JP3656229B2 - ウェットスクラバおよび該ウェットスクラバを含む塗料スプレーブース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気流中に含まれる液体または固体の粒子を捕捉して取り除くウェットスクラバ、および、該ウェットスクラバを含み、そしてスプレーブースより排出された汚染気流の中に含まれる塗料粒子を捕捉して取り除くことができる塗料スプレーブースにも関する。
【0002】
【従来の技術】
典型的には、種々の量産製品例えば自動車ボディおよび自動車部品の塗装は、塗料スプレーブースにおいて行なわれ、そこでは、塗装されるべき対象物には、スプレー塗装設備を利用して、塗料が噴霧される。塗装されるべき対象物に付着しなかった塗料は、塗料ミストとして空気中に浮遊する。かかる塗料スプレーブースの操作の間、新鮮な外気を連続供給し、そして塗料ミストを、排気管理システムで以て、作業域から除去することが必要とされる。これらは、安全で健康な作業環境を維持しかつ高品質の塗装仕上げ品を確保するという目的に役立つものである。この排出空気に含まれた塗料粒子は、環境汚染を避けるために、気流が大気に出る前に捕捉されなければならない。
塗料ミストを排気流から分離する、二つの知られた方法がある。i)汚染された気流を乾燥したフィルタまたは篩に通過させ、そして、その中に含有された塗料粒子をフィルタまたは同等の部材によって吸着または捕捉するところの乾式法、および、ii)汚染された気流を液体、例えば水と接触させて混合し、これによりその中に含まれた塗料粒子を液体に捕捉して取り除くところの湿式法。
通常、大型製品例えば自動車を塗装する塗料スプレー設備においては、湿式法が採用されている。
塗料ミストを分離する湿式法には、様々な種類のものがある。典型的には、以下の知られた方法および手段が利用されている。
1.気流と水などの液体との重力差を利用し、気流を液体バルク中に通過させて、該気流に含まれる塗料粒子を捕捉する方法。
2.水などの液体を下方へ流し落とし、これによって形成された液体の膜に気流を通過させて、該気流に含まれる塗料粒子を該膜の中に捕捉する方法。
3.水などの液体を噴霧して、大集団の液体の滴を創生し、そして汚染された気流をこの液体の霧の中に通し、そこで、液体の滴が除去すべき塗料粒子と接触しそして捕捉する方法。
4.気流および液体例えば水をベンチュリと呼ばれる絞り部に通過させる方法。ベンチュリにおける高速度空気の撹拌流は、液体の小滴への微粒化をひき起こす。該小滴は、飛沫同伴された(entrained)塗料粒子を捕捉し、これと合体する。
5.水などの液体をプレートまたは同様の部材の上に流下させ、そして、気流を該プレートに吹き当てるか、または、気流を水などの液体のプールに衝突させる方法。塗料粒子は、より大きな衝撃運動量を有する空気の流れに含まれ、そして該液体の表面に捕捉される。
【0003】
典型的には、塗料スプレーブースからの排出気流は、様々な直径の塗料粒子が含まれる塗料ミストを含む気流からなる。これら塗料粒子の直径は、数百μmないし1μm未満の範囲に及ぶ。典型的な塗料ミストにおいては、粗大な塗料粒子よりも、微小の塗料粒子がより多く存在する。
自動車組立工場の塗料スプレーブースにて使用される通常のウェットスクラバにおいて、スプレー室より流れる排出空気流が捕捉水流と衝突する頻度および速度を増大することにより、除去効率を向上させる試みがなされてきた。これに関連して、米国特許5,074,238号、同 5,040,482号、同 4,700,615号、同 4,664,060号、同 4,220,078号および同様のものは、種々の提案を開示している。米国特許 5,074,238号は、排出気流および水が通過するベンチュリ関口部と、空気および水が混合する弯曲された邪魔板とを備えたスクラバを開示している。米国特許5,040,482号は、傾いた表面に沿って一面の水を供給する二つの槽と、水と塗料を十分含んだ (paint-laden) 空気とを混和する邪魔板とを備えたスクラバを開示している。米国特許4,700,615号は、いくつかのプールが階層的に、水がプールを順に流れ通るように備えられ、そして排出気流が、形成された複数の水の幕に通り抜けるように作られたスクラバを開示している。米国特許 4,664,060号は、リップが矩形のベンチュリ部に気流と水の混合を増大するように備えられ、そして邪魔板がベンチュリ喉部の下側に配設されたスクラバを開示している。米国特許 4,220,078号は、V字形の衝突部材が排出空気−塗料の流れ路に配置され、そして、囲い板がより除去を為すように衝突部の周りに備えられているスクラバを開示している。
【0004】
塗料粒子をより効率よく取り除く試みは、処理騒音の増大をひき起こす傾向にあることが、見い出された。また、排気ファンまたは同様のものの容量を増加する必要性は、設備費用並びにエネルギー消費量を増大する傾向にある。従って、効率を向上させるだけでなく、騒音およびエネルギー消費をも極力低減するところの装置が、必要とされている。騒音の低減は、作業者の作業環境を改善するという観点から、望まれる。米国特許 5,100,442号は、排出気流および水流がベンチュリ部に向けられるスクラバを開示している。その後、それらは、上流で通過するために乱流混合によってひき起こされた騒音を防止する騒音障壁を限定するところの絞り部に導かれる。米国特許 5,020,470号は、排出空気および水がそれを通って流れる延長された排出管を有するスクラバを開示している。粒子は、気流と衝突プールとの衝突の効力によって除去される。排出管の頂部近くにて、水の分散または霧化が少しもまたはまったく生じず、そして騒音が低減される。米国特許 4,515,073号は、空気が除去流体のスプレーの中を数回通り抜けるところの曲がりくねった通路を有するスクラバを開示している。音吸収材が衝撃音を減じるために邪魔板内に備えられている。米国特許 4,350,506号は、拡張された中間部をもつ吊鐘型ベンチュリ部を有するスクラバであって、音吸収材がその中に備えられているものを開示している。米国特許 4,345,921号は、一対の案内プレートがベンチュリに喉部の上方に騒音減衰域を形成するように備えられているスクラバを開示している。衝撃板は、ベンチュリ喉部の下側に配置されそして水膜または水溜りを含むことができる。
ある種の従来技術のスクラバにおいては、排出気流の一部が、水と殆どもしくは全く混合せずに、スクラバの外側へ通り抜けることができ、従って、それはなお依然、塗料粒子を含みうるものであった。プールでの水の跳ね上がりは、汚染された水滴が排気ファンを経て空気と一緒に排出されるのをひき起こす。塗料ミストから塗料粒子の除去を高めるという目的のために、排出気流の方向を変更する装置は、例えば空気の米国特許 4,704,952号において提案されている。この特許は、塗料を十分含んだ空気および水がそれを通り抜けて下方へ流れそして一緒に混合するところの構造を有するスクラバを開示している。この構造の外側の隔壁は、空気を急に上方へ変向せしめ、そしてその後、横方向に反転させる。空気は邪魔板を通り抜けそして大気へ放出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術は多くのウェットスクラバを開示するけれども、なお、改良の余地が残されていた。例えば、いくつかの通常のウェットスクラバにおいては、空気が流れ通る通路に、また空気流が水と混合される所に、隅部および角部、非平坦な部位および同様のものが存在する。これは、結果として、不必要な圧力損失、エネルギー浪費、および騒音の増大を生じる。さらに、いくつかの通常のウェットスクラバは、大変微細な塗料粒子を水中に捕捉するとき、なお低い効率を有し、塗料ミストの一部が環境に放出されうるという問題をなお呈示し、そして塗料を十分含んだ大量の水滴が空気ファン装置を経て大気に放出されるのをなお許している。
したがって、本発明の目的は、圧力損失が小さくされ、エネルギー消費が減少し、スクラバサイズが可能な限り縮小され、そして騒音レベルが著しく低減されるところのウェットスクラバを提供することにある。この結果、設備工事費、運転費用並びに作業環境の質に関して、改良されたウェットスクラバとなる。
