JP3661533B2 - 印刷配線板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷配線板のビアホールの構造およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
導体回路を多層化した印刷配線板の製造方法を大別すると、積層式とビルドアップ式に分類される。
【0003】
一般に積層式とは、複数の予め導体回路が形成されたコア基板を絶縁樹脂層(以下、絶縁層と称する)を介して積層するものをいう。その後、コア基板及び絶縁層に対して貫通孔又は非貫通孔のビアホール(バイアホール)を形成し、ビアホールの内部に銅めっきする。このように、積層式とは、複数のコア基板を積層し、ビアホールの内部の銅めっきを介して複数のコア基板に形成される各導体回路同士を電気的に接続することによって多層化を行う印刷配線板の製造方法をいう。
【0004】
一方、ビルドアップ式とは、予め導体回路が形成されたコア基板の上に絶縁層を積層し、この絶縁層の上に導体回路を形成するものをいう。具体的には、まず、コア基板の上に導体回路を形成し、導体回路が形成されたコア基板の上に絶縁層を積層した後、コア基板の導体回路が露出するまで絶縁層に非貫通孔のビアホールを形成し、ビアホールの内部及び絶縁層の上に銅めっきする。次に、絶縁層の上の銅めっきをエッチングし、絶縁層の上に導体回路を形成する。その後、導体回路が形成された絶縁層の上に新たな絶縁層を積層し、新たな絶縁層の上に導体回路を次々に形成して行く。このように、ビルドアップ式とは、絶縁層の上に導体回路を次々に積層し、ビアホールの内部の銅めっきを介して一のコア基板及び複数の絶縁層に形成される各導体回路同士を電気的に接続することによって多層化を行う印刷配線板の製造方法をいう。
【0005】
従来の積層式の印刷配線板を示す図9(b)において、印刷配線板40(内層コア基板10、表層コア基板11、絶縁層3)に対して貫通孔のビアホールを形成する場合には、ドリルまたはレーザ21を用いて貫通孔のビアホールを形成していた。特に、複数の内層コア基板10を多層化する場合には、印刷配線板40の厚さが厚くなってしまう。
【0006】
ここで、ドリル21を用いて印刷配線板40に貫通孔を形成する際には、ドリル21の刃の直径が200μm〜300μm程度大きくないと、貫通孔を形成する途中でドリル21の刃が折れてしまうこともあった。また、途中でドリル21の刃が折れず、直径が100μm程度のドリル21の刃を使用することも考えられるが、直径が100μm程度のドリル21の刃はとても高価であり、ドリル21の刃は使用すると磨耗してしまう。即ち、ドリル21の刃の直径が100μm程度であるドリル21加工は、一の貫通孔当たりの製造コストを増加させることとなる。従って、通常のドリル21加工においては、ドリル21の刃の直径が200μm〜300μm程度大きく、コア基板には、ある程度大きい直径で貫通孔が形成されていた。
【0007】
一方、レーザ21を用いて印刷配線板40に貫通孔を形成する際には、ドリルの21刃の直径よりも小さなレーザ21径の直径を用いることができるが、印刷配線板40に形成される貫通孔の直径は100μm〜200μm程度が限界であった。なぜなら、照射するレーザ21径の直径を小さくしても、照射するレーザ21光自身の干渉効果によって、照射方向に対してレーザ21径の直径が広がってしまうからである。例えば、表層コア基板11の表面でレーザ径の直径が50μmであったとしても、レーザ21の波長が10.6μmである場合には、表層コア基板11の表面から200μm下でレーザ21径の直径が74μmに広がってしまう。従って、レーザ21加工においても、コア基板には、ある程度大きい直径で貫通孔が形成されるため、コア基板の上に形成される導体回路の高密度化に限界があった。
【0008】
また、従来のビルドアップ式の印刷配線板40を示す図9(a)において、レーザ20を用いて印刷配線板40に半貫通孔を形成する際には、印刷配線板40の表面の銅パターン2をマスクとして開口部4から下層の導体回路(内層コア基板の上の銅パターン2)が露出するまで絶縁層3に非貫通孔のビアホールを形成していた。しかしながら、レーザ20の照射光と下層の導体回路からの反射光とが干渉し、導体回路の表面で照射光は反射光によって打ち消されてしまう。従って、下層の導体回路の表面に絶縁樹脂が残留し、下層の導体回路の表面を完全に露出させることができなかった。即ち、ビアホールの底部に下層の導体回路の表面が完全に露出しないまま、ビアホールの内部を銅めっきをしても、ビアホールの銅めっきを介して下層の導体回路と上層の導体回路とを電気的に接続する際、接続信頼性が低いという問題があった。
【0009】
かかる問題を解消するために、下層の導体回路の表面に残留した絶縁樹脂を過マンガン酸カリウム液によりデスミア処理することが知られている。また、従来の積層式おいても、ビアホールの底部に下層の導体回路の表面を露出させることはできず、下層の導体回路の表面に絶縁樹脂が残留しまう。例えば、特開平10−335828号公報(公報1)の図1(c)中のビアホール12、13の底部に下層の導体回路を露出させることはできない。従って、この場合にも公報1の段落0022に記載されるように、デスミア処理を行うことによって、公報1の図1(c)中のビアホール12、13の底部に下層の導体回路を露出させることとしていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上の特開平10−335828号公報等で知られるデスミア処理にあってもさらに次のような問題があった。
【0011】
例えば、ビアホールの直径が細く、ビアホールの底部が深いと、過マンガン酸カリウム液がビアホールの底部にまで浸入しない場合もあり、ビアホールの底部に残留した絶縁樹脂を完全にデスミア処理できないこととなる。また、デスミア処理を何度も行い、過マンガン酸カリウム液が疲労した場合にも、ビアホールの底部に残留した絶縁樹脂を完全にデスミア処理できないこととなる。即ち、デスミア処理が不完全である場合には、下層の導体回路と上層の導体回路とをビアホールの内部の銅めっきを介して電気的に接続する際、接続信頼性が低いという問題があった。
更に、デスミア処理工程を行う場合には、印刷配線板の製造装置に専用装置を設けることが必要である。
【0012】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、デスミア処理を行うことなく、且つ下層の導体回路と上層の導体回路とをビアホールを介して電気的に接続する際、接続信頼性が高いビアホールを形成することができ、導体回路の高密度化することができる、印刷配線板、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本出願第1の発明は、内層コア基板に内層貫通孔を形成する工程と、
前記内層貫通孔の壁に内層導体壁を形成して内層ビアホールを形成する工程と、
前記内層コア基板に内層導体回路を形成する工程と、
前記内層導体回路が形成された後に前記内層ビアホールの内部及び前記内層コア基板の表面に絶縁層を形成する工程と、
レーザ光束を前記絶縁層の表面の所定位置に所定強度で所定量照射して前記所定位置から前記内層導体壁が露出する位置までレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記レーザ穴あけ部の内部に導体層を形成する工程と、
前記レーザ穴あけ部が形成された後に前記絶縁層の表面に表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法である。
【0014】
したがって本出願第1の発明の印刷配線板の製造方法によれば、内層コア基板に予め設けられた内層貫通孔の壁に形成された内層導体壁に向かってレーザ光束を照射するので、内層導体壁面でレーザ光束の照射光(入射光)の強度が内層導体壁面からの反射光との干渉によって弱まらない。これにより、レーザ光束で内層導体壁面に接する樹脂を蒸発除去し、レーザ穴あけ部に内層導体壁面を露出させることができる。従って、レーザ穴あけ部の内部に内層導体壁に電気的に接続される導体層を形成する際に、デスミア処理を行う必要がないという利点がある。
また、本出願第1の発明の印刷配線板の製造方法によれば、内層導体回路を内層導体壁に電気的に接続し、表面導体回路を導体層に電気的に接続するので、内層導体回路及び表面導体回路が内層導体壁及び導体層を介して電気的に接続される際に、接続信頼性が高いという利点がある。
【0015】
尚、絶縁層の表面の所定位置とは、例えば、内層ビアホールの中心軸を内層導体壁まで平行移動させた中心軸と絶縁層の表面とが交わる位置、内層ビアホールの中心軸と絶縁層の表面とが交わる位置等がある。所定位置からレーザ光束を照射する際のレーザ光束の進行方向に内層導体壁がありさえすればよい。また、所定強度とは、例えば、レーザ光束によって食刻される樹脂の直径のレーザ径を有する強度、レーザ光束によって食刻される樹脂の直径よりも小さいレーザ径を有する強度等がある。所定強度によって、樹脂が食刻されさえすればよい。また、所定量とは、所定位置から内層導体壁が露出する位置までに存在する樹脂の量を蒸発除去させることのできるレーザエネルギー量である。
【0016】
また前記課題を解決する本出願第2の発明は、内層コア基板に内層貫通孔を形成する工程と、
前記内層貫通孔の壁に内層導体壁を形成して内層ビアホールを形成すると共に、前記内層コア基板の表面に内層導体層を形成する工程と、
前記内層導体層をエッチング処理して内層導体回路を形成する工程と、
前記内層ビアホールの内部に樹脂を充填して充填絶縁層を形成する工程と、
前記内層導体回路及び前記充填絶縁層が形成された後に前記内層コア基板の表面に絶縁層を形成する工程と、
レーザ光束を前記絶縁層の表面の所定位置に所定強度で所定量照射して前記所定位置から前記内層導体壁が露出する位置までレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記レーザ穴あけ部の内部に導体層を形成すると共に、前記絶縁層の表面に表面導体層を形成する工程と、
前記表面導体層をエッチング処理して表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法である。
【0017】
したがって本出願第2の発明の印刷配線板の製造方法によれば、内層コア基板に予め設けられた内層貫通孔の壁に形成された内層導体壁に向かってレーザ光束を照射するので、レーザ穴あけ部に内層導体壁面を露出させることができる。従って、レーザ穴あけ部の内部に内層導体壁に電気的に接続される導体層を形成する際に、デスミア処理を行う必要がないという利点がある。
また、本出願第2の発明の印刷配線板の製造方法によれば、内層導体層をエッチング処理して形成された内層導体回路を内層導体壁に電気的に接続し、表面導体層をエッチング処理して形成された表面導体回路を導体層に電気的に接続するので、内層導体回路及び表面導体回路が内層導体壁及び導体層を介して電気的に接続される際に、接続信頼性が高いという利点がある。
尚、本出願第2の発明に係る所定位置、所定強度、及び所定量とは、本出願第1の発明に係るものと同義である。
【0018】
また前記課題を解決する本出願第3の発明は、内層コア基板に内層貫通孔を形成する工程と、
前記内層貫通孔の壁面を成す内層導体壁及び前記内層コア基板の表面の内層導体回路を形成する工程と、
前記内層貫通孔の内部及び前記内層コア基板の表面に絶縁層を形成すると共に、前記絶縁 の表面に金属層を形成する工程と、
前記内層導体壁の上方位置に対応する前記金属層をエッチング処理して前記絶縁層の表面の所定位置が露出するように開口部を形成する工程と、
レーザ光束を前記所定位置に所定強度で所定量照射して前記所定位置から前記内層導体壁が露出する位置までレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記レーザ穴あけ部の壁面を成す導体層及び前記絶縁層の表面の表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法である。
【0019】
したがって本出願第3の発明の印刷配線板の製造方法によれば、内層コア基板に予め設けられた内層貫通孔の壁に形成された内層導体壁に向かってレーザ光束を照射する際に伝導層をマスクとして開口部からレーザ光束の照射を行うができる。即ち、絶縁層の表面の所定位置が露出する開口部から確実に内層導体壁に向かってレーザ光束を照射し、レーザ穴あけ部に内層導体壁を確実に露出させることができる。従って、デスミア処理を行う必要がなく、接続信頼性が高いという利点がある。
【0020】
また前記課題を解決する本出願第4の発明は、内層コア基板に内層貫通孔を形成する工程と、
前記内層貫通孔の壁面を成す内層導体壁及び前記内層コア基板の表面の内層導体回路を形成する工程と、
前記内層貫通孔の内部及び前記内層コア基板の表面に絶縁層を形成する工程と、
レーザ光束を前記絶縁層の表面の所定位置に所定強度で所定量照射して前記所定位置から前記内層導体壁が露出する位置までレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記レーザ穴あけ部の壁面の導体層及び前記絶縁層の表面の表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法である。
【0021】
したがって本出願第4の発明の印刷配線板の製造方法によれば、レーザ光束を照射する際に伝導層をマスクとして形状が略円である開口部からレーザ光束の照射を行うができる。この際、レーザ直径が開口部の直径以上であるレーザ光束の照射を行うので、レーザ光束の照射誤差があったとしても、レーザ光束で開口部に露出する樹脂を蒸発除去してレーザ穴あけ部に内層導体壁を確実に露出させることができる。従って、デスミア処理を行う必要がなく、接続信頼性が高いという利点がある。
尚、所定強度によって、開口部に露出する樹脂を蒸発除去することが好ましい。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
また前記課題を解決する本出願第の発明は、表層コア基板に表層貫通孔を形成する工程と、
前記表層貫通孔の壁面を成す表層導体壁を形成する工程と、
内層コア基板に導体パターンを形成する工程と、
前記表層コア基板と前記内層コア基板の間、及び前記表層コア基板の貫通孔の内部に絶縁層を形成する工程と、
前記表層コア基板側から、前記表層導体壁の壁面に接するレーザ光束を照射して前記表層導体壁を露出し、且つ前記内層コア基板に至るレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記レーザ穴あけ部の壁面に導体層を形成する工程と、を有することを特徴する印刷配線板の製造方法である。
【0027】
したがって本出願第の発明の印刷配線板の製造方法によれば、第1及び第2の表層コア基板のそれぞれに予め設けられた表層貫通孔の壁に形成された第1及び第2の表層導体壁のそれぞれに向かってレーザ光束を照射するので、第1及び第2の表層導体壁面のそれぞれでレーザ光束の照射光(入射光)の強度が第1及び第2の表層導体壁面のそれぞれからの反射光との干渉によって弱まらない。これにより、レーザ光束で第1及び第2の表層導体壁面のそれぞれに接する樹脂を蒸発除去し、第1のレーザ穴あけ部に第1及び第2の表層導体壁面のそれぞれを露出させることができる。従って、第1のレーザ穴あけ部の内部に第1及び第2の表層導体壁面のそれぞれに電気的に接続される導体層を形成する際に、デスミア処理を行う必要がないという利点がある。
