JP3658720B2 - 多種少量塗料供給装置 - Google Patents
多種少量塗料供給装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3658720B2 JP3658720B2 JP28147297A JP28147297A JP3658720B2 JP 3658720 B2 JP3658720 B2 JP 3658720B2 JP 28147297 A JP28147297 A JP 28147297A JP 28147297 A JP28147297 A JP 28147297A JP 3658720 B2 JP3658720 B2 JP 3658720B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- paint
- air
- joint
- tank
- connector
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Details Or Accessories Of Spraying Plant Or Apparatus (AREA)
- Spray Control Apparatus (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の塗料色の塗料を相対的に少量の単位で貯蔵するとともに塗装機に供給することができる多種少量塗料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、塗装色の多様化に対応しかつ多色塗装の作業性の向上を図るべく、様々な工夫および手段が提案されている。
本発明者も、例えば実公平 3-40389号公報、実公平 4-9013 号公報、実公平 4-46846号公報、実公平 4-46847号公報等に参照されるように、二三のターンテーブルを直立の主軸を中心として回転可能にかつ上下に間隔を置いて備え、様々な塗料色の塗料タンクを該ターンテーブル上に設置し、そして該ターンテーブルの回転によって所要の塗料色の塗料タンクを作業者側にまで回し運ぶという言わばターンテーブル式の多種少量塗料供給装置をいろいろと提案し、そしてそれらを製品化している。
これらの多種少量塗料供給装置は、主に手吹き塗装において塗料色の変更を円滑かつ容易に為しうるように考案されたものである。
従って、上記の多種少量塗料供給装置は、例えば湿式簡易塗装ブースにて相対的に少量の塗料を用いて比較的小さな製品を個別に塗装するような場合において適する装置であった。
【0003】
一方、自動車ボディ等の塗装は、従来より、大型の塗装ブース(トンネルブース)において自動塗装装置(トップ、サイド)および塗装ロボット等の自動動作によって流れ作業にて連続して塗装するという方法により行なわれている。
そして近年では、かかる自動塗装についてとりわけ多色塗装の要求が高まり、よって、数種ないし十数種の色の塗料を自動塗装装置等に供給することができるように考案されたいくつかの多色塗装システムが提案されている(特公平 7-34882号公報、特開平 4-83549号公報など)。
しかし、これまでに提案された多色塗装システムは、例えば各塗料色の配管をそれぞれ供給源から該システムの塗料タンクまたは塗装機まで導き設ける等の方法により、1色当り比較的大量の塗料を自動塗装装置等に連続的に供給する構成のものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近では、自動車の購入者たる各個人が希望する夫々の塗料色の塗料で各自動車ボディを個々に塗装できるようにすることが求められている。この状況より、自動車ボディの塗装に使用されうる塗料の色は数十種ないしそれ以上の種類にも及ぶようになり、塗装の多色化が一層進行し、その反面、白色塗料等の大量使用の塗料を除き、各色の塗料の使用量は相対的により少ない量となってきている。従って、かように数多い色の塗料をより少量の単位で自動塗装装置等の塗装機に選択的に供給することができるようなシステムの開発が要求されている。
しかし、これまでに開発された従来の多色塗装システムは、この要求を十分に満たすことができないものであった。
そこで、かかる要求に応えるべく、上記した従来のターンテーブル式多種少量塗料供給装置を、自動塗装装置(トップ、サイド)および塗装ロボット等を用いて流れ作業で塗装が連続的に進行しかつ頻繁な色替え洗浄動作を伴うところの自動車ボディの自動塗装にうまく適合する装置に改良することが求められた。
【0005】
本発明は、上述の要求に応えるべく為されたものであって、その課題とするところは、種々の塗料色の塗料を少量の単位で塗装機に選択的に供給することができるとともに、塗料色の交換(色替え)を迅速に自動的に行なうことができ、よって、自動車ボディ等の自動塗装での使用に大変適するところの多種少量塗料供給装置を提供することにある。
また本発明は、前記の装置において、塗料色の交換の際、塗料流路系の洗浄を自動的にしかも大量のシンナーおよびエアを使用して行なうことができ、色替え・洗浄をより効果的に為しうるように改良された多種少量塗料供給装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ターンテーブル装置において、塗料用およびエア用継手を備えた複数の各塗料色の圧送タンクを固定し、そして、塗装機および加圧エア源と接続する接続ユニットをシリンダの作動によって上記の両継手に同時に結合することにより、塗料色の円滑な交換と塗料の迅速な供給とを可能にする構成としたものであり、そしてさらに、改良として、前記接続ユニットをその移動または変向によって、洗浄用シンナー・エア源に接続する洗浄ユニットと結合することにより、大量のシンナー・エアを使用して、塗装機までの塗料流路系を洗浄することができ、よって、円滑な色替え動作を為すことができる構成としたものである。
【0007】
本発明は、明確に述べると、ターンテーブルを主軸を中心として回転可能に備え、複数の塗料色の塗料タンクを該ターンテーブル上に固定することができ、また接続ユニットを該ターンテーブルの側方に配置してなり、そして、該ターンテーブルの回転により所望の塗料色の塗料タンクを該接続ユニットに対向する位置まで回し運ぶことができる装置であって、
前記塗料タンクは、各々、圧送タンクであって、同タンクの外側に、夫々タンク内部と連通する塗料用継手とエア用継手を同じ向きに並設してなり、また、
前記接続ユニットは、塗装機と接続された塗料コネクタと、加圧エア源と接続されたエアコネクタと、および、前記塗料タンクが同接続ユニットに対向する位置にあるとき、該塗料コネクタを前記塗料用継手に、また該エアコネクタを前記エア用継手に一緒に結合することができる2つのシリンダとを備えてなる、多種少量塗料供給装置に関する。
また、改良された本発明は、前記装置が、さらに、
洗浄用のシンナーバルブおよびエアバルブを含む組付体に、洗浄用継手を接続した洗浄ユニットと、
