JP3662061B2 - 感光性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポジ型感光性印刷版に適する感光性組成物に関し、更に詳しくは、高耐刷性でしかも耐薬品性に優れ、かつ現象許容性が改善されたポジ型感光性印刷版に適する感光性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポジ型感光性印刷版の感光層には、キノンジアジド化合物とノボラック樹脂からなる組成物が用いられている。しかし、主体として用いられているノボラック樹脂は、皮膜が脆く、耐衝撃性が乏しく、支持体に対する密着性も悪いため、耐刷力が十分でないという問題がある。さらに、印刷の際に使用される種々の処理薬品、例えば湿し水に含まれるイソプロピルアルコール、あるいはプレートクリーナーやインキ洗浄液などによって侵されやすく、特にUVインキを使用すると耐刷力が極めて不十分であるなどの問題がある。
【0003】
このような問題を解決するために、ノボラック樹脂に代わる種々の高分子重合体が検討されている。例えば、特開昭62−279327号では、フェノール性水酸基を有するビニル系重合体、あるいは特開平2−866号では、スルホンアミド基を有するアルカリ可溶性高分子化合物などが提案されている。しかし、これらの高分子重合体を用いた感光性印刷版においても、UVインキを使用する場合の耐刷性を十分に満足することができず、また、感度が低く、適性な現象条件の範囲も狭いというような問題があった。
【0004】
このような問題を解消すべく、本発明者らは、先に特開平5−88369号あるいは特開平7−13329号において、N−(p−ヒドロキシフェニル)マレイミドやN−(p−カルボキシフェノル)マレイミドを主体とする共重合体を提案したが、これらを用いた感光性印刷版は、耐溶剤性あるいは耐刷性において、今一つ満足できるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、キノンジアジド化合物と特定の共重合体を用いることにより、薬品性、特に耐溶剤性が極めて良好であり、UVインキ印刷でも優れた耐刷性を有し、また、現像能力が低下した現像液で現像する場合のようなアンダー現像においても、汚れの少ない感光性印刷版に適する感光性組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、キノンジアジド化合物とアルカリ可溶性共重合体を主剤として成る感光性組成物において、上記アルカリ可溶性共重合体が、N−(p−ヒドロキシフェニル)マレイミド又はN−(p−カルボキシフェニル)マレイミド30〜60重量%、アクリロニトリル10〜50重量%、N−(p−アミノスルホニルフェニル)マレイミドおよび/又はN−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド1〜40重量%の範囲内で共重合した共重体であることを特徴とする感光性組成物を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるキノンジアジド化合物としては、たとえば、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロライドまたはナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロライドとフェノール性水酸基を有する化合物とのエステル化合物が挙げられる。
【0008】
上記フェノール性水酸基を有する化合物としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−t−ブチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、(多価)ヒドロキシベンゾフェノン、またはこれらのフェノール類とアルデヒドもしくはケトンとの重縮合樹脂などを用いることができる。
【0009】
上記重縮合樹脂の好ましい例としては、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、o−クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、t−ブチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、ビスフェノールA・ホルムアルデヒド樹脂、ビスフェノールS・ホルムアルデヒド樹脂、ピロガロール・ホルムアルデヒド樹脂、ピロガロール・アセトン樹脂、(多価)ヒドロキシベンゾフェノン・ホルムアルデヒド樹脂など挙げられる。
【0010】
ナフトキノンジアジド化合物とフェノール性水酸基を有する化合物とのエステル化合物、すなわち本発明で用いるキノンジアジド化合物は、従来公知の合成方法により合成することができる。例えば、溶媒として、ジオキサン、アセトンなどを用い、これにナフトキノンジアジドスルホニルクロライドとフェノール性水酸基を有する化合物を投入し、炭酸ソーダ、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミンなどのアルカリを当量点まで滴下し、エステル化することにより合成できる。
【0011】
本発明の感光性組成物を感光層にした場合に、本発明で用いるキノンジアジド化合物の感光層中の含有量は、10〜60重量%であり、好ましくは15〜50重量%である。10重量%未満では、現像中、画像が消滅するなど現像ラチチュード(現像幅)が悪くなり、60重量%をこえると感度が遅くなるので好ましくない。
【0012】
