JP3660900B2 - 樹脂シートとその製造方法、及び該樹脂シートからなる基板、並びにそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

樹脂シートとその製造方法、及び該樹脂シートからなる基板、並びにそれを用いた液晶表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な樹脂シート、特に液晶セル基板等として利用できる、薄型、軽量で機械強度、光拡散性等に優れた樹脂シートとその製造方法、およびこの樹脂シートを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置等の表示装置においては、透明粒子を有する光拡散シートを液晶セルの視認側に貼り付け、照明光や液晶表示装置内蔵のバックライトに起因するギラツキを防止し、視認性を向上させる方法が知られていた。しかし、液晶表示装置の薄型化、軽量化の点から、光拡散シートを液晶セルの視認側に貼り付ける代わりに、光拡散機能を液晶セル基板に付与することが検討されている。具体的には、液晶セル基板を構成しているハードコート層や基材層に透明粒子を混入し光拡散機能を付与することが検討されている。
【0003】
しかし、ハードコート層や基材層に透明粒子を混入した場合は、透明粒子による光の散乱のため光の利用効率が若干低下するという問題があった。また、液晶セル基板の最外面に、フォトリソグラフィー法で凹凸構造を設け、光拡散機能を付与することも検討されていたが、フォトリソグラフィー法はレジスト塗布、パターニング、現像、レジスト除去といった複数の工程よりなるため製造効率の点で問題があった。
【0004】
また、従来の反射型の液晶表示装置は、反射層付きの偏光板を液晶層を挟んで視認側と反対側の液晶セル基板に貼り付けた構成が一般的であったが、上記の構成の反射型の液晶表示装置においては、液晶層と反射層間の距離が大きく表示がぼやけるという問題があった。それを改善する為に、反射板をセル内に設けた構造が開示されている。しかし、反射板が鏡面であれば正反射光以外の光を利用できない為、視野角が狭くなる。それを改善する為には前記の様に、透明樹脂を有する光拡散シートを液晶表示装置の視認側に設ける事が提案されている。また、反射板を凹凸加工することによって、反射光を拡散する方法も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、薄型、軽量で機械強度、光拡散性に優れた樹脂シートとその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、薄型、軽量で機械強度、光拡散性、光反射性に優れた反射型の樹脂シートと、その製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、前記樹脂シートからなる薄型、軽量の液晶セル基板、およびこれを用いた光の利用効率の高い液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の樹脂シートは、ハードコート層と、ガスバリア層と、基材層とを積層してなり、前記基材層が最外層にあり、前記基材層の外側表面が凹凸構造を有することを特徴とする。前記樹脂シートにおいては、前記凹凸構造を有する基材層の表面粗さRaは、0.3μm〜5.0μmである。また、前記樹脂シートにおいては、前記基材層はエポキシ系樹脂よりなることが好ましく、前記ガスバリア層はビニルアルコール系ポリマーよりなることが好ましく、前記ハードコート層はウレタンアクリレート架橋ポリマーよりなることが好ましい。
【0007】
また、本発明の樹脂シートは、ハードコート層と、基材層とを積層してなり、前記基材層の外側表面が凹凸構造を有し、該基材層の上に金属薄層が形成されていることを特徴とする。前記樹脂シートにおいては、前記凹凸構造を有する基材層の表面粗さRaは、0.3μm〜5.0μmである。
【0008】
また、本発明の樹脂シートの製造方法は、ハードコート層と、ガスバリア層と、基材層とを積層してなり、前記基材層が最外層にあり、前記基材層の外側表面が凹凸構造を有する樹脂シートを製造する方法において、該積層樹脂シートの平滑な基材層表面に、凹凸加工が施されたフィルムを接触させ、加熱圧着することにより前記凹凸加工が施されたフィルムの凹凸構造を前記基材層表面に転写することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の樹脂シートの製造方法は、ハードコート層と、基材層とを積層してなり、前記基材層の外側表面が凹凸構造を有し、前記基材層の上に金属薄層が形成されてなる樹脂シートを製造する方法において、該積層樹脂シートの平滑な基材層表面に、凹凸加工が施されたフィルムを接触させ、加熱圧着することにより前記凹凸加工が施されたフィルムの凹凸構造を前記基材層表面に転写した後、該基材層上に金属薄層を設けることを特徴とする。
【0010】
前記の製造方法においては、前記凹凸加工が施されたフィルムが、ポリイミドフィルムよりなることが好ましい。また、前記金属薄層は真空蒸着により設けることが好ましい。
【0011】
