JP3660535B2 - 微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜、その製造方法、該イオン性膜の使用方法及び該イオン性膜を備えた装置 - Google Patents

微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜、その製造方法、該イオン性膜の使用方法及び該イオン性膜を備えた装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対イオンを透過する微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜の製造方法、この方法で製造される該イオン性膜、該イオン性膜の使用方法及び該イオン性膜を備えた装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カチオン性重合体成分又はアニオン性重合体成分を有するカチオン性膜又はアニオン性膜(以下単独イオン性膜と称することがある)、カチオン性膜及びアニオン性膜を張り合わせた構造を有するバイポーラ膜、及びカチオン性重合体成分とアニオン性重合体成分とが膜の厚さ方向に対して実質的に交互に配列し貫通している荷電モザイク膜は従来より公知である。
単独イオン性膜は、対イオンは吸着或いは透過できるが、副イオンは反発するという機能を有し、バイポーラ膜は電流の方向によっては電流を流さない整流作用、加水分解作用、1価イオンの選択的透過性を有し、荷電モザイク膜は低分子量の電解質は透析することができるが、非電解質は透析することができないか、或いは透析速度が非常に遅いという機能を有している。
【0003】
上記の単独イオン性膜、バイポーラ膜及び荷電モザイク膜の製造方法としては、例えば以下のような方法がある。
(1)単独イオン性膜については、▲1▼イオン交換樹脂の微粉末とマトリックスを形成するポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂とを均一に混練、加熱成形する方法、▲2▼ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等のフィルムをトリエチルアミン、クロロスルホン酸等を直接反応させてイオン性基を導入する方法、或いは、▲3▼ポリエチレン、ポリプロピレン等のフィルムに(メタ)アクリル酸をグラフト重合するか、又は、スチレン、ビニルピリジンをグラフト重合した膜をそれぞれスルホン化或いは第四級化してイオン性基を導入する方法が提案されている。
【0004】
(2)バイポーラ膜については、▲1▼メタケイ酸ナトリウムのような無機塩溶液をバインダーとしてカチオン性膜及びアニオン性膜を結合させる方法、▲2▼ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体等のフィルムの片面を被覆し、被覆していない面の表面をスルホン化してアニオン性基を導入した後、被覆物を剥離し、剥離した表面をビニルピリジン等でグラフト重合してカチオン性基を導入する方法が提案されている。
(3)荷電モザイク膜についてはブロック共重合体を使用する方法が提案されている。
【0005】
上記の(1)についての▲1▼の粒子径が粗いイオン交換樹脂を使用する方法は、製造方法は容易ではあるが粒子の比表面積が小さいため固定イオン濃度を大きくすることが困難であり、又、▲2▼の化学反応処理によりイオン性基を導入する方法は製造方法が煩雑である。(2)についてはイオン性基を導入する方法が煩雑であり、(3)のブロック共重合体を使用する方法では、その製造方法自体が非常に難しい方法である。
【0006】
これらの方法に対して、カチオン性及び/又はアニオン性成分を重合体微粒子の形で使用する方法も提案されており、単独イオン性膜、バイポーラ膜及び荷電モザイク膜(以下ではこれらの膜をイオン性膜と称する。)の製造が非常に容易であるという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の重合体微粒子を用いる方法において、重合体微粒子として微小球体を使用してイオン性膜を製造すると、微小球体の持っている集積性及び等方性から比較的容易にイオン性膜を製造することができる。
しかしながら、この方法では膜の構成成分がイオン性重合体であるために、形成される膜が製膜乾燥時に収縮したり、脆弱な膜になり易く、大面積の膜の製造には問題があった。
【0008】
上記の問題を改良する方法として、本発明者らは特願平10−232732号及び特願平11−43722号出願において、イオン性重合体成分を、マトリックス成分のポリスルホン系、ポリアリレート系、ポリウレタン系等の樹脂の有機溶剤溶液に分散させてなる組成物を用いて製膜する方法及び網目構造を有する織布状支持体を使用して製膜する方法を提案した。この方法により、製膜時間が短縮され、膜厚が均一で且つ薄膜でハンドリングが容易なイオン性膜が得られるようになった。