前記接続ユニットを移動または変向し、これにより前記シリンダの作動によって前記塗料コネクタが該洗浄ユニットの洗浄用継手に結合されうるようにする切替手段とを備えてなる、多種少量塗料供給装置に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の多種少量塗料供給装置は、例えば円板形のターンテーブルを、中央の主軸を中心として、モーターの駆動によって回転可能に備えた装置である。ターンテーブルは、その上に、複数の塗料タンクを固定することができる構成となっている。従って、ターンテーブルの回転により、複数の塗料タンクのうち所望の塗料タンクを特定の位置、例えば下記の接続ユニットに対向する位置まで回し運ぶことができる。
ターンテーブルは、一枚のテーブルでもよいが、複数枚のテーブルを上下に適当な間隔を置いて設けてもよい。つまり、多数の塗料タンクを複数段に配置してもよい。
また、ターンテーブルの回転のための駆動機構は任意であるが、ターンテーブルを所要の角度だけ回転させるところの制御装置も、通常、併せて備えられる。例えば5個の塗料タンクがターンテーブル上に設置される場合には、ターンテーブルは接続ユニットに対向する位置から72°の角度だけ回転して停止するように、運転制御される。
【0009】
塗料タンクは、各々、圧送タンクであって、そのタンクの外側には、夫々、塗料用継手およびエア用継手が同じ向きに並設されている。エア用継手は、タンクの内部と連通しており、また、塗料用継手は、タンクの底にまで延びる塗料供給管を介して、タンクの内部と連通している。
塗料タンクには、それぞれ、異なる塗料色の塗料が満たされている。特に、本装置にあっては、自動車の購入者が各個人の色として希望する塗料色の塗料が、各塗料タンクにそれぞれ充填される。また、白色塗料等の汎用される塗料は、大量に使用されるので、従来の多色塗装システムを利用して塗装機に供給する構成を採用してもよい。
従って、本発明にあっては、塗料タンクは複数個で、各々異なる塗料色のものが設けられるが、その中の一部のタンクについては、シンナーを充填することも可能である。そうすると、シンナー入りの塗料タンクと接続ユニットとの結合によって、該タンクからシンナーが供給されて、塗装機までの塗料流路を洗浄することができる。
また、複数の塗料色の塗料タンクをそれぞれターンテーブル上に固定する方法は、任意であり、例えばクランプ部材の締め付けによって塗料タンクをターンテーブル上に固定するという手段が採用される。また、より好ましくは、嵌合する凸部および凹部の一方を塗料タンクの底面にまたその他方をターンテーブルの上面にそれぞれ設け、それらの嵌合によって塗料タンクをターンテーブル上に固定するという手段が採用される。
ここで、塗料タンクの固定につき重要なことは、塗料タンクを回し運ぶ際、その塗料用継手およびエア用継手がターンテーブルの主軸を中心として半径方向に沿って常に外を向いているように、正確な位置決めを為しうる構成の固定手段を採用することである。例えば、上記の嵌合する凸部と凹部の組を塗料タンク1基当り2組以上設けることにより、ターンテーブル上の塗料タンクの固定位置を正確に決定することができる。
【0010】
また本装置にあっては、接続ユニットがターンテーブルの側方に配置される。この接続ユニットは、塗料コネクタと、これに組み付けたシリンダと、エアコネクタと、これに組み付けた他のシリンダよりなる組付け体である。
塗料コネクタは、塗料ホースにより、塗料色替装置(CCV)、流量調節手段(ギアポンプ)などを介して、自動塗装装置または塗装ロボットの塗装機(例えばベル型静電塗装機)と接続されている。塗料コネクタから塗装機までの経路は任意であり、例えば、切替えバルブを該経路の中途に接続し、塗料経路がトップレシプロ塗装装置の塗装機に通じる経路とサイドレシプロ塗装装置の塗装機に通じる経路とに分岐されている構成にしてもよい。
また、エアコネクタは、エアホースにより、加圧エア源(例えば6 kg/cm2 のエア圧力源)と接続されている。
また、2つのシリンダは、その伸縮動作によって、塗料コネクタおよびエアコネクタをそれぞれ変位させることができる。
そして、本装置にあっては、塗料タンクが接続ユニットに対向する位置にあるとき、塗料コネクタとシリンダ、および、エアコネクタと他のシリンダは、それぞれ、塗料タンクの塗料用継手およびエア用継手と一直線上に並んで位置するように、構成されている。従って、塗料タンクが接続ユニットに対向する位置にあるとき、2つのシリンダの伸縮動作によって、塗料コネクタは塗料タンクの塗料用継手に、また、エアコネクタはそのエア用継手に一緒に結合することができるようになっている。
したがって、これらコネクタと継手との結合により、加圧エアが塗料タンク内に流入し、続いてそのエア圧力に押されて、該タンク内の塗料が外に流出し、塗装機にまで供給されうる構成となっている。
【0011】
さらに、改良された本発明の装置は、洗浄用のシンナー・エアが供給される洗浄ユニットと、上記の接続ユニットを移動または変向する切替手段とを備えている。
洗浄ユニットは、洗浄用シンナーバルブおよびエアバルブ(これらは各々供給源と接続されている)を含む組付体と、これに接続された洗浄用継手よりなる。該組付体は、シンナーバルブおよびエアバルブをマニホールドに組み付けた一般的な構成のものでよい。また、洗浄用継手は、上記の塗料用継手と同じ構造のものでよく、例えばマニホールド内部を介してシンナーバルブおよびエアバルブとそれぞれ接続される。
また、切替手段は、洗浄ユニットの洗浄用継手を塗料コネクタとの結合が可能な位置にまで接続ユニットを移動または変向しうるものであれば、いかなる手段でもよい。切替手段は、例えば、接続ユニットに組み付けた第三のシリンダよりなる。
要するに、本装置は、切替手段の作動によって、接続ユニットが移動または変向し、次いで、接続ユニットの一方のシリンダ(塗料コネクタと接続されているシリンダ)の作動によって、塗料コネクタが洗浄ユニットの洗浄用継手に結合されうるように構成されている。
したがって、塗料コネクタと洗浄用継手との結合により、洗浄用のシンナーおよびエアを、洗浄ユニットより塗料コネクタ(接続ユニット)の内部に、続いて塗料ホースを介して塗料色替装置(CCV)あるいは塗装機にまで供給することができるようになっており、よって、本装置にあっては、大量のシンナーおよびエアを使用した塗料流路の洗浄が可能となっている。
【0012】
而して、以上述べたターンテーブル、接続ユニットおよび洗浄ユニット等は、自動塗装システム全般と連係して、その運転制御装置により、所定の塗装手順に従い自動的に動作・作動するように制御される。
すなわち、本発明の多種少量塗料供給装置は、接続ユニットの塗料コネクタおよびエアコネクタと塗料タンクの塗料用継手およびエア用継手との結合並びにその解除を各々自動的に為すことができ、そして、改良装置にあっては、さらに、塗料コネクタと洗浄用継手との結合並びにその解除をも自動的に為すことができる構成となっている。