次に、本発明の液晶セル基板は、前記いずれかに記載の樹脂シートからなることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の液晶表示装置は、前記いずれかに記載の樹脂シートを用いたことを特徴とする。この液晶表示装置においては、前記樹脂シートの凹凸面が液晶側にあり、該凹凸面の上に金属薄層、カラーフィルタ、透明樹脂層を設けてあり、該透明樹脂層の上に電極パターンを設けてあり、対向側基板は平滑な樹脂シート上に電極パターンを形成し、電極パターンを内側に貼り合わせてなる構成が好ましい。
【0013】
さらに、本発明の液晶表示装置用樹脂シートは、前記いずれかに記載の樹脂シートを含むことを特徴とする。
さらに、本発明のエレクトロルミネッセンス表示用基板は、前記いずれかに記載の樹脂シートを含むことを特徴とする。
さらに本発明の太陽電池用基板は、前記いずれかに記載の樹脂シートを含むことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る第1の樹脂シートは、少なくとも、ハードコート層と、ガスバリア層と、基材層とを積層してなり、前記基材層が最外層にあり、前記基材層の外側表面が凹凸構造を有する。本発明に係る第2の樹脂シートは、少なくとも、ハードコート層と、基材層とを積層してなり、前記基材層の外側表面が凹凸構造を有し、この凹凸構造を有する基材層上すなわち基材層の表面に金属薄層が形成されている。以下、その詳細を説明する。
【0015】
本発明の樹脂シートにおいて、ハードコート層は樹脂シートに耐薬品性、耐擦傷性、耐熱性、耐屈曲性を付与する目的で形成される。ハードコート層を形成する材料としては、前記目的を達成しうるものであれば特に制限はなく、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコールやエチレン・ビニルアルコール共重合体の如きポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂や塩化ビニリデン系樹脂等が挙げられる。また、ポリアリレート系樹脂、スルホン系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ビニルピロリドン系樹脂、セルロース系樹脂やアクリロニトリル系樹脂などもハードコート層の形成に用いることができる。これらの樹脂は、1種または任意の2種以上の混合物を用いることができる。
【0016】
上記のハードコート層形成樹脂の中でも、支持体からの剥離性や耐擦傷性の点より、ウレタン系樹脂が好ましく、ウレタンアクリレートが特に好ましく用いられる。
【0017】
ハードコート層の厚みは、1μm〜10μmが好ましく、さらに好ましくは2μm〜5μmがよい。厚みが1μm未満の場合は、ハードコート層をガラス板やステンレスエンドレスベルト等の支持体に塗布し剥離する時の剥離性が悪くなり、また10μmを超える場合は、平滑な樹脂層が得られなくなるからである。
【0018】
本発明の樹脂シートにおいて、ガスバリア層を形成する材料としては、特に制限はなく、例えば、ポリビニルアルコール及びその部分ケン化物、エチレン・ビニルアルコール共重合体等のビニルアルコール系ポリマーや、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン等の酸素透過が小さい材料が用いられる。中でも、高ガスバリア性の点よりビニルアルコール系ポリマーが特に好ましい。これらのポリマーは、1種または任意の2種以上の混合物を用いることができる。また、本発明におけるガスバリア層の材料としては、酸化珪素や窒化珪素等の無機系材料を用いてもよい。
【0019】
ガスバリア層の厚みは、2μm〜10μmが好ましく、さらに好ましくは2μm〜5μmがよい。厚みが2μm未満の場合は、ガスバリア性が不十分となり、また10μmを超える場合は、平滑な樹脂層が得られなくなるからである。
【0020】
本発明の樹脂シートにおいて、基材層を形成する材料としては、前記目的を達成しうるものであれば特に制限はなく、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂やポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリジアリルフタレート樹脂やポリイソボニルメタクリレート樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種または任意の2種以上の混合物を用いることができ、他成分との共重合体や混合物などとして用いることもできる。
【0021】
上記樹脂の中でも、表面平滑性を得るため、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。熱硬化性樹脂の中では、色相の点よりエポキシ系樹脂が特に好ましく用いられる。エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型やそれらの水素添加の如きビスフェノール型、フェノールノボラック型やクレゾールノボラック型の如きノボラック型、トリグリシジルイソシアヌレート型やヒンダントイン型の如き含窒素環型、脂環式型、脂肪族型、ナフタレン型の如き芳香族型、グリシジルエーテル型、ビフェニル型の如き低吸水率タイプ、ジシクロ型、エステル型、エーテルエステル型やそれらの変性型などが挙げられる。これらは単独で使用してもあるいは併用してもよい。上記各種エポキシ系樹脂の中でも、変色防止性などの点より、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂やトリグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0022】
