JP3657750B2 - 熱間仕上圧延機の温度制御装置及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の圧延スタンドを連続配置し、加熱された鋼板等をこれらの圧延スタンドで順次圧延する熱間仕上圧延機(以下単に熱間圧延機とも言う)の温度制御装置に係り、特に、この熱間圧延機の出側の圧延材温度を目標値に制御する熱間仕上圧延機の温度制御装置及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
加熱された圧延材を圧延する圧延機、例えば鋼板を圧延する熱間圧延機では、圧延製品の材質および寸法精度を向上させるうえで圧延機出側の圧延材温度を目標値に制御することが非常に重要である。
【0003】
圧延機出側の圧延材温度を制御するために、従来から以下の方法が提案されている。
その1つは、圧延材の長手方向の温度低下、すなわちサーマルランダウンを補償し圧延機出側の圧延材温度を一定にするべく圧延機速度を増大させるいわゆるズーミング技術である。これは熱間圧延機内での圧延材の温度降下量は、圧延材が熱間圧延機を通過する時間にほぼ比例する関係を利用した技術である。しかし、近年では生産性の向上を目的により高い加速率で熱間圧延機を加速する操業が行われており、これによる圧延機出側の圧延材温度の変化を制御する他の手段が必要になってきている。
【0004】
他の技術としては、特願平7−47491号に記載されるようにスタンド間に圧延材を冷却する冷却装置を設け、この圧延材冷却装置の噴射数を調整することにより圧延機出側での圧延材温度を制御する方法がある。しかしスタンド間に設置できる冷却装置の数は限られており、冷却能力を上げようとすると、1つの冷却装置を噴射あるいは停止したことによる圧延材温度の変化量が大きくなり、精度の良い温度制御は不可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、たとえ高い加速率で圧延材を加速する操業を行う場合にあっても、熱間圧延機のスタンド間の限られた空間に設置可能でかつ圧延材温度を高精度に制御できる手段が要求されている。
【0006】
本発明は、このような実情を考慮してなされたもので、急加減速圧延においても圧延機出側の圧延材温度を目標値に制御すると共に、圧延材の全長に亘って高精度の温度制御をすることができる熱間仕上圧延機の温度制御装置及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に対応する発明は、複数の圧延スタンドをタンデムに配置した熱間仕上圧延機により圧延される圧延材について、前記圧延機出側の圧延材温度を目標値に制御する熱間仕上圧延機の温度制御装置において、前記圧延スタンドのスタンド間のうち、複数のスタンド間の夫々に設けられ、かつ前記圧延材に対して冷却水を噴射するとともに、その冷却水噴射量を調整し得る複数の圧延材冷却手段と、前記目標値を得るために前記複数の圧延材冷却手段のうち少なくとも1つの圧延材冷却手段を使用する制御について、予め設定された圧延材毎の圧延速度パターンに基づき、前記圧延機入側における圧延材長手方向の複数位置各々に対する前記少なくとも1つの圧延材冷却手段の冷却水流量Q ISCj を、(8)式に基づき演算するFF制御用流量演算手段と、前記圧延材の圧延中に、圧延材長手方向の前記複数位置の各々をFF制御点として追跡し、各FF制御点が前記圧延機を通過する間に、前記FF制御用流量演算手段で演算された冷却水流量により冷却されるように、前記圧延材冷却手段の流量を操作するFF制御用流量制御手段と、前記圧延機の出側における圧延材温度の実績値と前記目標値との偏差を少なくするように、前記複数の圧延材冷却手段のうち1以上の圧延材冷却手段の流量修正量を演算するとともに、前記1以上の圧延材冷却手段の流量をフィードバック制御により修正するFB制御手段とを備えたことを特徴とする熱間仕上圧延機の温度制御装置である。
【数3】
ここで、α Fj :等価熱伝達係数で、前記各スタンド間に設置した前記各圧延材冷却手段が噴射する冷却水の流量の関数。
h F :前記圧延機の出側板厚。
T FEj :前記圧延機入側の前記圧延材の平均温度。
T FD AIM :前記圧延機の出側目標温度。
Q FSB :スケールブレーカ流量で前記熱間仕上圧延機の手前で、前記圧延材の入側に設けられ、高圧の水を前記圧延材の上下面に噴射し、前記圧延材の表面に発生したスケールを除去するスケールブレーカの流量。
【0008】
本発明においてはまず、FF制御用流量制御手段により、各FF制御点が圧延機を通過する間に、FF制御用流量演算手段で演算された冷却水流量により冷却されるよう圧延材冷却手段の流量が操作される。これにより、圧延材温度の目標値が得られる。ここで、FF制御用流量演算手段は、予め設定された圧延材毎の圧延速度パターンに基づき冷却水流量を決定する。
【0009】
しかしながら、FF制御用流量制御手段によるいわゆるフィードフォワード制御(以下、FF制御ともいう)であるので、完全に目標値が得られるとは限らない。
【0010】
そこで、本発明では、フィードバック制御を行うFB制御手段により、圧延材温度の実績値と目標値との偏差を少なくするように、1以上の圧延材冷却手段の流量が修正される。