本発明のもう一つの目的は、気流中に含まれる粒子が捕捉装置においてより長期の間滞留するのを可能にするウェットスクラバを提供することにある。この特徴は、塗料粒子と
取り除く液体との衝突の機会および頻度を増加し、これによって、スクラバの捕捉効率および性能が改良される。
本発明の他の目的は、個々に運転し、保守しそして調節することができ、そして、気流中に含まれる塗料粒子がより効率よく分離され、取り除かれ、そして、エネルギー消費および騒音が顕著に低減されるところの一基もしくはこれ以上のウェットスクラバを備えた塗料スプレーブースを提供することにある。
本発明のその他の目的は、以下の記載に表わされ、一部は該記載より自明であり、または、発明の実施により理解することができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明の目的を達成するために、そして本発明の目的に従い、具現化されて本明細書に記載されるように、本発明のウェットスクラバは
排出気流がその中を通過しそして加速される加速コーンであって、該加速コーンは、入口と、出口と、断面積が該入口より該出口にかけて縮小する通路を取り囲む弯曲された内周壁とを有し、該内周壁は、捕捉のための液体が該入口の周縁から該出口の周縁まで流下しうる表面を有する加速コーンと、
該加速コーンと連通する、液体を受け保つための衝突プールを備えた混合チャンバであって、該加速コーンの出口の下側に、排出気流が該プール内の液体上に誘導されかつ該液体と衝突し、そして該プール内の該液体および該コーン出口の周縁より落下する液体と混合するような表面を有する混合チャンバと、
該混合チャンバと接続されかつこれと連通し、気流および液体の混合物を周回させる渦流チャンバであって、該渦流チャンバは、混合チャンバの該表面と連続しかつ気流および液体の混合物が周回する際、液体がその上を伝って流れる内壁表面を備えた円筒形状を有する渦流チャンバと、
該渦流チャンバと連通し、気流および液体をその減速の後に放出する排出渦巻き体であって、渦流チャンバの内壁表面と連続する内壁表面、および、拡張された排出口を有する排出渦巻き体とを備えてなる。
本発明の別の側面は、渦流チャンバと排出渦巻き体との間に連結され、渦巻き流を持続する滞留円筒を含むものであって、該滞留円筒は、渦流チャンバおよび排出渦巻き体の内壁表面と連続する内壁表面であって、気流および液体の混合物が周回する際、液体がその上を伝って流れる内壁表面を有するものである。
本発明の別の側面として、一対の渦流チャンバ、一対の滞留円筒、および、一対の排出渦巻き体が、スクラバが対称に運転されるように、好ましくは備えられる。
本発明の他の側面は、
対象物の噴霧塗装のためのスプレー室と、
該スプレー室の下方に位置するスクラバ室と、
スプレー室とスクラバ室の間に位置し、その上部に開口部を有するフロープレートと、
加速コーンがフロープレートの開口部に適合するようにスクラバ室に装備された上記で概略を述べたウェットスクラバと、
液体を該フロープレートに供給し、そしてそこより該ウェットスクラバの加速コーンの内周璧に供給する液体供給手段と、および
取り除くべき塗料粒子を含むスプレー室からの排出空気を、該ウェットスクラバに通して引き出す排気機構とを備えてなる、合体設備の塗料スプレーブースにある。
本発明による塗料スプレーブースは、スクラバ室の長手方向に実質等間隔にて配置された複数基のウェットスクラバを備えることができ、そして好ましくは、互いに独立して、
運転し、保守しそして調節される。
本発明の別の側面のウェットスクラバは、排出渦巻き体の下側にかつこれと連通して配置され、排出渦巻き体より流出した気流を集めて、この気流を排気ダクトに送り向ける、封じ込められた排気チャンバと、排出渦巻き体より流出した捕捉された塗料粒子を十分含んだ液体のための排液路で、排気チャンバの底部に備えられる排液路とを備えるものである
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、今、図面により具体化される実施態様、つまり本発明を実施する最良の形態を含む実施態様を記載することにより、より詳細に説明されうるであろう。
図面の簡単な説明
図1は、本発明の第一実施態様に従う塗料スプレーブースの内部の概略図である。
図2は、図1に示された塗料スプレーブースのスクラバ室の内部の拡大図である。
図3は、本発明の第一実施態様に従うウェットスクラバの正面図である。
図4は、図3に示されたウェットスクラバの平面図である。
図5は、図3に示されたウェットスクラバの側面図である。
図6は、図4および図5の線6−6に沿って切られたウェットスクラバの断面図である。
図7は、図3に示されたウェットスクラバの加速コーンの平面図である。
図8は、図7に示された加速コーンの正面図である。
図9は、排出気流に飛沫同伴した粒子の捕捉プロセスが如何に為されるかを説明するための、図3に示されたウェットスクラバの正面の概略図である。
図10は、図3に示された第一実施態様の改良されたウェットスクラバを含むスクラバ室の内部の拡大図である。
図11は、図3に示された第一実施態様の他の改良されたウェットスクラバを含むスクラバ室の内部の拡大図である。
図12は、本発明の第二実施態様に従うウェットスクラバの正面図である。
図13は、図12に示されたウェットスクラバの平面図である。
図14は、図12に示されたウェットスクラバの側面図である。
図15は、図13および図14の線15−15に沿って切られたウェットスクラバの断面図である。
図16は、本発明の第三実施態様に従う、ウェットスクラバを含むスクラバ室の内部の拡大図である。
図17は、本発明の第四実施態様に従う、ウェットスクラバを含むスクラバ室の内部の拡大図である。
図18は、図17の矢印S方向より見た塗料スプレーブースの主要部の正面図であって、並んで装備された二基のウェットスクラバを示す図である。
【0008】
図1は、自動車工場において自動車ボディを噴霧塗装するのに使用される塗料スプレーブース10の内部を図示する。ブース10は、3つのより小さい区分室即ち、頂部の給気室7、中央のスプレー室8、および底部のスクラバ室9に分かれている。ブース10は、排気ダクト41と接続され、これは、排気ファン機構11(図示せず)に導かれている。
給気室7は、フィルタ12を備え、これは、この区分室とスプレー室8の間に張られて固定されている。バグフィルタ13もまた、装備されている。虫および塵埃がバグフィルタ13およびフィルタ12によって空気より除去された後、調温・調湿された空気がスプレー室8に、垂直に下降する気流として供給される。 スプレー室8においては、自動車ボディ15の自動噴霧塗装をなすためのロボット14または他の装置が、典型的には、自動車ボディ15がそれに沿って台車16の上にて搬送される路の右側および左側に配備されている。塗装の間に、自動車ボディ15に付着しなかった余剰の塗料は、塗料ミストとして空気中に浮遊する。
図2におけるスクラバ室9の拡大図に示すように、フロープレート17は、スクラバ室9の上方に張設されている。本発明に従うウェットスクラバ1は、その加速コーン2がフロープレート中央に形成された開口部18に密接に装着されるように、装備されている。従って、スプレー室8内の空気(塗料ミストを含む)は、排気ファン機構11(図示せず)の運転により吸引され、そして、下降する排出気流としてウェットスクラバ1の中に導入される。ウェットスクラバ1は、スプレー室8からの排出気流の中に含まれる塗料粒子を捕捉して取り除くのに、使用される。
樋19はフロープレート17の右側および左側に備えられている。ポンプ20より延びる給水管21は、水を右側および左側の樋19内に溢れるように導入する。樋19より溢れ出る水pは、フロープレート17の右側および左側を流下し、好ましくは浅いプールを形成する。ここから、水pは、ウェットスクラバ1の加速コーン2の入口の全上縁または全周縁より中へ流入し、そして、塗料粒子を捕捉するための液体として、また後に述べるように加速コーンの内側表面を塗料蓄積から防ぐ手段として仕える。
