JP3655424B2 - アプリケーションフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアプリケーションフィルムに関し、さらに詳しく述べると、フィルム状あるいはテープ状のマーキング部材を被着体に固着する際に中間転写部材として有利に使用することのできるアプリケーションフィルムに関する。本発明のアプリケーションフィルムを使用すると、その優れた柔軟性、ゴム弾性及び腰のバランスのため、マーキング部材を特に凹凸やきつい3次曲面をもった被着体に対して良好にかつ高められた作業性の下で固着することができ、その際、マーキング部材に損傷等を生じることもない。本発明のアプリケーションフィルムは、したがって、例えば予め定められた形状、装飾等を有するマーキングフィルムなどを自動車、オートバイ等の被着体あるいはその他の任意の被着体に対して固着するのに有利に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来から、マーキング部材を被着体に固着する際のアプリケーション部材としていろいろなタイプのものが提案され、実際に使用されている。例えば、特開平6−51702号公報には、剥離体上に重ねられた所定形状の装飾用粘着シートを剥離体から引き剥がし、目的の被着体に転写させるアプリケーションテープであって、そのテープの基材の物性が、引張り速度0.2m/分の時の2%モジュラス値が3〜4kg/15mm幅、破断点伸び率が50%以上であることを特徴とするアプリケーションテープが開示されている。このアプリケーションテープを使用すると、そのテープの基材が特定の物性を有しているので、粘着シートのアプリケーションテープへの転着性が良く、さらに曲面あるいは凹凸部を有する被着体に貼付する場合、容易に効率よく作業を行うことができ、シワ寄りや気泡の巻き込みもないという効果が得られる。
【0003】
また、特開平7−138540号公報には、熱可塑性樹脂からなる基材の片面に粘着剤層が設けられ、マーキングシートの施行の際に使用されるアプリケーションフィルムであって、基材がマーキングシートよりも柔軟性及びゴム弾性に富むことを特徴とするマーキングシート用アプリケーションフィルムが開示されている。このアプリケーションフィルムの基材は好ましくは軟質塩化ビニル樹脂であり、また、このフィルムの物性は、好ましくは、10%モジュラスが1.5〜2.5kg/15mm幅、最大伸度が150〜300%、厚みが50〜100μm、そして粘着剤層の厚みが10〜20μmである。このアプリケーションフィルムを使用すると、マーキングシートを小さな凸曲面に対してもシワや白化を生ずることなく転着できるという効果が得られる。
【0004】
さらに、出願人自身もまたアプリケーションテープを提供しており、「#331テープ」として商業的に入手可能である。このアプリケーションテープは、軟質塩化ビニル樹脂を基材として使用していて、その物性は、例えば、テープの厚さが約68μm、粘着剤層の厚さが約7μm、10%モジュラスが1.5kg/15mm幅、そして最大伸度が275%である。また、このアプリケーションテープと組み合わせて用いることのできるマーキングフィルムとして、出願人は、「スコッチカルTM3650」フィルムを提供している。このマーキングフィルムは、軟質塩化ビニル樹脂を基材として使用していて、その物性は、例えば、フィルムの厚さが約80μm、そして最大伸度が54%である。#331アプリケーションテープとスコッチカルTM3650フィルムを組み合わせたマーキング製品は、従来より多くの顧客から高い評価を得ており、自動車、オートバイ等の外装分野でいろいろな曲面部位への貼り付けに使用されている。
【0005】
さらにまた、スコッチカルTM3650フィルムよりも曲面部位への貼り付けが良好なマーキングフィルムとして、スコッチカルTMMB305Wフィルム及びスコッチカルTMCS206C53フィルムも商業的に入手可能である。前者は、フィルム基材の材質がウレタン樹脂であり、その物性は、フィルムの厚さが約53μm、そして最大伸度が256%である。後者は、フィルム基材の材質が軟質塩化ビニル樹脂とウレタン樹脂の2層構造であり、その物性は、フィルムの厚さが約148μm、そして最大伸度が85%である。
【0006】
