JP2002267811A - 樹脂シートおよび液晶表示装置 - Google Patents

樹脂シートおよび液晶表示装置

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JP2002267811A
JP2002267811A JP2001063032A JP2001063032A JP2002267811A JP 2002267811 A JP2002267811 A JP 2002267811A JP 2001063032 A JP2001063032 A JP 2001063032A JP 2001063032 A JP2001063032 A JP 2001063032A JP 2002267811 A JP2002267811 A JP 2002267811A
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epoxy resin
resin sheet
gas barrier
liquid crystal
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JP2001063032A
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Kiichi Shimodaira
起市 下平
Shunji Umehara
俊志 梅原
Kazutaka Hara
和孝 原
Katsuhiro Nakano
勝博 中野
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Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、薄型、軽量であり、機械強度、ガス
バリア性、耐熱性および光拡散性に優れた樹脂シートお
よび上記樹脂シートを用いた液晶表示装置を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】少なくともハードコート層、エポキシ系樹
脂と屈折率が相違する微小領域を含有するエポキシ系樹
脂層、および無機ガスバリア層からなり、且つ、上記微
小領域がエポキシ系樹脂層の厚さ方向に濃度分布を有し
て偏在していることを特徴とする樹脂シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄型、軽量であり、機
械強度、ガスバリア性、耐熱性および光拡散性に優れた
樹脂シート、および上記樹脂シートを用いた液晶表示装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置を形成する液晶セルの大型
化に伴い、ガラス系の液晶セル基板では重くて嵩高いこ
とから、薄型軽量化などを目的にエポキシ樹脂等からな
る樹脂系の液晶セル基板が提案され、開発されている。
しかし、樹脂系の液晶セル基板単独ではガスバリア性に
欠けるため、水分や酸素が液晶セル基板を透過してセル
内に侵入し、透明導電膜パターンが断線するという問題
が生じていた。またセル内に侵入した水分や酸素が気泡
を形成するまでに成長して、外観不良を起こしたり液晶
を変質させる等の問題も生じていた。そこで樹脂系の液
晶セル基板にポリビニルアルコール等からなる有機系ガ
スバリア層を積層する方法が用いられてきた。しかし有
機系ガスバリア層を積層した液晶セル基板は不純物含有
量が多く、有機系ガスバリア層を積層した液晶セル基板
を用いて液晶表示装置を作成すると、基板から溶出され
た不純物イオンの電気泳動により、液晶への実行電界が
減るため、交流駆動時にSTNのようなデューティー駆動
は正常に行われず、その結果、表示が乱れたり、ON/
OFF起動がスムーズにいかないという問題があった。
また有機系ガスバリア層は黄変しやすく、有機系ガスバ
リア層を積層した液晶セル基板を用いて液晶表示装置を
作成した場合、表示が黄色味を帯びる等の問題があっ
た。また液晶表示装置等の表示装置においては、透明粒
子を有する光拡散シートを液晶セルの視認側に貼り付け
照明光や液晶表示装置内蔵のバックライトに起因するギ
ラツキを防止し視認性を向上させる方法が知られてい
た。しかし液晶表示装置の薄型化、軽量化の点から光拡
散シートを液晶セルの視認側に貼り付ける代わりに、光