スクラバ室9は、排気ダクト41(図1)を介して排気ファン機構11と連通している。ウェットスクラバ1より排出された塗料を十分含んだ水が集まるところの排液路22は、スクラバ室9の底部に位置している。いくつかのミストセパレータ23は、排気ファン機構11に連通する気流の流路に取り付けられている。
好ましくは、複数基のウェットスクラバ1(図示せず)は、塗料スプレーブース10のスクラバ室9の長手方向に、つまり自動車ボディ15がそれに沿って搬送される路と同じ方向に、実質等しい間隔(例えば1.5m〜3.0mの間隔)にに備えられている。
【0009】
【実施例】
(実施例1)
図3、図4および図5は、本発明の第一実施態様に従い構成されるウェットスクラバ1の、それぞれ、正面図、平面図および側面図である。図6は、図4または図5の6−6線に沿って切られたウェットスクラバ1の内部の断面を示す。本発明に従い、ウェットスクラバ1は、加速コーン2、混合チャンバ3、渦流チャンバ4、滞留円筒5、および排出渦巻き体6より形成されている。渦流チャンバ4、滞留円筒5、および排出渦巻き体6は、対象的な一対のものとして配備されている。
本明細書で具体化されているように、加速コーン2は、丸いもしくは弯曲された内周壁24を有する。加速コーン2を通る開口部もしくは通路は、上端の円形の入口25より下端の矩形の出口26(正方形にて図示されている)にかけて縮小する断面積を有し、そして漏斗に似た形状に形成されている。従って、排出気流(図9中、矢印eで示される。)が加速コーン2の中を下方へ通過するとき、その下降気流の速度は増大するようになっている。コーンの内周壁に近接する領域における気流は、コーンの中心線に近い領域における気流よりも、より大きく加速され、排出気流は全体として、出口断面の全体にわたって実質均一な速度にて出口26より放出されるようになっている。
本案施態様にあっては、図7および図8に詳細に示される内周壁24は、隅部を持たないものであるが、弯曲表面を有する。そして、コーンの下端にて出口26より放出される気流の速度(図9中、矢印e’で示される。)は、上述したように、出口26の断面全体にわたって実質均一である。本実施例の加速コーン2を通る流れの円滑な加速は、捕捉に適する気流速度を達成するのに必要とされる圧力損失を小さくすることができ、また、騒音を実質的に低減することができる。コーンの弯曲表面の設計は、加速コーン2の入口25の大きさ(断面積)、出口26の大きさ(断面積)、および、加速コーン2の高さ(上端の入口25と下端の出口26との距離)に基づいて、例として、加速コーン2の出口26における気流が出口26の断面全体にわたって15m/sないし40m/sの均一な速度となるように、算定される。
粒子を捕捉しそしてコーン内表面を保護するのに使用される水pは、入口25より内側周縁27の全体にわたって流入し、そして内周壁24の表面上を一様に流下する。図9中、文字aは、内周壁24の表面上に形成されそしてその上を流下する水膜を示す。排出気流(矢印eで示される)および水膜aは、一緒に、出口26より混合チャンバ3内に導入される。加速コーンの出口26は、一般に、一対のノズル調節プレート29の取り付けに便宜であることから、矩形または方形の口に具体化されることを特に言及する。
本発明に従い、加速コーンと接続されかつこれと連通する混合チャンバが備えられる。本明細書で具体化されているように、混合チャンバ3は、加速コーン2の出口26の直下方に配置されたところの衝突プール30を含み、それにより衝突プール内に蓄積された水には排出気流が衝突する。衝突プール30は、円周面、楕円周面またはその他同様の表面の一部を使用して形成され、そして水がその上に溜るだけでなく、排出気流e’(図9)がこの水に向かって衝突するような構造となっている。従って、混合チャンバ3の内部空
間においては、排出気流が加速コーン2の出口26および一対のノズル調節プレート29より下方へ実質等しい速度にて勢いよく放出される。同時に、図9中の水膜aは、それが出口26の内側周縁28およびノズル調節プレート29より衝突プール30に向かって流下するときには、今や、幕状の水流(図9中、bで示される)を形成する。排出気流e’は、衝突プール30内の水と激しく衝突しそして混合され、また幕状水流bの水とも激しく衝突混合される。
本発明においては、一対のノズル調節プレート29が、互いに対向して、加速コーン2の出口26に取り付けられている。これらプレート29は、それらが内方へもしくは外方へ傾動して、加速コーン2の出口26より下流路の断面積を変更することができるように作られている。一対のノズル調節プレート29の運動によって出口26付近の断面積を拡大もしくは縮小することにより、衝突プール30に向かう空気ジェットの速度は、選択的に制御することができる。排出気流の体積およびその中の塗料粒子の濃度に従い、空気ジェットの速度を調節することにより、これらノズル調節器29は、排出気流が混合チャンバ3内に存在する水とより効率よく衝突して混合することを可能にする。
本発明に従い、渦流チャンバは、混合チャンバの内部空間と接続されそしてこれと連通している。本明細書で具体化されているように、二つの渦流チャンバ4は、一つが混合チャンバ3の左側にそしてもう一つがその右側に、備えられている。そして、双方とも、円筒形状の内壁表面31を有する。さらに、それぞれの内壁表面31は、混合チャンバ3の衝突プール30の表面に連続している。従って、混合チャンバ3の底にて水と衝突および混合された後の排出気流e’(図9)は、渦流チャンバ4の方に向けられ、その際、それは、水幕bを通過し、水とさらに混合される。チャンバ4に流入するや否や、空気/水 混合物は、周回し始める。渦流チャンバ4は、本質的に、流れの渦巻きする周回運動が創出されるところのチャンバである。慣性の効果により、気流e’が液体の幕bと衝突するとき、エネルギーは、空気および水との混合物が渦流fを形成するエネルギーに、殆ど減衰されずに、直接転換されそして該エネルギーとして利用される。したがって、排出気流および水の混合物が混合チャンバ3より渦流チャンバ4に移り渦流fを形成するこの段階での圧力損失は、小さくされる。
渦流fは、渦巻き気流に含まれた様々な種類のより重い粒子、即ち塗料粒子、水滴および同様のものを、渦流チャンバ4の周壁に移行せしめ、そこで粒子は、お互いに接触し、凝集して粒径のより大きな粒子を形成し、そしてさらに水と混合する。結果として、水による塗料粒子の捕捉がさらに、より容易になる。加えて、渦流fは、それに含まれる塗料粒子が渦流チャンバ4内においてより長い時間滞留するのを可能にし、そこでは、捕捉水と接触する機会および頻度が増大する。
特に、渦流f中の混合流に働く遠心力のおかげで、比重のより重い水粒子は、渦流チャンバ4の中心部より内壁31に向けて飛ばされる。従って、水の一部は渦流fに沿って推されて、渦流チャンバ4の内壁表面31上を伝い流れる。同時に、渦巻き流に含まれる塗料粒子および同様のものは大変大きい比重を有するので、それらもまた、渦流チャンバ4の周壁に向けて移行して、内壁面31上を伝い流れる水膜(図9中、cで示される。)と接触しそしてそれに捕捉される。したがって、排出気流に本来含まれる塗料粒子の、水膜cによる捕捉は、ますます進行する。その上、渦流チャンバ4の内壁表面31上の高速度水膜は、含まれる塗料粒子がそれら内壁表面31に付着するのを防止し、そして渦流チャンバ4の内側は、特別な清掃を必要とすることなく、相当な期間にわたってきれいに保たれる。加えて、渦流fにおける渦巻きする気流は、排出気流が水と十分に混合せずに排気ファン装置11の方へ変向して流れるのを有効に抑制する。これに関して、渦流チャンバ4は混合チャンバ3内の気液混合空間に連通しているので、液体の幕b(図9)の跳ね返りによって生じた水滴は、それらが排気システムに流出する前にチャンバ4内で常に周回するため、スクラバから逃れ出ることが防止される。
本発明に従い、滞留円筒は、渦流チャンバと排出渦巻き体の間に連結されかつこれらと連通している。本明細書で具体化されているように、二つの滞留円筒5が、一つがスクラバ1の左側にそしてもう一つがその右側に、備えられている。それらの内側円筒形状によ
り、滞留円筒5は、渦巻き流をより長期の間持続することができる。結果として、水と混合された渦巻きする排出気流は、円筒5内に滞留し、そして、排出気流の中に含まれる粒子(塗料粒子および水粒子)が相互に接触させられる機会および頻度が増大し、そして従って、水による塗料粒子の捕捉は、さらに促進される。
