JP3654592B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、民生用電子機器のポータブル化、コードレス化が急激に進んでいる。現在、これら電子機器の駆動用電源を担う小型・軽量で高エネルギー密度を有する電池への要望が高まっている。とりわけリチウムイオン二次電池は、高電圧で高エネルギー密度を有することから、ノートパソコン、携帯電話、AV機器などの電源として、今後の大きな成長が期待されている。これまで主流を占めていたアルカリ水溶液を電解質とするニッケル−カドミウム蓄電池あるいはニッケル−水素蓄電池は、リチウムイオン二次電池に置き換わりつつある。
【0003】
リチウムイオン二次電池の正極活物質には、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24などのリチウム含有複合酸化物が用いられている。これらの正極活物質は、充放電を行うことにより膨張・収縮を繰り返す。この際に結晶構造の破壊や粒子の割れ等が発生するため、充放電サイクルに伴う容量低下や内部抵抗の増加を生じる。このような問題に対し、コバルトまたはニッケルの一部を他の元素で置換することにより、結晶構造の安定化を図るという報告がある。例えば、正極活物質のコバルトの一部をマグネシウムなどの元素と置換することにより、サイクル特性や安全性を向上させるという報告がある(特許文献1〜3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第3162437号公報
【特許文献2】
特開平5−242891号公報
【特許文献3】
特開平6−168722号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来の技術では、サイクル特性の劣化を抑制することができる反面、例えば、充電状態の電池を85℃で3日間保存した場合には、電池内におけるガス発生量が比較的多くなることが確認されている。特に、角薄型電池やラミネートシートからなる外装材を有する電池の場合、ケースや外装材の強度が弱いため、ガス発生による電池厚みの増加や容量低下が生じることがある。ガス発生量が増加する原因は現在のところ確かではないが、コバルトの一部をマグネシウムで置換した正極活物質は、電子伝導性が高く、活物質表面が活性なため、非水電解質との反応性が高まり、非水電解質の分解が促進されるためと考えられている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、正極、負極および非水電解質からなり、前記正極が、正極活物質、導電剤、および結着剤からなり、前記正極活物質が、化学式Lia(Co1-x-yMgxybc(Mは、NiおよびAlより選ばれる少なくとも1種、0≦a≦1.05、0.03≦x≦0.15、0≦y≦0.25、0.85≦b≦1.1、1.8≦c≦2.1)で表されるリチウム含有複合酸化物からなり、前記正極に含まれる前記導電剤の量が、前記正極活物質100重量部あたり3.0重量部以下であるリチウムイオン二次電池に関する。
【0007】
前記正極に含まれる前記結着剤の量は、前記正極活物質100重量部あたり1.0重量部以上4.0重量部以下であることが好ましい。
前記結着剤は、ポリフッ化ビニリデンからなり、前記ポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量が、150000以上350000以下であることが好ましい。
前記非水電解質は、非水溶媒および前記非水溶媒に溶解するリチウム塩からなり、前記非水溶媒が、γ−ブチロラクトンおよび/またはγ−ブチロラクトン誘導体を含むことが好ましい。
前記負極は、核粒子および前記核粒子表面の少なくとも一部を被覆する非晶質炭素からなる材料を含み、前記核粒子は黒鉛からなることが好ましい。
本発明によれば、充放電サイクルに伴う容量低下を抑制するとともに、高温保存時の容量低下を抑制したリチウムイオン二次電池を提供することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明では、化学式Lia(Co1-x-yMgxybc(Mは、NiおよびAlより選ばれる少なくとも1種、0≦a≦1.05、0.03≦x≦0.15、0≦y≦0.25、0.85≦b≦1.1、1.8≦c≦2.1)で表されるリチウム含有複合酸化物からなる正極活物質を用いる。
前記複合酸化物の結晶においては、マグネシウムでコバルトの一部が置換されている。そのため、結晶構造が安定であり、充放電サイクルに伴う結晶構造の破壊や粒子の割れが発生しにくい。従って、電池の容量低下が抑制され、サイクル寿命が向上する。
【0009】
マグネシウムの含有率xが0.03未満の場合、複合酸化物の結晶構造の安定化が不十分となる。従って、充放電を繰り返すと、内部抵抗が増大し、サイクル特性が大きく劣化する。一方、含有率xが0.15をこえると、正極活物質の充放電容量が低下する。このことから、Mgの含有率xは、0.03≦x≦0.15を満たす必要がある。
【0010】
