JP6016004B2 - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、貫通孔の層間接続をフィルドビアめっきで形成する配線基板及びその製造方法に関する。
近年、配線基板の高密度化に伴って、配線基板に設けられた貫通孔や非貫通孔上に、電子部品素子を搭載する端子等の配線パターンを形成できるようにした配線基板が要求されている。これに応える配線基板としては、貫通孔や非貫通孔を穴埋め樹脂で充填し、蓋めっき等を行って、貫通孔や非貫通孔上に、配線パターンを形成する配線基板が従来から行われている。しかし、この配線基板では、貫通孔等への穴埋め樹脂の充填や表面研磨、蓋めっきといった工程が必要となり、工数を要する問題がある。
そこで、このような工数増加の問題を回避するため、配線基板の貫通孔の一方の開口を金属箔で塞ぎ、この金属箔を給電層として、フィルドビアめっきを行って貫通孔を充填した配線基板が提案されている(特許文献1)。また、非貫通孔にフィルドビアで形成した層間接続を、配線基板の厚み方向全体に亘って積み上げるフルスタック構造が提案されている(特許文献2)。さらに、配線基板の表裏面の両側から、内部に向かって孔径が縮小するテーパ形状の頂部同士を突き合わせた形状の貫通孔を形成し、この貫通孔内にフィルドビアめっきを行い、めっき初期において、貫通孔の最小径部がフィルドビアめっきで塞がれることを利用して、非貫通孔を形成し、実質的に非貫通孔へのフィルドビアめっきと同様な状態として、最終的に貫通孔をフィルドビアめっきで充填する配線基板が開示されている(特許文献3)。
特開2004−259795号公報 特開2009−224731号公報 特開2009−060151号公報
しかしながら、引用文献1の配線基板では、フィルドビアめっきの給電層を設けるために、貫通孔の一方の開口に金属箔を接着材で貼り合せる工程や、余分な接着材を除去する工程が必要となり、やはり工数が多い問題がある。
引用文献2の配線基板では、非貫通孔にフィルドビアめっきを充填するものであるため、配線基板の厚み方向全体に亘ってフィルドビアめっきを形成するために、フィルドビアめっきで形成した非貫通孔を、1層ずつ積み上げる必要があり、やはり工数を要する問題がある。
引用文献3の配線基板では、配線基板の表裏面のそれぞれの側から、レーザ加工によって、内部に向かって孔径が縮小するテーパ形状の頂部同士を突き合わせた形状の貫通孔を形成するが、貫通孔の最小径部が配線基板の厚み方向の何れの位置に形成されるか、安定し難い。貫通孔の最小径部が、配線基板の表裏の何れかの側にずれると、めっき初期において、フィルドビアめっきで塞がれる位置がずれることになり、即ち、非貫通孔の深さが、配線基板の表裏で異なることになる。このような場合は、図5に示すように、配線基板1の表裏面のフィルドビアめっき12に凹み14や突起16が生じたり、貫通孔9の内部にめっきボイド15が生じたりする問題がある。配線基板1の表裏面のフィルドビアめっき12に凹み14や突起16が生じた場合は、表面研磨工程が必要になり、工数が増加する問題がある。また、めっきボイド15が生じた場合は、信頼性上の問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、内層導体と表層導体との層間接続を形成しつつ、貫通孔内にめっきボイドを抑制したフィルドビアめっきを形成し、また基板表裏の貫通孔上のフィルドビアめっき表面が平坦なことにより、工数低減と信頼性の確保を図ることが可能な配線基板及びその製造方法を提供する。
本発明は、以下に関する。
1. スルーホールめっき層を備えるIVHと内層導体とを有する内層板と、この内層板が深さ方向中央部に配置されるように、前記内層板の表裏両側に積層した絶縁樹脂及び表層導体とを有する積層基板と、前記積層基板を貫通する貫通孔と、この貫通孔内に形成されたフィルドビアめっきとを有し、前記貫通孔の断面形状が、前記絶縁樹脂に対応する部分に設けられた、前記積層基板の表裏両側から内部に向かって孔径が縮小したテーパ形状の部分と、前記貫通孔の内層板のIVHに対応する部分に設けられた、最小径部となる深さ方向中央部の対向する内壁が平行となる部分と、を有する配線基板。
2. 項1において、内層板に対応する部分に設けられた対向する内壁が平行となる部分に、前記内層板に設けられたIVHのスルーホールめっき層を有する配線基板。