拡散機能を液晶セル基板に付与することが検討されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、薄型、軽量
であり、機械強度、ガスバリア性、耐熱性および光拡散
性に優れた樹脂シートおよび上記樹脂シートを用いた液
晶表示装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともハ
ードコート層、エポキシ系樹脂と屈折率が相違する微小
領域を含有するエポキシ系樹脂層、および無機ガスバリ
ア層からなり、且つ、上記微小領域がエポキシ系樹脂層
の厚さ方向に濃度分布を有して偏在していることを特徴
とする樹脂シートを提供するものである。前記エポキシ
系樹脂層は単層または微小領域含有層と微小領域不含有
層の密着重畳層からなることが好ましい。またエポキシ
系樹脂層が最外層にあり、且つ、前記微小領域がエポキ
シ系樹脂層の最外側に偏在している樹脂シートにおいて
は、エポキシ系樹脂層の最外側の表面が平滑であること
が好ましい。前記微小領域とエポキシ系樹脂との屈折率
差は0.03〜0.10であることが好ましい。前記無
機ガスバリア層は珪素酸化物からなり、珪素原子数に対
する酸素原子数の割合は1.5〜2.0であることが好
ましい。また前記無機ガスバリア層は珪素窒化物からな
り、珪素原子数に対する窒素原子数の割合は1.0〜4
/3であることが好ましい。前記無機ガスバリア層の厚
みは5〜200nmであることが好ましい。本発明の樹
脂シートは透湿度が10g/m2・24h・atm以下
であることが好ましい。また本発明は、本発明の樹脂シ
ートを用いた液晶表示装置も提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における樹脂シートは、少
なくともハードコート層、エポキシ系樹脂と屈折率が相
違する微小領域を含有するエポキシ系樹脂層、および無
機ガスバリア層からなり、且つ、上記微小領域がエポキ
シ系樹脂層の厚さ方向に濃度分布を有して偏在している
ことを特徴とする。
【0006】本願発明においてハードコート層を形成す
る材料としては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリビニルアルコールやエチレン・
ビニルアルコール共重合体の如きポリビニルアルコール
系樹脂、塩化ビニル系樹脂や塩化ビニリデン系樹脂が挙
げられる。
【0007】また、ポリアリレート系樹脂、スルホン系
樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ポリエーテルスル
ホン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ビニルピロリドン系
樹脂、セルロース系樹脂やアクリロニトリル系樹脂など
も樹脂層の形成に用いることができる。これらの樹脂の
中ではウレタン系樹脂が好ましく、ウレタンアクリレー
トが特に好ましく用いられる。なお樹脂層の形成には、
適宜な樹脂の2種以上のブレンド物なども用いることが
できる。
【0008】本発明におけるエポキシ系樹脂としては、
例えば、ビスフェノールA型やビスフェノールF型、ビ
スフェノールS型やそれらの水添加の如きビスフェノー
ル型、フェノールノボラック型やクレゾールノボラック
型の如きノボラック型、トリグリシジルイソシアヌレー
ト型やヒダントイン型の如き含窒素環型、脂環式型、脂
肪族型、ナフタレン型の如き芳香族型、グリシジルエー
テル型、ビフェニル型の如き低吸水率タイプ、ジシクロ
型、エステル型、エーテルエステル型、およびそれらの
変成型などが挙げられる。これらは単独で使用してもあ
るいは併用してもよい。上記各種エポキシ系樹脂の中で
も、変色防止性などの点よりビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシア
ヌレート型を用いることが好ましい。
【0009】このようなエポキシ系樹脂としては、一般
にエポキシ当量100〜1000、軟化点120℃以下
のものが、得られる樹脂シートの柔軟性や強度等の物性
などの点より好ましく用いられる。さらに塗工性やシー
ト状への展開性等に優れるエポキシ樹脂含有液を得る点
などよりは、塗工時の温度以下、特に常温において液体
状態を示す二液混合型のものが好ましく用いうる。
【0010】またエポキシ系樹脂は、硬化剤、硬化促進
剤、および必要に応じて従来から用いられている老化防
