JPS642824B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明はメカニカルシール組立体に関する。

(ロ) 従来技術 従来のメカニカルシールは、互いに異なる流体
を分離するため使用され、回転可能な軸に接続さ
れかつシール面がハウジング等に接続された固定
のシールリングのシール面と係合している回転可
能なシールリングを備え、これらシールリングの
一つか両方が軸線方向に可動でこれらシールリン
グが互いに接近するよう弾性的に押圧されてシー
ル面を係合させる。主として温度条件が原因でシ
ヤフトかハウジングかいづれかの形式のシールリ
ング支持体に生じるゆがみがシールリングに伝達
されてシールリングにゆがみを生じメカニカルシ
ールが正しく機能しなくなる。相対的回転速度に
より生じるシール面の摩耗はメカニカルシールが
高速度で使用される場合には激しくなる。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 本発明が解決しようとする問題は、静止シール
リング、回転可能シールリングおよび中央のシー
ルリングを有するメカニカルシール組立体におい
て、それらシールリングのシール面を互いに偏心
させることにより、シールリングの摩耗を減少さ
せてメカニカルシール組立体の寿命を増加させる
ことである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本発明は、回転可能な軸及びハウジングに組み
合わされるようになつていて、回転可能なシール
リング、制止シールリング及び回転可能なシール
リングと制止シールリングとの間の中央のシール
リングを有し、中央のシールリングが制止シール
リング及び回転可能なシールリングのシール面と
それぞれ係合する隔てられたシール面を有し、中
央のシールリングが周囲の支え内で中心決めされ
ているメカニカルシール組立体において、互いに
係合する対のシール面の一方のシール面が他方の
シール面に偏心して構成されている。

(ホ) 作用 本発明のメカニカルシール組立体は、回転可能
なシールリングと、静止のシールリングと、中間
の浮動すなわち中央のシールリングとを備え、中
央のシールリングが互いに隔てられたシール面を
有しこれらシール面の一方のシール面が回転可能
なシールリングのシール面に係合し他方のシール
面が静止シールリングのシール面に係合する。中
央のシールリングはその支え面を形成するハウジ
ングにより中心決めされるがしかも自由に回転す
る。本発明の重要な特徴の一つは中央のシールリ
ングの偏心シール面にあり、これら偏心シール面
はメカニカルシール組立体の中心軸線に対して、
或は相互に偏心している。従つて、中心のシール
リングのシール面は回転面か固定面として作用す
るかまたは接触するシール面間に何時も存在する
摩擦差の如何によりシヤフトの回転速度とは異な
る回転速度を有する回転面として作用する。

(ヘ) 実施例 以下、本発明を実施する具体例を示す添付図面
を参照して以下で詳細に説明する。

第１図には回転可能な軸１２と多部品固定ハウ
ジング１４とに組み合わせてメカニカルシール組
立体１０が示されている。メカニカルシール組立
体１０は、フランジ付きリング１８とボルト２０
とによりハウジング１４に接続された静止シール
リング１６と、回転可能なシールリング２２と中
央のシールリング２４とを備えている。回転可能
なシールリング２２は軸スリーブ２６を包囲し、
この軸スリーブはキー溝３０，３２に収容された
キー２８により軸１２にキー止めされまたシール
リング２２と回転面体４０とにそれぞれ設けたキ
ー溝３６，３８に収容されたキー３４によりキー
止めされている。弾性のＵ―カツプ４２が面体４
０に設けた空所４４内に位置決めされてている。
Ｕ―カツプ従動子４６がＵ―カツプ４２に係合し
て複数のばね４８によりＵ―カツプ４２に弾性的
に押圧され、これらばね４８は軸スリーブを包囲
しＵ―カツプ従動子４６の一部分により包囲され
ているばねホルダ５２に設けたばねポケツト５０
に収容されている。従つて、ばね４８はシールリ
ング２２を中央のシールリング２４に押圧してい
る。中央のシールリング２４はシールリング１
６，２２のそれぞれのシール面５８，６０に係合
するシール面５４，５６を有している。中央のシ
ールリング２４の外周はフランジ付きリング１８
にはめ込まれリング１８の一部分６２はリング２
４の支えとして作用する。

