JP2003083848A - 建設機械の稼働診断装置 - Google Patents

建設機械の稼働診断装置

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JP2003083848A
JP2003083848A JP2001275020A JP2001275020A JP2003083848A JP 2003083848 A JP2003083848 A JP 2003083848A JP 2001275020 A JP2001275020 A JP 2001275020A JP 2001275020 A JP2001275020 A JP 2001275020A JP 2003083848 A JP2003083848 A JP 2003083848A
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sensor
construction machine
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Application number
JP2001275020A
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Inventor
Takeshi Higuchi
武史 樋口
Sakae Takeda
栄 竹田
Takayuki Sato
隆之 佐藤
Takayuki Ono
孝之 大野
Koichi Shibata
浩一 柴田
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 増幅器やA/D変換器をセンサの数だけ設け
ずに済むようにし、コストおよび省電力の低減を図る。 【解決手段】 建設機械の構成部材の状態を計測する複
数のセンサ48と、複数のセンサ48の検出出力を分析
に適したデータに変換する変換手段43と、変換後のデ
ータを分析する分析手段41と、この分析手段41の分
析結果が記録される記録装置とを備えた建設機械の稼働
診断装置において、複数のセンサ48の検出出力を選択
的に変換手段43に入力せしめるセンサ出力選択手段4
7を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械の構成部
材の状態を計測して分析し、分析結果を蓄積記録する建
設機械の稼働診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の稼働診断装置として、例
えば特開平7−110287号公報に開示されたものが
知られている。この装置では、例えば油圧ショベルを構
成する構造物の応力などをセンサで検出し、センサから
得られる時系列データをレインフロー法等を用いて頻度
分布データに圧縮処理し、その頻度分布データを加算し
た累積頻度データを記録装置に記録する。記録された頻
度分布データは、油圧ショベルのメンテナンス管理時に
サービス員によって読み出され、例えば読み出されたデ
ータと構造物の材料強度データとを比較することによっ
て構造物の疲労寿命等が推定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の稼働診断装置に
は次のような問題がある。 (1)センサから応力値を得るには増幅器が必要であ
る。例えば歪ゲージ式のセンサであれば歪増幅器が必要
となる。センサは建設機械の複数箇所に配置されるか
ら、その数だけ増幅器を設けるとなるとコストおよび消
費電力がアップする。 (2)頻度分布データを過去のデータに順次加算して累
計データとして記録していく方式のため、累計データ大
きくなるとコンピュータで扱う整数型の変数がオーバー
フローを起こすおそれがある。またセンサの故障等によ
り異常なデータが発生した場合、その異常なデータが過
去のデータが加算されるため、過去のデータが正常であ
っても累積データは無効なデータとなってしまう。 (3)センサの断線や増幅器等の異常を検出できず、デ
ータの信頼性が低い。 (4)例えば振動試験機による疲労耐久試験を考えた場
合、頻度分布データのみでは機械の稼働状況を正確に再
現するための試験条件を決めることが難しい。 (5)記録装置に蓄積されたデータはサービス員により
読み出され、読み出された後は消去しても構わないが、
何らかの理由でサービス員が長期間データの読み出しを
行えない場合、記録装置が満杯となりデータを記録でき
なくなるおそれがある。 (6)温度ドリフト等によりセンサ出力に狂いが生ずる
おそれがある。
【0004】本発明の目的は、上述の問題点を解決した
建設機械の稼働診断装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1,2の発明は、
建設機械の構成部材の状態を計測する複数のセンサと、
複数のセンサの検出出力を分析に適したデータに変換
(例えば、増幅,A/D変換等)する変換手段と、変換