止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、
紫外線吸収剤等の従来公知の各種添加物を適宜に配合す
ることができる。
【0011】前記、硬化剤についても特に限定はなく、
エポキシ系樹脂に応じた適宜な硬化剤を1種または2種
以上用いることができる。ちなみにその例としては、テ
トラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘ
キサヒドロフタル酸やメチルヘキサヒドロフタル酸の如
き有機酸系化合物類、エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ンやそれらのアミンアダクト、メタフェニレンジアミ
ン、ジアミノジフェニルメタンやジアミノジフェニルス
ルホンの如きアミン系化合物類が挙げられる。
【0012】またジシアンジアミドやポリアミドの如き
アミド系化合物類、ジヒドラジットの如きヒドラジド系
化合物類、メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール、エチルイミダゾール、イソプロピルイ
ミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、フェニル
イミダゾール、ウンデシルイミダゾール、ヘプタデシル
イミダゾールや2−フェニル−4−メチルイミダゾール
の如きイミダゾール系化合物類も前記硬化剤の例として
挙げられる。
【0013】さらに、メチルイミダゾリン、2−エチル
−4−メチルイミダゾリン、エチルイミダゾリン、イソ
プロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリ
ン、フェニルイミダゾリン、ウンデシルイミダゾリン、
ヘプタデシルイミダゾリンや2−フェニル−4−メチル
イミダゾリンの如きイミダゾリン系化合物、その他、フ
ェノール系化合物、ユリア系化合物類やポリスルフィド
系化合物類も前記硬化剤の例として挙げられる。
【0014】加えて、酸無水物系化合物類なども前記硬
化剤の例として挙げられ、変色防止性などの点より、か
かる酸無水物硬化剤が好ましく用いうる。その例として
は無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット
酸、無水ピロメリット酸、無水ナジック酸、無水グルタ
ル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒド
ロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチ
ルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水
物、ドデセニルコハク酸無水物、ジクロロコハク酸無水
物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物やクロレン
ディック酸無水物などが挙げられる。
【0015】特に、無水フタル酸、テトラヒドロフタル
酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物やメチルヘキサ
ヒドロフタル酸無水物の如く無色系ないし淡黄色系で、
分子量が約140〜約200の酸無水物系硬化剤が好ま
しく用いられる。
【0016】前記エポキシ系樹脂と硬化剤の配合割合
は、硬化剤として酸無水物系硬化剤を用いる場合、エポ
キシ系樹脂のエポキシ基1当量に対して酸無水物当量を
0.5〜1.5当量となるように配合することが好まし
く、さらに好ましくは0.7〜1.2当量がよい。酸無
水物が0.5当量未満では、硬化後の色相が悪くなり、
1.5当量を超えると、耐湿性が低下する傾向がみられ
る。なお他の硬化剤を単独で又は2種以上を併用して使
用する場合にも、その使用量は前記の当量比に準じる。
【0017】前記硬化促進剤としては、第三級アミン
類、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩類、有機金
属塩類、リン化合物類や尿素系化合物類等が挙げられる
が、特に第三級アミン類、イミダゾール類やリン化合物
類を用いることが好ましい。これらは単独であるいは併
用して使用することができる。
【0018】前記硬化促進剤の配合量は、エポキシ系樹
脂100重量部に対して0.05〜7.0重量部である
