JP3652024B2 - 真空採血管の製造方法及び真空採血管 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液を採取するために用いられる真空採血管の製造方法及びこの製造方法によって得られる真空採血管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、臨床検査技術の進歩に伴って、血清生化学検査、血清免疫検査、血球検査などの血液検査が広く普及し、病気の予防や早期診断等に大きく貢献している。最近では、血液検査に供する検体(血液サンプル)を採血するために、真空採血管が汎用されている。
【0003】
典型的な真空採血管は、図1に示すように、ガラス又はポリエチレンテレフタレート等で予め成形された有底の管状容器20の開口部30を、天然ゴム、ブチルゴム等の針穴シール性を有するゴム栓体40で封止したものが挙げられる。
真空採血管内部の減圧度は、採血量に見合う値に設定されているが、製造工程上は、トレーに配置した未封止の有底の管状容器とゴム栓体とを一緒に気密性タンク内に収容し、タンク内部を所定の減圧度に排気した状態で開口部にゴム栓体を挿入し、プレス封止する方法が通常行なわれている。
【0004】
他の真空採血管の例としては、図2に示すように、有底の管状容器21の開口部31が、ゴム栓体に代えて、例えば、アルミニウムのようなガスバリヤー性を有する部材を含む積層シートと針穴シール性を有するゴム小片とを接着したシート状栓体によって封止されているものが挙げられる。
この場合でも、未封止の有底の管状容器とシート状栓体とを一緒に気密性タンク内に収容し、タンク内部を所定の減圧度に排気した状態で開口部にシート状栓体を供給し、熱融着又は接着によって封止する方法が行なわれている。
【0005】
しかしながら、上記の製造方法では、▲1▼多数の有底管状容器、▲2▼多数の栓体、及び▲3▼減圧下で栓体を容器の開口部に供給し封止する装置全体、を収容可能な大型の気密性タンクを使用する。このような大型タンクは、大気圧に耐え得る機械的強度を必要とし、採血管内部だけでなくタンク内部全体を高速に排気可能な大容量の排気ポンプを必要とし、さらに可動部を有する栓体封止装置を気密に組み込まねばならないため、初期の設備投資が大きいばかりでなく、メンテナンスにも多大な費用を要するという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、以上の問題点を解決し、簡易でかつ小規模な設備による真空採血管の製造法及びこの製造法によって製造された真空採血管を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の真空採血管の製造法は、内部が所定の減圧度に維持され、針穴シール性及び/又はガスバリヤー性を有する栓体によって封止されている真空採血管の製造方法において、両端に開口部を有する管状容器を形成する第1の工程、大気圧下において、管状容器の一方の開口部を針穴シール性及び/又はガスバリヤー性を有する栓体によって封止する第2の工程、ならびに他方の開口部を排気装置に接続し、所定の減圧度に達するまで排気した後、該開口部を気密状態に閉塞する第3の工程からなることを特徴とする。
【0008】
本発明の製造方法では、真空採血管を製造するために、両端に開口部を有する管状容器が使用される。このような管状容器としては、例えば、図3(イ)〜(ニ)に示す形状の管状容器が挙げられ、一方の開口部は栓体で封止するために設けられ、他方の開口部は、真空採血管の内部を所定の減圧度に達するまで排気するために設けられる。上記管状容器のうち、22及び23は、試薬を内部に収容しないプレーン管か、あるいは内壁面に試薬を塗布するタイプに適する。
また、管状容器24及び25は、液状又はペースト状試薬を収容するタイプに適する。
【0009】
上記管状容器の材質としては、ガラスの他、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、変性天然樹脂等が利用可能であるが、優れたガスバリヤー性を有し、取り扱いが容易で再生利用、焼却処分が可能な点から熱可塑性樹脂の使用が好ましく、このような熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、非晶性ポリアミド、ポリ塩化ビニル又はこれらの変性物、共重合物等が好適に用いられる。
【0010】
本発明の製造方法の第1工程において、上記管状容器の製造方法は特に限定されず、例えば、押出成形、射出成形、注型成形等により製造することができる。
【0011】
本発明の製造方法の第2工程において、上記管状容器の一方の開口部を針穴シール性及び/又はガスバリヤー性を有する栓体によって封止する。
