JPH05187973A - 携帯用コンピュータ・システムと無線通信を使用した予測監視、診断、および保守用のシステムと装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】携帯用コンピュータ・システムと無線通信を使
用した機械の予測監視、診断、及び保守用のシステムと
方法を提供する。 【構成】携帯用コンピュータ装置１０は、少なくとも１
つの機械／プロセス制御装置の信号波形を検出するセン
サ２２、少なくとも１つの検出波形を増幅し、濾波し、
アナログ形式からデジタル形式に変換し、バッファする
プレプロセッサ２０、シグネチュアのデータベースとの
無線通信を介して検出中の上記の少なくとも１つの機械
／プロセス制御装置の基本となる波形を取り出すインタ
フェース、及び上記の取得した基本となる波形と上記の
検出した機械／プロセス制御装置の信号波形との比較に
基づいて少なくとも１つの傾向が存在するか否かを判定
する判定装置を有し、上記の判定装置は、上記の少なく
とも１つの判定した傾向に基づいて機械／プロセス制御
装置の故障を予測する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は機械の保守に関し、更に
詳しくは、無線通信を使用した機械の予測監視、診断、
および保守用の携帯用システムと方法に関する。

【０００２】

【従来技術】本発明の背景を、一例として、機械の予測
監視と関連して説明するが、これは本発明の範囲を限定
するものではない。機械の予測監視には、（１）回転ま
たは往復動している機械の状態の監視と、（２）機械に
よって実行されるプロセスの監視という２つの異なった
範疇が含まれる。機械のプロセスとは、例えば、金属の
切削作業で孔をあけるプロセスである。機械自身を監視
することは、機械の健康監視（ＭＨＭ，Machine Health
Monitoring ) として知られている。

【０００３】現在使用されているＭＨＭは、主として振
動による種々の分析技術を使用し、重大な機械の故障が
発生する前に、機械の故障部品を予測し識別している。
監視を必要とする代表的な機械には、モータ、ギア・ボ
ックス、ファン、ポンプ、タービン、コンプレッサ等が
含まれ、これらは、航空宇宙関連メーカ、石油化学、食
品及びその他の原料メーカ、ユーティリティ、工業用の
制御装置のメーカ、自動車、輸送機器、及びその他の金
属組立製品、建築、測定及び制御機器のメーカ等の種々
の産業で使用されている。

【０００４】振動の信号を分析して解釈する場合にユー
ザを支援する携帯用のデータ収集装置が入手可能にな
り、電子機器とセンサのコストも低減しているので、振
動の測定を使用した機械の監視は好ましく、コスト効率
の良いものとなっている。最近の機械予測監視システム
は、加速時計のプローブを予め決定された機械の１組の
位置に同時に１箇所接触させ、対応する振動のシグネチ
ュア (signature)を局部メモリに記録することにより、
データ収集装置によって新しい振動のシグネチュアを得
る。割り当てられた「ルート」に位置する所定の組の機
械について各機械の設定された監視点（一般的に合計４
００乃至８００点）からデータを収集した後、データ収
集装置をコンピュータ施設に戻して分析しシステムに接
続し、新しく取得したデータをこの分析システムに転送
する。次に、分析システムは、そのデータベースから
「履歴」即ち基本となるシグネチュアを取り出して新し
く取得したシグネチュアと比較し、機械部品の故障の問
題またはこれが故障する傾向が存在するか否かを判定す
る。システムのユーザは次にこのような潜在的な問題に
ついての報告を受ける。最近の機械予測監視システム
は、全てこのようなアプローチを使用している。

【０００５】尚、上記の「通信、情報、保守、診断、お
よび訓練システム」に対して１９８８年１０月２７日に
出願され、本出願と共に譲渡された特許出願番号第２６
3,６７９号を本出願の参考としてここに含む。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】直面している１つの問
題は、機械部品が故障し始める時期と問題がオフライン
・システムによって検出される時期の間に遅延が存在す
ることである。更に、評価されている複数の機械の多数
の「点」と関連するシグネチュアを保持するには、携帯
用収集装置に多数のメモリが必要であることである。他
の問題は、もし携帯装置のバッテリ・バックアップ・シ
ステムが故障すれば、収集したシグネチュアが消失する
危険である。従って、現在これらの問題のいずれかまた
は全てを解決する改良が望まれている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】関連技術に付随する上記
の問題に鑑み、本発明の目的は、携帯用コンピュータ・
システムと無線通信を使用した機械の予測監視、診断、
及び保守用のシステムと方法を提供することである。本
発明の他の目的は、振動、圧力、温度、力等の信号波形
の捕捉を可能にするマルチセンサ・インターフェースを
提供することである。

