JP3650431B2 - 静電潜像の液体現像方法及び液体現像装置 - Google Patents

静電潜像の液体現像方法及び液体現像装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真や静電記録、イオノグラフィ等の方法で形成された静電潜像を、液体現像剤を用いて可視像化した後、記録媒体に転写する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、画像支持体上に形成された静電潜像を帯電した顕像化粒子であるトナーによって現像する静電潜像の液体現像装置では、現像工程終了後、現像剤支持体上に残留する液体現像剤を回収する方法として、ゴム等の弾性体で形成されたブレードを現像剤支持体の表面に当接することにより、現像剤支持体上の液体現像剤を掻き取る方法を使用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の静電記録装置等では、一般に有機溶剤であるIsoparG (登録商標:Exxon 社製)にトナーを約1〜2%の割合で混ぜた低粘性の液体現像剤を使用している。しかし、溶剤の蒸気発生を抑えてより安全な且つより小型の液体現像装置を実現するためには、従来の装置に用いる液体現像剤より高い濃度を有する高粘性の液体現像剤を使用することが望ましいが、このような装置は従来見当たらなかった。また、このような高濃度高粘性の液体現像剤を用いた場合、上記の回収方法では、ブレードの先端に液体現像剤が付着して現像剤支持体上に残留する液体現像剤を良好に掻き取ることができないという問題がある。また、本発明者等は、画像支持体の非画像部にトナーが付着するのを防止する方法として、現像工程に先立って画像支持体上にプリウェット液を塗布するプリウェット工程を設けた静電潜像の液体現像方法を発明した(特願平5−259473)が、この方法では、現像工程において画像支持体上のプリウェット液の一部が現像剤支持体上に移動する。このため、上記の回収方法では、液体現像剤と共にプリウェット液まで掻き取ってしまうので、回収した液体現像剤をそのまま現像工程に再利用することができない。
【0004】
【目的】
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、現像剤支持体に残留する液体現像剤を良好に回収することができると共に回収した液体現像剤を再利用することができる高粘性の液体現像剤を用いた静電潜像の液体現像方法及び液体現像装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の静電潜像の液体現像方法は、画像支持体上に形成された静電潜像を帯電した顕像化粒子であるトナーによって現像する静電潜像の液体現像方法であって、
現像工程に先立って、画像支持体上に離型性を有し化学的に不活性な誘電性液であるプリウェット液を塗布するプリウェット工程と、
現像剤支持体上に塗布された絶縁性液体中にトナーが高濃度に分散された100〜10000mPa・sの高粘度の液体現像剤を前記画像支持体の潜像面に供給する現像工程と、
前記現像剤支持体との間に生じる電界により、トナーに対して斥力が働くようにバイアス電圧が印加されたプリウェット液回収ローラを、前記現像剤支持体の回転方向と同方向に回転させながら前記現像剤支持体に接触させることにより、現像工程の際に前記現像剤支持体に付着した前記プリウェット液を前記プリウェット液回収ローラに付着させて回収するプリウェット液回収工程と、
前記現像剤支持体との間に生じる電界により、トナーに対して引力が働くようにバイアス電圧が印加された現像剤回収ローラを、前記現像剤支持体の回転方向と反対方向に回転させながら前記現像剤支持体に接触させることにより、前記現像剤支持体上に残留した前記液体現像剤を前記現像剤回収ローラに付着させて回収する現像剤回収工程と、
を備えていることを特徴とするものである。
【0006】
【作用】
