JP3655506B2 - 移動作業機械の管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル、クレーン、ブルドーザー等の移動して作業を行う作業機械に対してその保守すべき作業機械の所在を確認するための移動作業機械の管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、作業機械は過酷な状態で使用することが多く、機械各部の損耗が激しい。このため、これら作業機械に対しては適切な保守管理が要望される。この保守管理には高度に専門的な知識を要するので、作業機械メーカー側が保守管理を行うのが通常である。
【0003】
従来の保守管理は、例えば特開平2−270653号公報に提示されているように、作業機械に各種センサより成るエンジン関係診断機器および油圧ポンプ関係診断機器を備え、保守員が当該作業機械の保守を行う場合、作業現場に出向してこれを作動させ、上記各診断機器からのデータをコントローラおよびデータ書込装置を介してICカードに記録し、このように記録された各種データを解析装置により解析してエンジンや油圧ポンプの異常を検出することにより行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記作業機械は一般の乗用車や貨物自動車等のように高い移動性能を備えておらず、ある限られた地域内(例えば1つの県内)で作業を行うことが多い。このため、作業機械の保守管理は当該地域を管轄する管理部門(管理部)、例えば当該作業機械を販売した上記作業機械メーカーの支店や営業所で行われるのが通常である。図10は管理部と管轄地域を示す図である。この図で、A1 〜A6 は各管轄地域、A10〜A60はそれぞれ管轄地域A1 〜A6 を管轄する管理部である。
【0005】
ところで、作業機械の作業現場は作業の都合上又は作業計画の変更等により絶えず変更されることが多い。この作業現場の変更に伴い、保守すべき作業機械を余儀なく他の作業現場に移動させることがある。このため、保守員が保守を行なうため、顧客等から得た情報により、保守対象とする作業機械の作業現場に出向いても、そこには当該作業機械が存在しないという事態がしばしば生じる。その結果、保守員の作業現場出向が無駄になると共に作業機械の保守効率を著しく低下させるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術における課題を解決し、効率的な保守管理を行うことができる移動作業機械の管理システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、管理部と、
この管理部の管轄下にあって、管理部から遠隔の作業現場で作業し、この管理部により保守管理されるために必要なデータを発生して保持する手段と、該データを該管理部に送信する手段とを備えた移動作業機械と、移動作業機械を呼び出して、移動作業機械に保持されている所望のデータの抽出と抽出されたこの所望のデータの管理部への送信との指令を移動作業機械に送信する携帯電話と、この携帯電話に接続される移動通信用交換局と、この移動通信用交換局を介した携帯電話からの指令を移動作業機械に無線送信する中継局とを有し、携帯電話からの指令により、移動作業機械での所望のデータを管理部に送信するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0014】
図1は本発明による移動作業機械の管理システムの基本構成を示すブロック図である。この図で、1は図10に示す各管理部A10〜A60に相当する1つの管理部、2は作業機械の制御部、3は電話回線の交換局、4は無線の中継局である。Tは電話回線を示す。管理部1は、保守管理に関する種々の処理を行う管理部コンピュータ11、データ授受の制御を行う通信コントローラ12、電話回線の送受信機(電話機)13、および伝送されたデータ等を記録するデータ記録部14で構成されている。上記通信コントローラ12にはディジタル信号と音声信号の相互変換手段が備えられ、又、管轄下にある作業機械の電話番号が各作業機械のコードに対応させて記憶されている。
【0015】
作業機械の制御部2は、作業機械の駆動制御、作業機械に備えられた各種センサや計測器等で検出されたデータ等を収集する運転コントローラ21、収集されたデータを記憶する記憶部22、データ授受の制御を行う通信コントローラ23、無線による送受信機(無線通信機)24、および管理部1へ伝送すべきデータを指示するデータ抽出指示部25で構成されている。なお、241は中継局4のアンテナ41との間で無線通信を行う無線通信機24のアンテナである。上記通信コントローラ23にはディジタル信号と音声信号の相互変換手段が備えられ、又、その作業機械を管轄している管理部1の電話番号が記憶されている。
【0016】