【０００８】本発明の他の目的は、新しく取得したシグ
ネチュアを既知の良好な状態の（及び故障した）機械の
シグネチュアと比較するシステムと方法を提供し、これ
によって評価中の機械の設置場所で実行されるオンライ
ン予測診断（予後判定）を行うことである。これら及び
その他の目的は、マルチセンサ・インターフェースを携
帯用コンピュータ装置と結合するシステムと方法を使用
することにより、本発明によって達成され、このような
結合によって、中央のセンサの信号波形（シグネチュ
ア）のデータベースと無線通信リンクを介して直接通信
が行なわれ、振動、圧力、温度、トルク、力等のセンサ
の信号波形の捕捉が可能となり、デジタル信号処理を使
用したリアルタイムのシグネチュア分析が行われる。携
帯用コンピュータ・システムは中央シグネチュアのデー
タベースと無線通信リンクを介して直接通信を行うこと
ができるので、この携帯用コンピュータ・システムは、
データベース全体を局部メモリに記憶する必要がなく、
大規模なデータベースにアクセスすることができる。

【０００９】更に詳しくは、また本発明の好適な実施例
によれば、機械／プロセス制御装置の予測監視、診断、
及び保守を実行することのできるシステムと装置には、
このような監視、診断、または保守を必要とする少なく
とも１つの機械／プロセス制御装置、機械／プロセス制
御装置のシグネチュアのデータベースと相互に接続され
たホスト・コンピュータ、上記のホスト・コンピュータ
と通信を行い少なくとも１つの機械／プロセス制御装置
の機械のシグネチュアを検出する少なくとも１つの内臓
式携帯用コンピュータ装置、及び、上記のホスト・コン
ピュータ、機械／プロセス制御装置、及び内臓式携帯用
コンピュータ装置の各々の間でデータの転送と制御を行
う通信リンクが含まれる。

【００１０】好適な実施例の場合、内臓式携帯用コンピ
ュータ装置は、機械／プロセス制御装置の少なくとも１
つの信号波形を検出するセンサ、この少なくとも１つの
検出した波形を増幅し、濾波し、アナログ形式からデジ
タル形式に変換してバッファするプレプロセッサ、検出
中の少なくとも１つの機械／プロセス制御装置の基本と
なる波形をシグネチュアのデータベースとの無線通信を
介して取得するインターフェース、取得した基本となる
波形と検出した機械／プロセス制御装置の信号波形との
比較に基づいて少なくとも１つの傾向が存在するか否か
を判定する判定装置を有し、この判定装置は、また少な
くとも１つの判定した傾向に基づいて機械／プロセス制
御装置の故障を予測する。

【００１１】本発明によるシステムと方法によって、多
くの利点が提供される。まず第１に、無線通信は、専用
線（１対の同軸より線）または光ファイバ・ケーブルを
使用するよりも制約が少ない。携帯用装置は、予め配線
を施したポートのセットにプラグで差し込む必要がない
ため、工場のフロアのどこに設置することも可能であ
る。配線のためのコストが低減されるが、このことは、
工場の環境では非常に重要である。更に、無線通信はよ
り信頼性が高いが、その理由は、データベースが更新さ
れる度に、または携帯用装置によってアクセスされる度
に、コネクタを接続しまたは取り外す必要がないからで
ある。