しかし、製膜方法は簡便になったが、電解質の透析速度の向上という点についてはまだ長時間を要し、その解決が必要である。
従って、本発明の目的は、電解質の透析速度が大きく、優れた選択透過性を有し、更に、十分な強度を有するイオン性膜及びその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の方法によって達成される。即ち、本発明は、カチオン性重合体成分及び/又はアニオン性重合体成分とマトリックス成分からなるイオン性膜であり、上記各イオン性重合体成分は平均粒子径が0.01〜10μmの範囲の粒状重合体であり、且つ、イオン性膜が微細で含水可能な空隙を有し、該空隙の大きさが透析させたくない物質の大きさより実質的に小さい微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜を製造するに際し、尿素誘導体類、多環式炭化水素類、β−ナフトール、キシリレンジグリコール、シクロヘキサンジグリコール及びジメチロールプロピオン酸から選択される少なくとも1種の微細空隙形成成分をマトリックス成分の溶液又は分散液に溶解又は分散混合させ、これに更にイオン性重合体成分を分散混合させてなる組成物を用いて製膜し、得られた膜をマトリックス成分を溶解しないが、微細空隙形成成分を溶解する溶剤に浸漬し、微細空隙形成成分だけを溶解除去させて微細で含水可能な空隙を形成させることを特徴とする微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜の製造方法、上記方法で得られる微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜、該イオン性膜の使用方法及び該イオン性膜を備えた装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
本発明の微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜は、ドメインを形成する粒状重合体であるカチオン性重合体成分及び/又はアニオン性重合体成分とマトリックス成分から構成され、該イオン性膜には微細で含水可能な、透析させたくない物質の大きさ(分子径、イオン径等)より実質的に小さい空隙が形成されていることが特徴である。
従って、本発明のイオン性膜は、水中では、その微細な空隙が水で満たされることでミクロのイオン性膜の厚みが実質的に微小になってミクロのイオン性膜の多層構造が形成され、その結果として対イオンの透過速度が大きくなったものと想われる。
【0011】
本発明のイオン性膜は、以下に説明するイオン性重合体成分、マトリックス成分及び微細空隙形成成分を用いて製造される。
本発明のイオン性膜は、先ず、微細空隙形成成分をマトリックス成分の溶液又は分散液に溶解又は分散混合させ、この溶液又は分散液にイオン性重合体成分を混合分散させて調製したイオン性膜形成組成物を用いて製膜し、次いで、得られたイオン性膜をマトリックス成分を溶解しないが、微細空隙形成成分を溶解する溶剤に浸漬し、微細空隙形成成分だけを溶解除去して微細で含水可能な空隙を形成することによって製造される。
【0012】
本発明において使用されるイオン性重合体成分は、平均粒子径が、0.01〜10μm、好ましくは0.02〜1μmの範囲の粒状重合体である。
イオン性重合体成分は、カチオン性重合体成分としては、例えば、第一級〜第三級のアミノ基、第四級アンモニウム基、ピリジニウム基等のカチオン性基及びそれらの塩の基を有する重合体が挙げられ、アニオン性重合体成分としては、例えば、スルホン酸、カルボン酸、硫酸エステル、燐酸エステル等のアニオン性基及びそれらの塩の基を有する重合体が挙げられる。
イオン性基をその塩の基とするに際しては、カチオン性基に対しては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸、有機酸等の酸類が使用され、アニオン性基に対しては、例えば、アルカリ金属、アンモニア、アミン、アルカノールアミン等のアルカリ又は塩基類が使用される。
【0013】
又、イオン性重合体成分は、非イオン性の粒状重合体を調製後、例えば、アミノ化及び第四級アンモニウム化、加水分解、スルホン化、硫酸エステル化等の化学修飾処理によって調製することができる。尚、本発明においては、イオン性重合体成分の調製には、イミノジ酢酸、ポリアミン基等の金属とのキレート形成基成分を導入する等の化学的処理により、非イオン性重合体がカチオン性化或いはアニオン性化される処理方法であれば、例示以外の化学修飾処理法も使用することができる。
