手段を用いる場合、被記録媒体の、記録ヘ
ッドの近傍の部分を加熱する加熱手段としてのヒーター
などがインクジェット記録装置に設けられている。
【0004】記録ヘッドが搭載されたインクジェット記
録装置では、記録ヘッドの一面が被記録媒体の表面と対
向して、その一面がフェイス面となっている。このフェ
イス面に、被記録媒体に記録液を吐出する吐出口が形成
されている。これにより、被記録媒体の表面側で記録ヘ
ッドの吐出口から記録液が吐出され、被記録媒体に対し
て記録が行われる。また、熱による記録液の乾燥を行う
場合は、被記録媒体の、記録ヘッドの近傍の部分を加熱
するヒーターがインクジェット記録装置に設けられてい
る。一般的に、ヒーターは被記録媒体の裏面側に配置さ
れ、このヒーターによって、被記録媒体の裏面側から、
被記録媒体の、記録ヘッドの近傍の部分が加熱される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したような、記録
液を熱により乾燥させるための手段としては、被記録媒
体に記録液を付着させた直後に、被記録媒体の、記録液
が付着した部分を加熱した方が、前述した熱乾燥の効果
を高めるということが実験により確認された。ところ
が、被記録媒体の加熱部分が記録ヘッドの直下になり、
その加熱部分が記録ヘッドに近いため、記録ヘッドが加
熱されてしまうことになる。例えば、記録ヘッドのフェ
イス面からヒーターまでの距離が1mmとなっている場
合、記録ヘッド側では、記録ヘッドのフェイス面に対し
て垂直な方向から角度θだけ傾いた方向から記録ヘッド
へと向かってくる輻射熱のcosθ倍を受け取る。ここ
で、ヒーターの表面温度が200℃で、ヒーターの放射
率が0.9のとき、記録ヘッドのノズル部が受け取る熱
は約3.2×103(W/m2)に達し、その結果、記録
ヘッドの吐出口付近の温度は100℃を超えてしまい、
記録ヘッドの温度がヒーターの温度に近くなってしま
う。従って、記録ヘッドの吐出口が被記録媒体の加熱部
分に近くなると、吐出口で記録液が加熱乾燥され、記録
液の物性変化による記録液の吐出不良や、被記録媒体上
での記録液の性質の変化などが起こってしまうという問
題点がある。
【0006】また、インクジェット記録装置用の記録ヘ
ッドの内部には、記録液が流れる液流路が形成されてお
り、記録ヘッドが加熱されると、液流路内の温度が上昇
し、液流路内の記録液が加熱されてしまう。記録ヘッド
の液流路内の記録液が加熱されると、記録液の粘度など
の変化や、変質などによる記録液の物性の変化が起こる
という問題点がある。また、記録液に溶存していた気体
が記録液から放出されたり、記録液の気化により液流路
内に気泡が発生したりすることで、記録ヘッド内での記
録液の供給や、記録液の吐出が妨げられるという問題点
がある。
【0007】従来の記録ヘッドの構成材料としては、プ
ラスチックなどの熱に弱いものが用いられている。記録
ヘッドの吐出ノズル部の構成材料としてプラスチックを
一部用いることで、安価でかつ容易に記録ヘッドを作製
することができる。しかしながら、プラスチックなどは
熱伝導性や放熱性が悪いため、記録ヘッドが高温に曝さ
れると記録ヘッドが昇温しやすい。また、耐熱性や熱伝
導性の高いプラスチックを用いると、記録ヘッドの製造
コストが上昇したり、加工が難しくなったりしてしま
う。従って、従来の記録ヘッドの構成材料と同じ材料で
作製した記録ヘッドをそのまま記録装置で使用できるこ
とが望ましい。
【0008】さらに、記録ヘッドの電子回路を構成する
回路素子も熱に弱い。従って、記録ヘッドが高温に曝さ
れて記録ヘッドの温度が上昇すると、記録ヘッドの部材
の変形や破損、記録ヘッドの回路素子の変性や破損を招
き、記録ヘッドが不可逆的に破壊されるという恐れがあ
る。特に、低パス数で印字を行う場合など、記録ヘッド
の印字速度が速くなった場合には、被記録媒体のそれぞ
れの個所を加熱する時間が短くなるため、より高い温度
で被記録媒体と共に記録液を加熱して被記録媒体に記録
画像を定着させる必要が生じる。従って、被記録媒体を
高温で加熱しても、被記録媒体と共に記録ヘッドを加熱
しない対策や、少ない熱エネルギーで効率よく被記録媒
体と共に記録液を加熱する工夫が必要である。
【0009】本発明の目的は、被記録媒体に記録液を定
着させるためにヒーターなどにより被記録媒体と共に記
録液を加熱する際、ヒーターなどによる記録ヘッドの温
度上昇が抑制された記録装置および記録ヘッドを提供す
ることにある。
【0010】また、上記目的に加えて本発明の目的は、
ヒータからの熱を有効に使用することにより、被記録媒
体に記録液を効率よく定着させることができる記録装置
および記録ヘッドを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、被記録媒体に向けて記録液を吐出する吐
出口が一面に形成された記録ヘッドと、前記被記録媒体
の、前記記録ヘッドの近傍の部分を加熱する加熱手段と
を有する記録装置において、前記記録ヘッドの前記加熱
手段側の面、および該面に連なった前記記録ヘッドの側
面に、熱伝導効率の高い熱伝導手段が設けられているこ
とを特徴とする。
【0012】上記の発明では、記録ヘッドの加熱手段側
の面、およびその面に連なった記録ヘッドの側面に熱伝
導手段が設けられたことにより、吐出口から被記録媒体
に向けて吐出された記録液を被記録媒体に定着させるた
めに、加熱手段によって被記録媒体と共に記録液を加熱
する際に、加熱手段からの熱の一部が記録ヘッドに向か
って伝導されても、その熱のほとんどが記録ヘッドの加
熱手段側の面の熱伝導手段によって反射される。反射さ
れなかった熱や、熱伝導手段を設けにくいノズル部で受
けた熱は熱伝導手段を伝わって、熱伝導手段の、記録ヘ
ッドの側面に設けられた部分から放熱される。従って、
加熱手段から記録ヘッドに到達する熱が減り、記録ヘッ
ドに到達しても熱伝導手段により放熱されて記録ヘッド
が蓄熱しにくくなり、加熱手段によって記録ヘッドが加
熱されにくくなるので、記録ヘッドの温度上昇が抑制さ
れ、温度上昇による記録ヘッドの変形や破損が防止され
る。
【0013】また、本発明は、シート状の被記録媒体の
表面側から前記被記録媒体に向けて記録液を吐出する吐
出口が形成されたフェイス面を有する記録ヘッドと、前
記被記録媒体の、前記記録ヘッドの近傍の部分の裏面側
から前記被記録媒体を加熱する加熱手段とを有する記録
装置において、前記記録ヘッドの前記フェイス面、およ
び前記フェイス面に連なった前記記録ヘッドの側面に、
熱伝導効率の高い熱伝導手段が設けられていることを特
徴とする。
【0014】上記の発明では、シート状の被記録媒体を
挟んで記録ヘッドのフェイス面と加熱手段とが対向する
記録装置で、記録ヘッドのフェイス面、およびそのフェ
イス面に連なった前記記録ヘッドの側面に熱伝導手段が
設けられたことにより、吐出口から吐出された記録液を
被記録媒体に定着させるために被記録媒体と共に記録液
を加熱手段により加熱する際、被記録媒体から記録ヘッ
ドのフェイス面に向かって伝導される熱のほとんどがフ
ェイス面の熱伝導手段によって反射される。反射されな
かった熱や、熱伝導手段を設けにくいノズル部で受けた
熱は熱伝導手段を伝わって、熱伝導手段の、記録ヘッド
の側面に設けられた部分から放熱される。従って、加熱
手段から発せられた熱により、被記録媒体と共に記録ヘ
ッドが加熱されることが防止される。また、フェイス面
に設けられた熱伝導手段は被記録媒体の表面と対向する
ので、被記録媒体から熱伝導手段に向けて伝導された熱
が、熱伝導手段により逆方向に反射されることで被記録
媒体に向けて伝導される。これにより、被記録媒体から
記録ヘッドのフェイス面に向かって伝導される熱が、被
記録媒体を加熱する熱として再び利用され、加熱手段か
らの熱を有効に利用して被記録媒体と共に記録液を効率
よく加熱することができる。
【0015】さらに、前記熱伝導手段が、前記加熱手段
から前記熱伝導手段に向かって伝導する熱を、前記被記
録媒体を通して前記加熱手段にまで伝導するように反射
するものであることが好ましい。このことにより、加熱
手段から熱伝導手段に向かって伝導する熱が熱伝導手段
によって反射されることで、反射された熱が被記録媒体
を通して加熱手段に伝導され、加熱手段が加熱される。
従って、加熱手段の温度低下が抑制され、加熱手段から
の熱輻射を高く保つことができる。
【0016】さらに、前記熱伝導手段として熱伝導板が
用いられ、被記録媒体が記録ヘッドのフェイス面と加熱
手段との間を通過するように被記録媒体が搬送され、加
熱手段から発せられた熱の一部を、被記録媒体の、フェ
イス面と対向する部分よりも被記録媒体の搬送方向上流
側の部分に向けて反射するように、熱伝導板の、被記録
媒体の搬送方向上流側の部分が被記録媒体の表面に対し
て斜めに傾いている。
【0017】上記のように、熱伝導板の、被記録媒体の
搬送方向上流側の部分が被記録媒体の表面に対して斜め
に傾いていることにより、加熱手段からの熱の一部が、
被記録媒体の、フェイス面と対向する部分よりも被記録
媒体の搬送方向上流側の部分に伝導される。従って、被
記録媒体の、記録が行われる前の部分が加熱され、被記
録媒体のプレヒートが行われる。
【0018】さらに、加熱手段から発せられた熱の一部