【0011】
これにより、急加減速圧延においても圧延機出側の圧延材温度を目標値に制御すると共に、圧延材の全長に亘って高精度の温度制御をすることができる。
次に、請求項2に対応する発明は、請求項1に対応する発明において、FF制御用流量制御手段の制御対象である少なくとも1つの圧延材冷却手段は、複数の圧延材冷却手段のうち圧延機の入側に近いものから順に充当して該当数ほど使用する熱間仕上圧延機の温度制御装置である。
【0012】
本発明においては、複数の圧延材冷却手段のうち圧延機の入側に近いものから順にFF制御用流量制御手段の制御対象として充当するので、効果的なFF制御を実現することができる。
【0013】
また、請求項3に対応する発明は、請求項1又は2に対応する発明において、FB制御手段の制御対象である1以上の圧延材冷却手段は、複数の圧延材冷却手段のうち圧延機の出側に近いものから順に充当して該当数ほど使用する熱間仕上圧延機の温度制御装置である。
【0014】
本発明においては、複数の圧延材冷却手段のうち圧延機の出側に近いものから順にFB制御手段の制御対象として充当するので、高応答なフィードバック制御(FB制御)を実現することができる。
【0015】
さらに、請求項4に対応する発明は、請求項3に対応する発明において、FB制御手段は、1以上の圧延材冷却手段のうち、圧延開始時は前記圧延機の出側に最も近い圧延材冷却手段のみを操作対象とし、目標値を得るのに当該圧延材冷却手段のみでは流量修正量が不足する場合には、圧延機出側に近い圧延材冷却手段から順にその操作対象に加えていく熱間仕上圧延機の温度制御装置である。
【0016】
本発明においては、請求項3に対応する発明と同様な作用効果が得られる他、より効率的かつ高応答なフィードバック制御(FB制御)を実現することができる。
【0017】
一方、請求項5に対応する発明は、請求項1〜4に対応する発明において、FB制御手段は、1以上の圧延材冷却手段すべてが圧延材冷却手段の流量上限値もしくは下限値に達した場合に、目標値が得られるように熱間仕上圧延機の圧延速度を修正する熱間仕上圧延機の温度制御装置である。
【0018】
本発明においては、請求項1〜4に対応する発明と同様な作用効果が得られる他、FB制御の対象となる圧延材冷却手段の全流量修正量では、圧延材の温度目標値を得られないような場合でも、圧延速度の修正によりさらに温度制御可能幅を大きくすることができ、当該目標値を得ることができる。
【0019】
また、請求項6に対応する発明は、複数の圧延スタンドをタンデムに配置した熱間仕上圧延機により圧延される圧延材について前記圧延機出側の圧延材温度を目標値に制御し、また、前記目標値を得るために、前記圧延機における複数の圧延スタンドのスタンド間のうち、複数のスタンド間の夫々に設けられ、かつ前記圧延材に対して冷却水を噴射するとともに、その冷却水噴射量を調整し得る複数の圧延材冷却手段を制御する熱間仕上圧延機の温度制御装置の制御プログラムであって、前記複数の圧延材冷却手段のうち少なくとも1つの圧延材冷却手段を使用する制御について、予め設定された圧延材毎の圧延速度パターンに基づき、前記圧延機入側における圧延材長手方向の複数位置各々に対する前記少なくとも1つの圧延材冷却手段の冷却水流量Q ISCj を、(9)式に基づき演算するFF制御用流量演算機能と、前記圧延材の圧延中に、圧延材長手方向の前記複数位置の各々をFF制御点として追跡し、各FF制御点が前記圧延機を通過する間に、前記FF制御用流量演算機能で演算された冷却水流量により冷却されるように、前記圧延材冷却手段の流量を操作するFF制御用流量制御機能と、前記圧延機の出側における圧延材温度の実績値と前記目標値との偏差を少なくするように、前記複数の圧延材冷却手段のうち1以上の圧延材冷却手段の流量修正量を演算するとともに、前記1以上の圧延材冷却手段の流量をフィードバック制御により修正するFB制御機能とを有する制御プログラムを記録し、熱間仕上圧延機の温度制御装置に読み取り可能な記録媒体である。
【数4】
ここで、α Fj :等価熱伝達係数で、前記各スタンド間に設置した前記各圧延材冷却手段が噴射する冷却水の流量の関数。
h F :前記圧延機の出側板厚。
T FEj :前記圧延機入側の前記圧延材の平均温度。
T FD AIM :前記圧延機の出側目標温度。
Q FSB :スケールブレーカ流量で前記熱間仕上圧延機の手前で、前記圧延材の入側に設けられ、高圧の水を前記圧延材の上下面に噴射し、前記圧延材の表面に発生したスケールを除去するスケールブレーカの流量。
本発明においては、請求項1に対応する発明と同様な作用効果を奏する熱間仕上圧延機の温度制御装置の動作に必要な記録媒体を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(発明の第1の実施の形態)
まず、本実施形態の熱間仕上圧延機の温度制御装置を適用する熱間仕上圧延機について説明する。
【0021】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る温度制御装置の制御対象となる熱間仕上圧延機の構成例を示す図である。
