JP3652967B2 - プリアンブル信号検出制御回路及びプリアンブル信号の確定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、FAX信号データを中継伝送するFAX中継装置に関し、特に音声とFAXのモードの切替に必要なプリアンブル信号を検出するプリアンブル信号検出制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
CCITT T.30の勧告では、半二重通信を利用したFAX転送のプロトコルについて規定している。
【0003】
FAXデータの転送は、まず送信側のFAX端末(以下、送信FAX端末という。)から対向する受信側のFAX端末(以下、受信FAX端末という。)へCNGトーン信号が送信されることで開始し、これを受けた受信FAX端末がCEDトーン信号の送出に続きプリアンブル信号及びV.21信号を送信FAX端末へ送出することによってFAX原稿の転送が開始される。これを受信した送信FAX端末も同等にプリアンブル信号及びV.21信号を受信FAX端末へ送出する。FAX端末には当然のことながら、音声通信も行えるわけであるが、前記のプリアンブル信号の有無を検出することで、音声モードからFAXモードへ切替を行っている。
【0004】
また、上記モードの切替は、プリアンブル信号の検出に基づき、スイッチ制御により行っているため、保護時間を充分に確保する必要がある。具体的には、切替に際して、ある入力信号がプリアンブル信号であるかどうかを検出する検出器は、音声信号を誤ってプリアンブル信号と検出することがあり、これを回避するため、本当のプリアンブル信号であると判断するのに必要な保護時間を設け、プリアンブル信号が一定時間継続して検出された場合にのみ音声モードからFAXモードに切替を行っている。
【0005】
次に、図5を用いて一方のFAX端末におけるプリアンブル信号の検出動作と対向するFAX端末へ検出保護時間経過後にプリアンブル信号を送出する動作について説明する。
【0006】
プリアンブル信号を検出するに際しては、受信したデータをバッファ等に一時格納し、プリアンブル信号検出回路にてプリアンブル信号が検出される。図5の受信系統に示すように、バッファから受信データを読み出し、時刻x0にプリアンブル信号の先頭データを検出し、一定長或いは一定時間プリアンブル信号のデータ列と同一信号が検出された時点で(検出保護時間の経過後)、受信したデータがFAXデータを示すことを検出する。
【0007】
一方、対向するFAX端末へのプリアンブル信号の送出は、図5の送信系統に示すように、上記プリアンブル信号の検出に基づき、時刻x1に自装置から出力される。以後、上記の動作を繰り返し、FAXデータの送受終了により音声モードに切り替わる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術では、音声を誤ってプリアンブル信号と検出を防止するため、常に検出保護時間(通常、400ms相当の比較的大きな値が設定される)を待たなければならず、FAX通信における伝送遅延が大きくなってしまう欠点を有する。
【0009】
そこで、本発明では、プリアンブル信号を含むFAX信号データの送受信時に発生する伝送遅延を小さくしうるFAX中継装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、受信データからプリアンブル信号を検出しこれに基づいてス
イッチの切替により音声通信とFAX通信を切り替え、FAX端末間のFAX転送を中継するFAX中継装置のプリアンブル信号の検出確定方法において、FAX通信が確立してからFAX通信が終了するまでの間、プリアンブル信号を検出するために設定する検出保護時間を、音声通信が行われている時の検出保護時間よりも短くすることを特徴とするプリアンブル信号の検出確定方法を得ることができる。
【0011】
また、受信データ中のプリアンブル信号の検出に基づいてスイッチの切替により音声通信とFAX通信を切り替え、FAX端末間のFAX転送を中継するFAX中継装置のプリアンブル信号検出制御回路において、受信データとプリアンブル信号をビット比較し一致・不一致信号を出力するプリアンブル信号検出回路と、前記プリアンブル信号の検出結果を入力とし連続した一致信号のみ計数し不一致信号の入力によりカウント値をリセットするカウンタ回路と、プリアンブル信号の検出を確定するための保護時間を設定する保護時間設定回路と、前記カウンタ回路の出力と前記保護時間を比較し前記カウンタ回路のカウント値が前記保護時間よりも大きくなった場合にプリアンブル信号の検出確定信号を出力する検出判定回路とを備え、FAX通信が確立してからFAX通信が終了するまでの間、前記保護時間を音声通信が行われている時の保護時間よりも短くすることを特徴とするFAX中継装置のプリアンブル信号検出制御回路により構成することができる。