を、被記録媒体の、フェイス面と対向する部分よりも被
記録媒体の搬送方向下流側の部分に向けて反射するよう
に、前記熱伝導板の、被記録媒体の搬送方向下流側の部
分が被記録媒体の表面に対して斜めに傾いている。
【0019】上記のように、熱伝導板の、被記録媒体の
搬送方向下流側の部分が被記録媒体の表面に対して斜め
に傾いていることにより、加熱手段からの熱の一部が、
被記録媒体の、フェイス面と対向する部分よりも被記録
媒体の搬送方向下流側の部分に伝導される。従って、被
記録媒体の、記録が行われた後の部分が加熱され、被記
録媒体のアフターヒートが行われる。
【0020】さらに、本発明は、シート状の被記録媒体
の表面側から前記被記録媒体に向けて記録液を吐出する
吐出口が形成されたフェイス面を有する記録ヘッドと、
前記被記録媒体の、前記記録ヘッドの近傍の部分を前記
被記録媒体の表面側から加熱する加熱手段とを有する記
録装置において、前記記録ヘッドの前記フェイス面、お
よび前記フェイス面に連なった前記記録ヘッドの側面に
熱伝導効率の高い板状の熱伝導手段が設けられており、
前記加熱手段から前記熱伝導手段に向かって伝導された
熱の少なくとも一部を前記フェイス面と前記被記録媒体
との間の隙間に向けて反射するように、前記熱伝導手段
の少なくとも一部が前記被記録媒体の表面に対して斜め
に傾いていることを特徴とする。
【0021】上記の発明では、加熱手段から熱伝導手段
に向かって伝導された熱の一部をフェイス面と被記録媒
体との間の隙間に向けて反射するように、板状の熱伝導
手段の、少なくとも一部が被記録媒体の表面に対して斜
めに傾いたことにより、被記録媒体の裏面側からヒータ
ーによって被記録媒体を加熱させなくとも、被記録媒体
の表面側の加熱手段からの熱を熱伝導手段の、傾けた部
分により反射することで、被記録媒体の、吐出口の近傍
の部分を加熱することができる。
【0022】また、本発明の記録ヘッドは、被記録媒体
を加熱するための加熱手段を有する記録装置に搭載さ
れ、前記被記録媒体の、前記加熱手段の近傍の部分に向
けて記録液を吐出する吐出口が一面に形成された記録ヘ
ッドにおいて、前記記録ヘッドの前記加熱手段側の面、
および該面に連なった前記記録ヘッドの側面に、熱伝導
効率の高い熱伝導手段が設けられていることを特徴とす
る。
【0023】上記の発明では、記録ヘッドの加熱手段側
の面、およびその面に連なった記録ヘッドの側面に熱伝
導手段が設けられたことにより、記録ヘッドを記録装置
に搭載して被記録媒体に記録を行った際、前述したのと
同様に、加熱手段によって被記録媒体と共に記録液を加
熱しても、加熱手段からの熱のほとんどが記録ヘッドの
加熱手段側の面の熱伝導手段によって反射される。反射
されなかった熱や、熱伝導手段を設けにくいノズル部周
辺で受けた熱は熱伝導手段を伝わって、熱伝導手段の、
記録ヘッドの側面に設けられた部分から放熱される。従
って、記録ヘッドの温度上昇が抑制され、温度上昇によ
る記録ヘッドの変形や破損が防止される。
【0024】さらに、本発明は、シート状の被記録媒体
の裏面側から該被記録媒体を加熱する加熱手段を有する
記録装置に搭載され、前記被記録媒体の、前記加熱手段
に対応する部分の表面側から前記被記録媒体に向けて記
録液を吐出する吐出口が形成されたフェイス面を有する
記録ヘッドにおいて、前記フェイス面、および前記フェ
イス面に連なった前記記録ヘッドの側面に、熱伝導効率
の高い熱伝導手段が設けられていることを特徴とする。
【0025】上記の発明では、記録ヘッドのフェイス
面、およびフェイス面に連なった記録ヘッドの側面に熱
伝導手段が設けられたことにより、記録ヘッドを記録装
置に搭載して被記録媒体に記録をしつつ、被記録媒体と
共に記録液を加熱手段により加熱する際、被記録媒体か
ら記録ヘッドのフェイス面に向かって伝導される熱のほ
とんどがフェイス面の熱伝導手段によって反射される。
反射されなかった熱や、熱伝導手段を設けにくいノズル
部周辺で受けた熱は熱伝導手段を伝わって、熱伝導手段
の、記録ヘッドの側面に設けられた部分から放熱され
る。従って、加熱手段から発せられた熱により、被記録
媒体と共に記録ヘッドが加熱されることが防止される。
また、前述したのと同様に、フェイス面に設けられた熱
伝導手段は被記録媒体の表面と対向するので、被記録媒
体から記録ヘッドのフェイス面に向かって伝導される熱
が、被記録媒体を加熱する熱として再び利用され、加熱
手段からの熱を有効に利用して被記録媒体と共に記録液
を効率よく加熱することができる。
【0026】さらに、本発明は、シート状の被記録媒体
の表面側から前記被記録媒体を加熱する加熱手段を有す
る記録装置に搭載され、前記被記録媒体の、前記加熱手
段の近傍の部分の表面側から前記被記録媒体に向けて記
録液を吐出する吐出口が形成されたフェイス面を有する
記録ヘッドにおいて、前記記録ヘッドの前記フェイス
面、および前記フェイス面に連なった前記記録ヘッドの
側面に熱伝導効率の高い板状の熱伝導手段が設けられて
おり、前記記録ヘッドを前記記録装置に搭載した際に前
記加熱手段から前記熱伝導手段に向かって伝導された熱
を前記フェイス面と前記被記録媒体との間の隙間に向け
て反射するように、前記熱伝導手段が前記被記録媒体の
表面に対して斜めに傾いていることを特徴とする。
【0027】また、記録ヘッドのフェイス面を構成する
部材の少なくとも一部を、熱伝導効率の高い熱伝導手段
として機能する材料で作製しても同様の効果が得られ
る。
【0028】上記の発明では、加熱手段から熱伝導手段
に向かって伝導された熱の一部をフェイス面と被記録媒
体との間の隙間に向けて反射するように、板状の熱伝導
手段の、少なくとも一部が被記録媒体の表面に対して斜
めに傾けられたことにより、前述したのと同様に、被記
録媒体の裏面側からヒーターによって被記録媒体を加熱
させなくとも、被記録媒体の表面側の加熱手段からの熱
を熱伝導手段の、傾けた部分により反射することで、被
記録媒体の、吐出口の近傍の部分を加熱することができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0030】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施形態の記録装置を表わす図である。本実施形態
の記録装置は、被記録媒体の全幅とほぼ同じ幅のノズル
列を有する記録ヘッドを固定し、被記録媒体を送りつつ
記録ヘッドによって被記録媒体に記録画像を形成するフ
ルマルチ記録を行うものである。
【0031】本実施形態の記録装置には、図1に示すよ
うに、被記録媒体としての記録用紙6の全幅とほぼ同じ
幅のノズル列を有する記録ヘッド1が搭載されている。
記録ヘッド1の一側部には、記録ヘッド1の幅方向に並
ぶ吐出ノズル2が複数形成されている。それぞれの吐出
ノズル2先端の吐出口3が記録ヘッド1のフェイス面1
aに開口している。この記録ヘッド1のフェイス面1
a、およびフェイス面1aに連なった記録ヘッド1の側
面の一部には、熱反射効率および熱伝導効率の高い、熱
伝導手段である熱反射板4が接合されている。熱反射板
4は、後述するように熱伝導板および放熱板でもあり、
熱を伝導する機能、および熱を放出する機能をも有して
いる。熱反射板4の、記録ヘッド1の側面に配置された
部分が、記録ヘッド1および熱反射板4から熱を放出す
るための放熱板部4aとなっている。熱反射板4の、そ
れぞれの吐出口3に対応する部分には、それぞれの吐出
口3に対応する貫通孔5が形成されている。貫通孔5の
大きさは吐出口3よりも大きく、吐出ノズル2の内部が
貫通孔5を介して吐出ノズル2の外部と連通している。
【0032】熱反射板4の構成材料としてアルミニウム
などの金属を用いることにより、別途、熱伝導板や放熱
板を記録ヘッド1に設けなくとも、熱反射板4に、熱伝
導性を保てるほどの厚さがあれば、熱反射板4に熱伝導
板や放熱板の機能を兼ねさせることができる。吐出ノズ
ル2や吐出口3などの吐出ノズル部を加工形成しやすい
ように、その吐出ノズル部の周囲の一部または全ての材
料としてプラスチックなどを用いることができる。
【0033】熱反射板4の、記録ヘッド1側と反対側の
面は、記録装置を構成するプラテン7の表面と対向して
いる。このプラテン7表層の、熱反射板4と対向する部
分には、加熱手段であるヒーター8が埋め込まれてい
る。ヒーター8の、吐出口3と対向する部分と、吐出口
3との間が被記録領域である。このようにヒーター8が
プラテン7に埋め込まれて、記録ヘッド1の直下にヒー
ター8が設けられている。熱反射板4とプラテン7との
間を、被記録媒体である記録用紙6が通るように、熱反
射板4およびプラテン7の表面と平行な、矢印Aに示さ
れる方向に記録用紙6が搬送される。記録用紙6が被記
録領域を通過する際、吐出口3からインクなどの記録液
が吐出されることで、記録用紙6の熱反射板4側の面に
記録画像が形成される。
【0034】このような記録装置では、ヒーター8と熱
反射板4との間を記録用紙6が通過する際、ヒーター8
から発せられた熱が記録用紙6と、記録用紙6上に付与
された記録液とに吸収される。ヒーター8から発せられ
て記録用紙6を通過してしまった熱はフェイス面1aの
熱反射板4によって記録用紙6に向かう方向に反射され
る。従って、記録用紙6を通過した熱は、熱反射板4で