従って、本装置にあっては、種々の塗料色の塗料を各々塗料タンクに貯蔵し、そのうち所望の塗料色の塗料をタンク容量の単位にて自動塗装装置等の塗装機に供給することができ、また、塗料色の交換(塗料の色替え)を迅速に行ない、しかも、塗料の色替えの際、塗料流路の洗浄をも為すことができる。これ故、本装置は、流れ作業で塗装が連続的に進行しかつ頻繁な色替え動作を伴うところの自動車ボディ等の自動塗装での使用に大変適する。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面により説明する。この実施例は、非制限的な例であって、本発明がこれに限定されないことは、言うまでもない。
【0014】
本実施例の多種少量塗料供給装置は、自動塗装装置(トップ、サイド)および塗装ロボット等を備えた、自動車ボディの塗装のための塗装ブース(図示せず)の中に配備されている。
この多種少量塗料供給装置は、図1および図2に示すように、ターンテーブル1およびその駆動機構2をアングル枠体3の中に収納してなり、モータ4の駆動によって、円板形のターンテーブル1を中央の主軸5を中心として回転可能に備えている。このターンテーブル1の上には、5個の塗料タンク6・・が等間隔にて(つまり72°の等角度ごとに)固定されている。
また、ターンテーブル1の側方には、下記で述べる接続ユニット7が脇のアングル枠体8の上に配置されている。そして、本装置は、図示しないが、ターンテーブル1を連続的に、または例えば2°、3°の角度ごとに間欠的に回転せしめるところの制御装置を備えている。この制御装置は、ターンテーブル1の回転に関して、ターンテーブル1が接続ユニット7に対向する位置を起点として72°の角度回転するごとに停止し、その後必要によりさらに回転を続行するという運転制御を行なう。
従って、5個の塗料タンク6・・のうち特定の塗料タンク6を指定すると、ターンテーブル1の回転によって、5個の塗料タンク6・・が一緒に回り、そして指定した所望の塗料タンク6が接続ユニット7に対向する位置にまで回し運ばれるようになっている。
上記の5個の塗料タンク6・・には、それぞれ、異なる塗料色の塗料9(図4参照)が満たされている。特に本装置にあっては、自動車の購入者が各個人の色として希望する塗料色の塗料(例えばモスグリーン色の塗料)が、各塗料タンク6にそれぞれ充填されている。
また、本装置は、各塗料タンク6内の塗料を常に均質に保つために、攪拌機構10を備えている。これは、攪拌用モータ11をアングル枠体3の上に備えるとともに、羽根付きの攪拌軸12を各塗料タンク6にその底部近くにまで挿入されるように装備し(図3参照)、さらに、ギア機構13により、モータ11の回転軸14と5本の攪拌軸12・・とを接続してなり、そして、モータ11の運転によって、回転軸14が回り、次いで5本の攪拌軸12・・が同時に回転し、これにより、5個の塗料タンク6・・内の塗料を総て同時に攪拌することができるように構成されている。
【0015】
塗料タンク6は、図3および図4に示すように、各々、圧送タンクであって、蝶螺子を含む上部のクランプ部材15・・によって、タンク蓋16をタンク本体17に締め付けることにより、タンク内部を密封することができる構造となっている。
そして、本実施例における塗料タンク6は、各々その外側に、塗料用継手18とエア用継手19を同じ向きに並設してなる。塗料用継手18は、タンク6の底面近くにまで延びる塗料供給管20を介して、タンクの内部と連通しており、またエア用継手19も、タンクの内部と連通している。なお、塗料用継手18の構造は、図6に詳細に図示されている。
また、図3および図4に示すように、塗料タンク6の底面の中央部およびその周辺部には、2個の凸部21、21がそれぞれ設けられ、また、ターンテーブル1の上面の対応する箇所には、凸部21と嵌合する2個の凹部22、22がそれぞれ設けられており、塗料タンク6をターンテーブル1上に固定する際、凸部21と凹部22を嵌合することにより、正確に位置決めされ、塗料タンク6を回し運ぶ際、塗料用継手18およびエア用継手19がターンテーブル1の主軸5を中心として半径方向に沿って外を向いた姿勢を常に保つように構成されている。
なお、ターンテーブル1上への塗料タンク6の固定は、バネ機構(詳細は図示せず)を該タンク6上方の攪拌軸12に付設し、該バネ機構の作用力によって、塗料タンク6を下方へ押し付けることにより、なされている。
【0016】
また、接続ユニット7は、図1および図2並びに図5に示すように、塗料コネクタ23およびこれに組み付けたシリンダ24の組と、エアコネクタ25およびこれに組み付けた他のシリンダ26の組とを、一つのユニット本体27に一緒に組付け、平行に並び設けてなる。
塗料コネクタ23は、図示しないが、塗料ホース(ナイロン樹脂製)により、塗料色替装置(CCV)、流量調節手段(ギアポンプ)などを介して自動塗装装置または塗装ロボットの塗装機(例えばベル型静電塗装機)と接続されている。塗料コネクタ23から塗装機までの経路の中途には、切替えバルブが接続され、塗料経路がトップレシプロ塗装装置の塗装機に通じる経路とサイドレシプロ塗装装置の塗装機に通じる経路とに分岐されている。なお、塗料色替装置(CCV)は、白色塗料等の汎用される塗料の色替え動作を為すために使用される。
一方、エアコネクタ25は、同様に図示しないが、エアホースにより、加圧エア源(例えば6 kg/cm2 のエア圧力源)と接続されている。
また、図5に示すように、シリンダ24は、その伸縮動作によって、塗料コネクタ23を水平に矢印±p方向に変位させることができ、他のシリンダ26は、その伸縮動作によって、エアコネクタ25を水平に矢印±q方向に変位させることができる。
さらに、本装置にあっては、塗料タンク6が接続ユニット7に対向する位置にあるとき、塗料コネクタ23とシリンダ24は、塗料タンク6の塗料用継手18と一直線上に並んで位置し、同時に、エアコネクタ24と他のシリンダ26は、塗料タンク6のエア用継手19と一直線上に並んで位置するように、設計されている。
従って、塗料タンク6・・を回し運び、そして、特定の(所望の塗料色の)塗料タンク6が接続ユニット7に対向する位置にて停止したとき、シリンダ24、26の同時の伸び動作によって、塗料コネクタ23は該塗料タンク6の塗料用継手18に、また、エアコネクタ25はそのエア用継手19に一緒に結合することができるようになっている。
なお、本装置では、コネクタ23と継手18並びにコネクタ25と継手19を各々気密に結合するために、図6に示すような、いくつかのシール材28・・が継手18、19の内部にそれぞれ装備されている。
而して、これらコネクタ23、25と継手18、19とが気密に結合されているとき、加圧エアをエアコネクタ25に供給すると、該加圧エアは継手19を通って塗料タンク6内に流入し、続いて、そのエア圧力に押されて、該タンク内の塗料9は供給管20を通って継手18、塗料コネクタ23に流出し、そして最終的には、塗装機にまで供給される。
【0017】
さらに、本装置は、接続ユニット7を図2に示すように点Oを中心として回転し90°の角度だけ変向させる切替手段(図示せず)を備えている。この切替手段は、接続ユニット7に組み付けた第三のシリンダを備えてなる。