【００１２】本発明の他の利点は、工場のフロアの上で
現在評価を受けている機械から大量のシグネチュアのデ
ータベースに対してオンラインで遠隔アクセスをするこ
とが可能であることである。これによって、現行のデー
タベースを更新し、または機械の潜在的な故障を調べる
ために収集した新しいシグネチュアを分析するため、中
央の演算及び（または）分析領域に頻繁に戻る必要がな
くなる。本発明によって、中央に集中されたデータベー
スは、送信機に近い工場のフロアのどこからでも更新す
ることができる。これによって、携帯用収集装置の局部
メモリに大量の機械のシグネチュア・データを記憶する
必要が最小となり、これは携帯用装置のコストを大幅に
削減する。また、分析がオフラインの「事実の発生した
後」の分析ではなくてオンラインで行われるため、問題
ははるかに迅速に識別されて補正される。更に、携帯装
置を中央コンピュータ装置に戻す必要なく、この携帯装
置に新しい「点」を追加し、機械のルートを更新して携
帯装置にダウンロードすることができる。

【００１３】本発明のこれら及びその他の特徴と利点
は、添付図と共に以下の好適な実施例の詳細な説明から
当業者に明かとなる。

【００１４】

【実施例】以下の説明に於いて、異なった図面の対応す
る番号と符号は、特に断らない限り、対応する部分を示
す。本発明によるシステムと方法は、テキサス・インス
ツルーメント社によって開発され、１９８８年１０月２
７日に出願され、ここに参考として含まれている特許出
願番号第２６3,６７９号に開示されている「通信、情
報、保守、診断、および訓練システム」で説明されてい
るテキスパート演算システムのような携帯用コンピュー
タ装置を使用しているが、この出願は単に例示のための
ものであって、本発明を限定するものではない。ここ
で、このシステムは、携帯用コンピュータ装置のユーザ
と所望の機能を遂行する処理システムの間で対話による
情報の交換を含むものとして説明されている。当業者に
明らかなように、他のこのような携帯用コンピュータ装
置を使用することもまた可能である。

【００１５】図１は、このような携帯用コンピュータ装
置１０の内部部品の単純化したブロック図を示す。プロ
セッサ２８、ブートＲＯＭ２９、ＲＡＭ２０、Ｉ／Ｏ
ＲＯＭ３１、ＬＣＤ制御装置３２、表示装置３３、シリ
アル／パラレルＩ／Ｆ装置３４、無線通信用Ｉ／Ｆ装置
３５、センサ・インターフェース制御装置３６及び表示
装置のタッチ・スキャナ３７が相互に接続されて携帯用
コンピュータ装置１０によって要求される種々の機能を
提供する。電源３８及び（または）バッテリ３９によっ
て、装置１０が必須のタスクを実行することが可能にな
る。上記の引用例でより詳細に開示しているように、携
帯用コンピュータは、複数の圧力応答電気スイッチ、キ
ーボード上に位置しこれに加えられた圧力をその下に位
置する選択されたスイッチの１つに伝えるように動作す
る可撓性のある液晶表示装置、および表示装置に目視可
能な指標を表示する手段を有する。これらの要素および
その機能は、上で参照した特許出願でより詳細に説明さ
れている。携帯用コンピュータ１０が本発明で動作する
ためには上記の特許出願で説明したＣＤ−ＲＯＭは必要
でないことに留意しなければならない。選りすぐれた性
能を得るには、直接メモリ・アクセス（ＤＭＡ）インタ
フェース３６がセンサ・インタフェース２０に内蔵する
のが有用であることが分かっている（図２参照）。本発
明の精神を損なうことなく他の携帯用収集装置を使用す
ることができるので、上述したようなコンピュータ装置
を使用することが本発明を限定するものであると解釈す
べきでないことを認識しなければならない。

【００１６】図２は、機械の保守と診断用の本発明の好
適な実施例によるシステムを示し、このシステムによっ
て、センサ・インターフェース２０を有する携帯用コン
ピュータ１０が無線通信リンク１２と接続されて遠隔地
にあるコンピュータ１４をアクセスし、ここでこの遠隔
地にあるコンピュータ１４はシグネチュアのデータベー
ス１６に対する直接のアクセスを有する。携帯用コンピ
ュータ装置１０はセンサ・インタフェース２０に対する
直接接続１８を有することが好ましい。センサ・インタ
フェース２０を使用して、デジタル化されたデータを携
帯用コンピュータ１０転送する前に、センサ２２によっ
て発生された信号を増幅し、濾波しデジタル化し、バッ
ファする。