図2は図1に示す制御部2を搭載した油圧ショベルの側面図である。図2で、5は油圧ショベルを示す。50は油圧モータにより走行する下部走行体、51はエンジン、油圧ポンプ、油圧配管、電源バッテリ、運転室511等が設置されている上部旋回体、52はブーム521、アーム522、バケット523より成るフロント機構である。図1に示す制御部2は例えば運転室511に配置され、アンテナ241が運手室511の屋根上に設けられる。
【0017】
次に、図1に示す管理システムを用いた油圧ショベル5の保守管理について説明する。この管理システムにおいては、管理部1が、交換局3、中継局4を介して油圧ショベル5の制御部2の記憶部22にアクセスし、そこに格納されているデータから所要のデータを取り出し、このデータに基づいて保守管理に必要な処置を採るようになっている。
【0018】
この管理システムの動作を説明する前に、記憶部22に格納されるデータについて図3、4を参照して説明する。以下、データの一部を列挙する。
【0019】
アワメータ;エンジンキースイッチのON時間、即ち油圧ショベル5の稼働時間をチェックするためのデータであり、保守管理に最も重要なデータである。
【0020】
エンジンキースイッチのON、OFF;このON、OFFの回数から図3に示すような累積稼働時間を把握することができる。さらに、稼働時間帯も把握することができる。図3では横軸に使用開始からの経過時間が、又、縦軸に当該経過時間に対する累積稼働時間がとってある。
【0021】
応力;油圧ショベル5の所定個所の応力をひずみゲージで検出したデータであり、当該所定個所の疲労の大きさをチェックし折損等を防止する。この応力のデータは各応力値の発生回数として表されるデータである。これが図4に示されている。図4は応力頻度分布図であり、横軸に各応力の発生回数(log)が、又、縦軸に各応力の大きさがとってある。例えば、所定個所における応力Pの発生回数はNであり、この発生回数が曲線B(S−N曲線)を超えると疲労の限度を超えていると判断される。
【0022】
操作レバーのストローク回数;走行頻度、バケット操作回数等作業内容の分析に用いられるデータである。
【0023】
エンジン回転数、油圧ポンプの傾転角、吐出圧力;傾転角から1回転当たりの吐出量が計算され、エンジン回転数との積により流量が求められ、これに吐出圧力を乗算することにより発生した馬力が求められる。油圧ショベル5がある一定した馬力で使用されていることが判れば、効率、操作性、燃費等を考慮して各種の設定値を適切な値にすることができる。
【0024】
作動油の温度;油の劣化の監視やクーラー等のヒートバランスのチェックに用いられる。
【0025】
燃料量;単位時間当たりの燃料消費量および燃料残量が判る。
【0026】
各種運転モードスイッチのON、OFF;油圧ショベル5の使用態様を把握することができる。
【0027】
データには、上記以外にも種々のデータがあるがそれらについての説明は省略する。
【0028】
次に、図1に示す管理システムの保守管理の動作を図5に示すフローチャートを参照して説明する。管理部1のオペレータ(保守員の場合もある)は、管轄下にある油圧ショベル5に対する保守管理を行いたい場合、管理部コンピュータ11に油圧ショベル5のコードと抽出すべきデータのコードを入力する。抽出すべきデータは、管理部コンピュータ11により任意に選定することができるが、多くの場合、少なくとも累積稼働時間のデータは抽出データに含められる。これら入力されたコードデータは通信コントローラ12に出力され、通信コントローラ12はその記憶部から油圧ショベル5の電話番号を取り出し、この番号で送受信機13を作動(自動ダイヤル)させる。これにより、管理部1は、交換局3および中継局4を介して電話回線Tと無線回線で油圧ショベル5の制御部2の送受信機24と接続され、次いで、コードデータが送信される。
【0029】
通信コントローラ23は送受信機24から上記コードデータ、即ち管理部1からのデータ要求信号を受信したか否かを常時判断している(図5に示す手順S1)。上述のように送受信機24からコードデータが送信されると、通信コントローラ23は油圧ショベル5がアイドリング状態にあるか否かを判断する(手順S2 )。この判断は、油圧ショベル5が作業中止状態にあるか否かを判断するものであり、運転コントローラ21における操作レバーの状態のデータ又はエンジンのガバナ位置又はアクセルレバー位置のデータをみることにより行われる。
【0030】
通信コントローラ23は油圧ショベル5がアイドリング状態になったとき、記憶部22からコードデータに対応するデータを抽出し(手順S3 )、管理部1に電話をかけて送受信機24を作動させ(自動ダイヤルし)(手順S4 )、中継局4、交換局3を介する無線および電話回線による回線接続を待つ(手順S5)。なお、通話中の場合には、所定時間待ってかけ直す(リダイヤル)。回線が接続されたとき、通信コントローラ23は記憶部22から抽出したデータを油圧ショベル5のコードとともに上記無線回線および電話回線を介して管理部1に送信する(手順S6 )。
【0031】