前記複合酸化物は、元素Mとして、NiおよびAlより選ばれる少なくとも1種を含むことができる。Niを含む複合酸化物は、低コストで得ることができ、耐熱性が向上する。また、Alを含む複合酸化物は、耐熱性が向上し、サイクル特性がさらに改善される。ただし、元素Mの含有率yが、0.25より大きくなると、次のようなデメリットが生じる。すなわち、Niが過剰の場合には、サイクル寿命特性の低下や高温保存時のガス発生量が増加する。また、Alが過剰の場合には、活物質の充放電容量が低下したり、活物質粒子のタップ密度が低下して極板容量が下がったりする。このことから、Mの含有率yは、0≦y≦0.25を満たす必要がある。
【0011】
前記正極活物質は、例えば、リチウム塩と、マグネシウム塩と、コバルト塩とを酸化雰囲気下で高温で焼成することにより、得ることができる。正極活物質を合成するための原料としては、以下のものを用いることができる。
リチウム塩としては、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、酸化リチウム等を用いることができる。
マグネシウム塩としては、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、フッ化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、蓚酸マグネシウム、硫化マグネシウム、水酸化マグネシウムを用いることができる。
コバルト塩としては、酸化コバルト、水酸化コバルト等を用いることができる。
【0012】
正極活物質を、導電剤、結着剤、分散媒等と混合することにより、ペースト状の正極合剤を得ることができる。
前記導電剤には、電池内において化学変化を起こしにくい電子伝導性材料を特に限定なく用いることができるが、特に炭素材料が好ましい。例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、鱗片状黒鉛などの天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、導電性炭素繊維などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
本発明で用いる正極は、正極活物質100重量部あたり、3重量部以下の導電剤を含んでいる。導電剤の量を3重量部以下にすることにより、高温保存下での導電剤表面での非水電解質の分解を低減することができ、高温保存後の容量低下が抑制される。
また、導電剤は比較的比表面積が大きいが、導電剤の量を3重量部以下にすることにより、導電剤を被覆する結着剤量を少なくすることができる。従って、結着剤量を正極活物質100重量部あたり、4重量部以下にしても、十分な極板強度を得ることが可能になる。このように絶縁性の結着剤を少なくすることによって、電池の負荷特性が向上し、サイクル特性がさらに向上するという相乗効果が得られる。ただし、結着剤量が、正極活物質100重量部あたり、1重量部未満になると、充分な極板強度を得ることが困難になる。
【0014】
前記結着剤には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれを用いてもよく、これらを組み合わせて用いることもできる。これらの中では、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましく、特にPVdFが好ましい。なかでも分子量150000以上のPVdFを用いた場合には、結着強度が向上し、極めて少量でも十分な極板強度が得られる。この場合、絶縁性の結着剤量をさらに低減できることから、電池の負荷特性がさらに向上し、サイクル特性が一段と向上するという相乗効果が得られる。一方、PVdFの分子量が350000以上になると、逆に、負荷特性が低下し、サイクル特性が低下する傾向がある。
前記分散媒には、水系分散媒やN−メチル−2−ピロリドンなどの有機分散媒を用いることができる。
【0015】
リチウムイオン二次電池には、非水溶媒および前記非水溶媒に溶解するリチウム塩からなる非水電解質を用いることが好ましい。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等のγ−ブチロラクトン誘導体類、1,2−ジメトキシエタン等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドンなどの非プロトン性有機溶媒を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。
【0016】
前記非水溶媒には、γ−ブチロラクトンおよび/またはγ−ブチロラクトン誘導体を含有させることが好ましい。上述の正極活物質を用いた場合、通常よく使用されている環状カーボネートと鎖状カーボネートとを含む非水電解質では、高温保存時に発生するガス量が多くなる傾向がある。従って、上述の正極活物質と、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを含む非水電解質との相性は良好とは言えない。一方、γ−ブチロラクトンやγ−ブチロラクトン誘導体を含む非水電解質の場合、上述の正極活物質を用いても、高温保存時のガス発生量が少量に抑えられる。これは、γ−ブチロラクトンやγ−ブチロラクトン誘導体が、正極表面に被膜を形成し、ガスを発生させる反応が抑制されるためと考えられる。