【0012】
すなわち、本発明のプリアンブル信号検出制御回路は、回路初期化後、入力信号をプリアンブル信号であると確定判定するまでは保護時間を長く設定し、一端プリアンブル信号が確定しFAXモードに移行した後は、保護時間を最初より短くする。FAX伝送が開始してしまえば、伝送されるべきデータはFAX信号しか存在しないため、音声信号の場合とは異なり、誤って別のFAX信号をプリアンブル信号と誤検出する確率は充分に少ないため、保護時間を短くしても問題ないからである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、かかる実施形態を示した回路ブロック図である。本回路は、プリアンブル信号検出回路1、保護時間カウンタ制御回路2、検出判定回路3、保護時間設定4にて構成される。これらは、シグナルプロセッサまたはCPU、及びIC回路等で実現する。
【0014】
次に、動作について詳細に説明する。プリアンブル信号を含む受信データは、一端バッファリングされ、プリアンブル信号検出回路1にて、複数サンプルブロック毎の入力信号からプリアンブル信号であるかを単純に検出し、検出の都度、保護時間カウンタ制御回路2へハイパルスを出力する。保護時間カウンタ制御回路2では、受信したハイパルスを計数するが、連続的な検出信号を受信したときのみインクリメントし、それ以外の時はカウント値をリセットする。検出判定回路3では、保護時間カウンタ制御回路2が出力するカウント値と、保護時間設定回路から設定された保護時間設定値(初期値は保護が長くなるような値で初期化されている)と比較して、カウント値が当該設定値を越えた場合にプリアンブル信号を確定検出したとみなし、保護時間設定回路4及びFAX中継装置の別の制御回路へ通知する。プリアンブル検出通知を受信した保護時間設定回路4は、通信モードがFAXモードに移行しているので、検出判定回路3の保護時間設定値を短い時間を設定し、再度プリアンブル信号の検出動作に備える。
【0015】
そして、FAX中継装置の別の回路により、FAX端末間のFAX転送が終了したことが分かった場合、本発明のプリアンブル信号検出制御回路は一旦終了させて、検出判定回路3の保護時間設定値を長い保護時間に設定し、はじめから再スタートさせる。
【0016】
次に、図3に示すフローチャートを用いてより詳細に説明する。ここで、保護時間設定回路4が検出判定回路3に設定する保護時間をLONG_/SHORT_(ただし、LONG_>SHORT_とする。)とし、検出判定回路3の保護時間設定値Mにいずれか設定される。CNTは保護時間カウント制御回路2がプリアンブル信号検出回路1の出力を受けてインクリメントしたカウント値を、FLAGは検出判定回路3から出力されるプリアンブル信号検出結果を示す。
【0017】
FAX中継装置の動作開始と同期にして、本回路もスタートを開始する。スタート直後の初期化として、FLAGをOFFに設定し(S301)、保護時間設定カウント値Mに保護時間が長くするように、比較的大きい値LONG_(例えば、400ms相当分の値)を設定する(S302)。
【0018】
あるブロック毎に入力データを取り込み(S303)、入力データが単純にプリアンブル信号かどうかの検出をプリアンブル信号検出処理を行う(S304)。検出結果を基に、検出の判定(S305)を行い、検出した場合は、CNTのインクリメント(S306)を行い、検出しなかった場合は、CNTの零初期化(S307)を行う。
【0019】
次いて、CNTと保護時間設定カウント値Mとの比較を行い、もしCNTが前記M以上である場合のみ、FLAGをONに設定する(S309)。FLAGの結果が、確定後のプリアンブル検出結果となる。保護時間設定回路は、FLAGの状態判定を行い(S310)、ONの場合は保護時間設定カウント値Mを保護時間が短くなるような値SHORT_(例えば、150ms相当の値)を設定する(S311)。
【0020】
この後、FAX中継装置の他の回路からの情報を得て、FAX原稿送信終了判定(S312)を行い、終了でない場合は次の入力データを受け取る(S303)。
【0021】
ただし、終了の場合は一旦これらの処理を終了させる(END)。終了した後は、本発明回路は次の備えるため再起動させる(START)。