管理部1は送信されたデータを送受信機13で受信し、通信コントローラ12は送信されたコードおよびデータの音声信号をディジタル信号に変換して管理コンピュータ11へ送信する。管理コンピュータ11は送信されたデータをデータ記録部14に記録するとともに、当該データに基づいて油圧ショベル5に対する故障診断等の保守管理に必要な判断を行ない、要すれば保守員の派遣、顧客への通知、油圧ショベル5のオペレータへの通話等の処置を採る。
【0032】
以上、管理部1がその管轄下にある油圧ショベル5に対してアクセスすることにより保守を行なう場合について説明した。これとは逆に、油圧ショベル5側から管理部5に対し保守データを伝送することにより保守を行なう場合もある。この場合の保守には、図1に示すデータ抽出指示部25が用いられる。このデータ抽出指示部25に、予め伝送すべきデータ、例えば、エンジンキースイッチのON、OFFのデータ、および各検出手段で検出されたデータの値が不良値であることを示すデータ(アラームデータ)の抽出を設定しておく。
【0033】
この状態で、エンジンキースイッチがON、OFFされると、その都度、通信コントローラ23はデータ抽出手段25に設定された抽出指示により、エンジンキーON、OFFのデータ、および当該ON、OFF時点でアラームデータが発生しておればこれを抽出し、管理部1に送信する。これにより、管理部1は油圧ショベル5の稼働データ、稼働状態、早急に処理すべき事態の発生の有無等を得ることができる。
【0034】
さらに、データ抽出手段25は、次のように使用することもできる。油圧ショベル5について、オペレータが、その動作に不具合又は不審な点(例えば機械としての応答が遅い)を発見する等、何らかの理由により管理部1への問い合わせを行ないたい場合、オペレータはデータ抽出手段25に必要と思われるデータの抽出を指示する。例えば、上記「機械としての応答が遅い」場合、抽出を指示するデータとしては、レバー操作時のアームシリンダの油圧波形、コントロールバルブの上流側と下流側の油圧等があり、これらを一時的に保存し、抽出することとなる。データの抽出指示により、通信コントローラ23は支持されたデータを抽出して管理部1へ送信する。管理部1では送信されたデータに基づいて必要な判断を行ない、これをオペレータに伝え、オペレータは所要の処置を採ることになる。
【0035】
以上述べたように、図1に示す管理システムでは、管理部1から直接油圧ショベル5にアクセスすることができるので、保守員が油圧ショベル5の作業現場を探して出向く必要はなく、かつ、その場所に油圧ショベル5が存在せず保守員の出向が無駄になるということもなく、従来の手段に比較して保守管理を飛躍的に効率良く実施することができる。又、データ抽出指示部25を用いて油圧ショベル5から自動的に或るいはオペレータからデータを収集することにより、作業現場における油圧ショベル5の状態を的確に判断することができる。
【0037】
なお、上記の説明では、管理部1から油圧ショベル5へアクセスする手段、および油圧ショベル5からデータ抽出手段25を用いて管理部1へデータを伝送する手段の両方を設ける例について説明したが、いずれか一方を備えるようにしても保守を行なうことができるのは明らかである。又、上記の説明では、油圧ショベル5がアイドリング状態にあるとき通信コントローラ23により記憶部22からのデータ抽出を行う例について説明したが、データ抽出はアイドリング状態にあるときだけでなく、油圧ショベル5が作動しない夜間、早朝等の所定時刻に行なってもよいし、エンジンキースイッチをONした直後でも良く、又、エンジンキースイッチがOFFされたとき行ってもよい。エンジンキースイッチOFFの場合、データ送信のための電源を確保するため、タイマ等によりエンジンキースイッチOFFから所定時間、例えば5〜10分程度の間電源を保持しておくようにする。
【0038】
さらに、上記の説明では、制御部2を運転コントローラ21と通信コントローラ23とで構成する例について説明したが、通信コントローラ23の機能を運転コントローラ21に持たせて両者を一体とすることもできる。この場合、データ抽出指示部25は運転コントローラ21に接続されるのは当然である。このように、両者を一体とし、かつ、エンジンキースイッチをOFFとしたときに送信を行う場合の運転コントローラの動作を、図6を参照して説明する。
【0039】
図6は図1に示す通信コントローラ23を除去し、その機能を運転コントローラ21にもたせた場合の運転コントローラの動作を説明するフローチャートである。運転コントローラは駆動指令があるか(操作レバーが操作されたか)否かを判断し(手順S11)、駆動指令がある場合にはこれに応じて駆動制御を行い(手順S12)、駆動制御が終了したときエンジンキースイッチがOFFか否かを判断し(手順S13)、OFF状態にない場合には処理を手順S11に戻す。
【0040】