また、本出願第の発明の印刷配線板の製造方法によれば、表面導体回路のそれぞれを第1又は第2の表層導体壁面に電気的に接続するので、表面導体回路のそれぞれが第1及び第2の表層導体壁及び導体層を介して電気的に接続される際に、接続信頼性が高いという利点がある。
【0028】
尚、第1の表層ビアホールの第1の所定位置とは、例えば、第1の表層ビアホールの中心軸を第1の表層導体壁まで平行移動させた中心軸と第1の表層導体壁の最上部とが接する位置、第1の表層ビアホールの中心軸と第1の表層ビアホールの内部に満たされた充填絶縁層の表面とが交わる位置等がある。
また、第2の表層ビアホールの第2の所定位置とは、例えば、第2の表層ビアホールの中心軸を第2の表層導体壁まで平行移動させた中心軸と第1の表層導体壁の最下部とが接する位置、第2の表層ビアホールの中心軸と第2の表層ビアホールの内部に満たされた充填絶縁層の裏面とが交わる位置等がある。
従って、第1の表層ビアホールの第1の所定位置の下に第2の表層ビアホールの第2の所定位置が重なるようにとは、例えば、第1の表層導体壁の最上部の下に第2の表層導体壁の最下部が重なるように、第1の表層ビアホールの中心軸と第2の表層ビアホールの中心軸とが重なるように等があり、第1の表層ビアホールの下に第2の表層ビアホールを配置して第1及び第2の表層導体壁のそれぞれに向かってレーザ光束を照射できさえすればよい。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
また前記課題を解決する本出願第の発明は、内層コア基板に内層貫通孔を形成する工程と、
前記内層貫通孔の壁に内層導体壁を形成して内層ビアホールを形成する工程と、
前記内層コア基板に内層導体回路を形成する工程と、
前記内層ビアホールの内部に樹脂を充填して第1の充填絶縁層を形成する工程と、
第1の表層コア基板に第1の表層貫通孔を形成する工程と、
前記第1の表層貫通孔の壁に第1の表層導体壁を形成して第1の表層ビアホールを形成する工程と、
第2の表層コア基板に第2の表層貫通孔を形成する工程と、
前記第2の表層貫通孔の壁に第2の表層導体壁を形成して第2の表層ビアホールを形成する工程と、
前記内層導体回路及び前記第1の充填絶縁層が形成された後に、前記第1の表層ビアホールの第1の所定位置の下に前記内層ビアホールの第2の所定位置が重なるように、且つ 第2の表層ビアホールの第3の所定位置の上に前記第2の所定位置が重なるように前記内層コア基板、前記第1の表層コア基板、及び前記第2の表層コア基板の位置を調整し、前記内層コア基板、前記第1の表層コア基板、及び前記第2の表層コア基板のそれぞれの間に絶縁層を形成すると共に、前記第1の表層ビアホールの内部及び前記第2の表層ビアホールの内部に樹脂を充填して第2の充填絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層及び前記第2の充填絶縁層が形成された後に、第1のレーザ光束を前記第1の所定位置に第1の所定強度で第1の所定量照射して前記第1の所定位置から前記内層導体壁が露出する位置まで第1のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記絶縁層及び前記第2の充填絶縁層が形成された後に、第2のレーザ光束を前記第3の所定位置に第2の所定強度で第2の所定量照射して前記第3の所定位置から前記内層導体壁が露出する位置まで第2のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記第1のレーザ穴あけ部の内部及び前記第2のレーザ穴あけ部の内部に導体層を形成する工程と、
前記第1のレーザ穴あけ部及び前記第2のレーザ穴あけ部が形成された後に、前記第1の表層コア基板の外面及び前記第2の表層コア基板の外面に表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法である。
【0039】
したがって本出願第の発明の印刷配線板の製造方法によれば、第1のレーザ穴あけ部に第1の表層導体壁面及び内層導体壁面を露出させ、第2のレーザ穴あけ部に第2の表層導体壁面及び内層導体壁面を露出させるので、露出する内層導体壁の面積が増し、更に確実に内層導体壁面を露出することができる。従って、デスミア処理を行う必要がなく、接続信頼性が高いという利点がある。
【0040】
また前記課題を解決する本出願第の発明は、内層コア基板に第1の内層貫通孔を形成する工程と、
前記内層コア基板に第2の内層貫通孔を形成する工程と、
前記第1の内層貫通孔の壁に第1の内層導体壁を形成して第1の内層ビアホールを形成する工程と、
前記第2の内層貫通孔の壁に第2の内層導体壁を形成して第2の内層ビアホールを形成する工程と、
前記内層コア基板に内層導体回路を形成する工程と、
前記第1の内層ビアホール及び前記第2の内層ビアホールの内部に樹脂を充填して第1の充填絶縁層を形成する工程と、
第1の表層コア基板に第1の表層貫通孔を形成する工程と、
前記第1の表層貫通孔の壁に第1の表層導体壁を形成して第1の表層ビアホールを形成する工程と、
第2の表層コア基板に第2の表層貫通孔を形成する工程と、
前記第2の表層貫通孔の壁に第2の表層導体壁を形成して第2の表層ビアホールを形成する工程と、
前記内層導体回路及び前記第1の充填絶縁層が形成された後に、前記第1の表層ビアホールの第1の所定位置の下に前記第1の内層ビアホールの第2の所定位置が重なるように、且つ前記第2の表層ビアホールの第3の所定位置の上に前記第2の内層ビアホールの第4の所定位置が重なるように前記内層コア基板、前記第1の表層コア基板、及び前記第2の表層コア基板の位置を調整し、前記内層コア基板、前記第1の表層コア基板、及び前記第2の表層コア基板のそれぞれの間に絶縁層を形成すると共に、前記第1の表層ビアホールの内部及び前記第2の表層ビアホールの内部に樹脂を充填して第2の充填絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層及び前記第2の充填絶縁層が形成された後に、第1のレーザ光束を前記第1の所定位置に第1の所定強度で第1の所定量照射して前記第1の所定位置から前記第1の内層導体壁が露出する位置まで第1のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記絶縁層及び前記第2の充填絶縁層が形成された後に、第2のレーザ光束を前記第3の所定位置に第2の所定強度で第2の所定量照射して前記第3の所定位置から前記第2の内層導体壁が露出する位置まで第2のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記第1のレーザ穴あけ部の内部及び前記第2のレーザ穴あけ部の内部に導体層を形成する工程と、
前記第1のレーザ穴あけ部及び前記第2のレーザ穴あけ部が形成された後に、前記第1の表層コア基板の外面及び前記第2の表層コア基板の外面に表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法である。
【0041】
したがって本出願第の発明の印刷配線板の製造方法によれば、内層コア基板に予め第1及び第2の内層導体壁を形成し、第1のレーザ穴あけ部に第1の表層導体壁面及び第1の内層導体壁面を露出させ、第2のレーザ穴あけ部に第2の表層導体壁面及び第2の内層導体壁面を露出させるので、デスミア処理を行う必要がなく、接続信頼性が高いという利点がある。
【0042】
また前記課題を解決する本出願第の発明は、内層コア基板に内層貫通孔を形成する工程と、
前記内層貫通孔の壁に内層導体壁を形成して内層ビアホールを形成すると共に、前記内層コア基板の両面に内層導体層を形成する工程と、
前記内層導体層をエッチング処理して第1の内層導体回路を形成する工程と、
前記内層ビアホールの内部に樹脂を充填して第1の充填絶縁層を形成する工程と、
第1の表層コア基板に第1の表層貫通孔を形成する工程と、
前記第1の表層貫通孔の壁に第1の表層導体壁を形成して第1の表層ビアホールを形成すると共に、前記第1の表層コア基板の両面に第1の表層導体層を形成する工程と、
前記第1の前記表層導体層の裏面をエッチング処理して第2の内層導体回路を形成する工程と、
第2の表層コア基板に第2の表層貫通孔を形成する工程と、
前記第2の表層貫通孔の壁に第2の表層導体壁を形成して第2の表層ビアホールを形成すると共に、第2の前記表層コア基板の両面に第2の表層導体層を形成する工程と、
前記第2の表層導体層の表面をエッチング処理して第3の内層導体回路を形成する工程と、
前記第1の内層導体回路、前記第1の充填絶縁層、前記第2の内層導体回路、及び前記第3の内層導体回路が形成された後に第1の前記表層ビアホールの第1の所定位置の下に前記内層ビアホールの第2の所定位置が重なるように、且つ前記第2の表層ビアホールの第3の所定位置の上に前記第2の所定位置が重なるように前記内層コア基板、前記第1の表層コア基板、及び前記第2の表層コア基板の位置を調整し、前記内層コア基板、前記第1の表層コア基板、及び前記第2の表層コア基板のそれぞれの間に絶縁層を形成すると共に、前記第1の表層ビアホールの内部及び前記第2の表層ビアホールの内部に樹脂を充填して第2の充填絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層及び前記第2の充填絶縁層が形成された後に第1のレーザ光束を前記第1の所定位置に第1の所定強度で第1の所定量照射して前記第1の所定位置から前記内層導体壁が露出する位置まで第1のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記絶縁層及び前記第2の充填絶縁層が形成された後に第2のレーザ光束を前記第3の所定位置に第2の所定強度で第2の所定量照射して前記第3の所定位置から前記内層導体壁が露出する位置まで第2のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記第1のレーザ穴あけ部の内部及び前記第2のレーザ穴あけ部の内部に導体層を形成すると共に、前記第1の表層導体層の表面及び前記第2の表層導体層の裏面に表面導体層を形成する工程と、
前記表面導体層をエッチング処理して表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法である。
【0043】
また前記課題を解決する本出願第の発明は、内層コア基板に第1の内層貫通孔を形成する工程と、
前記内層コア基板に第2の内層貫通孔を形成する工程と、
前記第1の内層貫通孔の壁に第1の内層導体壁を形成して第1の内層ビアホールを形成し、且つ前記第2の内層貫通孔の壁に第2の内層導体壁を形成して第2の内層ビアホールを形成すると共に、前記内層コア基板の両面に内層導体層を形成する工程と、
前記内層導体層をエッチング処理して第1の内層導体回路を形成する工程と、
前記第1の内層ビアホール及び前記第2の内層ビアホールの内部に樹脂を充填して第1の充填絶縁層を形成する工程と、
第1の表層コア基板に第1の表層貫通孔を形成する工程と、
前記第1の表層貫通孔の壁に第1の表層導体壁を形成して第1の表層ビアホールを形成すると共に、前記第1の表層コア基板の両面に第1の表層導体層を形成する工程と、
前記第1の表層導体層の裏面をエッチング処理して第2の内層導体回路を形成する工程と、
第2の表層コア基板に第2の表層貫通孔を形成する工程と、
前記第2の表層貫通孔の壁に第2の表層導体壁を形成して第2の表層ビアホールを形成すると共に、前記第2の表層コア基板の両面に第2の表層導体層を形成する工程と、
前記第2の表層導体層の表面をエッチング処理して第3の内層導体回路を形成する工程と、
前記第1の内層導体回路、前記第1の充填絶縁層、前記第2の内層導体回路、及び前記第3の内層導体回路が形成された後に、前記第1の表層ビアホールの第1の所定位置の下に前記第1の内層ビアホールの第2の所定位置が重なるように、且つ前記第2の表層ビアホールの第3の所定位置の上に前記第2の内層ビアホールの第4の所定位置が重なるように前記内層コア基板、前記第1の表層コア基板、及び前記第2の表層コア基板の位置を調整し、前記内層コア基板、前記第1の表層コア基板、及び前記第2の表層コア基板のそれぞれの間に絶縁層を形成すると共に、前記第1の表層ビアホールの内部及び前記第2の表層ビアホールの内部に樹脂を充填して第2の充填絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層及び前記第2の充填絶縁層が形成された後に第1のレーザ光束を前記第1の所定位置に第1の所定強度で第1の所定量照射して前記第1の所定位置から前記第1の内層導体壁が露出する位置まで第1のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記絶縁層及び前記第2の充填絶縁層が形成された後に第2のレーザ光束を前記第3の所定位置に第2の所定強度で第2の所定量照射して前記第3の所定位置から前記第2の内層導体壁が露出する位置まで第2のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記第1のレーザ穴あけ部の内部及び前記第2のレーザ穴あけ部の内部に導体層を形成すると共に、前記第1の表層導体層の表面及び前記第2の表層導体層の裏面に表面導体層を形成する工程と、
前記表面導体層をエッチング処理して表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法である。
【0044】
したがって本出願第の発明又は本出願第の発明の印刷配線板の製造方法によれば、レーザ穴あけ部に導体壁面のそれぞれを露出させるので、デスミア処理を行う必要がなく、接続信頼性が高いという利点がある。
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
また前記課題を解決する本出願第10の発明は、基板面に錐状或いは柱状の半貫通孔を形成する工程と、
前記半貫通孔の壁面を成す内層導体壁及び前記基板面の内層導体回路を形成する工程と、
前記基板面及び前記半貫通孔の内部に絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層の表面の前記内層導体壁の位置にレーザ光束を照射し前記内層導体壁を露出させるレーザ穴あけ部を形成する工程と、
デスミア処理を行わずに前記レーザ穴あけ部の壁面に導体壁を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法である。
【0069】
したがって本出願第10の発明の印刷配線板の製造方法によれば、レーザ光束の広がりを利用することにより、第1又は第2のレーザ穴あけ部に第1又は第2の表層ビアホールを入射するレーザ光束で第1及び第2の表層導体壁の全てを露出させることができる。続けて、第1又は第2の表層ビアホールを出射したレーザ直径の広がったレーザ光束で第1又は第2のレーザ穴あけ部に内層導体壁を確実に露出させることができる。
【0070】
また前記課題を解決する本出願第11の発明は、内層コア基板に内層半貫通孔を形成する工程と、