本発明の静電潜像の液体現像方法は、前記構成のプリウェット液回収工程と現像剤回収工程を設けたことにより、トナー及び現像剤支持体の間に働く静電気力と粘性とにより現像剤支持体に付着する液体現像剤と、液体現像剤に比べて現像剤支持体への付着力が弱く、したがって、液体現像剤層上に層を形成するプリウェット液とを分離して回収することができる。このため、回収した液体現像剤にプリウェット液が混合するのを防止することができるので、回収した液体現像剤を現像工程に再利用することができる。また、現像剤回収ローラを回転させながら液体現像剤を回収することにより、高粘性の液体現像剤を用いた場合でも良好に液体現像剤を回収することができる。さらに、本発明の静電潜像の液体現像方法は、トナーが高濃度に分散された液体現像剤を薄層にして現像することにより、液量は従来の低濃度の液体現像剤に比べて、遥かに少なくすることができる。尚、液体現像剤は、粘度が10000mPa・s以上になると、絶縁性液体とトナーとの攪拌が難しくなり、液体現像剤をどのようにして作るかが問題となる。したがって、10000mPa・s以上の液体現像剤はコスト的に見合わなくなり、現実的でなくなる。一方、100mPa・s以下では、トナー濃度が低くなるとともに、トナーの分散性が悪くなるので、現像液を薄層にして現像することができなくなる。現像剤支持体上の液体現像剤層の層厚は、トナー濃度が高いときには薄く、低いときには厚くする必要がある。また、粘度が高い程、薄くする必要がある。ただし、層厚が40μmより厚いと、トナーの過剰付着が起こり、画像ノイズが発生する。一方、層厚が5μmより薄いと、ベタ黒の画像を出力したときにむらが生ずるようになる。
【0007】
本発明の静電潜像の液体現像方法に、絶縁性液体の粘度が0.5〜1000mPa・s、電気抵抗が1012Ωcm以上、表面張力が21dyn/cm以下、沸点が100℃以上の液体現像剤を用いる場合には、高粘度の液体現像剤を得ることができる。現像剤支持体上に形成される液体現像剤は薄層状に形成されるため、画像支持体の潜像面に付着する液体現像剤中に含まれる絶縁性液体もきわめて少量である。したがって、転写時に紙等に吸収される絶縁性液体はきわめて少量となるので、粘度が1000mPa・s以下であれば絶縁性液体の紙等への付着の問題は特に生じない。しかし、粘度が0.5mPa・s以下であると揮発性が高くなるので、危険物扱いとなり適当でない。絶縁性液体は沸点が100℃以下であると、蒸発量が多くなるので現像剤の保存方法に問題があり、装置全体を密閉構造にしなければならず、また作業環境を改善することも難しくなる。電気抵抗は1012Ωcm以下になると、絶縁性が悪くなり、トナーの導電性の問題が起こり現像剤として使用できなくなる。したがって、電気抵抗はできるだけ高い値が望ましい。表面張力は21dyn/cm以上になると、濡れ性が悪くなり、プリウェット液との馴染みが悪くなる。したがって、表面張力は、できるだけ低い値が望ましい。
【0008】
また、液体現像剤が平均粒径0.1〜5μmのトナーを5〜40%の濃度で含むものである場合には、絶縁性液体中にトナーが高濃度に分散された液体現像剤を得ることができる。また、トナーの粒径の大きさに略反比例して、解像度が良くなる。通常、トナーは、プリントアウトされた紙上で5〜10個位の固まりとなって、存在しているので、トナーの平均粒径が5μm以上になると、解像度が悪くなる。一方、トナーの平均粒径が0.1μm以下になると、物理的な接着力が大きくなり、転写の際にトナーを剥がし難くなる。
【0009】
本発明の静電潜像の液体現像方法に用いるプリウェット液の粘度が0.5〜5mPa・s、電気抵抗が1012Ωcm以上、沸点が100〜250℃、表面張力が21dyn/cm以下である場合には、離型性を有し且つ絶縁性の良いプリウェット液を得ることができる。プリウェット液は、転写時に紙等の記録媒体に吸収されるため、定着時に蒸発させる必要がある。このため容易に蒸発しやすいものとするために粘度は0.5〜5mPa・sが望ましい。粘度が5mPa・s以上であると蒸発が難しくなり、0.5mPa・s以下であると揮発性が高くなるので、危険物扱いとなり適当でない。沸点は100℃以下であると、蒸発量が多くなるのでプリウェット液の保存方法に問題があり、装置全体を密閉構造としなければならず、また作業環境を改善することも難しくなる。一方、沸点が250℃以上になると、定着時に紙がカールして使用できなくなり、また加熱のための高エネルギーが必要になるので、コスト高となる。電気抵抗は1012Ωcm以下になると、絶縁性が悪くなり、プリウェット液として使用できなくなる。したがって、電気抵抗はできるだけ高い値が望ましい。表面張力は21dyn/cm以上になると、濡れ性が悪くなり、液体現像剤との馴染みが悪くなる。したがって、表面張力は、できるだけ低い値が望ましい。