また、本装置は、接続ユニット7が90°変向したその前方に、洗浄用シンナー・エアが供給されうるところの洗浄ユニット29を備えている。この洗浄ユニット29は、洗浄用のシンナーバルブ30およびエアバルブ31をマニホールド32にそれぞれ組み付け、さらに、塗料用継手18と同様の構造を有する洗浄用継手33を該マニホールド32に接続してなり、そして、上記の切替手段の作動によって接続ユニット7が90°変向し、次いで接続ユニット7のシリンダ24が伸び動作をすることによって、塗料コネクタ23が洗浄ユニット29の洗浄用継手33に結合されうるように構成されている。塗料コネクタ23と洗浄用継手33との結合も、気密に保たれるようになっている。
したがって、塗料コネクタ23と洗浄用継手33が結合されているとき、洗浄用シンナーおよび/またはエアをそれらの供給源より洗浄ユニット29に供給すると、つまり洗浄用のシンナーバルブ30および/またはエアバルブ31を開くと、大量のシンナーおよび/またはエアが、塗料コネクタ23の内部に流入し、続いて塗料ホースを介して塗料色替装置(CCV)あるいは塗装機にまで流れることができる。従って、ある色の塗料を用いた塗装が終了した後、塗料コネクタ23からCCVあるいは塗装機までの塗料流路を、大量のシンナーおよび/またはエアを用いて洗浄することができる。
【0018】
そして、上記のターンテーブル1、接続ユニット7、洗浄ユニット29等、本装置の各要素・部材は、自動車ボディの塗装制御装置により、自動塗装システム全般の運転動作と連係して、所定の塗装手順に従い自動的に運転動作するように制御されている。
すなわち、塗料タンク6・・を回し運ぶ動作、指定した塗料タンク6が接続ユニット7に対向する位置に停止した後、塗料コネクタ23を塗料用継手18にまたエアコネクタ25をエア用継手19に一緒に結合する動作、そして所定の塗装が終了した後、これらコネクタ23、25と継手18、19との結合を解除する動作、次いで接続ユニット7を90°変向し続いて塗料コネクタ23を洗浄ユニット29の洗浄用継手33に結合する動作、そしてシンナー・エアによる洗浄が終了した後、塗料コネクタ23と継手33との結合を解除し接続ユニット7を原位置に復帰させる動作よりなる、色替え洗浄のための一連の動作は、自動的に為されるようになっている。
【0019】
従って、本実施例の装置は、塗料タンク6・・に貯蔵された5種類の塗料色の塗料のうち所望の塗料色の塗料を、しかも塗料タンク6の容量だけの塗料を自動塗装装置等の塗装機に供給することができる。すなわち、本装置においては、種々の塗料についてタンク容量分の少量単位での塗料供給が可能である。従って、自動車の購入者が個人個人希望する夫々の塗料色の塗料で以て、各自動車ボディを個々に塗装することができる。
また、本実施例の装置は、塗料色の交換並びにその際の塗料流路の洗浄を自動的にかつ迅速に行なうことができる。従って、本装置は、流れ作業で塗装が連続的に進行しかつ頻繁な色替え動作を伴う用途に適するものであり、即ち自動車ボディ等の自動塗装での使用に大変好都合なものである。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の多種少量塗料供給装置によれば、種々の塗料色の塗料を少量の単位で塗装機に選択的に供給することができるとともに、塗料色の交換(色替え)を迅速に自動的に行なうことができ、よって、自動車ボディ等の自動塗装での使用に適するという効果が得られる。
また、本発明の改良された装置によれば、塗料色の交換の際、塗料流路系の洗浄を自動的にしかも大量のシンナーおよびエアを使用して行なうことができ、色替え・洗浄をより有効に為すことができ、よって、流れ作業で塗装が連続的に進行しかつ頻繁な色替え洗浄動作を伴うような自動塗装での使用に大変適するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の多種少量塗料供給装置を示す正面図である。
【図2】図1に示す多種少量塗料供給装置を示す平面図である。
【図3】実施例の塗料供給装置に使用される塗料タンクを示す正面図である。
【図4】図3に示す塗料タンクの内部を示す断面図である。
【図5】実施例の塗料供給装置に使用される接続ユニットと塗料タンクの継手との結合およびその解除を説明する図である。
【図6】接続ユニットと塗料タンクの継手との結合部の詳細を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ターンテーブル
5 主軸
6 塗料タンク
7 接続ユニット
9 塗料
18 塗料用継手
19 エア用継手
23 塗料コネクタ
24 シリンダ
25 エアコネクタ
26 シリンダ
29 洗浄ユニット
33 洗浄用継手
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の塗料色の塗料を相対的に少量の単位で貯蔵するとともに塗装機に供給することができる多種少量塗料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、塗装色の多様化に対応しかつ多色塗装の作業性の向上を図るべく、様々な工夫および手段が提案されている。
本発明者も、例えば実公平 3-40389号公報、実公平 4-9013 号公報、実公平 4-46846号公報、実公平 4-46847号公報等に参照されるように、二三のターンテーブルを直立の主軸を中心として回転可能にかつ上下に間隔を置いて備え、様々な塗料色の塗料タンクを該ターンテーブル上に設置し、そして該ターンテーブルの回転によって所要の塗料色の塗料タンクを作業者側にまで回し運ぶという言わばターンテーブル式の多種少量塗料供給装置をいろいろと提案し、そしてそれらを製品化している。
これらの多種少量塗料供給装置は、主に手吹き塗装において塗料色の変更を円滑かつ容易に為しうるように考案されたものである。
従って、上記の多種少量塗料供給装置は、例えば湿式簡易塗装ブースにて相対的に少量の塗料を用いて比較的小さな製品を個別に塗装するような場合において適する装置であった。
【0003】
一方、自動車ボディ等の塗装は、従来より、大型の塗装ブース(トンネルブース)において自動塗装装置(トップ、サイド)および塗装ロボット等の自動動作によって流れ作業にて連続して塗装するという方法により行なわれている。
そして近年では、かかる自動塗装についてとりわけ多色塗装の要求が高まり、よって、数種ないし十数種の色の塗料を自動塗装装置等に供給することができるように考案されたいくつかの多色塗装システムが提案されている(特公平 7-34882号公報、特開平 4-83549号公報など)。
しかし、これまでに提案された多色塗装システムは、例えば各塗料色の配管をそれぞれ供給源から該システムの塗料タンクまたは塗装機まで導き設ける等の方法により、1色当り比較的大量の塗料を自動塗装装置等に連続的に供給する構成のものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近では、自動車の購入者たる各個人が希望する夫々の塗料色の塗料で各自動車ボディを個々に塗装できるようにすることが求められている。この状況より、自動車ボディの塗装に使用されうる塗料の色は数十種ないしそれ以上の種類にも及ぶようになり、塗装の多色化が一層進行し、その反面、白色塗料等の大量使用の塗料を除き、各色の塗料の使用量は相対的により少ない量となってきている。従って、かように数多い色の塗料をより少量の単位で自動塗装装置等の塗装機に選択的に供給することができるようなシステムの開発が要求されている。