反射されることで記録用紙6、および記録用紙6上に付
与された記録液を加熱する熱として再び利用される。ま
た、熱反射板4で反射された熱のうち、記録用紙6を再
び通過してしまった熱はヒーター8に到達してヒーター
8が加熱される。このようにして、熱反射板4により反
射された熱の一部によりヒーター8を加熱することによ
り、ヒーター8の温度低下が防止される。
【0035】その結果、ヒーター8で発生した熱エネル
ギーのほとんどが、記録用紙6と共に記録液を加熱する
ためのエネルギーとして利用され、熱エネルギーの無駄
な散逸が防止される。さらに、ヒーター8からの熱エネ
ルギーを記録用紙6および記録液の加熱に集中させるこ
とにより、少ない熱エネルギーで記録用紙6の温度を高
温に上昇させることができる。
【0036】熱反射板4の構成材料として、熱効果の高
い波長2〜100μmの遠赤外光の反射率が高いものを
用いることが、熱反射板4の熱反射効率が高くなって望
ましく、熱反射板4の構成材料としてアルミニウムを用
いたが、金、銀、銅などの金属も反射率が高く、熱反射
板4の構成材料として適している。これらの金属を熱反
射板4の構成材料として用いた場合、熱反射板4は波長
2〜100μmの遠赤外光に対して9割以上反射可能で
あり、すなわち、熱反射板4の、波長2〜100μmの
遠赤外光に対する反射率は90%以上であり、反射板4
で反射されずに熱反射板4に吸収された熱は、熱反射板
4を加熱することになる。熱反射板4からフェイス面1
aへの熱輻射を減らすために、熱反射板4の熱反射効率
は高いほど望ましい。
【0037】実際の金属表面では、その表面の加工精度
が下がると、金属表面の反射率が低下する。熱反射板4
の実反射率が8割以上となる程度になるように、熱反射
板4の表面加工、および熱反射板4の材料選択を行うこ
とが望ましい。表面加工で反射率を上げるためには、熱
反射板4の表面の平滑性を向上させればよい。これによ
り金属内部への吸収が減って、反射の減少を抑えること
ができる。また、水を含む記録液を加熱するためには、
波長6μm付近の赤外光が水に吸収されやすく、その赤
外光の加熱効果が高いので、この波長の赤外光に対する
ヒーター8の放射率、および熱反射板4の反射率が高い
ことが望ましい。
【0038】さらに、記録ヘッド1の吐出ノズル部が吸
収した熱や、熱反射板4が反射せずに吸収した一部の熱
を逃すのに十分な熱伝導性や放熱性を保てるように熱反
射板4を設ける必要がある。これを満たすように、熱反
射板4に、ある程度の厚さと放熱板部4aの面積を確保
する。その結果として、記録ヘッド1の樹脂材料部分の
耐熱温度を超えないように、熱反射板4に、熱を逃がせ
る性能をもたせる。金属は熱伝導性が高いので、金属で
熱反射板を形成すれば、少ない厚さでも熱反射板4を熱
伝導板として機能させることができる。
【0039】熱反射板4のヒーター8側の面に蒸着やめ
っき法などにより金属薄膜を形成し、熱反射板4の熱反
射効率を上げてもよい。また、記録ヘッド1のフェイス
面1aに、熱反射板4の代わりに、熱伝導効率および熱
反射効率の高い薄膜などが接合されていてもよい。ある
いは、フェイス面1a面自体を熱伝導効率および熱反射
効率の高い金属などの部材で構成してもよい。その際、
フェイス面1aにおける吐出ノズル部のみ一部または全
部をプラスチックで形成することにより、ノズルの形成
が容易である。
【0040】フェイス面1aをフレキシブルケーブル状
の電気配線などのフィルムで覆ってもよく、そのフィル
ムが、記録ヘッド1の電気絶縁被覆などの熱や熱線に対
して透過率が高いうえに、ヒーター8からの熱に対して
熱反射効率および熱伝導効率が高いものであり、熱反射
板としての機能を果たせばよい。記録ヘッド1のフェイ
ス面1aに設けられる熱反射板として、電気配線などに
用いられる複合機能の反射板を、半導体加工技術などを
用いてフェイス面1aに直接積層してもよい。その半導
体加工技術などを用いて作製した基板状の複合機能の反
射板をフェイス面1aに貼り付けてもよい。さらに、記
録ヘッド1のフェイス面1aに熱伝導効率および熱反射
効率の高い材料を塗布することにより、熱反射板4を構
成してもよい。
【0041】熱反射板4の形状としては、吐出口3から
の記録液の吐出が妨げられず、記録ヘッド1のフェイス
面1aの被覆率が高ければどのようなものであってもよ
い。熱反射板4として、板状またはフィルム状のものを
フェイス面1aに取り付ける場合、熱反射板4の、吐出
口3に対応する部分には、吐出口3からの記録液の吐出
を妨げないように、前述したように吐出口3よりも大き
な貫通孔5を開けておく。
【0042】図2は、図1に示した記録ヘッド1をフェ
イス面1a側からみた平面図である。図2に示すよう
に、記録ヘッド1のフェイス面1aには複数の吐出口3
が一列に並べられている。それぞれの吐出口3の形状は
円形である。熱反射面4の、それぞれの吐出口3に対応
する部分には、吐出口3よりも大きな円形の貫通孔5が
形成されている。
【0043】図3および図4は、図1および図2に示し
た熱反射板4の変形例を示す平面図であり、図5は、図
1および図2に示した記録ヘッド1および熱反射板4の
変形例を示す平面図である。それらの図3、図4および
図5は、図2と同様に、記録ヘッド1をフェイス面1a
側からみたものである。熱反射板4の、吐出口3に対応
する部分に形成される貫通孔としては、図3に示すよう
に、複数の吐出口3が並ぶ方向と平行な方向に延び、複
数の吐出口3の全てが連通する長方形の貫通孔5aであ
ってもよい。また、図4に示すように、複数の吐出口3
をいくつかの吐出口群に分け、吐出口群ごとに長穴状の
貫通孔5bや、楕円形状の貫通孔5cを熱反射膜4に形
成してもよい。熱反射膜4に形成される貫通孔の形状と
しては、図2に示した円形、図3に示した長方形、図4
に示した長穴や楕円の他に、正方形、菱形、平行四辺
形、多角形、また、曲線や直線を組み合わせたものであ
ってもよく、吐出口3からの記録液の吐出が妨げられな
ければどのようなものでもよい。
【0044】図5に示すように、記録ヘッド1のフェイ
ス面1aに吐出口3aの列が2列並べられている場合で
も、全ての吐出口3aと連通する長方形の貫通孔5dが
熱反射板4に形成されることで、吐出口3aからの記録
液の吐出が妨げられることがない。あるいは、図5に示
したように吐出口3aの列が2列並べられている場合
に、図2に示した熱反射板と同様に、それぞれの吐出口
3aごとに、それぞれの吐出口3aに対応する貫通孔が
形成されていてもよい。さらに、図2〜図5に示した熱
反射板において、記録ヘッド1を作製する上での加工の
都合や、記録ヘッド1への記録液の付着および固着を防
止するためのフェイス面の表面加工の都合により、熱反
射膜4の、吐出口に対応する部分を除く部分に穴が形成
されていてもよい。
【0045】以上で説明したように、本実施形態の記録
装置では、記録ヘッド1のヒーター8側の面であるフェ
イス面1a、およびフェイス面1aに連なった記録ヘッ
ド1の側面に、熱反射板4が接合されたことにより、ヒ
ーター8からの熱が熱反射板4により反射されてヒータ
ー8に向かう方向に伝わるので、記録ヘッド1自体に伝
わる熱が減少する。記録ヘッド1に伝わった熱は、熱反
射板4、およびその放熱板部4aを通してフェイス面1
aの両側から逃がされる。従って、熱反射板4で反射さ
れなかった熱や、熱反射板4を設けにくい記録ヘッド1
のノズル部周辺で受けた熱は熱反射板4を伝わって放熱
板部4aから放熱される。記録ヘッド1のフェイス面1
aなどを構成する部材の構成材料としては熱に弱いプラ
スチックなどが用いられ、また、記録ヘッド1は、同じ
く熱に弱い電子回路の素子を記録ヘッド1は有してお
り、記録ヘッド1は元々、熱に弱いことが多い。よっ
て、記録ヘッド1の外部から記録ヘッド1が加熱される
場合では、このように熱反射板4によって記録ヘッド1
を熱から守ることによって記録ヘッド1の破損が防止さ
れ、記録ヘッド1が、安定した記録を行うことができ
る。
【0046】また、記録ヘッド1が高温に曝されること
がないので、記録ヘッド1を構成するプラスチックの変
形や破損や、記録ヘッド1の電子回路の素子の変性や破
損による記録ヘッド1の不可逆的な破壊が起きることも
ない。また、本実施形態のように記録ヘッド1がインク
ジェット記録装置に用いられるものの場合、記録ヘッド
1の内部に形成された液流路内の温度上昇することもな
い。従って、液流路と共に液流路内の記録液が加熱さ
れ、記録液の温度上昇に伴う粘度の変化や変質など、記
録液の物性が変化することがない。また、記録液中に溶
在していた気体が放出されたり、記録液が気化したりし
て記録ヘッド1の内部で気泡が発生して、その気泡が記
録液の供給や、記録液の吐出の妨げとなることがない。
熱に弱い部分を持つ記録ヘッド1に、熱伝導および放熱
の機能を有する熱反射板4を設けるだけで、その記録ヘ
ッド1をそのまま、記録用紙6の記録ヘッド1近傍を加
熱する記録装置で使用することができる。
【0047】さらに、ヒーター8による記録ヘッド1の
加熱が防止されることにより、記録速度が速くなった場
合など短時間で記録液を記録用紙6に定着させるため
に、ヒーター8により記録用紙6と共に記録液を高温で
加熱することができる。従って、記録ヘッド1による高
