JP3651290B2 - 楽音信号形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ノイズなどの不規則信号を用いて楽音信号を形成または加工する楽音信号形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ノイズなどの不規則信号を用いて楽音信号に変化をつけるようにした楽音信号形成装置が提案されている。たとえば、ノイズでビブラート信号や楽音の振幅を変調して楽音にゆらぎを与える楽音信号形成装置やノイズを励振信号として用いる物理モデル型の楽音信号形成装置などである。
【0003】
このような楽音信号形成装置で和音を演奏するとき、和音を構成する各音に用いるノイズ信号の位相がそろった場合には、和音構成音各々の独立性が低くなって1つのぶ厚い音に聞こえてしまうため、和音に聞こえない場合が少なくなかった。
【0004】
このため、一般的に、楽音に用いるノイズ信号をフリーランさせどのチャンネルでもどのタイミングでもノイズの位相が同じにならないようにすることによって形成される各楽音のゆらぎ方を異ならせ、和音を演奏した場合にも各音が分離して聞こえるようにし、コーラス感のある豊かな和音を得るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の方式では、各楽音が常に異なる位相のノイズによって変調を受けて発音されるため、同じ音でも発音する毎に違う音色のように聞こえてしまう欠点があった。
【0006】
とくに、連打して演奏する場合には発音の度にニュアンスの異なる音色が出るのが目立つ。特にチェンバロなどの減衰系の音では、その影響が顕著であり、楽音に安定感や統一感がなくなってしまう欠点があった。
【0007】
この発明は、音色など楽音発音の条件に応じてその楽音に用いるノイズなどの不規則信号の波形を変更することにより、上記発音条件に適した音色を得ることができる楽音信号形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この出願の請求項1の発明は、定型であるが周期性のない信号列であるノイズ信号を発生しリセットすることにより前記信号列の先頭から信号形成を再開するノイズ信号発生手段と、該ノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号を用いて楽音信号を形成または加工する楽音信号形成手段と、前記楽音信号形成手段が特定の音色の楽音信号を形成するとき該楽音信号の形成開始時に前記ノイズ信号発生手段をリセットするリセット手段と、を備えたたことを特徴とする。
【0009】
この出願の請求項2の発明は、前記ノイズ信号発生手段、楽音信号形成手段およびリセット手段の系統を複数設け、各系統のノイズ信号発生手段がそれぞれ異なる信号列のノイズ信号を発生することを特徴とする。
【0010】
この出願の請求項3の発明は、ノイズ信号を用いて楽音信号を形成または加工する楽音信号形成手段と、定型であるが周期性のない信号列であるノイズ信号を発生しリセットすることにより前記信号列の先頭から信号形成を再開するノイズ信号発生手段と、該ノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号を入力してこれを遅延する遅延手段と、前記楽音信号形成手段が楽音信号の形成を開始するとき前記ノイズ信号発生手段をリセットして該ノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号を該楽音信号形成手段に直接供給するリセット手段と、前記楽音信号形成手段が楽音信号の形成を開始してから一定時間経過したとき該楽音信号形成手段に供給するノイズ信号を前記遅延手段が遅延したノイズ信号に切り換える切換手段と、を設けたことを特徴とする。
【0012】
この出願の請求項の発明は、定型であるが周期性のない信号列であるノイズ信号を発生し、リセットすることにより前記信号列の先頭から信号形成を再開するノイズ信号発生手段であって、それぞれ異なる号列ノイズ信号を発生するものを複数備えるとともに、該ノイズ信号を用いて楽音信号を形成または加工する楽音信号形成手段と、該楽音信号形成手段が楽音信号の形成を開始したとき特定のノイズ信号発生手段をリセットして該特定のノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号を該楽音信号形成手段に供給するリセット手段と、前記楽音信号形成手段が楽音信号の形成を開始してから一定時間経過したとき該楽音信号形成手段に供給するノイズ信号を前記特定のノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号から他の任意のノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号に切り換える切換手段と、を設けたことを特徴とする。