しかし、これまでに開発された従来の多色塗装システムは、この要求を十分に満たすことができないものであった。
そこで、かかる要求に応えるべく、上記した従来のターンテーブル式多種少量塗料供給装置を、自動塗装装置(トップ、サイド)および塗装ロボット等を用いて流れ作業で塗装が連続的に進行しかつ頻繁な色替え洗浄動作を伴うところの自動車ボディの自動塗装にうまく適合する装置に改良することが求められた。
【0005】
本発明は、上述の要求に応えるべく為されたものであって、その課題とするところは、種々の塗料色の塗料を少量の単位で塗装機に選択的に供給することができるとともに、塗料色の交換(色替え)を迅速に自動的に行なうことができ、よって、自動車ボディ等の自動塗装での使用に大変適するところの多種少量塗料供給装置を提供することにある。
また本発明は、前記の装置において、塗料色の交換の際、塗料流路系の洗浄を自動的にしかも大量のシンナーおよびエアを使用して行なうことができ、色替え・洗浄をより効果的に為しうるように改良された多種少量塗料供給装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ターンテーブル装置において、塗料用およびエア用継手を備えた複数の各塗料色の圧送タンクを固定し、そして、塗装機および加圧エア源と接続する接続ユニットをシリンダの作動によって上記の両継手に同時に結合することにより、塗料色の円滑な交換と塗料の迅速な供給とを可能にする構成としたものであり、そしてさらに、改良として、前記接続ユニットをその移動または変向によって、洗浄用シンナー・エア源に接続する洗浄ユニットと結合することにより、大量のシンナー・エアを使用して、塗装機までの塗料流路系を洗浄することができ、よって、円滑な色替え動作を為すことができる構成としたものである。
【0007】
本発明は、明確に述べると、ターンテーブルを主軸を中心として回転可能に備え、複数の塗料色の塗料タンクを該ターンテーブル上に固定することができ、また接続ユニットを該ターンテーブルの側方に配置してなり、そして、該ターンテーブルの回転により所望の塗料色の塗料タンクを該接続ユニットに対向する位置まで回し運ぶことができる装置であって、
前記塗料タンクは、各々、圧送タンクであって、同タンクの外側に、夫々タンク内部と連通する塗料用継手とエア用継手を同じ向きに並設してなり、また、
前記接続ユニットは、塗装機と接続された塗料コネクタと、加圧エア源と接続されたエアコネクタと、および、前記塗料タンクが同接続ユニットに対向する位置にあるとき、該塗料コネクタを前記塗料用継手に、また該エアコネクタを前記エア用継手に一緒に結合することができる2つのシリンダとを備えてなる、多種少量塗料供給装置に関する。
また、改良された本発明は、前記装置が、さらに、
洗浄用のシンナーバルブおよびエアバルブを含む組付体に、洗浄用継手を接続した洗浄ユニットと、
前記接続ユニットを移動または変向し、これにより前記シリンダの作動によって前記塗料コネクタが該洗浄ユニットの洗浄用継手に結合されうるようにする切替手段とを備えてなる、多種少量塗料供給装置に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の多種少量塗料供給装置は、例えば円板形のターンテーブルを、中央の主軸を中心として、モーターの駆動によって回転可能に備えた装置である。ターンテーブルは、その上に、複数の塗料タンクを固定することができる構成となっている。従って、ターンテーブルの回転により、複数の塗料タンクのうち所望の塗料タンクを特定の位置、例えば下記の接続ユニットに対向する位置まで回し運ぶことができる。
ターンテーブルは、一枚のテーブルでもよいが、複数枚のテーブルを上下に適当な間隔を置いて設けてもよい。つまり、多数の塗料タンクを複数段に配置してもよい。
また、ターンテーブルの回転のための駆動機構は任意であるが、ターンテーブルを所要の角度だけ回転させるところの制御装置も、通常、併せて備えられる。例えば5個の塗料タンクがターンテーブル上に設置される場合には、ターンテーブルは接続ユニットに対向する位置から72°の角度だけ回転して停止するように、運転制御される。
【0009】
塗料タンクは、各々、圧送タンクであって、そのタンクの外側には、夫々、塗料用継手およびエア用継手が同じ向きに並設されている。エア用継手は、タンクの内部と連通しており、また、塗料用継手は、タンクの底にまで延びる塗料供給管を介して、タンクの内部と連通している。
塗料タンクには、それぞれ、異なる塗料色の塗料が満たされている。特に、本装置にあっては、自動車の購入者が各個人の色として希望する塗料色の塗料が、各塗料タンクにそれぞれ充填される。また、白色塗料等の汎用される塗料は、大量に使用されるので、従来の多色塗装システムを利用して塗装機に供給する構成を採用してもよい。
従って、本発明にあっては、塗料タンクは複数個で、各々異なる塗料色のものが設けられるが、その中の一部のタンクについては、シンナーを充填することも可能である。そうすると、シンナー入りの塗料タンクと接続ユニットとの結合によって、該タンクからシンナーが供給されて、塗装機までの塗料流路を洗浄することができる。
また、複数の塗料色の塗料タンクをそれぞれターンテーブル上に固定する方法は、任意であり、例えばクランプ部材の締め付けによって塗料タンクをターンテーブル上に固定するという手段が採用される。また、より好ましくは、嵌合する凸部および凹部の一方を塗料タンクの底面にまたその他方をターンテーブルの上面にそれぞれ設け、それらの嵌合によって塗料タンクをターンテーブル上に固定するという手段が採用される。
ここで、塗料タンクの固定につき重要なことは、塗料タンクを回し運ぶ際、その塗料用継手およびエア用継手がターンテーブルの主軸を中心として半径方向に沿って常に外を向いているように、正確な位置決めを為しうる構成の固定手段を採用することである。例えば、上記の嵌合する凸部と凹部の組を塗料タンク1基当り2組以上設けることにより、ターンテーブル上の塗料タンクの固定位置を正確に決定することができる。
【0010】
また本装置にあっては、接続ユニットがターンテーブルの側方に配置される。この接続ユニットは、塗料コネクタと、これに組み付けたシリンダと、エアコネクタと、これに組み付けた他のシリンダよりなる組付け体である。
塗料コネクタは、塗料ホースにより、塗料色替装置(CCV)、流量調節手段(ギアポンプ)などを介して、自動塗装装置または塗装ロボットの塗装機(例えばベル型静電塗装機)と接続されている。塗料コネクタから塗装機までの経路は任意であり、例えば、切替えバルブを該経路の中途に接続し、塗料経路がトップレシプロ塗装装置の塗装機に通じる経路とサイドレシプロ塗装装置の塗装機に通じる経路とに分岐されている構成にしてもよい。