【００１７】携帯用コンピュータ装置１０、センサ・イ
ンタフェース２０、及びセンサ２２は、携帯用監視及び
診断装置（以下「ＰＭＵＤ３０」と称する）を構成し、
この装置は容易に搬送可能でありバッテリによって動作
される。ＰＭＵＤ３０は、分析を必要とする装置２４に
持ち運びまたは搬送することができる。機械装置２４
は、モータ、ギア・ボックス、ファン、ポンプ、タービ
ン、コンプレッサ等のようないずれの種類の機械システ
ムを有することもできる。このような機械は、一般的に
航空機、自動車、トラック、製造施設、事務所用のビ
ル、発電設備などで使用されている。

【００１８】データは、イーザネットのような産業界で
標準のローカル・エリア・ネットワーク２６、トランシ
ーバ装置２８、及び無線通信リンク１２によって構成さ
れるネットワークを介して携帯用コンピュータ装置１０
と遠隔地のコンピュータ１４の間で送信（または受信）
される。トランシーバ装置２８は製造施設またはその他
の種類の施設の天井に取り付けられた衛星用のトランシ
ーバのような１つ以上の光学的、赤外線または高周波
（ＲＦ）送信機／受信機である。無線通信リンク１２に
よって、システムのオペレータはハードワイヤによって
接続された通信リンク２によって課せられるようないず
れの制約を受けることもなく周辺を自由に移動すること
ができる。

【００１９】一般的には保守のエンジニアであるシステ
ムのオペレータは、ＰＭＵＤ３０を機械２４に搬送す
る。次に、このオペレータは、センサ２２（例えば、速
度加速器）を機械２４の所定の接触「点」と接触させ
る。機械の（振動）信号は、これによってセンサ・イン
タフェース２０に入力される。センサ・インタフェース
２０はこれらの信号を増幅し、濾波し、デジタル化し、
バッファし、携帯用コンピュータ１０に転送する。この
点で、携帯用コンピュータ装置１０は、２つの動作モー
ド、即ち局部分析モード（図３）と遠隔分析モード（図
４）を有する。

【００２０】図３は、信号の取得と診断機能が携帯用コ
ンピュータ１０内で局部的に行われる場合に本発明によ
って実行される機能的シーケンスのフローチャトを示
す。センサの信号はセンサ・インタフェース２０を介し
てＰＭＤＵ３０によって取り込まれ、このセンサ・イン
タフェース２０はこれらの信号を増幅し、逆別名（anti
-alias) 濾波し、デジタル化し、バッファする（ブロッ
ク３２）。このバッファされた信号のデータは、次にコ
ンピュータ装置１０の局部メモリに転送されて記憶され
る（ブロック３４）。

【００２１】通常の機械の動作、及び最近の機械の履歴
に対応する基本となるシグネチュアが、次に無線通信リ
ンク１２、ＬＡＮ２６、及びトランシーバ装置２８によ
って構成される無線ネットワーク５０を介して遠隔地の
ホスト・コンピュータ１４から取り込まれる（ブロック
３６）。ブロック３８で、新しく取り込まれたシグネチ
ュアを基本となるシグネチュアと「比較する」。次に、
ＰＭＤＵ３０は、故障した機械部品の問題または故障し
た機械部品を示す傾向が存在するかどうかを判定し、Ｐ
ＭＤＵ３０のユーザに全ての潜在的な問題を報告する。

【００２２】次に、エキスパート・システムを遠隔地の
ホストからダウンロードし、以前の処理ステップで変速
的な読み取りが存在すれば、この特定の問題を除去する
場合の助言を与えることができる（ブロック４０）。次
に、システムは、データベースがテスト中の機械の最近
の履歴を含んでいると仮定して、時間の経過と共に発生
する故障を予測することができる（ブロック４２）。遠
隔地のホスト１４のシグネチュアのデータベース１６
は、次に、新しく取り込んだ機械のシグネチュアによっ
て更新される（ブロック４４）。一度故障を除去する
と、ＰＭＤＵ３０は、次に保守／修理手順と機械の図面
をＰＭＤＵ３０のユーザにダウンロードしてこの機械の
修理を迅速に行うことを可能にする（ブロック４６）。