この熱間仕上圧延機は、6スタンドで構成されており、各圧延スタンド1〜6(F1〜F6)により、圧延材7を圧延するようになっている。また、スケールブレーカ8が圧延スタンド6の手前,圧延材7入側に設けられ、このスケールブレーカ8は高圧の水を圧延材7の上下面に噴射し、圧延材7の表面に発生したスケールを除去する。
【0022】
圧延スタンド1,2間、2,3間、..、5,6間には、それぞれ圧延材冷却装置9a,9b、10a,10b、..、13a,13bが設けられている。圧延材冷却装置9a〜13aは、圧延材7の上面から冷却水を噴射し、また圧延材冷却装置9b〜13bは、圧延材7の下面から冷却水を噴射し、圧延材を冷却する。
【0023】
圧延材冷却装置9a〜13a及び9b〜13bには配管を介してそれぞれ流量制御装置14a〜18a及び14b〜18bが接続されてる。流量制御装置14a〜18a、14b〜18bは、その対応する圧延材冷却装置9a〜13a、9b〜13bが噴射する冷却水の流量を制御する。
【0024】
また、スケールブレーカ8の入側に温度計19(FET)、圧延スタンド6の出側に温度計20(FDT)が設けられている。温度計19は、熱間仕上圧延機の入側における圧延材温度を検出する。一方、温度計20は、熱間仕上圧延機出側における圧延材温度を検出する。
【0025】
このように構成される熱間仕上圧延機においては、次のような要因により圧延材の温度が変化する。
すなわち、熱間仕上圧延機の入側から出側の間における圧延材の温度変化としては、スケールブレーカ8による温度降下、大気への熱伝達による温度降下、圧延スタンド1〜6のルーロバイト内における温度変化、それにスタンド間に設けた圧延材冷却装置9a,9b〜13a,13bによる温度降下がある。これらの温度変化量の計算方法については、文献等で数多く報告されている。そして発明者らの得た知見によれば、図1における温度計19の直下における圧延材7の厚み方向の平均温度TFEと、温度計20の直下における圧延材7の厚み方向の平均温度TFDとの関係は、圧延材7の鋼種を特定した場合(1)式で表される。
【0026】
【数1】
【0027】
【数2】
【0028】
ここで、
TW :冷却水温度
αF :等価熱伝達係数
hF :熱間仕上圧延機の出側板厚
L :FET〜FDT間距離
φ :比熱
ρ :密度
Vn :最終スタンドロール速度
QFSB :スケールブレーカ流量
QISC :圧延材冷却装置の流量
i :圧延材冷却装置のNo.
等価熱伝達係数αF は、(2)式に示すようにスタンド間に設置した圧延材冷却装置9a,9b〜13a,13bが噴射する冷却水の流量の関数であり、この流量を操作することによって、熱間仕上圧延機の出側における圧延材温度を制御できる。すなわち、圧延材冷却装置による圧延材温度の降下量は、圧延材冷却装置9a,9b〜13a,13bの流量の0.5〜0.8乗に比例することが確認されている。
【0029】
次に熱間仕上圧延機の出側における圧延材温度は大きく2つの要因で変化する。
その1つは、熱間仕上圧延機の入側における圧延材温度の変化である。
【0030】
図2は圧延材の長手方向の代表的な温度パターンを模式的に示す図である。
この変化は圧延材7が熱間仕上圧延機に到達するまでの操業で発生するものでる。加熱炉で発生するスキッドマークと呼ばれる温度変化、仕上圧延の前段である粗圧延工程での温度変化、およびサーマルランダウンと呼ばれる圧延材長手方向の温度低下等がその変化要因となる。
【0031】
2つめは、熱間仕上圧延機の速度の変更による温度変化である。先述のように生産性を挙げる目的から、図3に示すように圧延材を通板したあと増速し、圧延材尾端部が仕上圧延機を抜ける前に減速する圧延が通常行われる。
【0032】
図3は熱間仕上圧延機の速度パターンの一例を示す図である。
上記した(1)式に示すように、圧延速度が上昇すると出側温度は上がることになる。
【0033】
本発明ではこのような熱間仕上圧延機の出側における圧延材温度の変化要因を考慮し、圧延材冷却装置9a,9b〜13a,13bの冷却水流量および圧延速度を操作することにより、出側温度を目標値に制御する。
【0034】
このために本実施形態の熱間圧延機の温度制御装置が圧延材各ポイントに対応してどのように冷却水流量等を制御するかについて図4を用いて概略的に説明する。
【0035】
図4は熱間圧延機の入側における圧延材長手方向の本実施形態の温度制御装置による制御ポイントを示す図である。
すなわち本実施形態の温度制御装置では、図4に示す圧延材先端部のA点以降の全長に亘って制御を行う。
【0036】
本実施形態の温度制御装置は、熱間仕上圧延機の速度パターン及び圧延材先端部(図4のA点)の出側温度が目標値に一致するよう通板時の各圧延材冷却装置の冷却水の初期設定値を決定する部分と、図4のA点以降の圧延材長手方向に対し、出側温度が目標値になるよう制御する部分から構成される。
【0037】
これらの圧延材長手方向の制御部分は、フィードフォワード制御とフィードバック制御からなっている。更に、本発明の特徴はFF制御は最上流から複数の圧延材冷却装置を操作端とし、FB制御は最下流から複数の圧延材冷却装置を操作端とすることにある。
【0038】
次に、この温度制御装置の具体的な構成について、図5を用いて説明する。
図5は本発明の第1の実施の形態に係る熱間仕上圧延機の温度制御装置の一例を示す構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0039】