後のデータを分析する分析手段と、この分析手段の分析
結果が記録される記録装置とを備えた建設機械の稼働診
断装置に適用される。そして、複数のセンサの検出出力
を選択的に前記変換手段に入力せしめるセンサ出力選択
手段を備え、これにより上記(1)の課題を解決する。
請求項2の発明は、変換手段が種類の異なる複数の変換
部を有し、複数のセンサは、変換部の種類に応じて複数
のグループにグループ分けされ、センサ出力選択手段
は、複数のグループにそれぞれ応じた複数の選択部を有
し、各選択部は、対応するグループに属する複数のセン
サの出力からいずれかを選択して対応する変換部に入力
せしめるよう構成したものである。請求項3の発明は、
建設機械の構成部材の状態を計測する複数のセンサと、
この複数のセンサの出力データを分析する分析手段と、
この分析手段の分析結果が記録される記録装置とを備え
た建設機械の稼働診断装置に適用される。そして、複数
のセンサを、その検出出力の増幅に必要な回路に選択的
に接続せしめる選択手段を備え、これにより上記(1)
の課題を解決する。請求項4〜10の発明は、建設機械
の構成部材の状態を計測するセンサと、このセンサの出
力データを分析する分析手段と、この分析手段の分析結
果が記録される記録装置とを備えた建設機械の稼働診断
装置に適用される。そして、請求項4の発明は、予め定
められた時間間隔ごとの分析結果が記録装置に蓄積記録
されるようにし、これにより上記(2)の課題を解決す
る。請求項5の発明は、センサからの時系列データを頻
度分布データに圧縮処理する頻度分析手段と、センサか
らの時系列データを周波数分布データに圧縮処理する周
波数分析手段とを設け、これにより上記(4)の課題を
解決する。請求項6の発明は、分析手段の分析結果を通
信回線を介して所定の基地局に送信する送信手段を備
え、送信されたデータを基地局において蓄積するように
し、これにより上記(5)の課題を解決する。請求項
7,8の発明は、センサの零点調節を行う零点調節手段
と、予め決められたタイミングで前記零点調節手段を作
動せしめる制御手段とを具備し、これにより上記(6)
の課題を解決する。請求項8の発明は、建設機械の稼働
時に予め定められた時間間隔で零点調節手段を作動せし
め、その時間間隔ごとの分析結果を記録装置に蓄積記録
するよう構成したものである。請求項9,10の発明
は、センサおよび/またはセンサ出力の分析手段への入
力経路の異常を検出する異常検出手段と、予め決められ
たタイミングで異常検出手段を作動せしめる制御手段と
を具備し、これにより上記(3)の課題を解決する。請
求項10の発明は、建設機械の稼働時に予め定められた
時間間隔で異常検出手段を作動せしめ、異常が検出され
ない場合に限ってその時間間隔ごとの分析結果が記録装
置に蓄積記録されるよう構成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】−第1の実施形態− 図1〜図6により本発明を油圧ショベルの稼働診断装置
に適用した場合の第1の実施形態を説明する。図1は本
実施形態における油圧ショベルの側面図である。油圧シ
ョベル1は、下部走行体31と、下部走行体31に旋回
可能に連結された上部旋回体32とを有し、上部旋回体
32には運転室33,エンジン,油圧ポンプ,油圧配
管,バッテリ等が設置される。また上部旋回体32に
は、ブーム34,アーム35およびバケット36から成
るフロント機構部37が設けられる。運転室33には、
コンピュータによって構成された制御装置14が設けら
れ、この制御装置14が後述するように稼働診断装置や
通信装置を構成する。
【0007】図2は本実施形態における通信システムを
示し、油圧ショベル1と、油圧ショベル1を製造・販売
するメーカ2と、油圧ショベル1を利用するユーザー3
との間で通信による情報授受が可能とされる。通信は、
インターネット網11,社内LAN12,通信衛星13
aを用いた通信回線13により行われる。
【0008】メーカ2の基地局16には管理サーバ17
とデータベース18が配置され、油圧ショベル1と基地
局16との間で情報の送受信が可能とされる。情報送受
信は、サービス担当者が用いるノートパソコン19を利
用したダウンロードおよび社内LAN12を経由して、
あるいは通信回線13を経由して定期的または不定期に
行われる。油圧ショベル1で発生した情報やデータ、例
えば作動状態や設定状態のデータは全て基地局16の管
理サーバ17に送信される。管理サーバ17は、複数の
油圧ショベル1から送信されてくるデータを総合的に管
理し、データベース18に記憶する。また管理サーバ1
7は、油圧ショベル1からの送信情報に対して油圧ショ
ベル1側に情報を送信することもある。
【0009】基地局16は社内LAN12を介して支店
20と接続されている。支店20の営業担当者あるいは
サービス担当者20aは、支店20に備えられている入
力端末20bを用いて管理サーバ17およびデータベー