【００２３】図４は、本発明によるシステムによって実
行される他の機能的シーケンスのフローチャートを示
す。この場合、信号データは携帯用コンピュータ・シス
テム１０によって取り込まれるが、データーの分析は遠
隔地のホスト・コンピュータ１４によって実行される。
少なくとも１つのセンサの信号波形がセンサ・インター
フェイス２０を介してＰＭＤＵ３０によって取り込ま
れ、このセンサ・インターフェイス２０は、この信号を
逆別名濾波し、デジタル化し、バッファする（ブロック
５２）。この機械の信号波形は、例えば、振動シグネチ
ュア、圧力シグネチュア、温度シグネチュア、トルク・
シグネチュア、又は力のシグネチュアである。次に、バ
ッファされた信号データは携帯用コンピュータ装置１
０′の局部メモリーに転送されて記憶される。

【００２４】次に、新しく取り込まれたシグネチュア
は、通信リンク１２、直接コネクタ１８、及びトランシ
ーバー装置２８とローカル・エリア・ネットワーク２６
によって構成される無線通信ネットワーク５０を介して
遠隔地のホスト・コンピュータ１４に転送される（ブロ
ック５４）。遠隔地のホスト１４はシグネチュアのデー
タベース１６にアクセスして現在検討している機械と関
連する基本となるシグネチュアを求める（ブロック５
６）。この遠隔地のホスト・コンピュータ１４は、次に
新しく取り込んだシグネチュアをシグネチュア・データ
ベース１６内の基本となるシグネチュアと「比較する」
（ブロック５８）。引き続いて、遠隔地のコンピュータ
１４は、故障した機械部品の問題または故障した機械部
品を示す傾向が存在するかどうかを判定し、無線通信ネ
ットワーク５０を介して携帯用コンピュータ装置１０に
関係する結果を転送することによって、ＰＭＤＵ３０の
ユーザ（評価中の機械に位置する）に識別した全ての潜
在的な問題を報告する（ブロック５０）。

【００２５】ブロック６２では、遠隔地のホスト１４で
動作しているエキスパート・システムが、要求されれ
ば、無線通信リンク５０を介して、もし変速的な読み取
りがブロック５２における処理中に検出されれば、特定
の問題を除去する場合のアドバイスを行う。次に、ホス
ト・コンピュータ１４は、シグネチュアのデータベース
１６がテスト中の機械１０の最近の履歴を含んでいると
仮定して、時間の経過と共に発生する故障を予測する
（ブロック６４）。遠隔地のホスト１４のシグネチュア
のデータベース１６は、次に、新しく取り込んだ機械の
シグネチュアによって更新される（ブロック６６）。

【００２６】故障を除去すると、ＰＭＤＵ３０のユーザ
は、遠隔地のホスト・コンピュータ１４から無線通信リ
ンク５０を介して保守／修理手順と機械の図面にアクセ
スして機械中を迅速に修理することを可能にする能力を
有する（ブロック６８）。図４の機能的動作シーケンス
によって、本発明を既存の予測保守システムに容易に統
合することが可能になる。このようなシステムは中央コ
ンピュータ１４にシグネチュアのデータベース１６を保
持している。しかし、本発明の統合後は、既存のシステ
ムは携帯用取得装置１０を中央コンピュータ１４に持ち
運んでシグネチュアデータベース１６の更新と機械の分
析／診断を行う必要はない。更に、図４の機能的シーケ
ンスにより、携帯用コンピュータ１０によって実行され
る演算が又最小になり、その結果としてこの携帯用コン
ピュータ装置１０のハードウェアの複雑さが全体として
最小になる。このことは、遠隔地のホスト１４がＰＭＤ
Ｕ３０から信号データの記憶と演算を行う必要のある信
号分析機能を取り除くからである。従って、図４のシー
ケンスの場合、携帯用コンピュータ１０のコストはこれ
によって最小になる。