また、エアコネクタは、エアホースにより、加圧エア源(例えば6 kg/cm2 のエア圧力源)と接続されている。
また、2つのシリンダは、その伸縮動作によって、塗料コネクタおよびエアコネクタをそれぞれ変位させることができる。
そして、本装置にあっては、塗料タンクが接続ユニットに対向する位置にあるとき、塗料コネクタとシリンダ、および、エアコネクタと他のシリンダは、それぞれ、塗料タンクの塗料用継手およびエア用継手と一直線上に並んで位置するように、構成されている。従って、塗料タンクが接続ユニットに対向する位置にあるとき、2つのシリンダの伸縮動作によって、塗料コネクタは塗料タンクの塗料用継手に、また、エアコネクタはそのエア用継手に一緒に結合することができるようになっている。
したがって、これらコネクタと継手との結合により、加圧エアが塗料タンク内に流入し、続いてそのエア圧力に押されて、該タンク内の塗料が外に流出し、塗装機にまで供給されうる構成となっている。
【0011】
さらに、改良された本発明の装置は、洗浄用のシンナー・エアが供給される洗浄ユニットと、上記の接続ユニットを移動または変向する切替手段とを備えている。
洗浄ユニットは、洗浄用シンナーバルブおよびエアバルブ(これらは各々供給源と接続されている)を含む組付体と、これに接続された洗浄用継手よりなる。該組付体は、シンナーバルブおよびエアバルブをマニホールドに組み付けた一般的な構成のものでよい。また、洗浄用継手は、上記の塗料用継手と同じ構造のものでよく、例えばマニホールド内部を介してシンナーバルブおよびエアバルブとそれぞれ接続される。
また、切替手段は、洗浄ユニットの洗浄用継手を塗料コネクタとの結合が可能な位置にまで接続ユニットを移動または変向しうるものであれば、いかなる手段でもよい。切替手段は、例えば、接続ユニットに組み付けた第三のシリンダよりなる。
要するに、本装置は、切替手段の作動によって、接続ユニットが移動または変向し、次いで、接続ユニットの一方のシリンダ(塗料コネクタと接続されているシリンダ)の作動によって、塗料コネクタが洗浄ユニットの洗浄用継手に結合されうるように構成されている。
したがって、塗料コネクタと洗浄用継手との結合により、洗浄用のシンナーおよびエアを、洗浄ユニットより塗料コネクタ(接続ユニット)の内部に、続いて塗料ホースを介して塗料色替装置(CCV)あるいは塗装機にまで供給することができるようになっており、よって、本装置にあっては、大量のシンナーおよびエアを使用した塗料流路の洗浄が可能となっている。
【0012】
而して、以上述べたターンテーブル、接続ユニットおよび洗浄ユニット等は、自動塗装システム全般と連係して、その運転制御装置により、所定の塗装手順に従い自動的に動作・作動するように制御される。
すなわち、本発明の多種少量塗料供給装置は、接続ユニットの塗料コネクタおよびエアコネクタと塗料タンクの塗料用継手およびエア用継手との結合並びにその解除を各々自動的に為すことができ、そして、改良装置にあっては、さらに、塗料コネクタと洗浄用継手との結合並びにその解除をも自動的に為すことができる構成となっている。
従って、本装置にあっては、種々の塗料色の塗料を各々塗料タンクに貯蔵し、そのうち所望の塗料色の塗料をタンク容量の単位にて自動塗装装置等の塗装機に供給することができ、また、塗料色の交換(塗料の色替え)を迅速に行ない、しかも、塗料の色替えの際、塗料流路の洗浄をも為すことができる。これ故、本装置は、流れ作業で塗装が連続的に進行しかつ頻繁な色替え動作を伴うところの自動車ボディ等の自動塗装での使用に大変適する。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面により説明する。この実施例は、非制限的な例であって、本発明がこれに限定されないことは、言うまでもない。
【0014】
本実施例の多種少量塗料供給装置は、自動塗装装置(トップ、サイド)および塗装ロボット等を備えた、自動車ボディの塗装のための塗装ブース(図示せず)の中に配備されている。
この多種少量塗料供給装置は、図1および図2に示すように、ターンテーブル1およびその駆動機構2をアングル枠体3の中に収納してなり、モータ4の駆動によって、円板形のターンテーブル1を中央の主軸5を中心として回転可能に備えている。このターンテーブル1の上には、5個の塗料タンク6・・が等間隔にて(つまり72°の等角度ごとに)固定されている。
また、ターンテーブル1の側方には、下記で述べる接続ユニット7が脇のアングル枠体8の上に配置されている。そして、本装置は、図示しないが、ターンテーブル1を連続的に、または例えば2°、3°の角度ごとに間欠的に回転せしめるところの制御装置を備えている。この制御装置は、ターンテーブル1の回転に関して、ターンテーブル1が接続ユニット7に対向する位置を起点として72°の角度回転するごとに停止し、その後必要によりさらに回転を続行するという運転制御を行なう。
従って、5個の塗料タンク6・・のうち特定の塗料タンク6を指定すると、ターンテーブル1の回転によって、5個の塗料タンク6・・が一緒に回り、そして指定した所望の塗料タンク6が接続ユニット7に対向する位置にまで回し運ばれるようになっている。
上記の5個の塗料タンク6・・には、それぞれ、異なる塗料色の塗料9(図4参照)が満たされている。特に本装置にあっては、自動車の購入者が各個人の色として希望する塗料色の塗料(例えばモスグリーン色の塗料)が、各塗料タンク6にそれぞれ充填されている。
また、本装置は、各塗料タンク6内の塗料を常に均質に保つために、攪拌機構10を備えている。これは、攪拌用モータ11をアングル枠体3の上に備えるとともに、羽根付きの攪拌軸12を各塗料タンク6にその底部近くにまで挿入されるように装備し(図3参照)、さらに、ギア機構13により、モータ11の回転軸14と5本の攪拌軸12・・とを接続してなり、そして、モータ11の運転によって、回転軸14が回り、次いで5本の攪拌軸12・・が同時に回転し、これにより、5個の塗料タンク6・・内の塗料を総て同時に攪拌することができるように構成されている。
【0015】
塗料タンク6は、図3および図4に示すように、各々、圧送タンクであって、蝶螺子を含む上部のクランプ部材15・・によって、タンク蓋16をタンク本体17に締め付けることにより、タンク内部を密封することができる構造となっている。
そして、本実施例における塗料タンク6は、各々その外側に、塗料用継手18とエア用継手19を同じ向きに並設してなる。塗料用継手18は、タンク6の底面近くにまで延びる塗料供給管20を介して、タンクの内部と連通しており、またエア用継手19も、タンクの内部と連通している。なお、塗料用継手18の構造は、図6に詳細に図示されている。
また、図3および図4に示すように、塗料タンク6の底面の中央部およびその周辺部には、2個の凸部21、21がそれぞれ設けられ、また、ターンテーブル1の上面の対応する箇所には、凸部21と嵌合する2個の凹部22、22がそれぞれ設けられており、塗料タンク6をターンテーブル1上に固定する際、凸部21と凹部22を嵌合することにより、正確に位置決めされ、塗料タンク6を回し運ぶ際、塗料用継手18およびエア用継手19がターンテーブル1の主軸5を中心として半径方向に沿って外を向いた姿勢を常に保つように構成されている。