速な記録を安定してし続けることができる。
【0048】ここで、熱反射板4によって記録ヘッド1
が保護される効果について図6を参照して説明する。図
6は、熱反射板4の効果について説明するための図であ
る。図6に示される記録ヘッド1のフェイス面、および
そのフェイス面と連なった側面の一部に、放熱板部4a
を有する熱反射板4としてアルミ箔が接合されている。
記録ヘッド1の幅dが10mm、ヒーター8の、記録ヘ
ッド1の幅方向と同じ方向の幅bが10mmとなってい
る。熱反射板4に形成された貫通孔5の直径aは1m
m、熱反射板4の、フェイス面に対応する部分からヒー
ター8までの距離cが1mmとなっている。
【0049】記録ヘッド1側では、記録ヘッド1のフェ
イス面およびヒーター8の表面に対して垂直な方向から
角度θだけ傾いた方向から記録ヘッド1へと向かってく
る輻射熱のcosθ倍を受け取る。ヒーター8の表面温
度が200℃で、ヒーター8の放射率が0.9のとき、
記録ヘッド1のノズル部が受け取る熱は約3.2×10
3(W/m2)に達する。ここで、熱反射板4の貫通孔5
周囲の部分の温度上昇は6℃と試算され、その部分の熱
と、反射率80%の熱反射板4の放熱板部4aから記録
ヘッド1へと伝わる熱とを合わせると、記録ヘッド1の
温度上昇は約10℃程度と試算される。これに対して、
記録ヘッド1に熱反射板4が設けられていないと、記録
ヘッド1の吐出口付近の温度は100℃を超え、ヒータ
ー8の温度に近くなる。
【0050】このことから、記録ヘッド1に熱反射板4
が設けられていることにより、記録ヘッド1の昇温が低
く抑えられる。熱反射板4が設けられていないと、記録
ヘッド1のフェイス面における吐出口3の付近の一部ま
たは全部がプラスチックで構成されている場合、そのプ
ラスチックの部分が耐熱温度を超えて変形や破損を起こ
してしまう。
【0051】熱反射板4の貫通孔5周囲の部分は昇温し
やすいので、吐出やフェイス面のクリーニングを妨げな
い範囲で貫通孔5を小さくすることが望ましい。貫通孔
5の大きさとしては、最大でも、記録ヘッド1の吐出口
3周囲の部分の温度がその耐熱温度を超えない範囲に設
定する必要がある。
【0052】被記録媒体上に付与されたインクをヒータ
ー8で加熱して乾燥させることによってそのインクを被
記録媒体に定着させるために、ヒーター8の十分な出力
温度が必要となる。ここで、記録ヘッド1の記録速度が
速くなるのに応じて、被記録媒体上にインクを定着させ
るために必要なヒーター8の出力温度も高くなる。それ
に対して、熱反射板4の反射率を上げたり、貫通孔5を
小さくしてフェイス面の被覆率を上げたり、熱反射板4
の熱伝導性を上げるために熱反射板4を厚くしたりする
ことが必要になる。あるいは、記録ヘッド1を熱から保
護するために、熱反射板4の放熱性を高めるように放熱
板部4を大きくするなどといった対応が必要となる。
【0053】図7、図8および図9は、図1および図2
に示した記録ヘッド1の変形例を示す図である。図7に
示される記録ヘッドでは、図1および図2に示した記録
ヘッドと比較して、記録ヘッド1のフェイス面1aに、
熱伝導効率の高い熱伝導手段である熱伝導板93、およ
び断熱材11を介して熱反射板4が接合されている点が
異なっている。記録ヘッド1のフェイス面1a、および
フェイス面1aに連なった記録ヘッド1の側面の一部に
熱伝導板93が設けられており、熱伝導板93の、記録
ヘッド1の側面に設けられた部分が、放熱板部93aと
なっている。熱伝導板93の、吐出口3に対応する部分
には貫通孔93bが形成され、断熱材11の、吐出口3
に対応する部分には貫通孔12が形成されている。従っ
て、吐出口3が貫通孔93bおよび12と連通し、吐出
ノズル2の内部が貫通孔93b,12,5を介して吐出
ノズル2の外部と連通している。
【0054】このような記録ヘッド1では、フェイス面
1aと熱反射板4との間に熱伝導板93および断熱材1
1が設けられたことにより、熱反射板4の温度が上昇し
ても、熱反射板4の熱が断熱材11で遮断され、その熱
の、記録ヘッド1への伝導が抑制される。記録ヘッド1
の吐出ノズル部が受けた熱は、熱伝導板93を伝わっ
て、フェイス面1aに連なった記録ヘッド1の側面に配
置された放熱板部93aから放熱される。フェイス面1
aに熱伝導板93および断熱材11を介して熱反射板4
を形成する場合、記録ヘッド1の吐出口3側の面に熱伝
導板93aおよび断熱材11を形成した後に、断熱材1
1の、記録ヘッド1側と反対側の面に蒸着やめっき法な
どにより、熱反射効率の高い薄膜を形成する。
【0055】図8に示される記録ヘッド1では、フェイ
ス面1aの縁部に複数の突起部13が形成されている。
フェイス面1aにおける吐出口3の周囲の部分には断熱
性の気密リング14の一方の端面が接合され、気密リン
グ14の中空部が吐出ノズル2の内部と連通している。
さらに、気密リング14の他方の端面や、突起部13の
先端面に熱反射板4が接合され、気密リング14の中空
部が熱反射板4の貫通孔5と連通している。気密リング
14は、記録ヘッド1と気密リング14との間や、気密
リング14と熱反射板4との間の気密性を確保しながら
記録ヘッド1と熱反射板4との間を断熱するものであ
る。このように気密リング14により気密性が確保され
ていることにより、吐出ノズル2内のインクを熱反射板
4側から吸引して、記録ヘッド1の回復動作を行うこと
ができる。インクの吸引が必要ない記録ヘッドでは気密
リング14を用いる必要がなく、突起部13などによっ
て記録ヘッド1のフェイス面1aから熱反射板4が離れ
ていればよい。
【0056】このように図8に示した記録ヘッドでは、
熱反射板4が突起部13および気密リング14によって
支持されることで、熱反射板4と記録ヘッド1との接触
面積が減り、熱伝導板93と反射板4との間に空気層が
設けられている。これにより、図1および図2に示した
ものと比較して、熱反射板4から記録ヘッド1への熱の
伝導が抑制される。また、この記録ヘッド1を記録装置
に用いる場合、熱伝導板93と熱反射板4との間に風を
通して熱伝導板93や熱反射板4を冷却する送風冷却手
段を記録装置に設けてもよい。あるいは、熱伝導板93
と熱反射板4との間に、水などの液体を通す配管を設け
ると共にその配管に液体を通し、熱伝導板93および熱
反射板4を冷却する液体冷却手段を設けてもよい。熱伝
導板93と熱反射板4との間に風を送ったり、水などの
液体を通したりして、記録ヘッド1や熱反射板4を冷却
することで、記録ヘッド1の温度上昇が防止される。熱
伝導板93と熱反射板4との間に風を送る場合、気密リ
ング14が、吐出液滴が風により流されるのを防ぐ防風
リングとしての役割を果たす。このように、風や液体を
通す場合には、熱伝導板93の端部に放熱板部93aを
設けなくとも、熱伝導板93全体が放熱板として機能す
る。
【0057】また、図9に示される記録ヘッドのよう
に、記録ヘッド1のフェイス面1aおける吐出口3の部
分や、吐出口3の周囲の部分を突出部15として突出さ
せてもよい。この場合、突出部15を先端面を除いて突
出部15の側面にまで熱伝導板93を設ける。熱反射板
4の、突出部15に対応する部分には、突出部15が嵌
合する貫通孔5eが形成されている。フェイス面1aに
おける突出部15の周囲の部分や、そのフェイス面1a
の縁部に突起部13を形成し、貫通孔5eに突出部15
を挿入して突起部13の先端に熱反射板4を接合する。
ここで、熱反射板4の、記録ヘッド1側と反対側の面
と、突出部15の先端面とが同一平面内に配置される。
記録ヘッド1の吐出ノズル部がヒーターから直接受けた
熱を逃すために、フェイス面1aには、吐出部15から
連なる形で熱伝導板93を接合させる。
【0058】図9に示した記録ヘッド1では、図8に示
した記録ヘッドのように気密リング14を用いずに、突
出部15の先端面に吸引用のキャップを押し付けて吐出
ノズル2内の記録液を吸引し、記録ヘッド1の回復動作
を行うことができる。
【0059】また、熱伝導板93と熱反射板4との間に
風を送った場合でも、吐出口3から吐出される吐出液滴
が風の影響を受けることがない。さらに、フェイス面1
aに熱反射板4を設けたことによる、吐出口3と被記録
媒体との間隔の増大がほとんどなく、吐出ノズル2と被
記録媒体との距離を短くできる。このため、記録液の吐
出方向の傾きや吐出速度のばらつきなどによる吐出液滴
のよれが抑制される。
【0060】さらに、フェイス面1aに熱反射板4を別
途設けずに、フェイス面1a自体を反射板となる材料で
構成してもよい。図10は、図1および図2に示した記
録ヘッドの変形例を示す断面図である。図10に示すよ
うに、基板110の表層には吐出ヒーター111が部分
的に形成されている。基板110の表面には、吐出ヒー
ター111がそれぞれ配置される複数の吐出ノズル2
や、共通液室116を形成するためのノズル注型材11
2を介して下部天板113が接合されている。下部天板
113の上面には封止材114を介して上部天板115
が接合されている。
【0061】ここで、基板110、下部天板113およ
び上部天板115をアルミニウムなどの金属で作製し、
フェイス面1aを、これら基板110、下部天板113
および上部天板115の金属表面による熱反射板および
熱伝導板として機能させてもよい。また、これらの金属