各々の滞留円筒5の内壁表面32は、そのそれぞれの渦流チャンバ4と連通する部位にて、渦流チャンバ4の内壁表面31の曲率に一部相当する曲率を有し、また、そのそれぞれの排出渦巻き体6と連通する部位にて、排出渦巻き体6の内壁表面33の曲率に一部相当する曲率を有する。従って、渦流チャンバ4の内壁表面31および排出渦巻き体6の内壁表面33は、内壁表面32を介して完全に面一になるように位置しており、そして、渦巻き流の流路にとって実質上妨げない連続性を提供する。したがって、渦巻きする流体fが渦流チャンバ4から排出渦巻き体6に移るこの段階での圧力損失もまた、小さくされている。
本発明に従い、排出渦巻き体は、渦流チャンバおよび滞留円筒と連通して備えられている。本明細書で具体化されているように、二つの排出渦巻き体6は、一つがスクラバ1の左側にそしてもう一つがその右側に、備えられている。渦巻き体は、螺碇形状を有し、また排出の方向に連続的に増大する断面積を有する。両方の渦巻き体は下方に面する拡張された排出口34を備える。
図3ないし図6に示すように、排出渦巻き体6は、さらに圧力損失を減じるために、円滑な螺旋形状をなす内壁表面33を備える。渦流チャンバ4および滞留円筒5より排出渦巻き体6の中に導かれた渦巻き流は、排出渦巻き体6内において好適には約10m/sもしくはそれ未満の速度に十分に減速された後に、スクラバ1の外に下方へ放出される(図9中、矢印gで示される。)。よって、静圧力は、動圧力の減少分だけ回復される。したがって、渦巻き気流(今や、塗料粒子が有意に取り除かれている。)が排気ファン装置に放出されるこの段階での圧力損失もまた、小さくされている。渦流チャンバ4の内壁表面31上そして滞留円筒5の内壁表面32上を高速度で伝い流れてきた水(多量の捕捉された塗料粒子を含む)は、渦巻き体6の表面33に沿って伝い流れ、減速し、そして続いて、きれいになった空気とともに排出口34より下方へ、放出される。その後、塗料粒子で満たされた水は、排液路22(図1、図2)に集められる。
ウェットスクラバ1の動作は、以上の記載にて、主要な程度に記載されているけれども、それを今、図9を参照し、要約して述べる。塗料粒子を含む排出気流eは、それが加速コーン2内を通過するとき、加速され、そして、出口26より実質均一の速度にて放出される(矢印e’)。次いで、混合チャンバ3内において気流e’は、加速コーン2から流れ落ちる水の幕によって供給される水プールと激しく衝突しそして混合される。そこで、気流は、圧力損失が小さく保たれるように、この水の幕を通って、右側および左側の渦流チャンバ4に向けられる。渦流チャンバ4内において、水と混合された排出気流は渦流(矢印f)を形成し、水と混合された流れは、右側および左側の滞留円筒5に導かれ、そこで、渦流(矢印f)は持続し、塗料粒子は水との額繁な接触を継続する。その後、水と混合された排出気流は、右側および左側の排出渦巻き体6内において減速され、そして、しかる後、緩やかな流れ(矢印g)となって下向きの口34より、主に渦巻き体6の内側表面より流出する水と一緒に、放出される。放出の前に、空気内の塗料粒子は、水との接触を続けさせられる。従って、スクラバ1では塗料粒子が捕捉水によって気流より取り除かれる少なくとも5回の機会が存在する。最終の結果は、渦巻き体6より出る水が、捕捉された塗料粒子を十分含むとともに、気流は塗料粒子が実質無いものになるというものである。
本ウェットスクラバ1の構造において、加速コーン2の内周壁24は隅部をもたないものであり、衝突プール30および内壁表面31、32、33は相互に連続しており、拡張された排出口34が備えられており、よってスクラバを通過する排出気流の圧力損失は、小さく保たれている。従って、本ウェットスクラバ1においては、エネルギー消費は減少され、また騒音も低減される。さらに、本ウェットスクラバ1においては、排出気流は、混合チャンバ3内において水プールに衝突しそして水幕bを通過することにより、また渦
流チャンバ4および滞留円筒5内において渦流f中でより長期の期間水と接触することにより、水と混合される。従って、本ウェットスクラバ1は、排出気流中に含まれる塗料粒子の捕捉および除去の効率に基づいて、改良された構造を提供する。
【0010】
図10は、変形例のウェットスクラバ1を図示する。この図面で示すようにスクラバ1より流出する前にて、排出渦巻き体6内で生じる流れの減速による圧力回復を高めるという目的のために、排出渦巻き体6は、羽根35を備えることができる。排出渦巻き体6は、実際、ある発散角で以て有効流れ面積を徐々に増加することにより、流れを減速するところの弯曲された短い広角の拡散器である。しかしながら、ある条件の下では、この増加分は過剰となりうるものであり、そして渦巻き体を出る流れ(図9中、矢印gで示される。)は、失速状態に入りうるものであり、よって不安定となり、そして追加の圧力損失を導く。排出渦巻き体の羽根35は、渦巻き体を通る排出流を円滑に案内しそして渦巻き体を、より小さい発散角およびより小さい流れ面積増加分をもついくつかの通路に分割する。したがって、羽根を排出渦巻き体6に加えることにより、乱流損失の可能性は大きく減少し、排出気流(矢印g)は安定化され、そして減速はより効果的なものになる。これら総ては、静圧力のより効果的な回復に転換される。羽根35を有する渦巻き体は、流出流がより安定になるという事実の他に、羽根の無い渦巻き体よりも、約2倍のより効率的な静圧力の回復となりうる。
【0011】
塗料ミスト内の粒子の中でも、直径40μmまたはこれ以上の大きい粒子は捕集するのが容易である一方、直径5μmまたはこれ未満の粒子は捕集するのが困難であることが、一般に認められている。排出気流の中に含まれるより小さい粒子の捕捉を向上させるために、本発明に従うウェットスクラバは、塗料粒子がスクラバに進入する前にまたはスクラバを通るとき、塗料粒子の有効直径を増大する手段を、さらに備えることができる。
この点に関して、図11は変形例のウェットスクラバ1を図示する。本明細書で具体化されているように、水スプレーノズル36は、加速コーン2の入口25のやや上方に内周壁24に面して配置される。与えられた定量の水にあっては、空気中に含まれる水滴および塗料ミストの接触面積は水滴の直径に逆比例して増加するという事実に基づいて、ウェットスクラバ1は、水スプレーノズル36より補給されて、加速コーンの入口にて、濃密な微小水滴の集団を生じさせる。これは、本質的には、排出気流eを予備調整する手段でありまた空気流がウェットスクラバ1に進入する前でさえ捕捉プロセスを開始する手段である。予備調整は次のとおりなされる。排出気流e(図9)に向けて噴霧された水滴は、空気流中の塗料粒子のいくらかと衝突し、そしてそれらと凝集してより大きい有効直径の粒子を形成し、これはウェットスクラバ1で捕捉するのがより容易なものになる。ノズル36によって射出された微細に分割された水滴は、加速コーン2の出口26および調節プレート29(図6)での高速度流の撹拌流によって促進された衝突および凝集プロセスをより高めることができる。これら水スプレーノズル36を用いないときは、コーンの終端での衝突および凝集プロセスは、主に、高い乱流剪断の強さに依って、水膜aを分解して濃密な水幕bを形成するものであり、これは、上記したように、混合チャンバ3内に重要な捕捉媒体を備えるものである。よって、スプレーノズル36は、排出空気中に含まれたこれら塗料粒子の捕捉をさらにより容易にするのに役立つものである。