このようなエポキシ系樹脂としては、一般にエポキシ当量100〜1000、軟化点120℃以下のものが、得られる樹脂シートの柔軟性や強度等の物性などの点より好ましく用いられる。さらに塗工性やシート状への展開性等に優れるエポキシ樹脂含有液を得る点などよりは、塗工時の温度以下、特に常温において液体状態を示す二液混合型のものが好ましく用いられる。
【0023】
またエポキシ系樹脂は、硬化剤、硬化促進剤、および必要に応じて従来から用いられている老化防止剤、変性剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤や紫外線吸収剤等の従来公知の各種添加物を適宜に配合することができる。
【0024】
前記、硬化剤についても特に限定はなく、エポキシ系樹脂に応じた適宜な硬化剤を1種または2種以上用いることができる。ちなみにその例としては、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸やメチルヘキサヒドロフタル酸の如き有機酸系化合物類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンやそれらのアミンアダクト、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンやジアミノジフェニルスルホンの如きアミン系化合物類が挙げられる。
【0025】
また、ジシアンジアミドやポリアミドの如きアミド系化合物類、ジヒドラジットの如きヒドラジド系化合物類、メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、エチルイミダゾール、イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、フェニルイミダゾール、ウンデシルイミダゾール、ヘプタデシルイミダゾールや2−フェニル−4−メチルイミダゾールの如きイミダゾール系化合物類も前記硬化剤の例として挙げられる。
【0026】
さらに、メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、エチルイミダゾリン、イソプロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、フェニルイミダゾリン、ウンデシルイミダゾリン、ヘプタデシルイミダゾリンや2−フェニル−4−メチルイミダゾリンの如きイミダゾリン系化合物、その他、フェノール系化合物、ユリア系化合物類やポリスルフィド系化合物類も前記硬化剤の例として挙げられる。
【0027】
加えて、酸無水物系化合物類なども前記硬化剤の例として挙げられ、変色防止性などの点より、かかる酸無水物硬化剤が好ましく用いられる。その例としては無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ジクロロコハク酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物やクロレンディック酸無水物などが挙げられる。
【0028】
特に、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物やメチルヘキサヒドロフタル酸無水物の如く無色系ないし淡黄色系で、分子量が約140〜約200の酸無水物系硬化剤が好ましく用いられる。
【0029】
前記エポキシ系樹脂と硬化剤の配合割合は、硬化剤として酸無水物系硬化剤を用いる場合、エポキシ系樹脂のエポキシ基1当量に対して酸無水物当量を0.5〜1.5当量となるように配合することが好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.2当量がよい。酸無水物が0.5当量未満では、硬化後の色相が悪くなり、1.5当量を超えると、耐湿性が低下する傾向がみられる。なお他の硬化剤を単独で又は2種以上を併用して使用する場合にも、その使用量は前記の当量比に準じる。
【0030】
前記硬化促進剤としては、第三級アミン類、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩類、有機金属塩類、リン化合物類や尿素系化合物類等が挙げられるが、特に第三級アミン類、イミダゾール類やリン化合物類を用いることが好ましい。これらは単独であるいは併用して使用することができる。
【0031】
前記硬化促進剤の配合量は、エポキシ系樹脂100質量部に対して0.05〜7.0質量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜3.0質量部がよい。硬化促進剤の配合量が0.05質量部未満では、充分な硬化促進効果が得られず、7.0質量部を超えると硬化体が変色するおそれがある。
【0032】
前記老化防止剤としては、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物やホスフィン系化合物等の従来公知のものが挙げられる。
【0033】