ス18にアクセス可能とされ、故障診断や品証情報につ
いて仕事上必要なデータを検索し、取り出して活用でき
る。
【0010】またメーカ2は、社内LAN12に接続さ
れた社外向けサーバ21を有している。この社外向けサ
ーバ21およびインターネット網11を利用してユーザ
ー3に必要な情報を提示し、油圧ショベル1の活用方法
や部品交換等のメンテナンスに関する種々の提案を行う
ことが可能である。さらに基地局16の管理サーバ17
は、別に設けられたテストデータ(修理点検情報や部品
交換情報)を格納するコンピュータ22に接続されてい
る。コンピュータ22に格納されるデータも適宜に管理
サーバ17にダウンロードされ、データベース18に記
憶される。
【0011】次に、本実施形態における油圧ショベル1
の稼働診断装置について説明する。図3に示すように、
油圧ショベル1の制御装置14は、稼働診断コントロー
ラ41,通信装置42,センサ増幅器43,センサ切替
装置47,動作制御コントローラ46を有している。稼
働診断コントローラ41は、CPU(中央演算ユニッ
ト)401、記録装置402,入力インターフェース4
03,出力インターフェース404および入出力インタ
ーフェース405を有する。記録装置402には、各種
の作業動作のための複数の制御プログラムが格納される
とともに、作業動作の制御に必要なデータ(制御パラメ
ータや定数等)などが記憶されている。
【0012】CPU401には、入力インターフェース
403を介して種々のデータが入力される。入力される
データは、運転室33に設けられた運転操作盤上の入力
部44からの信号、油圧ショベル1の油圧系統または電
気系統の各部に設けられた複数の制御用センサ45の検
出信号、および複数の疲労負荷センサ48の検出信号で
ある。制御用センサ45の検出信号としては、エンジン
回転数,ポンプ圧,操作パイロット圧(作業フロント,
旋回,走行),負荷圧等があり、これらの信号に基づい
て油圧ショベルの制御に必要な機械状態量を得ることが
できる。一方、疲労負荷センサ48の検出信号は、油圧
ショベル1を構成する構造物の変形(歪み)や、振動加
速度、油圧回路圧力等、つまり構造物の変形に関連の深
い測定量である。
【0013】ここで、上記疲労負荷は、油圧ショベルの
用途や大きさ等によって注目すべき部位とその部位の数
が異なる。このため、必要最低限の入力数のみ共通の仕
様とし、それ以上の部位が必要な場合には、センサ切替
装置47によって選択的に疲労負荷センサ48と入力イ
ンターフェース403を接続するよう構成されている。
また、疲労負荷センサ48の種類によって必要なセンサ
増幅器43の種類が異なるため、センサ増幅器43も稼
働診断コントローラ41とは別体として、様々な疲労負
荷センサ48に対応できるようにしている。
【0014】センサ増幅器43およびセンサ切替装置4
7について説明する。本実施形態では、図4に示すよう
にセンサ増幅器43がタイプの異なる4つの増幅器43
1を備えるとともに、疲労負荷センサ48が増幅器43
1のタイプ別に4つのグループに分けられている。例え
ば、グループ1増幅器が動歪アンプであれば、グループ
1のセンサは動歪アンプを必要とする歪みゲージ式の圧
力センサ,加速度センサ,変位センサ等であり、グルー
プ2増幅器がチャージアンプであれば、グループ2のセ
ンサはチャージアンプを必要とする圧電式の加速度セン
サ等となる。
【0015】センサ切替装置47は疲労負荷センサ48
とセンサ増幅器431との間に設けられ、スイッチコン
トローラ471と、センサグループ数に応じた4つのス
イッチ回路472とから成る。各スイッチ回路472
は、各センサグループを構成する複数のセンサ出力から
いずれかを選択して各増幅器431に入力せしめるもの
で、図では疲労負荷センサd,h,l,pの出力がそれ
ぞれ選択されている状態を示している。いずれのセンサ
出力を選択するかはスイッチコントローラ471からの
信号によって制御される。スイッチコントローラ471
は、稼働診断コントローラ41の入出力インターフェー
ス405に接続され、稼働診断コントローラ41からの
指令に応じて選択する疲労負荷センサ48を決める。増
幅器431に入力されたセンサ出力は、所定の電圧に増
幅されて稼働診断コントローラ41の入力インターフェ
ース403を介してCPU401に入力される。
【0016】CPU401は、入力されるセンサ出力に
対して必要な分析処理(稼働時間分析,頻度分析,周波
数分析など)を行う。特に本実施形態では、複数の疲労
負荷センサ48から入力される時系列データのそれぞれ
に対し、頻度分析および周波数分析の双方を行う。頻度
分析は、時系列データに対し、ある電圧幅(物理量とし
ては、応力幅,加速度幅,圧力幅など)を設定し、この
電圧幅の生じた回数を順次カウントしてゆく処理であ
り、時系列データに比べてデータ量を大幅に圧縮するこ
とが可能である。この頻度分析処理にはレインフロー
法,レンジペア法等の疲労への影響度を考慮した方法が