図5に示す熱間仕上圧延機の温度制御装置は、圧延機設定部21と、FF制御用流量演算部22と、FF制御用流量制御部23と、FB制御部24とを備え、温度計19、20からの温度情報及び設定情報に基づき、流量制御装置14a,14b〜18a,18bを制御し圧延材の温度制御を行うようになっている。
【0040】
本実施形態では、FF制御用流量制御部23によるFF制御は圧延材冷却装置9a,9b,10a,10b,11a,11b,12a,12bを操作端とし、FB制御部24によるFB制御は圧延材冷却装置13a,13b,12a,12b,11a,11bを操作端としている。
【0041】
圧延材7が搬送され圧延機入側温度計19に到達すると、温度計19の検出値は圧延機設定部21とFF制御用流量演算部22へ送られる。
圧延機設定部21は、図4に示した圧延材先端部A点が圧延機入側温度計19の真下に到達したタイミングで温度計19の出力値を入力し、熱間仕上圧延機の速度パターンと圧延材冷却装置9a,9b〜13a,13bの冷却水流量の初期設定値を決定するとともに、圧延材冷却装置9a,9b〜13a,13bへの初期設定値を流量制御装置14a,14b〜18a,18bに対して設定しさらに速度パターンを設定する。
【0042】
ここで、速度パターンの設定は、圧延スタンド1〜6を駆動する電動機の速度基準を発生する圧延機速度主幹部(図示せず)に対して行われる。この圧延機速度主幹部は、設定された速度パターンに従い、各圧延スタンド1〜6を駆動する電動機の速度制御装置に対し所定の速度基準を出力する。
【0043】
なお、通板前に圧延機設定部21より設定された各圧延材冷却装置の流量および通板速度は、図4に示す圧延材先端部のA点が圧延機出側温度計20の直下に到達した時に、目標温度となるように考慮された設定値である。
【0044】
圧延機設定部21は、設定した速度パターンをFF制御用流量演算部22にも出力する。
FF制御用流量演算部22は、圧延機入側温度計19の検出値を入力する。またFF制御用流量演算部22は、図4の各FF制御点jが温度計19の直下に到達したタイミングで温度計19の検出温度を入力し、後述する(4)式及び(5)式で各FF制御点jに対する圧延材冷却装置の流量を決定しFF制御用流量制御部23へ出力する。
【0045】
FF制御用流量制御部23は、各FF制御点jの位置をトラッキングし、FF制御点jがFF制御用の操作端である圧延材冷却装置9a,9b,10a,10b,11a,11b,12a,12bを通過する際、FF制御用流量演算部22で決定された流量が圧延材7に噴射されるよう、その流量設定値を各流量制御装置14a,14b,15a,15b,16a,16b,17a,17bへ出力する。
【0046】
一方、圧延機出側の温度計20で検出された圧延材7の温度は、圧延機設定部21で設定される圧延機出側目標温度と比較され、FB制御部24にてその偏差が取られる。あるいは偏差算出後、当該偏差がFB制御部24に送られる。
【0047】
FB制御部24は、出側温度偏差をゼロにすべく、FB制御の操作端である圧延材冷却装置11a,11b,12a,12b,13a,13bの流量操作量を演算し、その演算結果を各流量制御装置16a,16b,17a,17b,18a,18bへ出力する。
【0048】
図6は本実施形態の熱間仕上圧延機の温度制御装置におけるFB制御部の構成例を示すブロック図である。
FB制御部24は、圧延機設定部21より設定された圧延機出側目標温度TFDAIM と、圧延機出側温度計20で検出された実績出側温度T FD ACT とに基づいて流量操作量を演算し流量制御装置へ出力する。
【0049】
すなわちFB制御部24は、TFD AIM とTFD ACT の差を演算器41にて演算し、その出力をスイッチ25,26,27を介して比例・積分制御器28,29,30へ送り、さらに比例・積分制御器28,29,30での演算結果をそれぞれ流量制御装置16a及び16b,17a及び17b,18a及び18bへ出力する。
【0050】
また、FB制御部24には、操作端選択部31が設けられている。この操作端選択部31は、圧延材冷却装置の流量実績値QISCia ACT ,QISCib ACT (i=3〜5)に基づき、圧延機出側に近い圧延材冷却装置を優先して使用するようにスイッチ25,26,27を開閉制御するようになっている。
【0051】
比例・積分器28は、圧延スタンド5出側の圧延材冷却装置13a,13bの流量操作量を演算し、流量制御装置18a,18bへ出力する。流量制御装置18a,18bは、圧延機設定部21より設定された流量QISC5a SET ,QISC5b SET との和を流量の基準値とし、圧延材冷却装置18a,18bの流量を制御する。
【0052】
同様に比例・積分制御器29,30は、それぞれ圧延スタンド4、圧延スタンド3の出側の圧延材冷却装置12a,12b,11a,11bの流量操作量を演算し、対応する流量制御装置17a,17b,16a,16bに出力する。ここで、圧延スタンド4,3出側の圧延材冷却装置12a,12b,11a,11bはFF制御用の操作端でもある。従って、QISC4a SET ,QISC4b SET ,QISC3a SET ,QISC3b SET は圧延機設定部21の設定値もしくはFF制御用流量制御部23の設定値であり、流量制御装置17a,17b,16a,16bは、比例・積分制御器29,30の出力とこれらの設定値との和を流量の基準値として制御する。