【００２７】図５は、センサ・インタフェース２０の実
行する機能のブロック図を示す。各機能の詳細はセンサ
の種類及び分析中の機械によって指示される特定の要求
によって変化するため、各機能の基本的な説明のみをこ
こで行う。センサは独自の電気的特性と応答機能を有し
ているため、センサ２２から受け取られた信号は増幅機
能７０によって、携帯用コンピュータ装置１０と遠隔地
のホスト１４に対して互換性のある形式に変換される。
例えば、加速度計は、電荷増幅器が所定の水準の電荷を
システムの有意な動的範囲内の電圧水準に変換すること
を要求する。他方、温度センサは、電圧の増幅のみを要
求する。

【００２８】濾波機能７２は、問題の帯域以上の高周波
の影響を最小にする（逆別名濾波器）。逆別名濾波器以
外に、濾波機能７０はバンドパスまたはバイパス濾波を
実行して問題の信号帯域を選択することができる。もし
希望すれば、信号を帯域変換し、濾波した信号をサンプ
リングの前にベースバンドに変換することができる。用
途によって種々の要求が行われる。

【００２９】アナログ／デジタル変換機能７４は、アナ
ログ信号をデジタル形式に変換する。多くの予測監視の
用途では、１２ビット以上の解像度を有するこのような
機能が要求される。バッファ機能７６は、デジタル化し
た信号データを携帯用コンピュータ１４に出力する（ス
テップ７８）前に実行される。これによって、デジタル
化したサンプルを携帯用コンピュータシステム１０に直
ちに転送する為に要求されるオーバーヘッドが削減され
る。本発明の種々の実施例は、ハードウェア、ソフトウ
ェア又はマイクロコード化ファームウェアを採用するこ
とが可能であり、又これらによって具現化されることを
理解しなければならない。プロセス図は、又マイクロコ
ード化された実施例又はソフトウェアーを基礎とする実
施例用のフロー図を示すものである。