シールリング１６，２２のシール面５８，６０
は炭化チタン、炭化タングステン、ステライト、
酸化アルミニウム等で形成でき、中央のシールリ
ング２４はカーボンで形成でき、またフランジ付
きシール１８の部分６２はシール面５８，６０と
同じ材料で表面被覆できる。

シール面５４，５６はシール面５８，６０に対
してそれぞれ偏心していてまた第３図に示してあ
るように相互にも偏心している。

本発明の第２の実施例が第２図に示してある。
この具体例の部品は第１図の実施例の部品と同じ
に配置され第１の実施例の部品と同じ符号が付し
てある。第２の具体例の第１の実施例との主な相
違点はシールリング１６，２２，２４および支え
面６２に使用した材料にある。この具体例では、、
シールリング１６，２２と支え面６２とはカーボ
ンまたはカーボンに似た材料で作られ他方中央の
シールリング２４または少くともその面５４，５
６は炭化チタン、炭化タングステン、ステライ
ト、酸化アルミニウムで作られている。

メカニカルシールの右側部分（図面から見て）
の駆動系統は1975年１月７日付で許可された米国
特許第3858890号明細書に記載したものと同じで
ある。この駆動系統は本発明の一部を構成するも
のではないので、この系統の部品は図示してある
が詳細には説明しない。

本発明のメカニカルシールは係合するシール面
により形成された２組の摩耗面を有している。中
央のすなわち中間のシールリングはそのシール面
における摩耗差如何により固定リングまたは回転
リングとして自由に作用する。いい代えれば、中
央のシールリングのシールはその際においていづ
れの一つが低い摩擦係数を有しているかどうかに
より一方の接触面か他方の接触面に作用し、この
摩擦係数の低い方の接触面が摩耗してその摩擦係
数が増大すると、シールは他面すなわち他の接触
面に作用する。シールが始動および停止せしめら
れる毎に、シールは一つの摩耗面から他方の摩耗
面に交代する。２組の摩耗面を有しているとシー
ルの耐用寿命を延ばす。その係合面とまた他方の
係合面とに対して偏心している中央シールリング
により交互の摩耗面の作用は向上せしめられる。

本発明に係るメカニカルシール組立体を試験し
たところ、静止している時には、メカニカルシー
ル組立体はシール面にわたり流体を僅かに漏洩さ
せると判つた。従つて、シール面間に流体フイル
ムが存在する。従つて、本発明のメカニカルシー
ル組立体の始動トルクは値が低い。

(ト) 効果 本発明によれば、互いに係合する対のシール面
の一方を他方に関して偏心させたので、シールリ
ングのシール面の摩耗が少なくなり、メカニカル
シール組立体の寿命を長くすることができ、取替
え、修理の回数を減少できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１つの具体例の断面図、第２
図は本発明の第２の具体例の断面図、第３図は間
隔をあけた面を破線で示す中央のシールリングの
密封面の平面図である。 １２：軸、１４：ハウジング、１６，２２，２
４：シールリング、５４，５６，５８，６０：シ
ール面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転可能な軸１２及びハウジング１４に組み
   合わされるようになつていて、回転可能なシール
   リング２２、制止シールリング１６及び回転可能
   なシールリングと制止シールリングとの間の中央
   のシールリング２４を有し、中央のシールリング
   が制止シールリング及び回転可能なシールリング
   のシール面５８，６０とそれぞれ係合する隔てら
   れたシール面５４，５６を有し、中央のシールリ
   ングが周囲の支え６２内で中心決めされているメ
   カニカルシール組立体１０において、互いに係合
   する対のシール面４５，５８，５６，６０の一方
   のシール面５４，５４が他方のシール面５８，６
   ０に偏心していることを特徴とするメカニカルシ
   ール組立体。 ２ 前記中央のシールリング２４の前記シール面
   ５４，５６が互いに偏心している特許請求の範囲
   １に記載のメカニカルシール組立体。