【0053】
次に、以上のように構成された本発明の実施の形態に係る熱間仕上圧延機の温度制御装置の作用について説明する。
まず、図3に示す圧延速度のパターンは、圧延材毎にその圧延材を通板する前に決定され、圧延機設定部21により設定される。圧延速度パターンの決定はどの熱間圧延機においても行われ、それ自体は公知の技術である。しかし本実施形態では、上述したように、圧延機設定部21により速度パターンの決定と共に、圧延材先端部A点の熱間圧延機出側温度が目標温度になるよう、通板速度と圧延材冷却装置の冷却水流量が決定される。
【0054】
ここで通板速度VnTは、図4のA点が図1に示す熱間圧延機出側温度計20の直下に達した時点で、目標の出側温度となるように決定される。この通板速度VnTは、(1)式を変形した(3)式で演算される。
【0055】
【数3】
【0056】
ここで、TFD AIM は出側温度の目標値である。また(3)式におけるTFEは図4のA点の熱間圧延機入側における(つまり図1の温度計19の位置)厚み方向の平均温度である。また(3)式における等価熱伝達係数αF は(2)式で演算されるが、このときの各圧延材冷却装置の冷却水流量が予め決定される。これは速度パターンに関係しており、例えば加速率が高い場合にはFF制御の操作端として用いられる圧延材冷却装置の流量は低く設定される。またFB制御の操作端として使用される圧延材冷却装置の流量は、制御範囲を考慮し、ほぼ中間の流量が設定される。
【0057】
次に圧延速度VnRは圧延スタンド駆動用電動機のパワーや回転数などの制約とともに、圧延材冷却装置の冷却能力も考慮し決定され、加減速率や尻抜け速度は通常予め定めた設定テーブルから索引される。
【0058】
次に、図4に示す各制御点jに沿って、圧延材7に対するA点以降の制御について説明する。
図4においてj(=1〜m)はFF制御の制御点である。すなわち本発明では、熱間圧延機の入側における圧延材7の長手方向に対して複数のFF制御点を設定し、これらのFF制御点が熱間圧延機の出側に達した際に目標の出側温度が達成できるようFF制御の操作端である圧延材冷却装置の流量を決定し操作する。
【0059】
FF制御点jの熱間圧延機入側平均温度をTFEj とすると、j点の出側温度が目標温度TFD AIM となるための等価熱伝達係数αFjは、(1)式を変形した(4)式で算出できる。
【0060】
【数4】
ここでVFFj は、j点が熱間圧延機の入側から出側まで移動する間の平均速度であり、前記圧延速度パターンから算出できる。
(4)式で得られた等価熱伝達係数αFjを実現する圧延材冷却装置の流量QISCji は、(2)式を変形した(5)式で算出される。
【0061】
【数5】
【0062】
ここではFF制御用の操作端は圧延材冷却装置9a,9b〜12a,12bであるので、(5)式で得られたQISCji を達成するように予め定めたルール,例えば全圧延材冷却装置の流量が等しくなるようなルールで、FF制御用流量演算部22において各圧延材冷却装置の流量が決定される。
【0063】
このように全てのFF制御点に対して圧延材冷却装置の流量が決定され、FF制御用流量制御部23に入力される。さらに、そのFF制御用流量制御部23により、FF制御点が各圧延材冷却装置を通過する際に、決定した流量の冷却水が噴射されるよう該当する各流量制御装置14a,14b〜17a,17bに流量設定値が出力される。そして、各流量制御装置14a,14b〜17a,17bにより上記冷却がなされるように各圧延材冷却装置9a,9b〜12a,12bが操作される。
【0064】
次にFB制御について説明する。
圧延機出側の温度計20で検出された圧延材7の温度と圧延機出側目標温度との偏差をもとにFB制御部24により制御演算が行われる。
【0065】
すなわちFB制御部24によりFB制御用の操作端である圧延材冷却装置の流量が操作され、前記偏差が低減される。このFB制御の応答性からすると、操作端としては熱間圧延機の出側に近い方が有利である。そこで本実施形態では、最下流から複数の圧延材冷却装置11a,11b,12a,12b,13a,13bをFB制御用の操作端とし、FB制御部24からの制御演算結果が各流量制御装置16a,16b,17a,17b,18a,18bへ出力される。
【0066】
まず、図6に示す操作端選択部31には出側温度偏差とFB制御用の操作端である圧延材冷却装置の流量実績値QISCia ACT ,QISCib ACT (i=3〜5)が入力される。また、操作端選択部31には、各圧延材冷却装置の流量の上下限値が設定されている。
【0067】
圧延開始直後、操作端選択部31により、スイッチ25が閉、スイッチ26及び27は開とされる。すなわち圧延機出側に近いF5スタンド出側の圧延材冷却装置がまず選択され、圧延材冷却装置13a,13bの流量が操作されFB制御が行われる。
【0068】