【0022】
次に、本発明の第2の実施の形態について図4を参照して説明する。構成は、図1と相違はないが、保護時間設定回路4の制御にプリアンブル復調側の情報を利用する例を示す。プリアンブル復調情報信号とは、FAX中継装置が対向するFAX中継装置から、プリアンブル信号を受信したことを示す情報信号を指す。(ちなみに、図1、図4の入力信号とは、FAX端末から送られた信号を示す。)プリアンブル復調情報信号がプリアンブル信号を受信した場合、図4の入力信号は音声信号ではなく、CCITT T.30勧告ではFAX信号であるといえるので、保護時間を長くする必要性がないため、保護時間設定回路4の設定値は保護時間が比較的短い値に設定変更できる。よって遅延時間を少なくすることが可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上により、本発明では、音声モードからFAXモードに切り替わる際のプリアンブル検出のみ長い保護時間を設定し、FAXモードに切り替わった後の保護時間を短いものとするため、保護時間による伝送遅延を極力小さく抑え、プリアンブル信号の誤検出も確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるプリアンブル信号検出制御回路のブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態の処理遅延変化図である。
【図3】本発明の一実施の形態にかかるプリアンブル信号検出制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図4】 本発明の他の実施の形態にかかるプリアンブル信号検出制御回路のブロック図である。
【図5】従来技術のおける処理遅延変化図である。
【符号の説明】
1 プリアンブル信号検出回路
2 保護時間カウンタ制御回路
3 検出判定回路
4 保護時間設定回路
Claims (4)
- 受信データからプリアンブル信号を検出しこれに基づいてス
イッチの切替により音声通信とFAX通信を切り替え、FAX端末間のFAX転送を中継するFAX中継装置のプリアンブル信号の検出確定方法において、
FAX通信が確立してからFAX通信が終了するまでの間、プリアンブル信号
を検出するために設定する検出保護時間を、音声通信が行われている時の検出保
護時間よりも短くすることを特徴とするプリアンブル信号の検出確定方法。 - 受信データ中のプリアンブル信号の検出に基づいてスイッチ
の切替により音声通信とFAX通信を切り替え、FAX端末間のFAX転送を中継するFAX中継装置のプリアンブル信号検出制御回路において、
受信データとプリアンブル信号をビット比較し一致・不一致信号を出力するプリアンブル信号検出回路と、前記プリアンブル信号の検出結果を入力とし連続した一致信号のみ計数し不一致信号の入力によりカウント値をリセットするカウンタ回路と、プリアンブル信号の検出を確定するための保護時間を設定する保護時間設定回路と、前記カウンタ回路の出力と前記保護時間を比較し前記カウンタ回路のカウント値が前記保護時間よりも大きくなった場合にプリアンブル信号の検出確定信号を出力する検出判定回路とを備え、
FAX通信が確立してからFAX通信が終了するまでの間、前記保護時間を音
声通信が行われている時の保護時間よりも短くすることを特徴とするプリアンブ
ル信号検出制御回路。 - 請求項2記載のFAX中継装置のプリアンブル信号検出制御
回路において、前記FAX中継装置は前記FAX端末間に複数台設けられ、対向するFAX中継装置におけるプリアンブル信号の検出が確定した旨を示すプリアンブル復調情報信号の受信したときに、前記保護時間を短くすることを特徴とするプリアンブル信号検出制御回路。 - 請求項2記載のFAX中継装置のプリアンブル信号検出制御
回路において、前記検出判定回路からプリアンブル信号の検出確定信号が出力さ
れている場合に前記保護時間を短くすることを特徴とするプリアンブル信号検出
制御回路。
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JP2000226257A JP3652967B2 (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | プリアンブル信号検出制御回路及びプリアンブル信号の確定方法 |
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