前記半貫通孔の壁に内層半貫通孔導体壁を形成して内層半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
前記内層コア基板に内層導体回路を形成する工程と、
前記内層導体回路が形成された後に前記内層半貫通孔ビアホールの内部及び前記内層コア基板の表面に絶縁層を形成する工程と、
レーザ光束を前記絶縁層の表面の所定位置に所定強度で所定量照射して前記所定位置から前記内層半貫通孔導体壁が露出する位置までレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記レーザ穴あけ部の内部に導体層を形成する工程と、
前記レーザ穴あけ部が形成された後に前記絶縁層の表面に表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法である。
【0071】
したがって本出願第11の発明の印刷配線板の製造方法によれば、内層コア基板に予め設けられた内層貫通孔の壁に形成された内層半貫通孔導体壁面に向かってレーザ光束を照射するので、内層半貫通孔導体壁面を露出させることができる。従って、レーザ穴あけ部の内部に内層半貫通孔導体壁面に電気的に接続される導体層を形成する際に、デスミア処理を行う必要がないという利点がある。
また、本出願第11の発明の印刷配線板の製造方法によれば、内層導体回路を内層半貫通孔導体壁に電気的に接続し、表面導体回路を導体層に電気的に接続するので、内層導体回路及び表面導体回路が内層半貫通孔導体壁及び導体層を介して電気的に接続される際に、接続信頼性が高いという利点がある。
尚、絶縁層の表面の所定位置とは、例えば、内層半貫通孔ビアホールの中心軸と絶縁層の表面とが交わる位置等がある。
【0072】
また前記課題を解決する本出願第12の発明は、内層コア基板に内層半貫通孔を形成する工程と、
前記半貫通孔の壁に内層半貫通孔導体壁を形成して内層半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
前記内層コア基板に内層導体回路を形成すると共に、前記内層コア基板の表面にストップパターン導体層を形成する工程と、
前記内層導体回路及び前記ストップパターン導体層が形成された後に、前記内層半貫通孔ビアホールの内部及び前記内層コア基板の表面に第1の絶縁層を形成する工程と、
第1のレーザ光束を前記第1の絶縁層の表面の第1の所定位置に第1の所定強度で第1の所定量照射して前記第1の所定位置から前記内層半貫通孔導体壁が露出する位置まで第1のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
第2のレーザ光束を前記第1の絶縁層の表面の第2の所定位置に第2の所定強度で第2の所定量照射して前記第2の所定位置から前記ストップパターン導体層の表面が露出しない位置まで第2のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記第1のレーザ穴あけ部の内部に第1の導体層を形成して第1の半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
前記第2のレーザ穴あけ部の内部に第2の導体層を形成して第2の半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
前記第1のレーザ穴あけ部及び前記第2のレーザ穴あけ部が形成された後に前記第1の絶縁層の表面に第1の導体回路を形成する工程と、
前記第1の導体回路、前記第1の導体層、及び前記第2の導体層が形成された後に前記第1の半貫通孔ビアホールの内部、前記第2の半貫通孔ビアホールの内部、及び前記第1の絶縁層の表面に第2の絶縁層を形成する工程と、
第3及び/又は第4のレーザ光束を前記第2の絶縁層の表面の第3及び/又は第4の所定位置に第3及び/又は第4の所定強度で第3及び/又は第4の所定量照射して前記第3及び/又は第4の所定位置から前記第1及び/又は第2の導体層が露出する位置まで第3及び/又は第4のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記第3及び/又は第4のレーザ穴あけ部の内部に第3及び/又は第4の導体層を形成して第3及び/又は第4の半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
前記第3及び/又は第4のレーザ穴あけ部が形成された後に前記第2の絶縁層の表面に表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法である。
【0073】
したがって本出願第12の発明の印刷配線板の製造方法によれば、レーザ光束を照射する際、内層半貫通孔導体壁、第1の導体層、第2の導体層、第3及び/又は第4の導体層を露出させることができる。
尚、第1の絶縁層の表面の第2の所定位置とは、例えば、ストップパターン導体層を第1の絶縁層の表面まで平行移動させたストップパターン導体層を上から見た時の中心点とする位置等がある。また、ストップパターン導体層の表面が露出しない位置とは、例えば、第2の所定位置からストップパターン導体層へ向かって照射するレーザ光束の強度がストップパターン導体層から反射光によって弱められ、ストップパターン導体層の上に残留する樹脂の位置、第2の所定位置とストップパターン導体層の中心点とする位置との中間位置等である。
また、第2の絶縁層の表面の第3の所定位置とは、例えば、第1の内層半貫通孔ビアホールの中心軸と第2の絶縁層の表面とが交わる位置等があり、第2の絶縁層の表面の第3の所定位置とは、例えば、第2の内層半貫通孔ビアホールの中心軸と第2の絶縁層の表面とが交わる位置等がある。
【0074】
また前記課題を解決する本出願第13の発明は、内層コア基板に内層半貫通孔を形成する工程と、
前記半貫通孔の壁に内層半貫通孔導体壁を形成して内層半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
前記内層コア基板に内層導体回路を形成する工程と、
前記内層導体回路が形成された後に前記内層半貫通孔ビアホールの内部及び前記内層コア基板の表面に第1の絶縁層を形成する工程と、
第1のレーザ光束を前記第1の絶縁層の表面の第1の所定位置に第1の所定強度で第1の所定量照射して前記第1の所定位置から前記内層半貫通孔導体壁が露出する位置まで第1のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
第2のレーザ光束を前記第1の絶縁層の表面の第2の所定位置に第2の所定強度で第2の所定量照射して前記第2の所定位置から前記内層コア基板の表面が露出しない位置まで第2のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記第1のレーザ穴あけ部の内部に第1の導体層を形成して第1の半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
前記第2のレーザ穴あけ部の内部に第2の導体層を形成して第2の半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
前記第1のレーザ穴あけ部及び前記第2のレーザ穴あけ部が形成された後に前記第1の絶縁層の表面に第1の導体回路を形成する工程と、
前記第1の導体回路、前記第1の導体層、及び前記第2の導体層が形成された後に前記第1の半貫通孔ビアホールの内部、前記第2の半貫通孔ビアホールの内部、及び前記第1の絶縁層の表面に第2の絶縁層を形成する工程と、
第3及び/又は第4のレーザ光束を前記第2の絶縁層の表面の第3及び/又は第4の所定位置に第3及び/又は第4の所定強度で第3及び/又は第4の所定量照射して前記第3及び/又は第4の所定位置から前記第1及び/又は第2の導体が露出する位置まで第3及び/又は第4のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
前記第3及び/又は第4のレーザ穴あけ部の内部に第3及び/又は第4の導体層を形成して第3及び/又は第4の半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
前記第3及び/又は第4のレーザ穴あけ部が形成された後に前記第2の絶縁層の表面に表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法である。
【0075】
したがって本出願第13の発明の印刷配線板の製造方法によれば、レーザ光束を照射する際、内層半貫通孔導体壁、第1の導体層、第2の導体層、第3及び/又は第4の導体層を露出させることができる。
尚、第1の絶縁層の表面の第2の所定位置とは、第1の絶縁層の表面の第1の所定位置を除く任意の位置である。また、第2の所定位置から内層コア基板の表面が露出しない位置とは、例えば、第2の所定位置と第2の所定位置を内層コア基板の表面まで平行移動させた位置との中間位置等であり、第2の所定量によって、第2のレーザ穴あけ部の深さを調節できる。従って、第1の絶縁層の表面にストップパターン導体層を形成する必要がない。
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
また前記課題を解決する本出願第14の発明は、コア基板を有し、当該コア基板は中空の孔で壁面に導体壁を有する貫通孔を有し、前記コア基板に形成され、且つ前記導体壁に電気的に接続された第1の導体回路を有し、前記コア基板の表面に接する絶縁層であって前記貫通孔の内部を充填し形成された絶縁層を有し、前記絶縁層の表面の所定位置から前記導体壁が露出する位置まで形成された半貫通孔を有し、前記絶縁層の表面に第2の導体回路を有し、前記半貫通孔の壁面に形成された導体層を有し、当該導体層が前記第2の導体回路及び前記貫通孔の前記導体壁に電気的に接続された構造を有することを特徴とする印刷配線板である。
【0080】
また前記課題を解決する本出願第15の発明は、表層に設けられた第1の導体回路及び貫通孔を具備する表層コア基板を有し、前記表層コア基板の下に設置された内層コア基板を有し、前記内層コア基板は第2の導体回路を有し、前記表層コア基板の前記貫通孔は中空の孔で壁面に導体壁を有し、当該導体壁は前記第1の導体回路に電気的に接続される構造を有し、前記表層コア基板の裏面と前記内層コア基板の間、及び前記表層コア基板の前記貫通孔の内部を充填する絶縁層を有し、前記表層コア基板の表面の所定位置から前記貫通孔の導体壁を露出し、且つ前記内層コア基板に達する半貫通孔を有し、前記半貫通孔の壁面に導体層を有し、当該導体層が前記貫通孔の前記導体壁及び前記第2の導体回路に電気的に接続された構造を有することを特徴とする印刷配線板である。
【0081】
したがって本出願第14の発明又は本出願第15の発明の印刷配線板によれば、コア基板に予め設けられた貫通孔の壁に形成された導体壁を介して第1の導体回路、第2の導体回路、及び導体層が電気的に接続されるので、接続信頼性が高いという利点がある。
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
また前記課題を解決する本出願第16の発明は、コア基板と、
前記コア基板に予め設けられた第1の半貫通孔の壁に形成された半貫通導体壁と、
前記コア基板に形成され、且つ前記半貫通導体壁に電気的に接続された第1の導体回路と、
前記コア基板の上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層の表面の所定位置から前記半貫通導体壁が露出する位置まで形成された第2の半貫通孔と、
前記第2の半貫通孔の内部及び前記絶縁層の上に形成され、且つ前記半貫通導体壁に電気的に接続された導体層と、
前記絶縁層の上に形成された導体層がエッチングされて形成された第2の導体回路と、を有することを特徴とする印刷配線板である。
【0089】
したがって本出願第16の発明の印刷配線板の製造方法によれば、コア基板に予め設けられた半貫通孔の壁に形成された半貫通導体壁のそれぞれを介して第1の導体回路、第2の導体回路、及び導体層が電気的に接続されるので、接続信頼性が高いという利点がある。
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の印刷配線板およびその製造方法につき図面を参照して説明する。
【0096】
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1の印刷配線板の製造方法につき、図1を参照して、説明する。
図1は本発明の実施の形態1の印刷配線板の製造方法を示す工程図である。図1(a)、(b)、(c)、(e) (f)及び(g)は実施の形態1の印刷配線板の断面図である。
【0097】
図1(a)に示す印刷配線板の構造を得るために、まず、内層コア基板10に貫通孔を形成し、この貫通孔及び内層コア基板10の両面に銅めっきし、内層ビアホール30を形成する。ここで、内層コア基板10はエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ガラス繊維エポキシ樹脂、アラミド繊維エポキシ樹脂、ポリイミドエポキシ樹脂等により形成された硬化絶縁樹脂基板であり、内層コア基板10の厚さは50μm〜200μmである。次に、内層コア基板10の両面に形成された銅めっきをエッチングし、内層コア基板10の両面に銅パターン2(内層導体回路)を形成する。
【0098】
次に、図1(b)に示すように、内層コア基板10の両面に絶縁層3付き銅パターン2を積層する。ここで、内層コア基板10の表面及び裏面に形成される各絶縁層3の厚さは約50μmであり、絶縁層3付き銅パターン2を用いずに、内層コア基板10の表面及び裏面に熱硬化性樹脂液をそれぞれ厚さ約50μm印刷し、熱硬化性樹脂液を加熱硬化させて絶縁層3を形成してもよい。熱硬化性樹脂液を加熱硬化することによって絶縁層3を形成した場合には、各絶縁層3の表面に銅めっきし、絶縁層3の表面全体に銅パターン2を形成する。ここで、絶縁層3付き銅パターン2(絶縁層3の表面に形成された銅パターン2)の厚さは10〜30μmである。
【0099】
次に、図1(c)に示すように、内層ビアホール壁面1の一部の上に位置する銅パターン2の一部に開口部4を形成するように、絶縁層3の表面の銅パターン2にエッチングレジストを被覆し、銅パターン2のエッチングを開始する。絶縁層3の表面の銅パターン2に開口部4が形成されるまで銅パターン2のエッチングを行う。エッチングの終了後、エッチングレジストを銅パターン2から剥離する。
【0100】
次に、図1(c)に示すように、炭酸ガスパルスレーザのレーザ光20を開口部4に照射する。ここで、レーザ光20のパルスの照射方向(入射方向)は内層ビアホール壁面1に略平行になるように、レーザ光20のパルスの照射を行う。開口部4から照射されたレーザ光20は絶縁層3に到達し、レーザ光20に接する樹脂はレーザ光20を吸収して蒸発し、レーザ穴あけ部5が形成される。続けて、レーザ光20のパルスの照射を行うと、レーザ穴あけ部5の底部の深さは次第に深くなり、レーザ穴あけ部5に内層ビアホール壁面1の一部(上端)が露出することとなる。ここで、レーザ光20のパルスの照射方向は内層ビアホール壁面1に略平行であるため、内層ビアホール壁面1からの反射光でレーザ光20が打ち消されることはない。従って、レーザ光20により内層ビアホール壁面1近傍の樹脂を完全に蒸発させることができ、内層ビアホール壁面1に樹脂が残留することはない。続けて、レーザ光20のパルスの照射を行い、図1(e)に示すように、レーザ穴あけ部5の底部の位置が、内層ビアホール壁面1の上端と下端との中央位置となるまでレーザ光20のパルスの照射を行う。