【００３０】本発明の特定の実施例を図示して説明した
が、当業者は種々の変形と別の実施例を実行することが
できる。従って、本発明は上記の請求項のみによって限
定されることを意図するものである。以上の記載に関連
して、以下の各項を開示する。 1. 機械の予測監視、診断、及び保守を実行する携帯用
コンピュータ装置用の方法において、上記の方法は：上
記の機械の信号の波形の少なくとも１つを検出するステ
ップ；上記の少なくとも１つの検出した波形を事前処理
するステップ；上記の事前処理した波形を記憶するステ
ップ；遠隔地の波形のデータベースとの無線通信を介し
て上記の検出中の機械の基本となる波形を取り出すステ
ップ；上記の取り出した基本となる波形と上記の検出し
た機械の信号の波形の比較に基づいて少なくとも１つの
傾向を判定するステップ；及び上記の少なくとも１つの
判定した傾向に基づいて機械の故障を予測するステッ
プ；によって構成されることを特徴とする方法。 2. 機械の故障を予測する上記のステップは、上記の機
械の修理を可能にするためにエキスパート・システムを
ダウンロードするステップを有することを特徴とする前
記項１記載の方法。 3. 機械の故障を予測する上記のステップの後に、上記
の遠隔地の波形のデータベースを上記の検出した機械の
波形によって更新するステップが存在することを特徴と
する前記項１記載の方法。 4. 機械の故障を予測する上記のステップの間に得た所
定の結果に応答して、保守／修理手順と機械の図面をダ
ウンロードして機械の修理を可能にするステップが存在
することを特徴とする前記項１記載の方法。 ５．上記の事前処理ステップは：上記の少なくとも１つ
の検出波形を増幅するステップ；上記の増幅波形を濾波
するステップ；上記の濾波波形をアナログ信号からデジ
タル信号に変換するステップ；および上記の変換信号を
バッファするステップ；によって構成されることを特徴
とする前記項１記載の方法。 6. コンピュータ装置が機械の予測監視、診断、及び保
守を実行するシステムに於いて、上記のシステムは：上
記の機械から信号を検出するセンサ；上記の検出信号を
受け取る増幅器；上記の増幅信号を濾波する濾波器；上
記の濾波信号を変換するアナログ／デジタル変換器；上
記の変換信号をバッファするバッファ；上記の変換信号
をコンピュータ装置に供給するインタフェース；及び上
記の供給された変換信号を分析して上記の分析中に無線
リンクを介して遠隔地の信号のデータベースと通信を行
うコンピュータ装置；によって構成されることを特徴と
するシステム。 7. 上記のコンピュータ装置は携帯用であることを特徴
とする前記項６記載のシステム。 8. 上記の携帯用コンピュータ装置は、上記の遠隔地の
信号のデータベースからの上記の機械の基本となる信号
に関する情報を送受信することを特徴とする前記項７記
載のシステム。 9. 上記のコンピュータ装置は携帯用装置と上記の遠隔
地の信号のデータベースにアクセスすることのできる遠
隔地のコンピュータによって構成され、上記の携帯用装
置と上記の遠隔地のコンピュータは上記も無線リンクを
介して通信を行うことを特徴とする前記項６記載のシス
テム。 10. 機械の予測監視、診断、及び保守を実行するシステ
ムに於いて、上記のシステムは：監視、診断、または保
守を要求する少なくとも１つの機械／プロセス制御装
置；機械／プロセス制御装置のシグネチュアのデータベ
ースと相互に接続されたホスト・コンピュータ；上記の
ホスト・コンピュータと通信を行い上記の少なくとも１
つの機械／プロセス制御装置の機械のシグネチュアを検
出する少なくとも１つの内臓式携帯用コンピュータ装
置；及び上記のホスト・コンピュータ、上記の機械／プ
ロセス制御装置、及び上記の内臓式携帯用コンピュータ
装置の各々の間でデータの転送と制御を行う通信リン
ク；によって構成されることを特徴とするシステム。 11. 上記のホスト・コンピュータと上記の内臓式携帯用
コンピュータ装置の間の上記の通信リンクは、無線ネッ
トワークであることを特徴とする前記項１０記載のシス
テム。 12. 上記の無線ネットワークは、上記の少なくとも１つ
の内臓式携帯用コンピュータ装置および上記のホスト・
コンピュータと通信を行う少なくとも１つの衛星装置を
有することを特徴とする前記項１１記載のシステム。 13. 上記の少なくとも１つの衛星装置は、無線信号を介
してデータを送信する送信機、無線信号を介してデータ
を受信する受信機、データを受信した、またはデータを
送信すべき内臓式携帯用コンピュータ装置を識別するエ
ンコーダ／デコーダ、及び上記の少なくとも１つの衛星
を介して中継されたデータを処理し上記の無線ネットワ
ークの動作を制御する制御装置を有することを特徴とす
る前記項１２記載のシステム。 14. 上記の内臓式携帯用コンピュータ装置は：上記の機
械／プロセス制御装置の信号波形の少なくとも１つを検
出するセンサ；上記の少なくとも１つの検出波形を増幅
し、濾波し、アナログ形式からデジタル形式に変換し、
バッファするプレプロセッサ；上記のシグネチュアのデ
ータベースとの無線通信を介して検出中の上記の少なく
とも１つの機械／プロセス制御装置の基本となる波形を
取り込むインタフェース；及び上記の取り込んだ基本と
なる波形と上記の検出した機械／プロセス制御装置の信
号波形との比較に基づいて少なくとも１つの傾向が存在
するか否かを判定する判定装置；によって更に構成さ
れ、上記の判定装置は、上記の少なくとも１つの判定し
た傾向に基づいて機械／プロセス制御装置の故障をまた
予測することを特徴とする前記項１０記載のシステム。 15. 上記の内臓式携帯用コンピュータ装置は：少なくと
も１つの上記の機械／プロセス制御装置の信号波形を検
出するセンサ；上記の少なくとも１つの検出波形を増幅
し、濾波し、アナログ形式からデジタル形式に変換し、
バッファするプレプロセッサ；及び上記の検出波形を無
線通信を介して上記のホスト・コンピュータに供給する
インタフェース；によって更に構成され、上記のホスト
・コンピュータは：上記のシグネチュアのデータベース
から上記の検出した機械／プロセス制御装置の基本とな
る波形を取り込む手段；及び上記の取り込んだ基本とな
る波形と上記の内臓式携帯用コンピュータ装置によって
供給された上記の検出した機械／プロセス制御装置の信
号波形との比較に基づいて、少なくとも１つの傾向が存
在するか否かを判定する判定装置；によって更に構成さ
れ、上記の判定装置は、上記の少なくとも１つの判定し
た傾向に基づいて機械／プロセス制御装置の故障をまた
予測することを特徴とする前記項１０記載のシステム。 16. 機械／プロセス制御装置の予測監視、診断、及び保
守を実行するシステムと装置を示し、このシステムと装
置は、このような監視、診断、または保守を要求する少
なくとも１つの機械／プロセス制御装置（２４）、機械
／プロセス制御装置のシグネチュアのデータベース（１
６）と相互に接続されたホスト・コンピュータ、上記の
ホスト・コンピュータと通信を行い少なくとも１つの上
記の機械／プロセス制御装置の機械のシグネチュアを検
出する少なくとも１つの内臓式携帯用コンピュータ装置
（１０）、及び上記のホスト・コンピュータ、機械／プ
ロセス制御装置、及び内臓式携帯用コンピュータ装置の
各々の間でデータの転送と制御を行う通信リンク（１
２）を有する。好適な実施例では、内臓式携帯用コンピ
ュータ装置は、少なくとも１つの機械／プロセス制御装
置の信号波形を検出するセンサ（２２）、少なくとも１
つの検出波形を増幅し、濾波し、アナログ形式からデジ
タル形式に変換し、バッファするプレプロセッサ（２
０）、上記のシグネチュアのデータベースとの無線通信
を介して検出中の上記の少なくとも１つの機械／プロセ
ス制御装置の基本となる波形を取り込むインタフェー
ス、及び上記の取り込んだ基本となるは波形と上記の検
出した機械／プロセス制御装置の信号波形との比較に基
づいて少なくとも１つの傾向が存在するか否かを判定す
る判定装置を有し、上記の判定装置は、上記の少なくと
も１つの判定した傾向に基づいて機械／プロセス制御装
置の故障をまた予測する。