しかしながら、近年の傾向として、主にオートバイの燃料タンク、フェンダー等の外装分野において、従来よりもさらに曲面形状のきつい部位へのマーキング製品の貼り付けの要望がある。この要望に対しては、先に参照した公開特許公報に開示されているマーキング製品では十分に応えることができない。すなわち、燃料タンク、フェンダー等の複雑な形状の部位では、特にその部位の面積が増加すれば増加するほど、シワの発生や気泡の取り込みがないように入念な貼付作業を行わなければならず、貼り付け作業性が大幅に低下する。貼り付け作業性の改善のため、製品フィルムの厚さを薄くしていろいろな形状に対応可能とすること、換言すると、「形状追従性」を高めることが可能であるけれども、このような薄いフィルムでは、作業中の破損の可能性が増加し、また、フィルムにいわゆる「腰」がなくなり、作業性が低下し、位置合わせが煩雑になり、場合によっては作業中にフィルムどうしが粘着することもある。また、入念に作業を行ったにもかかわらず、シワの発生や気泡の取り込みを避けることができないのが現状である。さらに、貼付部位が複雑な形状を有することなどに原因して、注意したにもかかわらず、貼付後のマーキングフィルムに損傷が入ることも屡々である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記したような従来の技術の問題点を解決して、マーキング部材を被着体の特に3次曲面のきつい部位に固着する際に中間転写部材として有利に用いることができ、しかも柔軟性、ゴム弾性、そして腰のバランスに優れたアプリケーションフィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、マーキング部材を被着体に固着する際に中間転写部材として用いるものであって、基材と、該基材の片面に設けられていて前記マーキング部材に貼着可能な粘着剤層とを含むアプリケーションフィルムにおいて、前記基材が、JIS−K7127において規定される基準に準じて引っ張り速度200mm/分で測定した場合に、
0.3〜1.6kgf/15mmの10%モジュラス強度、
0.1〜0.8kgf/mm2 の10%モジュラス応力、
0.7〜2.5kgf/mm2 の100%モジュラス応力、そして
3.0以上のモジュラス応力の変化率
を有していることを特徴とするアプリケーションフィルムが提供される。ここで、「モジュラス応力の変化率」とは、次式:
【0009】
【数1】
【0010】
によって求めた値である。
本発明者は、従来のマーキング製品の問題点を解決するための端緒を探りだすために数多くの貼り付け作業性評価のための研究を行い、その結果、3次曲面のきつい部位へのマーキング部材の貼り付けのため、アプリケーションフィルムに必要な特徴としては、柔軟性、ゴム弾性及び腰のバランスであるということを見い出した。「柔軟性」は、マーキング製品を3次曲面に追従させるためには、アプリケーションフィルム自身にも十分なフレキシビリティや伸び性が不可欠であるからである。「ゴム弾性」が必要な理由は、単に柔軟性が十分であっても、アプリケーションフィルムが塑性変形しやすいものであれば、3次曲面への貼り付け時に主に端部付近に屡々発生する弛みがシワとなって残ってしまうからである。これに対して、もしも使用するアプリケーションフィルムがゴム弾性を有しているならば、すなわち、広い弾性領域を有していれば、アプリケーションフィルムの縮む力により端部付近の弛みを分散させることができ、よって、外観上問題のない貼り付けが可能になるからである。さらに、アプリケーションフィルムの「腰」も重要である。もしも使用するアプリケーションフィルムに腰が足りない場合には、被着体に対してマーキング部材を貼り付ける段階でそのフィルムから離型紙を剥離した時、アプリケーションフィルムが柔軟になりすぎて保持性が悪くなるため、マーキング部材の貼り付け位置合わせ等の作業に手間がかかるようになり、作業性が著しく劣ってしまうからである。
【0011】
本発明では、以下の詳細な説明から明らかとなるように、アプリケーションフィルムの基材として、特に優れた柔軟性及びゴム弾性を保証し得る物性を具えた材料を選択するともに、それらの物性に基材の厚さを相乗的に作用させて、フィルムに対して腰を与えるようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好ましい実施形態について説明する。なお、以下の説明では、本願発明の理解を容易にするため、マーキング部材としてフィルム状のものを参照して、すなわち、「マーキングフィルム」なる語を使用して説明する。
図1は、本発明よるアプリケーションフィルムの好ましい1例を示した拡大断面図である。アプリケーションフィルム10は、図示されるように、基材1と、基材1の片面に設けられていてマーキングフィルム(図示せず)に貼着可能な粘着剤層2とを含むように構成される。また、粘着剤層2の表面には、図示しないけれども、アプリケーションフィルム10をロール状あるいはその他の形態で保存する時やマーキングフィルムに貼り付ける時に相互にあるいは他の材料に不用意に粘着するのを回避するため、この技術分野で一般的に行われているように離型紙を施すのが好ましい。