【0014】
イオン性基及びそれらの塩の基を有するイオン性重合体成分を調製するために使用される代表的なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸等のカルボン酸基含有モノマー及びそれらの塩;スチレンスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシプロピルスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2−スルホエチル、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2−プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー及びそれらの塩等のアニオン性モノマーが、又、カチオン性モノマーとしては、例えば、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン等のビニルピリジン及びその第四級化物;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、4−ビニルベンジルジメチルアミン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルアミン等のアミノ基含有モノマー及びそれらの塩等が挙げられる。
【0015】
イオン性重合体は、上記の如きアニオン性又はカチオン性モノマーを重合することにより得られるが、その際、必要に応じて公知の非イオン性モノマーをイオン性モノマーと共重合させることができる。非イオン性モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。非イオン性モノマーの使用割合は、全モノマー中0〜80重量%程度である。
【0016】
又、化学修飾処理によってイオン性重合体成分に変換される非イオン性重合体を調製するために使用される代表的なモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン等のスチレン系誘導体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体、アクリロニトリル、酢酸ビニル等の化学的修飾処理可能なモノマーが挙げられる。
上記のモノマーを重合する際、必要に応じて化学修飾処理反応を実質的に受けない公知の非イオン性モノマーを共重合させることも可能であり、かかるモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
【0017】
上記イオン性モノマー等を用いて調製されるイオン性及び非イオン性の粒状重合体は、必ずしも架橋されている必要はないが、製膜に際して有機溶剤を使用することもあるため、該粒状重合体は架橋していることが好ましい。粒状重合体の架橋は、通常、上記のイオン性モノマー等を重合する際に、これらと架橋性モノマーを共重合させることによって行われる。
架橋性モノマ−としては、例えば、ジビニルベンゼン、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸−1,3−ブチレングリコール等の2官能性モノマー、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の3官能モノマーやその他の4官能性(メタ)アクリレート類等が挙げられる。これらの架橋性モノマーは重合体を構成する前記モノマー100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部、更に好ましくは0.5〜10重量部の範囲で使用される。
【0018】
以上の如きモノマー及び架橋性モノマーを用いて粒状重合体を調製する代表的な方法としては、水系或いは非水系におけるラジカル重合が挙げられる。重合の形態としては、例えば、エマルジョン重合、ソープフリー重合、懸濁重合、分散重合、逆相乳化重合等の重合方法が挙げられるが、重合の形態は特にこれらを限定されない。
重合開始剤としては、ラジカル重合で使用される従来公知の開始剤はいずれも使用可能であり、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(メチルイソブチレート)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロリド、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジアセテート、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)ジハイドロクロリド等のアゾ系化合物;クメンハイドロパーオキシド、ジクミルパーオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の有機過酸化物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩等の重合開始剤が挙げられる。