ことが好ましく、さらに好ましくは0.2〜3.0重量
部がよい。硬化促進剤の配合量が0.05重量部未満で
は、充分な硬化促進効果が得られず、7.0重量部を超
えると硬化体が変色するおそれがある。
【0019】前記老化防止剤としては、フェノール系化
合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物やホスフィン
系化合物等の従来公知のものが挙げられる。
【0020】前記変性剤としては、グリコール類、シリ
コーン類やアルコール類等従来公知のものが挙げられ
る。
【0021】前記界面活性剤は、エポキシ系樹脂シート
を流延法でエポキシ樹脂を空気に触れながら成形する場
合に、シートの表面を平滑にするために添加される。界
面活性剤としてはシリコーン系、アクリル系やフッ素系
等が挙げられるが、とくにシリコーン系が好ましい。
【0022】本発明においては、光拡散性を付与するた
めにエポキシ系樹脂層に屈折率が異なる微小領域を含有
させる必要がある。微小領域とエポキシ系樹脂との屈折
率差は0.03〜0.10であることが好ましい、屈折
率差が0.03よりも小さい場合や0.10よりも大き
い場合は十分な光拡散機能を付与することができない。
【0023】微小領域としてはシリカ、アルミナ、チタ
ニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カド
ミウムや酸化アンチモン等からなる無機系粒子や架橋も
しくは未架橋のポリマー等からなる有機系粒子などが挙
げられる。またエポキシ系樹脂塗工液中に攪拌方式等の
適宜な方式で混入させた気泡なども微小領域の形成材と
して利用することができる。
【0024】微小領域の形成材の粒径は適宜に決定しう
るが、十分な光拡散性を得るために平均粒径が0.2〜
100μm以下、好ましくは0.5〜50μm、更に好
ましくは1〜20μmがよい。
【0025】また微小領域の形成材の使用量も光拡散性
の程度などに応じて適宜に決定しうるが、一般には透明
粒子の場合、エポキシ系樹脂100重量部あたり200
重量部以下、好ましくは0.05〜150重量部、更に
好ましくは0.1〜50重量部がよい。なお気泡等も含
めた場合には微小領域の含有側ないし含有層に基いて8
0容量%以下、好ましくは2〜60容量%、更に好まし
くは5〜50容量%がよい。
【0026】本発明においては、十分な光拡散性を付与
するために、微小領域がエポキシ系樹脂の厚さ方向に濃
度分布を有して偏在していることが必要である。微小領
域を偏在させることにより、液晶層に近い部分にのみ微
小領域を分布させることが可能になり、光拡散機能を付
与して視認性を向上させることができる。本発明におい
て微小領域が偏在しているとはエポキシ系樹脂層を厚さ
方向に等体積で2等分した場合、一方のエポキシ系樹脂
層に含有される微小領域の体積比率が他方のエポキシ系
樹脂層に含有される微小領域の体積比率の2倍以上、好
ましくは3倍以上、更に好ましくは5倍以上であるとい
うことである。体積比率とは(微小領域の体積/微小領
域を含むエポキシ系樹脂層の体積)のことである。微小
領域をエポキシ系樹脂の厚さ方向に濃度分布を有して偏
在させる方法としてはエポキシ系樹脂塗工液のシート状
展開層中にて微小領域を比重差に基いて沈降または浮遊
させる方法が挙げられる。この場合、エポキシ系樹脂層
は単層からなり微小領域含有側と微小領域不含有側に分
離する。
【0027】また微小領域を含有しないエポキシ系樹脂
塗工液を塗布し半硬化状態にした後、微小領域を含有す
るエポキシ系樹脂塗工液を塗布し、双方の塗工液を完全
に硬化させることによって微小領域を偏在させてもよ
い。この場合、エポキシ系樹脂層は微小領域含有層と微
小領域不含有層の密着重畳層からなる。また、この場
合、微小領域を含有しないエポキシ系樹脂塗工液と微小
領域を含有するエポキシ系樹脂塗工液の塗布順は逆であ
ってもよい。このように先の展開層を半硬化処理した後
に他方の展開層を重畳する方式とすることにより、微小
領域が他方の展開層内に侵入することを抑制ないし防止
できる。また上記のようにエポキシ系樹脂層を2回に分
けて塗布する場合、前記記載の偏在の範囲内であれば2
回とも微小領域を含有するエポキシ系樹脂塗工液を塗布
してもよい。
【0028】本発明においては、エポキシ系樹脂層が最
外層にあり、且つ、微小領域がエポキシ系樹脂層の最外