一般的に用いられており、本実施形態でもこれらの処理
方法をとっている。
【0017】一方、周波数分析は、時系列で得られる一
定時間データ(数秒間)に対し、FFT(高速フーリエ
変換)処理を行うことで、周波数系列データに変換する
処理である。順次得られる周波数系列のデータを加算し
て平均化することで、時系列データに比べてデータ量を
大幅に圧縮することが可能である。
【0018】上記頻度分析および周波数分析は所定の計
測時間間隔で行われ、その分析結果が記録装置402に
記録される。すなわちCPU401は、記録装置402
に新規のデータ記録領域を確保して計測および分析処理
を開始し、計測開始からのエンジン稼働時間の累計が規
定時間に達すると、その間の分析データを記録装置40
2に記録する。この処理を繰り返し行うことで、規定時
間ごとのデータが蓄積記録されてゆく。この規定時間は
予め記録装置402に記憶されている時間であり、これ
は頻度分析処理プログラムの変数が頻度カウントの加算
によってオーバーフローを起こすことがない時間(例え
ば、10時間)に設定される。
【0019】分析データは記録装置402に記録される
他、それらのデータに基づいて、出力インターフェース
404を介して動作制御用コントローラ46に動作指令
値または設定値が与えられる。これらの指令値または設
定値に基づいて動作制御用コントローラ46がフロント
機構部37の先部に設けられたバケット36等に必要な
動作を行わしめる。
【0020】稼働診断コントローラ41の入出力インタ
ーフェース405には、上記センサ切替装置47と、ア
ンテナ15を含む通信装置42とが接続され、CPU4
01は、通信装置42により記録装置403に記録され
ているデータを定期的に管理サーバ17に送信する。通
信方法は、図2に示す通信衛星13aを用いた衛星通信
でもよいし、携帯電話を用いた通信でもよい。また入出
力インターフェース405は、ノートパソコン19等の
外部装置が接続される接続端子をも有する。
【0021】以上のように構成された稼働診断装置にお
ける疲労負荷データの計測および処理方法について図5
のフローチャートを参照して説明する。このプログラム
は、稼働診断コントローラ41に電源が投入された時
点、あるいはノートパソコン19によって稼働診断コン
トローラ41がリセットされた時点でスタートする(ス
テップS1)。CPU401は、まずエンジン稼働中で
あるか否かを判定し(ステップS2)、稼働中でなけれ
ば稼働されるまで待つ。エンジンが稼働されると、記録
装置402内に計測途中の疲労負荷データ(計測時間が
上述した規定時間に達していないデータ)があるか否か
を判定する(ステップS3)。計測途中のデータがない
場合には、新たに計測を行うべく新規データ領域確保お
よびセンサ切替処理(ステップS4)を行い、計測途中
のデータがある場合にはそのデータを頻度分析処理と周
波数分析処理のプログラム変数として読み込む(ステッ
プS5)。新規データ領域確保およびセンサ切替処理の
詳細は後述する。以上がエンジン起動時に行われる処理
である。
【0022】次にCPU401は、ステップS6でエン
ジン停止と判断されるまで以下の処理を行う。現在計測
中のデータの計測時間が上記規定時間に達したか否かを
判別し(ステップS8)、既定値に達していなければ、
計測時間をカウントアップする(ステップS9)。そし
て、頻度分析処理(ステップS10)および周波数分析
処理(ステップS11)を行ってステップS6に戻る。
頻度分析および周波数分析の内容は上述したとおりであ
る。
【0023】ステップS8で計測時間が既定値に達した
と判定されると、今回の計測データ(頻度分析データお
よび周波数分析データ)を記録装置402に記録する
(ステップS12)。その際、今回のデータを過去のデ
ータに加算して記録するのではなく、今回のデータは今
回のデータとして記録する。また、今回の計測データを
通信回線13により基地局16の管理サーバ17に送信
する(ステップS13)。その後、次の計測のために頻
度分析処理と周波数分析処理のプログラム変数を初期化
し(ステップS14)、新規データ領域確保およびセン
サ切替処理(ステップS15)を行ってステップS6に
戻る。
【0024】ステップS6でエンジン停止と判定される
と、記録装置402へデータを記録し(ステップS
7)、ステップS2に戻る。
【0025】上記ステップS13で管理サーバ17に送
られたデータは、他の複数の油圧ショベル1のデータと
ともに統計処理され、データベース18に蓄積される。
これらのデータは、油圧ショベル1の各部品の余寿命の
推定や、疲労試験の試験条件の導出等に利用される。
【0026】次に、上記ステップS4,S15における
新規データ領域確保およびセンサ切替処理の詳細につい
て図6により説明する。記録装置402には様々なデー
タが格納されるが、本制御で扱う疲労負荷データに割り
当てられる領域は決まっている。そこで、まずその割り
当てられた領域内に新規データ領域を確保できるか否か