【0019】
本発明におけるイオン性膜を構成するマトリックス成分としては、イオン性膜を形成する際、加熱乾燥等によって皮膜を形成することができる性質を有し、耐薬品性、耐溶剤性、耐水性等の物性に優れ、化学的にも安定で加水分解や酸化分解に対する耐久性に優れた重合体樹脂が、本発明の目的に最も好ましいマトリックス成分である。
【0020】
マトリックス成分としては、例えば、ポリエチレン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等のアイオノマー、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル樹脂及びその加水分解物等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体やスチレン−無水マレイン酸共重合体及びその加水分解物等のビニル系モノマーの単独重合体又は共重合体樹脂;ブタジエン−スチレン共重合体、イソプレン−スチレン共重合体等のポリ共役ジエン系樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、メチルメタクリレート−スチレン共重合体等のポリ(メタ)アクリレート系樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン共重合体水素化物等の水素化共役ジエン系樹脂;下記の式(1)〜(3)等のポリスルホン系樹脂;下記の式(4)〜(6)等のポリアリレート系樹脂;下記の式(7)等のポリアミド系樹脂;下記の式(8)及び(9)等のポリアミドイミド系樹脂;下記の式(10)及び(11)等のポリイミド系樹脂;下記の式(12)及び(13)等のポリウレタン系樹脂;ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等のフッ素系樹脂、及び下記の式(14)等のシリコーン系樹脂等の重合体が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0021】
Figure 0003660535
【0022】
Figure 0003660535
上記式中のm及びnは夫々の樹脂の分子量が約1,000〜50万になる値である。
【0023】
本発明において使用される微細空隙形成成分は、製膜時にはマトリックス成分の溶液又は分散液に溶解又は微分散混合すること、且つ、微細空隙形成処理時にはマトリックス成分を溶解しない、例えば、水、アルカリ溶液、酸溶液、塩溶液、有機溶剤水溶液又は有機溶剤に溶解する成分であり、具体的には、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素等の尿素誘導体類;ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ナフタセン等の多環式炭化水素類;β−ナフトール、キシリレンジグリコール、シクロヘキサンジグリコール、ジメチロールプロピオン酸等が挙げられる。
上記の微細空隙形成成分は、イオン性膜を透析させたくない物質の分子径、イオン径に応じて選択することが望ましい。
【0024】
即ち、本発明においてイオン性膜の微細で含水可能な空隙の大きさは、透析させたくない物質の大きさより実質的に小さく、通常、5〜500オングストローム(A)の範囲が好ましく、更に好ましくは10〜300Aの範囲である。微細で含水可能な空隙の大きさが5A未満の場合、微細で含水可能な空隙がない場合と実質上変わらず、微細で含水可能な空隙の大きさが500Aを超える場合には透析させたくない物質が透析し易くなり、結果として分離性能が低下してしまうので好ましくない。
【0025】
上記の各成分を用いた本発明の微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜の製造方法について以下に説明する。
先ず、微細空隙形成成分をマトリックス成分の溶液又は分散液に溶解又は分散混合させ、この溶液又は分散液に更にイオン性重合体成分を分散混合させて塗布液を調製する。その際、イオン性重合体成分は微粉末状態のままで、又は予め水、有機溶剤水溶液又は有機溶剤に分散させた状態で使用される。