表面に腐食防止加工や撥水加工としてめっき処理や撥水
剤塗布などの表面処理を加えてもよい。これらのめっき
や撥水剤も、熱反射率の高い金属で表面を被覆(コー
ト)したり、遠赤外光の透過率の高い撥水剤で被覆(コ
ート)したりする。
【0062】(第2の実施の形態)図11は、本発明の
第2の実施形態の記録装置を表わす図である。本実施形
態の記録装置も、第1の実施形態のものと同様に、フル
マルチ記録を行うものであり、被記録媒体の全幅とほぼ
同じ幅のノズル列を有する記録ヘッドが固定されてお
り、被記録媒体を送りつつ記録ヘッドが被記録媒体に対
して記録を行う。図11では、第1の実施形態と同一の
構成部品に同一の符号を付してある。
【0063】本実施形態の記録装置では、記録ヘッド1
のフェイス面1aがプラテン24の表面と対向してい
る。プラテン24表層の、フェイス面1aが対向する部
分には、加熱手段であるヒーター23aが埋め込まれて
いる。ヒーター23aとフェイス面1aとの間を、被記
録媒体である記録用紙22が通過するように、矢印Aに
示される方向に記録用紙22が搬送される。また、プラ
テン24の表層におけるヒーター23aよりも記録用紙
22の搬送方向上流側の部分に、加熱手段であるヒータ
ー23bが埋め込まれている。さらに、プラテン24の
表層におけるヒーター23aよりも記録用紙22の搬送
方向下流側の部分にも、加熱手段であるヒーター23c
が埋め込まれている。
【0064】一方、記録ヘッド1のフェイス面1aや、
記録ヘッド1における記録用紙22の上流側および下流
側の両側面には、熱伝導板93および熱伝導板断熱材1
6を介して、熱反射効率の高い熱反射板17が接合され
ている。熱伝導板93の、吐出口3に対応する部分には
貫通孔93bが形成されている。断熱材16の、吐出口
3に対応する部分に貫通孔20が形成され、熱反射板1
7の、吐出口3に対応する部分に貫通孔21が形成され
ている。貫通孔93b,20,21はそれぞれ、吐出口
3よりも大きく形成されており、吐出ノズル2が貫通孔
93b,20,21を通して吐出ノズル2の外部と連通
している。
【0065】また、記録ヘッド1の、記録用紙22の搬
送方向下流側には、加熱手段であるヒーター19が備え
られている。ヒーター19の、プラテン24側と反対側
に、ヒーター19を覆う熱反射板18が設けられてい
る。熱反射板18は熱反射効率が高いものである。ヒー
ター19から発せられた熱や、ヒーター19から発せら
れた後に熱反射板18により反射された熱によって、ヒ
ーター19とプラテン24との間を通過する記録用紙2
2が加熱される。
【0066】このような記録装置では、ヒーター23b
を駆動して、記録用紙22の、記録が行われる前の部分
を加熱する、いわゆるプレヒートを行うことにより、記
録用紙22の、記録が行われる前の部分を予め乾燥させ
て、記録を行う前に記録用紙22の状態を整えておくこ
とができる。また、ヒーター23cを駆動し、記録用紙
22の、記録が行われた部分を加熱する、いわゆるアフ
ターヒートを行うことにより、記録用紙22の記録部分
を短時間で乾燥させ、記録用紙22に記録画像を定着さ
せることができる。
【0067】上記のようにヒーター23bおよび23c
を用いて記録用紙22のプレヒートおよびアフターヒー
トを行う場合や、記録ヘッド1の近傍にヒーター19が
設けられた場合では、記録ヘッド1のフェイス面1aの
みでなく、記録ヘッド1における記録用紙22の上流側
および下流側の両側面にも熱反射板17を設ける。これ
により、記録ヘッド1の、フェイス面1a以外の面から
の加熱が防止される。ヒーター23bから発せられた熱
が記録用紙22を通過すると、その熱は、熱反射板17
の、記録ヘッド1の上流側側面の部分によって反射され
る。それと同様に、ヒーター23cから発せられた熱が
記録用紙22を通過すると、その熱は、熱反射板17
の、記録ヘッド1の下流側側面の部分によって反射され
る。
【0068】図12は、図11に示した記録ヘッドの変
形例を示す図である。図12に示すように、断熱材16
および熱反射板17を省き、熱伝導板93に熱反射板と
しての機能も持たせ、記録ヘッド1が熱によって破壊さ
れたり、動作できなくなったりしない程度の温度に記録
ヘッド1の状態を保つことができれば、このように記録
ヘッド1を構成してもよい。
【0069】図13は、図11に基づいて説明した記録
装置の変形例を表わす図である。図13に示すように、
記録ヘッド1の上流側および下流側の両側面にも熱反射
板を設ける場合でも、記録ヘッド1の熱伝導板93に形
成された突起部25や、気密リング26によって熱反射
板17を支持してもよい。
【0070】図11および図13に示した記録装置で
は、ヒーター23aの上流側および下流側にヒーター2
3bおよび23cが設けられているが、ヒーター23b
および23cや、あるいはヒーター19がない場合で
も、記録ヘッド1の上流側および下流側の両側面に熱反
射板が設けられてもよい。あるいは、ヒーター19,2
3b,23cのうち、いずれか1つまたは2つだけ記録
装置に備えられている場合でもよい。さらに、ヒーター
19および熱反射板18が、記録ヘッド1の、記録用紙
22の搬送方向下流側でなく、記録用紙22の搬送方向
上流側に備えられていてもよい。そして、記録用紙22
の上面側に備えられるヒーターが、ヒーター23a,2
3b,23cのような板状のものであってもよい。いず
れの場合でも、記録ヘッド1の上流側および下流側の両
側面からの記録ヘッド1の加熱が防止され、記録ヘッド
1の温度上昇が抑制される。
【0071】(第3の実施の形態)図14は、本発明の
第3の実施形態の記録装置を示す斜視図である。図11
に示される記録装置は、幅が狭い記録ヘッドを走査しつ
つ記録ヘッドにより被記録媒体に記録を行うシリアル記
録用のものである。
【0072】本実施形態の記録装置には、図14に示す
ように、被記録媒体33が載置される給紙部32が備え
られている。また、記録装置には、被記録媒体33が搬
送される方向に対して垂直な方向に移動するキャリッジ
34が備えられている。キャリッジ34には記録ヘッド
31が搭載され、記録ヘッド31に形成された吐出口の
移動軌跡面と対向するプラテンが記録装置に取り付けら
れている。そのプラテンの表層には、キャリッジ34の
移動方向と平行な方向に延びる加熱手段としての板状の
ヒーター36が埋め込まれている。ヒーター36の表面
と、記録ヘッド31の吐出口の移動軌跡面との間の空間
が記録領域35となる。記録領域35を通過した被記録
媒体33の進行方向にはガイドレール37が備えられて
いる。
【0073】図15は、図14に示した記録ヘッド31
および、記録ヘッド31の周辺の部分を示す図である。
図15に示すように、記録ヘッド31のフェイス面31
a側の部分には、一直線上に並ぶ吐出ノズル42が複数
形成されている。それぞれの吐出ノズル42先端の吐出
口43がフェイス面31aに開口している。この記録ヘ
ッド31のフェイス面31aや、記録ヘッド31の、フ
ェイス面31aの近傍の部分におけるフェイス面31a
側の面に、放熱板部94aを有する、熱伝導効率の高い
熱伝導手段としての熱伝導板94、および断熱材44を
介して、熱反射効率の高い熱反射板45が接合されてい
る。記録ヘッド31のフェイス面31a、およびフェイ
ス面31aに連なった記録ヘッド31の側面の一部に熱
伝導板94が設けられており、熱伝導板94の、記録ヘ
ッド31の側面に設けられた部分が、放熱板部94aと
なっている。熱伝導板94の、吐出口43に対応する部
分には貫通孔94bが形成されている。また、断熱材4
4の、吐出口43に対応する部分に貫通孔46が形成さ
れ、熱反射板45の、吐出口43に対応する部分に貫通
孔47が形成されている。
【0074】記録ヘッド31は、図14に示したキャリ
ッジ34によって、フェイス面31aと平行な、矢印B
または矢印B’に示される方向に往復移動する。フェイ
ス面31aの移動軌跡面と対向するプラテン49が、図
14に示した記録装置に備えられている。このプラテン
49の記録ヘッド31側の表層にヒータ36が埋め込ま
れている。熱反射板45の、フェイス面31aに接合さ
れた部分と、ヒーター36との間を被記録媒体としての
記録用紙48が、矢印BおよびB’の方向に対して垂直
な方向に搬送される。記録用紙48を搬送しつつ記録ヘ
ッド31を走査することで、記録用紙48に対して記録
が行われる。
【0075】このように記録ヘッド31を走査する場
合、フェイス面31aのみでなく、フェイス面31aの
近傍の面にも熱反射板45を設けることにより、記録ヘ
ッド31のフェイス面31aや、フェイス面31aの近
傍の面から記録ヘッド31が加熱されることが防止され
る。
【0076】図16は、図14および図15に示した記
録ヘッド31の変形例を示す図である。図16に示すよ
うに、断熱材44および熱反射板45を省き、熱反射板
94に熱反射板としての機能を持たせ、記録ヘッド31
が熱によって破壊されたり、動作できなくなったりしな
い程度の温度に記録ヘッド31の状態を保つことができ
れば、このように記録ヘッド31を構成してもよい。
【0077】図17は、図14および図15に示した記
録ヘッド31の変形例を示す図である。記録ヘッド31
に熱反射板45を設ける場合、図15に示した断熱材4