手順S11で駆動指令がないと判断された場合、データ要求信号が受信されたか否かを判断し(手順S14)、受信されている場合にはこれを記憶し(手順S15)、エンジンキースイッチがOFFか否かを判断して(手順S13)処理を手順S11に戻す。受信されていない場合も一旦手順S13の判断を行った後処理を手順S11に戻す。
【0041】
上記の動作において、油圧ショベル5のオペレータがエンジンキースイッチをOFFにすると、運転コントローラはこれを判断し(手順S13)、次いで、データ要求信号が記憶されているか否かを判断する(手順S16)。記憶されておれば、記憶部22からデータ要求信号に対応するデータを抽出し(手順S17)、管理部1の電話番号を自動ダイヤルして送受信機24を作動させ(手順S18)、回線の接続を判断し(手順S19)、抽出したデータを送信する(手順S20)。この間、送信用電源は前述のようにタイマ等の適宜手段により確保されており、送信には支障は生じない。手順S16でデータ要求信号が受信されていないと判断された場合には処理を終了する。
【0042】
このようにエンジンキースイッチがOFFにされたときのみ送信を行なうようにしたので、運転コントローラにデータ抽出、送信を行なわせるようにしても、油圧ショベル5の作業には何等の支障も生じない。
【0043】
図7は本発明による移動作業機械の管理システムの一実施形態を示すブロック図である。この図で、1は管理部、4は中継局、41はそのアンテナ、241は作業機械の制御部2のアンテナであり、これらは図1に示すものと同じである。6は作業機械の顧客(購入者又は所有者)の所在個所(会社等)に設置された顧客コンピュータである。顧客コンピュータ6には、自己所有の作業機械のコードと電話番号が記憶されている。7は保守員が携帯する押しボタン式の携帯電話又は自動車電話である。又、7Cは携帯電話又は自動車電話7に接続された携帯型のコンピュータである。3aは管理部1の所在地域を管轄する加入者交換局、3bは顧客の所在地域を管轄する加入者交換局、8は携帯電話7との無線通信を行なう移動通信用交換局、81はそのアンテナである。
【0044】
先に示した管理システムでは、管理部1から作業機械のデータ収集を行なう構成となっているが、本実施例では、保守員が出先からでもデータ収集を行なうことができるようにしたものである。即ち、保守員が顧客の事務所等に出向いている場合には、通信手段を有する顧客コンピュータ6を用いて顧客所有の作業機械の制御部2の記憶部22に、加入者交換局3b、中継局4を介して油圧ショベル5へアクセスすることができ、必要なデータを顧客コンピュータから得ることができる。さらに、保守員が徒歩又は自動車で移動中には、携帯電話7を用いて、移動通信用交換局8、中継局4を介して油圧ショベル5へアクセスすることができ、必要なデータを携帯型コンピュータ7Cに入力、記録することができる。これらにより、保守員が管理部1に居なくても所要のデータを手許に収集することができ、迅速、適切な対応をすることができる。
【0046】
なお、油圧ショベル5の制御部2にデータ抽出指示部25が備えられている場合、これにより指示、抽出されたデータを顧客コンピュータ6にも伝送するように構成することもできる。又、上記実施の形態の説明では、押し釦式の携帯電話7に携帯型のコンピュータ7Cを接続した例について説明したが、携帯型のコンピュータを備えている場合、これにディジタル信号を音声信号に変換する通信機能をもたせておけば、携帯電話7は押しボタン式のものでなく、他のどのような型の電話器であってもよい。さらに、保守員が押しボタン式の携帯電話7のみを持ち、携帯型のコンピュータ7Cを持たない場合、当該携帯電話7によりデータの抽出を指令するとともに、抽出したデータを管理部1に送信する指令を行ない、これをデータ記録部14に記録させることもできる。
【0047】
次に、図1に示す基本構成から変形した他の移動作業機械の管理システムについて説明する。図1に示した管理システムの説明においては、データ抽出部25にアラームデータを設定する例について述べた。このようなアラームデータの中にも、放置すると作業機械が使用不能になるか又はその使用に支障を生じる故障が発生するデータと、しばらく放置しても支障を生じないデータとがある。そして、前者のデータ発生の場合にはその故障をできるだけ早急に修理する必要がある。このような故障の例としては、例えば、センサ類の断線、圧力頻度が所定値を超えた場合、サーボ制御の制御データの異常、作業機械に備えられているマイクロコンピュータのRAM、ROM等のメモリの異常等が挙げられる。作業機械には、これらの故障が発生した場合、エラーコードを記録する手段が設けられているのが通常である。ここで説明する管理システムでは、図1に示す構成において、データ抽出指示部25の設置の有無とは関係なく、上記エラーコードが発生したときには、作業機械側から管理部1又は顧客コンピュータ6あるいは携帯電話7(携帯型コンピュータ7C)にこれを報知する手段を設けたものである。
【0048】