【0101】
次に、図1(f)に示すように、レーザ穴あけ部5の内部及び絶縁層3の表面の銅パターン2の表面に銅めっきする。これにより、銅パターン2の表面の銅めっき7を介して内層ビアホール壁面1と絶縁層3の表面の銅パターン2とを電気的に接続することができる。最後に、銅めっき7の上にエッチングレジストのパターンを形成し、図1(g)に示すように、銅めっき7(絶縁層3の表面の銅パターン2を含む)をエッチングし、エッチングレジストを剥離することにより、絶縁層3の表面に銅パターン(表面導体回路)を形成する。
【0102】
次に、実施の形態1に係るレーザ光20のパルスの照射方法につき、図1及び図2を参照して、詳細に説明する。
図1(d)は実施の形態1の印刷配線板の平面図であり、図2(a)は図1(d)に係る開口部4を拡大した図である。
【0103】
図1(d)に示すように、開口部4は内層ビアホール壁面1の一部の上に位置するように形成されている。また、図2(a)に示すように、開口部4の形状は略円であり、且つこの円の中心点は内層ビアホール30の内周上に位置することが好ましい。即ち、内層ビアホール30の中心軸(A)を内層ビアホール壁面1に接するように平行移動し、この平行移動された中心軸(A’)は開口部4の中心点を貫いている。ここで、内層ビアホール30の内径は約300μmであり、開口部4の直径は約80μmである。
【0104】
次に、炭酸ガスレーザのレーザ光20の中心軸が開口部4の中心点を貫くように、レーザ光20の位置調整を行い、開口部4に炭酸ガスレーザのレーザ光20のパルスの照射を開始する。ここで、レーザ光20のレーザ位置合わせ誤差23は約±30μmである。従って、レーザ光20のレーザ径22が、開口部4の直径(80μm)にレーザ位置合わせ誤差23(±30μm)の絶対値を2倍した値を加えた値(80μm+2×|±30μm|=140μm)以上であれば、レーザ光20は開口部4の全領域に照射されることとなる。これにより、レーザ位置合わせに誤差が生じたとしても内層ビアホール壁面1を確実に露出させることができる。尚、レーザ光20をZnSe製凸レンズまたは反射鏡で収束させ、レーザ径22の大きさを変化させることができる。
【0105】
ここで、炭酸ガスレーザのレーザ光20をパルスレーザ光とし、複数のパルスレーザ光によって、絶縁層3を少しづつ食刻することが好ましい。ここで、パルス幅は10n秒〜100μ秒であり、パルスレーザ光の波長は約10.6μmであり、1パルスのエネルギーは約1mJである。レーザ光20が1パルス当たり約1mJのエネルギーを持ち、レーザ光20のレーザ径22が140μmである場合には、開口部4の直径が80μmであるので、絶縁層3に照射される実質的なレーザ径も80μmとなる。従って、1パルス当たり約0.6mJのエネルギーを持つパルスレーザ光によって、絶縁層3を食刻し、レーザ穴あけ部5を形成することができる。ここで、絶縁層3としては、絶縁樹脂であり、且つ炭酸ガスレーザ(レーザの波長は約10.6μm)に対して吸収率が高い樹脂が好ましい。例えば、絶縁層3は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アラミド繊維エポキシ樹脂、ポリイミドエポキシ樹脂等である場合には、レーザ穴あけ部5の深さは1パルスで約10μmである。
【0106】
また、内層コア基板10の表面には約厚さ50μmの樹脂が印刷されているので、5パルス目でレーザ穴あけ部5に内層ビアホール壁面1の一部(上端)が露出することとなる。続けて6パルス目のレーザ光20のパルスの照射を行うと、レーザ光20のパルスの照射方向は内層ビアホール壁面1に略平行であるため、内層ビアホール壁面からの反射光でレーザ光20が打ち消されることはない。従って、レーザ光20により内層ビアホール壁面1近傍の樹脂を完全に蒸発させることができ、内層ビアホール壁面1に樹脂が残留することはない。続けて、7パルス目、8パルス目、9パルス目、10パルス目のレーザ光20のパルスの照射を行い、図1(e)に示すように、レーザ穴あけ部5の底部の位置が、内層ビアホール壁面1の上端と下端との中央位置となるまでレーザ光20のパルスの照射を行い、実施の形態1に係るレーザ光20のパルスの照射方法は終了する。即ち、10パルスでレーザ穴あけ部5の深さが約100μmとなるまで絶縁層3を食刻した。但し、内層ビアホール壁面1の一部が露出していればよく、6パルス目でレーザ光20のパルスの照射方法を終了してもよい。
【0107】
実施の形態1の印刷配線板の製造方法は、本出願発明の一実施形態に過ぎず、開口部4の形状を図2(b)に示す長穴としてもよい。絶縁層3に照射されるレーザ光20のパルスの照射方向は内層ビアホール壁面1に略平行でありさえすればよい。
【0108】
図2(b)は図1(d)に係る開口部4の形状を長穴とした図である。図2(b)に示すように、開口部4の長穴は内層ビアホール30の内周の約1/4を占める弧の上に位置していることが好ましい。即ち、内層ビアホール30の中心軸(A)を内層ビアホール壁面1に接するように平行移動し、この平行移動された中心軸(A’)を内層ビアホール30の内周の約1/4を占める弧の始点とし、平行移動された中心軸(A’)を内層ビアホール30の内周の約1/4を占める弧の終点まで内層ビアホール壁面1に接しながら平行移動した中心軸(A”)の軌跡(A’−A”)は開口部4の長穴を貫いている。ここで、内層ビアホール30の内径は約300μmであり、開口部4の長穴に内接する円の直径は約80μmである。
【0109】
次に、炭酸ガスレーザのレーザ光20の中心軸が開口部4の長穴の下に位置する一部の内層ビアホール壁面1に接するように、レーザ光20の位置調整を行い、開口部4の長穴の一部に炭酸ガスレーザのレーザ光20のパルスの照射を開始する。ここで、レーザ光20のレーザ径22は約140μmである。炭酸ガスレーザのレーザ光20をパルスレーザ光とし、10パルスでレーザ穴あけ部5の深さが約100μmとなるまで絶縁層3を食刻する。
その後、レーザ光20の2度目の位置調整を行い、炭酸ガスレーザのレーザ光20の中心軸が開口部4の長穴の下に位置する別の一部の内層ビアホール壁面1に接するように、開口部4の長穴の別の一部に炭酸ガスレーザのレーザ光20のパルスの照射を再び開始する。1回目のパルスレーザ照射と同様に、10パルスでレーザ穴あけ部5の深さが約100μmとなるまで絶縁層3を食刻する。
その後、2度目の位置調整と同様に、レーザ光20の3度目の位置調整を行い、3度目のパルスレーザ照射を行う。
【0110】
開口部4の形状が長穴であることにより、レーザ光20を開口部4の異なる部分からレーザ照射を複数回行うことができる。従って、レーザ穴あけ部5に露出する内層ビアホール壁面1の面積が増え、内層ビアホール壁面1と絶縁層3の表面の銅パターン2とを電気的に接続する際、接続信頼性を高くすることができる。
【0111】
また、実施の形態1の印刷配線板の製造方法は、実施の形態の構成として、絶縁層3の表面全体に銅パターン2を形成し、この銅パターン2に開口部4を形成しているが、他の実施の形態の構成として、図2(c)、(d)に示すように、内層ビアホール壁面1の一部の上に位置する樹脂にレーザ光20の全てを照射してもよい。基板の伸縮及び基板の位置合わせ精度の誤差の累積でも、±30μm程度の精度でレーザの位置合わせができるため、レーザ穴あけ部5に所望の内層ビアホール壁面1を露出することができる。次に、レーザ穴あけ部5の内部及び絶縁層3の表面全体に銅めっきする。従って、絶縁層3の表面に形成された銅めっき7と内層ビアホール壁面1とを電気的に接続することができる。最後に、銅めっき7をエッチングすることにより、絶縁層3の表面に銅パターン(導体回路)を形成する。
【0112】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2の印刷配線板の製造方法につき図3を参照して説明する。
図3は本発明の実施の形態2の印刷配線板の製造方法を示す工程図である。図3(a)、(b)及び(c)は実施の形態2の印刷配線板の断面図である。尚、実施の形態2の印刷配線板の製造方法は、(実施の形態1)にて示した印刷配線板の製造方法と構成を同じくする部分については説明を省略し、相違点のみを説明する。
また、同一箇所には同一符号を付して説明する。
【0113】
図3(a)に示す印刷配線板の構造を得るために、まず、内層コア基板10に貫通孔を形成し、この貫通孔及び内層コア基板10の両面に銅めっきし、内層ビアホール30を形成する。次に、内層コア基板10に積層する各表層コア基板11にも、それぞれ貫通孔を形成し、各貫通孔及び各表層コア基板11の両面に銅めっきし、それぞれ表層ビアホール31を形成する。尚、各表層ビアホール31の内径は、内層ビアホール30の内径よりも小さく形成されている。
ここで、内層ビアホール30及び各表層ビアホール31を形成すると共に、内層コア基板10及び各表層コア基板11には銅パターン2(内層導体回路)を形成する。
【0114】
次に、内層ビアホール30の中心軸(A)を内層ビアホール壁面1に接するように平行移動し、この平行移動された中心軸(A’)が各表層ビアホール壁面に接し、且つ内層ビアホール30の上下に各表層ビアホール31が位置するように、内層コア基板10及び各表層コア基板11の位置を調整する。次に、プリプレグ(半硬化樹脂)である絶縁層3を内層コア基板10と各表層コア基板11との間に挟み込み、積層プレスで加圧・加熱することにより、絶縁層3を介して内層コア基板10の上下に各表層コア基板11を接着する。
【0115】
次に、図3(a)に示すように、先ず、印刷配線板40の表面からのレーザ光20のパルスの照射を行う。次に、印刷配線板40の裏面からのレーザ光20のパルスの照射を行う。即ち、内層コア基板10及び各表層コア基板11が積層された印刷配線板40の表裏からレーザ光20のパルスの照射を行う。
ここで、印刷配線板40の表面からのレーザ光20のパルスの照射方向が内層ビアホール壁面1及び各表層ビアホール壁面に略平行になるように、レーザ光20の位置調整を行い、レーザ光20のパルスの照射を行う。即ち、レーザ光20の中心軸が、内層ビアホール壁面1に接するように平行移動された内層ビアホール30の中心軸(A’)と略一致するように、レーザ光20の位置調整を行い、レーザ光20のパルスの照射を開始し、表層ビアホール31内の絶縁層3を食刻し始める。続けて、レーザ光20のパルスの照射を行い、印刷配線板40の表面からのレーザ穴あけ部5に内層ビアホール壁面1の一部が露出するまで、レーザ光20のパルスの照射を行い、印刷配線板40の表面からのレーザ光20のパルスの照射方法は終了する。尚、レーザ光20のレーザ径は各表層ビアホール31の内径よりも小さい。
【0116】
また、印刷配線板40の裏面からのレーザ光20のパルスの照射方法は、上述した表面からのレーザ光20のパルスの照射方法と同様に行い、裏面からのレーザ穴あけ部5に内層ビアホール壁面1の一部が露出するまで、レーザ光20のパルスの照射を行うこととする。従って、印刷配線板40の表裏から各レーザ穴あけ部5を形成することができる。
【0117】
次に、図3(b)に示すように、印刷配線板40の表裏に形成された各レーザ穴あけ部5及び各表層コア基板11の外面に銅めっきする。これにより、各表層コア基板11の外面の銅めっき7を介して内層ビアホール壁面1と各表層ビアホール壁面とを電気的に接続することができる。最後に、図3(c)に示すように、各表層コア基板11の外面の銅めっき7をエッチングすることにより、各表層コア基板11の外面に銅パターン(表面導体回路)を形成する。
【0118】
実施の形態2の印刷配線板の製造方法は、本出願発明の一実施形態に過ぎず、図3(a)に係るレーザ光20のパルスの照射方法において、先ず、印刷配線板40の裏面からのレーザ光20のパルスの照射を行い、その後、表面からレーザ光20のパルスの照射を行ってもよい。また、レーザを2個用いて、印刷配線板40の表裏から同時に各レーザ穴あけ部5を形成してもよい。更に、印刷配線板40の表面又は裏面からレーザ光20のパルスの照射によって、印刷配線板40を貫通する1のレーザ穴あけ部5を形成してもよい。また、更に、印刷配線板40の表裏からのレーザ光20のレーザ径は、各表層ビアホール31の内径と略等しく、または内径よりも大きく形成されていてもよい。印刷配線板40の表裏からレーザ光20のパルスの照射することにより、各レーザ穴あけ部5に内層ビアホール壁面1を露出することができさえすればよい。
【0119】
また、実施の形態2の印刷配線板の製造方法は、本出願発明の一実施形態に過ぎず、図3(d)に示すように、内層コア基板10に2個の貫通孔を形成し、2個の内層ビアホール30を形成してもよい。次に、印刷配線板40の表面からのレーザ光20のパルスの照射を行い、レーザ穴あけ部5に1の内層ビアホール30の一部が露出するまで、レーザ光20のパルスの照射を行うこととする。次に、印刷配線板40の裏面からのレーザ光20のパルスの照射を行い、レーザ穴あけ部5に他の内層ビアホール30の一部が露出するまで、レーザ光20のパルスの照射を行うこととする。従って、印刷配線板40の上の表層ビアホールの下に印刷配線板40の下の表層ビアホールが位置しなくとも、1の内層ビアホール30の上に1の表層ビアホール31が位置し、且つ他の内層ビアホール30の下に他の表層ビアホール31が位置しさえすればよい。
【0120】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3の印刷配線板の製造方法につき図4を参照して説明する。
図4は本発明の実施の形態3の印刷配線板の製造方法を示す工程図である。図4は実施の形態3の印刷配線板の断面図である。尚、実施の形態3の印刷配線板の製造方法は、(実施の形態2)にて示した印刷配線板の製造方法と構成を同じくする部分については説明を省略し、相違点のみを説明する。また、同一箇所には同一符号を付して説明する。
【0121】
図4(c)に示すように、実施の形態3の印刷配線板の構造は、実施の形態2の印刷配線板の構造とは異なり、内層ビアホール30の内径が、表層ビアホール31の内径よりも小さく形成されている。
ここで、図4(c)に示す内層コア基板10及び各表層コア基板11は炭酸ガスレーザに対して吸収率が高い樹脂により形成された硬化樹脂基板が好ましい。炭酸ガスレーザに対して吸収率が高い樹脂により形成されたコア基板は、炭酸ガスレーザによって100μmから50μmの小さい直径で貫通孔を形成することができる。また、コア基板がアラミド繊維エポキシ樹脂である場合には、炭酸ガスレーザに対して、アラミド繊維の分解温度は、エポキシ樹脂の分解温度と略等しく、炭酸ガスレーザによって、アラミド繊維エポキシ樹脂に均一な孔をあけることができる。また、コア基板が、ポリイミド樹脂、ポリイミドエポキシ樹脂等である場合にも、コア基板に100μmから50μmの小さい直径で貫通孔を形成することができる。
【0122】
図4(b)に示す印刷配線板の構造を得るために、例えば、先ず、各表層コア基板11に約100μmの直径である貫通孔を炭酸ガスレーザで形成し、表層ビアホール31を形成する。次に、内層コア基板10に約80μmの直径である貫通孔を炭酸ガスレーザで形成し、内層ビアホール30を形成する。その後、実施の形態2の印刷配線板の製造方法と同様に、内層コア基板10及び各表層コア基板11には銅パターン2(内層導体回路)を形成し、絶縁層3を介して内層コア基板10の上下に各表層コア基板11を積層し、接着する。