4を用いずに、図17に示すように、熱伝導板94の、
フェイス面31aに対応する部分や、熱伝導板94の、
記録ヘッド31の側面に対応する部分の面に突起部50
を複数形成し、その突起部50の先端に熱反射板45を
接合してもよい。熱反射板45の、貫通孔47周辺の部
分が、気密リング51および熱伝導板94を介してフェ
イス面31aに接合されている。
【0078】プラテン49の表層に埋め込まれたヒータ
ー36としては板状のものが用いられているが、記録用
紙48をほぼ均一に加熱できれば、ヒーター36の代わ
りにどのようなヒーターを用いてもよい。
【0079】上述した第1の実施形態の図7〜8に示し
た記録ヘッドにおいても、本実施形態と同様に、記録ヘ
ッドの、フェイス面の近傍の面に熱反射板が設けられて
いてもよい。これにより、記録ヘッドが加熱されること
を防止する効果がさらに高くなる。
【0080】(第4の実施の形態)図18は、本発明の
第4の実施形態の記録装置を表わす図である。本実施形
態の記録装置では、図18に示すように、記録ヘッド6
1のフェイス面61a側の部分には、一直線上に並ぶ吐
出ノズル62が複数形成されている。記録ヘッド61の
フェイス面61aにそれぞれの吐出ノズル62先端の吐
出口63が開口している。
【0081】記録ヘッド61のフェイス面61aがプラ
テン69の表面と対向している。プラテン69の、フェ
イス面61aが対向する部分の表層には、加熱手段であ
るヒーター66が埋め込まれている。このヒーター66
とフェイス面61aとの間を、被記録媒体である記録用
紙68が通過するように、矢印Cに示される方向に記録
用紙68が搬送される。
【0082】一方、記録ヘッド61のフェイス面61a
における記録用紙68の搬送方向下流側の部分が、記録
用紙58の表面に対して斜めに傾いた傾斜面61bとな
っている。傾斜面61bを含むフェイス面61aや、記
録ヘッド61の、フェイス面61aと隣接する面に、放
熱板部95aを有する、熱伝導効率の高い熱伝導手段と
しての熱伝導板95が接合されている。すなわち、記録
ヘッド61のフェイス面61a、およびフェイス面61
aに連なった記録ヘッド61の側面の一部に熱伝導板9
5が設けられており、熱伝導板95の、記録ヘッド61
の側面に設けられた部分が放熱板部95aとなってい
る。熱伝導板95の表面には突起部70が複数形成され
ており、それらの突起部70の先端部に、熱反射効率の
高い熱反射板65が接合されている。これにより、傾斜
面61bを含むフェイス面61aや、記録ヘッド61
の、フェイス面61a周囲の面に熱反射板65が設けら
れる。熱伝導板95の、吐出口63に対応する部分には
貫通孔95bが形成され、熱反射板65の、吐出口63
に対応する部分には貫通孔67が形成されている。熱反
射板56の、貫通孔67の周囲の部分が気密リング71
および熱伝導板95を介して記録ヘッド61に接合され
ている。記録ヘッド61の吐出ノズル部がヒーター66
から直接受けた熱は、熱伝導板95を伝わって、記録ヘ
ッド61の側面に配置された放熱板部95aから放熱さ
れる。
【0083】従って、本実施形態の記録装置では、熱反
射板65における記録用紙68の搬送方向下流側の部分
が記録用紙68の表面に対して斜めに傾いている。これ
により、ヒーター66から発せられた熱が記録用紙68
を通って熱反射板65に向かって伝導された際、熱反射
板65の、傾斜面61bに対応する部分に伝達された熱
が、記録用紙68の、フェイス面61aと対向する部分
よりも記録用紙68の搬送方向下流側の部分に向かう方
向に、熱反射板65によって反射される。これにより、
記録用紙68の、記録が行われた後の部分が加熱され、
記録用紙68のアフターヒートが行われることで、記録
用紙68に短時間で記録画像を定着させることができ
る。
【0084】それとは逆に、フェイス面61aにおける
記録用紙68の搬送方向上流側の部分が記録用紙68の
表面に対して斜めに傾いた傾斜面となり、その傾斜面に
熱反射板を設ける。そして、その傾斜面上の熱反射板に
向かって伝導する熱を、記録用紙68の、フェイス面6
1aと対向する部分よりも記録用紙68の搬送方向上流
側の部分に向けて反射するように、熱反射板65の、記
録用紙68の搬送方向上流側の部分を記録用紙68の表
面に対して傾けてもよい。これにより、記録用紙68
の、記録を行う前の部分が加熱されて乾燥し、記録用紙
68のプレヒートが行われることで、記録を行う前に記
録用紙68の状態を整えることができる。
【0085】さらに、熱反射板65のにおける記録用紙
68の搬送方向上流側の部分および、搬送方向下流側の
部分をそれぞれ、上述のように記録用紙68に対して傾
けることにより、記録用紙68のプレヒートおよびアフ
ターヒートを両方とも行うことができる。
【0086】(第5の実施の形態)図19は、本実施形態
の第5の実施形態の記録装置を表わす図である。本実施
形態の記録装置では、第4の実施形態で用いた記録ヘッ
ドが用いられており、第4の実施形態の記録装置と比較
して記録ヘッドの周辺の部分が異なっている。図19で
は、第4の実施形態と同一の構成部品に同一の符号を付
してある。
【0087】本実施形態の記録装置には、図19に示す
ように、記録ヘッド61のフェイス面61aと対向する
プラテン89が備えられている。プラテン89の表面に
は、熱反射効率の高い熱反射板86が設けられている。
熱反射板86とフェイス面61aとの間を、被記録媒体
である記録用紙88が通過するように、矢印Dで示され
る方向に記録用紙88が搬送される。記録用紙88の表
面が熱反射板65の、フェイス面61a上に設けられた
部分と対向し、記録用紙88の裏面が熱反射板86と対
向している。
【0088】記録用紙88の表面側で、かつ、熱反射板
65の、傾斜面62a上の部分の近傍には、加熱手段で
あるヒーター91が設けられている。ヒーター91に
は、ヒーター91の、記録用紙88側と反対側の部分お
よび、記録ヘッド61側と反対側の部分を覆う熱反射板
92が備えられている。熱反射板92は熱反射効率の高
いものである。この熱反射板92がヒーター91に備え
られたことで、記録用紙88または記録ヘッド61から
離れる方向に向かってヒーター91から発せられた熱が
熱反射板92によって、記録用紙88や、熱反射板65
の、傾斜面62b上の部分、熱反射板65と記録用紙8
8との間の隙間に向けて反射される。
【0089】本実施形態の記録装置では、第1〜第4の
実施形態と異なり、フェイス面61aに対してヒーター
などが対向していないが、熱反射板92の、フェイス面
61aに設けられた部分の一部を記録用紙88の表面に
対して傾け、その傾いた部分によりヒーター91からの
熱をフェイス面61aと記録用紙88との隙間に向けて
反射させることで、記録用紙88の、吐出ノズル62の
近傍の部分を加熱することができる。
【0090】記録ヘッド61における記録用紙88の搬
送方向上流側も、搬送方向下流側と同様な構成にして、
熱反射板65における記録用紙88の搬送方向上流側の
部分を記録用紙88に対して傾けると共に、その傾けた
部分の近傍にヒーター91とは異なる別のヒーターを設
けてもよい。これにより、記録ヘッド61の両側から記
録用紙88と共に記録液を加熱させることができる。
【0091】また、熱反射板86の代わりに、プラテン
89の表層にヒーターなどを設けてもよい。これによ
り、記録用紙88を効率よく加熱して、短時間で記録用
紙88の温度を上げることができる。
【0092】この場合では、記録ヘッド61の吐出ノズ
ル部が、ヒーター91、およびプラテン89の表層に設
けられた熱反射板86により直接加熱されるようになる
ので、第4の実施形態の図18に示したように、放熱板
部95aを有する熱伝導板95を記録ヘッド61に設け
て、吐出ノズル部付近の熱を逃がしてもよい。
【0093】ヒーター91としては、ニクロム線など任
意のものを用いることができるが、ハロゲンヒーターな
ど応答性のよいものを用いてもよい。ハロゲンヒーター
を用いた場合、加熱の立ち上がりがよいことでヒーター
の余熱時間が短くなる。また、温度低下が速いことで、
ジャム時などの被記録媒体の過剰加熱や、記録終了後の
の吐出ノズル周辺の乾燥、およびヒーターの余熱による
異常発生などが防止される。
【0094】また、第4および第5の実施形態では、熱
反射板65と、放熱板部95aを有する熱伝導板95と
を別に設けたが、記録ヘッド61の昇温を抑えることが
できるならば、図1、図12および図16に示したよう
に、熱反射板を兼ねると共に放熱板部を有する熱伝導板
のみを記録ヘッド61に設けてもよい。
【0095】図20は、フルマルチプリンターについて
説明するための斜視図である。図20に示すように、被
記録媒体の幅とほぼ同じ幅のノズル列を有する記録ヘッ
ド201によって記録を行うフルマルチプリンターで
は、記録ヘッド201のフェイス面が、被記録媒体を搬
送するための網目ベルト202を介してヒーター204
と対向している。記録ヘッド201のフェイス面、およ
びそのフェイス面に連なった記録ヘッド201の側面の
一部には、上述したいずれかの方法により熱伝導板20
3が設けられている。ここで、記録ヘッド201のフェ
イス面は常にヒーター204に曝されるが、所定の記録