上記管状容器の開口部を封止するための栓体として、例えば、天然ゴム、ブチルゴム製等のゴム栓;ガスバリヤー性のシートにゴム栓を積層したシート状栓体などが適宜用いられる。上記シート状栓体としては、例えば、20〜50μm厚のアルミニウムシートと、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂シートとの積層シートに、天然ゴム又はブチルゴム製ゴム栓を接合したものが挙げられる。上記積層シートとゴム栓との接合は、接着、熱融着等、従来公知の方法によって行なわれる。
【0012】
上記ゴム栓による開口部の封止には、プレス板によりゴム栓を押圧して嵌合する方法が採用される。また、シート状栓体による開口部の封止には、加熱プレート、高周波誘導加熱、超音波シール等による熱融着;ホットメルト接着剤による接着等、従来公知の方法が用いられる。
【0013】
本発明の製造方法の第3工程において、他方の開口部を排気装置に接続し、所定の減圧度に達するまで排気した後、該開口部を気密状態に閉塞する。
【0014】
上記排気装置としては、従来公知の、真空ポンプ、ピストンシリンダー等が用いられる。図4(イ)及び(ロ)に示すように、上記排気装置を他方の開口部36又は37に接続して、所定の減圧度に達するまで排気する。次いで、管状容器の減圧度を保った状態で、該開口部36又は37を気密状態に閉塞する。
【0015】
他方の開口部36を閉塞する方法としては、図5(イ)に示すように、加熱プレート、高周波誘導加熱、超音波シール等で熱溶融させた後開口部36又は37を機械的に押し潰して閉塞する方法が挙げられる。また、他方の開口部37を閉塞する方法としては、図5(ロ)に示すように、開口部37に溶融した熱可塑性樹脂を注入して閉塞する方法が挙げられる。
【0016】
いずれの閉塞方法においても、開口部の閉塞を容易にするために、開口部の径は、管状容器本体の径より小さくしておくことが好ましい。また、閉塞後に残る余分な部分は、切断、グラインダー研磨等によって後仕上げすることが好ましい。管状容器内へ試薬類を収納する場合は、両開口部が封止又は閉塞される前のいずれの段階で行ってもよい。
【0017】
【作用】
本発明の真空採血管の製造方法では、針穴シール性及び/又はガスバリヤー性を有する栓体による封止は大気圧下で行い、管内部を所定の減圧度にする際に、個々の真空採血管から直接排気するので、栓体封止装置を気密性のタンク内に収納する必要がなく、栓体封止装置の設計の自由度が大きくなる。
さらに、管状容器1本毎に管状容器内部の減圧度を管理することが可能になるため、品質管理の精度が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
(実施例1)
図3(イ)に示す、ポリエチレンテレフタレート製の管状容器22を押出成形により成形した。次いで、図4(イ)に示すように、一方の開口部32を、ブチルゴム製栓体42によって大気圧下で封止した後、他方の開口部36に接続アダプター45を嵌合し、真空ポンプを稼働させて管状容器22内を排気した。さらに、図5(イ)に示すように、管状容器22内を排気状態に保ったまま、他方の開口部36を周囲から高周波誘導加熱板45により溶融し、管状容器22周面を圧縮することによって、開口部36を押潰して閉塞した。次に、接続アダプター45を離脱した後、閉塞部を後仕上げすることにより、一方の開口部32がゴム栓42によって封止され、他方の開口部36が気密状態に閉塞された真空採血管を得た。
【0019】
(実施例2)
図3(ロ)に示す、ポリエチレンテレフタレート製の、一方にフランジ付開口部33を有し、他方に径小の開口部37を有する管状容器23を射出成形により成形した。次いで、図4(ロ)に示すように、一方の開口部33にシート状栓体(アルミニウムラミネート樹脂シートに天然ゴム栓を接合したもの)を接着して開口部33を封止した後、径小の開口部37にピストンシリンダーを接続して管状容器23内を排気した。さらに、図5(ロ)に示すように、管状容器23内を排気状態に保ったまま、径小の開口部37に金属製ノズル44を挿入し、該ノズル44から溶融樹脂を注入した後、ノズル44を除去して溶融樹脂を固化させ、開口部37を閉塞した。次に、閉塞部を後仕上げすることにより、一方の開口部33がシート状栓体で封止され、他方の開口部37が樹脂で閉塞された真空採血管を得た。
【0020】
【発明の効果】
本発明の真空採血管の製造法は、上述した通りであり、個々の管状容器について、栓体封止、排気(減圧)及び閉塞処理を等の一連の製造工程を、連続して実施することができるので、真空採血管の製造効率を大幅に高めることができ、品質管理精度が向上させることができる。また、簡便でかつ小規模な設備によって真空採血管を製造できると共に、生産量が増加した場合でも、製造設備を並列増設すればよいので、初期投資、メンテナンス等の費用が大幅に軽減される。
