JP2000225696A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2000225696A
JP2000225696A JP2902399A JP2902399A JP2000225696A JP 2000225696 A JP2000225696 A JP 2000225696A JP 2902399 A JP2902399 A JP 2902399A JP 2902399 A JP2902399 A JP 2902399A JP 2000225696 A JP2000225696 A JP 2000225696A
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infrared
ink jet
recording medium
heating means
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Isao Kimura
勲 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で、水蒸気や装置内の昇温による弊害が
少なく、少ない消費電力で十分な画質向上が得られる加
熱効率の高い加熱システムを具備するインクジェット記
録装置を得ること。 【解決手段】 制御信号に応じて記録ヘッドの吐出口か
ら記録液滴を吐出させて記録媒体に記録を行うインクジ
ェット記録装置において、記録媒体の記録面の裏側から
加熱するように配置した赤外線による加熱手段と、該加
熱手段と対向する位置で記録媒体の記録面側に配置した
赤外線を反射する部材を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御信号に応じて
記録ヘッドの吐出口から記録液(インク)滴を吐出させて
記録媒体上に記録を行うインクジェット記録装置に関
し、特に加熱定着を改良したインクジェット記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、プリンタ、
複写機、ファクシミリ、捺染、プロッターなどに応用さ
れ、高速度で記録し、普通紙にも記録可能で、カラー化
も容易であるなどの特徴をもっているため、近年パーソ
ナルコンピュータの高速処理化に伴いその普及が目覚し
い。
【0003】普通紙に対する記録は、インクの吸収性を
高めた専用紙に比べてインクの吸収速度が遅く、普通紙
記録面の不均一による画像ムラを起こしやすい。また普
通紙は世界各地の製紙メーカーから供給されるため材料
・製法の変動によりインクの吸収性も大きく変動する。
特に、カラー画像の記録を行う場合には、モノクロ記録
と比べてインク量が多く定着に時間を要するため、記録
紙を加熱してインクの定着を促進することは普通紙での
高速記録に有効な手段となる。
【0004】記録媒体および記録液を加熱して定着させ
る、いわゆる「加熱定着」技術としては、記録媒体を熱
板に接触させる熱板加熱方式、記録液に温風を吹き付け
る温風加熱方式、赤外線ランプ・赤外線ヒータなどの輻
射熱によって記録媒体を加熱する輻射熱加熱方式等が開
発されている。これら従来技術では、先述の加熱定着手
段を単独で利用するものが数多く提案されているが、近
年のカラー記録普及に伴う記録デューティ増加の対策と
して、先述の加熱手段を組み合わせて利用する例が目立
っている。
【0005】米国特許5,020,244号明細書に
は、温風加熱と輻射熱加熱とを組み合わせた記録液定着
装置が開示されている。この装置の技術は、温風のほと
んどを加熱素子のある位置と記録用紙搬送路とを通る循
環路内を循環させることによって、加熱素子の省エネル
ギーを図るものである。
【0006】米国特許5,428,384号明細書に
は、カラーインクジェットプリンタ用ヒーターブロワー
システムが開示されていて、本システムは、送風・排気
手段と輻射熱加熱方式とを組み合わせ、記録媒体に付着
するインク滴を蒸発させ、発生した蒸気を効果的に取り
除き、高速・高品位記録を実現しようとするものであ
る。
【0007】特開平8−258254号公報には、ヒー
トローラによる記録紙の加熱と送風手段を設け、記録紙