微細空隙形成成分をマトリックス成分の溶液或いは分散液に溶解又は分散混合させる方法は、特に制限されないが、例えば、超音波分散処理;ディゾルバー、ホモミキサー、スターラー等による撹拌等が挙げられる。又、上記で得られた溶液又は分散液にイオン性重合体成分を分散させる方法は上記と同じ方法等が挙げられる。
【0026】
イオン性膜のドメインを構成するイオン性重合体成分とマトリックス成分との使用割合は、両成分の合計に対してマトリックス成分が、2〜95重量%の範囲が好ましく、更に好ましくは、10〜80重量%の範囲である。
本発明で使用される微細空隙形成成分の使用割合は、イオン性重合体成分とマトリックス成分の合計に対して1〜300重量%の範囲が好ましく、更に好ましくは10〜200重量%の範囲である。
【0027】
本発明においてマトリックス成分を溶解或いは微分散させるために使用する溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等の2−ピロリドン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等の含窒素系溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、イソプロピルアルコール等のアルコール類;キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の炭化水素類;ジクロルエチレン、クロロホルム等の含ハロゲン溶剤;水等が挙げられる。又、水及び有機溶剤の併用、及び系を不安定にしない限りにおいて他の有機溶剤を併用することも可能である。
【0028】
次に、上記で得られる塗布液を用いて微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜を製膜する。
塗布液を適当な塗工基盤上に公知の塗布方法を用いて塗布又はキャスト(流延)し、必要に応じてその塗布面に塗膜支持体を密着させ、その後に溶剤を乾燥、除去することにより、或いは塗布液を塗膜支持体に塗布、又はキャストし、或いは塗布液に塗膜支持体を含浸し、その後、塗布液を乾燥させて溶剤を除去する。乾燥後製膜された膜を、マトリックス成分を溶解しない水;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカリ剤の水溶液;アルカリ剤のメチルアルコール等の有機溶剤溶液;塩酸、酢酸等の酸の水溶液、有機溶剤の溶液;炭酸ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム等の塩の水溶液、有機溶剤水溶液又は有機溶剤に浸漬させ、微細空隙形成成分を溶解除去する。乾燥後、製膜された膜は加熱融着処理、加熱加圧プレス処理、第四級化処理等の処理を施し本発明の微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜が得られる。
【0029】
本発明で使用される塗工基盤としては、例えば、ガラス板、アルミニウム板やポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチックシート、フィルム或いは成形板、シリコーン樹脂又はポリプロピレン樹脂コート離型紙等が挙げられる。
又、膜の機械的強度及びハンドリング時の強度面より塗膜支持体を使用することが望ましい。
本発明で使用される塗膜支持体としては、例えば、織布、不織布、メッシュ状物、紙、濾紙状物、中空糸、多孔質体等が挙げられる。これらの塗膜支持体の素材としては、例えば、ステンレス、アルミニウム、セラミック、ポリエステル、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロース、キチン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、アラミド、カーボン等が挙げられる。
【0030】
上記塗工基盤及び塗膜支持体に塗布液を塗工する方法としては、例えば、ロールコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、スクイズコーティング、エアドクターコーティング、グラビアコーティング、ロッドコーティング、スプレーコーティング、含浸、内添等の従来公知の塗工方法が挙げられる。
上記の方法で塗工基盤上に塗布され、その塗布面に塗膜支持体が密着された塗布液又は塗膜支持体に塗布された塗布液は、例えば、ドラム乾燥、送風乾燥、赤外線ランプ乾燥等の方法で乾燥される。
本発明の微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜の厚みは、塗膜支持体の厚みにもよるが、通常1〜5000μmの範囲、更に好ましくは10〜2000μmの範囲である。