【0010】
【実施例】
以下に、本発明の第一実施例を図1乃至図4を参照して説明する。
図1は本発明の第一実施例である画像形成装置の概略構成図、図2は図1に示す画像形成装置に用いられる現像装置の概略構成図、図3は図2に示す現像ローラとプリウェット液回収ローラとの設置位置を説明するための図、図4は図1に示す画像形成装置の動作を説明するための図である。
【0011】
本発明の第一実施例である画像形成装置1は、図1に示すように、画像支持体である感光体ドラム(以下、感光体ともいう)10と、感光体10上にプリウェット液を塗布するプリウェット装置20と、感光体10を帯電する帯電装置30と、感光体10上に像を露光する露光装置40と、感光体10の静電潜像が形成された部分にプラスに帯電したトナーを供給することにより静電潜像を顕像化する現像装置50と、感光体10上に形成されたトナー像を所定の紙に転写する転写装置60と、感光体10上に残留したトナーを除去するクリーニング装置70と、帯電された感光体10を除電する除電装置80と、図示されていないが紙に転写されたトナー像を定着する定着装置と、を備えている。帯電装置30は除電装置80による影響を防ぐため、除電装置80が設置される側の側面に遮光板302が取り付けられている。
【0012】
感光体10、帯電装置30、露光装置40、除電装置80および定着装置は、従来の電子式プリンタに用いられている従来技術をほとんどの場合について流用することができる。したがって、上記の各装置の説明を省略して、以下に、本実施例の主要部であるプリウェット装置20、現像装置50、転写装置60、およびクリーニング装置70について説明する。
【0013】
本実施例のプリウェット装置20は、図1に示すように、後述するプリウェット液220を貯蔵するタンク202と、一部がタンク202内のプリウェット液220に浸漬するように設けられた供給ローラ202aと、供給ローラ202aに当接するように設けられた搬送ローラ204と、搬送ローラ204及び感光体10に当接するように設けられた塗布ローラ206と、を備えている。
【0014】
供給ローラ202aは、搬送ローラ204の回転方向と反対方向に回転することにより、タンク202内に貯蔵されたプリウェット液220を搬送ローラ204に供給する。搬送ローラ204は、塗布ローラ206の回転方向と反対方向に回転することにより、供給ローラ202aにより供給されたプリウェット液220を塗布ローラ206に搬送する。塗布ローラ206は、感光体10の回転方向と反対方向に回転することにより、感光体10の表面にプリウェット液220を塗布する。これにより、感光体10上に薄層のプリウェット液層を形成する。プリウェット液220の感光体10への供給にローラを用いたのは、感光体10を従来より高速で回転させたときでも、ローラの回転速度を上げることにより所望の量のプリウェット液220を感光体10の表面に供給することができるからである。これにより、高速出画に対応することができる。尚、供給ローラ202aと塗布ローラ206との間に設けられる搬送ローラ204は、一個に限定されるものではなく、複数個設けてもよい。また、感光体10の表面にプリウェット液220を薄く均一に塗布することができるときは、搬送ローラ204を別段設けなくてもよい。
【0015】
尚、感光体10の表面にプリウェット液220を薄く均一に塗布するためには、供給ローラ202a、搬送ローラ204および塗布ローラ206に親油性のよいものを用いることが望ましい。親油性のよいローラとしては、アルミナ及びチタニアを主成分とするセラミックスに特殊表面処理が施されたセラミックスローラ(新日本製鐵社製)や、合成樹脂で形成されたBEET(宮川ローラ社製)等がある。