本発明において使用されるアルカリ可溶性共重合体は、N−(p−ヒドロキシフェニル)マレイミドまたはN−(p−カルボキシフェニル)マレイミド、アクリロニトリル、N−(p−アミノスルホニルフェニル)マレイミドおよび/またはN−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミドなどのモノマーを共重合して得られる共重体であり、これらの成分に必要に応じて重合可能な不飽和結合基を有する他のモノマーを少量加え、公知の重合開始剤を用いて適当な溶媒中で重合することによって得られる。
【0013】
上記共重体におけるN−(p−ヒドロキシフェニル)マレイミド又はN−(p−カルボキシフェニル)マレイミドの配合割合は、30〜60重量%であり、好ましくは35〜55重量%である。30重量%未満では感度が遅くなり、現像液として用いるアルカリ水溶液に溶解しにくくなる。60重量%をこえると、逆に、アルカリ水溶液(現像液)に過剰に溶けやすくなり、良好な画像が得られにくくなる。
【0014】
アクリロニトリルの配合割合は、10〜50重量%、好ましくは15〜45重量%である。10重量%未満では耐溶剤性が悪くなり、50重量%をこえるとアルカリ現像液に溶けずらくなる。
【0015】
N−(p−アミノスルホニルフェニル)マレイミドおよび/又はN−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミドの配合割合は、1〜40重量%、好ましくは3〜30重量%である。1重量%未満では耐溶剤性が悪くなり、40重量%をこえるとアルカリ現像液に過剰に溶けやすくなり、良好な画像が得られずらくなる。
【0016】
以上の成分に、必要に応じて重合可能な不飽和結合基を有する他のモノマーを加えることができる。添加量としては、1〜40重量%である。これらのモノマーを加えることにより、現像ラチチュードが向上する等の効果を得られる。
必要に応じて加えられる共重合可能な他のモノマーとしては、芳香族水酸基を有するモノマー、脂肪族水酸基を有するモノマー、α,β−不飽和カルボン酸、(置換)アルキルアクリレート、(置換)アルキルメタクリレート、アクリルアミドまたはメタクリルアミド類等が挙げられる。
芳香族水酸基を有するモノマーとしては、N−(p−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、p−イソプロペニルフェノール、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレートなどが挙げられる。
脂肪族水酸基を有するモノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などがある。
(置換)アルキルアクリレートとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレートなどがある。
(置換)アルキルメタクリレートとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリレートなどがある。
アクリルアミドまたはメタクリルアミド類としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミドなどがある。
さらに、スチレン、クロロメチルスチレン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピリジン、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
【0017】
本発明の感光性組成物を感光層にした場合に、本発明で用いるアルカリ可溶性共重合体の含有量は、20〜80重量%であり、好ましくは30〜70重量%である。20重量%未満では耐刷性が悪くなり、80重量%をこえると現像性が悪くなる。
【0018】
本発明で用いる重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。添加量としては、モノマーの全量に対して0.1〜1.0重量%である。
【0019】
本発明において、これらの重合に用いられる溶媒としては、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジオキサン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
【0020】
本発明の感光性組成物は、上記キノンジアジド化合物と上記アルカリ可溶性共重合体を含有するものであるが、その他の成分として高分子化合物、染料、光酸発生剤、可塑剤、界面活性剤などを必要に応じて含有することもできる。
【0021】
本発明で用いる高分子化合物としては、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、o−クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂などのノボラック樹脂、t−ブチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、t−ブチル置換ポリビニルフェノール樹脂、アルカリ可溶性ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
これらの高分子化合物を添加することにより、耐刷性や画像再現性が良くなる等の効果が得られる。
これら高分子化合物の感光層中における含有量は、好ましくは0〜50重量%である。50重量%をこえると耐溶剤性などが悪くなる。
【0022】