終了後は記録ヘッド201を上げ、記録ヘッド201の
ノズルの乾燥を防ぐために記録ヘッド201のフェイス
面をキャップ205によりキャッピングする。このた
め、記録待ちのときは記録ヘッド201フェイス面を冷
ますことができる。
【0096】図14に示したシリアルプリンターでは、
プラテン部の側部に記録ヘッドを退避させて印字待ちを
したり、記録ヘッドの予備吐出などの回復動作をした
り、記録ヘッドのフェイス面のキャッピングが行われた
りするため、記録ヘッドのフェイス面は、ヒーターに曝
され続けるわけではない。従って、このようなシリアル
プリンターで記録ヘッドのフェイス面は温度上昇しにく
い。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、記録ヘッ
ドの加熱手段側の面、およびその面に連なった記録ヘッ
ドの側面に、熱を伝導して記録ヘッドの側面側から逃が
すための熱伝導手段が設けられたことにより、記録液を
被記録媒体に定着させるために加熱手段によって被記録
媒体と共に記録液を加熱する際に、加熱手段からの熱の
一部が記録ヘッドに向かって輻射されても、その熱が記
録ヘッドの加熱手段側の面の熱伝導手段によって反射さ
れ、反射されなかった熱や、熱伝導手段を設けにくいノ
ズル部周辺で受けた熱は熱伝導手段を伝わり、熱伝導手
段の、記録ヘッド側面に設けられた部分で放熱されるの
で、記録ヘッドの温度上昇が抑制され、温度上昇による
記録ヘッドの変形や破損が防止されるという効果があ
る。
【0098】また、シート状の被記録媒体を挟んで記録
ヘッドのフェイス面と加熱手段とが対向する記録装置
で、記録ヘッドのフェイス面に熱伝導手段が設けられた
ことにより、上記のように記録ヘッドが加熱されること
が防止されると共に、被記録媒体から熱伝導手段に向け
て伝導された熱が、熱伝導手段により逆方向に反射され
ることで被記録媒体に向けて伝導される。これにより、
被記録媒体から記録ヘッドのフェイス面に向かって伝導
される熱が、被記録媒体と共に記録液を加熱する熱とし
て再び利用され、加熱手段からの熱を有効に利用して被
記録媒体を効率よく加熱することができるという効果が
ある。
【0099】さらに、記録ヘッドのフェイス面に熱伝導
手段として設けられた熱伝導板の一部を被記録媒体に対
して斜めに傾け、その傾けた部分に輻射された熱を、被
記録媒体の、フェイス面と対向する部分よりも被記録媒
体の搬送方向上流側または下流側の部分に向けて反射さ
せるようにすることで、被記録媒体のプレヒートあるい
はアフターヒートを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の記録装置を表わす図
である。
【図2】図1に示した記録ヘッドをフェイス面側からみ
た平面図である。
【図3】図1および図2に示した熱反射板の変形例を示
す平面図である。
【図4】図1および図2に示した熱反射板の変形例を示
す平面図である。
【図5】図1および図2に示した記録ヘッドおよび熱反
射板の変形例を示す平面図である。
【図6】図1に示した熱反射板の効果について説明する
ための図である。
【図7】図1および図2に示した記録ヘッドの変形例を
示す図である。
【図8】図1および図2に示した記録ヘッドの変形例を
示す図である。
【図9】図1および図2に示した記録ヘッドの変形例を
示す図である。
【図10】図1および図2に示した記録ヘッドの変形例
を示す断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の記録装置を表わす
図である。
【図12】図11に示した記録ヘッドの変形例を示す図
である。
【図13】図11に基づいて説明した記録装置の変形例
を表わす図である。
【図14】本発明の第3の実施形態の記録装置を示す斜
視図である。
【図15】図14に示した記録ヘッドおよび、記録ヘッ
ドの周辺の部分を示す図である。
【図16】図14および図15に示した記録ヘッドの変
形例を表わす図である。
【図17】図14および図15に示した記録ヘッドの変
形例を表わす図である。
【図18】本発明の第4の実施形態の記録装置を表わす
図である。
【図19】本発明の第5の実施形態の記録装置を表わす
図である。
【図20】フルマルチプリンターについて説明するため
の斜視図である。
【符号の説明】
1、31、61 記録ヘッド 1a、31a、61a フェイス面 2、42、62 吐出ノズル 3、3a、43、63 吐出口 4、17、18、45、65、86、92 熱反射板 4a、93a〜95a 放熱板部 5、5a、5b、5c、5d、5e、12、20、2
1、46、47、67、93b〜95b 貫通孔 6、22、48、68、88 記録用紙 7、24、49、69、89 プラテン 8、19、23a、23b、23c、36、66、9
1、204 ヒーター 11、16、44 断熱材 13、25、50、70 突起部 14、26、51、71 気密リング 15 突出部 32 給紙部 33 被記録媒体 34 キャリッジ 35 記録領域 37 ガイドレール 61b 傾斜面 93〜95、203 熱伝導板 110 基板 111 吐出ヒーター 112 ノズル注型材 113 下部天板 114 封止材 115 上部天板 116 共通液室 201 記録ヘッド 202 網目ベルト 205 キャップ

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録媒体に向けて記録液を吐出する吐
    出口が一面に形成された記録ヘッドと、 前記被記録媒体の、前記記録ヘッドの近傍の部分を加熱
    する加熱手段とを有する記録装置において、 前記記録ヘッドの前記加熱手段側の面、および該面に連
    なった前記記録ヘッドの側面に、熱伝導効率の高い熱伝
    導手段が設けられていることを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 シート状の被記録媒体の表面側から前記
    被記録媒体に向けて記録液を吐出する吐出口が形成され
    たフェイス面を有する記録ヘッドと、 前記被記録媒体の、前記記録ヘッドの近傍の部分の裏面
    側から前記被記録媒体を加熱する加熱手段とを有する記
    録装置において、 前記記録ヘッドの前記フェイス面、および前記フェイス
    面に連なった前記記録ヘッドの側面に、熱伝導効率の高
    い熱伝導手段が設けられていることを特徴とする記録装
    置。
  3. 【請求項3】 前記熱伝導手段が、前記加熱手段から前
    記熱伝導手段に向かって伝導する熱を、前記被記録媒体
    を通して前記加熱手段にまで伝導するように反射するも
    のである請求項2に記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記熱伝導手段として熱伝導板が用いら
    れ、 前記被記録媒体が前記記録ヘッドの前記フェイス面と前
    記加熱手段との間を通過するように前記被記録媒体が搬
    送され、前記加熱手段から発せられた熱の一部を、前記
    被記録媒体の、前記フェイス面と対向する部分よりも前
    記被記録媒体の搬送方向上流側の部分に向けて反射する
    ように、前記熱伝導板の、前記被記録媒体の搬送方向上
    流側の部分が前記被記録媒体の表面に対して斜めに傾い
    ている請求項2または3に記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録ヘッドの前記フェイス面におけ
    る前記被記録媒体の搬送方向上流側の部分が、前記被記
    録媒体の表面に対して斜めに傾いた傾斜面となってお
    り、前記傾斜面に、前記熱伝導板の、前記被記録媒体の
    搬送方向上流側の部分が設けられている請求項4に記載
    の記録装置。
  6. 【請求項6】 前記熱伝導手段として熱伝導板が用いら
    れ、 前記被記録媒体が前記記録ヘッドの前記フェイス面と前
    記加熱手段との間を通過するように前記被記録媒体が搬
    送され、前記加熱手段から発せられた熱の一部を、前記
    被記録媒体の、前記フェイス面と対向する部分よりも前
    記被記録媒体の搬送方向下流側の部分に向けて反射する
    ように、前記熱伝導板の、前記被記録媒体の搬送方向下
    流側の部分が前記被記録媒体の表面に対して斜めに傾い
    ている請求項2または3に記載の記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録ヘッドの前記フェイス面におけ
    る前記被記録媒体の搬送方向下流側の部分が、前記被記
    録媒体の表面に対して斜めに傾いた傾斜面となってお
    り、前記傾斜面に、前記熱伝導板の、前記被記録媒体の
    搬送方向下流側の部分が設けられている請求項6に記載
    の記録装置。
  8. 【請求項8】 シート状の被記録媒体の表面側から前記
    被記録媒体に向けて記録液を吐出する吐出口が形成され
    たフェイス面を有する記録ヘッドと、 前記被記録媒体の、前記記録ヘッドの近傍の部分を前記
    被記録媒体の表面側から加熱する加熱手段とを有する記
    録装置において、 前記記録ヘッドの前記フェイス面、および前記フェイス