さらに、上記製造工程を、大気圧下で行なうことができるので、製造装置を気密性のタンク内に収納する必要がなく、製造装置を自由に設計、選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空採血管の1例を示す斜視図である。
【図2】真空採血管の他の1例を示す斜視図である。
【図3】同図(イ)、同図(ロ)、同図(ハ)及び同図(ニ)は、本発明で用いられる管状容器を示す斜視図である。
【図4】同図(イ)は、管状容器を真空ポンプに接続して排気する方法を示す模式図であり、同図(ロ)は、管状容器をピストンシリンダーに接続して排気する方法を示す模式図である。
【図5】同図(イ)は、管状容器の他方の開口部を閉塞する方法を示す模式図であり、同図(ロ)は、管状容器の他方の開口部に溶融樹脂を注入して閉塞する方法を示す模式図である。
【符号の説明】
20,21 真空採血管
22,23,24,25 管状容器
32,33,34,35 一方の開口部
36,37,38,39 他方の開口部
40,41,42,43 栓体
44 ノズル
45 接続アダプター
46 高周波加熱板
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液を採取するために用いられる真空採血管の製造方法及びこの製造方法によって得られる真空採血管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、臨床検査技術の進歩に伴って、血清生化学検査、血清免疫検査、血球検査などの血液検査が広く普及し、病気の予防や早期診断等に大きく貢献している。最近では、血液検査に供する検体(血液サンプル)を採血するために、真空採血管が汎用されている。
【0003】
典型的な真空採血管は、図1に示すように、ガラス又はポリエチレンテレフタレート等で予め成形された有底の管状容器20の開口部30を、天然ゴム、ブチルゴム等の針穴シール性を有するゴム栓体40で封止したものが挙げられる。
真空採血管内部の減圧度は、採血量に見合う値に設定されているが、製造工程上は、トレーに配置した未封止の有底の管状容器とゴム栓体とを一緒に気密性タンク内に収容し、タンク内部を所定の減圧度に排気した状態で開口部にゴム栓体を挿入し、プレス封止する方法が通常行なわれている。
【0004】
他の真空採血管の例としては、図2に示すように、有底の管状容器21の開口部31が、ゴム栓体に代えて、例えば、アルミニウムのようなガスバリヤー性を有する部材を含む積層シートと針穴シール性を有するゴム小片とを接着したシート状栓体によって封止されているものが挙げられる。
この場合でも、未封止の有底の管状容器とシート状栓体とを一緒に気密性タンク内に収容し、タンク内部を所定の減圧度に排気した状態で開口部にシート状栓体を供給し、熱融着又は接着によって封止する方法が行なわれている。
【0005】
しかしながら、上記の製造方法では、▲1▼多数の有底管状容器、▲2▼多数の栓体、及び▲3▼減圧下で栓体を容器の開口部に供給し封止する装置全体、を収容可能な大型の気密性タンクを使用する。このような大型タンクは、大気圧に耐え得る機械的強度を必要とし、採血管内部だけでなくタンク内部全体を高速に排気可能な大容量の排気ポンプを必要とし、さらに可動部を有する栓体封止装置を気密に組み込まねばならないため、初期の設備投資が大きいばかりでなく、メンテナンスにも多大な費用を要するという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、以上の問題点を解決し、簡易でかつ小規模な設備による真空採血管の製造法及びこの製造法によって製造された真空採血管を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の真空採血管の製造法は、内部が所定の減圧度に維持され、針穴シール性及び/又はガスバリヤー性を有する栓体によって封止されている真空採血管の製造方法において、両端に開口部を有する管状容器を形成する第1の工程、大気圧下において、管状容器の一方の開口部を針穴シール性及び/又はガスバリヤー性を有する栓体によって封止する第2の工程、ならびに他方の開口部を排気装置に接続し、所定の減圧度に達するまで排気した後、該開口部を気密状態に閉塞する第3の工程からなることを特徴とする。
【0008】
本発明の製造方法では、真空採血管を製造するために、両端に開口部を有する管状容器が使用される。このような管状容器としては、例えば、図3(イ)〜(ニ)に示す形状の管状容器が挙げられ、一方の開口部は栓体で封止するために設けられ、他方の開口部は、真空採血管の内部を所定の減圧度に達するまで排気するために設けられる。上記管状容器のうち、22及び23は、試薬を内部に収容しないプレーン管か、あるいは内壁面に試薬を塗布するタイプに適する。