なお、ターンテーブル1上への塗料タンク6の固定は、バネ機構(詳細は図示せず)を該タンク6上方の攪拌軸12に付設し、該バネ機構の作用力によって、塗料タンク6を下方へ押し付けることにより、なされている。
【0016】
また、接続ユニット7は、図1および図2並びに図5に示すように、塗料コネクタ23およびこれに組み付けたシリンダ24の組と、エアコネクタ25およびこれに組み付けた他のシリンダ26の組とを、一つのユニット本体27に一緒に組付け、平行に並び設けてなる。
塗料コネクタ23は、図示しないが、塗料ホース(ナイロン樹脂製)により、塗料色替装置(CCV)、流量調節手段(ギアポンプ)などを介して自動塗装装置または塗装ロボットの塗装機(例えばベル型静電塗装機)と接続されている。塗料コネクタ23から塗装機までの経路の中途には、切替えバルブが接続され、塗料経路がトップレシプロ塗装装置の塗装機に通じる経路とサイドレシプロ塗装装置の塗装機に通じる経路とに分岐されている。なお、塗料色替装置(CCV)は、白色塗料等の汎用される塗料の色替え動作を為すために使用される。
一方、エアコネクタ25は、同様に図示しないが、エアホースにより、加圧エア源(例えば6 kg/cm2 のエア圧力源)と接続されている。
また、図5に示すように、シリンダ24は、その伸縮動作によって、塗料コネクタ23を水平に矢印±p方向に変位させることができ、他のシリンダ26は、その伸縮動作によって、エアコネクタ25を水平に矢印±q方向に変位させることができる。
さらに、本装置にあっては、塗料タンク6が接続ユニット7に対向する位置にあるとき、塗料コネクタ23とシリンダ24は、塗料タンク6の塗料用継手18と一直線上に並んで位置し、同時に、エアコネクタ24と他のシリンダ26は、塗料タンク6のエア用継手19と一直線上に並んで位置するように、設計されている。
従って、塗料タンク6・・を回し運び、そして、特定の(所望の塗料色の)塗料タンク6が接続ユニット7に対向する位置にて停止したとき、シリンダ24、26の同時の伸び動作によって、塗料コネクタ23は該塗料タンク6の塗料用継手18に、また、エアコネクタ25はそのエア用継手19に一緒に結合することができるようになっている。
なお、本装置では、コネクタ23と継手18並びにコネクタ25と継手19を各々気密に結合するために、図6に示すような、いくつかのシール材28・・が継手18、19の内部にそれぞれ装備されている。
而して、これらコネクタ23、25と継手18、19とが気密に結合されているとき、加圧エアをエアコネクタ25に供給すると、該加圧エアは継手19を通って塗料タンク6内に流入し、続いて、そのエア圧力に押されて、該タンク内の塗料9は供給管20を通って継手18、塗料コネクタ23に流出し、そして最終的には、塗装機にまで供給される。
【0017】
さらに、本装置は、接続ユニット7を図2に示すように点Oを中心として回転し90°の角度だけ変向させる切替手段(図示せず)を備えている。この切替手段は、接続ユニット7に組み付けた第三のシリンダを備えてなる。
また、本装置は、接続ユニット7が90°変向したその前方に、洗浄用シンナー・エアが供給されうるところの洗浄ユニット29を備えている。この洗浄ユニット29は、洗浄用のシンナーバルブ30およびエアバルブ31をマニホールド32にそれぞれ組み付け、さらに、塗料用継手18と同様の構造を有する洗浄用継手33を該マニホールド32に接続してなり、そして、上記の切替手段の作動によって接続ユニット7が90°変向し、次いで接続ユニット7のシリンダ24が伸び動作をすることによって、塗料コネクタ23が洗浄ユニット29の洗浄用継手33に結合されうるように構成されている。塗料コネクタ23と洗浄用継手33との結合も、気密に保たれるようになっている。
したがって、塗料コネクタ23と洗浄用継手33が結合されているとき、洗浄用シンナーおよび/またはエアをそれらの供給源より洗浄ユニット29に供給すると、つまり洗浄用のシンナーバルブ30および/またはエアバルブ31を開くと、大量のシンナーおよび/またはエアが、塗料コネクタ23の内部に流入し、続いて塗料ホースを介して塗料色替装置(CCV)あるいは塗装機にまで流れることができる。従って、ある色の塗料を用いた塗装が終了した後、塗料コネクタ23からCCVあるいは塗装機までの塗料流路を、大量のシンナーおよび/またはエアを用いて洗浄することができる。
【0018】
そして、上記のターンテーブル1、接続ユニット7、洗浄ユニット29等、本装置の各要素・部材は、自動車ボディの塗装制御装置により、自動塗装システム全般の運転動作と連係して、所定の塗装手順に従い自動的に運転動作するように制御されている。
すなわち、塗料タンク6・・を回し運ぶ動作、指定した塗料タンク6が接続ユニット7に対向する位置に停止した後、塗料コネクタ23を塗料用継手18にまたエアコネクタ25をエア用継手19に一緒に結合する動作、そして所定の塗装が終了した後、これらコネクタ23、25と継手18、19との結合を解除する動作、次いで接続ユニット7を90°変向し続いて塗料コネクタ23を洗浄ユニット29の洗浄用継手33に結合する動作、そしてシンナー・エアによる洗浄が終了した後、塗料コネクタ23と継手33との結合を解除し接続ユニット7を原位置に復帰させる動作よりなる、色替え洗浄のための一連の動作は、自動的に為されるようになっている。
【0019】
従って、本実施例の装置は、塗料タンク6・・に貯蔵された5種類の塗料色の塗料のうち所望の塗料色の塗料を、しかも塗料タンク6の容量だけの塗料を自動塗装装置等の塗装機に供給することができる。すなわち、本装置においては、種々の塗料についてタンク容量分の少量単位での塗料供給が可能である。従って、自動車の購入者が個人個人希望する夫々の塗料色の塗料で以て、各自動車ボディを個々に塗装することができる。
また、本実施例の装置は、塗料色の交換並びにその際の塗料流路の洗浄を自動的にかつ迅速に行なうことができる。従って、本装置は、流れ作業で塗装が連続的に進行しかつ頻繁な色替え動作を伴う用途に適するものであり、即ち自動車ボディ等の自動塗装での使用に大変好都合なものである。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の多種少量塗料供給装置によれば、種々の塗料色の塗料を少量の単位で塗装機に選択的に供給することができるとともに、塗料色の交換(色替え)を迅速に自動的に行なうことができ、よって、自動車ボディ等の自動塗装での使用に適するという効果が得られる。
また、本発明の改良された装置によれば、塗料色の交換の際、塗料流路系の洗浄を自動的にしかも大量のシンナーおよびエアを使用して行なうことができ、色替え・洗浄をより有効に為すことができ、よって、流れ作業で塗装が連続的に進行しかつ頻繁な色替え洗浄動作を伴うような自動塗装での使用に大変適するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の多種少量塗料供給装置を示す正面図である。
【図2】図1に示す多種少量塗料供給装置を示す平面図である。