尚、上記の如くして製造される本発明の微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜は、有効な膜面積を増加させて電解質の透析効率を向上させ、且つ、耐圧性を向上させるために、平膜状の多層構成、スパイラル状、ひだ折り状、円筒状、中空細管状等に加工して使用することができる。
【0031】
本発明の微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜が、
(1)単独イオン性膜の場合には、該膜はイオン性重合体成分としてカチオン性重合体成分、又はアニオン性重合体成分を有し、対イオンは透過できるが、副イオンは反発するという機能を有し、
(2)バイポーラ膜の場合にはカチオン性膜及びアニオン性膜を張り合わせた構造を有し、電流の方向によっては電流を流さない整流作用、加水分解作用、1価イオンの選択的透過性機能を有し、
(3)荷電モザイク膜の場合には、カチオン性重合体成分とアニオン性重合体成分とが膜の厚さ方向に対して実質的に交互に配列し貫通しており、該膜は低分子量の電解質は透析できるが、非電解質は透析できないか或いは透析速度が非常に遅いという機能を有している。
【0032】
従って、(1)単独イオン性膜は、拡散透析用、電気透析用、電解透析用、電池用等のイオン交換膜、金属イオンのキレート化材、電着塗装液に副生する酸又はアミン等の除去、精製に有用である。特に本発明の内の単独イオン性膜は、海水濃縮製塩、塩水淡水化、医薬、食品工業におけるイオン成分の分離精製、金属精錬、表面処理工程での酸の分離、廃酸回収、電解酸化、還元用隔膜等のイオン交換膜として有用であり、又、廃水中の有害金属イオンの除去及び海水中に含まれている有用金属を採取する吸着分離材としても有用である。
(2)バイポーラ膜は、水の分解、カチオン性膜及び/又はアニオン性膜との組み合わせによる電気透析用に有用である。その具体的な例としては、例えば、水を低エネルギーで水素イオンと水酸化イオンへの解離が可能となり、又、ボウ硝、食塩、硝酸ソーダ等の塩の酸及びアルカリへの変換に有用である。
(3)荷電モザイク膜は、電解質の選択透析に使用することができる。
【0033】
本発明のイオン性膜は、具体的には、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カルシウム等の低分子量の電解質の脱塩用、更には、塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム等の脱イオン用等として有用であり、例えば、飲料用、工業用水、純水、超純水等の水処理工業における脱塩、化学工業、金属工業等の工業排水の脱塩、色素製造工業における染料及び顔料の脱塩、発酵工業及び食品工業等の生化学関連製品の脱塩、医薬品の脱塩等に有用である。
特に本発明のイオン性膜の内、荷電モザイク膜は、タンパク質、ポリペプチド、ジペプチド、アミノ酸等の脱塩、染料、顔料、界面活性剤等の脱塩等、従来、電気透析においては発熱による目的物質の変質、イオン的吸着による膜汚染等により適用できなかった分野に有効である。又、本発明の荷電モザイク膜は、上記の如き膜構造を有することから、膜の導電性、イオンの通過性等の性質を利用した電気透析、拡散透析、電気分解、電池等の隔膜等にも有用である。
【0034】
【実施例】
次に合成例、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中の部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
【0035】
合成例1(ポリマーA:カチオン性粒状重合体)
4−ビニルピリジン 20.0部
ジビニルベンゼン 2.0部
2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロリド 0.4部
水 1000部
上記成分をフラスコに仕込み、窒素気流下、80℃で8時間重合した。重合生成物を凍結乾燥して、内部が架橋した粒状重合体を得た。該粒状重合体の平均粒子径は走査型電子顕微鏡で測定した(以下の例においても同様)ところ約350nmであった。
【0036】
合成例2(ポリマーB:カチオン性粒状重合体)
クロロメチルスチレン 200.0部
ジビニルベンゼン 10.0部
過硫酸カリウム 4.0部
チオ硫酸ナトリウム 4.0部
ラウリル硫酸ナトリウム 40.0部
水 1000部
上記成分をフラスコに仕込み、窒素気流下、50℃で12時間重合した。分離した粒状重合体を温水及びメチルアルコールで十分に洗浄し、粒状重合体表面の界面活性剤を取り除いた。
続いて、粒状重合体を水に分散させて分散液を調製し、これにトリエチルアミンを添加し、12時間撹拌して20%の粒状重合体の第四級アンモニウム塩分散液を得た。該粒状重合体の平均粒子径は約150nmであった。