また、管状容器24及び25は、液状又はペースト状試薬を収容するタイプに適する。
【0009】
上記管状容器の材質としては、ガラスの他、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、変性天然樹脂等が利用可能であるが、優れたガスバリヤー性を有し、取り扱いが容易で再生利用、焼却処分が可能な点から熱可塑性樹脂の使用が好ましく、このような熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、非晶性ポリアミド、ポリ塩化ビニル又はこれらの変性物、共重合物等が好適に用いられる。
【0010】
本発明の製造方法の第1工程において、上記管状容器の製造方法は特に限定されず、例えば、押出成形、射出成形、注型成形等により製造することができる。
【0011】
本発明の製造方法の第2工程において、上記管状容器の一方の開口部を針穴シール性及び/又はガスバリヤー性を有する栓体によって封止する。
上記管状容器の開口部を封止するための栓体として、例えば、天然ゴム、ブチルゴム製等のゴム栓;ガスバリヤー性のシートにゴム栓を積層したシート状栓体などが適宜用いられる。上記シート状栓体としては、例えば、20〜50μm厚のアルミニウムシートと、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂シートとの積層シートに、天然ゴム又はブチルゴム製ゴム栓を接合したものが挙げられる。上記積層シートとゴム栓との接合は、接着、熱融着等、従来公知の方法によって行なわれる。
【0012】
上記ゴム栓による開口部の封止には、プレス板によりゴム栓を押圧して嵌合する方法が採用される。また、シート状栓体による開口部の封止には、加熱プレート、高周波誘導加熱、超音波シール等による熱融着;ホットメルト接着剤による接着等、従来公知の方法が用いられる。
【0013】
本発明の製造方法の第3工程において、他方の開口部を排気装置に接続し、所定の減圧度に達するまで排気した後、該開口部を気密状態に閉塞する。
【0014】
上記排気装置としては、従来公知の、真空ポンプ、ピストンシリンダー等が用いられる。図4(イ)及び(ロ)に示すように、上記排気装置を他方の開口部36又は37に接続して、所定の減圧度に達するまで排気する。次いで、管状容器の減圧度を保った状態で、該開口部36又は37を気密状態に閉塞する。
【0015】
他方の開口部36を閉塞する方法としては、図5(イ)に示すように、加熱プレート、高周波誘導加熱、超音波シール等で熱溶融させた後開口部36又は37を機械的に押し潰して閉塞する方法が挙げられる。また、他方の開口部37を閉塞する方法としては、図5(ロ)に示すように、開口部37に溶融した熱可塑性樹脂を注入して閉塞する方法が挙げられる。
【0016】
いずれの閉塞方法においても、開口部の閉塞を容易にするために、開口部の径は、管状容器本体の径より小さくしておくことが好ましい。また、閉塞後に残る余分な部分は、切断、グラインダー研磨等によって後仕上げすることが好ましい。管状容器内へ試薬類を収納する場合は、両開口部が封止又は閉塞される前のいずれの段階で行ってもよい。
【0017】
【作用】
本発明の真空採血管の製造方法では、針穴シール性及び/又はガスバリヤー性を有する栓体による封止は大気圧下で行い、管内部を所定の減圧度にする際に、個々の真空採血管から直接排気するので、栓体封止装置を気密性のタンク内に収納する必要がなく、栓体封止装置の設計の自由度が大きくなる。
さらに、管状容器1本毎に管状容器内部の減圧度を管理することが可能になるため、品質管理の精度が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
(実施例1)
図3(イ)に示す、ポリエチレンテレフタレート製の管状容器22を押出成形により成形した。次いで、図4(イ)に示すように、一方の開口部32を、ブチルゴム製栓体42によって大気圧下で封止した後、他方の開口部36に接続アダプター45を嵌合し、真空ポンプを稼働させて管状容器22内を排気した。さらに、図5(イ)に示すように、管状容器22内を排気状態に保ったまま、他方の開口部36を周囲から高周波誘導加熱板45により溶融し、管状容器22周面を圧縮することによって、開口部36を押潰して閉塞した。次に、接続アダプター45を離脱した後、閉塞部を後仕上げすることにより、一方の開口部32がゴム栓42によって封止され、他方の開口部36が気密状態に閉塞された真空採血管を得た。
【0019】
(実施例2)