【0013】
この出願の請求項の発明は、前記切換手段を、前記楽音信号形成手段に供給するノイズ信号を前記特定のノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号から前記他の任意のノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号へ滑らかにクロスフェードさせるクロスフェード手段としたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の実施形態である楽音信号形成装置(電子楽器)のブロック図である。この実施形態は上記請求項1,請求項3および請求項4の発明に対応している。
楽音合成部10には複数チャンネル(nチャンネル)の楽音形成チャンネル11が設けられている。これら楽音形成チャンネル11−1〜11−nが形成した楽音信号は出力合成部12で合成されたのち外部に出力される。楽音形成チャンネル11は、ハードウェア,ソフトウェアのいずれで実現してもよく、倍音合成型音源、波形メモリ型音源、物理モデル音源などどのような形式で楽音信号を形成するタイプの音源でもよい。また、後述のノイズ信号を楽音信号形成プロセスのどの段階でどのように用いるかは自由である。たとえば、物理モデル音源の物理モデルの励振信号などのように楽音信号の形成に直接寄与する信号として用いることができ、また、ビブラートなどの効果を制御する信号などのように楽音信号の加工用の信号として用いることもできる。
【0015】
各楽音形成チャンネル11の動作を制御するため、楽音合成部10には発音制御部13が接続されている。発音制御部13には演奏操作子14および設定操作子15が接続されている。演奏操作子14は鍵盤などで構成されており、演奏者がこれを操作することによって楽音の発音/消音や音量などがコントロールされる。また、設定操作子15は音色などを設定するための操作子である。
【0016】
各楽音形成チャンネル11には、移相器17−1〜17−nを介してノイズ信号発生部16が発生したノイズ信号が入力される。
【0017】
図2はノイズ信号発生部16の構成を示す図である。ノイズ信号発生部16は、r段の1ビットシフトレジスタ20、排他的論理和演算を実行する論理演算器21およびシリアルのビット列をパラレルデータに変換するシリアル/パラレル変換器22で構成されている。シフトレジスタ20の各レジスタ20−1〜20−rにはクロック信号線およびリセットデータ線が接続されている。リセットデータ線からはこのシフトレジスタの各レジスタのリセット値(初期値)であるrビットの値が入力される。そしてクロックパルスが入力される毎にレジスタ20−1〜20−rの内容が次のレジスタにシフトされてゆき、レジスタ20−rにあったデータがそのときの出力としてシリアル/パラレル変換器22に出力される。このときこの出力データ(1/0)と途中のレジスタから取り出されたデータ(1/0)が論理演算器21において排他的論理和演算され、その結果がレジスタ20−1の入力とする。リセット時にセットされるリセット値と途中データを取り出すレジスタの位置によりレジスタ20rからは種々の配列のビット列が出力される。シリアル/パラレル変換器22はこのビット列を所定のビット数毎に切り取ってパラレルに変換しノイズ信号として出力する。何ビット毎にパラレルデータに変換するかは上記楽音形成チャンネルの処理ビット数に対応している。以上の構成でレジスタ20−rから出力されるビット列は2r −1の周期で繰り返す。したがって、パラレルデータに変換されたノイズ信号は(2r −1)/(データビット数)の周期で繰り返すことになるがシフトレジスタの段数rを大きくとることでこの繰り返し周期が非常に長くなり十分にノイズ信号として使用することができる。なお、このノイズ信号発生部16は、電源投入時のイニシャライズ動作においてリセット値でリセットされ、その後クロック信号が継続して入力されるためフリーランするが、いつでもリセット値でリセットすることができ、この場合はまた最初からノイズ信号を発生する。
【0018】