前記変性剤としては、グリコール類、シリコーン類やアルコール類等従来公知のものが挙げられる。
【0034】
前記界面活性剤は、エポキシ系樹脂シートを流延法でエポキシ樹脂を空気に触れながら成形する場合に、シートの表面を平滑にするために添加される。界面活性剤としてはシリコーン系、アクリル系やフッ素系等が挙げられるが、とくにシリコーン系界面活性剤が好ましい。
【0035】
前記基材層の厚みは、通常50μm〜1000μmであり、好ましくは200μm〜600μmである。厚みが50μm未満の場合は樹脂シートの剛性がなくなるので操作性が悪く、またギャップの均一性が悪くなり、一方、1000μmを超える場合は薄型化の利点がなくなり、また切断等の加工が困難となるからである。
【0036】
本発明の第1の樹脂シートは、ハードコート層と、ガスバリア層と、基材層とを積層してなるものであって、各層の積層順序や積層数は特に制限されない。少なくとも、ハードコート層、ガスバリア層および基材層とを積層してなり、基材層が最外層にあり、この基材層の外側表面が凹凸構造を有していればよい。ガスバリア層が、耐薬品性、耐摩擦性に劣る場合は、ガスバリア層を内層にすることによって問題なく使用することができる。したがって、最も好ましい構成としては、最外層から順次、基材層、ガスバリア層、ハードコート層の順に積層されたものである。第1の樹脂シートの一例を図1に例示する。1はハードコート層、4はガスバリア層、2は凹凸加工された基材層である。
【0037】
前記凹凸構造を有する基材層の表面粗さは、JIS B 0601−1994に記載の表面粗さRaが0.1μm〜10.0μmであり、好ましくは0.3μm〜5.0μm、より好ましくは0.5μm〜2.0μmである。前記基材層の表面粗さが0.1μmより小さい場合や10.0μmより大きい場合は、光拡散機能が不十分となり、照明光や液晶表示装置内蔵のバックライトに起因するギラツキが見られる。
【0038】
なお、表面粗さは、JIS B 0601−1994に準じて、原子力顕微鏡(AFM)、触針式表面粗さ計、光干渉式表面粗さ計等により測定可能である。
【0039】
本発明の第1の樹脂シートの厚みは、基材層の厚みによっても異なるが、基材層の厚みを限定したと同様の理由から、通常50μm〜1000μmであり、好ましくは200μm〜600μmである。
【0040】
本発明の第1の樹脂シートは、通常、液晶層を挟んで視認側と反対側の液晶セル基板として用いられる。この場合、樹脂シートの凹凸面を液晶層側に配置するのがよい。樹脂シートの最外層にある基材層が凹凸構造を有することにより、光拡散機能が付与され、照明光や液晶表示装置内蔵のバックライトに起因するギラツキを防止できるとともに、光拡散層が液晶層により近い位置にあるため、鮮明な画像が得られ、視認性を向上させることができる。
【0041】
次に、本発明の第2の樹脂シートは、ハードコート層と基材層とを積層してなるものであって、各層の積層数は特に制限されない。少なくとも、ハードコート層と基材層とを積層してなり、最外層にある基材層の外側表面が凹凸構造を有し、該凹凸構造を有する積層体の基材層表面に金属薄層が設けられている。この基材層の表面粗さは前記第1の樹脂シートの場合と同様である。また、樹脂シートの厚さや各層の材質、厚さ等も第1の樹脂シートの場合と同様である。
【0042】
第2の樹脂シートにおいて、金属薄層はガスバリア機能を有し、この樹脂シートを液晶セル基板として用いた場合に、水分や酸素が樹脂シートを透過してセル内に侵入することを防止する働きをする。したがって、金属薄層を設けた樹脂シートにおいては、ポリビニルアルコール等からなる有機ガスバリア層や珪素酸化物等からなる無機ガスバリア層を積層させる必要はないが、ガスバリア層を設けることを妨げるものではない。第2の樹脂シートの一例を図2に例示する。1はハードコート層、2は凹凸加工された基材層、3は金属薄層である。
【0043】
金属薄層としては、銀やアルミニウム等からなることが好ましい。前記金属薄層の厚みは、10nm〜150nmであり、好ましくは20nm〜120nmである。厚みが10nm未満の場合は、反射膜としての機能を発揮することができず、一方150nmを超える場合は、真空蒸着に時間を要し、異常突起が発生しやすくなったり、凹凸層との密着性が悪くなるからである。
【0044】
本発明の金属薄層を設けた樹脂シートは、通常、液晶層を挟んで視認側と反対側の液晶セル基板として用いられる。この場合、樹脂シートの凹凸面を液晶層側に配置するのがよい。金属薄層を設けた反射型の樹脂シートを、液晶セル基板として用いて液晶表示装置を作製することにより、反射層を液晶層により近い位置に配置することができるので、画素の二重像が生じず、良好な表示品位が得られる。また、この樹脂シートは基材層表面が凹凸構造を有しているため、光拡散機能があり、液晶セル基板として用いた場合、照明光や液晶表示装置内蔵のバックライトに起因するギラツキを防止し、視認性を向上させることができる。
【0045】
また、基板の凹凸面を液晶層側に設け、その上に金属薄膜を設ける構造の液晶表示素子では、金属薄膜による反射光が前記凹凸面によって拡散される。この方式では反射層と液晶層が近いため、画素の二重像が生じず、良好な表示品位が得られる。
【0046】
次に、本発明の樹脂シートの製造方法について説明する。
【0047】