【0123】
ここで、絶縁層3を介して内層コア基板10の上下に各表層コア基板11を積層し、接着する工程を図4(a)及び図4(b)を参照し、詳細に説明する。
図4(a)に示すように、内層ビアホール30のみに樹脂を充填する。予め内層ビアホール30内を樹脂で満たすのは、その後の積層プレスの加圧・加熱工程において、内層ビアホール30内に空気を残さないためである。積層プレス工程の加圧・加熱工程において、内層ビアホール30内に残された空気が加熱され、内層コア基板10にストレスを与えないように、予め内層ビアホール30内を樹脂で満たしておく。次に、内層コア基板10及び各表層コア基板11の位置を調整する。次に、プリプレグ(半硬化樹脂)である絶縁層3を内層コア基板10と各表層コア基板11との間に挟み込み、積層プレスで加圧・加熱することにより、絶縁層3を介して内層コア基板10の上下に各表層コア基板11を接着する。この積層プレスの加圧・加熱工程において、内層コア基板10と各表層コア基板11との間に挟み込まれたプリプレグの樹脂が、各表層ビアホール31に溶けだし、図4(b)に示す樹脂の流れ41を生じる。これにより、表層ビアホール31は樹脂で満たされることとなる。尚、樹脂の流れ41は、内層コア基板10から各表層コア基板11への一方向への流れであり、表層ビアホール31内に空気を残すことはない。
【0124】
次に、図4(c)に示すように、実施の形態2に係るレーザ光20のパルスの照射方法を行う。ここで、レーザ光20の中心軸が各表層ビアホール31の中心軸と略一致するように、レーザ光20の位置調整を行い、レーザ光20のパルスの照射を開始することが好ましい。この時、内層ビアホール30及び各表層ビアホール31の内径がレーザ光のレーザ径22の直径よりも小さいため、レーザ光20は各表層ビアホール31内に満たされた樹脂の全てを食刻することができる。従って、各レーザ穴あけ部5に表層ビアホール壁面の全てを露出することができ、且つ内層ビアホール壁面1の上端部の全てを露出することができる。また、内層ビアホール30の内径が各表層ビアホール31の内径よりも小さく形成されている。このため、内層コア基板10と各表層コア基板11とが、所定の位置よりも横方向に対して約20μmずれた場合でも、各レーザ穴あけ部5に表層ビアホール壁面の全てを露出することができ、且つ内層ビアホール壁面1の上端部の全てを露出することができる。その後、印刷配線板40の表裏に形成された各レーザ穴あけ部5及び各表層コア基板11の外面に銅めっきする。これにより、各表層コア基板11の外面の銅めっき7を介して内層ビアホール壁面1の上端部と各表層ビアホール壁面の全てとを電気的に接続する際、接続信頼性を高くすることができる。
【0125】
実施の形態3の印刷配線板の製造方法は、本出願発明の一実施形態に過ぎず、内層ビアホール30の内径が、各表層ビアホール31の内径と略等しく形成されていてもよい。各レーザ穴あけ部5に表層ビアホール壁面の全てを露出することができ、且つ内層ビアホール壁面1の上端部の全てを露出することができさえすればよい。また、内層ビアホール30の内径が、各表層ビアホール31の内径と略等しく形成されており、内層コア基板10と各表層コア基板11とが、所定の位置よりも横方向に対して数十μmずれた場合でも、レーザ光の干渉効果によるレーザ径の広がりを利用すれば、各レーザ穴あけ部5に表層ビアホール壁面の全てを露出することができ、且つ内層ビアホール壁面1の上端部の全てを露出することができる。
【0126】
ここで、レーザ光の干渉効果によるレーザ径の広がりとは、レーザ光が進むに連れて、レーザ径の直径が広がることをいう。即ち、z=0で、レーザ径の直径をdとすると、光路方向の距離z=∞の十分遠方でのレーザ径の直径の広がり角度θは、
θ=(4・λ)/(π・d)[rad] ---(式1)
の関係式1を満たす。λはレーザ光の波長であり、レーザ径の直径の広がり角度θの単位は[rad](ラジアン)である。
【0127】
また、光路方向の距離zだけ離れた時のレーザ径の直径をDとすると、
D={(z・θ)+d0.5 ---(式2)
の関係式2を満たす。
【0128】
また、レーザ径の直径Dは、レーザ光の強度(エネルギー密度)Pがレーザ径の中心に比べて(1/e)=(1/2.71828…)の二乗に小さくなる位置と定義しているが、レーザ光の直径Dが広がる(光路方向に距離zだけ離れる)場合には、レーザ径の中心のレーザ光の強度Pも、レーザ径の直径Dの二乗に反比例して小さくなる。従って、レーザ光の強度Pは、レーザ光束の半径方向距離r(レーザ径の中心から離れる距離r)を用いて
P=C・(1/D)・exp{(-2・(2・r/D)} ---(式3)
の関係式3を満たし、ガウス分布の形となる。Cは定数である。
【0129】
また、関係式2により、光路方向の距離zだけ離れた時のレーザ径の直径Dがレーザ径の直径dの2倍に広がる位置Z1は、
Z1=30.5・d/θ ---(式4)
の関係式4を満たす。
【0130】
例えば、表層ビアホール31及び内層ビアホール30の内径が約70μmであり、表層コア基板11と内層コア基板10との間に形成される絶縁層3の厚さが約400μmであるとする。また、炭酸ガスレーザの波長λが約10.6μmであり、レーザ光が表層ビアホール31内に満たされた樹脂の全てを食刻することができたとする。従って、レーザ光が表層ビアホール31を出射した直後のレーザ径の直径は約70μmとなり、上述した関係式1にd=70μmとして代入することができる。また、関係式1に、λ=10.6μmを代入すると、表層ビアホール31のから出射するレーザ径の直径の広がり角度θ=0.193ラジアン(11度)となる。次に、表層コア基板11と内層コア基板10との間の絶縁層3の厚さは約400μmであり、上述した関係式2にz=400μmとして代入することができる。また、関係式2に、d=70μm、θ=0.193ラジアンを代入すると、内層ビアホール30に入射する直前のレーザ径の直径D=104μmとなる。即ち、内層ビアホール30に入射する直前のレーザ径の直径は、表層ビアホール31を出射した直後のレーザ径の直径70μmよりも34μm広がることとなる。従って、レーザ光を内層ビアホール30内の満たされた樹脂の全てに照射することができる。
【0131】
尚、内層コア基板10と表層コア基板11とが、所定の位置よりも横方向に対して数十μmずれていた場合(内層ビアホール30の中心軸と表層ビアホール31の中心軸とが横方向に対して数十μmずれていた場合)には、内層ビアホール30に入射するレーザ光の中心軸と内層ビアホール30の中心軸とが一致しないこととなる。また、上述した関係式3により、内層ビアホール30に入射するレーザ径の中心から遠いビアホール壁面1でレーザ光の強度が弱くなる。
しかしながら、内層ビアホール30に入射するレーザ径の中心から近いビアホール壁面1でレーザ光の強度が強いレーザ光が反射され、このビアホール壁面1で反射された強度の強いレーザ光が、入射するレーザ径の中心から遠いビアホール壁面1を照射することとなる。従って、内層ビアホール30に入射するレーザ径の中心から遠いビアホール壁面1でレーザ光の強度は補完され、内層ビアホール壁面1の上端部の全てを露出させることができる。
【0132】
更に、後に説明するように、表層ビアホール31に照射するレーザ光の強度を強くすることによって、内層コア基板10と各表層コア基板11とが、所定の位置よりも横方向に対して数十μmずれた場合でも、レーザ光の干渉効果によるレーザ径の広がりを利用すれば、各レーザ穴あけ部5に表層ビアホール壁面の全てを露出することができ、且つ内層ビアホール壁面1の上端部の全てを露出することができる。
【0133】
また、実施の形態3の印刷配線板の製造方法は、本出願発明の一実施形態に過ぎず、内層ビアホール30の内径が、各表層ビアホール31の内径と略等しく形成され、且つ後述するレーザ光の強度が強いレーザ照射を行ってもよい。表層ビアホール31に照射するレーザ光の強度を強くすることによって、内層コア基板10と各表層コア基板11とが、所定の位置よりも横方向に対して数十μmずれた場合でも、レーザ光の干渉効果によるレーザ径の広がりを利用すれば、各レーザ穴あけ部5に表層ビアホール壁面の全てを露出することができ、且つ内層ビアホール壁面1の上端部の全てを露出することができる。
【0134】
ここで、レーザ光の強度が強いレーザ照射とは、レーザ径の直径dよりも大きい直径で絶縁層3を食刻することをいう。上述したレーザ光の照射方法においては、照射されるレーザ径の直径dと同じ直径で絶縁層3を食刻するようにレーザ光の強度を調節していた。従って、例えば、絶縁層3にレーザ径の直径dと同じ直径の穴をあける条件のレーザ光の強度を約7倍に強くする場合には、レーザ光束の半径方向距離r=d/2でのレーザ光の強度も約7倍強くなり、r=d/2でのレーザ光の強度よりも約1/7の強度となる半径方向距離rの位置でも穴をあけることができる。この半径方向距離rは、関係式2により、r=0.7×dとなる。即ち、絶縁層3には直径2・r=1.4×dの大きさで穴をあけることができ、レーザ径の直径dよりも1.4倍大きい直径で絶縁層3を食刻することができる。また、関係式2により、絶縁層3を食刻することができるレーザ光の強度の分布する範囲43を図5(c)に示した。
【0135】
例えば、表層ビアホール31の内径が約70μmであり、表層コア基板11と内層コア基板10との間に形成される絶縁層3の厚さが約200μmであるとする。また、レーザ光の強度を調節し、表層ビアホール31を出射した直後のレーザ径の直径dが約50μmとなり、表層ビアホール31を出射した直後のレーザ径よりも1.4倍大きい直径(約70μm)で表層ビアホール31内に満たされた樹脂の全てを食刻することができるように炭酸ガスレーザ光を照射する。ここで、関係式1に、d=50μm、λ=10.6μmを代入すると、表層ビアホール31のから出射するレーザ径の直径の広がり角度θ=0.27ラジアン(15.5度)となる。次に、表層コア基板11と内層コア基板10との間の絶縁層3の厚さは約200μmであり、上述した関係式2にz=200μmとして代入することができる。また、関係式2に、d=50μm、θ=0.27ラジアンを代入すると、内層ビアホール30に入射する直前のレーザ径の直径D=92μmとなる。即ち、内層ビアホール30に入射する直前のレーザ径の直径は、表層ビアホール31を出射した直後のレーザ径の直径70μmよりも22μm広がることとなる。従って、レーザ光を内層ビアホール30内の満たされた樹脂の全てに照射することができる。これにより、内層コア基板10と各表層コア基板11とが、所定の位置よりも横方向に対して±11μmずれた場合でも、強度が強いレーザ光の干渉効果によるレーザ径の広がりを利用すれば、各レーザ穴あけ部5に表層ビアホール壁面の全てを露出することができ、且つ内層ビアホール壁面1の上端部の全てを露出することができる。
【0136】
更に、実施の形態3の印刷配線板の製造方法は、本出願発明の一実施形態に過ぎず、図5(a)又は図5(b)に示すように、内層ビアホール30の内径が、各表層ビアホール31の内径よりも大きく形成され、且つレーザ光の強度が強いレーザ照射を行ってもよい。各レーザ穴あけ部5に表層ビアホール壁面の全てを露出することができ、且つ内層ビアホール壁面1の上端部の全てを露出することができさえすればよい。
【0137】
例えば、図5(a)に示すように、予め厚さが約200μmの各表層コア基板11にレーザ径の広がりを利用して貫通孔を作成し、これらの貫通孔の内部に銅めっきして入り口の直径が約50μm、出口の直径が約84μmの傾斜壁面を有する表層ビアホール31を形成する。次に、レーザ径の直径d=36μmに絞ったレーザ光であり、且つレーザ径の直径よりも1.4倍大きい直径(約50μm)で各表層ビアホール31に貫通孔を形成し始める。この時、レーザ径の直径d=36μmの広がりにより、入り口の直径が約50μm、出口の直径が約84μmである表層ビアホール31内部の樹脂の全てを食刻できることとなる。次に、表層コア基板11と内層コア基板10との間の絶縁層3の厚さは約200μmであり、内層ビアホール30に入射する直前で直径約104μmの樹脂を食刻できることとなる。ここで、内層ビアホールの内径は約60μmで形成されており、内層コア基板10と各表層コア基板11とが、所定の位置よりも横方向に対して±約20μmずれた場合でも、強度が強いレーザ光の干渉効果によるレーザ径の広がりを利用すれば、各レーザ穴あけ部5に表層ビアホール壁面の全てを露出することができ、且つ内層ビアホール壁面1の上端部の全てを露出することができる。
【0138】
また、例えば、図5(b)に示すように、表層コア基板11の厚さ、表層コア基板11と内層コア基板10との間の絶縁層3の厚さ、及び内層ビアホールの内径が約100μmである場合であっても、本発明は実施できる。予め厚さが約100μmの各表層コア基板11にレーザ径の広がりを利用して貫通孔を作成し、これらの貫通孔の内部に銅めっきして入り口の直径が約50μm、出口の直径が約64μmの傾斜壁面を有する表層ビアホール31を形成する。次に、レーザ径の直径d=36μmに絞ったレーザ光であり、且つレーザ径の直径よりも1.4倍大きい直径(約50μm)で各表層ビアホール31に貫通孔を形成し始める。この時、レーザ径の直径d=36μmの広がりにより、入り口の直径が約50μm、出口の直径が約64μmである表層ビアホール31内部の樹脂の全てを食刻できることとなる。次に、表層コア基板11と内層コア基板10との間の絶縁層3の厚さは約100μmであり、内層ビアホール30に入射する直前で直径約84μmの樹脂を食刻できることとなる。
【0139】
ここで、内層ビアホールの内径は約100μmで形成されており、内層コア基板10と各表層コア基板11とが、所定の位置よりも横方向に対して±8μmの精度内であれば内層ビアホールのランド42(内層ビアホール壁面1の上端部の上のランド42)の上の樹脂を食刻することはない。従って、レーザ穴あけ部5に内層ビアホール壁面1の上端部を露出することはないが、内層ビアホール30に満たされた樹脂を約200μmの深さまで食刻する時には、レーザ径の広がりにより、直径約104μmの樹脂を食刻できることとなる。この時、内層ビアホールの内径は約100μmで形成されており、内層ビアホール壁面1を露出することができる。このように、レーザ光が内層ビアホール30のランドの上の樹脂を除去しない場合には、図5(a)に示すような内層ビアホール30のランドの上に狭いくぼみが発生することはない。従って、レーザ穴あけ部5の内部は滑らかな曲線で形成されており、レーザ穴あけ部5の内部に銅めっきを容易に形成することができ、レーザ穴あけ部5の内部に形成される銅めっきの接続信頼性が高くなるという利点がある。ここで、実施の形態2の印刷配線板の製造方法と同様に、印刷配線板40の表裏に形成された各レーザ穴あけ部5及び各表層コア基板11の外面に銅めっきし、各表層コア基板11の外面の銅めっき7をエッチングすることにより、各表層コア基板11の外面に銅パターン(表面導体回路)を形成する。
【0140】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4の印刷配線板の製造方法につき図6を参照して説明する。