図1において、ノイズ信号発生部16が発生したノイズ信号は、n個の移相器17−1〜17−nに入力される。移相器17は入力されたノイズ信号を遅延または加工して入力されたノイズ波形と異なるノイズ波形を出力する回路である。移相器17〜17−nはそれぞれ異なる遅延量または加工内容(以下、移相値という。)が設定される。したがって、移相器17−1〜17−nにはノイズ信号発生部16から同一のノイズ信号が出力されるが、これらから出力されるノイズ信号の波形はそれぞれ異なっている。
【0019】
このように、楽音形成チャンネル11−1〜11−nは、それぞれ異なる波形のノイズ信号を用いて楽音信号を形成するため、同時に楽音信号を形成しても波形(音色)が微妙に異なり、奥行きのある豊かな音色にすることができる。特に和音を発音した場合に各和音構成音が紛れてしまうことなくそれぞれが独立して聞こえるため非常に豊かな響きにすることができる。また、ノイズ信号発生部16は上述したようにフリーランしているため、同じ楽音形成チャンネルであっても発音するごとに毎回微妙に音色を異ならせることができる。
【0020】
しかし、発音する毎に音色が変わると不安定な印象になる音色があり、特に、この傾向はチェンバロなど減衰系の音色に顕著である。そこで、このような音色(減衰系の音色)が指定されている場合には、楽音信号形成スタート時にその楽音形成チャンネルに供給されるノイズ信号の波形を一定のものにして形成される音色の変化がないようにする。また、上記不安定さは発音開始時のみに感じられるものであり、発音してから一定時間が経過したのちは、やはり音色に変化があるほうが単調さがなくなり豊かな響きになるため、楽音信号形成スタート後一定時間が経過するとノイズ信号を個別に変化させるようにしている。
【0021】
図3のフローチャートを参照して上記発音制御部13の動作を説明する。装置の電源がオンされると、まずイニシャライズ動作を行う。このイニシャライズ動作のなかに図3(A)に示すノイズ信号発生部16(シフトレジスタ20)のリセット(s1)や全ての移相器17−1〜17−nにそれぞれ異なる個別の移相値を設定する(s2)動作も含まれている。こののち、この楽音信号形成装置は通常の動作モードにはいる。
【0022】
同図(B)は音色設定動作を示すフローチャートである。利用者が設定操作子15を操作して音色選択データを入力するとこの動作が実行される。まず、入力された音色選択データを音色レジスタに記憶し(s5)、この音色選択データを楽音合成部10に送信する(s6)。以後、楽音合成部10(各楽音形成チャンネル11−1〜11−n)はノートオンデータに基づいてこの音色の楽音信号を形成する。
【0023】
同図(C)はノートオン処理動作を示すフローチャートである。利用者が演奏操作子14を操作しノートオンデータが入力されるとこの動作が実行される。まず、このノートオンに応じた楽音信号を形成するために楽音形成チャンネルを割り当てる(s11)。そしてこの楽音形成チャンネル11に対して前記ノートオンデータを含む演奏データを送信する(s12)。このデータを受信した楽音形成チャンネルは短時間のセットアップ処理ののち楽音信号の形成をスタートする。発音制御部13は現在設定されている音色を確認し(s13)、減衰系の音色であるか否かを判断する(s14)。減衰系の音色でない場合すなわち持続系の音色であればノイズ信号の波形が異なることによる音色の違いがそれほど目立たないためそのままリターンする(s14)。減衰系の音色であればノイズ信号発生部16のシフトレジスタ20をリセットしてノイズ信号を先頭から発生させる(s15)。そして上記割り当てられた楽音形成チャンネルに対応する移相器17の移相値をクリアする(s16)。これらの動作は短時間で行われ、上記楽音信号の形成スタートとほぼ同時に、リセットされたノイズ信号を楽音形成チャンネルにち入力することができる。これにより、減衰系の音色の場合には、楽音信号形成スタート時のノイズ信号の波形を常時同じにすることができる。そして、発音開始から一定時間を経過するのを待って(s17)、この楽音形成チャンネルに個別に決められている移相値を設定する(s18)。これにより、同時に複数の楽音が発音されても既に発音されている楽音があってもそれらに供給されるノイズが全て個別のものとなる。なお、上記一定時間は楽音のアタック部が終了する程度の時間で十分であり、楽音信号波形の1〜4周期分程度でよい。
【0024】
なお、このフローチャートは1つの楽音形成チャンネルに対応する動作のみ示したフローチャートであるが複数の楽音形成チャンネルが並行して楽音信号を形成する場合には、各楽音形成チャンネルに対応してこの動作が複数並行に実行されるものとする。
【0025】
これにより、図4に示すように同時に複数の楽音が発音される場合、最初の一定時間は同じ波形のリセットされた移相値0のノイズ信号を用いて発音されるが、一定時間が経過するとそれぞれ異なる移相値が設定されて異なるノイズ信号を用いて発音されるようになり、和音の場合には響きが豊かになる。また、こののち新たな楽音が発音される場合、この楽音も最初はリセットされた移相値0のノイズ信号を用いて発音されるが、既に発音されている楽音が用いているノイズ波形は既に個別のものであるため、響きが単調になることがない。
【0026】
なお、楽音が発音される毎にノイズ信号発生部16がリセットされノイズ信号を最初から発生し始め、また、発音から一定時間経過するとその楽音形成チャンネルの移相器17に移相値がセットされ入力されたノイズ信号の遅延や加工を開始し、いずれの場合も楽音形成チャンネルに入力されるノイズ信号が不連続になるが、もとよりノイズ信号であるためこの不連続性が楽音信号の形成に影響を与えることはない。
【0027】
また、上記実施形態では、1つのノイズ信号発生部16が発生したノイズ信号を移相器17で処理して異なる波形にして各楽音形成チャンネルに供給するようにしているが、各楽音形成チャンネル毎に個別のノイズ信号発生部を設けるようにしてもよい。
各楽音形成チャンネル毎に個別のノイズ信号発生部を設けた実施形態を図5に示す。この実施形態は上記請求項2の発明に対応している。
【0028】
各楽音形成チャンネル11−1〜11−nにはそれぞれ個別のノイズ信号発生部25−1〜25−nが接続されている。各ノイズ信号発生部25−1〜25−nは上記図2のものと同じ構成であるが、リセット時にセットされるリセット値や論理演算器21に接続されるレジスタの段などを変えることによりそれぞれ異なるノイズ信号を発生することができる。また、ノイズ信号発生部のリセットは発音制御部13が行うが、各ノイズ信号発生部25−1〜25−nをリセットするリセット値を各チャンネル毎に固定せず、音色など各種設定状態に応じてリセット値を選択することにより演奏態様に応じた柔軟な対応が可能になる。また、このノイズ信号発生部をDSPなどでソフト的に実現する場合には論理演算器21に値を出力するレジスタの段も変更可能であり、各ノイズ信号発生部をどのような構成にもすることができる。
【0029】
この構成の楽音信号形成装置のノートオン時の一般的な動作を図6に示す。利用者が演奏操作子14を操作しノートオンデータが入力されると、このノートオンに応じた楽音信号を形成するために楽音形成チャンネルを割り当てる(s21)。そしてこの楽音形成チャンネル11に対して前記ノートオンデータを含む演奏データを送信する(s22)。そして現在設定されている音色を確認し(s23)、減衰系の音色でない場合にはノイズ信号の波形が異なることによる音色の違いがそれほど目立たないためそのままリターンする(s24)。減衰系の音色であれば、s21で割り当てられた楽音形成チャンネルに対応するノイズ信号発生部25を所定のリセット値でリセットしてノイズ信号を先頭から発生させる(s25)。このリセット値は上述したように、該チャンネルに個別のものでもよく、また、設定されている音色に対応するものでもよい。
【0030】
なお、このフローチャートは1つの楽音形成チャンネルに対応する動作のみ示したフローチャートであるが複数の楽音形成チャンネルが並行して楽音信号を形成する場合には、各楽音形成チャンネルに対応してこの動作が複数並行に実行されるものとする。
【0031】
図7はこの発明の他の実施形態を示す図である。この実施形態は上記請求項5および請求項6の発明に対応している。
この実施形態の楽音信号形成装置は、m個のノイズ信号発生部26−1〜26−mを備え、これらノイズ信号発生部群26が発生したm種類のノイズ信号はセレクタ・フェーダ群27に供給される。セレクタ・フェーダ群27はn個のセレクタ・フェーダ27−1〜27−nを備え、それぞれ対応する楽音形成チャンネル11−1〜11−nに接続さている。各セレクタ・フェーダ27−1〜27−nはm種類のノイズ信号のうち1つまたは2つのノイズ信号を入力し、このノイズ信号を対応する楽音形成チャンネルに入力する。すなわち、セレクタ・フェーダはm種類のノイズ信号のうち1つを選択してそれを対応する楽音形成チャンネルに入力することができるとともに、図8に示すようにあるノイズ信号から他のノイズ信号へクロスフェードして切り換えることができる。各セレクタ・フェーダ27はどのノイズ信号を選択することもできるが、この選択制御およびノイズ信号発生部26のリセットは発音制御部13が行う。
【0032】