をヒートローラ周面に大きな接触角を持たせて記録前加
熱と記録後加熱を可能にし、さらに、記録紙の搬送方向
と同じ向きに下から上に送風することにより、発生する
蒸気の除去と記録ヘッドの冷却を行おうとする手段が示
されている。
【0008】単独の加熱定着手段として、米国特許5,
479,199号明細書には、ワイヤーヒータに反射板
を設け、記録直下で記録媒体の裏側から加熱する輻射加
熱方式が開示されている。特開平5−338126号公
報には、記録後の記録紙に、紙の裏面から熱風で加熱乾
燥する方法が示されている。また、特開平7−1956
83号公報、特開平7−314661号公報には、マイ
クロ波エネルギーを使用して、インクジェット記録のた
めに生じるにじみの防止と、紙の変形(しわやカール)
を抑制する手段が示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例による、熱板加熱方式、温風加熱方式、輻射熱加熱方
式、温風と輻射熱を組み合わせた加熱方式、マイクロ波
加熱方式などそのいずれの方式を採用しても、消費電力
が過大であったり、加熱による画質向上の効果が不十分
であったり、高速記録に対応しきれない、水蒸気発生に
よる画像品位の低下、定着装置自身が大型になる、など
の問題がある。
【0010】記録媒体を熱板に接触させる熱板加熱方式
は、伝導伝熱であるため、急速な加熱は困難であり、今
日の高速記録の要求を満たすことができない。また、熱
板と記録媒体との接触状態の変化に追従できず画像ムラ
を生じる欠点がある。
【0011】記録媒体に温風を吹き付ける温風加熱方式
は、温風に含まれる蒸気の結露対策が必要でありコスト
高を招く。特にインクジェット記録に多用されている水
系のインクを用いた装置にこの方式を採用すると、発生
した水蒸気が記録装置内部に結露し、電気部品の腐食、
短絡などを生じる問題がある。さらに記録面への送風で
は風による微小インク滴の飛散による画像品位の低下が
問題であり、記録裏面への送風は加熱が不必要な部分へ
の通風対策が必要で装置が小型化できない。輻射熱加熱
方式は、従来、赤外線ランプ、赤外線ヒータを加熱手段
に用いているが、記録領域に赤外線を集光させるために
反射板が必要であり、装置の小型化が困難な問題があ
る。さらに、放射される赤外線の波長が記録媒体および
/またはインクの赤外線吸収特性に一致していないた
め、記録媒体および/またはインクに対する加熱効率が
悪く画質向上には不十分である。また、反射板を熱源側
にしか設けていないため記録媒体を透過する赤外線エネ
ルギーの一部が記録装置内部を昇温させてしまう欠点が
ある。
【0012】温風と輻射熱を組み合わせた加熱方式は、
温風のほとんどを循環路内で循環させるため、記録の進
行に伴って温風に含まれる湿気が高くなり、連続使用後
には結露が発生し、結露滴が記録画像に付着して画像を
汚染したり、電気部品の腐食、短絡などの障害を起こ
す。
【0013】ヒートローラ方式は、ヒートローラ自身の
熱容量を小さくすることが困難であり、温度の立ち上が
り、立ち下がりに時間がかかり、きめ細かな温度制御が
不可能である。
【0014】送風・排気手段と輻射熱加熱方式を組み合
わせたインクジェット記録装置は、記録媒体(紙)表面
に付着した瞬間にインクを蒸発させ、紙に水系のインク
が浸透することによって起こる画像劣化を防止できる
が、記録領域に付着するインク滴が送風手段の起こす風
により風の方向にインクミストが飛ばされ、記録画像の
周辺に付着して品位を低下させる。また、記録に要する
インク付与量が大きい画像の記録の場合に、発生した水
蒸気が霧状になってプリンタ外へ飛散し、プリンタ周辺
の機器に結露等の悪影響をおよぼす。
【0015】先の米国特許5,479,199号明細書
の記録装置は、水蒸気発生の問題と、加熱機構がコンパ
クトにできず、このシステムを小型のプリンタに利用す
ることは不可能である。また、反射板を熱源側にしか設
けていないため記録媒体を透過する赤外線エネルギーの
一部や、記録領域以外に漏れた熱エネルギーが記録装置
内部を昇温させてしまう欠点がある。
【0016】マイクロ波加熱は水系インクに対する効果
が大きいが、水蒸気発生の問題があること、人体に対す