図11はまた、有効粒子直径を増加するもう一つの手段を図示する。本明細書で具体化されているように、ウェットスクラバ1は、加速コーンの入口のやや上方に配置された超音波(20kHzより高い)発生器37および/または渦流チャンバ4および/または滞留円筒5の表面に取着されそしてスクラバの外側より操作される超音波発生器38をさらに備えることができる。原理は同じであるけれども、超音波発生器37および38は、異なって作動する。固定周波数の、制御された中央周波数の周りのいくつかの掃引周波数の、またはいくつかの同時周波数の持続する超音波を、コーン入口に配置された超音波発生器37より発射することができる。これら超音波は、粒子を音圧波の波腹より波節に移行せしめることにより、スプレー室8より到来した排出気流e中に含まれる、小さい塗料粒子の有効サイズを増大し、そこで、それらは互いに衝突しそして音波凝集として知られたプロセスにより各半波長のものに凝集する。影響を受けた粒子は凝集する波長よりもずっとより小さいものでなければならないという制限は、波の周波数を単純に調節することにより、影響を受けた塗料粒子のサイズ範囲を区別する手段を提供する。例えば、塗料ミストに含まれた直径5μmまたはこれ未満の塗料粒子は、前処理をして、凝集を促進しそしてウェットスクラバ1でのそれらの捕捉を容易にすることができる。その上、超音波発生器37を用いたときには、サブミクロンの粒子でさえ、凝集して、有効粒子直径を増加しそして上記のスクラバ1が、捕捉を容易に為し得るものとすることができる。したがって、超音波発生器37は、排出気流内に飛沫同伴された塗料粒子の捕捉を向上させる。
さらに、図11に示すように、超音波発生器38は、渦流チャンバ4および/または滞留円筒5の表面に取着することができる。混合チャンバ3および/または渦流チャンバ4内でそれぞれ超音波発生器38により発射された、固定周波数の、制御された中央周波数の周りのいくつかの掃引周波数の、またはいくつかの同時周波数の持続する音波は、音圧波により発生した力を使用して空気流の中に飛沫同伴された捕捉しにくい微細塗料を撹乱して凝集し並びに塗料粒子同士間および塗料粒子と水滴との間の衝突の頻度を増大することにより、捕捉を向上させることができる。これらの凝集されたより大きい粒子は、チャンバ3および4内の慣性効果および遠心力効果に強く反応し、そしてその後、スクラバ1内部の水による捕捉をより容易にする。また、超音波発生器38の周波数は、発射された圧力波の作用が渦流チャンバ4および滞留円筒5の内表面をより長時間の間きれいに維持するのを助け得るように調節することができる。したがって、超音波発生器38は、スクラバ1内部の水による空気流中の塗料粒子の捕捉をさらに向上させることができ、そして、渦流チャンバおよび滞留円筒の内表面をより長時間の間きれいに保つことにより、保守費用の節約を提供するものである。
【0012】
(実施例2)
図12ないし図15は、本発明に従い構成される、第二実施態様のウェットスクラバ1aを図示する。図12、図13および図14は、それぞれ、ウェットスクラバ1aの正面図、平面図および側面図であり、また図15は、図13または図14の15−15線に沿って切られたウェットスクラバ1aの断面図を図示する。これらの図よりわかるように、本ウェットスクラバ1aは、第一実施態様のウェットスクラバ1のそれと同様に構成されているが、排出渦巻き体6aの構造において改良されている。
この第二実施態様においては、右側および左側の排出渦巻き体6aの内壁表面33は螺旋型の形状を有し、弯曲された表面33は滞留円筒5の内壁表面32のうち最高の部位を越えないものである。好ましくは、排出渦巻き体6aの内壁表面33のうちで最高の部位の高さは、渦流チャンバ4の内壁表面31のうちで最高の部位の高さと同じであり、また、滞留円筒5の内壁表面32のうちで最高の部位の高さとも同じである。塗料スプレーブース10におけるウェットスクラバ1aの作動の間、渦巻きする流れにより生じる遠心力により、水膜は、渦流チャンバ4の内壁表面31上を、滞留円筒5の内壁表面32上を、そして排出渦巻き体6aの内壁表面33上を流れる。渦巻きする空気および水の遠心力が相対的に弱いときには、水は、第一実施態様のウェットスクラバ(図9)の排出渦巻き体6の内壁表面33全体にわたって円滑に流れない。水中に含まれる塗料粒子は排出渦巻き体6の内壁表面33に付着することができ、そして、結果として、ウェットスクラバ1の、特に排出渦巻き体6の内側の清掃が必要とされる。
他方、ウェットスクラバ1aにおいては、排出渦巻き体6aの内壁表面33の高さ制限により、たとえ渦巻きする空気および水の流れの遠心力が弱いときでさえ、水は、排出渦巻き体6aの内壁表面33全体にわたって円滑に伝い流れることができる。塗料粒子が排出渦巻き体6aの内壁表面33に粘着する虞は減少し、そして従って、ウェットスクラバ1a、特に排出渦巻き体6aの内部の頻繁な清掃の必要性がなくなる。
滞留円筒5との連通部位において、排出渦巻き体6aの内壁表面33は、滞留円筒5の内壁表面32の曲率に相当する曲率を有する。従って、排出渦巻き体の内壁表面33は、滞留円筒5の内壁表面32と完全に面一であり、渦巻き流にとって妨げられない連続性を提供する。
排出渦巻き体6aの内壁表面33の形状は、滞留円筒5より渦巻き流出した空気流が減速しそして排出口34を通って約10m/sまたはそれ未満の速度にて放出されるように、形作られている。
【0013】
(実施例3)
図16は、本発明に従い構成された、スクラバ室9の内部の拡大図を示す。この図を図2と比較すると、この実施態様のウェットスクラバ1bは、加速コーン2、混合チャンバ3、渦流チャンバ4、滞留円筒5および排出渦巻き体6に関して実施態様1のウェットスクラバ1と同様であることがわかる。しかしながら、本発明に従い、スクラバ室は閉じ込められた排気チャンバと連結している。
本明細書で具体化されているように、排気チャンバ39は、右側および左側の排出渦巻き体6の下側に、それがこれら排出渦巻き体6の排出口34と連通するように配置されている。排出渦巻き体6と排気チャンバ39の接続は、流体が逃れ出るのを防ぎかつ真空騒音が発生するのを防ぐように完全に封じられており、また作業者が正常なブース運転の間にスクラバ1bに近付くことを可能にしている。他方、排気チャンバ39は、塗料ブース10の排気ダクト41に連結されている。従って、塗料スプレーブースが作動中であるとき、排出渦巻き体6より流出する排気流は、排気ファン11(図示せず)によって、排気チャンバ39を通ってそして排気ダクト41を通って引かれる。チャンバ39内のミストセパレータ23は、それ以前の段階で捕捉されなかったような塗料粒子および水滴を捕集する。排気チャンバ39の底は、ウェットスクラバ1bの右側および左側の排出渦巻き体6より流出した水および塗料スラッジを捕集するために、閉じ込められたスラッジ排液路40を設けている。個々の閉じ込められた排液路40は、蓄積されたスラッジを排液路40より廃棄するために、スラッジポンプ42と接続されている。各排液路40のための一つのスラッジポンプ42、または、いくつかの排液路40のための一つのスラッジポンプ42を備えることができる。
従って、渦流チャンバおよび排出渦巻き体の平坦な壁は、覗窓43を備えており、これらは、たとえ運転時でさえ、作業者がウェットスクラバ1bの内部を肉眼で観ることを可能にする。これらの覗窓43はオペレータが次の保守手続きを予定するべき時期を計画するのに役立つ。また、接近の容易さのため、作業者は、各スクラバ1bのノズル調節プレート(図3)を個々独立に傾動させて、加速コーン2の下端より流出して混合チャンバ3内の水プールに向かって(図3)衝突する排出空気ジェットe’(図9)の速度を制御することができる。ノズルプレート29の傾動は、ウェットスクラバ1bの捕捉性能について、およびそれを通しての圧力損失について、直接の影響を有する。
塗料スプレーブースは、好ましくは、複数基のウェットスクラバ1bがスクラバ室9内にその長手方向に実質等間隔で配置されるように備えられる。本態様のフロープレート17は、フロープレート17を横断して設けられた短い垂直セパレータ44により部屋ごとに分れている。各ウェットスクラバ1bのための個々の水調節システム45もまた備えられる。セパレータ44および水調節システム45の組合せは、各個々のスクラバ1bに供給された水の量を独立して分離および制御する能力を備える。他方、ウェットスクラバ1bおよびそれらの対応する排気チャンバ39は、あるウェットスクラバ1bの右側および左側の排出渦巻き体からの流出物がその他のいずれのウェットスクラバ1bの排出渦巻き体からの流出物とも混合しないように、互いに分離して形成される。この分離型の構成は、作業者または自動制御機がスクラバ1bのノズル調節プレート29を独立に傾動させて、所要の捕捉性能を特に塗料スプレーブースの長手方向の部位にて達成するのを可能にする。したがって、塗料スプレーブースの特別な区分室を通り抜ける特定の気流または圧力損失のために、供給された水の量およびノズル調節プレート29の角度を制御することにより、ウェットスクラバ1bは、互いに独立して運転しそして調節することができる。