図9は上記楽音信号形成装置のノートオン時の処理動作を示すフローチャートである。利用者が演奏操作子14の操作によりオンデータが入力されると、このに対して楽音形成チャンネルを割り当て(s31)、割り当てた楽音形成チャンネル11に対して前記ノートオンデータを含む演奏データを送信する(s32)。現在設定されている音色を確認し(s33)、減衰系の音色でない場合にはそのままリターンする(s34)。減衰系の音色であれば、この音色に対応するノイズ信号(ノイズ信号発生部)を検索し、このノイズ信号を上記割当楽音形成チャンネルに対応するセレクタ・フェーダ27でセレクトする(s35)。そしてこのノイズ信号を発生するノイズ信号発生部をリセットしてノイズ信号を先頭から発生させる(s36)。s36の処理が終了するのと楽音形成チャンネルが楽音信号の形成をスタートするのとはほぼ同時である。そして、発音開始から一定時間を経過するのを待って(s37)、他の楽音形成チャンネルが使用していないノイズ信号を検索し(s38)。現在セレクトしているノイズ信号からこのノイズ信号へクロスフェードする(s39)。これにより、発音当初はどの楽音も同じノイズを用い一定時間経過後はそれぞれ異なるノイズを用いることができる。なお、上記一定時間、すなわち、クロスフェードまでのディレイタイムXFDLYは楽音のアタック部が終了する程度の時間で十分であり、楽音信号波形の1〜4周期分程度でよい。また、クロスフェードに要する時間であるクロスフェードタイムXFTMは音色,音高,イニシャルタッチなどにより適宜決定すればよい。
【0033】
なお、このフローチャートは1つの楽音形成チャンネルに対応する動作のみ示したフローチャートであるが複数の楽音形成チャンネルが並行して楽音信号を形成する場合には、各楽音形成チャンネルに対応してこの動作が複数並行に実行されるものとする。
【0034】
なお、この第3の実施形態において、s35で選択される音色に対応するノイズ信号を発生するノイズ信号発生部が請求項5の第1の不規則信号発生手段に対応し、その他のノイズ信号発生部が請求項5の第2の不規則信号発生手段に対応する。
【0035】
上記実施形態において、楽音合成部10は、電子楽器に搭載されている音源の全体を表すものとして解釈しても、複数チャンネルの組み合わせ音色に用いられるチャンネルグループとして解釈してもよい。
【0036】
また、ノイズ信号発生部の構成は図2に示すものに限定されない。さらに、本願発明の不規則信号はノイズ信号の限定されるものではなく、たとえば、カオス波形を用いることもできる。
【0037】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ノイズ信号によって音色に変化をつけることができるうえ、発音毎に音色が変わると不都合な減衰系音色など特定の音色の楽音信号を形成する場合にはノイズ信号をリセットすることにより毎回同じノイズ信号を用いて楽音信号を形成することができるため、特定音色の楽音信号を形成する場合でもノイズ信号を用いて音色に時間的変化をつけつつ発音毎に音色が変わって聞こえることが無くなる。
【0038】
請求項2の発明によれば、複数の楽音信号形成系統でそれぞれ異なるノイズ信号を発生させたことにより、和音発音時など同時に複数の楽音信号を形成する場合に各楽音の音色変化(ゆらぎなど)を異ならせることができ、奥行きのある豊かな響きを実現することができる。且つ、この場合でも各個別の楽音信号は同じノイズ信号を用いて形成されるため不安定な印象を与えることがない。
【0039】
請求項3の発明によれば、発音毎に音色が変わったとき最も聴取者に不安定感を与える発音開始直後の楽音信号のみ一定のノイズ信号で形成し、その後は遅延手段で遅延されたノイズ信号を用いて楽音信号を形成するため、不安定感を無くし、且つ、楽音に変化をつけることができる。また、1つのノイズ信号(ノイズ信号発生手段)で複数の楽音信号を形成する場合でも各遅延手段の遅延量を異ならせることにより、多様な音色変化を実現することができ、簡略な構成で豊かな響きを実現することができる。
【0041】
請求項の発明によれば、発音開始直後のみ特定のノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号を用いて楽音信号を形成し、その後は複数のノイズ信号発生手段のうち任意のものが発生するノイズ信号に切り換えて楽音信号を形成するようにしたことにより、発音開始直後の不安定感を無くすことができるとともに、発音継続中の音色を多様に変化させることができる。
【0042】
請求項6の発明によれば、上記切り換えを滑らかにクロスフェードで行うようにしたことにより、発音開始直後の毎回同じ音色変化から毎回異なる多様な音色変化への移行を滑らかにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である楽音信号形成装置のブロック図