図6は本発明の実施の形態4の印刷配線板の製造方法を示す工程図である。図6(a)、(b)、及び(c)は実施の形態4の印刷配線板の断面図である。尚、実施の形態4の印刷配線板の製造方法は、(実施の形態3)にて示した印刷配線板の製造方法と構成を同じくする部分については説明を省略し、相違点のみを説明する。また、同一箇所には同一符号を付して説明する。
【0141】
図6(a)に示すように、実施の形態4に係るレーザ光20のパルスの照射方法は、実施の形態3に係るレーザ光20のパルスの照射方法とは異なり、内層ビアホール30内部に満たされた樹脂をすべて食刻する。即ち、印刷配線板40の表面又は裏面からレーザ光20のパルスの照射によって、印刷配線板40を貫通する1のレーザ穴あけ部5を形成する。次に、図6(b)に示すように、印刷配線板40の形成された1のレーザ穴あけ部5及び各表層コア基板11の外面に銅めっきする。これにより、各表層コア基板11の外面の銅めっき7を介して内層ビアホール壁面1の全てと各表層ビアホール壁面の全てとを電気的に接続することができる。また、印刷配線板40を貫通する1のレーザ穴あけ部5を形成することにより、1のレーザ穴あけ部5に銅めっきする際、レーザ穴あけ部5内を銅めっき液が容易に循環できる。従って、レーザ穴あけ部5の銅めっき7の厚さを十分に厚く形成することができ、接続信頼性を高くすることができる。最後に、図6(c)に示すように、各表層コア基板11の外面の銅めっき7をエッチングすることにより、各表層コア基板11の外面に銅パターン(表面導体回路)を形成する。
【0142】
また、実施の形態4の印刷配線板の製造方法は、本出願発明の一実施形態に過ぎず、絶縁層3を介して内層コア基板10の上下に各表層コア基板11を積層し、接着する工程において、内層ビアホール30内に予め充填する樹脂を溶剤可溶性又はアルカリ可溶性の樹脂にしてもよい。即ち、予め内層ビアホール30内を溶剤可溶性又はアルカリ可溶性の樹脂で満たし、プリプレグ(半硬化樹脂)である絶縁層3を内層コア基板10と各表層コア基板11との間に挟み込み、積層プレスで加圧・加熱することにより、絶縁層3を介して内層コア基板10の上下に各表層コア基板11を接着する。ここで、例えば、内層ビアホール30内に予め充填される溶剤可溶性又はアルカリ可溶性の樹脂は、互応化学工業(株)製のPLAS FINEPTR 911W、同PTR 906W、同PTR329W、ソマール(株)製のソマコート TH 700、三井東圧化学(株)製のMT UV2115、山栄化学(株)製のSER1490等のアルカリ可溶性のインクである。これらは、溶剤、又は炭酸ソーダ、メタ珪酸ソーダ等のアルカリ水溶液で溶解させることができる。
【0143】
従って、内層ビアホール30内部に満たされた溶剤可溶性又はアルカリ可溶性の樹脂の全てを取り除く際に、レーザ光の照射で内層ビアホール30内部に満たされた溶剤可溶性又はアルカリ可溶性の樹脂の全てを取り除かなくとも、溶剤又はアルカリ水溶液で溶剤可溶性又はアルカリ可溶性の樹脂の全てを取り除くこともできる。即ち、実施の形態3に係るレーザ光20のパルスの照射方法と同様に、レーザ穴あけ部5に表層ビアホール壁面の全てを露出することができ、且つ内層ビアホール壁面1の上端部の全てを露出することができるまで絶縁層3を食刻した時点でレーザ光20のパルスの照射方法を終了する。
勿論、レーザ光の照射で溶剤可溶性又はアルカリ可溶性の樹脂の全てを取り除くこともできるが、溶剤はアルカリ水溶液で内層ビアホール30内部に満たされた溶剤可溶性又はアルカリ可溶性の樹脂の全てを取り除き、印刷配線板40を貫通する1のレーザ穴あけ部5を形成する。この時、内層ビアホール30内部に満たされた溶剤可溶性又はアルカリ可溶性の樹脂に溶剤又はアルカリ水溶液を吹き付ける方法、溶剤又はアルカリ水溶液中に印刷配線板40を漬け、溶剤可溶性又はアルカリ可溶性の樹脂を溶剤又はアルカリ水溶液に浸漬する方法等によって、溶剤可溶性又はアルカリ可溶性の樹脂の全てを取り除く。特に、内層基板の厚さが厚い場合には、内層ビアホール30内部に満たされた溶剤可溶性又はアルカリ可溶性の樹脂の厚さも厚くなり、パルスレーザ光を何度も照射する必要がある。一方、溶剤又はアルカリ水溶液を用いれば、レーザ光の照射に比べて、迅速に、容易に、且つ確実に内層ビアホール壁面1の全てを露出することができる。これにより、1のレーザ穴あけ部5の内部に形成される銅めっきを介して内層ビアホール壁面1の全てと各表層ビアホール壁面の全てとを電気的に接続することができる。
【0144】
更に、実施の形態4の印刷配線板の製造方法は、本出願発明の一実施形態に過ぎず、N(2以上の自然数)個の内層コア基板10を内層にするように、印刷配線板40を形成してもよい。即ち、複数の内層ビアホール30及び各表層ビアホール31を互いに上下する位置に調整し、コア基板間の絶縁層3を介して全てのコア基板1を接着する。印刷配線板40の表面及び裏面からレーザ光を照射することによって、全てのコア基板のビアホール内に満たされた樹脂の全てを食刻し、印刷配線板40を貫通する1のレーザ穴あけ部5を形成さえすればよい。ここで、N(2以上の自然数)個の内層コア基板10を内層にするように形成された印刷配線板40レーザ光20のパルスの照射方法につき、詳細に説明する。
【0145】
例えば、各表層ビアホール31及びN個の内層ビアホールの内径が約50μmであり、各表層コア基板11とN個の内層コア基板10の中で上からM(MはN以下の自然数)番目の内層コア基板10との間に形成される絶縁層3のそれぞれの厚さの合計の厚さが約500μm以下であるとする。印刷配線板40の表面からのレーザ光照射によって、表層ビアホール31内に満たされた樹脂の全てが食刻され、表層ビアホール31を出射した直後のレーザ径の直径dが約50μmとなる。ここで、表層ビアホール31を出射した直後のレーザ光は、表層ビアホール31を出射した直後のレーザ径の直径と略等しい直径(約50μm)で絶縁層3を食刻することができるようにレーザ光の強度が調整されている。この時、上述した関係式1、関係式2、及び関係式3により、絶縁層3を食刻することができる厚さZは
Z=(e・π・d)/(4・λ) ---(式5)
の関係式5を満たす。この関係式5の意味は、レーザ光が自由に広がる路の長さ(レーザ光が自由に広がる部分のレーザ穴あけ部の深さ)の限界値を意味する。また、関係式5のZはレーザ光が自由に広がることのないビアホール壁面を有するコア基板の厚さに依存することはない。即ち、表層ビアホール31を出射した直後のレーザ光によって、表層コア基板11とN個の内層コア基板10の中で上からM番目の内層コア基板10との間に形成される絶縁層3のそれぞれの厚さの合計の厚さをZだけ食刻することができる。λ=10.6μm、d=50μmを関係式5に代入すると、Z=500μmとなる。ここで、表層コア基板11とN個の内層コア基板10の中で上からM番目の内層コア基板10との間に形成される絶縁層3のそれぞれの厚さの合計の厚さが約500μm以下であるので、表層ビアホール31を出射したレーザ光はN個の内層コア基板10の中で上からM番目までの内層ビアホール30に満たされた樹脂を全て食刻することができる。尚、内層ビアホール30のそれぞれに入射するレーザ光のレーザ径の直径は50μmm以上に広がることはない。なぜなら、内層ビアホール30に入射するレーザ径の直径が広がろうとしても、内層ビアホール30に入射するレーザ光はビアホール壁面1で反射されるからである。従って、N個の内層コア基板10の中で上からM番目まで内層ビアホール30に満たされた樹脂を全て食刻し、これらの表層ビアホール31を出射した直後のレーザ径の直径も約50μmとなる。
【0146】
次に、印刷配線板40の裏面からレーザ光を照射することによっても、同様に印刷配線板40の裏面にある表層コア基板11に満たされた樹脂からN個の内層コア基板10の中で上からM番目の内層ビアホール30に満たされた樹脂まで全ての樹脂を食刻することができ、印刷配線板40を貫通する1のレーザ穴あけ部5を形成することができる。これにより、1のレーザ穴あけ部5の内部に形成される銅めっきをN個の内層ビアホール壁面1の全てと各表層ビアホール壁面の全てとを電気的に接続することができる。このように、N個の内層ビアホールを経由させることにより、印刷配線板40に形成された1のレーザ穴あけ部5(スルホール)のアスペクト比(スルホールの長さ/スルホールの直径)を増加させることとなる。
【0147】
尚、本実施の形態4に係るレーザ光20のパルスの照射方法は、刷配線板40の表面からのみ照射し、最上層の表層ビアホール31内に満たされた樹脂の全てを食刻することができる。続けて、全ての内層ビアホール30内に満たされた樹脂の全てを食刻し、最下層の表層ビアホール31内に満たされた樹脂の全てを食刻し、印刷配線板40を貫通する1のレーザ穴あけ部5を形成してもよい。但し、N(2以上の自然数)個の内層コア基板10を内層にする場合には、印刷配線板40のコア基板間の全絶縁層3の厚さが関係式5から導き出されるZの値以下であるとする。
【0148】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5の印刷配線板の製造方法につき図7を参照して説明する。
図7は本発明の実施の形態5の印刷配線板の製造方法を示す工程図である。図7(a)、(b)、及び(c)は実施の形態5の印刷配線板の断面図である。
【0149】
図7(a)に示す印刷配線板の構造を得るために、まず、内層コア基板10に貫通孔(図示せず)を形成すると共に、内層コア基板10に半貫通孔を形成し、これらの貫通孔、半貫通孔、及び内層コア基板10(内層コア基板10の裏面は図示せず)の両面に銅めっきし、内層ビアホール(図示せず)及び内層半貫通ビアホール32を形成する。次に、内層コア基板10の両面に形成された銅めっきをエッチングし、内層コア基板10の両面に銅パターン(内層導体回路)を形成する。この時、後でその上にレーザビアホールを形成する位置に穴あけストップパターン8を内層コア基板10の上に形成する。ここで、穴あけストップパターン8は、後で印刷配線板40に照射されるレーザに対して反射率の高い材料であればよい。例えば、穴あけストップパターン8は、導体であることが好ましく、内層コア基板10に形成された銅めっきによる銅箔であることが更に好ましい。
【0150】
次に、内層コア基板10の上に熱硬化性樹脂液を印刷し、熱硬化性樹脂液を加熱硬化させて絶縁層12を形成する。ここで、絶縁層12としては、炭酸ガスレーザ(レーザの波長は約10.6μm)に対して吸収率が高い絶縁層が好ましい。例えば、絶縁層12は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アラミド繊維エポキシ樹脂、ポリイミドエポキシ樹脂等である。
【0151】
次に、内層コア基板に形成された内層半貫通ビアホール32の上に位置する絶縁層に炭酸ガスレーザ光を照射する。即ち、炭酸ガスレーザ光の中心軸が内層半貫通ビアホール32の中心軸と略一致するように、炭酸ガスレーザ光の位置調整を行い、絶縁層12に炭酸ガスレーザ光の照射を開始する。この炭酸ガスレーザ光の照射によって、絶縁層12を食刻し、レーザ穴あけ部5を形成することができる。続けて、炭酸ガスレーザ光の照射を行うと、レーザ穴あけ部5に内層半貫通ビアホール壁面の一部(上端)が露出することとなる。更に、炭酸ガスレーザ光の照射を行うと、レーザ穴あけ部5に内層半貫通ビアホール32壁面の大部分が露出することとなる。ここで、更に、炭酸ガスレーザ光の照射を行ったとしても、レーザ穴あけ部5に内層半貫通ビアホールの底部が露出することはない。なぜなら、内層半貫通ビアホール32の底部は銅箔であり、炭酸ガスレーザの照射光と内層半貫通ビアホール32の底部(銅箔)からの反射光とが干渉し、内層半貫通ビアホール32の底部で照射光は反射光によって打ち消されてしまうからである。従って、内層半貫通ビアホール32の底部に樹脂が残留することとなる。
【0152】
次に、内層コア基板に形成された穴あけストップパターン8の上に位置する絶縁層12にも炭酸ガスレーザ光を照射する。即ち、炭酸ガスレーザ光の中心軸が穴あけストップパターン8の中心点を貫くように、炭酸ガスレーザ光の位置調整を行い、絶縁層12に炭酸ガスレーザ光の照射を開始する。この炭酸ガスレーザ光の照射によって、絶縁層12を食刻し、レーザ穴あけ部5を形成することができる。ここで、更に、炭酸ガスレーザ光の照射を行ったとしても、上述したように、レーザ穴あけ部5に穴あけストップパターン8が露出することはない。従って、このレーザ穴あけ部5が絶縁層12に対する半貫通孔になる。
【0153】
次に、内層半貫通ビアホール32及び穴あけストップパターン8の上の各レーザ穴あけ部5の内部及び絶縁層12の表面に銅めっきする。ここで、内層半貫通ビアホール32の底部に樹脂が残留しているが、内層半貫通ビアホール32の上のレーザ穴あけ部5に内層半貫通ビアホール壁面の大部分が露出しており、内層半貫通ビアホール32壁面と絶縁層12の表面の銅めっき7とを電気的に接続することができる。また、穴あけストップパターン8の上のレーザ穴あけ部5(絶縁層12に対する半貫通孔)の内部が銅めっきされることにより、絶縁層12に形成される新たな内層半貫通ビアホール壁面は銅めっきされることとなる。次に、図7(b)に示すように、絶縁層12の上の銅めっき7をエッチングすることにより、絶縁層12の表面に銅パターン(第2の内層導体回路)を形成する。
【0154】
次に、絶縁層12の上に熱硬化性樹脂液を印刷し、熱硬化性樹脂液を加熱硬化させて第2の絶縁層13を形成する。次に、絶縁層12に形成された新たな内層半貫通ビアホールの上に位置する第2の絶縁層13に炭酸ガスレーザ光を照射し、新たなレーザ穴あけ部を形成する。最後に、図7(c)に示すように、この新たなレーザ穴あけ部の内部及び第2の絶縁層13の表面に銅めっきし、第2の絶縁層13の上の銅めっき7をエッチングすることにより、第2の絶縁層13の表面に銅パターン(表面導体回路)を形成する。
【0155】
また、実施の形態5の印刷配線板の製造方法において、図7(a)に示す穴あけストップパターン8を内層コア基板10の上に形成しなくてもよい。炭酸ガスレーザで絶縁層12を食刻し、レーザ穴あけ部5を形成する際、レーザ穴あけ部5に内層コア基板10の表面が露出しないように、絶縁層12にのみ半貫通孔を形成するように、レーザの調整を行いさえすればよい。例えば、パルスの回数を制御することにより、レーザ穴あけ部5(絶縁層12の半貫通孔)の深さを絶縁層12の厚さ以下にすることができる。また、レーザ光の強度を制御することにより、絶縁層12の厚さ以上の深さまで食刻できないようにすることができる。
【0156】
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6の印刷配線板の製造方法につき図8を参照して説明する。
図8は本発明の実施の形態6の印刷配線板の製造方法を示す工程図である。図8(a)〜(g)は実施の形態6の印刷配線板の断面図である。尚、実施の形態6の印刷配線板の製造方法は、(実施の形態5)にて示した印刷配線板の製造方法と構成を同じくする部分については説明を省略し、相違点のみを説明する。また、同一箇所には同一符号を付して説明する。
【0157】
図8(a)に示すように、実施の形態6の印刷配線板の構造は、実施の形態5の印刷配線板の構造とは異なり、内層基板10に形成される半貫通孔の形状が円柱形ではなく、円錐形となるように形成されている。即ち、半貫通孔の断面形状が円筒(円柱)形状ではなく、V字(円錐)形状となるように形成されている。
【0158】