いま圧延材冷却装置13a,13bの流量実績値がその上限値あるいは下限値に達し、出側温度偏差が制限値をオーバーする方向であった場合、操作端選択部31によりスイッチ25が開され、スイッチ26が閉される。これにより、圧延スタンド4の出側の圧延材冷却装置の流量を操作するFB制御が実施される。なお、スイッチ25が開されると、比例・積分制御器28の出力はそのとき出力で固定される。当該制御器28は積分制御を行っているからである。したがって、事実上、圧延材冷却装置13a,13bの流量は、再びスイッチ25が閉じられるまで、その上限値あるいは下限値付近で固定されることになる。
【0069】
同様に圧延スタンド5,4の出側の圧延材冷却装置の流量が上限値もしくは下限値に達し、出側温度偏差が更に制限値をオーバーする方向であった場合、操作端選択部31により、スイッチ25,26が開され、スイッチ27を閉される。これにより、圧延スタンド3の出側の圧延材冷却装置の流量を操作するFB制御が実施される。なお、比例・積分制御器29の出力については、比例・積分制御器28の場合と同様である。
【0070】
上述したように、本発明の実施の形態に係る熱間仕上圧延機の温度制御装置は、圧延機設定部21により速度パターン、出側目標温度及びこれに応じた初期流量を設定し、FF制御用流量演算部22により等価熱伝達係数αFjを実現する圧延材冷却装置の流量QISCji を算出しFF制御用流量制御部23においてこれに基づくFF流量制御を実行するとともに、FB制御部24により出側温度及び出側目標温度との偏差に基づくFB流量制御を行うようにしたので、圧延材長手方向全域に亘って圧延機出側における圧延材温度を目標値に制御できる。また圧延機入側温度の変化、あるいは圧延機の急加減速等による圧延機出側における圧延材温度の変動を高精度かつ高応答で低減させることができ、圧延材の品質向上および歩留まりを向上させることができる。
【0071】
本実施形態の熱間仕上圧延機の温度制御装置は、最下流から複数の圧延材冷却装置をFB制御の操作端とするとともに、スイッチ25,26,27と、比例・積分制御器28,29,30及び操作端選択部31を備え、FB制御を圧延機の出側に近い操作端から順次使用するように制御したので、すなわち最下流の圧延材冷却装置から流量を操作し、その流量が制限値に達した場合、次に圧延機の出側に近い圧延材冷却装置の流量を操作するようにしたので、その時の制御状態において最も応答の速い高応答なFB制御を実現することができる。
(発明の第2の実施の形態)
本実施形態は、FB制御の操作端として圧延材冷却装置に加えて圧延速度も操作することを特徴とする。圧延材冷却装置の冷却水の流量には設備的な制限値は無論のこと、圧延操業上からの制限値もある。したがって、熱間圧延機の出側における圧延材の温度偏差が大きい場合には、圧延材冷却装置のみでは目標温度を達成できない場合も考えられるため、これに対応させるものである。
【0072】
図7は本発明の第2の実施の形態に係る熱間仕上圧延機の温度制御装置の一例を示す構成図であり、図5と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0073】
本実施形態の熱間仕上圧延機の温度制御装置は、各圧延スタンド1〜6に対するFB制御が付加される他、第1の実施形態と同様に構成され制御される。
図7において、圧延スタンド6は電動機32により駆動され、当該電動機32は速度制御装置33によりその回転速度が所定の値に制御される。また、圧延機速度主幹部34は、各圧延スタンド1〜6の速度基準を設定する。すなわち、電動機および速度制御装置は全ての圧延スタンド1〜6に設置され、圧延機速度主幹部34によりこれらが制御されているが、図7では圧延スタンド6以外についてはその表示が省略されている。
【0074】
圧延機速度主幹部34は、圧延機設定部21によって速度パターンが設定されるようになっている。
FB制御部35は、第1の実施形態のFB制御部24と同様に、圧延機設定部21から設定された圧延機出側目標温度と出側温度計20にて検出された実績出側温度との偏差を演算し、この偏差がゼロになるようFB制御用の操作端である圧延材冷却装置11a,11b,12a,12b,13a,13bの流量操作量を演算し出力する。
【0075】
また、FB制御部35は、FB制御用の圧延材冷却装置の流量が制限値に達し圧延材冷却装置によるFB制御が不能になった場合には、出側温度偏差を低減するよう圧延機速度操作量を演算し圧延機速度主幹部34へ出力するようになっている。
【0076】
圧延機速度主幹部34は、圧延機設定部21から設定された速度パターンにFB制御部35からの操作量を加算し、各圧延スタンド1〜6の速度制御装置33等に出力する。
【0077】
図8は本実施形態のFB制御部の構成例を示すブロック図であり、図6と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
同図に示すFB制御部35には、第1の実施形態のFB制御部24の構成に加え、スイッチ36及び比例・積分制御器37が設けられている。また操作端選択部38には、第1の実施形態の操作端選択部31と同様な選択機能の他、圧延機速度操作量を操作するための選択機能が加えられている。
【0078】
比例・積分制御器37は、スイッチ36を介して入力されたTFD AIM とTFD ACT の偏差により、出側温度偏差を低減する圧延機速度操作量を演算し圧延機速度主幹部34へ出力するように構成されている。