【0037】
合成例3(ポリマーC:アニオン性粒状重合体)
スチレン 41.6部
アクリロニトリル 7.1部
ヒドロキシエチルメタクリレート 8.1部
ジビニルベンゼン 8.7部
過硫酸カリウム 0.5部
水 1,000部
上記成分をフラスコに仕込み、窒素気流下、80℃で8時間重合した。得られた重合体の平均粒子径は約180nmであった。
上記粒状重合体を濾過により分離し、乾燥後粉砕して粒状重合体を得た。この粒状重合体100部を、650部の98%濃硫酸に徐々に添加し、50℃で24時間、次いで80℃で3時間撹拌した。その後、冷却し、反応混合液を大量の氷水に投入した。炭酸ナトリウムで中和した後、濾過して粒状重合体を分離し、十分水洗した。
得られた粒状重合体は、赤外線吸収スペクトル及びイオンクロマトグラフィー等の分析によって、芳香環にほぼ1個のスルホン酸基が導入されていることが確認できた。この粒状重合体の平均粒子径は約240nmであった。
【0038】
合成例4(ポリマーD:アニオン性粒状重合体)
スチレンスルホン酸ナトリウム 25.0部
スチレン 10.0部
ブチルアクリレート 5.0部
アクリルアミド 2.8部
ジビニルベンゼン 1.8部
2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロリド 1.0部
水 1,000部
上記成分をフラスコに仕込み、窒素気流下、75℃で10時間重合した。
得られた重合体をアセトン−水による再沈法で精製した。この粒状重合体の平均粒子径は約100nmであった。
【0039】
実施例1
4.3部のポリマーAをN,N−ジメチルホルムアミド24.2部に分散させた。この分散液とポリエーテルポリウレタン樹脂の29%N,N−ジメチルホルムアミド溶液35.3部にナフタレン6.2部を溶解した溶液とを1時間混合し、更に、この分散液と、6.0部のポリマーCとN,N−ジメチルホルムアミド24.0部とからなる分散液を混合して塗布液を調製した。
上記塗布液をポリプロピレン樹脂コート離型紙上にナイフコーターで塗布し、更に、塗布面上にポリエステル織布を密着させ、熱風乾燥した。この膜をエチルアルコール中に浸漬しナフタレンを溶解除去し、熱風乾燥した。次いで、ヨウ化メチル雰囲気中に室温で12時間放置後、水洗及び風乾して本発明の微細で含水可能な空隙を有する荷電モザイク膜を得た。原子間力顕微鏡で測定した空隙の大きさは5〜10オングストロームであった。
上記の方法で製膜された微細で含水可能な空隙を有する荷電モザイク膜は、約200μmの膜厚で、且つ、均一な厚みを有し、使用時の耐久性及びハンドリングは良好であった。
【0040】
(膜の評価)
電解質として0.1mol/lの塩化ナトリウム水溶液100mlと、非電解質として0.1%のウシ血清アルブミン100mlを図1の容器Aに入れ、容器Bに200mlの脱イオン水を入れ、25℃、常圧下で透析を行ったところ図2に示すように十分な透析分離性能を示した。ウシ血清アルブミンの分子径は約50オングストロームである。
【0041】
比較例1
実施例1におけるナフタレンを使用しない以外は実施例1と同様にして荷電モザイク膜を得た。
上記のようにして得られた荷電モザイク膜の電解質の透析分離性能を実施例1と同様にして評価し、図3に示す結果を得た。
図2と図3に示した結果を比較したところ、実施例1の微細で含水可能な空隙を有する荷電モザイク膜の塩化ナトリウムの透析速度は比較例の膜に比し約1.4倍大きかった。
【0042】
実施例2
22.5部のポリマーBを樹脂分45%のスチレン−ブタジエン共重合体樹脂ラテックス33.3部に分散及び混合した。この分散液にアントラセン9.1部を溶解混合し、更に、この分散液と10.5部のポリマーDと水24.6部とからなる分散液を混合して塗布液を調製した。
上記塗布液をポリプロピレン樹脂コート離型紙上にナイフコーターで塗布し、更に、塗布面上にポリプロピレン不織布を密着させ、熱風乾燥した。この膜を水中に浸漬し尿素を溶解除去し、熱風乾燥して本発明の微細で含水可能な空隙を有する荷電モザイク膜(膜厚約150nm)を得た。原子間力顕微鏡で測定した空隙の大きさは5〜15オングストロームであった。
電解質の透析分離性能を実施例1と同様にして評価したが、実施例1とほぼ同等の結果であった。
【0043】
実施例3
8.0部のポリマーAをN−メチル−2−ピロリドン18.7部に分散させた。この分散液と、ポリスルホン樹脂(化学式(1))の20%N−メチル−2−ピロリドン溶液66.8部にアントラセン6.5部を溶解した溶液とを1時間混合して塗布液を調製した。
上記塗布液をポリプロピレン樹脂コート離型紙上にナイフコーターで塗布し、更に、塗布面上にポリエステル織布を密着させ、熱風乾燥した。この膜をエチルアルコール中に浸漬しアントラセンを溶解除去し、熱風乾燥した。次いで、ヨウ化メチル雰囲気中に室温で12時間放置後、水洗及び風乾して本発明の微細で含水可能な空隙を有するカチオン性膜を得た。