図8は図1に示す管理システムにおける作業機械側の運転コントローラの動作を説明するフローチャートである。運転コントローラ21は常時エラーコードの発生を監視している(図8に示す手順S31)。このエラーコードはその作業機械の番号、重要故障であること、および故障個所の情報で構成されている。エラーコードが発生した場合、運転コントローラ21はエラーコードを記憶部22に記録し(手順S32)、通信コントローラ23の記憶部にエラーコードを転送し(手順S33)、次いで、通信コントローラ23にエラーコードの送信を指令する(手順S34)。以後、通信コントローラ23は図5に示す手順S4 以下の処理によりエラーコードを管理部1に送信する。このエラーコードを受信した管理部1等は、当該故障に関するデータの収集を指令して故障原因の解析を行なうとともに、作業機械に対して早急に保守員を派遣したり、作業機械のオペレータに電話連絡する等の処理を行なう。
【0049】
このように、この管理システムでは、作業機械に重要故障が発生したとき、直ちにエラーコードを管理部1等に通報するようにしたので、当該故障に対して速やかに適切な処置を採ることができ、ひいては、故障による作業機械の休止時間を短縮して作業効率を向上させることができる。
【0050】
図9は図1に示す基本構成から変形したさらに他の移動作業機械の管理システムのブロック図である。この図で、図1に示す部分と同一又は等価な部分には同一符号を付して説明を省略する。26は運転コントローラ21に接続された緊急スイッチである。なお、運転コントローラ21は図8に示す処理手段を備えている。
【0051】
ところで、放置すると作業機械が使用不能になるか又はその使用に支障を生じる故障の中には、例えば、油圧シリンダやホースの油漏れ、エンジンの異常音、走行装置の脱輪等のように、オペレータは気付くがセンサによっては検出することができない故障がある。このような故障に対しては、運転コントローラ21に図8に示す処理手段が備えられていてもエラーコードの出力は不可能である。
【0052】
この管理システムでは、緊急スイッチ26を設け、オペレータが当該故障に気付いたとき、緊急スイッチ26を操作する。この操作により、図8に示す処理手段において割込みを発生させ、直ちに手順S32以降の処理、即ちエラーコードを記録してこれを通信コントローラ23に転送し、エラーコード送信を行なわせる。以後の処理は第3の実施例と同じである。
【0053】
このように、この管理システムでは緊急スイッチ26を設けたので、センサでは検出することができない故障に対しても迅速にこれを通報することができ、先に図8で説明した管理システムと同じ効果を奏する。
【0054】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、保守員が徒歩または自動車で移動している場合でも、管理部から遠距離の作業現場で作業している移動作業機械で所望のデータを抽出させてこの管理部に送信させることができ、かかる移動作業機械の保守管理に必要なデータの管理部での収集を任意の場所から行なわせることができる。この結果、かかる保守管理を効率的に行なうことができて、更には保守員の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による移動作業機械の管理システムの基本的構成を示すブロック図である。
【図2】油圧ショベルの側面図である。
【図3】累積稼動時間を示すグラフである。
【図4】成分頻度分布を示すグラフである。
【図5】図1に示す通信コントロールの動作を説明するフローチャートである。
【図6】図1に示す通信コントロールの機能をもつ運転コントローラの動作を説明するフローチャートである。
【図7】本発明による移動作業機械の管理システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図8】図1に示す移動作業機械の管理システムの一変形例の運転コントローラの動作を説明するフローチャートである。
【図9】図1に示す移動作業機械の管理システムの他の変形例を示すブロック図である。
【図10】作業機械の管轄地域を示す図である。
【符号の説明】
1 管理部
4 中継局
5 油圧ショベル
7 携帯電話
8 移動通信用交換局
Claims (1)
- 管理部と、
該管理部の管轄下にあって、該管理部から遠隔の作業現場で作業し、該管理部により保守管理されるために必要なデータを発生して保持する手段と、該データを該管理部に送信する手段とを備えた移動作業機械と、
該移動作業機械を呼び出して、該移動作業機械に保持されている所望の該データの抽出と抽出された該所望のデータの該管理部への送信との指令を該移動作業機械に送信する携帯電話と、
該携帯電話に接続される移動通信用交換局と、
該移動通信用交換局を介した該携帯電話からの指令を該移動作業機械に無線送信する中継局と
を有し、該携帯電話からの指令により、該移動作業機械での所望のデータを該管理部に送信することを特徴とする移動作業機械の管理システム。
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