    面に連なった前記記録ヘッドの側面に熱伝導効率の高い
    板状の熱伝導手段が設けられており、前記加熱手段から
    前記熱伝導手段に向かって伝導された熱の少なくとも一
    部を前記フェイス面と前記被記録媒体との間の隙間に向
    けて反射するように、前記熱伝導手段の少なくとも一部
    が前記被記録媒体の表面に対して斜めに傾いていること
    を特徴とする記録装置。
  9. 【請求項9】 前記記録ヘッドの前記フェイス面の一部
    が、前記被記録媒体の表面に対して斜めに傾いた傾斜面
    となっており、前記傾斜面に前記熱伝導手段の一部が設
    けられている請求項8に記載の記録装置。
  10. 【請求項10】 前記被記録媒体の、少なくとも前記記
    録ヘッドの前記フェイス面が対向する部分および、前記
    加熱手段に対応する部分の裏面側に、前記被記録媒体と
    平行で、かつ熱反射効率の高い熱反射手段が設けられて
    いる請求項8または9に記載の記録装置。
  11. 【請求項11】 前記被記録媒体の、少なくとも前記記
    録ヘッドの前記フェイス面が対向する部分の裏面側に、
    前記被記録媒体を加熱するための加熱手段が設けられて
    いる請求項8または9に記載の記録装置。
  12. 【請求項12】 前記熱伝導手段として金属板が用いら
    れている請求項1〜11のいずれか1項に記載の記録装
    置。
  13. 【請求項13】 前記熱伝導手段が断熱材を介して前記
    記録ヘッドに接合されている請求項12に記載の記録装
    置。
  14. 【請求項14】 前記記録ヘッドの、前記熱伝導手段を
    設ける面に複数の突起部が形成され、前記複数の突起部
    の先端に前記熱伝導手段が取り付けられている請求項1
    2に記載の記録装置。
  15. 【請求項15】 前記記録ヘッドの、前記熱伝導手段が
    設けられた面と、前記熱伝導手段との間に風を通して前
    記記録ヘッドを冷却する送風冷却手段をさらに有する請
    求項14に記載の記録装置。
  16. 【請求項16】 前記記録ヘッドの、前記熱伝導手段が
    設けられた面と、前記熱伝導手段との間に液体を通して
    前記記録ヘッドを冷却する液体冷却手段をさらに有する
    請求項14に記載の記録装置。
  17. 【請求項17】 前記熱伝導手段が、前記記録ヘッドに
    金属薄膜を形成することにより構成されている請求項1
    〜11のいずれか1項に記載の記録装置。
  18. 【請求項18】 前記金属薄膜が蒸着またはめっき法に
    より形成される請求項17に記載の記録装置。
  19. 【請求項19】 前記熱伝導手段が、前記記録ヘッドの
    少なくとも一部を金属により形成することで構成されて
    いる請求項1〜11のいずれか1項に記載の記録装置。
  20. 【請求項20】 前記熱伝導手段が、前記記録ヘッドに
    熱伝導効率の高い電気配線を形成することにより構成さ
    れている請求項1〜11のいずれか1項に記載の記録装
    置。
  21. 【請求項21】 前記熱伝導手段が、前記記録ヘッドに
    熱伝導効率の高い材料を塗布することにより構成されて
    いる請求項1〜11のいずれか1項に記載の記録装置。
  22. 【請求項22】 前記熱伝導手段の構成材料として、波
    長2μm〜100μmの遠赤外光に対する反射効率の高
    い金属が用いられている請求項1〜21のいずれか1項
    に記載の記録装置。
  23. 【請求項23】 前記熱伝導手段の構成材料としてアル
    ミニウムが用いられている請求項1〜22のいずれか1
    項に記載の記録装置。
  24. 【請求項24】 前記熱伝導手段の構成材料として金が
    用いられている請求項1〜22のいずれか1項に記載の
    記録装置。
  25. 【請求項25】 前記熱伝導手段の構成材料として銀が
    用いられている請求項1〜22のいずれか1項に記載の
    記録装置。
  26. 【請求項26】 前記熱伝導手段の、波長2μm〜10
    0μmの遠赤外光に対する反射効率が90%以上である
    請求項1〜25のいずれか1項に記載の記録装置。
  27. 【請求項27】 前記熱伝導手段が、波長2μm〜10
    0μmの遠赤外光に対する反射効率が80%以上となる
    ような精度で表面が加工されたものである請求項1〜2
    5のいずれか1項に記載の記録装置。
  28. 【請求項28】 前記熱伝導手段は、表面が腐食防止加
    工層で被覆されたものである請求項1〜26のいずれか
    1項に記載の記録装置。
  29. 【請求項29】 前記熱伝導手段は、表面が遠赤外光の
    透過率の高い撥水層で被覆されたものである請求項1〜
    26のいずれか1項に記載の記録装置。
  30. 【請求項30】 被記録媒体を加熱するための加熱手段
    を有する記録装置に搭載され、前記被記録媒体の、前記
    加熱手段の近傍の部分に向けて記録液を吐出する吐出口
    が一面に形成された記録ヘッドにおいて、前記記録ヘッ
    ドの前記加熱手段側の面、および該面に連なった前記記
    録ヘッドの側面に、熱伝導効率の高い熱伝導手段が設け
    られていることを特徴とする記録ヘッド。
  31. 【請求項31】 シート状の被記録媒体の裏面側から該
    被記録媒体を加熱する加熱手段を有する記録装置に搭載
    され、前記被記録媒体の、前記加熱手段に対応する部分
    の表面側から前記被記録媒体に向けて記録液を吐出する
    吐出口が形成されたフェイス面を有する記録ヘッドにお
    いて、 前記フェイス面、および前記フェイス面に連なった前記
    記録ヘッドの側面に、熱伝導効率の高い熱伝導手段が設
    けられていることを特徴とする記録ヘッド。
  32. 【請求項32】 シート状の被記録媒体の表面側から前
    記被記録媒体を加熱する加熱手段を有する記録装置に搭
    載され、前記被記録媒体の、前記加熱手段の近傍の部分
    の表面側から前記被記録媒体に向けて記録液を吐出する
    吐出口が形成されたフェイス面を有する記録ヘッドにお
    いて、 前記記録ヘッドの前記フェイス面、および前記フェイス
    面に連なった前記記録ヘッドの側面に熱伝導効率の高い
    板状の熱伝導手段が設けられており、前記記録ヘッドを
    前記記録装置に搭載した際に前記加熱手段から前記熱伝
    導手段に向かって伝導された熱を前記フェイス面と前記
    被記録媒体との間の隙間に向けて反射するように、前記
    熱伝導手段が前記被記録媒体の表面に対して斜めに傾い
    ていることを特徴とする記録ヘッド。
  33. 【請求項33】 前記記録ヘッドの前記フェイス面の少
    なくとも一部が、前記被記録媒体の表面に対して斜めに
    傾いた傾斜面となっており、前記傾斜面に前記熱伝導手
    段が設けられている請求項32に記載の記録ヘッド。
  34. 【請求項34】 前記記録ヘッドの前記フェイス面にお
    ける前記傾斜面を除く部分に、熱伝導効率の高い熱伝導
    手段がさらに設けられている請求項33に記載の記録ヘ
    ッド。
  35. 【請求項35】 前記熱伝導手段の構成材料として、波
    長2μm〜100μmの遠赤外光に対する反射効率の高
    い金属が用いられている請求項30〜34のいずれか1
    項に記載の記録ヘッド。
  36. 【請求項36】 前記熱伝導手段の構成材料としてアル
    ミニウムが用いられている請求項30〜35のいずれか
    1項に記載の記録ヘッド。
  37. 【請求項37】 前記熱伝導手段の構成材料として金が
    用いられている請求項30〜35のいずれか1項に記載
    の記録ヘッド。
  38. 【請求項38】 前記熱伝導手段の構成材料として銀が
    用いられている請求項30〜35のいずれか1項に記載
    の記録ヘッド。
  39. 【請求項39】 前記熱伝導手段の、波長2μm〜10
    0μmの遠赤外光に対する反射効率が90%以上である
    請求項30〜38のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
  40. 【請求項40】 前記熱伝導手段が、波長2μm〜10
    0μmの遠赤外光に対する反射効率が80%以上となる
    ような精度で表面が加工されたものである請求項30〜
    38のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
  41. 【請求項41】 前記熱伝導手段は、表面が腐食防止加
    工層で被覆されたものである請求項30〜39のいずれ
    か1項に記載の記録ヘッド。
  42. 【請求項42】 前記熱伝導手段は、表面が遠赤外光の
    透過率の高い撥水層で被覆されたものである請求項30
    〜39のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
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