【0016】
本実施例の現像装置50は、図2に示すように、現像剤支持体である現像ローラ510と、後述する液体現像剤508を貯蔵する金属等の導電性部材で形成されたタンク502と、一部がタンク502内の液体現像剤508に浸漬するように設置された供給ローラ502aと、供給ローラ502aに当接するように設けられた搬送ローラ504と、搬送ローラ504及び現像ローラ510に当接するように設けられた塗布ローラ506a,506bと、現像時に感光体10から現像ローラ510に移動したプリウェット液220を回収するプリウェット液回収装置51と、現像後に現像ローラ510上に残留する液体現像剤508を回収する現像剤回収装置52と、を備えている。
【0017】
供給ローラ502aは搬送ローラ504の回転方向と反対方向に回転することにより、タンク502内に貯蔵された液体現像剤508を汲み上げて、搬送ローラ504に供給する。供給ローラ502aには電源装置513が接続されており、また、タンク502はアースに接続されている。そして、電源装置513によってバイアス電圧が印加された供給ローラ502aとタンク502との間に生じる電界により、液体現像剤508の汲み上げ量を調節している。
【0018】
搬送ローラ504は塗布ローラ506a,506bの回転方向と反対方向に回転することにより、供給ローラ502aによって供給された液体現像剤508を塗布ローラ506a,506bに搬送する。尚、搬送ローラ504にバイアス電圧を印加することにより、液体現像剤508の塗布ローラ506a,506bへの搬送量を調節するようにしてもよい。
【0019】
塗布ローラ506a,506bは現像ローラ510の回転方向と反対方向に回転することにより、現像ローラ510の表面に搬送ローラ504によって搬送された液体現像剤508を塗布する。2個の塗布ローラ506a,506bを用いたのは、現像ローラ510上に形成される液体現像剤層をより均一にするためである。塗布ローラ506a、506bは、現像バイアス電圧が印加される現像ローラ510に接触するため、ローラ自体が高抵抗のものであることが望ましい。たとえば、現像ローラ510の電気抵抗値を約103 Ωcmに設定した場合、塗布ローラ506a,506bの電気抵抗値を1010〜1013Ωcmにすると、良好な結果を得ることができる。尚、塗布ローラ506a,506bにバイアス電圧を印加することにより、液体現像剤508の現像ローラ510への塗布量を調節するようにしてもよい。たとえば、塗布ローラ506a,506b上の液体現像剤508の現像ローラ510への移動をある程度容易にするために、現像ローラ510と塗布ローラ506a,506bとの間に生じる電界により、トナーが現像ローラ510に対して引力を受けるように、塗布ローラ506a,506bにバイアス電圧を印加してもよい。本実施例では、後述するようにプラスに帯電したトナーを用いたので、塗布ローラ506a,506bに印加するバイアス電圧を、現像ローラ510に印加する現像バイアス電圧より高めに設定すればよい。また、塗布ローラ506a,506b上の液体現像剤508の現像ローラ510への移動を困難にして液体現像剤の現像ローラ510への供給量を抑制するために、現像ローラ510と塗布ローラ506a,506bとの間に生じる電界により、トナーが現像ローラ510に対して斥力を受けるように、塗布ローラ506a,506bにバイアス電圧を印加してもよい。本実施例では、塗布ローラ506a,506bに印加するバイアス電圧を、現像ローラ510に印加する現像バイアス電圧より低めに設定すればよい。また、塗布ローラは2個に限定されるものではなく、1個又は3個以上設けてもよい。すなわち、画質のムラ等要求される精度に応じて塗布ローラの数を決定することが望ましい。
【0020】