3. 内層板にスルーホールめっき層を備えるIVHと内層導体とを形成する工程(A)と、前記内層板が深さ方向中央部に配置されるように、前記内層板の表裏両側に絶縁樹脂と表層導体とを積層した積層基板を形成する工程(B)と、前記絶縁樹脂に対応する部分に設けられた、前記積層基板の表裏両側から内部に向かって孔径が縮小したテーパ形状の部分と、前記内層板のIVHに対応する部分に設けられた、最小径部となる深さ方向中央部の対向する内壁が平行となる部分と、を有する貫通孔を形成する工程(C)と、この貫通孔内にフィルドビアめっきを形成する工程(D)と、を有する配線基板の製造方法。
4. 項3において、貫通孔を形成する工程(C)では、前記積層基板の表裏両側から内部に向かって孔径が縮小したテーパ形状の断面形状を有する非貫通孔を形成する工程(C−1、C−2)と、IVH内の絶縁樹脂を除去してスルーホールめっき層を露出させ、対向する内壁が平行となる部分を有する貫通孔を形成する工程(C−3)と、を有する配線基板の製造方法。
本発明によれば、内層導体と表層導体との層間接続を形成しつつ、貫通孔内にめっきボイドを抑制したフィルドビアめっきを形成し、また基板表裏の貫通孔上のフィルドビアめっき表面が平坦なことにより、工数低減と信頼性の確保を図ることが可能な配線基板及びその製造方法を提供することができる。
本発明の配線基板の断面図である。 本発明の配線基板の製造方法の一部を表すフロー図である。 本発明の配線基板の製造方法の一部を表すフロー図である。 本発明の配線基板の製造方法の一部を表すフロー図である。 従来の配線基板の断面図である。
本発明の配線基板の実施形態としては、図1に示すように、スルーホールめっき層2を備えるIVH(Interstitial Via Holes)3と内層導体4とを有する内層板5と、この内層板5の表裏両側に積層した絶縁樹脂6及び表層導体7とを有する積層基板8と、前記積層基板8を貫通する貫通孔9とを有し、前記貫通孔9の断面形状が、前記積層基板8の表裏両側から内部に向かって孔径が縮小したテーパ形状の部分10と、前記貫通孔9の内層板5に対応する部分に設けられた対向する内壁が平行となる部分11と、を有する配線基板1が挙げられる。
本発明において、内層板とは、配線基板の内層を構成するものであり、スルーホールめっき層を備えるIVHと内層導体とを有している。内層板は、銅箔を貼り合せた基材にIVH用の孔を明け、スルーホールめっきを行い、内層板表面の銅箔とスルーホールめっき層を回路加工して内層導体を形成することで作製することができる。IVHとは、内層導体間を内層で接続するための孔であり、配線基板全体を貫通しない孔をいう。IVH用の孔は、ドリル加工やルータ加工、打ち抜き加工、レーザ加工等によって形成することができる。スルーホールめっき層とは、スルーホールめっきによって形成されるめっき層をいい、IVH用の孔の内壁及び内層板の表面に形成される。スルーホールめっき層は、無電解銅めっき、電解銅めっき等を用いて形成することができる。内層導体は、内層板に設けられた導体といい、銅箔とスルーホールめっき層を有する。内層導体は、銅箔とスルーホールめっき層とをエッチングすること等により形成することができる。
本発明において、積層基板とは、内層板上に絶縁樹脂及び表層導体を積層したものをいい、内層板とこの内層板の表裏両側に積層した絶縁樹脂及び表層導体とを有する。絶縁樹脂とは、内層板に設けられた内層導体と表層導体とを絶縁し、接着するものである。絶縁樹脂としては、一般の配線基板で用いられるものを使用することができ、このようなものとして、補強材を有するガラスエポキシやガラスポリイミド等のプリプレグや、補強材を有しないエポキシ接着シート等のフィルム材が挙げられる。表層導体とは、配線基板の表面に形成される導体をいうが、必ずしも完成した配線基板の表面である必要はなく、生産工程の途中段階の中間製品である配線基板の表層である場合も含む。表層導体は、銅箔と後述するフィルドビアめっきとをエッチングすること等により形成することができる。
絶縁樹脂として用いるプリプレグは、絶縁組成物を補強材である基材に含浸又は塗工してなるものであり、基材としては各種の電気絶縁材料用積層板に用いられる周知のものが使用できる。樹脂組成物は、配線基板の絶縁材料として用いられる公知慣用の樹脂組成物を用いることが出来る。通常、耐熱性、耐薬品性の良好な熱硬化性樹脂がベースとして用いられ、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ビニール樹脂などが例示されるが、これらに限定されない。
また、絶縁樹脂として用いるフィルム材としては、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン等のポリマーをフィルム状に形成したもの、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンとテトラフルオロエチレンとのコポリマー、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンのコポリマー、パーフルオロアルコキシエチレンとテトラフルオロエチレンのコポリマー等のコポリマー、液晶ポリマーなどが挙げられる。より具体的には、例えば、味の素ファインテクノ株式会社製のABF−SH9K、ABF−GX3、ABF−GX13や、宇部興産株式会社製のユーピレックス25SGA、25SPA等が挙げられる。
本発明において、貫通孔とは、積層基板全体を貫通する孔をいう。貫通孔の断面形状は、積層基板の表裏両側から内部に向かって孔径が縮小したテーパ形状の部分と、貫通孔の内層板に対応する部分に設けられた対向する内壁が平行となる部分と、を有する。つまり、貫通孔の孔径が、配線基板の表裏両側から内部(深さ方向中央部)に向かって、徐々に縮小し、孔径が最も狭くなる内層板に対応する部分では、貫通孔の対向する内壁が平行になる。このように、貫通孔の断面形状が、テーパ形状の部分と対向する内壁が平行となる部分とを有することにより、貫通孔の入り口では、フィルドビアめっき液を取り込み易く、また、貫通孔の深さ方向における内部では、内壁が突出した箇所を有しないので、取り込んだフィルドビアめっき液の流れを妨げ難いため、貫通孔全体を通したフィルドビアめっき液の流れが均一となる。このため、最小径部である対向する内壁が平行となる部分から均一にフィルドビアめっきにより塞がれていき、従来技術(特許文献3)のように、貫通孔の深さ方向において、極端に偏った位置から塞がれるのを抑制することができるので、貫通孔の全体が均一にフィルドビアめっきによって埋め込まれるようになる。したがって、配線基板の表裏面のフィルドビアめっきに凹みや突起が生じたり、貫通孔の内部にめっきボイドが生じたりするのを抑制できる。
上記において、内層板に対応する部分に設けられた対向する内壁が平行となる部分に、内層板に設けられたIVHのスルーホールめっき層を有するのが好ましい。このように、IVHのスルーホールめっき層が、貫通孔における対向する内壁が平行となる部分を形成することによって、貫通孔の最小径部における対向する内壁を確実に平行にすることができ、より確実に内壁が突出した箇所の形成を抑制できる。
図2に示すように、本発明の配線基板1の製造方法の実施形態としては、内層板5にスルーホールめっき層2を備えるIVH3と内層導体4とを形成する工程(A)と、前記内層板5の表裏両側に絶縁樹脂6と表層導体7とを積層した積層基板8を形成する工程(B)と、前記積層基板8の表裏両側から内部に向かって孔径が縮小したテーパ形状の部分10と、前記内層板5に対応する部分に設けられた対向する内壁が平行となる部分11と、を有する貫通孔9を形成する工程(C)と、を有する配線基板1の製造方法が挙げられる。
工程(C)のテーパ形状の部分10と対向する内壁が平行となる部分11とを有する貫通孔9を形成する方法としては、積層基板8の表裏両側の表層導体7に、レーザ加工のマスクとなる窓孔(コンフォーマルマスク)を、表裏両側において重なる位置に形成し、積層基板8の表裏両側のそれぞれから、コンフォーマルマスク法によって、積層基板8の表裏両側の表層導体7から内層板5に到り、積層基板8の深さ方向の内部に向かって孔径が縮小したテーパ形状の非貫通孔を2つ形成し、その後、非貫通孔の底部をねらってレーザ加工またはドリル加工を行い、2つの非貫通孔を繋げて貫通孔9を形成する方法が挙げられる。これによれば、テーパ形状の2つの非貫通孔を繋げた部分(内層板5に対応する部分)では、対向する内壁が平行となる部分が形成される。
また、図3に示すように、上記の配線基板の製造方法において、貫通孔9を形成する工程(C)では、前記積層基板8の表裏両側から内部に向かって孔径が縮小したテーパ形状の断面形状を有する非貫通孔13を形成する工程(C−1、C−2)と、IVH3内の絶縁樹脂6を除去してスルーホールめっき層2を露出させ、対向する内壁が平行となる部分11を有する貫通孔9を形成する工程(C−3)と、を有するのが好ましい。なお、テーパ形状の断面形状を有する非貫通孔13を形成する工程(C−1、C−2)では、非貫通孔13同士が繋がって、貫通孔9となるようにしてもよい。
工程(C−1、C−2)のテーパ形状の部分10を有する非貫通孔13を形成する方法としては、積層基板8の表裏両側の表層導体7に、レーザ加工のマスクとなる窓孔を、内層板5のIVH3の位置と重なり、かつ、表裏両側において重なる位置に形成し、積層基板8の表裏両側のそれぞれから、コンフォーマルマスク法によって、積層基板8の表裏両側の表層導体7から内層板5のIVH3の途中まで到り、積層基板8の深さ方向の内部に向かって孔径が縮小したテーパ形状の非貫通孔を2つ形成する方法が挙げられる。この場合、積層基板の表裏両側に設ける銅箔の窓孔は、直径が60μm〜120μm程度である場合が好ましい。
また、工程(C−3)の対向する内壁が平行となる部分11を有する貫通孔9を形成する方法としては、非貫通孔13の底部付近のIVH3をねらってレーザ加工またはドリル加工を行い、積層基板8を形成した際にIVH3内に充填した絶縁樹脂6を除去して、IVH3のスルーホールめっき層2を露出させつつ、2つの非貫通孔13を繋げて貫通孔9を形成する方法が挙げられる。これによれば、IVH3のスルーホールめっき層2が露出した部分(内層板5に対応する部分)では、対向する内壁が平行となる部分が、より確実に形成される。この場合、IVH3のスルーホールめっき層2が露出することにより形成される、対向する内壁が平行となる部分の貫通孔9の直径は、40μm〜100μm程度である場合が好ましい。
本発明の配線基板は、板厚が100μm〜300μmで、貫通孔の直径が60μm〜120μm程度である場合が好ましく、このような場合には、配線基板の表裏面のフィルドビアめっきに凹みや突起が生じたり、貫通孔の内部にめっきボイドが生じたりするのを抑制するのに有効である。
以下、本発明の好適な実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
図2(A)に示すように、内層板5として、板厚0.1mm、表裏の銅箔の厚さ5μm、サイズ500mm×400mmのMCL−E679FG(日立化成工業株式会社製、製品名、「MCL」は登録商標。)を用い、直径50μmの極小径のドリル(ユニオンツール株式会社製)を用いて、ドリル加工により、直径50μmのIVH3用孔を形成した後、無電解銅めっきと電解めっきを用いて、全面に厚さ5μmのスルーホールめっき層2を形成した。その後、エッチングレジストを形成して、エッチングにより内層導体4を形成した。これにより、内層板5(厚さ0.1mm)に、スルーホールめっき層2(厚さ5μm)を備えるIVH3(直径40μm)と内層導体4(厚さ10μm)とを形成した。
図2(B)に示すように、内層板5の表裏両側に、絶縁樹脂6として、ガラスエポキシ樹脂プリプレグであるGEA−679FG(日立化成工業株式会社製、製品名)と、表層導体7として、厚さ9μmの銅箔とを、180℃、3.0MPaの条件で1時間プレス成形し、積層した積層基板8を形成した。積層後の絶縁樹脂6の厚みは、内層板5の表裏両側の何れも60μmであり、積層基板8全体の厚みは、220μmであった。また、この積層基板8の表層導体7には、直径80μmの窓孔(コンフォーマルマスク)を形成した。窓孔の形成は、一般的なサブトラクティブ法により行った。また、窓孔形成のためのエッチングレジストを形成する際の露光工程には、ダイレクトイメージ露光装置(大日本スクリーン株式会社製)を使用し、窓孔の表裏位置合せ精度は、±20μm以内で形成した。
図3(C−1)に示すように、この積層基板8の窓孔に合わせて、表裏の一方からIVH3の途中まで到る、深さ60〜90μmのテーパ形状の断面形状を有する非貫通孔13を、レーザ加工で形成した。レーザ加工には、炭酸ガスレーザー加工機であるLC−2K212/2C(日立ビアメカニクス株式会社製、商品名)を使用し、テーパー形状の断面形状を有する孔加工に適したレーザビームの形状である、ガウシアンタイプのレーザビームを使用した。レーザビーム径は、100μmを選択し、レーザ1ショット当り、絶縁樹脂6を深さ20〜30μm孔明けするレーザ条件に設定し、レーザのショット数は3ショットで加工した。