【0014】
(実施例4)
図17は、本発明に従い構成された塗料スプレーブース10のスクラバ室9の内部の拡大図である。図18は、図17中の矢印S方向より見た塗料スプレーブース10の一部の正面図であって、並び整列する二つのスクラバ1cを示す。
これらの図に示すように、本実施態様のウェットスクラバ1cは、排出渦巻き体6の全高がより短縮されていることを除いて、実施例2のウェットスクラバ1a(図12ないし図15)と同様に構成されている。図12に示されたものと同様に、排出渦巻き体6の内壁表面33のうちで最も高い部位は、好ましくは、渦流チャンバ4の内壁表面31および滞留円筒5の内壁表面32のうちで最も高い部位よりも高くない。これに加えて、本例のウェットスクラバ1cにおいては、渦巻き体6のこれら内壁表面33は延長されている。結果として相当する延長された右側および左側の排出口34が目下備えられている。それにも拘らず、水は、排出渦巻き体6の内壁表面に全体にわたって円滑に伝い流れることができ、よって、排出渦巻き体6の内部を清掃する必要性は無いかまたは殆ど不要になる。
本実施例においては、図17に示すように、分流器またはスプリッタ46は、混合チャンバ3の衝突プール30上に備えられる。スプリッタ46は、該スプリッタ46の表面が衝突プール30と連続しているように、末広がりの足をもつ逆V字の形状をなす。スプリッタ46は、コーン2の下側に位置しそしてその出口26を横切って間隔をあけている。混合チャンバ3内に導入された排出気流および水は、スプリッタ46によって、右側および左側の渦流チャンバ4に、そして、ひいては、右側および左側の滞留円筒5および排出渦巻き体6に均等に分配される。従って、スクラバ内で右側および左側の通路への気流および水の不均一な分配に因る総ての問題が、予防される。不均一な流れ分配は、スクラバの二つの対象部位の中の一つを通る低い回転エネルギーにより、ただちに証明され、また渦流チャンバ4の、滞留円筒5の、または排出渦巻き体6の内壁への塗料スラッジの蓄積を導くものである。
実施例3と同様に、本実施例においては(図17および図18)、閉じ込められた排気チャンバ39が備えられる。この排気チャンバ39は、一方の端において、右側および左側の排出渦巻き体6と連結され、そして他方の端において塗料スプレーブース10の排気ダクト41に連結されている。排出渦巻き体6と排気チャンバ39との間の接続は、流体が逃れ出るのを防ぎかつ真空騒音が発生するのを防ぐように完全に封じられており、そして作業者が通常のブース運転の間にスクラバ1cに近付くことを可能にしている。また、この実施例のフロープレート17は、短い、横断した、垂直セパレータ44により部屋ごとに分れており、そして、独立した水調節システム45が備えられている。ミストセパレータ23(図示せず)を有することに加えて、各排気チャンバ39の底は、ウェットスクラバの右側および左側の排出渦巻き体6より流出する水および塗料スラッジを捕集するために、それぞれのスラッジ排液路40を設けている。スラッジ排液路40は、蓄積されたスラッジを排液路40より廃棄するために、スラッジポンプ42と接続されている。単一のスラッジポンプ42は、一つもしくはいくつかのスラッジ排液路40と接続されることができる。排気ダクト41は、排気ファン11(図示せず)と接続され、そして好ましくは、各々のウェットスクラバ1cに備えられている。第二の代替例は、一群のウェットスクラバ1cのための一つの排気ファン11を備えることにあり、これは、多数の排気ダクト41が結合するマニホールド(図示せず)または小さい排気プレナム(図示せず)を追
加することにより、完成する。加えて、開閉可能なダンパ弁47が、各々それぞれの排気ダクト41に備えられかつ挿入されている。特別なダンパ弁47が十分に閉じられているとき、排気ファン11は、相当する排気チャンバ39および排気ダクト41を通して空気を吸引しない。さらに、急速緊急弁48が、作動時、排気流が一連の緊急フィルタ49を通って迂回するように備えられている。
【0015】
塗料スプレーブース10は、好ましくは、長手方向に実質等間隔で配置された複数基のウェットスクラバ1cを備えている。図18に示されるように、二つのウェットスクラバ1cが互いに独立して、構成されかつ装備されている。一つのウェットスクラバ1cの右側および左側の排出渦巻き体6より流出する気流は、もう一つのウェットスクラバ1cの排出渦巻き体6より流出する気流と混合しない。以上に記載したように、この分離型の構成は、供給された水の量の制御およびスクラバ1cのノズル調節プレート29の独立した傾動により、所要の捕捉性能を塗料スプレーブース10の特に長手部位に適応させるのを可能にする。さらに、フロープレート17の適当な部位への水の供給を停止することにより、本例にあっては、対応するスラッジポンプ42を停止しそして対応するダンパ弁47を閉止することにより、ウェットスクラバ1cおよびそれに対応する排気チャンバ39は、互いに独立して、分離し、修復しそして保守することができる。この修理および保守プロセスは全て、塗料スプレーブース10の残りの部分が十分作動可能に保ったまま、行なうことができる。
本発明の独立型の構成は、制御システムの実行を可能にする。したがって、本発明に従い、ウェットスクラバの作動のための自動制御システムは、スクラブ室の入口で捕捉されるべき粒子の存在下で、処理された排出気流の中に残留するいずれかの塗料粒子に基づいて、備えられる。本明細書で具体化されかつ図17に示されるように、スプレー室の下方へ流れる排出空気において取り除くべき塗料ミストの存在を検出するための、入口センサ50がフロープレート17の上方に取り付けられている。加えて、排気流の中の粒子の量を検出するための、排気センサ51が排気ダクト41中に取り付けられる。中央制御器52は、入口センサ50および排気センサ51の出力に接続されている。つまり、中央制御器52は、樋に、そして従ってフロープレート17に供給された水の量を調節するための、また適当ならばスラッジポンプ42を作動させるための、水調節システム45に接続されている。中央制御器52はまた、活動して一対のノズル調節プレート29を傾斜させる傾動機構53と接続されている。ノズルプレート29の傾動は、加速コーン2の下端より出て混合チャンバ3内の水プールに向かう衝突する排気流ジェットe’(図9)の速度を制御し、そして、ウェットスクラバ1cの捕捉性能およびこれを通る際の圧力損失に直接影響する。よって、対応するセンサ50および51により発生した信号に基づいて、中央制御器ユニット52は、フロープレート17に供給されるべき水の量および一対の調節プレート29の開口の程度を決定する。次に、それは、適当な起動信号を水調節システム45および傾動機構53に送る。
この実施態様の重要な特徴は、中央制御器52が、スプレー室より下方へ到来する塗料粒子の量を、入口センサ50を使用して継続的に監視し、また、排気流より流出する粒子の量を、排気センサ51を使用して継続的に監視するということにある。この情報を用いて、中央制御器52は、ウェットスクラバシステムを最適な性能に調節することができる。また、ウェットスクラバ1cは互いに独立して作動するので、各々独自の閉じられた排気チャンバ39を備えるところのそれぞれのウェットスクラバ1cについて互いに独立して自動制御を行なうことができる。従って、各々のスクラバシステムは、上記したように接続されかつ作動する、入口センサ50、排気センサ51、中央制御器52、局部の水調節システム45および傾動機構53を含むものとなる。
【0016】
以下において、スクラバ装置の異なる作動条件の間での制御動作が記載されている。通常のブース運転の間、制御システムは、“正常運転”ルーチンを使用して作動する。この段階では、排気センサ51は、排気流中の飛び去る粒子の量を連続して測定する。その後、それは、信号を中央制御器ユニット52に送る。次いで、中央制御器は、飛び去る粒子の量を作業者が定めた期待する目標量と比較し、そして目標に適合するのに採るべき適当な作用を決定する。その後、これは、起動信号を水調節システム45および傾動機構53に送る。このプロセスは、連続して繰り返され、スクラバ性能はできる限り目標に近いものに保たれる。
