JP3650954B2 - 高速用非接触型メカニカルシール - Google Patents

高速用非接触型メカニカルシール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は回転環を用いたメカニカルシールに関し、特に、高速用気体用端面型非接触シールに用いられる、回転環を用いた高速用非接触型メカニカルシールに関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
高速用気体用端面型非接触シールに用いられる回転環は、主として炭化タングステン、炭化珪素、窒化珪素等の硬質セラミック材料から構成され、加工や解析を簡素化するために矩形又は矩形に近い左右対称の断面形状に形成されている(図8参照)。
【0003】
そして、このような構成の回転環31を例えば高速用気体用端面型非接触メカニカルシールの回転環31として用い、メカニカルシールをシール箇所に装着して回転体(図示せず)を回転させると、回転体と一体に回転環31が回転して回転環31のシール端面32と固定環(図示せず)のシール端面とがシール対象物(不活性ガス、危険ガス、空気、蒸気等、以下同じ)を介して相互に摺動し、シール箇所がシールされるものである。
【0004】
この場合、シール対象物の圧力と回転環31又は固定環を相手側方向に押圧する付勢部材(図示せず)の付勢力との協働によって、両シール端面間に作用するオープニングフォースとクロージングフォースのバランスが取られ、両シール端面間がシール対象物を介した状態で数ミクロン程度の間隔に保持されるものである。
【0005】
上記のような構成の回転環31は、矩形又は矩形に近い左右対称の断面形状に形成されているので、高速回転をさせても、遠心力による変形は主として径方向に生じ、軸方向にはほとんど生じないことになる。従って、両シール端面間の圧力分布に影響を及ぼす両環の変形成分は、圧力によるものと熱によるものとを考慮すればよいことになる。
【0006】
この場合、圧力による変形は、動圧溝、静圧溝、テーパー部、段部等をシール端面32に形成する浮力発生手段34や回転環31及び固定環の断面形状を調節する手段によって任意に制御することができるが、熱による変形は、皆無にできないことは勿論、高速シールである限り無視できる程度にとどめることも困難である。
【0007】
熱は、回転部品の各表面から発生するが、シール対象物の膜と接しているシール端面32から最も高密度に発生するので、回転環31の内部には、シール端面32側が高く反対端面33側が低い温度勾配が発生し、この温度勾配によってシール端面32は内周側が迫り出す内高変形(convex deformation)を示すことになる。
【0008】
多くの場合、内高変形は、両シール端面間に発生するオープニングフォースを増大させ、両シール端面間からのシール対象物の漏洩量を増加させるが、逆に動圧溝が位置する外周寄りの間隔が広くなって動圧作用が弱まり、内周部が相手側に接触する危険性が増加する場合もある。
【0009】
動圧型非接触シールでは、回転数が高いほど動圧作用が高まり、両シール端面間の間隔が広がり、両シール端面間に安定したシール対象物の膜が形成されようとする基本特性があるが、動圧作用に対して熱による変形の影響が相対的に大きくなった場合、シール対象物の過大な漏洩や内周部の相手側への接触等の問題が生じる。
【0010】
ここで、熱変形の影響が相対的に大きくなる場合とは、シール端面32の幅、すなわち外径から内径を引いた寸法が大きくて僅かな傾き角度であっても内周部が相手側に接触する危険性が増加する場合や、材料の特性上、熱変形自体が大きい場合である。
【0011】
この発明は前記のような従来技術の問題点を解決したものであって、動圧作用に対して熱による変形の影響が相対的に大きくなった場合であっても、シール対象物の過大な漏洩や内周部の相手側への接触等の問題を確実に阻止することができる、高速用非接触型メカニカルシールを提供することを目的とするものである。
【0012】
【問題点を解決するための手段】
本発明の解決手段を例示すると、各請求項に記載の高速用非接触型メカニカルシールである。
【0013】
【発明の実施の形態】
この発明の1つの実施形態によれば、環状の回転環が、軸線方向の一端に軸線と直交するシール端面を有し、他端に軸線と直交する反対端面を有する。かつ、該シール端面がシール対象物を介して固定環のシール端面と摺動するようになっている。
【0014】
重心が板厚の中心よりも反対端面側に位置するような断面形状に形成した手段を採用している。
【0015】
また、外周部に段部、凹部、傾斜部等を形成して左右非対称な断面形状に形成し、板厚の中心よりも反対端面側に重心を位置させた手段を採用している。
【0016】
さらに、金属単体、樹脂単体、又は金属材又は樹脂材の表面の少なくとも一部をコーティング、メッキ、溶射、蒸着、窒化等の手段により硬化させた材料からなる手段を採用したものである。
【0017】
さらに、この発明の別の実施形態によれば、メカニカルシールは、回転体に取り付けられて回転体と一体に回転するとともに、軸線方向の一端に軸線と直交するシール端面を有し他端に軸線と直交する反対端面を有する環状の回転環と、固定体に取り付けられるとともに、軸線方向の一端に軸線と直交するシール端面を有し、該シール端面が前記回転環のシール端面とシール対象物を介して摺動する環状の固定環と、前記回転環又は前記固定環を相手側方向に押圧する付勢部材とを具え、シール対象物の圧力と前記付勢部材の付勢力との協働によってクロージングフォース(閉じる力)とオープニングフォース(開く力)のバランスを取ることにより、前記回転環のシール端面と前記固定環のシール端面との間を所定の間隔に保持するようになっているメカニカルシールである。
【0018】
前記回転環を、重心が板厚の中心よりも反対端面側に位置するような断面形状に形成している。
【0019】
さらに、前記回転環を、外周部に段部、凹部、傾斜部等を形成して左右非対称な断面形状に形成し、板厚の中心よりも反対端面側に重心を位置させた手段を採用している。そして、前記回転環は、金属単体・樹脂単体・又は金属材又は樹脂材の表面の少なくとも一部をコーティング、メッキ、溶射、蒸着、窒化等の手段により硬化させた材料からなる手段を採用している。
【0020】
この発明は、回転環の高速回転の状態のうち、とくに動圧作用に対して熱による変形の影響が相対的に大きくなる高速回転の状態の時に、たとえば、19500rpmのような高速回転時に、反対端面側に大きな遠心力を作用させることができ、この遠心力によってシール端面に外高変形を生じさせることができる。したがって、シール端面に生じる熱による内高変形を外高変形によって打ち消すことができる。
【0021】
【実施例】
以下、図面を参照して、この発明の実施例について説明する。
【0022】
図1には、この発明による回転環の一つの実施形態が示されている。すなわち、この回転環1は、炭化タングステン、炭化珪素、窒化珪素等の硬質セラミックス材料から環状に形成されるものであって、軸線方向の一端は軸線と直交するシール端面2に形成され、他端は軸繰と直交する反対端面3に形成されている。
【0023】
回転環1のシール端面2には、動圧溝、静圧溝、テーパー部、段差等による浮力発生手段4が設けられ、この浮力発生手段4によって固定環(図示せず)のシール端面との間が所定の間隔に保持されるようになっている。
【0024】
回転環1の外周面の右半分は全周に亘って所定の深さで切欠され、その部分に環状の段部5が形成されるようになっている。そして、このような段部5を外周面に形成することによって断面形状が左右非対称となり、重心の位置が板厚の中心よりも反対端面3方向に所定の寸法ずれた位置に設定されることになる。
【0025】
なお、7は回り止め用の切欠きであって、外周面の少なくとも一箇所に設けられている。
【0026】
図2には、図1に示す回転環1を用いた高圧用気体用端面型非接触メカニカルシール10の一つの実施形態が示されている。このメカニカルシール10は、回転体である回転軸25に装着される金属製のリテーナ11と、リテーナ11の外周側に装着される前述した回転環1と、固定体26側に装着される金属製のカバー16と、カバー16の内周側に装着されるカーボン製の固定環20と、固定環20とカバー16との間に装着されて、固定環20を回転環1の方向に押圧する付勢部材であるコンプレッションスプリング23とを具えている。
【0027】
リテーナ11は、回転軸25に嵌合される筒状の本体部12と、本体部12の軸線方向の一端に一体に形成される径方向外方に環状に張り出るフランジ部13とからなり、フランジ部13の軸線方向の一端面には環状の溝14が所定の深さで穿設され、この溝14内に回転環1が調心部材つまり調心用板ばね15を介して装着されるようになっている。
【0028】
回転環1の回り止め用の切欠き7とリテーナ11との間には回り止め用のピン(図示せず)が装着され、この回り止め用のピンによって回転環1がリテーナ11に対して相対的に回動するのを防止することができるものである。
【0029】
カバー16は、円板状に形成されるものであって、中心部には軸線方向に貫通する回転軸25を押通させるための孔17が穿設されるとともに、軸線方向の一端面には、所定の深さの環状の溝18が穿設され、この溝18内に後述する固定環20が軸繰方向に移動可能に装着されるようになっている。
【0030】
固定環20は、カーボンから形成される環状をなすものであって、軸線方向の一端は軸線と直交するシール端面21に形成され、他端は軸線と直交する反対端面22に形成されている。
【0031】
固定環20の反対端面22とカバー16の溝18の底面との間には、周方向に向かって所定の間隔ごとにコンプレッションスプリング23が装着され、これらのコンプレッションスプリング23の付勢力によって固定環20が回転環1の方向に押圧されるようになっている。
【0032】
そして、上記のように構成したメカニカルシール10を固定体26と回転体25(回転軸25)との間に装着し、回転軸25を回転させると、回転軸25と一体にリテーナ11及び回転環1が回転し、回転環1のシール端面2と固定環20のシール端面21とが、それらの間にシール対象物(不活性ガス、危険ガス、空気、蒸気等)を介して相互に摺動し、固定体26と回転体25との間、すなわちシール箇所がシールされるものである。
【0033】
この場合、回転環1は左右非対称の断面形状に形成されていて、重心が板厚の中心から反対端面3側にずれた位置に設定されているので、高速回転時(とくに後述の第2段階の高速回転時)に、反対端面3側に大きな遠心力を作用させることができることになり、この遠心力によってシール端面2にシール端面2の外周側が迫り出す外高変形(concave deformation)を生じさせることができ、この外高変形によってシール端面2に生じる熱による内高変形を打ち消すことができることになる。
【0034】
したがって、回転環1が熱によって変形しても、両シール端面2,21間のオープニングフォース(開く力)とクロージングフォース(閉じる力)のバランスを取ることができるので、両シール端面2、21間に安定したシール対象物の膜を形成することができる。この結果、オープニングフォース(開く力)が増大してシール対象物の漏洩量が増加したり、動圧溝等の浮力発生手段4が位置するシール端面2,21間の外周寄りの間隔が広くなって動圧作用が弱まり、回転環1のシール端面2の内周部が相手側に接触する危険性が増加するようなことがなくなる。
【0035】
図示した実施形態においては、遠心力による外高変形によって熱による内高変形を打ち消しているが、圧力による外高変形によって熱による内高変形を打ち消すことも原理的には可能である。しかし、圧力による外高変形が促されるシールでは、低速時や静止時に十分なオープニングフォース(開く力)が得られず、非接触シールとして機能しない場合がある。
【0036】
ここで、圧力、熱、遠心力による変形の関係について詳細に説明する。
【0037】
シール端面の発熱は、微小隙間におけるシール対象物の粘性剪断によるものが支配的であり、公式によりトルクは回転数に比例し、発熱は回転数の2乗に比例する。従って、結果として生じる温度勾配や熱変形も回転数の2乗に比例する。一方、回転円板や回転円筒の遠心力による変形も回転数の2乗に比例する。このように、熱変形と遠心力による変形はほぼ同じ比率で増加していくことになるので、遠心力による変形を積極的に活用することにより、広い回転数範囲に亘って熱変形による悪影響を生じさせないような変形の制御が可能となる。
【0038】
圧力による変形と、熱による変形と、遠心力による変形は、それぞれ有限要素法等によって計算が可能であるが、実際の製品において、漏洩量が予想値とずれる場合もある。静止時の漏洩量が予想通りで回転時の漏洩量が予想と異なる場合、回転環1を追加工することにより、遠心力による変形量の加減が可能となる。例えば、図3に示すように、図1の状態から外周面を追加工して段差の深さを減らしたり、図4に示すように、反対端面3側の外周部に面取りを設けたりすることによって、遠心力による外高変形を小さくできる。また、図5に示すように、シール端面2に近い部分を追加工することにより、逆に遠心力による外高変形を大きくすることができる。
【0039】
回転環は、従来一般に行われていた普通の高速回転のときは、動圧作用に対して熱による変形の影響が相対的に小さく、遠心力による外高変形は無視できる程度にしか発生しない(以下、これを第1段階の高速回転という)。回転環は、さらに高速度(たとえば19500rpm)の段階の高速回転(以下、第2段階の高速回転という)になると、動圧作用に対して熱による変形の影響が相対的に大きくなり、遠心力による外高変形が顕著になる。
【0040】
本発明は、このような高速回転時(特に19500rpmのような第2段階の高速回転時)に生じる回転環の遠心力による変形を積極的に活用することにより、広い使用条件範囲に亘ってシール対象物の過大な漏洩量やシール端面の相手側への接触による損傷が発生することを防ぐものである。このことにより、端面型非接触シールが大型化、高速化、高圧化する過程での障害の一つを取り除くものとして、大きな効果を奏する。また、非接触シールに限らず、メカニカルシールでは、セラミックやカーボンが密封環として使用されてきたが、このような脆性材料を高速シールの回転環とした場合、何らかの予期せぬ事故によって回転環が破損したり、それを機に二次的な回転機械の損傷に至る虞もある。回転環を金属のような延性材料で製作することにより、破損対策とする試みが具体化しているが、金属を使用する際に克服すべき一つの問題点が熱変形の大きさである。多くの場合、金属はセラミックと比較して、熱伝導率が低く、熱膨脹係数が高いために、熱による内高変形が大きくなる。しかし、本発明によれば、熱による変形を遠心力による変形で相殺させることが可能であり、金属製回転環の実用化に寄与するものである。金属表面にシール端面として要求されるトライボロジー特性がない場合は、コーティング等の表面処理が施工されるが、本発明による効果はそのまま適用される。
【0041】
この発明によるメカニカルシールの具体的な1つの実施例における回転環と固定環の変形状態を図6に示し、参考例のメカニカルシールにおける回転環と固定環の変形状態を図7に示す。これらは、軸径76mm用のガス用非接触メカニカルシールの回転環1と固定環20の変形状態を計算により求めたものである。
【0042】
回転環1は、マルテンサイト系ステンレス製でシール端面2のみにセラミック膜を形成している。固定環20は、カーボングラファイト製である。回転環1の厚さは9mmであり、図7の参考例では、断面の図心がシール端面2から4.50mmの位置にある。図7の参考例のシールを窒素ガスでゲージ圧3.43MPaに加圧し、19500rpm(第2段階の高速回転速度)で回転させた時の窒素ガス漏洩量実測値は89N1/minであった。回転環1外周部を追加工した本発明の実施例(図6)では、断面の図心6がシール端面2から4.59mmのところに移動し、厚さの中央よりも反対端面3側に近づいた。固定環20は、図7と同一である。図6の本発明の実施例のシールを窒素ガスでゲージ圧3.43MPaに加圧し、19500rpm(第2段階の高速回転速度)で回転させた時の窒素ガス漏洩量実測値は45N1/minであった。追加工前後ともシール端面2の接触等の異常は発生していないが、追加工により漏洩量が89N1/minから45N1/minへと約半分に低下した。このように、断面の図心6の位置を意図的にずらすことによって、とくに19500rpmのごとき第2段階の高速回転時に、シールの特性を改善できることが分かった。
【0043】
【発明の効果】