上記の方法で製膜された微細で含水可能な空隙を有するカチオン性膜は、約200μmの膜厚で、且つ、均一な厚みを有し、使用時の耐久性及びハンドリングは良好であった。原子間力顕微鏡で測定した空隙の大きさは5〜15オングストロームであった。
上記のカチオン性膜を拡散透析用のイオン交換膜として使用して硫酸アルミニウムの硫酸水溶液から硫酸の回収に応用したところ良好な透析性能を有することが確認された。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、微細空隙形成成分をマトリックス成分がエチレン系、ビニル系、ジエン系及び/又は(メタ)アクリレート系モノマーを主成分とする樹脂、ポリスルホン系、ポリアリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリアミドイミド系、ポリウレタン系、フッ素系及びシリコーン系樹脂から選ばれる少なくとも一種の重合体であるマトリックス成分の溶液又は分散液に溶解又は分散混合させ、粒状重合体であるイオン性重合体成分を分散混合させてなる組成物を用いて製膜し、その後、マトリックス成分を溶解しない水、アルカリ溶液、酸溶液、塩溶液、有機溶剤水溶液又は有機溶剤に該膜を浸漬させ、微細空隙形成成分だけを溶解除去させることによって、膜厚が均一で、薄膜で、且つ十分な強度を具備した微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜を製造することができる。
本発明によれば、電解質の透析速度が大きく、優れた選択透過性を具備する微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜が提供される。従って、本発明の微細で含水可能な空隙を有するイオン膜は、大きな粒子径、分子径を有する溶質から電解質の透析に有用であり、又、電解質の透析、分離、濃縮等に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で使用する透析装置を説明する図。
【図2】 実施例1における透析結果を示す図。
【図3】 比較例1における透析結果を示す図。

Claims (6)

  1. カチオン性重合体成分及び/又はアニオン性重合体成分とマトリックス成分とからなるイオン性膜であり、上記各イオン性重合体成分は平均粒子径が0.01〜10μmの範囲の粒状重合体であり、且つ、イオン性膜が微細で含水可能な空隙を有し、該空隙の大きさが透析させたくない物質の大きさより実質的に小さい微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜を製造するに際し、尿素誘導体類、多環式炭化水素類、β−ナフトール、キシリレンジグリコール、シクロヘキサンジグリコール及びジメチロールプロピオン酸から選択される少なくとも1種の微細空隙形成成分をマトリックス成分の溶液又は分散液に溶解又は分散混合させ、これに更にイオン性重合体成分を分散混合させてなる組成物を用いて製膜し、得られた膜をマトリックス成分を溶解しないが、微細空隙形成成分を溶解する溶剤に浸漬し、微細空隙形成成分だけを溶解除去させて微細で含水可能な空隙を形成させることを特徴とする微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜の製造方法
  2. 上記のイオン性膜が、カチオン性膜、アニオン性膜、バイポーラ膜又は荷電モザイク膜である請求項1に記載の微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜の製造方法
  3. 上記のマトリックス成分が、皮膜形成性の重合体樹脂である請求項1に記載の微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜の製造方法
  4. 請求項1に記載の方法で得られることを特徴とする微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜。
  5. 請求項に記載の微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜を、対イオンの透過に使用することを特徴とする微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜の使用方法。
  6. 請求項に記載の微細で含水可能な空隙を有するイオン性膜を備えたことを特徴とする装置。
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