る安全性の問題と消費電力が大きい問題があり、個人ユ
ース用インクジェットプリンタには不向きである。
【0017】本発明の目的は、上配従来技術の有する諸
問題を解決するためになされたもので、小型であり、水
蒸気や装置内の昇温による弊害が少なく、少ない消費電
力で十分な画質向上が得られる加熱効率の高い加熱シス
テムを具備するインクジェット記録装置を提供すること
にある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、制御信号に応じて記録ヘッドの吐出口か
ら記録液滴を吐出させて記録媒体に記録を行うインクジ
ェット記録装置において、記録媒体の記録面の裏側から
加熱するように配置した赤外線による加熱手段と、該加
熱手段と対向する位置で記録媒体の記録面側に配置した
赤外線を反射する部材を有することを特徴とするもので
ある。
【0019】本発明のより好ましい条件としては、赤外
線反射部材の赤外線放射率εが、0.1以下であるこ
と、および加熱手段がその発熱により波長4μm〜10
μmの範囲に赤外線放射率の最大値をもつような放射特
性を有することなどが挙げられる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して説明する。 (第1実施形態)図1は、本実施形態の第1実施形態であ
るインクジェット記録装置の主要部分の斜視図であり、
図2は、図1に示したインクジェット記録装置の主要部
分のA−Bの位置における断面図である。
【0021】図1において、100が本実施形態の赤外
線反射板であり、反射板100はプリントカートリッジ
104の記録ヘッド部と干渉しないように記録領域部分
をくり抜いた形状である。反射板は赤外線の反射率γが
高いことが好ましく、表面を鏡面加工した金属板を使用
するとよい。一般に不透明な物質の反射率γと放射率ε
との間には、γ+ε=1の関係が成り立ち、ほとんどの
平滑金属板は放射率ε<0.1(反射率>90%)であ
るので材料の制約は少ない。本実施形態では、SUS3
04の厚さ0.2mmの薄板を使用している。この材料
の100℃における赤外線放射率εを赤外線分光光度計
(Bruker製FT−IR;IFS−113V)で測定した
ところ、波長範囲2.0μ〜25.0で0.06以下で
あった。反射板100は、前述のように平滑金属板でよ
いが、記録媒体の記録面と対向した面が、赤外線を反射
できればよいので、プラスチック板の表面を金属メッキ
したもの、プラスチック板の表面に金属蒸着したものな
ども使用できる。
【0022】図1中、102はプラテン、103は記録
媒体の押さえ板、104はプリントカートリッジで、矢
印の左右方向にガイド軸106,107に支持されたキ
ャリッジ105によって移動しながら記録媒体112に
画像の記録を行う。記録媒体112は、搬送用ローラ1
08,109,110および星車111によって矢印→
の方向に搬送される。
【0023】図2において、101が面状の赤外線ヒー
タで、記録領域の直下に位置して、記録媒体112の裏
側から記録領域を加熱するように配置されている。反射
板100は、この赤外線ヒータと対向する位置で記録面
側に記録面から水平高さ0.5mmの位置に取り付けて
ある。赤外線ヒータ101はインクの成分である溶媒
(通常のインクジェット記録では水)を記録媒体の裏側
から効率よく加熱できることが好ましい。
【0024】本実施形態における赤外線ヒータは、セラ
ミックヒータの表面にSi,Fe,Zr,Ti,Mnを含有
する複合酸化物皮膜を設けた発熱体である。本実施形態
の赤外線ヒータの赤外線放射率を前述のFT−IR装置
で測定し、測定データのグラフを図3に示した。図3
中、本実施形態において用いた赤外線ヒータの放射率を
曲線Aに示す。なお、図3中に、比較のため従来例とし
て、遠赤外放射体として利用されているZr酸化物皮膜
をセラミックヒータの表面に形成したもの(曲線B)、お
よび赤外線ランプ(曲線C)の場合も同様に測定し示し
た。
【0025】放射率の測定は、各々のヒータをFT−I
R装置に装着できるような大きさの発熱体とし、セラミ
ックヒータの場合は、DC1.9V,1.4Aを通電し