ある理由のために、対応するブース室における塗装動作が一時的に停止するとき、入口センサ50は、飛沫同伴した粒子が、スプレー室より下方へ到来する排出空気に放出されていないことを検出し、そして、“非塗装”信号を制御器52に送ることを開始する。中央制御器52は、信号を受け取り、そして、“非塗装タイマー”をカウントする。このタイマーは、入口センサ50からの“非塗装”信号が存続する限り、運転する。制御器52は、タイマーにおける時間を特定の“非塗装時間制限”と比較する。もし、“非塗装タイマー”時間が“非塗装時間制限”よりもより大きいかまたはそれと等しいとき、制御器52は、ノズル調節プレート29を開きそしてフロープレート17に供給される水の量を減少し並びに排液路40よりポンプ排出されるスラッジの量を減少するための適当な起動信号を伴う“リラックス”命令を送る。
この“非塗装”信号と“リラックス”命令の間の遅延は、“非塗装時間制限”と表されるが、制御器52が、塗装プロセスが一台の自動車ボディと次のそれとの間で停止するときのように些細な停止のために頻繋に“リラックス”命令を与えるのを防止するのに必要とされる。作業者は、この“非塗装時間制限”を好みまたは経験に従って定めることができる。“リラックス”命令は、塗料スプレーブースの運転費用において重要な「含み」を持つことができる。特に、調節プレートを開くことは、ウェットスクラバ1cを通る際の圧力損失を小さくすることができ、これとともに、供給水の量を減らすことは、水ポンプ送り費用および水処理費用を節約することができる。したがって、塗料スプレーブースの一部が空転状態にあるとき、本案施例の制御システムは、特にその区分室の運転費用を減少させることができ、これはエネルギー源のより効率的な利用を可能にする。
該区分室での塗装運転が回復するやいなや、入口センサ50は、“塗装”信号を制御器に送る。その後、中央制御器52は、“デフォルト(default) ”段階に入る。“デフォルト”段階においては、制御器52は、“非塗装タイマー”をリセットし、“デフォルトタイマー”カウントを開始し、そして、傾動機構53に、ノズル間隔をその“デフォルト”状態に閉じる命令を出し、また水調節システム45に、水流供給およびスラッジポンプ送りをその“デフォルト”レベルに増大する命令を出す。本システムは、“デフォルトタイマー”が特定の“デフォルト時間制限”に達するまで、“デフォルト”段階のままにある。この後、中央制御器52は、本システムを“正常運転”段階にセットし、そして、上記に説明したように、調節機構45および53における、スクラバ1cの性能をその最適ピークにもってくるために必要な調節を決定するのに、排気センサ51の信号を使用する。起動機構45および53にとってのこれら“デフォルト”値は、予め定められ、そして、
作業者によって、スクラバ1cの慣例の最適運転条件に近似するように再調整される。同様に、作業者は、“デフォルト時間制限”の適当な値を決定すべきである。“デフォルト”値は、一時的な制御を回避し、そして、本システムをできる限り迅速に“正常運転”段階にもってくる。
この理由のために、“デフォルト”ルーチンは、スクラバ装置が最初に稼働するときにもまた、使用される。
しかしながら、制御システムは、ただちに応答せず、かつ、スプレー室の塗料スプレーノズルと入口センサ50との間の間隔を与える応答をしないので、たとえ“デフォルト”ルーチンを使用しても、制御システムの応答における遅延が予測される。もし、スクラバ装置が“リラックス”状態にありそして噴霧塗装が突然に開始されるとき、この遅延は、一団の粒子をウェットスクラバ1cより逃がして大気に到達せしめることになる。これを避けるために、噴霧塗装運転が開始される前に、スプレー人員が手動で中央制御器52をその“デフォルト”状態に復原することができるような復原スイッチ54が備えられる。復原スイッチ54は、“デフォルトタイマー”が“デフォルト時間制限”に達して、スプレー人員に、塗装プロセスが再開しうる旨を指示するまで、フラッシュ点灯する。
スプレー作業員が、復原スイッチ54を入れるのを忘れるか、または、噴霧塗装プロセス運転を再び開始するまで、フラッシュ信号が停止するのを待たない場合には、実質的な量の飛び去る塗料粒子を含む一団の殆ど除去されていない排気が、排気センサ51に到達すると同時に、該システムが“リラックス”段階から完全に出る時間を持たなくすることが可能である。この短期の時間の間に放出される塗料の量は重大なものでないけれども、制御システムは、いかなる一団の飛び去る粒子が大気に達するのを防止するために、急速緊急弁48および緊急フィルタ49をさらに備えることができる。制御ルーチンは、次のとおりである。入口センサ50が、排出空気に飛沫同伴された塗料が存在することを検出するやいなや、それは、“塗装”信号を制御器52に送り、これは、もしそれが復原スイッチ54によって以前にセットされていないときは、該システムを“デフォルト”段階にセットする。もし、排気センサ51が飛び去る一団を検出したときは、それは信号を制御器52に送り、これは“デフォルトタイマー”が依然“デフォルト時間制限”に到達していない旨を決定する。この情報は、制御器52に、塗装活動が復原されたが、スクラバ装置1cが適応する時間を未だ持っていないことを知らせる。
次いで制御器52は、急速緊急弁48を閉じて、排気流をフィルタ49に通して迂回する命令を出す。“デフォルト時間制限”に達した後であって、もし排気センサ51の信号が正常範囲に回復されたときは、制御器52は、緊急時が終了したと決定する。その後、それは緊急弁48に開く命令を出し、そして正常の排気流路が回復される。備えられたフィルタ49は、緊急の万一の場合に短期の時間の間だけ使用されることとなっており、このため、その寿命期間は、大変長いものと予測される。もし、反対に、“デフォルト時間制限”に達した後に、排気センサ51の信号が正常範囲に回復されないときは、制御器52は“警報”信号を出して、作業者に、その特別なスクラバ1cには何か具合が悪いところがある旨を知らせる。この“警報”信号がオンである問、排気流は、緊急フィルタ49を通って迂回することを続ける。この時間の間、制御器52は、排気センサ51の信号を監視し続けるが、作業者は“警報”信号をリセットしなければならない。該システムを正常段階に復原する前に、作業者は、特別なスクラバが正常に運転するかを確かめるべきである。加えて、制御器52は、排気センサ51の状況を表示して、この課題について作業者を助ける。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第一実施態様に従う塗料スプレーブースの内部の概略図である。
【図2】 図2は、図1に示された塗料スプレーブースのスクラバ室の内部の拡大図である。
【図3】 図3は、本発明の第一実施態様に従うウェットスクラバの正面図である。
【図4】 図4は、図3に示されたウェットスクラバの平面図である。
【図5】 図5は、図3に示されたウェットスクラバの側面図である。
【図6】 図6は、図4および図5の線6−6に沿って切られたウェットスクラバの断面図である。
【図7】 図7は、図3に示されたウェットスクラバの加速コーンの平面図である。
【図8】 図8は、図7に示された加速コーンの正面図である。
【図9】 図9は、排出気流に飛沫同伴した粒子の捕捉プロセスが如何に為されるかを説明するための、図3に示されたウェットスクラバの正面の概略図である。
【図10】 図10は、図3に示された第一実施態様の改良されたウェットスクラバを含むスクラバ室の内部の拡大図である。
【図11】 図11は、図3に示された第一実施態様の他の改良されたウェットスクラバを含むスクラバ室の内部の拡大図である。
【図12】 図12は、本発明の第二実施態様に従うウェットスクラバの正面図である。
【図13】 図13は、図12に示されたウェットスクラバの平面図である。
【図14】 図14は、図12に示されたウェットスクラバの側面図である。