図8(a)に示す印刷配線板の構造を得るために、まず、ドリル又はレーザ21加工により、内層基板10に円錐状の半貫通孔を形成する。ここで、ドリル加工を行う場合には、回転しているドリル刃先の形状が三角形状であれば、内層基板10に円錐状の半貫通孔を形成することができ、内層基板10に形成される半貫通孔の断面形状がV字形状となる。また、レーザ加工を行う場合には、レーザ径の中心部の強度が強く、レーザ径の中心部の周囲の強度が弱いため、レーザ径の中心部が深く、レーザ径の中心部が浅い円錐状の半貫通孔を内層基板10に形成する。
【0159】
次に、図8(b)に示すように、内層コア基板10に形成された円錐状の半貫通孔及び内層コア基板10の両面に銅めっきする。次に、図8(c)に示すように、内層コア基板10の両面に形成された銅めっきをエッチングし、内層コア基板10の両面に銅パターン(内層導体回路)を形成する。次に、図8(d)に示すように、内層コア基板10の上に熱硬化性樹脂液を印刷し、熱硬化性樹脂液を加熱硬化させて絶縁層12を形成する。
【0160】
次に、図8(e)に示すように、内層コア基板に形成された円錐状の半貫通孔の上に位置する絶縁層に炭酸ガスレーザ光を照射する。即ち、炭酸ガスレーザ光の中心軸が半貫通孔の中心点(半貫通孔の円錐の頂点)を貫くように、炭酸ガスレーザ光の位置調整を行い、絶縁層12に炭酸ガスレーザ光の照射を開始する。続けて、炭酸ガスレーザ光の照射を行うと、レーザ穴あけ部5に円錐状の半貫通孔壁面の一部分が露出することとなる。ここで、円錐状の半貫通孔壁面はレーザの進行方法に垂直ではないため、炭酸ガスレーザの照射光が円錐状の半貫通孔壁面からの反射光によって完全には打ち消されない。従って、円錐状の半貫通孔壁面の大部分に樹脂を残すことなく、樹脂を蒸発・除去することができる。但し、円錐状の半貫通孔の底部では、炭酸ガスレーザの照射光と円錐状の半貫通孔の底部からの反射光とが干渉し、円錐状の半貫通孔の底部で照射光は反射光によって打ち消されてしまい、円錐状の半貫通孔の底部に樹脂が残留することとなる。
【0161】
次に、図8(f)に示すように、円錐状の半貫通孔の内部及び絶縁層12の表面に銅めっきする。ここで、円錐状の半貫通孔の底部に樹脂が残留しているが、レーザ穴あけ部5に円錐状の半貫通孔壁面の一部分が露出しており、円錐状の半貫通孔壁面と絶縁層12の表面の銅めっき7とを電気的に接続することができる。最後に、図8(g)に示すように、絶縁層12の上の銅めっき7をエッチングすることにより、絶縁層12の表面に銅パターン(表面導体回路)を形成する。
【0162】
尚、以上に説明した実施の形態1〜実施の形態6において、レーザは炭酸ガスレーザに限定されず、樹脂に対して吸収率が高いレーザであればよい。例えば、YAGレーザ、YAGレーザの高調波レーザ、エキシマレーザ等である。また、樹脂は実施の形態1〜実施の形態6において具体的に示して使用する炭酸ガスレーザに対して吸収率の高い樹脂に限定されず、YAGレーザ、YAGレーザの高調波レーザ、エキシマレーザに対して吸収率を高めた樹脂であればよい。
更に、以上に説明した実施の形態1〜実施の形態6において、内層コア基板にレーザ光で容易に予め小径の貫通孔又は半貫通孔を形成するので、内層コア基板に形成される内層導体回路を高密度化することができるという利点がある。また、実施の形態2〜実施の形態4において、表層コア基板にレーザ光で容易に予め小径の貫通孔を形成するので、表面導体回路を高密度化することができるという利点がある。
【0163】
【発明の効果】
上述のように本発明は、内層コア基板に予め設けられた内層貫通孔(内層半貫通孔)の壁に形成された内層導体壁(内層半貫通孔導体壁)に向かってレーザ光束を照射するので、内層導体壁面(内層半貫通孔導体壁面)でレーザ光束の照射光(入射光)の強度が内層導体壁面(内層半貫通孔導体壁面)からの反射光との干渉によって弱まらない。これにより、レーザ光束で内層導体壁面(内層半貫通孔導体壁面)に接する樹脂を蒸発除去し、レーザ穴あけ部に内層導体壁面(内層半貫通孔導体壁面)を露出させることができる。従って、レーザ穴あけ部の内部に内層導体壁に電気的に接続される導体層を形成する際に、デスミア処理を行う必要がないという利点がある。
また、内層導体壁(内層半貫通孔導体壁)を介して内層回路及び表面層回路が電気的に接続される際に、接続信頼性が高いという利点がある。
更に、複数のコア基板(内層コア基板、表層コア基板)を積層する印刷配線板において、予め積層されるコア基板(内層コア基板、表層コア基板)のそれぞれにレーザ光で容易に予め小径の貫通孔(内層貫通孔、表層貫通孔)を形成するので、コア基板(内層コア基板、表層コア基板)に形成される導体回路(内層導体回路、表面導体回路)を高密度化することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の印刷配線板の製造方法を示す工程図である。
【図2】 本発明の実施の形態1の印刷配線板の製造方法に係る開口部を説明する図である。
【図3】 本発明の実施の形態2の印刷配線板の製造方法を示す工程図である。
【図4】 本発明の実施の形態3の印刷配線板の製造方法を示す工程図である。
【図5】 本発明の実施の形態3の印刷配線板の断面図及び絶縁層を食刻することができるレーザ光の強度の分布を説明する図である。
【図6】 本発明の実施の形態4の印刷配線板の製造方法を示す工程図である。
【図7】 本発明の実施の形態5の印刷配線板の製造方法を示す工程図である。
【図8】 本発明の実施の形態6の印刷配線板の製造方法を示す工程図である。
【図9】 従来の印刷配線板の製造方法を説明するための印刷配線板の断面図である。
【符号の説明】
1 内層ビアホール壁面
2 銅パターン
絶縁
4 開口部
5 レーザ穴あけ部
6 内層ビアホールの内径
7 銅めっき
8 穴あけストップパターン
10 内層コア基板
11 表層コア基板
12 絶縁層
13 第2の絶縁層
20 レーザ
21 ドリルまたはレーザ
22 レーザ径
23 レーザ位置合わせ誤差
30 内層ビアホール
31 表層ビアホール
32 内層半貫通ビアホール
40 印刷配線板
41 樹脂の流れ
42 ランド
43 絶縁層を食刻することができるレーザ光の強度の分布する範囲

Claims (16)

  1. 内層コア基板に内層貫通孔を形成する工程と、
    前記内層貫通孔の壁に内層導体壁を形成して内層ビアホールを形成する工程と、
    前記内層コア基板に内層導体回路を形成する工程と、
    前記内層導体回路が形成された後に前記内層ビアホールの内部及び前記内層コア基板の表面に絶縁層を形成する工程と、
    レーザ光束を前記絶縁層の表面の所定位置に所定強度で所定量照射して前記所定位置から前記内層導体壁が露出する位置までレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記レーザ穴あけ部の内部に導体層を形成する工程と、
    前記レーザ穴あけ部が形成された後に前記絶縁層の表面に表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  2. 内層コア基板に内層貫通孔を形成する工程と、
    前記内層貫通孔の壁に内層導体壁を形成して内層ビアホールを形成すると共に、前記内層コア基板の表面に内層導体層を形成する工程と、
    前記内層導体層をエッチング処理して内層導体回路を形成する工程と、
    前記内層ビアホールの内部に樹脂を充填して充填絶縁層を形成する工程と、
    前記内層導体回路及び前記充填絶縁層が形成された後に前記内層コア基板の表面に絶縁層を形成する工程と、
    レーザ光束を前記絶縁層の表面の所定位置に所定強度で所定量照射して前記所定位置から前記内層導体壁が露出する位置までレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記レーザ穴あけ部の内部に導体層を形成すると共に、前記絶縁層の表面に表面導体層を形成する工程と、
    前記表面導体層をエッチング処理して表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  3. 内層コア基板に内層貫通孔を形成する工程と、
    前記内層貫通孔の壁面を成す内層導体壁及び前記内層コア基板の表面の内層導体回路を形成する工程と、
    前記内層貫通孔の内部及び前記内層コア基板の表面に絶縁層を形成すると共に、前記絶縁層の表面に金属層を形成する工程と、
    前記内層導体壁の上方位置に対応する前記金属層をエッチング処理して前記絶縁層の表面の所定位置が露出するように開口部を形成する工程と、
    レーザ光束を前記所定位置に所定強度で所定量照射して前記所定位置から前記内層導体壁が露出する位置までレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記レーザ穴あけ部の壁面を成す導体層及び前記絶縁層の表面の表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  4. 内層コア基板に内層貫通孔を形成する工程と、
    前記内層貫通孔の壁面を成す内層導体壁及び前記内層コア基板の表面の内層導体回路を形成する工程と、
    前記内層貫通孔の内部及び前記内層コア基板の表面に絶縁層を形成する工程と、
    レーザ光束を前記絶縁層の表面の所定位置に所定強度で所定量照射して前記所定位置から前記内層導体壁が露出する位置までレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記レーザ穴あけ部の壁面の導体層及び前記絶縁層の表面の表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  5. 表層コア基板に表層貫通孔を形成する工程と、
    前記表層貫通孔の壁面を成す表層導体壁を形成する工程と、
    内層コア基板に導体パターンを形成する工程と、
    前記表層コア基板と前記内層コア基板の間、及び前記表層コア基板の貫通孔の内部に絶縁層を形成する工程と、
    前記表層コア基板側から、前記表層導体壁の壁面に接するレーザ光束を照射して前記表層導体壁を露出し、且つ前記内層コア基板に至るレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記レーザ穴あけ部の壁面に導体層を形成する工程と、を有することを特徴する印刷配線板の製造方法。
  6. 内層コア基板に内層貫通孔を形成する工程と、
    前記内層貫通孔の壁に内層導体壁を形成して内層ビアホールを形成する工程と、
    前記内層コア基板に内層導体回路を形成する工程と、
    前記内層ビアホールの内部に樹脂を充填して第1の充填絶縁層を形成する工程と、
    第1の表層コア基板に第1の表層貫通孔を形成する工程と、
    前記第1の表層貫通孔の壁に第1の表層導体壁を形成して第1の表層ビアホールを形成する工程と、
    第2の表層コア基板に第2の表層貫通孔を形成する工程と、
    前記第2の表層貫通孔の壁に第2の表層導体壁を形成して第2の表層ビアホールを形成する工程と、
    前記内層導体回路及び前記第1の充填絶縁層が形成された後に、前記第1の表層ビアホールの第1の所定位置の下に前記内層ビアホールの第2の所定位置が重なるように、且つ前記第2の表層ビアホールの第3の所定位置の上に前記第2の所定位置が重なるように前記内層コア基板、前記第1の表層コア基板、及び前記第2の表層コア基板の位置を調整し、前記内層コア基板、前記第1の表層コア基板、及び前記第2の表層コア基板のそれぞれの間に絶縁層を形成すると共に、前記第1の表層ビアホールの内部及び前記第2の表層ビアホールの内部に樹脂を充填して第2の充填絶縁層を形成する工程と、
    前記絶縁層及び前記第2の充填絶縁層が形成された後に、第1のレーザ光束を前記第1の所定位置に第1の所定強度で第1の所定量照射して前記第1の所定位置から前記内層導体壁が露出する位置まで第1のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記絶縁層及び前記第2の充填絶縁層が形成された後に、第2のレーザ光束を前記第3の所定位置に第2の所定強度で第2の所定量照射して前記第3の所定位置から前記内層導体壁が露出する位置まで第2のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記第1のレーザ穴あけ部の内部及び前記第2のレーザ穴あけ部の内部に導体層を形成する工程と、
    前記第1のレーザ穴あけ部及び前記第2のレーザ穴あけ部が形成された後に、前記第1の表層コア基板の外面及び前記第2の表層コア基板の外面に表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  7. 内層コア基板に第1の内層貫通孔を形成する工程と、
    前記内層コア基板に第2の内層貫通孔を形成する工程と、
    前記第1の内層貫通孔の壁に第1の内層導体壁を形成して第1の内層ビアホールを形成する工程と、
    前記第2の内層貫通孔の壁に第2の内層導体壁を形成して第2の内層ビアホールを形成する工程と、
    前記内層コア基板に内層導体回路を形成する工程と、
    前記第1の内層ビアホール及び前記第2の内層ビアホールの内部に樹脂を充填して第1の充填絶縁層を形成する工程と、
    第1の表層コア基板に第1の表層貫通孔を形成する工程と、
    前記第1の表層貫通孔の壁に第1の表層導体壁を形成して第1の表層ビアホールを形成する工程と、
    第2の表層コア基板に第2の表層貫通孔を形成する工程と、
    前記第2の表層貫通孔の壁に第2の表層導体壁を形成して第2の表層ビアホールを形成する工程と、
    前記内層導体回路及び前記第1の充填絶縁層が形成された後に、前記第1の表層ビアホールの第1の所定位置の下に前記第1の内層ビアホールの第2の所定位置が重なるように、且つ前記第2の表層ビアホールの第3の所定位置の上に前記第2の内層ビアホールの第4の所定位置が重なるように前記内層コア基板、前記第1の表層コア基板、及び前記第2の表層コア基板の位置を調整し、前記内層コア基板、前記第1の表層コア基板、及び前記第2の表層コア基板のそれぞれの間に絶縁層を形成すると共に、前記第1の表層ビアホールの内部及び前記第2の表層ビアホールの内部に樹脂を充填して第2の充填絶縁層を形成する工程と、
    前記絶縁層及び前記第2の充填絶縁層が形成された後に、第1のレーザ光束を前記第1の所定位置に第1の所定強度で第1の所定量照射して前記第1の所定位置から前記第1の内層導体壁が露出する位置まで第1のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記絶縁層及び前記第2の充填絶縁層が形成された後に、第2のレーザ光束を前記第3の所定位置に第2の所定強度で第2の所定量照射して前記第3の所定位置から前記第2の内層導体壁が露出する位置まで第2のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記第1のレーザ穴あけ部の内部及び前記第2のレーザ穴あけ部の内部に導体層を形成する工程と、
    前記第1のレーザ穴あけ部及び前記第2のレーザ穴あけ部が形成された後に、前記第1の表層コア基板の外面及び前記第2の表層コア基板の外面に表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  8. 内層コア基板に内層貫通孔を形成する工程と、