側にある場合は、エポキシ系樹脂層の最外側の表面は平
滑であることが好ましい。本発明において平滑とは表面
粗さ(Ra)が1nm以下であることを意味する。平滑
とすることにより配向膜や透明電極等の形成が容易とな
るからである。
【0029】本願発明において無機ガスバリア層を形成
する材料としては、珪素酸化物、マグネシウム酸化物、
アルミニウム酸化物や亜鉛酸化物等の透明なガスバリア
材料が知られているが、ガスバリア性や基材層への密着
性等から珪素酸化物が好ましく用いられる。
【0030】珪素酸化物としては珪素原子数に対する酸
素原子数の割合が1.5〜2.0であることが無機ガス
バリア層のガスバリア性、透明性、表面平坦性、屈曲
性、膜応力、コスト等の点から好ましい。珪素原子数に
対する酸素原子数の割合が1.5よりも小さくなると屈
曲性や透明性が悪くなる。珪素酸化物においては、珪素
原子数に対する酸素原子数の割合の最大値が2.0とな
る。
【0031】また無機ガスバリア層を形成する材料とし
ては、珪素窒化物も好ましく用いられ、珪素原子数に対
する窒素原子数の割合が1.0〜4/3のものが無機ガ
スバリア層のガスバリア性、透明性、表面平坦性、屈曲
性、膜応力、コスト等の点から好ましく用いられる。珪
素窒化物においては、珪素原子数に対する窒素原子数の
割合の最大値が4/3となる。
【0032】また本発明における無機ガスバリア層の厚
みは5〜200nmであることが好ましい。無機ガスバ
リア層の厚みが5nmより薄くなると良好なガスバリア
性が得られず、無機ガスバリア層の厚みが200nmよ
り厚くなると透明性、屈曲性、膜応力、コストの点で問
題がある。
【0033】本発明の樹脂シートは透湿度が10g/m
2・24h・atm以下であることが好ましい。透湿度
が10g/m2・24h・atmより大きくなると水分
や酸素がセル内に侵入し、透明導電膜パターンが断線し
たり、セル内に侵入した水分や酸素が気泡を形成するま
でに成長して外観不良を起こしたり液晶を変質させる等
の問題が生じる。
【0034】本発明の樹脂シートの黄色度は4以下であ
ることが好ましい。黄色度が4より大きくなると、この
樹脂シートを用いて液晶表示装置を作成した場合、表示
が黄色味を帯びやすくなる。
【0035】本発明における樹脂シートに電極を形成
し、電極付きの樹脂シートを提供することができる。
【0036】前記電極としては透明電極膜が好ましく用
いられる。透明電極膜は、例えば酸化インジウム、酸化
スズ、インジウム・錫混合酸化物、金、白金、パラジウ
ム、透明導電塗料などの適宜な形成材を用いて、真空蒸
着法やスパッタリング法や塗工法等により付設ないし塗
布する方式などの従来に準じた方式にて行うことがで
き、透明導電膜を所定の電極パターン状に直接形成する
ことも可能である。また透明導電膜上に必要に応じて設
けられる液晶配列用の配向膜も従来に準じた方式にて付
加することもできる。
【0037】液晶表示装置は一般に、偏光板、液晶セ
ル、反射板又はバックライト、及び必要に応じての光学
部品等の構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込
むことなどにより形成される。本発明においては、上記
した樹脂シートを用いる点を除いて特に限定はなく、従
来に準じて形成することができる。従って、本発明にお
ける液晶表示装置の形成に際しては、例えば視認側の偏
光板の上に設ける光拡散板、アンチグレア層、反射防止
膜、保護層、保護板、あるいは液晶セルと視認側の偏光
板の間に設ける補償用位相差板などの適宜な光学部品を
前記樹脂シートに適宜に組み合わせることができる。ま
た微小領域含有側もしくは微小領域含有層をセルの内側
として用いることが視差や影の発生を防止ないし抑制す
る点でより好ましい。
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例になんら限定されるものではな
い。
【0038】実施例1:(化1)の化学式で示される比
重約1.2の3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート10
0部(重量部、以下同じ)、(化2)の化学式で示され
るメチルヘキサヒドロフタル酸無水物125部、(化
3)の化学式で示されるテトラ−n−ブチルホスホニウ
ムo,o−ジエチルホスホロジチオエート3.75部、
グリセリン2.25部及びシリコーン系界面活性剤0.