【図2】同楽音信号形成装置のノイズ信号発生部の構成を示す図
【図3】同楽音信号形成装置の発音制御部の動作を示すフローチャート
【図4】同楽音信号形成装置の移相器の移相値切換方式を説明する図
【図5】この発明の第2の実施形態である楽音信号形成装置のブロック図
【図6】同楽音信号形成装置の発音制御部の動作を示すフローチャート
【図7】この発明の第3の実施形態である楽音信号形成装置のブロック図
【図8】同楽音信号形成装置におけるクロスフェードの方式を説明する図
【図9】同楽音信号形成装置の発音制御部の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
11−1〜11−n…楽音形成チャンネル(楽音信号形成手段)、
13…発音制御部、
16,25−1〜25−n,26−1〜26−m…ノイズ信号発生部(不規則信号発生手段)、
17−1〜17−n…移相器(変形手段)、
27−1〜27−n…セレクタ・フェーダ

Claims (5)

  1. 定型であるが周期性のない信号列であるノイズ信号を発生し、リセットすることにより前記信号列の先頭から信号形成を再開するノイズ信号発生手段と、
    該ノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号を用いて楽音信号を形成または加工する楽音信号形成手段と、
    前記楽音信号形成手段が特定の音色の楽音信号を形成するとき、該楽音信号の形成開始時に前記ノイズ信号発生手段をリセットするリセット手段と、
    を備えたたことを特徴とする楽音信号形成装置。
  2. 前記請求項1に記載のノイズ信号発生手段、楽音信号形成手段およびリセット手段の系統を複数設け、各系統のノイズ信号発生手段がそれぞれ異なる信号列のノイズ信号を発生することを特徴とする楽音信号形成装置。
  3. ノイズ信号を用いて楽音信号を形成または加工する楽音信号形成手段と、
    定型であるが周期性のない信号列であるノイズ信号を発生し、リセットすることにより前記信号列の先頭から信号形成を再開するノイズ信号発生手段と、
    該ノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号を入力してこれを遅延する遅延手段と、
    前記楽音信号形成手段が楽音信号の形成を開始するとき、前記ノイズ信号発生手段をリセットして該ノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号を該楽音信号形成手段に直接供給するリセット手段と、
    前記楽音信号形成手段が楽音信号の形成を開始してから一定時間経過したとき、該楽音信号形成手段に供給するノイズ信号を前記遅延手段が遅延したノイズ信号に切り換える切換手段と、
    を設けたことを特徴とする楽音信号形成装置。
  4. 定型であるが周期性のない信号列であるノイズ信号を発生し、リセットすることにより前記信号列の先頭から信号形成を再開するノイズ信号発生手段であって、それぞれ異なる号列ノイズ信号を発生するものを複数備えるとともに、
    該ノイズ信号を用いて楽音信号を形成または加工する楽音信号形成手段と、
    該楽音信号形成手段が楽音信号の形成を開始したとき、特定のノイズ信号発生手段をリセットして該特定のノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号を該楽音信号形成手段に供給するリセット手段と、
    前記楽音信号形成手段が楽音信号の形成を開始してから一定時間経過したとき、該楽音信号形成手段に供給するノイズ信号を、前記特定のノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号から他の任意のノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号に切り換える切換手段と、
    を設けたことを特徴とする楽音信号形成装置。
  5. 前記切換手段は、前記楽音信号形成手段に供給するノイズ信号を前記特定のノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号から前記他の任意のノイズ信号発生手段が発生するノイズ信号へ滑らかにクロスフェードさせるクロスフェード手段である請求項に記載の楽音信号形成装置。
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