【0079】
このように構成された本実施形態の熱間仕上圧延機の温度制御装置の動作について説明する。なお、第1の実施形態と同様な部分は説明を省略する。
まず、操作端選択部38には、出側温度偏差及び圧延スタンド3〜5出側の圧延材冷却装置11a,11b,12a,12b,13a,13bの実績流量が入力されている。
【0080】
ここで、圧延スタンド3〜5出側の圧延材冷却装置の流量が上限値あるいは下限値に達し、更に制限値をオーバーする方向の出側温度偏差が生じたとする。このとき既にスイッチ25,26が開かれ、スイッチ27が閉じられて、比例・積分制御器30による冷却調整がなされている。この時点ではスイッチ36は開である。
【0081】
上記状態になったことで操作端選択部38により、スイッチ25,26,27が開かれ、一方、スイッチ36が閉じられて、圧延機速度を操作するFB制御が実施される。
【0082】
すなわち、まず、TFD AIM とTFD ACT の偏差がスイッチ36を介して比例・積分制御器37へ入力される。さらに比例・積分制御器37により、出側温度偏差を低減する圧延機速度操作量が演算され圧延機速度主幹部34へ出力される。
【0083】
そして、圧延機速度主幹部34において、圧延器設定部21から設定された速度パターンによる速度設定値Vn SET と比例・積分制御器37からの出力の和が演算され、各スタンド1〜6の速度基準が速度制御装置33等へ出力される。
【0084】
こうして圧延材冷却装置の制御能力が不足した場合でも、圧延材の速度調整によって圧延機出側温度が目標値に制御されることになる。
上述したように、本発明の実施の形態に係る熱間仕上圧延機の温度制御装置は、第1の実施形態の構成に加え、FB制御部35により出側温度偏差に応じて圧延機速度をも操作するようにしたので、すなわち、FB制御用の操作端である圧延材冷却装置の流量が全て制限値に達し、更に熱間圧延機の出側温度の偏差が生じた場合、この温度偏差を低減する方向に圧延機速度を操作するようにしたので、たとえ圧延材冷却装置の制御能力が不足した場合でも、圧延機出側温度を目標値になるように制御することができる。
【0085】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
例えば以下のような変形例が考えられる。
【0086】
各実施形態おいては、FF制御は図4に示すFF制御点に対して行うが、FF制御点間を更に細かに制御を行うため、予め決定したFF制御点の圧延材冷却装置の流量を用い、FF制御点間の流量を線形補間等で求め、圧延材冷却装置の流量を操作するようにしてもよい。
【0087】
また各実施形態では、FF制御で用いる圧延機入り側温度を入側温度計で検出した値を用いているが、これは数式モデル等による予測温度を用いてもよい。
さらに各実施形態では、圧延機入側温度をスケールブレーカ8の入側としているが、スケールブレーカ8の出側、すなわち圧延スタンド1の入側としてもよい。
【0088】
なお、実施形態に記載した手法は、計算機に実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含むものである。本装置を実現する計算機は、記憶媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。
【0089】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、圧延材の各制御点に対応してFF制御するとともに、FB制御をも用いて圧延材冷却手段の冷却水量を調整するようにしたので、急加減速圧延においても圧延機出側の圧延材温度を目標値に制御すると共に、圧延材の全長に亘って高精度の温度制御をすることができる熱間仕上圧延機の温度制御装置及び記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る温度制御装置の制御対象となる熱間仕上圧延機の構成例を示す図。
【図2】圧延材の長手方向の代表的な温度パターンを模式的に示す図。
【図3】熱間仕上圧延機の速度パターンの一例を示す図。
【図4】熱間圧延機の入側における圧延材長手方向の本実施形態の温度制御装置による制御ポイントを示す図。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る熱間仕上圧延機の温度制御装置の一例を示す構成図。
【図6】同実施形態の熱間仕上圧延機の温度制御装置におけるFB制御部の構成例を示すブロック図。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る熱間仕上圧延機の温度制御装置の一例を示す構成図。
【図8】同実施形態のFB制御部の構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
1〜6…圧延スタンド
7…圧延材
8…スケールブレーカ
9a〜13a,9b〜13b…圧延材冷却装置
14a〜18a,14b〜18b…流量制御装置
19…温度計
20…温度計
21…圧延機設定部
22…FF制御用流量演算部
23…FF制御用流量制御部
24,35…FB制御部