て表面温度を156℃に設定して、赤外線波長2μ〜3
5μの領域を試料と同温度に設定した理想黒体の赤外線
放射強度に対する試料の赤外線放射強度の割合を放射率
(ε)とし、各波長毎に放射スペクトルの形で表示した。
赤外線ランプも所定の電力を供給し同様に測定した。
【0026】図3によると、本実施形態の発熱体(赤外
線ヒータ)は測定波長全領域でε=0.8以上あり、放
射率のピークが7μ付近にあることがわかる(曲線A参
照)。従来の発熱体の放射率は短波長側で低く、12μ
付近に放射率のピークがある。また、赤外線ランプの放
射特性(曲線C)は、セラミックヒータ(曲線B)とは大き
く異なり、2μに放射率のピークが存在する放物線状の
分布を示し、5μ以上の波長の放射率がほとんどない。
【0027】一方、被加熱物の赤外線吸収特性(いわゆ
る赤外線吸収スペクトル)もFT−IR装置にて測定
し、その測定データのグラフを図4に示す。図4(A)は
水溶性染料C.I.Food Black23%、残部H2Oからな
るインクのIRスペクトル、図4(B)はオフィス用普通
紙を紛状にしてKBr錠剤成型した記録紙のIRスペク
トル、図4(C)は油溶性染料C.I.Solvent Black 3
%、残部は酢酸エチルからなるインクのIRスペクトル
である。
【0028】図4(A)によれば、水性インクの赤外吸収
は、2.8μと6.3μ付近に主たる吸収があり、前者
はO−H伸縮振動であり、後者はH−O−H変角振動に
よるものである。図4(B)の記録紙の赤外吸収スペクト
ルでは、3μ付近と8〜11μの範囲に強い吸収があ
る。図4(A)と図4(B)を比較すると、6μ付近の赤外
線はインク、紙両方に吸収されるが、6μ付近の赤外線
はインクによる吸収が大きく、紙による吸収が少ない。
また、8〜11μ付近の赤外線はインクより紙の吸収が
大きいことがわかる。図4(C)の非水系インクは5.8
μと7.5〜8.3μに強い吸収が有り、図4(B)の紙
との比較では、5.8μ付近の赤外線はインクによる吸
収が大であり、7.5〜8.3μ付近の赤外線は紙とイ
ンク両方に吸収される。
【0029】これまで説明した被加熱物の吸収特性(図
4)を加熱源の放射特性(図3)と関連付けて説明する。
【0030】図4における水性インク(A)と紙(B)、非
水性インク(C)と紙(B)の各々の被加熱物の組み合わせ
では、(X)加熱源の赤外線放射率が図3(A)の場合には
インクに対する加熱効果が高く、(Y)図3(B)の従来例
の加熱源は紙に対する加熱効果が高く、(Z)図3(C)の
赤外線ランプはインクにも紙に対しても加熱効果が弱い
と判断することができる。
【0031】加熱によって被加熱物の状態を変化させ記
録画像の品位向上をさせるには、画像を形成する記録液
すなわちインクに対する熱作用(にじみを抑える、混色
を防止する、色剤の発色をよくする等)をより効果的に
することが最も理想的な加熱手段であることは周知の事
実であり、また、記録媒体には加熱温度に上限があるの
で記録媒体から間接的にインクを加熱するだけでは加熱
効果に限界がある。
【0032】この観点に立ち、本発明者は、加熱源の赤
外線放射特性をインクの赤外線吸収特性に一致させる上
記(X)の場合にのみ理想的な加熱手段が実現可能である
との結論づけた。
【0033】赤外線ヒータは、サーマルヘッドと同様な
構成であり、例えばアルミナ、ガラス等の基板上に金
(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、バラジウム(Pd)、および
それらの複合したものなど導電材料でパターン形成した
ものを抵抗体として用いるのが好適である。また、抵抗
体の立ち上がり温度特性を向上させるために抵抗体と基
板の間に熱伝導率の低い、例えばポリイミド等の樹脂層
を設けてもよい。抵抗体パターンは発熱体の長手方向、
暗方向などの温度分布が極小となるように設計すること
が好ましい。抵抗体の表面はガラス等のセラミックコー
ティングにより内部の抵抗体を磨耗、腐食、衝撃等から
保護するための保護層を設けるのが良い。保護層の厚
さ、材質などは必要とする温度、熱レスポンス等の設計
仕様に従って選択すべきである。
【0034】本実施形態では、通電発熱体が波長4〜1