図3(ロ)に示す、ポリエチレンテレフタレート製の、一方にフランジ付開口部33を有し、他方に径小の開口部37を有する管状容器23を射出成形により成形した。次いで、図4(ロ)に示すように、一方の開口部33にシート状栓体(アルミニウムラミネート樹脂シートに天然ゴム栓を接合したもの)を接着して開口部33を封止した後、径小の開口部37にピストンシリンダーを接続して管状容器23内を排気した。さらに、図5(ロ)に示すように、管状容器23内を排気状態に保ったまま、径小の開口部37に金属製ノズル44を挿入し、該ノズル44から溶融樹脂を注入した後、ノズル44を除去して溶融樹脂を固化させ、開口部37を閉塞した。次に、閉塞部を後仕上げすることにより、一方の開口部33がシート状栓体で封止され、他方の開口部37が樹脂で閉塞された真空採血管を得た。
【0020】
【発明の効果】
本発明の真空採血管の製造法は、上述した通りであり、個々の管状容器について、栓体封止、排気(減圧)及び閉塞処理を等の一連の製造工程を、連続して実施することができるので、真空採血管の製造効率を大幅に高めることができ、品質管理精度が向上させることができる。また、簡便でかつ小規模な設備によって真空採血管を製造できると共に、生産量が増加した場合でも、製造設備を並列増設すればよいので、初期投資、メンテナンス等の費用が大幅に軽減される。
さらに、上記製造工程を、大気圧下で行なうことができるので、製造装置を気密性のタンク内に収納する必要がなく、製造装置を自由に設計、選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空採血管の1例を示す斜視図である。
【図2】真空採血管の他の1例を示す斜視図である。
【図3】同図(イ)、同図(ロ)、同図(ハ)及び同図(ニ)は、本発明で用いられる管状容器を示す斜視図である。
【図4】同図(イ)は、管状容器を真空ポンプに接続して排気する方法を示す模式図であり、同図(ロ)は、管状容器をピストンシリンダーに接続して排気する方法を示す模式図である。
【図5】同図(イ)は、管状容器の他方の開口部を閉塞する方法を示す模式図であり、同図(ロ)は、管状容器の他方の開口部に溶融樹脂を注入して閉塞する方法を示す模式図である。
【符号の説明】
20,21 真空採血管
22,23,24,25 管状容器
32,33,34,35 一方の開口部
36,37,38,39 他方の開口部
40,41,42,43 栓体
44 ノズル
45 接続アダプター
46 高周波加熱板
Claims (2)
- 内部が所定の減圧度に維持され、針穴シール性及び/又はガスバリヤー性を有する栓体によって封止されている真空採血管の製造方法において、両端に開口部を有する管状容器を形成する第1の工程、大気圧下において、管状容器の一方の開口部を針穴シール性及び/又はガスバリヤー性を有する栓体によって封止する第2の工程、ならびに他方の開口部を排気装置に接続し、所定の減圧度に達するまで排気した後、該開口部を気密状態に閉塞する第3の工程からなることを特徴とする真空採血管の製造方法。
- 請求項1記載の製造方法によって得られる真空採血管。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22849596A JP3652024B2 (ja) | 1996-08-29 | 1996-08-29 | 真空採血管の製造方法及び真空採血管 |
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JP22849596A JP3652024B2 (ja) | 1996-08-29 | 1996-08-29 | 真空採血管の製造方法及び真空採血管 |
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Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH01130310U (ja) * | 1988-02-25 | 1989-09-05 | ||
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JPH04348743A (ja) * | 1990-10-02 | 1992-12-03 | Daiichi Kogyo Kk | 採血管自動脱気装置 |
JPH06114040A (ja) * | 1992-09-24 | 1994-04-26 | Keiryu Sha | 採血容器の減圧法とその装置 |
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1996
- 1996-08-29 JP JP22849596A patent/JP3652024B2/ja not_active Expired - Fee Related
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