現像ローラ510は、感光体10に当接するように設置されており、感光体10の回転方向と反対方向に回転することにより、感光体10の潜像面に塗布ローラ506a,506bによって塗布された液体現像剤508を供給する。現像ローラ510は、ステンレス等の剛体で形成された芯金と、芯金の周囲に形成された弾性層と、弾性層の表面に形成された表面層とを有する。このため、現像ローラ510の感光体10への押圧力を調節して現像ローラ510上に形成された液体現像剤層と感光体10上に形成されたプリウェット液層とが接触する際の接触圧力を分散させると、液体現像剤層及びプリウェット液層を介して感光体10と現像ローラ510との間にあたかも間隔が形成されたようになる。これにより、現像ローラ510上に形成された液体現像剤層と感光体10上に形成されたプリウェット液層とを層同士を区別できるような2層状態を維持しつつ接触させることができる。尚、現像ローラ510の硬度は、5〜60度JIS−Aであることが望ましい。硬度が5度JIS−A以下であると、柔らかすぎるため一定形状を保つことが困難になる。一方、硬度が60度JIS−A以上であると、固すぎるため、現像ローラ510上の液体現像剤層と感光体10上のプリウェット液層とを2層状態を維持しつつ接触させるには、液体現像剤層及びプリウェット液層を介して現像ローラ510と感光体10との間に間隔が形成されるように現像ローラ510を設置する必要が生じる。
【0021】
尚、現像ローラ510の弾性層を形成する部材としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、NBR(ニトリル・ブチレン・ラバー)等の発泡体、あるいは、シリコンゴム、ウレタンゴム等の低硬度のゴム部材がある。但し、ゴム部材は、一般に弾性変形させた状態で長年使用すると、永久変形して本来の形状、すなわちローラ状に戻らなくなることがある。このため、弾性層を形成する部材には、できれば発泡体を用いることが好ましい。尚、芯金の周囲に発泡体で弾性層を形成し、更にその表面にゴム部材で弾性層を形成してもよい。現像ローラ510の表面層は液体現像剤508のキャリア液であるシリコンオイルに膨潤しない導電性部材で形成されている。導電性部材の電気抵抗値は、図2に示すように、電源装置515によって現像ローラ510に電気的な現像バイアスを印加できるようにするため、103 Ωcm程度であることが望ましい。表面層を形成する方法としては、例えば、弾性層の表面にカーボンブラック等の導電性粒子が分散された合成ゴム系結合体をコーティングする方法、弾性層を導電性を有する熱収縮チューブで覆い、これに熱を加えて熱収縮させる方法等がある。あるいは、導電性を有するチューブの内部に弾性材料を注入したり、注入した弾性材料を発泡させたりして、表面層の内部に弾性層を形成するようにしてもよい。導電性を有するチューブとしては、ポリイミド、ポリカーボネイト、ナイロン等の樹脂チューブやニッケル等の金属チューブが用いられる。また、導電性を有する熱収縮チューブとしては、PFA、PTFE等の樹脂チューブが用いられる。これ等のチューブは、つなぎ目のない所謂エンドレスチューブであることが望ましい。弾性層がウレタンゴム等のシリコンオイルに膨潤しない弾性部材で形成されている場合、弾性層の表面に表面層を形成する必要はない。但し、現像ローラ510に電気的な現像バイアスを印加できるようにするために、弾性層の表面を導電加工するか、弾性層を形成する部材に導電性微粒子を添加するなどして、電気抵抗値を所望の値、即ち103 Ωcm程度にする必要がある。尚、現像バイアス電圧は、トナーと現像ローラ510との間に働く静電気力(引力)が、トナーと感光体10の静電潜像が形成されていない部分との間に働く静電気力(引力)より強く、且つ、トナーと感光体10の静電潜像が形成されている部分との間に働く静電気力(引力)より弱くなるように設定しなければならない。本実施例では、後述するようにプラスに帯電したトナーを用い、現像バイアス電圧を−150Vに設定した。
【0022】
プリウェット液回収装置51は、現像ローラ510に当接するように設けられたプリウェット液回収ローラ512と、プリウェット液回収ローラ512に当接するように設けられた掻き取りブレード520と、回収タンク522と、を備えている。
【0023】