0μの範囲に放射率の最大値を持つ赤外線放射体である
ことが必須であるが、そのためには、前述の保護層が以
下に示す元素の群から選択される2種以上の元素の酸化
物を含む皮膜であるか、または、以下に示す元素の群か
ら選択される1種以上の元素と炭素を含む酸化物皮膜で
あればよい。
【0035】Mg,Al,Si,Ti,Cr,Mn,Fe,C
o,Ni,Cu,Zr皮膜の組成としては、SiまたはF
e,Zrなどの元素を主成分とするのが好適であり、赤外
線放射率の向上や最大放射率を示す波長を調整する目的
でその他の元素を選択する必要がある。
【0036】好適な皮膜組成の例として、Si55,Fe
18,Zr15,Ti8,Mn4(wt%)からなる酸化物
皮膜、Fe45,Cr12,Si10,Mn10,Cu8,
Ti8,Zr5,Mg2(wt%)からなる多元素酸化物皮
膜、Si70,C15,Al15(wt%)からなる炭素
含有酸化物皮膜などが挙げられる。なお、本実施形態で
は元素群を指定しているが、皮膜形成材料に含まれる不
純物元素が皮膜に含有されても効果に影響はない。
【0037】皮膜は、各金属微粉樹脂ペーストを所定の
割合に混合したものを基板へスクリーン印刷、スプレ
ー、スピンコートなどで塗布し、焼成して形成する。
【0038】また、ガラス等の保護層の上部に前記皮膜
を形成しても皮膜の厚さ100μ程度までなら特に熱効
率が悪くなることはないので、コストの安い既存のセラ
ミツクヒータを利用する、すなわち既存のヒータ表面に
本実施形態の材料をコーティングする場合には有効であ
る。
【0039】これまで、第1実施形態として、被加熱物
の吸収特性及び加熱源の放射特性について説明したが、
次に、第1実施形態の基本構成を前提とした他の実施形
態について図面を参照して説明する。
【0040】(第2実施形態)図5に示す第2実施形態
は、記録媒体112の記録面の裏側から加熱するように
配置した赤外線ヒータ101に対して、吐出口を除く記
録ヘッドおよび記録ヘッドのキャリッジ105の記録面
側の表面に赤外線を反射する反射板200および201
が取付けられたもので、反射板が記録動作時のキャリッ
ジ105の移動とともに記録位置に移動することが特徴
である。これにより反射板が小さくてすむ利点がある。
なお、反射板は記録ヘッドまたはキャリッジのどちらか
の表面だけでもよい。
【0041】(第3実施形態)図6に示す第3実施形態
は、記録ヘッドの記録領域に開口部を設けたシート状の
反射板205をキャリッジ表面に取り付けたもので、キ
ャリッジ105の記録動作により、反射板もキャリッジ
と同じ方向へ可動する。反射板の両端は、双方に配置し
た巻き取り機構206によって巻き取り、巻き戻し自在
であるので、プラテン面102上の反射板長さを一定に
保つことができる。
【0042】(第4実施形態)図7(a) に示す第4実施
形態は、第1実施形態の構成(図2参照)において、さら
に赤外線ヒータ101の表面に反射体202を設けるも
ので、ヒータからの赤外線をキャリッジ105側とヒー
タ101側の反射板100と202とで多重反射するよ
うにするものである。具体的には、図7(b)に示すよう
に、赤外線ヒータ101の表面に小円板状の反射体20
2の集まりで構成される。なお、第2実施形態の構成
(図5参照)において、さらに赤外線ヒータ101の表面
に反射部材202を設けてもよい。
【0043】(第5実施形態)図8に示す第5実施形態
は、記録媒体112の両面から加熱できるように赤外線
ヒータ101、207、208を配置し、さらに記録媒
体の表面側にある赤外線ヒータ207、208の表面に
反射板100を設けたものである。この場合、赤外線ヒ
ータ207、208の発熱面が反射板100と接触し、
赤外線ヒータ207、208のキャリッジ105側の面
は赤外線ヒータの基板面であることが好ましい。
【0044】以上述べた第1実施形態(図2)、第2実施
形態(図5)、第3実施形態(図6)、第4実施形態(図
7)、第5実施形態(図8)の実施例および、比較例とし
ては各実施形態の反射板を使用しない構成の形態を作製
し、記録性能について比較した。いずれの形態もキャノ
ン(株)BJC−410Jのプラテンに1本の通電発熱体