本発明における樹脂シートの製造方法の一例を図3に例示した。図3に例示の製造方法は、まず流延法により、エンドレススチールベルト41よりなる支持体に、ハードコート層塗布用ダイ21よりハードコート層形成樹脂液を塗布後、UV硬化装置31を用いて硬化し、形成されたハードコート層13上に、ガスバリア層塗布用ダイ22より有機ガスバリア層形成樹脂液、基材層塗布用ダイ23より基材層形成樹脂液を順次塗布後、加熱装置を用いて完全に硬化させ、最外層から順に基材層11、ガスバリア層12、およびハードコート層13からなる積層体を形成する。このように流延法で製造した場合、最外層にある基材層表面は平滑になる。平滑とは、JIS B 0601−1994に記載の表面粗さRaが1nm以下であることを意味する。次に、フィルム繰り出し用口ール52から凹凸加工されたフィルム54を、基材層11の表面に接するように繰り出し、加熱圧着した後、フィルム巻き取りロール53にて巻き取ることにより、フィルムの凹凸構造が基材層表面に転写された樹脂シートを得ることができる。
【0048】
図3においては、流延法による連続した工程でフィルムの凹凸構造が基材層表面に転写された樹脂シートの製造方法を例示したが、本発明の樹脂シートの製造方法は上記に限定されるものではない。具体的には、基材層、ガスバリア層、およびハードコート層からなる積層体を、エンドレススチールベルトから剥離した後、基材層表面を凹凸加工されたフィルムで被覆し、熱板プレス機やロール貼り合わせ機等で加熱圧着してもよい。
【0049】
前記支持体は、スチール以外にステンレス、銅、アルミニウム等も好ましく用いることができる。
【0050】
基材層表面に凹凸構造を転写する場合、基材層は完全にゲル化していることが好ましい。完全にゲル化しているとは、基材層形成樹脂液が実質的に流動しない状態を意味する。したがって、基材層にエポキシ系樹脂を用いた場合等は、該エポキシ系樹脂は完全に硬化している必要はなく、転写できる程度に硬化していればよい。基材層がゲル化していない状態で基材層表面を凹凸加工されたフィルムで被覆した場合、基材層と凹凸加工されたフィルムとが接着するため、凹凸加工されたフィルムを基材層から剥離できなかったり、剥離する際に凹凸加工されたフィルムや基材層が破損したり、また樹脂シートの厚みを調整することが困難となり生産性が著しく低下するといった問題が生じる。
【0051】
前記凹凸加工されたフィルムとしては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン等からなるものが好ましく用いられ、特にポリイミドが耐熱性が良好である点で好ましい。また、ポリエチレンテレフタレートを使用する際は、耐熱性の点から裏面にアルミニウム等の金属層(500〜2000オングストローム)を付与したものを用いるのが好ましい。
【0052】
前記凹凸加工されたフィルムの厚みは、10μm〜200μmであることが好ましい。フィルムの厚みが10μm未満の場合は、フィルム面に凹凸加工を施す事が困難になる。また基材層に凹凸構造を転写し剥離する際にフィルムが破損しやすくなる。フィルムの厚みが200μmを超える場合は、基材層に凹凸構造を転写する事が困難になる。また経済的にも問題がある。
【0053】
前記凹凸加工されたフィルムの表面粗さは、JIS B 0601−1994に記載の表面粗さRaが0.1μm〜10.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.3μm〜5.0μm、さらに好ましくは0.5μm〜2.0μmである。凹凸加工されたフィルムの表面粗さが、0.1μmより小さい場合や表面粗さが10.0μmより大きい場合は、その凹凸構造を基材層に転写した場合、樹脂シートの光拡散機能が不十分となり、この樹脂シートを液晶セル基板として使用した場合、照明光や液晶表示装置内蔵のバックライトに起因するギラツキが見られる。
【0054】
前記凹凸加工されたフィルムを、加熱圧着する時の圧力は、20MPa以下であることが好ましく、より好ましくは1MPa〜10MPaがよい。加熱圧着する時の圧力が20MPaよりも大きい場合は、凹凸加工されたフィルム、基材層、ガスバリア層、およびハードコート層からなる積層体が変形する等の問題が生じる。
【0055】
前記凹凸加工されたフィルム、加熱圧着する時の温度は、50℃〜300℃であることが好ましい。加熱圧着する時の温度が50℃よりも低い場合は、凹凸構造を基材層に転写することが困難になる。一方、加熱圧着する時の温度が300℃よりも高い場合は、ハードコート層、有機ガスバリア層、基材層、および凹凸加工されたフィルムからなる積層体が熱により変形する等の問題が生じる。
【0056】
本発明の樹脂シートの製造方法は流延法に限定されるものではなく、例えばガラス板等からなる支持体上に、ハードコート層形成樹脂液を、ワイヤーバーコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート法、スプレー法、ディップコート法等で塗布後、ガスバリア層、基材層をエクストルージョンコート法、カーテンコート法等で塗布し、完全に硬化させた後、平滑な基材層表面を凹凸加工されたフィルムで被覆し、支持体ごと加熱圧着することによっても形成することができる。
【0057】