【図15】 図15は、図13および図14の線15−15に沿って切られたウェットスクラバの断面図である。
【図16】 図16は、本発明の第三実施態様に従う、ウェットスクラバを含むスクラバ室の内部の拡大図である。
【図17】 図17は、本発明の第四実施態様に従う、ウェットスクラバを含むスクラバ室の内部の拡大図である。
【図18】 図18は、図17の矢印S方向より見た塗料スプレーブースの主要部の正面図であって、並んで装備された二基のウェットスクラバを示す図である。

Claims (24)

  1. 気流から、その中に含まれる粒子を取り除くためのウェットスクラバであって、
    a)排出気流がその中を通過しそして加速される加速コーンであって、該加速コーンは、入口と、出口と、断面積が該入口より該出口にかけて縮小する通路を取り囲む弯曲された内周壁とを有し、該内周壁は、粒子を捕捉するための液体が該入口の周縁から該出口の周縁まで流下しうる表面を有する加速コーンと、
    b)該加速コーンと連通する、液体を受け保つための衝突プールを備えた、混合チャンバであって、該加速コーンの出口の下側に、排出気流が該プール内の液体上に誘導されかつ該液体と衝突し、そして該プール内の該液体および該出口の周縁より落下する液体と混合するような表面を有する混合チャンバと、
    c)該混合チャンバと接続されかつこれと連通し、気流および液体の混合物を周回させる渦流チャンバであって、該渦流チャンバは、混合チャンバの該表面と連続しかつ気流および液体の混合物が周回する際、液体がその上を伝って流れる内壁表面を備えた円筒形状を有する渦流チャンバと、
    d)該渦流チャンバと連通し、気流および液体をその減速の後に放出する排出渦巻き体であって、渦流チャンバの内壁表面と連続する内壁表面、および、拡張された排出口を有する排出渦巻き体とを備えてなる、ウェットスクラバ。
  2. 前記加速コーンの内周壁は、隅部位を持たないものであって、および、前記出口より放出された前記気流の速度が該出口の断面全体にわたって実質均一となるような弯曲表面を有する、請求項1記載のウェットスクラバ。
  3. さらに、前記加速コーンの出口にて排出気流の速度を変更する調節手段を、該調節手段が該加速コーンと接続されて、備えてなる、請求項1または請求項2記載のウェットスクラバ。
  4. 前記加速コーンは、円形の入口と方形の出口とを有する、請求項3記載のウェットスクラバ。
  5. 前記排出渦巻き体の内壁表面は、流れ断面積を徐々に増加する螺旋形状に弯曲されている、請求項1記載のウェットスクラバ。
  6. 前記渦流チャンバと前記排出渦巻き体との間に連結され、渦巻き流を持続する滞留円筒であって、内壁表面の曲率が該渦流チャンバの内壁表面および該排出渦巻き体の内壁表面の曲率に相当し、渦巻き気流および液体混合物の流路にとって実質妨げとならない連続性を備えている弯曲された内壁表面を有する滞留円筒を、さらに備えてなる、請求項3記載のウェットスクラバ。
  7. 前記排出渦巻き体は、気流の方向に延びる複数の羽根を有する、請求項1または請求項5記載のウェットスクラバ。
  8. 塗料粒子の有効直径を増大する手段を、さらに備えてなる、請求項1記載のウェットスクラバ。
  9. 前記有効直径を増大する手段は、スプレーノズル、超音波発生器、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項8記載のウェットスクラバ。
  10. 前記渦流チャンバ、前記滞留円筒および前記排出渦巻き体とそれぞれ対称に配置された第二の渦流チャンバ、第二の滞留円筒および第二の排出渦巻き体をさらに備えてなる、請求項6記載のウェットスクラバ。
  11. 前記排出渦巻き体の下側にかつこれと連通して配置され、該排出渦巻き体より流出した気流を集めて、この気流を排気ダクトに送り向ける、封じ込められた排気チャンバと、該排気チャンバの底部に備えられた、該排出渦巻き体より流出した液体の排液路とをさらに備えてなる、請求項3記載のウェットスクラバ。
  12. 前記排出渦巻き体の下側にかつこれと連通して配置され、該排出渦巻き体より流出した気流を集めて、この気流を排気ダクトに送り向ける、封じ込められた排気チャンバと、該排気チャンバの底部に備えられた、該排出渦巻き体より流出した液体の排液路とをさらに備えてなる、請求項10記載のウェットスクラバ。
  13. a)対象物の噴霧塗装が為されるスプレー室と、
    b)該スプレー室の下方に位置し、そして、開口部を有するフロープレートがその上部に備えられるスクラバ室と、
    c)加速コーンが前記フロープレートの開口部に適合するように該スクラバ室に装備された請求項1記載のウェットスクラバと、
    d)液体を該フロープレートに供給し、そしてそこより該ウェットスクラバの加速コーンの内周壁に供給する液体供給手段と、および
    e)取り除くべき塗料粒子を含む該スプレー室からの排出空気を、該ウェットスクラバに通して引き出す排気機構とを備えてなる、塗料スプレーブース。
  14. a)対象物の噴霧塗装が為されるスプレー室と、
    b)該スプレー室の下方に位置し、そして、開口部を有するフロープレートがその上部に備えられるスクラバ室と、
    c)加速コーンが前記フロープレートの開口部に適合するように該スクラバ室に装備された請求項6記載のウェットスクラバと、
    d)液体を該フロープレートに供給し、そしてそこより該ウェットスクラバの加速コーンの内周壁に供給する液体供給手段と、および
    e)取り除くべき塗料粒子を含む該スプレー室からの排出空気を、該ウェットスクラバに通して引き出す排気機構とを備えてなる、塗料スプレーブース。
  15. a)対象物の噴霧塗装が為されるスプレー室と、
    b)該スプレー室の下方に位置し、そして、関口部を有するフロープレートがその上部に備えられるスクラバ室と、
    c)加速コーンが前記フロープレートの開口部に適合するように該スクラバ室に装備された請求項10記載のウェットスクラバと、
    d)液体を該フロープレートに供給し、そしてそこより該ウェットスクラバの加速コーン
    の内周壁に供給する液体供給手段と、および
    e)取り除くべき塗料粒子を含む該スプレー室からの排出空気を、該ウェットスクラバに通して引き出す排気機構とを備えてなる、塗料スプレーブース。
  16. 前記塗料スプレーブースのスクラバ室の長手方向に実質等間隔にて配置された複数基の前記ウェットスクラバを備えてなる、請求項13記載の塗料スプレーブース。
  17. 前記塗料スプレーブースのスクラバ室の長手方向に実質等間隔にて配置された複数基の前記ウェットスクラバを備えてなる、請求項14記載の塗料スプレーブース。
  18. 前記塗料スプレーブースのスクラバ室の長手方向に実質等間隔にて配置された複数基の前記ウェットスクラバを備えてなる、請求項15記載の塗料スプレーブース。
  19. 液体は、水である、請求項1記載のウェットスクラバ。
  20. 分流器が前記衝突プールの表面に配置され、該分流器は排出気流および水を分配する、請求項1記載のウェットスクラバ。
  21. 分流器が前記衝突プールの表面に配置され、該分流器は排出気流および水を分配する、請求項10記載のウェットスクラバ。
  22. 前記ウェットスクラバは、排出渦巻き体の下側にかつこれと連通して配置され、排出渦巻き体より流出した気流を集めて、この気流を排気ダクトに送り向ける、封じ込められた排気チャンバと、該排気チャンバの底部に備えられた、排出渦巻き体より流出した液体の排液路とを、さらに備えてなる、請求項13記載の塗料スプレーブース。
  23. 前記ウェットスクラバは、排出渦巻き体の下側にかつこれと連通して配置され、排出渦巻き体より流出した気流を集めて、この気流を排気ダクトに送り向ける、封じ込められた排気チャンバと、該排気チャンバの底部に備えられた、排出渦巻き体より流出した液体の排液路とを、さらに備えてなる、請求項15記載の塗料スプレーブース。
  24. 前記調節手段が調節可能なプレートからなる請求項3記載のウェットスクラバ。
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