を組み込んだプリンタを用意した。
【0045】評価としては、すべて一定のヒー夕温度に
なるようにヒータ投入電力を調整した後、記録中のキャ
リッジ底面の温度を熱電対でモニターし、キャリッジ底
面の温度が一定になった時の温度(Tc )、およびキャ
リッジ底面への水滴の付着状態、温度維持に必要な電力
を測定した。以下にその結果を示す。
【0046】
【表1】 表1の結果によれば、本発明の実施例では、いづれもキ
ャリッジ底面の温度上昇が抑制され、さらに水滴の付着
がほとんどないので、装置への水滴の悪影響、および画
像上への水滴落下は見られなかった。また、反射板でヒ
ータの熱を記録媒体へ伝達するので消費電力が、比較例
より少なく、熱効率がよいことを示している。
【0047】なお、本発明は、これまで説明した実施形
態だけに限定されるものではなく、当業者であれば第1
乃至5のそれぞれの実施形態を適宜に組み合せることに
よって、さらに有効なインクジェット記録装置が得られ
ることは、説明するまでもなく容易に考えられることで
ある。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、通電発
熱抵抗体の放射する赤外線放射特性を最適化し、常に最
良の記録画像が得られるような加熱位置と温度制御を行
うため、以下に示す優れた加熱定着効果が得られ、しか
も安全性の高いインクジェット記録装置である。
【0049】少ない消費電力で「にじみの減少、高発
色、ブリーディングの抑制、コックリングの減少」など
画像品位が向上する。反射板により低消費電力が可能に
なるので、電源容量が小さくて済み、ヒータユニットを
軽量小型化できるのでパーソナルユースの小型プリンタ
にも使用可能である。水系インクを使用する場合は、水
蒸気の発生が少ないので、水蒸気による装置の損傷が回
避される。また、水系インクにも非水系インクにも加熱
効果が高い。また、キャリッジの昇温が小さいので、ノ
ズルの目詰まりなどのトラブルが回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の構成を示す斜視図
【図2】第1実施形態の主要構成部の断面図
【図3】通電発熱体の赤外線放射率の測定データのグラ
フで、曲線Aは本実施形態の通電発熱体、曲線Bは従来
例のセラミックヒータ、曲線Cは赤外線ランプの各場合
【図4】被加熱物の赤外線吸収スペクトルの測定データ
で、(A)は水性インク、(B)は記録紙、(C)は非水性イ
ンクの各場合
【図5】本発明の第2実施形態の主要構成部の断面図
【図6】本発明の第3実施形態の構成を示す斜視図
【図7】(a)本発明の第4実施形態の主要構成部の断面
図、(b)反射体を取り付けた赤外線ヒータの斜視図
【図8】本発明の第5実施形態の主要構成部の断面図
【符号の説明】
100 赤外線反射板 101 赤外線ヒータ 102 プラテン 105 キャリッジ 106,107 ガイド軸 112 記録媒体 200,201 赤外線反射板 202 赤外線反射体(小円形状) 205 赤外線反射板 206 巻き取り機構 207,208 赤外線ヒータ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御信号に応じて記録ヘッドの吐出口か
    ら記録液滴を吐出させて記録媒体に記録を行うインクジ
    ェット記録装置において、 記録媒体の記録面の裏側から加熱するように配置した赤
    外線による加熱手段と、該加熱手段と対向する位置で記
    録媒体の記録面側に配置した赤外線反射部材を有するこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 制御信号に応じて記録ヘッドの吐出口か
    ら記録液滴を吐出させて記録媒体に記録を行うインクジ
    ェット記録装置において、 記録媒体の記録面の裏側から加熱するように配置した赤
    外線による加熱手段と、記録ヘッドおよび/または記録
    ヘッドのキャリッジの記録面側の表面部分に取付けた赤
    外線反射部材を有することを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  3. 【請求項3】 制御信号に応じて記録ヘッドの吐出口か
    ら記録液滴を吐出させて記録媒体に記録を行うインクジ
    ェット記録装置において、 記録媒体の記録面の裏側から加熱するように配置した赤
    外線による加熱手段と、記録ヘッドおよび/または記録
    ヘッドのキャリッジの記録面側の表面部分に一部を取付
    け、両端が巻き取り機構に巻き取り、巻き戻し自在な赤
    外線反射部材を有することを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱手段の表面部分に取り付けた赤
    外線反射部材を有することを特徴とする請求項1又は3
    に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 制御信号に応じて記録ヘッドの吐出口か
    ら記録液滴を吐出させて記録媒体に記録を行うインクジ
    ェット記録装置において、 記録媒体の記録面側および記録面の裏側からそれぞれ加
    熱するように配置した赤外線によるそれぞれの加熱手段
    と、記録面側の加熱手段および記録面の裏側の加熱手段
    のいずれか一方、または両方の加熱手段の表面部分に取
    り付けた赤外線反射部材を有することを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 制御信号に応じて記録ヘッドの吐出口か
    ら記録液滴を吐出させて記録媒体に記録を行うインクジ
    ェット記録装置において、 記録媒体の記録面側および記録面の裏側からそれぞれ加
    熱するように配置した赤外線によるそれぞれの加熱手段
    と、記録面の裏側の加熱手段の表面部分に取り付けた赤
    外線反射部材と、記録ヘッドおよび/または記録ヘッド
    のキャリッジの記録面側の表面部分に取り付けた赤外線
    反射部材を有することを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  7. 【請求項7】 赤外線反射部材の赤外線放射率εが、
    0.1以下であることを特徴とする請求項1乃至6のう
    ちのいずれの1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 赤外線反射部材が、加熱手段の発熱部分
    の面積以上の面積を有することを特徴とする請求項1乃
    至6のうちのいずれの1項に記載のインクジェット記録
    装置。
  9. 【請求項9】 加熱手段がその発熱により波長4μm〜
    10μmの範囲に赤外線放射率の最大値をもつような放
    射特性を有することを特徴とする請求項1乃至7のうち
    のいずれの1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 加熱手段の表面部分に取り付けた赤外
    線反射部材が、小円形状の反射体の集まりであることを
    特徴とする請求項4乃至6のうちのいずれの1項に記載
    のインクジェット記録装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012027105A (ja) * 2010-07-21 2012-02-09 Casio Electronics Co Ltd 消色機能付画像形成装置
JP2012206289A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Seiko Epson Corp 液体噴射装置およびその制御方法
JP2013039721A (ja) * 2011-08-16 2013-02-28 Seiko Epson Corp 記録装置
JP2015147347A (ja) * 2014-02-06 2015-08-20 富士ゼロックス株式会社 乾燥装置、画像形成装置
US9211727B2 (en) 2010-12-24 2015-12-15 Seiko Epson Corporation Recording apparatus

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