JPH11198362A - 記録媒体に液体キャリアを含む着色剤を含む画像を印刷する印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体に残っている過剰の水分が原因とな
って生じ得る紙のしわおよびカールを減少させて、改善
した画像品質をもたらす印刷装置の提供。 【解決手段】 記録媒体が印刷域を移動する間、記録媒
体に液体キャリアを含む着色剤を付着する印刷ヘッドで
あって印刷域に隣接して配置される印刷ヘッドと、記録
媒体が印刷域を移動する間、記録媒体での保持のために
十分高い熱エネルギーを記録媒体に向けて発生させる前
印刷域ドライヤであって前印刷域に隣接して配置される
前印刷域ドライヤとを有する印刷装置により上記課題を
解決する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は一般に、液体インク
印刷装置に関し、特に加熱保持ドライヤ（a heatand ho
ld drier)を有する液体インクプリンタに関する。

【０００２】

【従来の技術】圧電、音響、相転移ワックスをベースと
するか、又はサーマルタイプのような連続流もしくはド
ロップオンデマンドとしばしば呼ばれるタイプの液体イ
ンクプリンタは、インク小滴が記録媒体に向けられる印
刷ヘッドを少なくとも１つ有する。印刷ヘッドの中で
は、インクが複数のチャンネル内に含まれている。電力
パルスにより、チャネルの端部において、オリフィス又
はノズルから、必要に応じてインク小滴が吐出する。

【０００３】インクジェット印刷ヘッドは、キャリッジ
タイププリンタ、部分幅アレイタイププリンタ、又はペ
ージ幅タイププリンタのいずれにも組み込むことができ
る。キャリッジタイププリンタは典型的には、複数のイ
ンクチャンネルおよび複数のノズルを含む比較的小さな
印刷ヘッドを有する。印刷ヘッドは、使い捨てのインク
供給カートリッジにシールした状態で取り付けることが
できる。印刷ヘッドとカートリッジとを組合せたアセン
ブリは、紙又は透明シートのような静止している記録媒
体に情報の一つの印刷幅（ノズルのコラムの長さに等し
い幅を有する）を一度に印刷するために往復するキャリ
ッジに取り付けられる。その印刷幅の印刷後、印刷され
た印刷幅又はその一部分の高さと等しい分だけ紙がステ
ップ的に進められるので、次に印刷される印刷幅は連続
したものとなるか又はオーバーラップしたものとなる。
この手順は、ページ全体が印刷されるまで繰り返され
る。これに対して、ページ幅プリンタは、一度に１枚の
記録媒体の幅又は長さにわたって印刷するのに十分な長
さを有する静止印刷ヘッドを含んでいる。記録媒体は、
印刷工程の際、印刷ヘッドの長さ方向に対して実質的に
直角の方向に、一定速度又は変化する速度でページ幅印
刷ヘッドを通って連続的に移動する。ページ幅インクジ
ェットプリンタは、たとえば、米国特許第 5,192,959号
に記述されている。

【０００４】液体インクの多くは、特にサーマルインク
ジェット印刷において使用されたものは、着色剤即ち染
料、及び典型的には水のような水溶液ビヒクル、及び／
又は低蒸気圧溶媒を含む。インクは、基体（substrate)
に付着して、テキストおよび／またはグラフィックスの
形態で画像が形成される。一旦付着すると、液体成分は
インク及び紙から離れ、自然空気乾燥又は能動的な乾燥
のいずれかによって基体に着色剤が固定される。自然空
気乾燥の場合、基体に付着したインクの液体成分は、機
械的な手助けなしで自然に蒸発して基体の中へ浸透する
ことができる。能動的な乾燥の場合、記録媒体は、赤外
線加熱、伝導加熱及びマイクロ波エネルギーによる加熱
が含まれ得る種々のタイプの加熱エネルギーに曝され
る。