【図3】実施例の塗料供給装置に使用される塗料タンクを示す正面図である。
【図4】図3に示す塗料タンクの内部を示す断面図である。
【図5】実施例の塗料供給装置に使用される接続ユニットと塗料タンクの継手との結合およびその解除を説明する図である。
【図6】接続ユニットと塗料タンクの継手との結合部の詳細を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ターンテーブル
5 主軸
6 塗料タンク
7 接続ユニット
9 塗料
18 塗料用継手
19 エア用継手
23 塗料コネクタ
24 シリンダ
25 エアコネクタ
26 シリンダ
29 洗浄ユニット
33 洗浄用継手
Claims (2)
- ターンテーブルを主軸を中心として回転可能に備え、複数の塗料色の塗料タンクを該ターンテーブル上に固定することができ、また接続ユニットを該ターンテーブルの側方に配置してなり、そして、該ターンテーブルの回転により所望の塗料色の塗料タンクを該接続ユニットに対向する位置まで回し運ぶことができる装置であって、
前記塗料タンクは、各々、圧送タンクであって、同タンクの外側に、夫々タンク内部と連通する塗料用継手とエア用継手を同じ向きに並設してなり、また、
前記接続ユニットは、塗装機と接続された塗料コネクタと、加圧エア源と接続されたエアコネクタと、および、前記塗料タンクが同接続ユニットに対向する位置にあるとき、該塗料コネクタを前記塗料用継手に、また該エアコネクタを前記エア用継手に一緒に結合することができる2つのシリンダとを備えてなる、多種少量塗料供給装置。 - 前記装置は、さらに
洗浄用のシンナーバルブおよびエアバルブを含む組付体に、洗浄用継手を接続した洗浄ユニットと、
前記接続ユニットを移動または変向し、これにより前記シリンダの作動によって前記塗料コネクタが該洗浄ユニットの洗浄用継手に結合されうるようにする切替手段とを備えてなる、請求項1記載の多種少量塗料供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28147297A JP3658720B2 (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 多種少量塗料供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28147297A JP3658720B2 (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 多種少量塗料供給装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1199347A JPH1199347A (ja) | 1999-04-13 |
JP3658720B2 true JP3658720B2 (ja) | 2005-06-08 |
Family
ID=17639669
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28147297A Expired - Fee Related JP3658720B2 (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 多種少量塗料供給装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3658720B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110227627B (zh) * | 2019-05-10 | 2020-12-08 | 安徽长江紧固件有限责任公司 | 一种紧固件生产用喷涂装置 |
CN111822176B (zh) * | 2020-08-19 | 2024-06-18 | 江苏方意摩擦材料股份有限公司 | 一种刹车片喷涂装置 |
-
1997
- 1997-09-29 JP JP28147297A patent/JP3658720B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1199347A (ja) | 1999-04-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH11507872A (ja) | 塗料供給システムを備える塗装ロボット | |
JP2002113400A (ja) | コーティング材料をスプレイするための設備において材料を交換するための方法及びステーション | |
JPH09234397A (ja) | 静電塗装機 | |
JPS5941784B2 (ja) | フンムザイリヨウキリカエソウチ | |
CN108906403A (zh) | 一种管状五金件的喷涂机 | |
CN108970882A (zh) | 一种管状五金件的喷涂装置 | |
JP3658720B2 (ja) | 多種少量塗料供給装置 | |
US6896010B2 (en) | Method and device for filling a paint reservoir in an automated painting installation | |
JP3769678B2 (ja) | 多種少量塗料供給装置 | |
JPH11300245A (ja) | 塗装用ロボット | |
JP3621876B2 (ja) | 塗料供給装置 | |
JP3680597B2 (ja) | 塗料供給装置および塗料の色替え方法 | |
JPH0446847Y2 (ja) | ||
JPH03242254A (ja) | チューブ切替装置 | |
JPH0340389Y2 (ja) | ||
CN217473965U (zh) | 一种自由旋转点胶装置 | |
JPS5917419Y2 (ja) | 塗装装置 | |
JP2539009B2 (ja) | 塗装用ロボット | |
JPH0683827B2 (ja) | 槽の自動洗浄装置 | |
JPH0428428B2 (ja) | ||
JPS6155428B2 (ja) | ||
JP3111902B2 (ja) | 塗料供給装置 | |
JPH11590A (ja) | 少量塗料給送システム | |
JPS591719Y2 (ja) | 塗装用ロボツト | |
JP2000061371A (ja) | 多種少量塗料供給装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040519 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040707 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050223 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050303 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |