JP4296634B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウムイオン二次電池の、とくにその有機電解液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、正極活物質に遷移金属酸化物や硫化物、セレン化合物等のカルコゲン化合物、例えば二酸化マンガンや二硫化モリブデン、セレン化チタンなどを、負極活物質として金属リチウム、電解質にリチウム塩を有機溶媒に溶解して得られる有機電解液を用いたいわゆるリチウム二次電池が高電圧、高容量の高エネルギー密度を志向して検討されてきた。しかしながら、このリチウム二次電池では、負極の金属リチウムの充放電特性が必ずしも優れておらず、長いサイクル寿命を確保することが難しかった。
【0003】
そこで、負極材料として充放電により、リチウムイオンをインターカレーションおよびディインターカレーションする物質を用いるいわゆるリチウムイオン二次電池が提案され、世界的に活発に研究開発され、すでに実用化されている。このリチウムイオン二次電池は前述したリチウム二次電池よりも高率充放電特性とサイクル寿命が優れているので、近年その需要は急速に伸張している。リチウムイオン二次電池はリチウムが活物質であるので、リチウム二次電池の1種ともいえるが、従来の金属リチウムを負極に用いるリチウム二次電池とは区別されている。
【0004】
リチウムイオン二次電池の正極活物質としてはLiCoO2やLiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4などのリチウムと遷移金属の複合酸化物が、また負極活物質としては、充電することにより金属リチウムと電位が近似している黒鉛などの炭素材、金属酸化物、合金などが研究されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
リチウムイオン二次電池の電解質として、従来のリチウム二次電池と同様に、イオン導電性が比較的低い有機電解液を用いている。この有機電解液の溶媒として、通常、プロピレンカーボネートやエチレンカーボネート等の環状エステルとエチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状エステルとの混合溶媒が使用されている。
【0006】
しかしながら、そのような有機電解液を用いたリチウムイオン二次電池を例えば70℃で10日保存した場合、電池容量が約70%程度にまで劣化するなど高温保存後の容量低下が大きいという課題を有している。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、高温保存による容量低下が小さく信頼性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明のリチウムイオン二次電池はテトラフェニルホウ酸塩を有機電解液に添加するものである。高温保存時の容量低下は主に正および負極の電極界面においてリチウムイオンに配位した電解液が分解する等の副反応による自己放電であると考えられる。この電解液の分解反応は、リチウムイオンとリチウムイオンに配位した溶媒分子が正負極の活物質中へ取り込まれる際に生じると考えられる。この機構に着目し、種々の検討を重ねた結果、正負極活物質中に取り込まれることが物理的に不可能な分子構造を有するテトラフェニルホウ酸塩を添加することにより電極界面におけるリチウムイオンに対する電解液の溶媒和の状態が変化し、電極界面での電解液の分解を抑制することを見いだした。そして、このように電極界面での電解液の分解が抑制されることにより、リチウムイオン二次電池の高温保存時の容量低下を抑制することができる。
【0009】
テトラフェニルホウ酸塩としては、テトラフェニルホウ酸リチウム、テトラフェニルホウ酸ナトリウム、テトラフェニルホウ酸カリウム、テトラフェニルホウ酸ルビジウム、テトラフェニルホウ酸セシウム等があげられる。
【0010】
なお、従来、テトラフェニルホウ酸塩は電解液の溶質として検討されており、(例えば、特開平8−306387号公報)その場合、通常電解液中に0.5〜2.0mol/lという高濃度で用いられるが、本願発明ではテトラフェニルホウ酸塩の含有量は0.001重量%から1.0重量%の比較的低濃度で用いるもので、添加する目的も溶質としてではなく、上記したように溶媒の分解を抑制する効果を得るためである。含有量が0.001重量%より少ないと効果が不十分で電極界面での電解液の分解が抑制されない。一方、1.0重量%より多いと有機電解液の粘度が高くなってしまうためイオン導電性が低下し電池の充放電特性が悪くなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のリチウムイオン二次電池の詳細な構成内容を示す。
【0012】
本発明に用いられる正極及び負極は、集電体上に正極活物質や負極材料を含む合剤層を塗布したものである。正極や負極がシート状の場合は、合剤層を集電体の両側に設けるのが好ましく、一方の面の合剤層が複数層から構成されていても良い。合剤層は、正極活物質や負極材料のように軽金属イオンの挿入放出に係わる物質の他に、結着剤や導電材料などを含む。合剤層の他に、活物質を含まない保護層、集電体上に設けられる下塗り層、合剤層間に設けられる中間層等を有していてもよい。これらの活物質を有さない層は、導電性粒子や絶縁性粒子、結着剤を含むのが好ましい。
【0013】
本発明に用いられる正極及び負極は、リチウムイオンを電気化学的且つ可逆的に挿入・放出できる正極活物質や負極材料に導電剤、結着剤等を含む合剤層を集電体の表面に塗着して作成されたものである。
【0014】
本発明に用いられる正極活物質には、V2O5、MnO2等の遷移金属酸化物、リチウム含有遷移金属酸化物、TiS2、MoS2等の遷移金属カルコゲン化合物、LiTi2O4等のリチウム含有遷移金属酸化物、ポリアニリン等の有機高分子化合物等が使用できる。なかでも本発明で用いられる好ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極活物質としては、リチウム含有Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Wを含む酸化物があげられる。またリチウム以外のアルカリ金属(周期律表の第IA、第IIAの元素)、及びまたはAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどを混合してもよい。
【0015】
本発明で用いられるより好ましいリチウム含有遷移金属酸化物正極活物質としては、Lix CoO2 、Lix NiO2(米国特許第4302518号)、LixMnO2 、Lix Coy Ni1-y O2(特開昭63−299056号公報)、Lix Cof V1-f Oz、LixNi1-f Mf O2(M=Ti,V,Mn,Fe)、Lix Mn2 O4 、Lix Mn2-y My O4 (M=Na、Mg、Sc、Y、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Pb、Sb)、(ここでx=0〜1.2、y=0〜0.9、f=0.9〜0.98、z=2.0〜2.3)があげられる。ここで、上記のx値は、充放電開始前の値であり、充放電により増減する。
【0016】
本発明においては、複数の異なった正極活物質を併用してもよい。例えば、充放電時の膨張収縮挙動が反対のものを用いることができる。放電時(リチウムイオン挿入時)に膨張し、充電時(リチウムイオン放出時)に収縮する正極活物質の好ましい例はスピネル型リチウム含有マンガン酸化物であり、放電時(リチウムイオン挿入時)に収縮し、充電時(リチウムイオン放出時)に膨張する正極活物質の好ましい例はリチウム含有コバルト酸化物である。スピネル型リチウム含有マンガン酸化物の好ましい構造式としては、Li1-x Mn2 O4 (0≦x≦1)であり、リチウム含有コバルト酸化物の好ましい例としてはLi1-x CoO2 (0≦x≦1)である。
【0017】
また、本発明で用いられる負極材料としては、リチウム、リチウム合金、炭素質化合物、無機酸化物、無機カルコゲナイド、窒化物、金属錯体、有機高分子化合物等のリチウムイオンを吸蔵・放出できる化合物であればよい。これらは単独でも、組み合わせて用いてもよい。例えば、リチウムと炭素質化合物、リチウムと無機酸化物、リチウムと炭素質化合物と無機酸化物の組み合わせなどが挙げられる。これらの負極材料は、高容量、高放電電位、高安全性、高サイクル性の効果を与えるので好ましい。
【0018】
リチウム合金としては、Li−Al(米国特許4002492号等)、Li−Al−Mn、Li−Al−Mg、Li−Al−Sn、Li−Al−In、Li−Al−Cd、Li−Al−Te、Li−Ga(特開昭60−257072号公報)、Li−Cd、Li−In、Li−Pb、Li−Bi、Li−Mgなどが挙げられる。この場合、リチウムの含有量は10%以上であることが好ましい。
【0019】
炭素質材料としては、コークス、熱分解炭素類、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、黒鉛化メソフェーズ小球体、気相成長炭素、ガラス状炭素類、炭素繊維(ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、セルロース系、気相成長炭素系)、不定形炭素、有機物の焼成された炭素などが挙げられ、これらは単独でも、組み合わせて用いてもよい。なかでもメソフェーズ小球体を黒鉛化したもの、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛材料が好ましい。尚、炭素質材料には、炭素以外にも、O、B、P、N、S、SiC、B4Cなどの異種化合物を含んでもよい。含有量としては0〜10重量%が好ましい。
【0020】
無機酸化物としては、例えば、チタン酸化物類、タングステン酸化物類、モリブデン酸化物類、ニオブ酸化物類、バナジウム酸化物類、鉄酸化物類等が挙げられる。また、無機カルコゲナイドとしては、例えば、硫化鉄、硫化モリブデン、硫化チタン等が挙げられる。有機高分子化合物としては、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の高分子化合物、窒化物としては、コバルト窒化物類、銅窒化物類、ニッケル窒化物類、鉄窒化物類、マンガン窒化物類等を用いることができる。これらの負極材料のうち特に、炭素質材料が好ましい。
【0021】
本発明で示される炭素材料の平均粒子サイズは0.1〜60μmが好ましい。寄り詳しくは、平均粒径が0.5〜30μmであることが好ましい。炭素材料の平均粒子径が1〜10μmから選ばれた黒鉛粉末の占める割合が10〜40重量%であることが好ましい。比表面積は1〜10m2/gであることが好ましい。また、結晶構造上からは、炭素六角平面の間隔(d002 )が3.35〜3.40Åでc軸方向の結晶子の大きさ(LC)が100Å以上の黒鉛が好ましい。
【0022】
本発明における有機電解液は、溶媒と、その溶媒に溶解するリチウム塩とから構成されている。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネ−ト(EC)、プロピレンカ−ボネ−ト(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性有機溶媒を挙げることができ、これらの一種または二種以上を混合して使用する。なかでも環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合系または環状カーボネートと鎖状カーボネート及び脂肪族カルボン酸エステルとの混合系が好ましい。
【0023】
これらの溶媒に溶解するリチウム塩としては、例えばLiClO4 、LiBF4 、LiPF6 、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3 SO3 、LiCF3 CO2 、Li(CF3SO2)2、LiAsF6 、LiN(CF3SO2)2、LiB10Cl10(特開昭57−74974号公報)、低級脂肪族カルボン酸リチウム(特開昭60−41773号公報)、LiCl、LiBr、LiI(特開昭60−247265号公報)、クロロボランリチウム(特開昭61−165957号公報)等を挙げることができ、これらを使用する電解液等に単独又は二種以上を組み合わせて使用することができるが、特にLiPF6を含ませることがより好ましい。
【0024】
本発明における特に好ましい非水電解質は、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを少なくとも含み、支持塩としてLiPF6 を含む電解液である。これら電解質を電池内に添加する量は、特に限定されないが、正極活物質や負極材料の量や電池のサイズによって必要量用いることができる。支持電解質の非水溶媒に対する溶解量は、特に限定されないが、0.2〜2mol/lが好ましい。特に、0.5〜1.5mol/lとすることがより好ましい。
【0025】
また、電解液の他に次の様な固体電解質も併用することができる。固体電解質としては、無機固体電解質と有機固体電解質に分けられる。無機固体電解質には、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく知られている。なかでも、Li3 N、LiI、Li5 NI2 、Li3 N−LiI−LiOH、Li4 SiO4 、Li4 SiO4 −LiI−LiOH、x Li3 PO4 −(1-x)Li4 SiO4、Li2 SiS3 、硫化リン化合物などが有効である。
【0026】
有機固体電解質では、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリホスファゼン、ポリアジリジン、ポリエチレンスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンなどやこれらの誘導体、混合物、複合体などの高分子マトリックス材料が有効である。特に、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体やポリフッ化ビニリデンとポリエチレンオキサイドの混合物が好ましい。また、無機固体電解質と有機固体電解質を併用してもよい。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1に本発明の効果を示すために試作した円筒形電池の構造を示す。
【0028】
図1において正極板1は、コバルト酸リチウム(LiCoO2)を活物質とし、これに導電剤としてアセチレンブラックを3重量%混合した後、結着剤としてポリ四フッ化エチレン樹脂の水性ディスパージョンを7重量%練合してペースト状とした合剤を、アルミニウム箔からなる芯材の両面に塗着、乾燥し圧延した後、所定の大きさに切り出したものである。またその端部に正極リード片4をスポット溶接している。
【0029】
負極板2は、球状黒鉛を活物質とし、結着剤として活物質に対して3重量%のスチレンブタジエンゴムを混合した後、カルボキシメチルセルロース水溶液に懸濁させてペースト状とした合剤を銅箔からなる芯材の両面に塗着、乾燥した後、圧延して、所定の大きさに切り出したものである。またこの負極板の端部には負極リード片5をスポット溶接している。
【0030】
セパレータ3はポリエチレンからなる多孔性フィルムを、正極板1および負極板2よりも幅広く裁断して用いた。
【0031】
正極板1および負極板2を、セパレータを介在させて全体を渦巻状に巻回して極板群を構成した。
【0032】
次に上記極板群の上下部を温風で加熱し、セパレータ3を熱収縮させた後、極板群の下側に下部絶縁リング6を装着し、直径17mm,高さ50mmの電池ケース7に収納して負極リード片5を電池ケース7にスポット溶接した。また極板群の上側には上部絶縁リング8を装着し、電池ケース7の上部に溝入れした後、本発明の有機電解液を注入した。あらかじめガスケットが組み込まれた組立封口板9と正極リード片4をスポット溶接した後、組立封口板9を電池ケース7に装着し、リチウムイオン二次電池とした。
【0033】