07部を攪拌混合し、更に微小領域として比重約3.9
のアルミナ4部を配合して微小領域含有エポキシ系樹脂
液を調製した。
【化1】
【化2】
【化3】
【0039】図2に例示した製造工程に従い、まず(化
4)の化学式で示されるウレタンアクリレートの17重
量%のトルエン溶液を、ステンレス製エンドレスベルト
1に走行速度0.3m/分で流延塗布し、風乾してトル
エンを揮発させた後、UV硬化装置を用いて硬化し、膜
厚2μmのハードコート層10を形成した。続いて、前
記微小領域含有エポキシ系樹脂液をダイ5よりハードコ
ート層の上に0.3m/分で流延塗布し、加熱装置を用
いて硬化させ、膜厚400μmのエポキシ系樹脂層15
を形成した。前記エポキシ系樹脂液中のアルミナは塗工
直後より沈降を開始し、ハードコート層10側の厚さ5
0μmの層内に殆どが偏在した分布となり微小領域含有
側11と微小領域不含有側12に分離した。
【化4】
【0040】次にハードコート層、エポキシ系樹脂層の
積層体をエンドレスベルトから剥離し、窒素置換により
酸素濃度が0.5%の雰囲気下でガラス板上に180℃
×1時間放置しアフターキュアを行った。次にハードコ
ート層とエポキシ系樹脂層からなる積層体のエポキシ系
樹脂層側にSiOx(x=1.9)を日本真空製バッチ
式スパッタリング装置SMH−2306REを用いて、
アルゴンガス30ccを導入し、周波数500W、圧力
0.4Paで6分20秒かけてスパッタリングを行い、
100nmの無機ガスバリア層を形成した。
【0041】実施例2:実施例1と同様にして微小領域
含有エポキシ系樹脂液を調製した。またエポキシ系樹脂
液を調製する工程において、アルミナを混合させないで
微小領域不含有エポキシ系樹脂液を調製した。図3に例
示した製造工程に従い、まず、実施例1と同様にハード
コート層10を形成した後、ダイ5より微小領域不含有
エポキシ系樹脂液を0.3m/分で流延塗布し、乾燥機
8で半硬化状態とし微小領域不含有層を形成した後、ダ
イ6より微小領域含有エポキシ系樹脂液を0.3m/分
で流延塗布して微小領域含有層を形成し、乾燥機9で微
小領域不含有層と微小領域含有層を完全に硬化した。こ
の場合、微小領域不含有層の厚みは350μmであり、
微小領域含有層の厚みは50μmであった。
【0042】次にハードコート層、微小領域不含有層、
および微小領域含有層からなる積層体をエンドレスベル
トから剥離し、窒素置換により酸素濃度が0.5%の雰
囲気下でガラス板上に180℃×1時間放置しアフター
キュアを行った。次に積層体の微小領域含有層側に実施
例1と同様にして100nmの無機ガスバリア層を形成
した。
【0043】
【比較例1】まずウレタンアクリレートの17重量%の
トルエン溶液を、ステンレス製エンドレスベルトに走行
速度0.3m/分で流延塗布し、風乾してトルエンを揮
発させた後、UV硬化装置を用いて硬化し、膜厚2μm
のハードコート層を形成した。続いてポリビニルアルコ
ール系樹脂の5.5重量%の水溶液をハードコート層上
に0.3m/分で流延塗布し、100℃で10分間乾燥
させ、膜厚3.7μmの有機ガスバリア層を形成した。
続いて、実施例1で調製した微小領域不含有エポキシ系
樹脂液を有機ガスバリア層の上に0.3m/分で流延塗
布し、加熱装置を用いて硬化させ、膜厚400μmのエ
ポキシ系樹脂層を形成した。次にハードコート層、有機
ガスバリア層、エポキシ系樹脂層の積層体をエンドレス
ベルトから剥離し、窒素置換により酸素濃度が0.5%
の雰囲気下でガラス板上に180℃×1時間放置しアフ
ターキュアを行った。
【0044】評価試験:透湿度(g/m2・24h・a
tm)、表示品位 透湿度はJIS−Z0208で定められた透湿カップ及
び付属品を用いて測定した。また、実施例1〜2、比較
例1で作成した液晶セルを用いて液晶表示装置を組み立
て、暗室中で20°の角度でリング状照明装置を照射し
て、液晶表示装置の電圧印加状態で黒色表示の表示品位
を調べ、電圧無印加状態で白色表示の表示品位を調べ
た。
【0045】前記の結果を表1に示した。
【表1】
【0046】実施例1、2の樹脂シートを用いて液晶表
示装置を作成したところ、透湿度が4.8g/m2・2
4h・atmと低く耐候信頼性は良好で黒色表示、白色
表示ともに優れていた。比較例1の樹脂シートを用いて
液晶表示装置を作成したところ、透湿度が24.0g/
2・24h・atmと高く耐候信頼性が弱く、白表示
が黄色味を帯びていた。また白色表示においては液晶表
面での照明の反射が原因と思われるぎらつきが見られ
た。
【0047】
【発明の効果】本発明の樹脂シートは樹脂系であるため
薄型、軽量であり、機械強度にも優れている。また反射
層はガスバリア機能を有するので有機ガスバリア層を積
層させる必要はない。そのため本発明の樹脂シートは黄
色度変化率が小さく、耐熱性に優れているという特徴を
有する。また本発明の樹脂シートはエポキシ系樹脂層は