【0013】
本発明のアプリケーションフィルムにおいて用いられる基材は、それに所要の柔軟性があれば特に制限されるものではない。適当な基材は、例えば、軟質塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂などであり、好ましくは、軟質塩化ビニル樹脂及びウレタン樹脂である。これらの樹脂は、単独で基材を構成していてもよく、さもなければ、2種類もしくはそれ以上の樹脂を組み合わせて積層構造を構成していてもよい。
【0014】
基材の厚さは、所望とする効果に応じて広く変更することができるというものの、通常、85〜160μmであることが好ましい。基材の厚さか85μmを下回ると、得られるマーキング製品において腰が足りなくなり、製品の使用前にマーキングフィルムから離型紙を剥離した際に製品全体が柔軟になりすぎてしまう。基材の膜厚は、必要に応じて、160μmよりも大きくてもよい。
【0015】
本発明の実施において、フィルムに用いられる基材の物性が特に重要である。すなわち、用いられる基材は、いずれもJIS−K7127において規定される基準に準じて引っ張り速度200mm/分で測定した場合に、0.3〜1.6kgf/15mm、好ましくは0.3〜0.6kgf/15mmの10%モジュラス強度、0.1〜0.8kgf/mm2 、好ましくは0.1〜0.5kgf/mm2 の10%モジュラス応力、0.7〜2.5kgf/mm2 の100%モジュラス応力、そして3.0以上、好ましくは5.0以上のモジュラス応力の変化率を有していることが必要である。モジュラス強度及びモジュラス応力がそれぞれ上記した範囲の上限よりも大きいとすると、柔軟性が不足し、3次曲面への追従性が劣ることとなる。モジュラス応力の変化率が上記した範囲の下限よりも小さいとすると、ゴム弾性が不足し、マーキングフィルム外周部においてシワが発生しやすくなる。さらに、ここで用いられる基材は、200%以上の最大伸度を有していることが好ましい。この最大伸度が200%を下回ると、アプリケーションフィルムを十分に伸ばすことができないので、所期の目的を達成することができないであろう。
【0016】
基材の片面に施される粘着剤層は、特に限定されるものではなく、したがって、この技術分野において一般的に使用されている粘着剤を使用して、常用の塗布方法を使用して任意の所望の厚さで形成することができる。好ましい1例を示すと、適当な粘着剤は、従来から汎用されているブチルアクリレートを主成分とするアクリル系粘着剤、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を主成分とするゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤などである。これらの粘着剤を塗布して形成される粘着剤層の厚さは、広く変更することができるというものの、通常、10〜20μm程度であることが好ましい。
【0017】
粘着剤層の接着力、すなわち、得られるアプリケーションフィルムのマーキングフィルムに対する接着力は、貼り合わせるマーキングフィルムの材質、マーキングフィルムの被着体に対する接着力、貼り付け作業の環境等のいろいろなファクタを考慮して適宜選択することができる。このアプリケーションフィルムのマーキングフィルムに対する接着力は、一般的には、JIS−Z0237において規定される基準に準じて測定した場合に、10〜800 gf/25mmの範囲であるのが適当である。なお、この接着力は、最後の作業段階でマーキングフィルムからアプリケーションフィルムを引き剥がすことが必要となるので、マーキングフィルムの被着体に対する接着力よりも小さいことが必要である。
【0018】
アプリケーションフィルムの粘着剤層は、先にも簡単に触れたように、アプリケーションフィルムの使用の直前まで離型紙で保護しておくことが好ましい。ここで使用する離型紙は特に限定されるものではなく、したがって、この技術分野において一般的に使用されているものを使用することができる。適当な離型紙として、例えば、織布あるいは不織布、紙、プラスチックなどのシートに離型処理を施したものを挙げることができ、また、適当な離型剤として、例えばシリコーン系離型剤などを挙げることができる。
【0019】