本発明の樹脂シートの製造方法によれば、ハードコート層と、基材層とを積層してなる積層樹脂シートの平滑な基材層表面に、凹凸加工が施されたフィルムを接触させ、加熱圧着することにより、前記凹凸加工が施されたフィルムの凹凸構造を前記基材層表面に転写した後、この基材層上に金属薄層を設けてもよい。
【0058】
具体的には、前述したように、エンドレススチールベルト等よりなる支持体にハードコート層、基材層を順次形成し、フィルム繰り出し用ロールから凹凸加工されたフィルムを基材層表面に接するように繰り出し、加熱圧着した後巻き取ることにより、ハードコート層と凹凸構造を有する基材層よりなる積層体を得ることができる。次に、ハードコート層と凹凸構造を有する基材層よりなる積層体を支持体より剥離し、凹凸構造を有する基材層表面に、銀またはアルミニウム等からなる金属薄層を真空蒸着法等により積層させることにより、金属薄層が設けられた樹脂シートを得ることができる。
【0059】
なお、本発明において、金属薄層の形成方法は真空蒸着法に限定されるものではなく、スパッタリング法やCVD法等も好ましく用いられる。
【0060】
液晶表示装置は一般に、偏光板、液晶セル、反射板又はバックライト、及び必要に応じての光学部品等の構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むことなどにより形成される。本発明においては、上記した樹脂シートを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じて形成することができる。従って、本発明における液晶表示装置の形成に際しては、例えば視認側の偏光板の上に設けるアンチグレア層、反射防止膜、保護層、保護板、あるいは液晶セルと視認側の偏光板の間に設ける補償用位相差板などの適宜な光学部品を前記樹脂シートに適宜に組み合わせることができる。本発明の樹脂シートは光拡散機能を有しているため、液晶表示装置を組み立てる際に光拡散板を必要としない。
【0061】
さらに、本発明の液晶表示装置は、本発明の樹脂シートからなる凹凸基板上に設けられた反射用金属層の上にカラーフィルタを設けることにより、画素間の光路差が抑制され、混色が生じにくくなるため、良好な表示品位を得られる。また、基板の凹凸は光拡散機能には必要であるが、その凹凸が液晶層にまで達すると液晶の配向を乱す元になるため、凹凸層の上に設けられたカラーフィルタ並びにその上の平滑層によって基板の凹凸を平滑化することによって、液晶層に基板表面の凹凸が及ばないようにすることで、基板凹凸による液晶配向乱れを防止する。
【0062】
なお、本発明の樹脂シートの用途は液晶セル基板に限定されるものではなく、エレクトロルミネッセンス表示用基板や太陽電池用基板としても好ましく用いられる。
【0063】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。また、特に言及しない限り、「%」は「質量%」を意味する。
【0064】
(実施例1)
(化1)の化学式で示される3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート100質量部、硬化剤として(化2)の化学式で示されるメチルテトラヒドロ無水フタル酸120質量部、硬化促進剤として(化3)の化学式で示されるテトラ−n−ブチルホスホニウムo,o−ジエチルホスホロジチオエート2質量部を攪拌混合して基材層形成樹脂液を得た。次に、ポリビニルアルコール系ポリマー(ゴーセノールNH−18、日本合成製)5gを熱水95gに溶解し、有機ガスバリア層形成樹脂液を得た。
【0065】
【化1】
Figure 0003660900
【0066】
【化2】
Figure 0003660900
【0067】
【化3】
Figure 0003660900
【0068】
図3に例示の流延法により、駆動ドラム42と従動ドラム43の間に掛けられたエンドレススチールベルト41に、ダイ21より(化4)に示すウレタンアクリレート樹脂の15%トルエン溶液を塗布し、風乾した後、紫外線照射により樹脂を硬化し、厚さ2μmのハードコート層13を得た。ハードコート層上に有機ガスバリア層形成樹脂液をダイ22より塗布した後、熱硬化させ、厚さ3.7μmの有機ガスバリア層12を得た。次に、有機ガスバリア層上に基材層形成樹脂液をダイ23より塗布した後、熱硬化させ、厚さ400μmの基材層11を得た。この場合、基材層表面の表面粗さRaは0.2nmであった。次に、凹凸加工されたポリイミドフィルム54(厚み:25μm、表面粗さRa:1μm)を、フィルム繰り出し用ロール52より基材層表面に接するように繰り出し、熱ロール51でエンドレススチールベルトごと150℃、5MPaで加熱圧着し、ポリイミドフィルムをフィルム巻き取り用ロール53に回収した。基材層表面にはポリイミドフィルムの凹凸構造が転写され、基材層表面の表面粗さRaは2μmであった。次にハードコート層、有機ガスバリア層、および基材層からなる積層体をエンドレススチールベルトより剥離し、樹脂シートを得た。
【0069】
【化4】
Figure 0003660900
【0070】
(表面粗さRaの測定方法)
触針式表面粗さ計 P−11(Tencol製)を用いて、測定長200μm、スキャン測定20μm/secで測定した。
【0071】
(実施例2)