【００３１】その他の装置、システム及び方法もまた開
示されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が使用する種類の携帯式コンピュータ装
置の内部部品の単純化したブロック図である。

【図２】本発明の好適な実施例による機械の保守及び診
断システムのブロック図である。

【図３】信号の取り込みと診断機能が携帯用コンピュー
タ装置によって局部的に実行される場合に、本発明によ
るシステムが実行する機能的シーケンスのフローチャー
トである。

【図４】信号データが携帯用コンピュータ装置によって
取り込まれ、データの分析が遠隔地のホスト・コンピュ
ータ１４によって実行される場合、本発明によるシステ
ムが実行する他の機能的シーケンスのフローチャートで
ある。

【図５】本発明の好適な実施例によるセンサ・インタフ
ェイスが実行する機能的シーケンスのブロック図であ
る。

【符号の説明】

１０ 内臓式携帯用コンピュータ １２ 通信リンク １６ データベース ２０ プレプロセッサ ２２ センサ ２４ 機械／プロセス制御装置 ２８ プロセッサ ２９ ブートＲＯＭ ３０ ＲＡＭ ３１ Ｉ／Ｏ ＲＯＭ ３２ ＬＣＤ制御装置 ３６ センサ・インターフェース制御装置 ３７ タッチ・スキャナ ３８ 電源 ３９ バッテリ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 機械の予測監視、診断、及び保守を実行
   する携帯用コンピュータ装置用の方法に於いて、上記の
   方法は：上記の機械の信号の波形の少なくとも１つを検
   出するステップ；上記の少なくとも１つの検出した波形
   を事前処理するステップ；上記の事前処理した波形を記
   憶するステップ；遠隔地の波形をデータベースとの無線
   通信を介して上記の検出中の機械の基本となる波形を取
   り出すステップ；上記の取り出した基本となる波形と上
   記の検出した機械の信号の波形の比較に基づいて少なく
   とも１つの傾向を判定するステップ；及び上記の少なく
   とも１つの判定した傾向に基づいて機械の故障を予測す
   るステップ；によって構成されることを特徴とする方
   法。