を確認する(ステップS102)。新規データ領域の確
保が可能であれば、新規データ領域を確保し(ステップ
S104)、領域確保が不可能であれば最も古いデータ
を消去し(ステップS103)、そこに新規データ領域
を確保する(ステップS104)。
【0027】次に、稼働診断コントローラ41からセン
サ切替装置47にセンサ切替指令を出力する(ステップ
S105)。これを受けてセンサ切替装置47のスイッ
チコントローラ471は、スイッチ回路472のスイッ
チング状態を切替え、次に処理すべき疲労負荷センサ4
8の出力を選択して対応する増幅器431に入力せしめ
る。その後、メインルーチンにリターンする(ステップ
S106)。
【0028】以上のように本実施形態では、複数の疲労
負荷センサ48のそれぞれに対して増幅器を設けるので
はなく、センサ切替装置47を設けることで、複数の疲
労負荷センサ48の出力が選択的にセンサ増幅器43の
所定の増幅器431に入力されるので、増幅器をセンサ
の数だけ設ける必要がなく、コストおよび消費電流の低
減が図れる。また、頻度分析や周波数分析で得た分析デ
ータを過去のデータに順次加算してゆくのではなく、予
め定められた時間間隔(例えば10時間)ごとの分析結
果をそれぞれ記録装置402に蓄積記録するようにした
ので、分析プログラムで扱う整数型の変数がオーバーフ
ローを起こすことはない。またセンサの故障等により異
常なデータが発生した場合、その回のデータのみが無効
となるだけで済み、過去の正常なデータに影響が及ぶこ
とはない。
【0029】さらに従来から行われている頻度分析に加
えて周波数分析をも行うようにしたので、これらのデー
タを用いて正確な余寿命推定や試験条件の導出が行え
る。例えば振動試験機による疲労耐久試験を考えた場
合、頻度分布データのみでは機械の稼働状況を正確に再
現するための試験条件を決めることが難しいが、周波数
分布データをも加味することで正確な試験条件を導出で
きる。
【0030】。また、所定時間ごとの分析データをその
都度通信回線13により基地局16の管理サーバ17に
送信し、基地局16側でデータベース18に蓄積するよ
うにしたので、記録装置402内の蓄積データを定期的
に消去することができ、記録装置402の容量不足でデ
ータが記録不能になるといった不都合はない。したがっ
て、さほど大容量の記録装置402を用いる必要はな
く、コストダウンが図れる。
【0031】ところで、本実施形態では、図6で説明し
たように記録装置402に新規データ領域を確保できな
いときにのみ最小限のデータ消去を行っている。これ
は、何らかの理由で通信回線13による管理サーバ17
へのデータ送信が失敗した場合を考慮したものである。
つまりデータを記録装置402内に可能な限り残してお
けば、データ送信が失敗したときにサービス員20aが
ノートパソコン19等によって記録装置402からデー
タをダウンロードでき、被害を最小限に留めることが可
能となる。
【0032】以上の実施形態において、センサ増幅器4
3が変換手段を、稼働診断コントローラ41(特にCP
U401)が分析手段を、センサ切替装置47がセンサ
出力選択手段を、通信装置42が送信手段をそれぞれ構
成する。
【0033】なお、変換手段は増幅器に限定されず、ア
ナログのセンサ出力をサンプリングするためのA/D変
換器であってもよい。また、例えばセンサがチャージア
ンプ内蔵の圧電式加速度センサ等の場合には、センサ切
替装置47によって複数のセンサを定電流電源回路(増
幅に必要な回路)に選択的に接続させるよう構成しても
よい。
【0034】−第2の実施形態− 図7〜図10により本発明の第2の実施形態を説明す
る。なお、図3,図4と同様の構成要素には同一の符号
を付す。本実施形態ではセンサ増幅器の構成が先の実施
形態と異なる。図7に示すように、本実施形態のセンサ
増幅器43’は、故障検出部51,52と、信号増幅部
53と、零点調節装置54とを有している。疲労負荷セ
ンサ48からのセンサ信号は、故障検出部52を経由し
て信号増幅部53で所定の電圧に増幅され、故障検出部
51を経由して稼働診断コントローラ41に入力され
る。稼働診断コントローラ41の構成は先の実施形態
(図3)と同様であり、入力された信号は、入力インタ
ーフェース403を介してCPU401に入力される。
なお、疲労負荷センサ48と故障検出部52との間に先
の実施形態で用いたようなセンサ切替装置47を介装し
てもよい。
【0035】故障検出部51は入力インターフェース4
03の故障を検出するもので、スイッチコントローラ5
11と、基準信号発生器512と、スイッチ部513と
から構成される。スイッチコントローラ511は、稼働
診断コントローラ41の入出力インターフェース405
に接続され、稼働診断コントローラ41からの指令に従
ってスイッチ部513を切替える。これにより稼働診断
コントローラ41には、信号増幅部53で増幅されたセ
ンサ信号および基準信号発生器512からの基準信号が