本発明の感光性組成物の着色を目的として添加する好適な染料としては、油溶性染料および塩基性染料がある。具体的には、クリスタルバイオレット、マラカイドグリーン、ビクトリアブルー、メチレンブルー、エチルバイオレット、ローダミンB、ビクトリアピュアーブルーBOH(保土ヶ谷化学工業社製)、オイルブルー613(オリエント化学工業社製)、オイルグリーンなどを挙げることができる。
これら染料の感光性層中における含有量は、0.1〜5.0重量%であり、好ましくは0.5〜4.0重量%である。0.1重量%未満であると、感光層の着色が不十分で画像が見ずらくなり、5.0重量%をこえると、非画像部に染料の残さが残りやすくなるので好ましくない。
【0023】
上記染料と共に、露光後直ちに可視像が得られるようにするために、光酸発生剤を加えることもできる。かかる光酸発生剤としては、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロライド、2,4,6−トリ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸ヨードニウム塩、8−アニリノナフタレン−1−スルホン酸ヨードニウム塩などを挙げることができる。これらの光酸発生剤の感光層中における含有量は、0.05〜5.0重量%であり、好ましくは0.1〜4.0重量%である。0.05重量%未満であると、可視像が明確に得られずらくなり、5.0重量%をこえると、感光液中で析出しやすくなるので好ましくない。
【0024】
本発明においては、さらにその他の成分として可塑剤、界面活性剤などを必要に応じて含有することもできる。
【0025】
本発明の感光性組成物を溶媒で溶かし、支持体上に塗布することにより、感光性印刷版を得ることができる。この時用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、これらは単独あるいは混合して使用することができる。
【0026】
上記支持体としては、紙、プラスチックフィルム、あるいは銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレスなどの金属板、これら金属の多層板などが挙げられ、これらのうち特にアルミニウムおよびアルミニウム被覆した複合支持体が好ましい。
【0027】
アルミニウム材の表面は、保水性を高め、感光層との密着性を向上させる目的で粗面化処理されていることが望ましい。
【0028】
粗面化方法としては、一般に公知のブラシ研磨、ボール研磨、電解エッチング、化学エッチング、液体ホーニング、サンドブラストなどの方法およびこれらの組み合わせが挙げられ、好ましくは、ブラシ研磨、電解エッチング、化学エッチングを組み合わせた粗面化方法が好ましい。
【0029】
電解エッチングの際に用いられる電解浴としては、酸、アルカリまたはそれらの塩を含む水溶液が用いられ、これらのうちで特に塩酸、硝酸またはそれらの塩を含む電解液が好ましい。
さらに粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて酸またはアルカリの水溶液にてデスマット処理される。
【0030】
こうして得られたアルミニウム板は、陽極酸化処理されることが望ましく、特に硫酸またはリン酸を含む浴で処理する方法が好ましい。また、さらに必要に応じて封孔処理、下引液の被覆あるいはアルカリ金属ケイ酸水溶液への浸漬などによる表面処理を行うことができる。
【0031】
本発明の感光性組成物に活性光線を照射するための光源としては、カーボンアーク灯、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、アルゴンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、エキシマレーザーなどを用いることができる。本発明の感光性組成物を支持体上に塗布したのち、上記のような活性光線で照射し、アルカリ水溶液で現像することにより、ポジのレリーフ像が得られる。このとき現像液として用いるアルカリ水溶液としては、
(1)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
(2)弱酸の金属塩;例えばケイ酸、メタケイ酸、オルトケイ酸、リン酸、ピロリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸、炭酸、酒石酸、ホウ酸、オクタン酸などのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などの金属塩、
(3)アンモニウムおよびその誘導体;例えばアルキルアミン類(例えばモノメチル、ジメチル、トリメチル、モノエチル、ジエチル、トリエチルなどのアミン化合物)、アルカノールアミン類(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン)、またはテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、
などのアルカリ性化合物の水溶液が挙げられる。
【0032】
本発明のアルカリ可溶性共重合体は、感光剤としては、例えばp−ジアジゾフェニルアミンとホルムアルデヒドとの縮合物の有機塩あるいは無機塩で代表されるジアゾ樹脂を用いることによりネガ型感光性組成物を作ることができ、また、電子写真感光層用のバインダー樹脂としても使用することができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を合成例、実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定するものではない。
アルカリ可溶性共重合体(a)〜(f)の合成:
攪拌機、冷却管を備えた1Lの四ツ口フラスコに反応溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド200gと下記表1に示される各構成単位の混合物を加えた。フラスコ内を90℃に加温してから、アゾビスイソブチロニトリル0.4gを加えて、窒素ガス置換したのち90℃で5時間攪拌した。反応終了後、反応混合物を水10Lに投入したのち、濾過、乾燥した。
【0034】
【表1】
Figure 0003662061
HPMI:N−(p−ヒドロキシフェニル)マレイミド
CPMI:N−(p−カルボキシフェニル)マレイミド
AN :アクリロニトリル
ASPMI:N−(p−アミノスルホニルフェニル)マレイミド
ASPMA:N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド
MMA:メチルメタクリレート
BZ:ベンジルメタクリレート
【0035】
実施例1〜6および比較例1
厚さ0.24mmのアルミニウム板をよく脱脂したのち、ナイロンブラシとパーミストンの水懸濁液を用い、その表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。次いで、水酸化ナトリウム水溶液で表面をエッチングしたのち、流水で水洗し、1N%塩酸浴中で200クーロン/dm2 で電解研磨し、水洗した。その後、水酸化ナトリウム水溶液で表面を再度エッチングし、水洗を行ったのち、硫酸水溶液に浸漬して、デスマットした。ひきつづいて10%硫酸水溶液中で陽極酸化処理を行って、2.3g/m2 の酸化皮膜を形成させた。
【0036】
次に、下記感光液〔A〕の本発明の共重合体の種類を変えて、5種類の感光液〔A〕−1〜〔A〕−5を調製した。
さらに、下記感光液〔B〕を、本発明の共重合体(f)を用いて調製した。これらの感光液を上記アルミニウム板上に塗布し、80℃で30分乾燥してそれぞれの感光性平版印刷版〔A〕−1〜〔A〕−5および〔B〕を作成した。この時の塗布量は2.0g/m2 であった。
なお、感光液〔A〕−1〜〔A〕−5に用いた本発明の共重合体は表2に示した。
【0037】
Figure 0003662061
【0038】
次に、比較例として下記の感光液〔C〕を感光液〔A〕および〔B〕と同様に塗布し、感光性平版印刷版〔C〕を作製した。乾燥後の塗布重量は2.0g/m2 であった。
Figure 0003662061
【0039】
感光性平版印刷板〔A〕−1〜5、〔B〕および〔C〕の感光層上にコダックスケールタブレットNo.2と線画および網点画像からなるポジフィルムを密着させ、3KWの水銀灯で焼付けた後、シルバンポジ用現像液No.4(岡本化学工業社製、主成分として、水酸化カリウムとケイ酸ナトリウムおよび水からなる現像液)の10倍希釈水溶液で25℃で30秒間浸漬現像した。
【0040】
得られた平版印刷版〔A〕−1〜5、〔B〕および〔C〕を用いて市販の通常のオフセットインキ(大日本インキ化学工業社製、Fグロス墨85)およびUVインキ(東洋インキ製造社製、フラッシュドライ墨APN)を用いて上質紙に印刷した。平版印刷版〔A〕−1〜5、〔B〕および〔C〕の最終印刷枚数を調べたところ表2に示す通りであった。
【0041】
表2からわかるように、本発明の共重合体を用いた平版印刷版〔A〕−1〜5、〔B〕(実施例1〜6)は、比較例の〔C〕と比べて通常のオフセットインキおよびUVインキのどちらかを用いた場合においても印刷枚数が多く耐刷性が優れていることが分かる。
【0042】
【表2】
Figure 0003662061
【0043】
次に、上記感光性平版印刷版〔A〕−1〜5、〔B〕および〔C〕につき、耐溶剤性ならびにアンダー現像における現像許容性を以下の方法により評価した。耐溶剤性の評価
UVインキ洗浄液ダイキュア洗油A(大日本インキ化学工業社製)原液に浸漬し、画像部が侵され、溶け出すまでの時間を比較する。
現像許容性の評価
実施例1〜6および比較例1において使用した現像液を、さらに水で倍に希釈して、現像処理能力を低下させた現像液にて現像したのち、版の印刷での汚れの有無を調べる。
以上の試験結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
Figure 0003662061
【0045】
表3からわかるように、本発明の共重合体を用いた平版印刷版〔A〕−1〜5、〔B〕は、比較例の〔C〕と比べて耐溶剤性ならびにアンダー現像における現像許容性において優れていることがわかる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の感光性組成物を用いた感光性平版印刷版は、耐溶剤性に優れ、通常のインキを用いた場合はもちろんUVインキを用いた場合でも高耐刷性が望められ、良好な印刷物が多数得られる。さらに、処理能力が低下したような現像液でも汚れのない印刷版を得ることができる。

Claims (1)

  1. キノンジアジド化合物とアルカリ可溶性共重合体を主剤として成る感光性組成物において、上記アルカリ可溶性共重合体が、N−(p−ヒドロキシフェニル)マレイミドまたはN−(p−カルボキシフェニル)マレイミド30〜60重量%、アクリロニトリル10〜50重量%、N−(p−アミノスルホニルフェニル)マレイミドおよび/またはN−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド1〜40重量%の範囲内で共重合した共重合体であることを特徴とする感光性組成物。
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