【０００５】画像を能動的に乾燥することは、画像形成
工程の間、又は画像が記録媒体上に形成した後のいずれ
においても行ってもよい。これに加えて、画像形成前に
記録媒体を予熱して、インク付着の準備として記録媒体
を予備調整することができる。記録媒体を予備調整する
ことにより、典型的には、紙のような記録媒体に存在し
得る過剰な水分を追い出すことによって、インクを受け
入れるための記録媒体を準備する。この予備調整工程
は、いったん記録媒体に付着したインクを乾燥させるの
に必要な時間を削減できるだけでなく、この工程によ
り、記録媒体に残っている過剰の水分が原因となって生
じ得る紙のしわおよびカールを減少させることによっ
て、画像品質が改善される。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のある面として、
前印刷域および印刷域を通過する経路に沿って移動する
記録媒体に液体キャリアを含む着色剤を含む画像を印刷
する印刷装置が提供される。印刷装置は、記録媒体が印
刷域を移動する間、記録媒体に液体キャリアを含む着色
剤を付着させる印刷ヘッドであって印刷域に隣接して配
置される印刷ヘッドと、記録媒体が印刷域を移動する
間、記録媒体での保持のために十分高い熱エネルギーを
記録媒体に向けて発生させる前印刷域ドライヤであって
前印刷域に隣接して配置される前印刷域ドライヤを有し
ている。

【０００７】即ち、本発明は、前印刷域および印刷域を
通過する経路に沿って移動する記録媒体であって着色剤
を受け入れる表面を含む記録媒体に液体キャリアを含む
着色剤を含む画像を印刷する印刷装置であって、記録媒
体が印刷域を移動する間、該記録媒体に液体キャリアを
含む着色剤を付着する印刷ヘッドであって印刷域に隣接
して配置される印刷ヘッド、及び記録媒体が印刷域を移
動する間、記録媒体での保持のために十分高い熱エネル
ギーを記録媒体に向けて発生させる前印刷域ドライヤで
あって前印刷域に隣接して配置される前印刷域ドライヤ
を有する印刷装置を提供する。

【０００８】

【発明の実施の形態】好適な実施態様に関して本発明を
記述するが、本発明をその実施態様に限定することを意
図するものではないことが理解されるであろう。逆に、
特許請求の範囲によって規定されるように、本発明の精
神および範囲の中に含まれる全ての代替物、修正物、お
よび等価物を網羅するように意図されている。

【０００９】本明細書で議論する本発明は、液体インク
プリンタによって生じる任意の画像を乾燥するのに用い
ることができるが、本発明の説明を、図１に示すような
インクジェットプリンタの環境で記述する。図１は、サ
ーマルインクジェットプリンタ１０の概要を側面図で示
す。並進インクジェット印刷ヘッド１２は、記録媒体１
６、たとえば、紙のシートあるいは透明シートを横切っ
てガイドレール１８上で前後に移動するキャリッジ１４
によって液体キャリアを含む着色剤を付着する。種々の
インク、例えば黒インク及び／又は着色インクを印刷す
るマルチプル印刷ヘッドも、同様に本発明の範囲内であ
る。記録媒体１６は、矢印２０によって注記された方向
にプリンタを通って記録媒体経路に沿って移動する。１
枚の記録媒体１６は、トレイ２２から文書供給ロール２
４によって供給される。文書トレイ２２は、トレイ２２
に保持された記録シートの束の一番上のシートを供給ロ
ール２４に接触させる押圧（bias）機構２６によりばね
で押圧される。駆動ロール２４と接触している一番上の
記録媒体１６は、内側ガイド部材３２から間隔を置いて
配置される外側ガイド部材３０によって規定されるシュ
ート２８へと駆動ロール２４によって搬送される。内側
及び外側ガイド部材の各々は、印刷ヘッド１２で印刷す
るために記録シート１６の方向を反転させるために曲げ
られている。一旦記録媒体がシュート２８を出ると、記
録媒体１６はピンチロール３６と協力する駆動ロール３
４のニップに押し込まれて、記録シート１６は印刷域３
８の中へ進められる。

【００１０】印刷域３８は、印刷ヘッド１２の直下の領
域であり、印刷ヘッドの正面に配置されている。印刷ヘ
ッドでは、インク４０の小滴が情報の印刷幅を印刷する
インクノズルのインク４０の一つのアレイ又は二つ以上
のアレイによって付着される。印刷ヘッドの正面は、記
録媒体と実質的に平行である。記録媒体１６と直角に移
動するキャリッジ１４は、記録媒体１６にインク小滴４
０を画像様に付着する。印刷ヘッド１２は、取り付けら
れたインクタンク又は分離されたインク供給源（図示せ
ず）に連結されるインク供給管のいずれからもインクを
受け入れる。記録媒体１６上に付着した画像は、テキス
トおよび／またはグラフィック画像を含めることがで
き、当業者に知られているように、その生成は、印刷ヘ
ッド１２に連結されるリボンケーブル４２を通る電気信
号に応答して制御装置４１によって制御される。記録媒
体１６が、駆動ロール３４およびピンチロール３６の制
御から完全に離れる前に、出口駆動ロール／ピンチロー
ルの組合せ（図示せず）又はその他の既知の手段によ
り、印刷された記録媒体を保持する出力トレイ４４への
搬送のために記録媒体１６の先端が捕捉される。

【００１１】記録媒体１６に液体インクを定着させるた
めに、インクおよび記録媒体から水分を追い出さなけれ
ばならない。自然空気乾燥によってインクを乾かすこと
は可能であるが、自然空気乾燥はしわ又はカールのよう
な、問題をある程度引起こし得、かつプリンタの印刷処
理量を減少させ得る。従って、印刷した記録媒体に熱エ
ネルギーを印加する能動的な乾燥が好適である。

【００１２】Ｈｅｗｌｅｔｔ Ｐａｃｋａｒｄ １２０
０Ｃ デスクジェットプリンタで利用されるような、あ
る既知のサーマルインクジェットドライヤは、記録媒体
の接触型裏側予熱を、印刷域での記録媒体の裏側に集中
させた「印刷中乾燥」放射赤外線エネルギー源と組合わ
せて用いている。接触型裏側予熱と印刷域での乾燥のこ
の組み合わせは、画像が印刷されるとき、インクから液
体キャリアを適切に乾燥させるが、このような方法は、
とりわけ、放出されるインク小滴のサイズに影響を与え
得る印刷ヘッドおよび印刷ヘッド電子回路に熱ストレス
を与え得る、印刷ヘッドの加熱のような幾つかの欠点を
含んでいる。

【００１３】本発明は、そのような乾燥法の代替案を提
供し、かつ予熱／印刷域加熱の組合せの乾燥法について
いくつかの利点を含む。本発明は一般に、「加熱保持ド
ライヤ」と呼ばれるものである。加熱保持ドライヤを用
いることによって、紙又は他の既知の媒体のような記録
媒体は、印刷域外で高い温度に加熱される。印刷域の
前、即ち前印刷域で媒体に蓄積された熱エネルギーを用
いて、ドライヤを有さないか又は加熱保持ドライヤより
も少ない量の熱エネルギーを発生するドライヤを有す
る、いずれかにより印刷域で画像が印刷されるとき、液
体インクキャリアを蒸発させる。

【００１４】媒体から蒸発させることができる水をベー
スとした液体の量と媒体温度との間には関係があること
が判っている。例えば、図２に示すように、約１．８ｍ
ｇ／ｃｍ² の高インクカバレージ（ink coverage）にお
いて、約１５０°Ｃから約２００°Ｃの妥当な最大紙温
度について、水分の５０％から６０％をボンド紙から蒸
発させることができる。この場合、液体インクの幾分か
の残部が紙に吸収された状態であり、液体キャリアがも
はや紙の表面上に存在しないように、液体キャリアが十
分に蒸発していることが判っている。この一つのステッ
プを更に進めると、色間ブリード（intercolor bleed）
は、液体キャリアが紙の表面上に存在するときに発生す
る主な拡散現象であると思われているので、本発明は、
印刷欠陥の量を更に減少させる。

【００１５】本発明の有効性を更に検査するために、加
熱保持ドライヤ構成を印刷域に配置される同一の赤外線
のドライヤと比較した。この比較を示すグラフを図３に
示す。グラフは、分析のために９．１ｋｇ（２０ポン
ド）の４０２４ＤＰ用紙を使用して、赤外線のヒータ電
力（ワット）対固体中の水分のパーセンテージをプロッ
トするサーマルインクジェット乾燥の比較を示す。一方
を印刷域の直前に配置し、他方を印刷域に配置した、同
一の赤外線のランプおよび反射器の乾燥効率を、印刷速
度約２頁／分で、約１．８ｍｇ／ｃｍ² で供給される水
ベースのインクで測定した。図から判るように、両方の
構造共にインク質量の約５０％が５０ワットから７５ワ
ットの間で蒸発することがわかる。