この発明は前記のように構成したことにより、回転環の高速回転のうち、とくに動圧作用に対して熱による変形の影響が相対的に大きくなる高速回転の時に、たとえば19500rpmのごとき第2段階の高速回転時に、反対端面側に大きな遠心力を作用させることができ、この遠心力によってシール端面にシール端面の外周側が迫り出す外高変形を生じさせることができる。したがって、熱による変形によってシール端面に内周側が迫り出す内高変形が生じようとしても、その内高変形を遠心力による外高変形によって打ち消すことができることになる。この結果、シール端面間からのシール対象物の漏洩量が増加したり、シール端面間の外周寄りの間隔が広くなってシール端面の内周部が相手側に接触する危険性が増加したりするのを阻止することができ、シール端面間に安定したシール対象物による膜を形成することができ、シール箇所を安定してシールすることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による回転環の一実施形態を示した断面図である。
【図2】この発明によるメカニカルシールの一実施形態を示した断面図である。
【図3】回転環の他の実施形態を示した断面図である。
【図4】回転環の他の実施形態を示した断面図である。
【図5】回転環の他の実施形態を示した断面図である。
【図6】この発明によるメカニカルシールの一実施例における回転環と固定環の変形状態を示した断面図である。
【図7】参考例のメカニカルシールにおける回転環と固定環の変形状態を示した断面図である。
【図8】従来の回転環の一例を示した断面図である。
【符号の説明】
1,31……回転環
2,21,32……シール端面
3,22,33……反対端面
4,34……浮力発生手段
5……段部
6……断面の図心
7…回り止め用の切欠き
10……メカニカルシール
11……リテーナ
12……本体部
13……フランジ部
14,18……溝
15……調心部材(調心用板ばね)
16……カバー
17……孔
20……固定環
23……付勢部材(コンプレッションスプリング)
25……回転体(回転軸)
26……固定体

Claims (3)

  1. (A)回転シャフト(25)が設けられており、
    (B)回転環(1)が、板形状と軸線を有し、かつ、回転シャフト(25)に調心部材(15)を介して装着されていて、回転シャフト(25)と一緒に回転し、
    (C)回転環(1)が、一端にシール端面(2)を有し、他端に反対端面(3)を有し、これらのシール端面(2)と反対端面(3)が回転シャフト(25)の軸線と直交する方向に延びており、
    (D)浮力発生手段(4)が回転環(1)のシール端面(2)に形成されており、
    (E)固定体(26)に対して回転シャフト(25)が回転し、
    (F)固定環(20)は、固定体(26)に対して軸線方向に可動でかつ回転方向に固定されており、固定環(20)の一端に、回転シャフト(25)の軸線と直交する方向にシール端面(21)が設けられており、回転環(1)のシール端面(2)はシール対象物を介して固定環(20)のシール端面(21)に対して回転し、非接触式メカニカルシールを構成し、
    (G)付勢手段(23)が回転シャフト(25)の軸線に沿って回転環(1)の方に固定環(20)を押圧し、
    (H)回転環(1)が金属で作られており、
    (I)回転環(1)の高速回転のうち、とくに動圧作用に対して熱による変形の影響が相対的に大きくなる高速回転の時に、回転環(1)が、主として熱と遠心力により変形されようとするが、熱による回転環(1)の内高変形が遠心力による外高変形により打ち消されて、熱による回転環(1)の内高変形と遠心力による外高変形のいずれの変形も生じないように、回転環(1)の重心の位置を回転環(1)の軸方向の板厚の中心線よりも反対端面(3)の方にずれた位置(6)に設定した断面形状を、回転環(1)が有する、
    (J)ことを特徴とする高速用非接触型メカニカルシール。
  2. 回転環(1)の重心の位置を回転環(1)の軸方向の板厚の中心線よりも反対端面(3)の方に少なくとも0.09mmずらしたことを特徴とする請求項1に記載の高速用非接触型メカニカルシール。
  3. 金属がマルテンサイト系ステンレスであり、かつ、回転環(1)のシール端面(2)にコーティングが設けられている請求項1〜2のいずれか1項に記載の高速用非接触型メカニカルシール。
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