25,26,27,36…スイッチ
28,29,30,37…比例・積分制御器
31,38…操作端選択部
32…電動機
33…速度制御装置
34…圧延機速度主幹部
Claims (6)
- 複数の圧延スタンドをタンデムに配置した熱間仕上圧延機により圧延される圧延材について、
前記圧延機出側の圧延材温度を目標値に制御する熱間仕上圧延機の温度制御装置において、前記圧延スタンドのスタンド間のうち、複数のスタンド間の夫々に設けられ、かつ前記圧延材に対して冷却水を噴射するとともに、その冷却水噴射量を調整し得る複数の圧延材冷却手段と、前記目標値を得るために前記複数の圧延材冷却手段のうち少なくとも1つの圧延材冷却手段を使用する制御について、
予め設定された圧延材毎の圧延速度パターンに基づき、前記圧延機入側における圧延材長手方向の複数位置各々に対する前記少なくとも1つの圧延材冷却手段の冷却水流量Q ISCj を、(6)式に基づき演算するFF制御用流量演算手段と、
前記圧延材の圧延中に、圧延材長手方向の前記複数位置の各々をFF制御点として追跡し、各FF制御点が前記圧延機を通過する間に、前記FF制御用流量演算手段で演算された冷却水流量により冷却されるように、前記圧延材冷却手段の流量を操作するFF制御用流量制御手段と、
前記圧延機の出側における圧延材温度の実績値と前記目標値との偏差を少なくするように、前記複数の圧延材冷却手段のうち1以上の圧延材冷却手段の流量修正量を演算するとともに、前記1以上の圧延材冷却手段の流量をフィードバック制御により修正するFB制御手段とを備えたことを特徴とする熱間仕上圧延機の温度制御装置。
h F :前記圧延機の出側板厚。
T FEj :前記圧延機入側の前記圧延材の平均温度。
T FD AIM :前記圧延機の出側目標温度。
Q FSB :スケールブレーカ流量で前記熱間仕上圧延機の手前で、前記圧延材の入側に設けられ、高圧の水を前記圧延材の上下面に噴射し、前記圧延材の表面に発生したスケールを除去するスケールブレーカの流量。 - FF制御用流量制御手段の制御対象である前記少なくとも1つの圧延材冷却手段は、前記複数の圧延材冷却手段のうち前記圧延機の入側に近いものから順に充当して該当数ほど使用することを特徴とする請求項1記載の熱間仕上圧延機の温度制御装置。
- FB制御手段の制御対象である前記1以上の圧延材冷却手段は、前記複数の圧延材冷却手段のうち前記圧延機の出側に近いものから順に充当して該当数ほど使用することを特徴とする請求項1又は2記載の熱間仕上圧延機の温度制御装置。
- 前記FB制御手段は、前記1以上の圧延材冷却手段のうち、圧延開始時は前記圧延機の出側に最も近い圧延材冷却手段のみを操作対象とし、前記目標値を得るのに当該圧延材冷却手段のみでは流量修正量が不足する場合には、前記圧延機出側に近い圧延材冷却手段から順にその操作対象に加えていくことを特徴とする請求項3記載の熱間仕上圧延機の温度制御装置。
- 前記FB制御手段は、前記1以上の圧延材冷却手段すべてが圧延材冷却手段の流量上限値もしくは下限値に達した場合に、前記目標値が得られるように前記熱間仕上圧延機の圧延速度を修正することを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項記載の熱間仕上圧延機の温度制御装置。
- 複数の圧延スタンドをタンデムに配置した熱間仕上圧延機により圧延される圧延材について前記圧延機出側の圧延材温度を目標値に制御し、また、前記目標値を得るために、前記圧延機における複数の圧延スタンドのスタンド間のうち、複数のスタンド間の夫々に設けられ、かつ前記圧延材に対して冷却水を噴射するとともに、その冷却水噴射量を調整し得る複数の圧延材冷却手段を制御する熱間仕上圧延機の温度制御装置の制御プログラムであって、
前記複数の圧延材冷却手段のうち少なくとも1つの圧延材冷却手段を使用する制御について、予め設定された圧延材毎の圧延速度パターンに基づき、前記圧延機入側における圧延材長手方向の複数位置各々に対する前記少なくとも1つの圧延材冷却手段の冷却水流量Q ISCj を、(7)式に基づき演算するFF制御用流量演算機能と、
前記圧延材の圧延中に、圧延材長手方向の前記複数位置の各々をFF制御点として追跡し、各FF制御点が前記圧延機を通過する間に、前記FF制御用流量演算機能で演算された冷却水流量により冷却されるように、前記圧延材冷却手段の流量を操作するFF制御用流量制御機能と、
前記圧延機の出側における圧延材温度の実績値と前記目標値との偏差を少なくするように、前記複数の圧延材冷却手段のうち1以上の圧延材冷却手段の流量修正量を演算するとともに、前記1以上の圧延材冷却手段の流量をフィードバック制御により修正するFB制御機能とを有する制御プログラムを記録し、熱間仕上圧延機の温度制御装置に読み取り可能な記録媒体。
h F :前記圧延機の出側板厚。
T FEj :前記圧延機入側の前記圧延材の平均温度。
T FD AIM :前記圧延機の出側目標温度。
Q FSB :スケールブレーカ流量で前記熱間仕上圧延機の手前で、前記圧延材の入側に設けられ、高圧の水を前記圧延材の上下面に噴射し、前記圧延材の表面に発生したスケールを除去するスケールブレーカの流量。
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