【００１６】本発明において、特に画像印刷の間、及び
ウォームアップの期間にも生じる印刷カートリッジの加
熱が、一層少ないものとなる。実際、加熱保持ドライヤ
は印刷ヘッドから距離をおくので、本発明のアプローチ
によりウォームアップを一層積極的なものとすることが
できる。同様に、紙が非常に多くの水分を有して印刷域
に達した場合に発生し得る水分拡張差に起因する紙の不
安定さが存在する可能性が少なくなる。これに加えて、
加熱保持ドライヤが赤外線ランプを利用する場合、ＨＰ
１２００Ｃランプで見出されたようなランプ上のインク
汚染（contamination)がない。これは、インク小滴がス
クリーンを通過する印刷ヘッドの下方にＨＰ１２００Ｃ
ランプが配置されていたからである。

【００１７】加熱保持ドライヤの利点を達成するため
に、加熱保持ドライヤは、図１に示されるように、反射
器ハウジング５４内に配置されるヒータランプ５２を含
む。ヒータランプ５２は、鉄−アルミニウム クロム合
金のような抵抗性フィラメントワイヤを囲む石英管とす
ることができる。フィラメントワイヤを囲む石英管は、
主としてフィラメントワイヤが他の構成部品と接触する
のを防止するための保護装置として作用し、破損を防止
するために耐高温材料である。そこに配置される抵抗性
フィラメントは、記録シートが加熱保持ドライヤ５０を
通過するとき、フィラメントワイヤで発生した熱エネル
ギーが記録シートの幅に十分に印加されるように、記録
シート１６の幅とほぼ等しい長さを有する。他の直径も
同様に可能であるが、石英管について可能な一つの直径
は、ほぼ４ｍｍである。タングステンハロゲンランプ
も、同様に本発明の範囲内にある。

【００１８】ヒータランプ５２で発生した熱エネルギー
は、反射器ハウジング５４によって記録媒体１６の裏側
に向けられる。反射器ハウジングは、アルミニウムのよ
うな任意の既知の反射材料とすることができる。

【００１９】図４又は図６の一部に示されるように、ド
ライヤ５０は、複数の開口５８を備えた実質的に平面の
表面を規定する実質的に平面の支持プラテン５６の下方
に配置される。ランプ５２で発生した熱エネルギーは、
反射器５４によって反射され、開口５８を通って、記録
媒体１６の裏側に向かう。ドライヤ５０の乾燥能力を更
に高めるために、かつ記録媒体が印刷域４０の前の領域
を通過するとき記録媒体に蓄積された熱エネルギーを必
要なレベルに維持するために、第２の反射器６０がプラ
テン５６の上方に配置され、記録媒体１６がプラテン５
６と反射器６０との間を通過するように配置される。反
射器５４と反射器６０との組合せによりチャンバを規定
され、このチャンバを紙が通過して、ランプ５２で発生
した熱エネルギーを適切なレベルに一層容易に持続する
ことができるようにする。これに加えて、反射器５４と
反射器６０とを組合せることにより、熱保持能力が増大
した領域が生じるので、石英ランプ５２を一層低いエネ
ルギーレベルで動作させることができる。

【００２０】さらに駆動ロール６２およびピンチロール
６４を用いて、印刷域３８に記録媒体１６を前進させる
ことができる。

【００２１】図４は、加熱保持ドライヤ５０及び印刷ヘ
ッド１２、並びに予熱域、印刷域、および互いに関して
寸法が決定される後加熱域を含む本発明の一つの実施態
様を概略図に示す。これに加えて、図５のグラフは、図
４の区域に関する媒体の温度を示し、種々の区域に関し
てシステムのエネルギープロフィールばかりでなく媒体
の温度をも示す。図から判るように、印刷域の約１．５
倍の予熱域と印刷域の約０．５倍の後加熱域の場合、点
線Ａで図示した媒体の温度は、特定のレベルに上昇し、
印刷域内でそのレベルに維持され、次いで、媒体が後加
熱域に入ってその後出るのに従って低下することがわか
る。しかしながら、第２の点線Ｂは、印刷媒体にインク
が付着すると、インクで冷却されて媒体の温度が急激に
低下することがわかる。予熱域のエネルギープロフィー
ルが最大であり、それ以降のエネルギーは、印刷域又は
後加熱域が考慮されたとき、低下する。

【００２２】ここで図１に戻ると、本発明は、内側ガイ
ド部材３２に取り付けられた予熱ヒータ７０を含む。こ
のような予熱ヒータは、水分が媒体から追い出されるよ
うに記録媒体をウォームアップする接触型の予熱ヒータ
である。予熱ヒータ７０は、多量の熱エネルギーを発生
させる必要がなく、１００℃〜２００℃の間の温度を発
生させればよい。この状況において、ドライヤ５０は、
記録媒体から過剰な水分を完全に乾燥させるのに十分な
ワット数のものである必要はなく、従って、これにより
熱エネルギー供給を少なくすることができ、かつこれに
よりシステム全体の熱管理を改善して、印刷ヘッド１２
によって吸収される熱の量を減らすことができる。これ
に加えて、参考として本明細書に組み込まれる米国特許
出願第08／523,322 号（出願日1995年９月５日、発明の
名称「印刷画像を乾燥させる分割可撓性ヒータ」(Segme
nted Flexible Heater For Drying a Printed Image)）
に記述されたような分割可撓性予熱ヒータも同様に使用
することができる。

【００２３】図１の前印刷域ヒータ５０は印刷ヘッドの
加熱を大幅に少なくすると共に一層積極的なウォームア
ップを可能とするが、図５のグラフから紙が効果的に熱
を蓄積しないことがわかる。従って、図６に示されるよ
うに、印刷域において小型の接触型ヒータ７２を付加す
るのが望ましい。接触型ヒータ７２はプラテン５６に接
触し、印刷ヘッド１２の下方に加熱領域をもたらす。し
かしながら、接触型ヒータ７２は、印刷ヘッド１２に対
する負の加熱衝撃を避けるために、ヒータ５０よりも少
ないエネルギー出力を有する低電力装置となる。接触型
ヒータ７２の主な機能は、媒体が印刷域へと進行してい
るとき、熱損失を防止することである。接触型ヒータ７
２の副次的な機能は、透明シートに印刷する時にインク
の乾燥を補助することである。印刷域における輻射加熱
とは反対に、伝導加熱は、紙に僅かな量のしわができた
ときでさえ発生する不均一な接触という問題のために、
吸収性がある紙では良好に作用しない。しかしながら、
透明材料は、不均一な接触の影響を受けないので、伝導
加熱が有利である。透明シートは、キャリア液体が存在
していても、多くは吸収しないので、透明シートが必要
とする追加の熱エネルギーは、接触型ヒータによって供
給される。透明シートの存在を感知して適切に接触型ヒ
ータ７２をオンオフすることももちろん同様に可能であ
る。

【００２４】図１および図６の両方の実施態様におい
て、着色剤の量が記録媒体によって変化し、従って、乾
燥負荷が「非同期的である」ので、媒体に付着する画像
の乾燥に追加の要因が入る。これは、媒体の特定部分で
の画像部分が追加の乾燥時間を必要とするかもしれない
ことを意味する。画像のそのような部分の乾燥を改良す
るために、画像信号７６に応答して動作する制御装置４
１が、バッファ７８に格納されている画像の印刷幅を調
べて、媒体の高負荷乾燥能力の領域を判別する。制御装
置４１は、画素カウンタ又はインク質量を判別するため
の他の手段を含む。次いで、制御装置４１は、記録媒体
が前印刷域ドライヤ５０を通過する、記録媒体１６の速
度を制御し、高印刷負荷領域が生じたとき、紙送り機構
の速度を下げて、これに従って媒体の進行を遅くするよ
うにする。