なお以上の説明には円筒形を用いているが、角形電池、コイン形電池などを用いることも可能である。
【0034】
【実施例】
(実施例1)
有機電解液にはエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを体積比で1:3で混合した溶媒に、電解質である6フッ化リン酸エステル(LiPF6)を1.0mol/l溶解し、さらに本発明のテトラフェニルホウ酸塩としてテトラフェニルホウ酸リチウムを0.1重量%含有させたものを用い図1に示した円筒形リチウム電池構成し本発明の電池Aとした。
【0035】
(実施例2)
有機電解液に含有するテトラフェニルホウ酸リチウムの量を0.001重量%としたこと以外は(実施例1)と同等な方法で電池を構成し本発明の電池Bとした。
【0036】
(実施例3)
有機電解液に含有するテトラフェニルホウ酸リチウムの量を1.0重量%としたこと以外は(実施例1)と同等な方法で電池を構成し本発明の電池Cとした。
【0037】
(実施例4)
有機電解液に含有するテトラフェニルホウ酸塩としてテトラフェニルホウ酸ナトリウムを用いたこと以外は(実施例1)と同等な方法で電池を構成し本発明の電池Dとした。
【0038】
(実施例5)
有機電解液に含有するテトラフェニルホウ酸塩としてテトラフェニルホウ酸カリウムを用いたこと以外は(実施例1)と同等な方法で電池を構成し本発明の電池Eとした。
【0039】
(実施例6)
有機電解液に含有するテトラフェニルホウ酸塩としてテトラフェニルホウ酸ルビジウムを用いたこと以外は(実施例1)と同等な方法で電池を構成し本発明の電池Fとした。
【0040】
(実施例7)
有機電解液に含有するテトラフェニルホウ酸塩としてテトラフェニルホウ酸セシウムを用いたこと以外は(実施例1)と同等な方法で電池を構成し本発明の電池Gとした。
【0041】
(比較例1)
有機電解液にエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを体積比で1:3で混合した溶媒に、電解質である6フッ化リン酸エステルを1.0mol/l溶解した電解液を用いたこと以外は(実施例1)と同等な方法で電池を構成し比較例の電池Hとした。
【0042】
(比較例2)
有機電解液に含有するテトラフェニルホウ酸リチウムの量を0.0005重量%としたこと以外は(実施例1)と同等な方法で電池を構成し比較例の電池Iとした。
【0043】
(比較例3)
有機電解液に含有するテトラフェニルホウ酸リチウムの量を2.0重量%としたこと以外は(実施例1)と同等な方法で電池を構成し比較例の電池Jとした。
【0044】
本発明の電池A,B,C,D,E,F,Gと比較例の電池H,I,Jを用意し、20℃で充電終始電圧4.2V、放電終始電圧3.0V、5時間率の定電流充放電サイクルを行い各電池の充放電容量を確認した後に、充電状態の各電池を70℃で10日間保存した。保存後の各電池を再び20℃の同一条件で放電し、高温保存による容量劣化率を求めた。保存前の容量を100とした場合の高温保存後の比容量を(表1)に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
(表1)より本発明の電池A,B,C,D,E,F,Gの容量劣化率を比較例の電池H,I,Jと比較すると本発明の効果は明らかである。テトラフェニルホウ酸塩を添加した有機電解液を用いた電池A,B,C,D,E,F,Gの高温保存後の比容量は80%以上と向上している。しかし、テトラフェニルホウ酸塩の添加量が少なすぎる(比較例2)の電池Iは(比較例1)の電池Hと同等の性能しか得られなかった。また、テトラフェニルホウ酸塩の添加量が多すぎる(比較例3)の電池Jは、保存前においても放電時の分極が大きくさらに保存後の特性が劣る結果になった。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明のリチウムイオン二次電池は、高温保存による容量低下が小さく信頼性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒形電池の断面図
【符号の説明】
1 正極板
2 負極板
3 セパレータ
4 正極リード片
5 負極リード片
6 下部絶縁リング
7 電池ケース
8 上部絶縁リング
9 組立封口板
Claims (3)
- リチウム含有複合酸化物を活物質とする正極と、電解質を有機溶媒に溶解させた有機電解液とを具備するリチウムイオン二次電池において、前記有機電解液に、テトラフェニルホウ酸塩を電解質としてではなく溶媒分解抑制剤として、電解液全体の重量に対し、0.001重量%〜1.0重量%の範囲で含有するリチウムイオン二次電池であって、
前記テトラフェニルホウ酸塩は、テトラフェニルホウ酸リチウム、テトラフェニルホウ酸ナトリウム、テトラフェニルホウ酸カリウム、テトラフェニルホウ酸ルビジウム、またはテトラフェニルホウ酸セシウムであるリチウムイオン二次電池。 - 電解質としてLiPF6を用いる請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 有機電解液中の有機溶媒が1種以上の環状カーボネートと1種以上の非環状カーボネートを含む請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
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