アプリケーションフィルムは、いろいろな形で提供し、あるいは保存することができる。例えば、所定の幅を有するテープの形状とし、ロール状に巻き取って提供することができる。あるいは、所定のサイズを有するシートの形状とし、その所定数を1セットとして提供することもできる。さらに、このアプリケーションフィルムをマーキングフィルムと組み合わせて、マーキング製品として提供することもできる。
【0020】
本発明のアプリケーションフィルムを介して被着体に転着されるべきマーキングフィルムは、特に限定されるものではなく、例えば、従来の技術の説明で参照したもの、例えば3M社製のスコッチカルTM3650フィルム、スコッチカルTMMB305Wフィルム、スコッチカルTMCS206C53フィルムなどを有利に使用することができる。
【0021】
本発明によるアプリケーションフィルムを中間転写部材として使用して、マーキングフィルムを被着体に固着する作業は、例えば、以下に順を追って説明するようにして実施することができる。
先ず、基材と粘着剤層とからなるアプリケーションフィルムを用意する。次いで、粘着剤層付き装飾フィルムとその粘着剤層の側に被覆された離型紙とからなるマーキングフィルムを用意する。このマーキングフィルムの粘着剤層を有しない面にアプリケーションフィルムを貼着してマーキングフィルムとアプリケーションフィルムが一体化した中間転写部材、すなわち、マーキング製品を形成する。
【0022】
中間転写部材の形成後、その中間転写部材を被着体の所定の部位にアプリケーションフィルムが上方になるように位置決めし、装飾フィルムの粘着剤層を介して固着する。この固着作業は、マーキング製品の大きさなどに応じて、手作業だけで行ってもよく、あるいは必要に応じて圧着手段を併用してもよい。本発明によると、この固着作業の際、被着体の曲面に応じて中間転写部材を適宜伸長させ、シワや気泡の取り込みなどを引き起こすことなく、被着体の表面に中間転写部材を密着させることができる。中間転写部材の固着が完了した後、被着体に固着したマーキングフィルムの装飾フィルムからアプリケーションフィルムを剥離する。その結果、被着体の曲面に密着した装飾フィルムが得られる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明をその実施例について説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではないことを理解されたい。
例1
アプリケーションフィルム1(本発明例)の調製
熱可塑性ポリウレタンエラストマー(ポリエステルポリウレタン、重量平均分子量Mw=5.67×105 、数平均分子量Mn=7.54×104 、Mw/Mn=7.52)を押し出し成形して厚さ145μmのポリウレタンフィルムを作製した。次いで、得られたポリウレタンフィルムの片面にブチルアクリレートを主成分とするアクリル系粘着剤を厚さ20μmで均一に塗布した。得られた粘着剤付きフィルム「アプリケーションフィルム1」のモジュラス強度(10%及び100%)、最大伸度、モジュラス応力(10%及び100%)、そしてモジュラス応力変化率をそれぞれJIS−K7127に従い引っ張り速度200mm/分で測定したところ、下記の第1表及び第2表に記載のような結果が得られた。
例2
アプリケーションフィルム2(本発明例)の調製
100重量部の塩化ビニル樹脂に対して33重量部のフタル酸ジオクチル(可塑剤として)、15重量部のポリエステル系可塑剤及び2重量部のエポキシ化大豆油(安定剤として)を添加し、得られた混合物をカレンダー成形して厚さ86μmの塩化ビニル樹脂フィルムを作製した。次いで、得られた塩化ビニル樹脂フィルムの片面にブチルアクリレートを主成分とするアクリル系粘着剤を厚さ12μmで均一に塗布した。得られた粘着剤付きフィルム「アプリケーションフィルム2」のモジュラス強度(10%及び100%)、最大伸度、モジュラス応力(10%及び100%)、そしてモジュラス応力変化率をそれぞれJIS−K7127に従い引っ張り速度200mm/分で測定したところ、下記の第1表及び第2表に記載のような結果が得られた。
例3
アプリケーションフィルム3(本発明例)の調製
100重量部の塩化ビニル樹脂に対して26重量部のフタル酸ジオクチル(可塑剤として)、14重量部のポリエステル系可塑剤及び2重量部のエポキシ化大豆油(安定剤として)を添加し、得られた混合物をカレンダー成形して厚さ146μmの塩化ビニル樹脂フィルムを作製した。次いで、得られた塩化ビニル樹脂フィルムの片面にブチルアクリレートを主成分とするアクリル系粘着剤を厚さ15μmで均一に塗布した。得られた粘着剤付きフィルム「アプリケーションフィルム3」のモジュラス強度(10%及び100%)、最大伸度、モジュラス応力(10%及び100%)、そしてモジュラス応力変化率をそれぞれJIS−K7127に従い引っ張り速度200mm/分で測定したところ、下記の第1表及び第2表に記載のような結果が得られた。
例4(比較例)
本例では、比較に供するため、住友スリーエム社より商業的に入手可能な塩化ビニル樹脂フィルム基材のアプリケーションテープ「#331テープ(製造ロット番号:33080326)」を「アプリケーションフィルム4」として使用した。
【0024】
このフィルムの基材は、100重量部の塩化ビニル樹脂に対して33重量部のフタル酸ジオクチル(可塑剤として)及び2重量部のエポキシ化大豆油(安定剤として)を添加し、得られた混合物をカレンダー成形して作製したものであり、その厚さは68μmである。粘着剤層は、この基材の片面にブチルアクリレートを主成分とするアクリル系粘着剤を厚さ7μmで均一に塗布したものである。このアプリケーションフィルム4のモジュラス強度(10%及び100%)、最大伸度、モジュラス応力(10%及び100%)、そしてモジュラス応力変化率をそれぞれJIS−K7127に従い引っ張り速度200mm/分で測定したところ、次の第1表及び第2表に記載のような結果が得られた。
【0025】
例5
本例では、アプリケーションフィルムを中間転写部材として使用して、マーキングフィルムを被着体に転着する作業について説明する。
【0026】
前記例1〜例4のそれぞれにおいて作製したアプリケーションフィルムを住友スリーエム社より商業的に入手可能な2種類のマーキングフィルム、スコッチカルTM3650フィルム及びスコッチカルTMCS206C53フィルムにそれぞれ貼り付け、十分に密着させた。得られた中間転写部材を、直径50mmから100mmまで直径を5mm刻みで変更し、真円に切り抜いた。それぞれの真円状フィルムからマーキングフィルムの離型紙を剥離して、半径75mmの真球体の表面に貼り付けた。真円状フィルムは、その直径が増加するごとに真球体への貼付が困難になった。次の第3表は、それぞれの例において真円状フィルムの貼付作業性が低下し、シワが発生し始める臨界点(真円状フィルムの、貼付可能な最大直径)をまとめたものである。
【0027】
上記第3表に記載の結果から明らかなように、本発明によるアプリテーションフィルムを使用すると、従来の高機能なアプリケーションフィルムを使用した場合に比較しても、よりいっそうマーキングフィルムの貼付作業性を改善し、シワなどの欠陥の発生も防止することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によるアプリケーションフィルムを使用すれば、燃料タンク、フェンダー等の凹凸やきつい3次曲面をもった部位に対しても、マーキングフィルムをシワの発生や気泡の取り込みなどの欠陥を伴わずに容易に貼り付けることができ、作業性も極めて良好である。また、本発明のアプリケーションフィルムには「腰」があるので、この面でも作業性が良好であり、位置合わせがし易く、したがって作業中にフィルムどうしが粘着するような不都合も回避できる。さらに、本発明のフィルムを使用した場合には、貼付後のマーキングフィルムに損傷が入ることも回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアプリケーションフィルムの好ましい1例を示した拡大断面図である。
【符号の説明】
1…基材
2…粘着剤層
10…アプリケーションフィルム
Claims (3)
- マーキング部材を被着体に固着する際に中間転写部材として用いるものであって、基材と、該基材の片面に設けられていて前記マーキング部材に貼着可能な粘着剤層とを含むアプリケーションフィルムにおいて、前記基材が、JIS−K7127において規定される基準に準じて引っ張り速度200mm/分で測定した場合に、
0.3〜1.6kgf/15mmの10%モジュラス強度、
0.1〜0.8kgf/mm2 の10%モジュラス応力、
0.7〜2.5kgf/mm2 の100%モジュラス応力、そして
3.0以上のモジュラス応力の変化率(100%モジュラス応力/10%モジュラス応力)
を有していることを特徴とするアプリケーションフィルム。 - 前記基材の厚さが85〜160μmであることを特徴とする請求項1に記載のアプリケーションフィルム。
- 前記マーキング部材に対する接着力が10〜800 gf/ 25 mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のアプリケーションフィルム。
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