【００２５】図７は、本発明の他の実施態様の概略斜視
図である。図から判るように、加熱保持ドライヤ９０
は、媒体のインク受け入れ表面の直ぐ隣に配置される。
ランプ９２および反射器９４は、媒体支持表面すなわち
プラテン９６に隣接して配置されており、プラテン９６
はプラテン内に規定された複数の開口９８を含む。熱エ
ネルギーは、印刷域に入る際にインクを受け入れる記録
媒体の表面の方に向けられる。前の実施態様のように、
前印刷域で熱エネルギーを維持するために反射器１００
を含ませることができる。しかしながら、プラテン９６
を、前印刷域において熱エネルギーを維持するのに十分
な反射性にすることができるので、開口９８および反射
器１００は不可欠ではない。

【００２６】本発明を、インクジェット環境における特
定の実施態様と共に記述してきたが、多くの代替案、修
正、及び変形が当業者にとって明白であることは明らか
である。たとえば、本発明は明示した実施態様に限定さ
れるものではなく、あらゆる液体インクプリンタへ適用
することができる。たとえば、本発明の一つの実際的な
実施態様において、加熱保持ドライヤはセラミックの接
触型ドライヤである。したがって、特許請求の範囲の精
神および広い範囲の中に入るそのような代替案、修正、
及び変形を全て取り囲むことを意図している。

【図面の簡単な説明】

【図１】 前印刷域に配置される一体型反射器を備えた
加熱保持ドライヤを有する液体インクプリンタの概略側
面図である。

【図２】 媒体の温度と蒸発したインクの量の関係を示
すグラフである。

【図３】 加熱保持ドライヤと印刷域に配置されるドラ
イヤの比較を示すグラフである。

【図４】 種々の区域の位置を含む加熱保持ドライヤと
印刷ヘッドの概要図である。

【図５】 図４の区域に関するエネルギープロフィール
と媒体の温度のグラフである。

【図６】 前印刷域ドライヤと印刷域における二次接触
型ヒータの概略斜視図である。

【図７】 本発明の他の実施態様の概略斜視図である。

【符号の説明】

１０ サーマルインクジェットプリンタ １２ 印刷ヘッド １４ キャリッジ １６ 記録媒体 １８ ガイドレール ２０ 矢印 ２２ トレイ ２４ 供給ロール ２６ 押圧機構 ２８ シュート ３０ 外側ガイド部材 ３２ 内側ガイド部材 ３４ 駆動ロール ３６ ピンチロール ３８ 印刷域 ４０ インク ４１ 制御装置 ４２ リボンケーブル ４４ 出力トレイ ５０ 加熱保持ドライヤ ５２ ランプ ５４ 反射器 ５６ プラテン ５８ 開口 ６０ 反射器 ６２ 駆動ロール ６４ ピンチロール ７０ 予熱ヒータ ７２ 接触型ヒータ ７６ 画像信号 ７８ バッファ ９０ 加熱保持ドライヤ ９２ ランプ ９４ 反射器 ９６ プラテン ９８ 開口 １００ 反射器

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前印刷域および印刷域を通過する経路に
   沿って移動する記録媒体であって着色剤を受け入れる表
   面を含む記録媒体に液体キャリアを含む着色剤を含む画
   像を印刷する印刷装置であって、 記録媒体が印刷域を移動する間、該記録媒体に液体キャ
   リアを含む着色剤を付着する印刷ヘッドであって印刷域
   に隣接して配置される印刷ヘッド、及び記録媒体が印刷
   域を移動する間、記録媒体での保持のために十分高い熱
   エネルギーを記録媒体に向けて発生させる前印刷域ドラ
   イヤであって前印刷域に隣接して配置される前印刷域ド
   ライヤを有する、上記印刷装置。
2. 【請求項２】 前印刷域を通過する記録媒体を、印刷域
   で該記録媒体に付着される着色剤の量の関数として、移
   動させる媒体送りシステムをさらに有する請求項１記載
   の印刷装置。
3. 【請求項３】 前印刷域ドライヤが、前印刷域に入る前
   に記録媒体を加熱するために熱エネルギーを発生する湾
   曲ヒータであって前印刷域の前の経路に隣接して配置さ
   れる湾曲ヒータを有する請求項１記載の印刷装置。