微小領域を含有することで良好な光拡散性を有する。従
って、視認性向上のために粘着剤等を介して光拡散シー
トを新たに付与する必要はない。また本発明の樹脂シー
トにより液晶層に近い部分に光拡散層を有する液晶セル
を形成できるので視差や影による像の滲みを防止し、視
認性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂シートの1例
【図2】本発明の樹脂シートの製造工程の1例
【図3】本発明の樹脂シートの製造工程の1例
【符号の説明】
1:エンドレスベルト 2:駆動ドラム 3:従動ドラム 4:ハードコート層塗布用ダイ 5:エポキシ系樹脂層塗布用ダイ 6:エポキシ系樹脂層塗布用ダイ 7:UV硬化装置 8:乾燥機 9:乾燥機 10:ハードコート層 11:微小領域含有側 12:微小領域不含有側 13:微小領域含有層 14:微小領域不含有層 15:エポキシ系樹脂層 16:無機ガスバリア層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/04 G02B 1/04 G02F 1/1333 500 G02F 1/1333 500 505 505 (72)発明者 中野 勝博 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H042 BA01 BA02 BA12 BA15 BA20 2H090 HB02X HB04X HB07X JB03 JC07 JD11 JD12 JD17 4F100 AA00C AA19 AA19H AA20C AD05C AK53B AK53D BA03 BA04 BA07 BA10A BA10B BA10C BA13 BA44 CC00A EH46 EJ54 GB41 JA20C JD02 JD02C JD04 JJ03 JK01 JK12A JK15B JL03 JN18B JN18D JN28 JN30 YY00 YY00B YY00C YY00D 4J002 CD011 CD021 CD031 CD051 CD061 CD131 CD141 DE096 DE126 DE136 DE146 DJ016 GP00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともハードコート層、エポキシ系樹
    脂と屈折率が相違する微小領域を含有するエポキシ系樹
    脂層、および無機ガスバリア層からなり、且つ、上記微
    小領域がエポキシ系樹脂層の厚さ方向に濃度分布を有し
    て偏在していることを特徴とする樹脂シート。
  2. 【請求項2】前記エポキシ系樹脂層が単層または微小領
    域含有層と微小領域不含有層の密着重畳層からなること
    を特徴とする請求項1に記載の樹脂シート。
  3. 【請求項3】前記エポキシ系樹脂層が最外層にあり、且
    つ、前記微小領域がエポキシ系樹脂層の最外側に偏在し
    ている樹脂シートにおいて、エポキシ系樹脂層の最外側
    の表面が平滑であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の樹脂シート。
  4. 【請求項4】前記微小領域とエポキシ系樹脂との屈折率
    差が0.03〜0.10であることを特徴とする請求項
    1〜3に記載の樹脂シート。
  5. 【請求項5】前記無機ガスバリア層が珪素酸化物からな
    り、珪素原子数に対する酸素原子数の割合が1.5〜
    2.0であることを特徴とする請求項1〜4に記載の樹
    脂シート。
  6. 【請求項6】前記無機ガスバリア層が珪素窒化物からな
    り、珪素原子数に対する窒素原子数の割合が1.0〜4
    /3であることを特徴とする請求項1〜5に記載の樹脂
    シート。
  7. 【請求項7】前記無機ガスバリア層の厚みが5〜200
    nmであることを特徴とする請求項1〜6に記載の樹脂
    シート。
  8. 【請求項8】透湿度が10g/m2・24h・atm以
    下であることを特徴とする請求項1〜7に記載の樹脂シ
    ート。
  9. 【請求項9】請求項1〜8の樹脂シートを用いた液晶表
    示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1830203A1 (en) * 2006-03-01 2007-09-05 Momentive Performance Materials Inc. Optical substrate comprising boron nitrade particles
CN100350277C (zh) * 2005-01-11 2007-11-21 占晖光学股份有限公司 镜片表面的喷浸及干燥制程

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