    前記内層貫通孔の壁に内層導体壁を形成して内層ビアホールを形成すると共に、前記内層コア基板の両面に内層導体層を形成する工程と、
    前記内層導体層をエッチング処理して第1の内層導体回路を形成する工程と、
    前記内層ビアホールの内部に樹脂を充填して第1の充填絶縁層を形成する工程と、
    第1の表層コア基板に第1の表層貫通孔を形成する工程と、
    前記第1の表層貫通孔の壁に第1の表層導体壁を形成して第1の表層ビアホールを形成すると共に、前記第1の表層コア基板の両面に第1の表層導体層を形成する工程と、
    前記第1の前記表層導体層の裏面をエッチング処理して第2の内層導体回路を形成する工程と、
    第2の表層コア基板に第2の表層貫通孔を形成する工程と、
    前記第2の表層貫通孔の壁に第2の表層導体壁を形成して第2の表層ビアホールを形成すると共に、第2の前記表層コア基板の両面に第2の表層導体層を形成する工程と、
    前記第2の表層導体層の表面をエッチング処理して第3の内層導体回路を形成する工程と、
    前記第1の内層導体回路、前記第1の充填絶縁層、前記第2の内層導体回路、及び前記第3の内層導体回路が形成された後に第1の前記表層ビアホールの第1の所定位置の下に前記内層ビアホールの第2の所定位置が重なるように、且つ前記第2の表層ビアホールの第3の所定位置の上に前記第2の所定位置が重なるように前記内層コア基板、前記第1の表層コア基板、及び前記第2の表層コア基板の位置を調整し、前記内層コア基板、前記第1の表層コア基板、及び前記第2の表層コア基板のそれぞれの間に絶縁層を形成すると共に、前記第1の表層ビアホールの内部及び前記第2の表層ビアホールの内部に樹脂を充填して第2の充填絶縁層を形成する工程と、
    前記絶縁層及び前記第2の充填絶縁層が形成された後に第1のレーザ光束を前記第1の所定位置に第1の所定強度で第1の所定量照射して前記第1の所定位置から前記内層導体壁が露出する位置まで第1のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記絶縁層及び前記第2の充填絶縁層が形成された後に第2のレーザ光束を前記第3の所定位置に第2の所定強度で第2の所定量照射して前記第3の所定位置から前記内層導体壁が露出する位置まで第2のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記第1のレーザ穴あけ部の内部及び前記第2のレーザ穴あけ部の内部に導体層を形成すると共に、前記第1の表層導体層の表面及び前記第2の表層導体層の裏面に表面導体層を形成する工程と、
    前記表面導体層をエッチング処理して表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  9. 内層コア基板に第1の内層貫通孔を形成する工程と、
    前記内層コア基板に第2の内層貫通孔を形成する工程と、
    前記第1の内層貫通孔の壁に第1の内層導体壁を形成して第1の内層ビアホールを形成し、且つ前記第2の内層貫通孔の壁に第2の内層導体壁を形成して第2の内層ビアホールを形成すると共に、前記内層コア基板の両面に内層導体層を形成する工程と、
    前記内層導体層をエッチング処理して第1の内層導体回路を形成する工程と、
    前記第1の内層ビアホール及び前記第2の内層ビアホールの内部に樹脂を充填して第1の充填絶縁層を形成する工程と、
    第1の表層コア基板に第1の表層貫通孔を形成する工程と、
    前記第1の表層貫通孔の壁に第1の表層導体壁を形成して第1の表層ビアホールを形成すると共に、前記第1の表層コア基板の両面に第1の表層導体層を形成する工程と、
    前記第1の表層導体層の裏面をエッチング処理して第2の内層導体回路を形成する工程と、
    第2の表層コア基板に第2の表層貫通孔を形成する工程と、
    前記第2の表層貫通孔の壁に第2の表層導体壁を形成して第2の表層ビアホールを形成すると共に、前記第2の表層コア基板の両面に第2の表層導体層を形成する工程と、
    前記第2の表層導体層の表面をエッチング処理して第3の内層導体回路を形成する工程と、
    前記第1の内層導体回路、前記第1の充填絶縁層、前記第2の内層導体回路、及び前記第3の内層導体回路が形成された後に、前記第1の表層ビアホールの第1の所定位置の下に前記第1の内層ビアホールの第2の所定位置が重なるように、且つ前記第2の表層ビアホールの第3の所定位置の上に前記第2の内層ビアホールの第4の所定位置が重なるように前記内層コア基板、前記第1の表層コア基板、及び前記第2の表層コア基板の位置を調整し、前記内層コア基板、前記第1の表層コア基板、及び前記第2の表層コア基板のそれぞれの間に絶縁層を形成すると共に、前記第1の表層ビアホールの内部及び前記第2の表層ビアホールの内部に樹脂を充填して第2の充填絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層及び前記第2の充填絶縁層が形成された後に第1のレーザ光束を前記第1の所定位置に第1の所定強度で第1の所定量照射して前記第1の所定位置から前記第1の内層導体壁が露出する位置まで第1のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記絶縁層及び前記第2の充填絶縁層が形成された後に第2のレーザ光束を前記第3の所定位置に第2の所定強度で第2の所定量照射して前記第3の所定位置から前記第2の内層導体壁が露出する位置まで第2のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記第1のレーザ穴あけ部の内部及び前記第2のレーザ穴あけ部の内部に導体層を形成すると共に、前記第1の表層導体層の表面及び前記第2の表層導体層の裏面に表面導体層を形成する工程と、
    前記表面導体層をエッチング処理して表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  10. 基板面に錐状或いは柱状の半貫通孔を形成する工程と、
    前記半貫通孔の壁面を成す内層導体壁及び前記基板面の内層導体回路を形成する工程と、
    前記基板面及び前記半貫通孔の内部に絶縁層を形成する工程と、
    前記絶縁層の表面の前記内層導体壁の位置にレーザ光束を照射し前記内層導体壁を露出させるレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    デスミア処理を行わずに前記レーザ穴あけ部の壁面に導体壁を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  11. 内層コア基板に内層半貫通孔を形成する工程と、
    前記半貫通孔の壁に内層半貫通孔導体壁を形成して内層半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
    前記内層コア基板に内層導体回路を形成する工程と、
    前記内層導体回路が形成された後に前記内層半貫通孔ビアホールの内部及び前記内層コア基板の表面に絶縁層を形成する工程と、
    レーザ光束を前記絶縁層の表面の所定位置に所定強度で所定量照射して前記所定位置から前記内層半貫通孔導体壁が露出する位置までレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記レーザ穴あけ部の内部に導体層を形成する工程と、
    前記レーザ穴あけ部が形成された後に前記絶縁層の表面に表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  12. 内層コア基板に内層半貫通孔を形成する工程と、
    前記半貫通孔の壁に内層半貫通孔導体壁を形成して内層半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
    前記内層コア基板に内層導体回路を形成すると共に、前記内層コア基板の表面にストップパターン導体層を形成する工程と、
    前記内層導体回路及び前記ストップパターン導体層が形成された後に、前記内層半貫通孔ビアホールの内部及び前記内層コア基板の表面に第1の絶縁層を形成する工程と、
    第1のレーザ光束を前記第1の絶縁層の表面の第1の所定位置に第1の所定強度で第1の所定量照射して前記第1の所定位置から前記内層半貫通孔導体壁が露出する位置まで第1のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    第2のレーザ光束を前記第1の絶縁層の表面の第2の所定位置に第2の所定強度で第2の所定量照射して前記第2の所定位置から前記ストップパターン導体層の表面が露出しない位置まで第2のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記第1のレーザ穴あけ部の内部に第1の導体層を形成して第1の半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
    前記第2のレーザ穴あけ部の内部に第2の導体層を形成して第2の半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
    前記第1のレーザ穴あけ部及び前記第2のレーザ穴あけ部が形成された後に前記第1の絶縁層の表面に第1の導体回路を形成する工程と、
    前記第1の導体回路、前記第1の導体層、及び前記第2の導体層が形成された後に前記第1の半貫通孔ビアホールの内部、前記第2の半貫通孔ビアホールの内部、及び前記第1の絶縁層の表面に第2の絶縁層を形成する工程と、
    第3及び/又は第4のレーザ光束を前記第2の絶縁層の表面の第3及び/又は第4の所定位置に第3及び/又は第4の所定強度で第3及び/又は第4の所定量照射して前記第3及び/又は第4の所定位置から前記第1及び/又は第2の導体層が露出する位置まで第3及び/又は第4のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記第3及び/又は第4のレーザ穴あけ部の内部に第3及び/又は第4の導体層を形成して第3及び/又は第4の半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
    前記第3及び/又は第4のレーザ穴あけ部が形成された後に前記第2の絶縁層の表面に表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  13. 内層コア基板に内層半貫通孔を形成する工程と、
    前記半貫通孔の壁に内層半貫通孔導体壁を形成して内層半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
    前記内層コア基板に内層導体回路を形成する工程と、
    前記内層導体回路が形成された後に前記内層半貫通孔ビアホールの内部及び前記内層コア基板の表面に第1の絶縁層を形成する工程と、
    第1のレーザ光束を前記第1の絶縁層の表面の第1の所定位置に第1の所定強度で第1の所定量照射して前記第1の所定位置から前記内層半貫通孔導体壁が露出する位置まで第1のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    第2のレーザ光束を前記第1の絶縁層の表面の第2の所定位置に第2の所定強度で第2の所定量照射して前記第2の所定位置から前記内層コア基板の表面が露出しない位置まで第2のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記第1のレーザ穴あけ部の内部に第1の導体層を形成して第1の半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
    前記第2のレーザ穴あけ部の内部に第2の導体層を形成して第2の半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
    前記第1のレーザ穴あけ部及び前記第2のレーザ穴あけ部が形成された後に前記第1の絶縁層の表面に第1の導体回路を形成する工程と、
    前記第1の導体回路、前記第1の導体層、及び前記第2の導体層が形成された後に前記第1の半貫通孔ビアホールの内部、前記第2の半貫通孔ビアホールの内部、及び前記第1の絶縁層の表面に第2の絶縁層を形成する工程と、
    第3及び/又は第4のレーザ光束を前記第2の絶縁層の表面の第3及び/又は第4の所定位置に第3及び/又は第4の所定強度で第3及び/又は第4の所定量照射して前記第3及び/又は第4の所定位置から前記第1及び/又は第2の導体が露出する位置まで第3及び/又は第4のレーザ穴あけ部を形成する工程と、
    前記第3及び/又は第4のレーザ穴あけ部の内部に第3及び/又は第4の導体層を形成して第3及び/又は第4の半貫通孔ビアホールを形成する工程と、
    前記第3及び/又は第4のレーザ穴あけ部が形成された後に前記第2の絶縁層の表面に表面導体回路を形成する工程と、を有することを特徴とする印刷配線板の製造方法。
  14. コア基板を有し、当該コア基板は中空の孔で壁面に導体壁を有する貫通孔を有し、前記コア基板に形成され、且つ前記導体壁に電気的に接続された第1の導体回路を有し、前記コア基板の表面に接する絶縁層であって前記貫通孔の内部を充填し形成された絶縁層を有し、前記絶縁層の表面の所定位置から前記導体壁が露出する位置まで形成された半貫通孔を有し、前記絶縁層の表面に第2の導体回路を有し、前記半貫通孔の壁面に形成された導体層を有し、当該導体層が前記第2の導体回路及び前記貫通孔の前記導体壁に電気的に接続された構造を有することを特徴とする印刷配線板。
  15. 表層に設けられた第1の導体回路及び貫通孔を具備する表層コア基板を有し、前記表層コア基板の下に設置された内層コア基板を有し、前記内層コア基板は第2の導体回路を有し、前記表層コア基板の前記貫通孔は中空の孔で壁面に導体壁を有し、当該導体壁は前記第1の導体回路に電気的に接続される構造を有し、前記表層コア基板の裏面と前記内層コア基板の間、及び前記表層コア基板の前記貫通孔の内部を充填する絶縁層を有し、前記表層コア基板の表面の所定位置から前記貫通孔の導体壁を露出し、且つ前記内層コア基板に達する半貫通孔を有し、前記半貫通孔の壁面に導体層を有し、当該導体層が前記貫通孔の前記導体壁及び前記第2の導体回路に電気的に接続された構造を有することを特徴とする印刷配線板。
  16. コア基板と、
    前記コア基板に予め設けられた第1の半貫通孔の壁に形成された半貫通導体壁と、
    前記コア基板に形成され、且つ前記半貫通導体壁に電気的に接続された第1の導体回路と、
    前記コア基板の上に形成された絶縁層と、
    前記絶縁層の表面の所定位置から前記半貫通導体壁が露出する位置まで形成された第2の半貫通孔と、
    前記第2の半貫通孔の内部及び前記絶縁層の上に形成され、且つ前記半貫通導体壁に電気的に接続された導体層と、
    前記絶縁層の上に形成された導体層がエッチングされて形成された第2の導体回路と、を有することを特徴とする印刷配線板。
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