実施例1と同様にして基材層形成樹脂液を得た。ガラス板上にワイヤーバーコート法により(化4)に示すウレタンアクリレート樹脂の15%トルエン溶液を塗布し、風乾した後、紫外線照射により樹脂を硬化し厚さ2μmのハードコート層を得た。ハードコート層上に、前記基材層形成樹脂液をべーカー式アプリケータにて厚さ400μmに塗布し、100℃で60分間加熱硬化し、基材層を形成した。この場合、基材層の表面粗さRaは0.2nmであった。次に、基材層表面を、凹凸加工されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:60μm、表面粗さRa:2μm)で被覆し、150℃で5MPaで加熱圧着し、ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材層より剥離した後、ガラス板からハードコート層と基材層からなる積層体を剥離した。基材層表面にはポリエチレンテレフタレートフィルムの凹凸構造が転写され、基材層表面の表面粗さRaは2μmであった。次に、凹凸加工された基材層表面に、アルミニウムを真空度6.7×10-2Pa、0.04nm/sの速度で真空蒸着させ(アルミニウム層の厚み:30nm)、反射型の樹脂シートを得た。
【0072】
(比較例1)
実施例1と同様にして基材層形成樹脂液を調製した。ガラス板上にワイヤーバーコート法により(化4)に示すウレタンアクリレート樹脂の15%トルエン溶液を塗布し、風乾した後、紫外線照射により樹脂を硬化し、厚さ2μmのハードコート層を得た。ハードコート層上に前記基材層形成樹脂液をべーカー式アプリケータにて厚さ400μmに塗布し、100℃で60分間加熱硬化し、表面粗さRaが0.2nmの基材層を形成した後、ガラス板からハードコート層と基材層からなる積層体を剥離した。次に、実施例2と同様にして、平滑な基材層表面にアルミニウムを真空蒸着させ、反射型の樹脂シートを得た。
【0073】
(評価試験:表示品位)
実施例1、2と比較例1で作製した樹脂シートを液晶セル基板として用いて液晶表示装置を組み立て、暗室中で20°の角度でリング状照明装置を照射し、液晶表示装置の電圧印加状態で黒色表示の表示品位を調べ、電圧無印加状態で白色表示の表示品位を調べた。
【0074】
その結果、実施例1、2で作製した樹脂シートを用いて液晶表示装置を作製したところ、表示品位は良好であった。一方、比較例1で作製した樹脂シートを用いて液晶表示装置を作製したところ、白色表示においてギラツキがみられた。
【0075】
(実施例3)
実施例2で作製した樹脂シート2の金属3の表面に、液晶表示素子の画素に対応したカラーフィルタ63を印刷法にて形成し、このカラーフィルタ63上に、カラーフィルタ並びに基板の凹凸を平滑化させる熱硬化性の透明樹脂層64を設け、透明樹脂層64の上にITOからなる透明電極層を通常のスパッタリング法で形成したあと、ITOからなる透明電極層をフォトリソグラフィ法にて電極パターン65を形成することによって、液晶表示素子用プラスチック基板を得た。一方、対向側基板に平滑なプラスチック基板62を用い、ITOからなる透明電極パターン65を形成する。両基板の透明電極パターン上に配向膜66を形成し、ラビング法からなる配向処理を施した後、スペーサ69を介して電極面を向かい合わせに熱硬化性エポキシ樹脂からなるシール67を用いて基板62と2を貼り合わせた後、基板間に液晶68を充填し、偏光板及び位相差補償フィルムにて挟持する事によって反射用液晶表示素子を得た。このとき、凹凸面は視認者側から見て、液晶68を挟んだ向こう側になる。本実施例ではカラーフィルタ63上に透明樹脂層64を設けることにより、カラーフィルタ63並びに凹凸基板2の凹凸を埋没平滑化するため、液晶68の配向乱れは生じなかった。カラーフィルタ63上の平滑樹脂64は、熱硬化性アクリル樹脂以外に透明エポキシ樹脂等でカラーフィルタ表面を平滑化しても、同じように液晶の配向乱れは生じなかった。
【0076】
また、カラーフィルタ63を印刷法以外の電着法で形成する場合は、前記金属3の表面に電着しても構わないが、反応率の高い銀等の金属は容易に酸化するので、金属表面の上にネサやITOからなる透明電極を設ける事が望ましいため、前記実施例2の金属層の上に厚み80nmでITOを設け、その上にフィルタを電着法で設け、後は上述の方法で反射型液晶表示装置を作製した。
【0077】
このとき、金属表面の透明電極の屈折率と膜厚の積は50から400nm程度が望ましく、特に基板の凹凸面上の金属に銀を用いた場合、短波長側の反射が低減するため、前記の積が400nm程度のとき、波長450nm程度の青色光の反射光が干渉ピークで強調されるため、短波長側の反射率の低減を補償できる。また、金属膜と透明電極の間に窒化ケイ素や酸化ケイ素、チタン酸化物等を挟持して反射光を補償しても構わない。
【0078】
【発明の効果】
本発明の樹脂シートは樹脂系であるので、薄型、軽量であり機械強度に優れている。また、本発明の樹脂シートは、最外層にある基材層が凹凸構造を有し、前記凹凸構造を有する基材層の表面粗さRaは、0.3μm〜5.0μmであるため光拡散機能を有しており、この樹脂シートを、液晶セル基板として用いて液晶表示装置を作製することにより、照明光や液晶表示装置内蔵のバックライトに起因するギラツキが防止できるとともに、光の散乱が小さく、光の利用効率が高くなるため、より明るい表示品位が得られる。また、凹凸構造を有する基材層表面に金属薄層を設け、前記凹凸構造を有する基材層の表面粗さRaは、0.3μm〜5.0μmである反射型の樹脂シートを、液晶セル基板として用いて液晶表示装置を作製することにより、反射層である金属薄層を液晶層により近い位置に配置することができるので、画素の二重像が生じず、良好な表示品位が得られる。
【0079】
さらに、本発明の液晶表示装置において、液晶セル基板表面を凹凸加工することにより、凹凸材料を貼り付け、その上に金属層を設ける従来のパネルと比べて、凹凸材料の剥離という問題が無くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の樹脂シートの一例である。
【図2】 本発明の樹脂シートの一例である。
【図3】 本発明の樹脂シートの製造方法の一例である。
【図4】 本発明の液晶表示装置の断面である。
【符号の説明】
1 :ハードコート層
2 :凹凸加工された基材層
3 :金属薄層
4 :ガスバリア層
11:基材層
12:ガスバリア層
13:ハードコート層
21:ハードコート層塗布用ダイ
22:ガスバリア層塗布用ダイ
23:基材層塗布用ダイ
31:UV硬化装置
32:乾燥機
33:乾燥機
41:エンドレススチールベルト
42:駆動ドラム
43:従動ドラム
51:熱ロール
52:凹凸加工されたフィルム繰り出し用口ール
53:凹凸加工されたフィルム巻き取り用ロール
54:凹凸加工されたフィルム
60:上側偏光板
61:下側偏光板
62:平滑機能基板
63:カラーフィルタ
64:平滑樹脂層
65:電極パターン
66:配向膜
67:シール
68:液晶
69:スペーサ

Claims (15)

  1. ハードコート層と、ガスバリア層と、基材層とを積層してなり、前記基材層が最外層にあり、前記基材層の外側表面が凹凸構造を有する樹脂シートであって、
    前記凹凸構造を有する基材層の表面粗さRaが、0.3μm〜5.0μmであることを特徴とする樹脂シート。
  2. 前記基材層が、エポキシ系樹脂よりなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂シート。
  3. 前記ガスバリア層が、ビニルアルコール系ポリマーよりなることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂シート。
  4. 前記ハードコート層が、ウレタンアクリレート架橋ポリマーよりなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂シート。
  5. ハードコート層と、基材層とを積層してなり、前記基材層の外側表面が凹凸構造を有し、該基材層の上に金属薄層が形成されている樹脂シートであって、
    前記凹凸構造を有する基材層の表面粗さRaが、0.3μm〜5.0μmであることを特徴とする樹脂シート。
  6. ハードコート層と、ガスバリア層と、基材層とを積層してなり、前記基材層が最外層にあり、前記基材層の外側表面が凹凸構造を有する樹脂シートを製造する方法において、該積層樹脂シートの平滑な基材層表面に、凹凸加工が施されたフィルムを接触させ、加熱圧着することにより前記凹凸加工が施されたフィルムの凹凸構造を前記基材層表面に転写することを特徴とする樹脂シートの製造方法。
  7. ハードコート層と、基材層とを積層してなり、前記基材層の外側表面が凹凸構造を有し、前記基材層の上に金属薄層が形成されてなる樹脂シートを製造する方法において、該積層樹脂シートの平滑な基材層表面に、凹凸加工が施されたフィルムを接触させ、加熱圧着することにより前記凹凸加工が施されたフィルムの凹凸構造を前記基材層表面に転写した後、該基材層上に金属薄層を設けることを特徴とする樹脂シートの製造方法。
  8. 前記凹凸加工が施されたフィルムが、ポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項6または7に記載の樹脂シートの製造方法。
  9. 前記金属薄層を真空蒸着により設けることを特徴とする請求項7に記載の樹脂シートの製造方法。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂シートからなる液晶セル基板。
  11. 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂シートを用いてなる液晶表示装置。
  12. 請求項11に記載の液晶表示装置において、前記樹脂シートの凹凸面が液晶側にあり、該凹凸面の上に金属薄層、カラーフィルタ、透明樹脂層を設けてあり、該透明樹脂層の上に電極パターンを設けてあり、対向側基板は平滑な樹脂シート上に電極パターンを形成し、電極パターンを内側に貼り合わせてなる液晶表示装置。
  13. 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂シートを含む液晶表示装置用樹脂シート。
  14. 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂シートを含むエレクトロルミネッセンス表示用基板。
  15. 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂シートを含む太陽電池用基板。
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