【0017】
前記効果は、γ−ブチロラクトンおよび/またはγ−ブチロラクトン誘導体の非水溶媒における含有率が0.5重量%以上の場合に得ることができる。前記含有率が0.5重量%未満では、高温保存下における正極表面での被膜形成が不十分となり、前記効果が得られない。ただし、前記含有率が80重量%を超えると、非水電解質のイオン導電性が低下して電池のレート特性が低下する。
本発明において特に好ましい溶媒は、γ−ブチロラクトン0.5〜70体積%と、ビニレンカーボネート0.5〜4体積%と、環状カーボネート10〜40体積%との混合溶媒であり、さらに鎖状カーボネート0〜85体積%を含んでもよい。
【0018】
非水溶媒に溶解するリチウム塩としては、例えばLiClO4 、LiBF4 、LiPF6 、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3 SO3 、LiCF3 CO2 、Li(CF3SO22、LiAsF6 、LiN(CF3SO22、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、少なくともLiPF6 を用いることが好ましい。非水電解質におけるリチウム塩の濃度は、特に限定されないが、0.2〜2mol/リットルであることが好ましく、0.5〜1.5mol/リットルであることが特に好ましい。
【0019】
本発明で用いる負極材料は、リチウム合金、炭素材料、無機酸化物、無機カルコゲナイド、窒化物、金属錯体、有機高分子化合物等のように、リチウムイオンを吸蔵・放出できる化合物であればよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの負極材料のうちでは、特に、炭素材料が好ましい。
例えば、リチウムと炭素材料、リチウムと無機酸化物、リチウムと炭素材料と無機酸化物との組み合わせなどが挙げられる。これらの負極材料は、高容量、高放電電位、高い安全性、高いサイクル特性等を与える点で好ましい。
【0020】
前記リチウム合金としては、Li−Al、Li−Al−Mn、Li−Al−Mg、Li−Al−Sn、Li−Al−In、Li−Al−Cd、Li−Al−Te、Li−Ga、Li−Cd、Li−In、Li−Pb、Li−Bi、Li−Mgなどが挙げられる。この場合、リチウムの含有率は10重量%以上であることが好ましい。
【0021】
前記炭素材料としては、コークス、熱分解炭素類、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、黒鉛化メソフェーズ小球体、気相成長炭素、ガラス状炭素類、ポリアクリロニトリル、ピッチ、セルロースもしくは気相成長炭素からなる炭素繊維、不定形炭素、有機物の焼成体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。尚、炭素材料は、炭素以外に、O、B、P、N、S、SiC、B4Cなどの異種元素や化合物を含んでもよい。異種元素や化合物の含有率は0〜10重量%が好ましい。
【0022】
前記無機酸化物としては、例えば、チタン酸化物、タングステン酸化物、モリブデン酸化物、ニオブ酸化物、バナジウム酸化物、鉄酸化物等が挙げられる。また、前記無機カルコゲナイドとしては、例えば、硫化鉄、硫化モリブデン、硫化チタン等が挙げられる。前記有機高分子化合物としては、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の高分子化合物が挙げられる。前記窒化物としては、コバルト窒化物、銅窒化物、ニッケル窒化物、鉄窒化物、マンガン窒化物等が挙げられる。
【0023】
前記炭素材料としては、黒鉛の核粒子および前記核粒子表面の少なくとも一部を被覆する非晶質炭素からなる材料(以下、材料X)が特に好ましい。材料Xを用いる場合、正極からマグネシウムが溶出した場合に、表面の非晶質炭素中にマグネシウムを取り込むことができるため、黒鉛層間にマグネシウムが挿入されて、負極特性が劣化するの防ぐことができる。このため、高温保存後の容量低下がさらに改善されるという効果が得られる。材料Xの平均粒径は3〜20μmであることが好ましい。
【0024】
前記負極材料を、結着剤、分散媒等と混合することにより、ペースト状の負極合剤を得ることができる。結着剤や分散媒には、正極の作製で用いるものと同様のものを用いることができる。
正極は、金属箔等からなる芯材上に、正極合剤を塗布し、圧延、乾燥することにより、得ることができる。また、負極は、金属箔等からなる芯材上に、負極合剤を塗布し、圧延、乾燥することにより、得ることができる。正極や負極がシート状の場合、電極合剤層は芯材の両面に設けることが好ましい。一方の面の電極合剤層が複数層から構成されていてもよい。電極合剤層の他に、活物質を含まない保護層、芯材上に設けられる下塗り層、電極合剤層間に設けられる中間層等を有していてもよい。
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明を実施例に基づいて説明する。
図1に、実施例で作製した角型リチウムイオン二次電池の構造を示す。なお、ここでは角型電池を作製したが、本発明の電池の形状は、これに限定されるものではない。本発明は、例えば、円筒型、コイン型、ボタン型、シート型、積層型、偏平型の電池や、電気自動車等に用いる大型電池にも適用できる。
【0026】
【実施例】
《実施例1》
(i)正極活物質の調製
0.95mol/リットルの濃度で硫酸コバルトを含み、0.05mol/リットルの濃度で硫酸マグネシウムを含む水溶液を、反応槽に連続供給し、水のpHが10〜13になるように反応槽に水酸化ナトリウムを滴下しながら、活物質の前駆体を合成した。その結果、Co0.95Mg0.05(OH)2からなる水酸化物を得た。
【0027】
この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとのモル比が、1:0.95:0.05になるように混合し、混合物を600℃で10時間仮焼成し、粉砕した。次いで、粉砕された焼成物を900℃で再度10時間焼成し、粉砕、分級し、化学式Li(Co0.95Mg0.05)O2で表される正極活物質を得た。
【0028】
(ii)正極の作製
得られた正極活物質100重量部に対し、導電剤としてアセチレンブラックを1.5重量部混合し、さらに結着剤として分子量300000のポリフッ化ビニリデン(PVdF)のN−メチル−2−ピロリドン溶液を樹脂分で2重量部加え、撹拌・混合し、ペースト状の正極合剤を得た。正極合剤は、厚さ15μmのアルミニウム箔の芯材の両面に塗布し、乾燥後、これを圧延し、所定寸法に裁断し、正極とした。
【0029】
(iii)負極の作製
平均粒径20μmの燐片状黒鉛100重量部に対し、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース水溶液を樹脂分で1重量部混合し、さらに結着剤としてスチレン−ブタジエンゴムを2重量部加え、撹拌・混合し、ペースト状の負極合剤を得た。負極合剤は、厚さ10μmの銅箔の芯材の両面に塗布し、乾燥後、これを圧延し、所定寸法に裁断し、負極とした。
【0030】
(iv)電池の組立
作製した正極と負極とを厚さ20μmの微多孔性ポリエチレン製セパレータを介して扁平な渦巻状に捲回し、極板群1を構成した。正極と負極には、それぞれ正極リード2および負極リード3を溶接した。極板群1の上部にポリエチレン樹脂製絶縁リングを装着し、図1に示されるように、アルミニウム製電池ケース4内に収納した。図1には、絶縁リングは示されていない。正極リード2の他端は、アルミニウム製封口板5にスポット溶接した。負極リード3の他端は、封口板5の中央部にあるニッケル製負極端子6の下部にスポット溶接した。電池ケース4の開口端部と封口板5とをレーザー溶接し、所定量の非水電解質を注入口から注入した。最後に注入口をアルミニウム製の封栓7で塞ぎ、レーザーで封口板5に溶接した。
【0031】
非水電解質としては、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの体積比1:3の混合溶媒に1.0mol/リットルの濃度でLiPF6を溶解したものを用いた。
このようにして作製した電池を本発明の電池1Aとした。
【0032】
《実施例2》
正極の導電剤であるアセチレンブラックの量を、正極活物質100重量部あたり、3.0重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池2Aを作製した。
【0033】
《実施例3》
正極の導電剤であるアセチレンブラックの量を、正極活物質100重量部あたり、0.05重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池3Aを作製した。
【0034】
《実施例4》
正極の導電剤であるアセチレンブラックの量を、正極活物質100重量部あたり、0重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池4Aを作製した。すなわち、電池4Aの正極は、導電剤を含んでいない。
【0035】
《実施例5》
正極の導電剤であるアセチレンブラックの量を、正極活物質100重量部あたり、0.1重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池5Aを作製した。
【0036】
《実施例6》
正極の導電剤であるアセチレンブラックの量を、正極活物質100重量部あたり、0.5重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池6Aを作製した。
【0037】
《実施例7》
正極の導電剤であるアセチレンブラックの量を、正極活物質100重量部あたり、1.0重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池7Aを作製した。
【0038】
《実施例8》
実施例1に準じて、前駆体としてCo0.97Mg0.03(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとのモル比が、1:0.97:0.03になるように混合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学式Li(Co0.97Mg0.03)O2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池8Aを作製した。
【0039】
《実施例9》
実施例1に準じて、前駆体としてCo0.85Mg0.15(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとのモル比が、1:0.85:0.15になるように混合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学式Li(Co0.85Mg0.15)O2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池9Aを作製した。
【0040】
《実施例10》
実施例1に準じて、前駆体としてCo0.90Mg0.10(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとのモル比が、1:0.9:0.1になるように混合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学式Li(Co0.90Mg0.10)O2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池10Aを作製した。
【0041】
《実施例11》
正極の結着剤である分子量300000のPVdFの量を、正極活物質100重量部あたり、4重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池11Aを作製した。
【0042】
《実施例12》
正極の結着剤である分子量300000のPVdFの量を、正極活物質100重量部あたり、1重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池12Aを作製した。
【0043】
《実施例13》
正極の結着剤であるPVdFの分子量を350000にしたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池13Aを作製した。
【0044】
《実施例14》
正極の結着剤であるPVdFの分子量を150000にしたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池14Aを作製した。
【0045】
《実施例15》
エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンおよびビニレンカーボネートを体積比20:77.5:0.5:2で混合した混合溶媒に、1.0mol/リットルの濃度でLiPF6を溶解した。こうして得られた非水電解質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池15Aを作製した。
【0046】
《実施例16》
エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンおよびビニレンカーボネートを体積比20:48:30:2で混合した混合溶媒に、1.0mol/リットルの濃度でLiPF6を溶解した。こうして得られた非水電解質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池16Aを作製した。
【0047】
《実施例17》
エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンおよびビニレンカーボネートを体積比20:8:70:2で混合した混合溶媒に、1.0mol/リットルの濃度でLiPF6を溶解した。こうして得られた非水電解質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池17Aを作製した。
【0048】
《実施例18》
平均粒径20μmの燐片状黒鉛を、石油ピッチと混合し、800℃で焼成し、燐片状黒鉛の表面の少なくとも一部を非晶質炭素で被覆した。こうして得られた炭素材料(平均粒径22μm)を、鱗片状黒鉛の代わりに用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池18Aを作製した。
【0049】
《実施例19》
0.90mol/リットルの濃度で硫酸コバルトを含み、0.05mol/リットルの濃度で硫酸マグネシウムを含み、0.05mol/リットルの濃度で硫酸ニッケルを含む水溶液を調製した。この水溶液を用いて、実施例1に準じて、前駆体としてCo0.90Mg0.05Ni0.05(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとニッケルとのモル比が、1:0.90:0.05:0.05になるように混合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学式Li(Co0.90Mg0.05Ni0.05)O2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池19Aを作製した。
【0050】
《実施例20》
実施例1に準じて、前駆体としてCo0.85Mg0.05Ni0.10(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとニッケルとのモル比が、1:0.85:0.05:0.10になるように混合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学式Li(Co0.85Mg0.05Ni0.10)O2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池20Aを作製した。
【0051】
《実施例21》
実施例1に準じて、前駆体としてCo0.80Mg0.05Ni0.15(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとニッケルとのモル比が、1:0.80:0.05:0.15になるように混合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学式Li(Co0.80Mg0.05Ni0.15)O2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池21Aを作製した。
【0052】
《実施例22》
実施例1に準じて、前駆体としてCo0.70Mg0.05Ni0.25(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとニッケルとのモル比が、1:0.70:0.05:0.25になるように混合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学式Li(Co0.70Mg0.05Ni0.25)O2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池22Aを作製した。
【0053】
《実施例23》
0.85mol/リットルの濃度で硫酸コバルトを含み、0.05mol/リットルの濃度で硫酸マグネシウムを含み、0.1mol/リットルの濃度で硫酸アルミニウムを含む水溶液を調製した。この水溶液を用いて、実施例1に準じて、前駆体としてCo0.85Mg0.05Al0.1(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとアルミニウムとのモル比が、1:0.85:0.05:0.1になるように混合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学式Li(Co0.85Mg0.05Al0.1)O2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池23Aを作製した。
【0054】
《実施例24》
実施例1に準じて、前駆体としてCo0.70Mg0.05Al0.25(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとアルミニウムとのモル比が、1:0.70:0.05:0.25になるように混合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学式Li(Co0.70Mg0.05Al0.25)O2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池24Aを作製した。
【0055】
《比較例1》
実施例1に準じて、前駆体としてCo0.98Mg0.02(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとのモル比が、1:0.98:0.02になるように混合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学式Li(Co0.98Mg0.02)O2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較例の電池1Bを作製した。
【0056】
《比較例2》
実施例1に準じて、前駆体としてCo0.80Mg0.20(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとのモル比が、1:0.80:0.20になるように混合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学式Li(Co0.80Mg0.20)O2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較例の電池2Bを作製した。
【0057】
《比較例3》
マグネシウムを含まない化学式LiCoO2で示される正極活物質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較例の電池3Bを作製した。
【0058】
《比較例4》
正極の導電剤であるアセチレンブラックの量を、正極活物質100重量部あたり、4.0重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、比較例の電池4Bを作製した。
【0059】
《実施例25》
正極の結着剤である分子量300000のPVdFの量を、正極活物質100重量部あたり、0.5重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池25Aを作製した。
【0060】
《実施例26》
正極の結着剤である分子量300000のPVdFの量を、正極活物質100重量部あたり、5重量部にしたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池26Aを作製した。
【0061】
《実施例27》
正極の結着剤であるPVdFの分子量を400000にしたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池27Aを作製した。
【0062】
《実施例28》
正極の結着剤であるPVdFの分子量を100000にしたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の電池28Aを作製した。
【0063】
《比較例5》
実施例1に準じて、前駆体としてCo0.65Mg0.05Ni0.3(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとニッケルとのモル比が、1:0.65:0.05:0.3になるように混合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学式Li(Co0.65Mg0.05Ni0.3)O2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較例の電池5Bを作製した。
【0064】
《比較例6》
実施例1に準じて、前駆体としてCo0.65Mg0.05Al0.3(OH)2からなる水酸化物を合成した。この前駆体と炭酸リチウムとを、リチウムとコバルトとマグネシウムとアルミニウムとのモル比が、1:0.65:0.05:0.3になるように混合したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、化学式Li(Co0.65Mg0.05Al0.3)O2で表される正極活物質を得た。次いで、この正極活物質を用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較例の電池6Bを作製した。
【0065】
[電池の評価]
実施例1〜28および比較例1〜6で作製した電池について、充放電サイクル特性と高温保存特性の比較を行った。
(i)充放電サイクル特性
充電電圧4.20V、充電最大電流700mAhの条件で、電池を2時間定電圧充電した後、放電電流700mAh、放電終止電圧3.0Vの条件で、電池を定電流放電するサイクルを、20℃環境下で繰り返し行った。
1サイクル目の放電容量を100とした場合の300サイクル目の放電容量の割合を、容量維持率Aとして表1および2に示す。
【0066】
(ii)高温保存特性
充電電圧4.20V、充電最大電流700mAhの条件で、電池を2時間定電圧充電した後、放電電流700mAh、放電終止電圧3.0Vの条件で、電池を定電流放電するサイクルを、20℃環境下で2サイクル行い、2サイクル目の充放電容量を確認した。その後、充電状態の電池を85℃で3日間保存した。次いで、保存後の電池を再び20℃で、上記と同一条件で2サイクル充放電し、高温保存後の容量維持率Bを求めた。保存前の放電容量を100とした場合の高温保存後2サイクル目の放電容量の割合を、容量維持率Bとして表1および2に示す。
【0067】
【表1】
Figure 0003654592
【0068】
【表2】
Figure 0003654592
【0069】
表1および2において、実施例1〜10の電池特性と、比較例1〜4の電池特性との比較より、マグネシウムを添加した正極活物質を用い、導電剤量を正極活物質に対して3重量%以下にした正極を用いることにより、サイクル特性と高温保存特性の両方が向上することが解る。
【0070】
マグネシウムの添加量が過少である比較例1の電池1Bは、マグネシウムを添加しない比較例3の電池3Bと同等のサイクル特性(容量維持率A)しか得られなかった。また、マグネシウムの添加量が過多の比較例2の電池2Bは、初期の容量が低く、高温保存時の容量維持率Bも69%と低かった。
【0071】
導電剤量は、正極活物質に対して3重量%以下の場合に特性的に優れており、4重量%の比較例4の電池4Bは、高温保存特性が68%と低かった。
実施例1、11、12の電池と、実施例25、26の電池との比較より、正極に含有される結着剤量を、正極活物質に対して1〜4重量%にすることにより、サイクル特性と高温保存特性の両方が向上することが解る。
【0072】
結着剤量が少なすぎる実施例25の電池25Aは、極板強度が弱くなる傾向があり、サイクル特性が80%であった。また、結着剤量が多すぎる実施例26の電池26Aは、負荷特性が低くなる傾向があり、サイクル特性が79%であった。
実施例1、13、14の電池特性と、比較例7、8の電池特性との比較より、正極に含有される結着剤のPVdFの分子量を150000〜350000にすることにより、サイクル特性と高温保存特性の両方が向上することが解る。
【0073】
結着剤の分子量が大きすぎる実施例27の電池27Aは、負荷特性が低く、サイクル特性も低くなる傾向が見られた。分子量が小さすぎる実施例28の電池28Aは、極板強度が弱く、サイクル特性が低くなる傾向が見られた。
本発明の電池15Aは、非水溶媒にエチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンおよびビニレンカーボネートを体積比20:77.5:0.5:2で混合した混合溶媒を用いているため、電池1Aに比べて充放電を繰り返した時の容量維持率Aはやや劣るものの、高温保存後の容量維持率Bは良好であった。これは、保存時のガス発生を低減できたことによるものと考えられる。
【0074】
また、本発明の電池17Aは、非水溶媒にエチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトンおよびビニレンカーボネートを体積比20:8:70:2で混合した混合溶媒を用いているため、充放電を繰り返した時の容量維持率Aはさらに低下するものの、高温保存後の容量維持率Bは非常に良好であった。
以上のことから、非水溶媒がγ−ブチロラクトンを含む場合、高温保存時における容量維持率の向上効果が得られることがわかった。
【0075】
本発明の電池18Aは、負極に、表面を非晶質炭素で被覆した燐片状黒鉛を用いているため、単なる燐片状黒鉛を用いた本発明の電池1Aよりも、高温保存特性が優れていた。これは、黒鉛の表面を被覆することによって、黒鉛表面の活性が抑えられ、保存特性の向上につながったものと考えられる。
【0076】
本発明の電池19A〜22Aは、ニッケルを添加した正極活物質を用いているため、原材料のコストを下げることができた。また、特性的にも、正極活物質にニッケルを添加しない実施例1の電池1Aと同様であり、十分に使用し得ることがわかった。
ニッケルの添加量は、比較例5の電池5Bとの比較より、コバルト、マグネシウム、ニッケルの合計量に対して、10〜25モル%が最適な範囲と言える。
【0077】
本発明の電池23A、24Aは、アルミニウムを添加した正極活物質を用いているため、活物質自体の容量が下がり、電池23Aの電池容量は、実施例1のそれに比べて5%低下した。しかし一方で、容量維持率A、容量維持率Bは、ともに向上した。
しかし、比較例6の電池6Bのように、コバルト、マグネシウム、アルミニウムの合計量に対してアルミニウムを30モル%も添加すると、電池容量が15%も低下し、十分な特性が得られなかった。よって、アルミニウムの添加量は、コバルト、マグネシウム、アルミニウムの合計量に対して、25モル%以下が最適な範囲と言える。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、リチウムイオン二次電池の充放電サイクルに伴う容量低下が抑制され、高温保存による容量低下も小さくなる。従って、本発明によれば、信頼性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる角型電池の一部を切り欠いた斜視図である。
【符号の説明】
1 極板群
2 正極リード
3 負極リード
4 電池ケース
5 封口板
6 負極端子
7 封栓

Claims (5)

  1. 正極、負極および非水電解質からなり、
    前記正極が、正極活物質、導電剤、および結着剤からなり、
    前記正極活物質が、化学式Lia(Co1-x-yMgxybc(Mは、NiおよびAlより選ばれる少なくとも1種、0≦a≦1.05、
    0.03≦x≦0.15、0≦y≦0.25、0.85≦b≦1.1、1.8≦c≦2.1)で表されるリチウム含有複合酸化物からなり、
    前記正極に含まれる前記導電剤の量が、前記正極活物質100重量部あたり3.0重量部以下であるリチウムイオン二次電池。
  2. 前記正極に含まれる前記結着剤の量が、前記正極活物質100重量部あたり1.0重量部以上4.0重量部以下である請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記結着剤が、ポリフッ化ビニリデンからなり、前記ポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量が、150000以上350000以下である請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記非水電解質が、非水溶媒および前記非水溶媒に溶解するリチウム塩からなり、前記非水溶媒が、γ−ブチロラクトンおよび/またはγ−ブチロラクトン誘導体を含む請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記負極が、核粒子および前記核粒子表面の少なくとも一部を被覆する非晶質炭素からなる材料を含み、前記核粒子が、黒鉛からなる請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
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