次に、図3(C−2)に示すように、積層基板8の窓孔に合わせて、表裏のもう一方からIVH3の途中に到る、深さ60〜90μmのテーパ形状の断面形状を有する非貫通孔13を、レーザ加工で形成した。レーザ加工の条件等は、積層基板の表裏の一方からのレーザ加工(図3(C−1))のときと同様である。このとき、積層基板8には、レーザ加工等のばらつきにより、一部で貫通孔9が形成される場合があるが、内層板5に対応する部分のIVH3内には絶縁樹脂6が残留しており、この絶縁樹脂6の残留によって、貫通孔9の断面形状は、深さ方向の何れかの部分で内壁が突出した箇所が生じ、また、この内壁が突出した箇所は、貫通孔9の深さ方向で一定ではなかった。
次に、図3(C−3)に示すように、積層基板8の表裏の何れかの側から、非貫通孔13の底部付近のIVH3をねらってレーザ加工を行い、積層基板8を形成した際にIVH3内に充填した絶縁樹脂6を除去して、IVH3のスルーホールめっき層2を露出させつつ、2つの非貫通孔13を繋げて貫通孔9を形成した。このとき、IVH3のスルーホールめっき層2が露出した部分(内層板5に対応する部分)では、対向する内壁が平行となる部分が形成された。対向する内壁が平行となる部分のレーザ加工条件は、レーザビーム径を50μmとし、レーザビームの形状はトップハットタイプを使用し、レーザ1ショット当り、絶縁樹脂6を深さ20〜30μm孔明けする条件に設定し、レーザを3ショット照射し、IVH3内に充填した絶縁樹脂6を除去して、IVH3のスルーホールめっき層2を露出させ、直径40μmの貫通孔9を形成した。
次に、温度80±5℃、濃度55±10g/Lの過マンガン酸ナトリウム水溶液を用いて貫通孔9内のデスミア処理を施した後、図4(D)に示すように、貫通孔9内を含む配線基板1の全面に、無電解銅めっきにて0.4〜0.8μmの厚みの導電膜を形成した。次に、この導電膜を給電層として、電解フィルドめっきであるVF−5(荏原ユージライト株式会社製、商品名)を使用し、めっき厚設定を22μmとして、貫通孔9内にフィルドビアめっき12を充填した。
次に、図4(E)に示すように、配線基板1の表裏両側についてエッチングにより回路加工し、表層導体7を形成した。配線基板1の表裏両側のフィルドビアめっき12には、凹み14も突起16も見られず、また断面観察の結果、めっきボイド15も観察されなかった。
1.配線基板
2.スルーホールめっき層
3.IVH
4.内層導体
5.内層板
6.絶縁樹脂
7.表層導体
8.積層基板
9.貫通孔
10.テーパ形状の部分
11.対向する内壁が平行となる部分
12.フィルドビアめっき
13.非貫通孔
14.凹み
15.めっきボイド
16.突起
17.内壁が突出した箇所

Claims (4)

  1. スルーホールめっき層を備えるIVHと内層導体とを有する内層板と、この内層板が深さ方向中央部に配置されるように、前記内層板の表裏両側に積層した絶縁樹脂及び表層導体とを有する積層基板と、前記積層基板を貫通する貫通孔と、この貫通孔内に形成されたフィルドビアめっきとを有し、前記貫通孔の断面形状が、前記絶縁樹脂に対応する部分に設けられた、前記積層基板の表裏両側から内部に向かって孔径が縮小したテーパ形状の部分と、前記貫通孔の内層板のIVHに対応する部分に設けられた、最小径部となる深さ方向中央部の対向する内壁が平行となる部分と、を有する配線基板。
  2. 請求項1において、内層板に対応する部分に設けられた対向する内壁が平行となる部分に、前記内層板に設けられたIVHのスルーホールめっき層を有する配線基板。
  3. 内層板にスルーホールめっき層を備えるIVHと内層導体とを形成する工程(A)と、前記内層板が深さ方向中央部に配置されるように、前記内層板の表裏両側に絶縁樹脂と表層導体とを積層した積層基板を形成する工程(B)と、前記絶縁樹脂に対応する部分に設けられた、前記積層基板の表裏両側から内部に向かって孔径が縮小したテーパ形状の部分と、前記内層板のIVHに対応する部分に設けられた、最小径部となる深さ方向中央部の対向する内壁が平行となる部分と、を有する貫通孔を形成する工程(C)と、この貫通孔内にフィルドビアめっきを形成する工程(D)と、を有する配線基板の製造方法。
  4. 請求項3において、貫通孔を形成する工程(C)では、前記積層基板の表裏両側から内部に向かって孔径が縮小したテーパ形状の断面形状を有する非貫通孔を形成する工程(C−1、C−2)と、IVH内の絶縁樹脂を除去してスルーホールめっき層を露出させ、対向する内壁が平行となる部分を有する貫通孔を形成する工程(C−3)と、を有する配線基板の製造方法。
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