選択的に入力される。そして、基準信号が選択されてい
るときにCPU401に入力される信号が基準信号発生
器512での設定信号と一致していれば、入力インター
フェース403は正常に動作しており、不一致であれば
入力インターフェース403の故障と判断できる。
【0036】一方、故障検出器52は信号増幅部53の
故障検出を行うもので、スイッチコントローラ521
と、基準信号発生器522と、スイッチ部523とから
構成される。スイッチコントローラ521は、稼働診断
コントローラ41の入出力インターフェース405に接
続され、稼働診断コントローラ41の指令に従ってスイ
ッチ部523を切替える。これにより信号増幅部53に
は、センサ信号および基準信号発生器522からの基準
信号が選択的に入力される。そして、基準信号が選択さ
れているときに信号増幅部53から出力される信号が基
準信号発生器512および信号増幅部53の各設定に見
合った信号であれば、信号増幅部53は正常に動作して
おり、見合っていなければ信号増幅部53の故障と判断
できる。
【0037】零点調節装置54は、稼働診断コントロー
ラ41の入出力インターフェース405と信号増幅部5
3に接続され、稼働診断コントローラ41からの指令に
よって、無負荷時に信号増幅部53からの出力がゼロに
なるように信号増幅部53を調節する。その他の構成は
第1の実施形態と同様であるものとする。
【0038】疲労負荷データの計測および処理方法につ
いて図8のフローチャートを参照して説明する。図5と
同様のステップには同一のステップ番号を付してある。
図8において、ステップS5で変数へデータ読み出した
後、故障診断および零点調節処理(ステップS200)
を行う。
【0039】図9は故障診断および零点調節処理の詳細
を示し、まず入力インターフェースの故障診断を行う
(ステップS201)。この故障診断にあたり、CPU
401は出力側の故障検出部51のスイッチ部513を
切替え、基準信号発生器512からの基準信号が稼働診
断コントローラ41に入力されるようにし、基準信号発
生器512から予め設定してある基準信号(電圧)を発
生させる。CPU401は、スイッチ部513および入
力インターフェース403を介して入力される信号が基
準信号発生器512での設定信号と一致するか否かによ
り、入力インターフェース403が正常か否かを判定す
る(ステップS202)。入力信号が設定信号と一致し
ていれば、正常と判断して信号増幅部の故障診断(ステ
ップS203)を行い、一致していなければ入力インタ
ーフェース403の故障と判断してステップS208に
進む。
【0040】ステップS203の信号増幅部の故障診断
では、まず出力側の故障検出部51のスイッチ部513
を切替え、信号増幅部53からの信号が稼働診断コント
ローラ41に入力されるようにする。また入力側の故障
検出部52のスイッチ部523を切替え、基準信号発生
器522からの信号が信号増幅部53に入力されるよう
にする。この状態で基準信号発生器522から予め設定
してある基準信号を発生させる。このときCPU401
に入力される信号が、基準信号発生器512および信号
増幅部53の各設定に見合った信号であるか否かによ
り、信号増幅部53が正常か否かを判定する(ステップ
S204)。正常と判断した場合にはセンサ出力の零点
調節(ステップS205)を行い、正常でない場合には
信号増幅部の異常と判断してステップS208に進む。
【0041】ステップS205のセンサ出力の零点調節
では、入力側の故障検出部52のスイッチ部523を切
替え、疲労負荷センサ48の出力が信号増幅部53に入
力されるようにする。この状態で零点調節装置54によ
って信号増幅部53からの出力がゼロになるように信号
増幅部53を調節する。次に零点調節が正常に行えたか
否かを判定する(ステップS206)。正常であればそ
のままリターンし、正常でなければステップS208に
進む。
【0042】ステップS208に進んだ場合、つまりス
テップS202,S204,S206のいずれかで異常
と判断された場合には、異常発生データを記録装置40
2に記録する。異常発生データは、入力インターフェー
ス403,信号増幅部53および零点調節のいずれに異
常が認められたか、またその異常がいずれの疲労負荷セ
ンサ48に拘わる箇所かを示すデータである。そして、
以降はその疲労負荷センサ48に対するデータ処理を行
わないように、頻度分析および周波数分析処理のプログ
ラム変数を設定する(ステップS209)。その後、リ
ターンする。
【0043】図8のステップS6以降の処理は先の実施
形態(図5)と同様である。ただし、上記ステップS2
09を通過した場合、つまり何らかの異常が認められた
場合には、そのセンサに係る頻度分析や周波数分析は行
われず、データ記録もなされない。
【0044】また、CPU401は、頻度分析や周波数
分析において、各疲労負荷センサ48の出力信号を判定
し、所定範囲外の信号であればセンサの異常(故障)と
判断し、分析処理を行わない。この場合も上述と同様に
分析データの記録は行われず、これに代えてセンサ異常
の旨が記録される。
【0045】なお、ステップS4’,S15’の新規デ
ータ領域確保処理は、上述した図6の処理からセンサ切
替処理を除いたものである。ただし、センサ切替装置4
7が設けられている場合には、図6と同様の処理が行わ
れる。そして、ステップS15’の処理を行った後は、
ステップS200に戻る。
【0046】以上のように本実施形態では、所定時間間
隔ごとの分析処理を開始するにあたり、必ず疲労負荷セ
ンサ48の零点調節が行われる。したがって、温度ドリ
フト等の影響を受けず、正確な分析結果が得られる。ま
た、この零点調節に同期して入力インターフェース40
3およびセンサ増幅器43’の信号増幅部53の異常検
出が行われるとともに、センサそのものの異常検出も行
われる。そして、異常と判断された場合には分析処理お
よびデータ記録が行われない。したがって、異常な分析
データが発生することがなく、データの信頼性を高める
ことができる。
【0047】なお故障(異常)検出の対象となるのは、
例えばA/D変換器でもよく、センサ出力のCPU(分
析手段)への入力経路に位置する他の回路でもよい。ま
た、第1,第2の実施形態では油圧ショベルの稼働診断
装置について説明したが、例えばクレーン,ホイールロ
ーダ,ブルドーザといった他の建設機械の稼働診断装置
にも本発明を適用できる。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、複数のセンサ
の検出出力を選択的に増幅器等の変換手段に入力せしめ
るようにしたので、センサの数だけ変換手段を設ける必
要がなくなり、コストおよび消費電力の低減が図れる。
請求項4の発明によれば、データを過去のデータに順次
加算して累計データとして記録するのではなく、予め定
められた時間間隔ごとのデータを蓄積記録するようにし
たので、コンピュータで扱う整数型の変数がオーバーフ
ローを起こすことがなく、また異常なデータが発生した
場合にそのデータのみ除外すればよく、他の正常なデー
タに影響を与えることはない。請求項5の発明によれ
ば、センサからの時系列データを頻度分布データに圧縮
処理する頻度分析手段と、センサからの時系列データを
周波数分布データに圧縮処理する周波数分析手段とを設
けたので、それらの分析データに基づいて機械の稼働状
況を正確に再現するための試験条件等を決めることが可
能となる。請求項7の発明によれば、予め決められたタ
イミングでセンサ出力の零点調節を行うようにしたの
で、温度ドリフト等の影響を受けず、データの信頼性が
向上する。請求項9の発明によれば、予め決められたタ
イミングでセンサおよび/またはセンサ出力の分析手段
への入力経路の異常を検出するようにしたので、異常が
検出されたデータを除外することでデータの信頼性が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における油圧ショベルの側面
図。
【図2】実施形態における通信システムの全体構成図。
【図3】第1の実施形態における上記油圧ショベルの稼
働診断装置の構成を示すブロック図。
【図4】図3におけるセンサ,センサ切替装置およびセ
ンサ増幅器の詳細構造を示すブロック図。
【図5】第1の実施形態における疲労負荷データ処理の
一例を示すフローチャート。
【図6】図5における新規データ領域確保およびセンサ
切替処理の詳細を示すフローチャート。
【図7】図7におけるセンサ増幅器の詳細構造を示すブ
ロック図。
【図8】第2の実施形態における疲労負荷データ処理の
一例を示すフローチャート。
【図9】図9における故障診断および零点調節処理の詳
細手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 油圧ショベル 2 メーカ 13 通信回線 14 制御装置 16 基地局 17 管理サーバ 18 データベース 41 稼働診断コントローラ 42 通信装置 43,43’センサ増幅器 47 センサ切替装置 48 疲労負荷センサ 51,52 故障検出部 53 信号増幅部 54 零点調節装置 401 CPU 402 記録装置 403 入力インターフェース 431 増幅器 471 スイッチコントローラ 472 スイッチ回路 511,521 スイッチローラ 512,522 基準信号発生器 513,523 スイッチ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 隆之 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 大野 孝之 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 柴田 浩一 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D003 AA01 AB00 BA08 BB13 DA04 DB01 DB02 DB03 DC08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建設機械の構成部材の状態を計測する複
    数のセンサと、該複数のセンサの検出出力を分析に適し
    たデータに変換する変換手段と、前記変換後のデータを
    分析する分析手段と、この分析手段の分析結果が記録さ
    れる記録装置とを備えた建設機械の稼働診断装置におい
    て、 前記複数のセンサの検出出力を選択的に前記変換手段に
    入力せしめるセンサ出力選択手段を備えることを特徴と
    する建設機械の稼働診断装置。
  2. 【請求項2】 前記変換手段は種類の異なる複数の変換
    部を有し、前記複数のセンサは、前記変換部の種類に応
    じて複数のグループにグループ分けされ、前記センサ出
    力選択手段は、前記複数のグループにそれぞれ応じた複
    数の選択部を有し、各選択部は、対応するグループに属
    する複数のセンサの出力からいずれかを選択して対応す
    る変換部に入力せしめることを特徴とする請求項1に記
    載の建設機械の稼働診断装置。
  3. 【請求項3】 建設機械の構成部材の状態を計測する複
    数のセンサと、この複数のセンサの出力データを分析す
    る分析手段と、この分析手段の分析結果が記録される記
    録装置とを備えた建設機械の稼働診断装置において、 前記複数のセンサを、その検出出力の増幅に必要な回路
    に選択的に接続せしめる選択手段を備えることを特徴と
    する建設機械の稼働診断装置。
  4. 【請求項4】 建設機械の構成部材の状態を計測するセ
    ンサと、このセンサの出力データを分析する分析手段
    と、この分析手段の分析結果が記録される記録装置とを
    備えた建設機械の稼働診断装置において、 予め定められた時間間隔ごとの分析結果が前記記録装置
    に蓄積記録されることを特徴とする建設機械の稼働診断
    装置。
  5. 【請求項5】 建設機械の構成部材の状態を計測するセ
    ンサと、このセンサの出力データを分析する分析手段
    と、この分析手段の分析結果が記録される記録装置とを
    備えた建設機械の稼働診断装置において、 前記分析手段は、前記センサからの時系列データを頻度
    分布データに圧縮処理する頻度分析手段と、前記センサ
    からの時系列データを周波数分布データに圧縮処理する
    周波数分析手段とを含むことを特徴とする建設機械の稼
    働診断装置。
  6. 【請求項6】 前記分析手段の分析結果を通信回線を介
    して所定の基地局に送信する送信手段を更に備え、送信
    データを前記基地局において蓄積するよう構成したこと
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の建設機械
    の稼働診断装置。
  7. 【請求項7】 建設機械の構成部材の状態を計測するセ
    ンサと、このセンサの出力データを分析する分析手段
    と、この分析手段の分析結果が記録される記録装置とを
    備えた建設機械の稼働診断装置において、 前記センサの零点調節を行う零点調節手段と、 予め決められたタイミングで前記零点調節手段を作動せ
    しめる制御手段とを具備することを特徴とする建設機械
    の稼働診断装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、建設機械の稼働時に予
    め定められた時間間隔で前記零点調節手段を作動せし
    め、その時間間隔ごとの前記分析結果が前記記録装置に
    蓄積記録されるよう構成したことを特徴とする請求項7
    に記載の建設機械の稼働診断装置。
  9. 【請求項9】 建設機械の構成部材の状態を計測するセ
    ンサと、このセンサの出力データを分析する分析手段
    と、この分析手段の分析結果が記録される記録装置とを
    備えた建設機械の稼働診断装置において、 前記センサおよび/またはセンサ出力の分析手段への入
    力経路の異常を検出する異常検出手段と、 予め決められたタイミングで前記異常検出手段を作動せ
    しめる制御手段とを具備することを特徴とする建設機械
    の稼働診断装置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、建設機械の稼働時に
    予め定められた時間間隔で前記異常検出手段を作動せし
    め、異常が検出されない場合に限ってその時間間隔ごと
    の前記分析結果が前記記録装置に蓄積記録されるよう構
    成したことを特徴とする請求項9に記載の建設機械の稼
    働診断装置。
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