プリウェット液回収ローラ512は現像ローラ510の回転方向と同方向に回転する。また、プリウェット液回収ローラ512は、図2に示すように、電源装置517によりバイアス電圧が印加されている。このバイアス電圧は、プリウェット液回収ローラ512と現像ローラ510との間に生じる電界により、プラスに帯電したトナーがプリウェット液回収ローラ512に対して斥力を受けるように設定されなければならない。これは、トナーの現像ローラ510への付着力をプリウェット液回収ローラ512への付着力よりも強くすることにより、液体現像剤508がプリウェット液回収ローラ512に付着するのを防止するためである。これにより、液体現像剤508に比べて現像ローラ510への付着力が弱く、したがって、液体現像剤層上に層を形成するプリウェット液220のみがプリウェット液回収ローラ512に付着する。尚、本実施例では、現像バイアス電圧を−150Vに設定したので、プリウェット液回収ローラ512に印加するバイアス電圧を−100〜−50Vに設定した。
【0024】
また、プリウェット液回収ローラ512は、図3に示すように、液体現像剤層を介して現像ローラ510と接触するように設置されることが望ましい。これは、液体現像剤層を乱すことなく液体現像剤層上のプリウェット液層のみをプリウェット液回収ローラ512上に引き込むためである。プリウェット液回収ローラ512に付着したプリウェット液220は、掻き取りブレード520で掻き取られ、回収タンク522に回収される。尚、回収タンク522に回収されたプリウェット液220をプリウェット装置20のタンク202に搬送して再利用してもよい。
【0025】
現像剤回収装置52は、現像ローラ510に当接するように設けられた現像剤回収ローラ514と、回収された液体現像剤508を貯蔵する回収タンク524と、タンク502に貯蔵された液体現像剤508よりも更にトナー濃度の高い液体現像剤509が貯蔵されたタンク526と、濃度測定装置528と、濃度調整装置530と、を備えている。
【0026】
現像剤回収ローラ514は現像ローラ510の回転方向と反対方向に回転する。また、現像剤回収ローラ514は、図2に示すように、電源装置519によりバイアス電圧が印加されている。このバイアス電圧は、現像剤回収ローラ514と現像ローラ510との間に生じる電界により、プラスに帯電したトナーが現像剤回収ローラ514に対して引力を受けるように設定されなければならない。これは、トナーの現像剤回収ローラ514への付着力を現像ローラ510への付着力より強くすることにより、液体現像剤508を現像剤回収ローラ514の表面に付着させるためである。尚、本実施例では、現像バイアス電圧を−150Vに設定したので、現像剤回収ローラ514に印加するバイアス電圧を−250〜−200Vに設定した。
【0027】
図2に示すように、現像剤回収ローラ514に付着した液体現像剤508は回収タンク526に回収された後、濃度測定装置528によりトナー濃度が測定される。濃度測定装置528は、液体現像剤508の光透過率を測定し、この光透過率に基づきトナー濃度を算出する。濃度調整装置530は、濃度測定装置528で算出されたトナー濃度に基づき、回収された液体現像剤508にタンク526に貯蔵された液体現像剤509を混合してトナー濃度を調整する。濃度調整装置530によりトナー濃度が調整された液体現像剤508は、タンク502に搬送されて再利用される。
【0028】
本実施例の転写装置60は、図1に示すように、中間転写体である中間転写ドラム602と、中間転写ドラム602に離接可能に設けられた二次転写体である二次転写ローラ604と、中間転写ドラム602に残留するトナーを除去する除去ローラ606と、を備えている。
【0029】
中間転写ドラム602は、感光体10と当接するように設置されており、感光体10の回転方向と反対方向に回転する。また、中間転写ドラム602は、転写時に、図1に示すような電源装置608によりトナーと反対の極性を有する電荷で帯電される。これにより、すなわち静電気力によって感光体10上のトナー像を中間転写ドラム602上に一次転写する。
【0030】
中間転写ドラム602は、ステンレス等の剛体で形成された芯金と、芯金の周囲に形成された弾性層と、弾性層の表面に形成された表面層とを有する。このため、感光体10上に形成されたトナー像と中間転写ドラム602とが接触する際の接触圧力を分散させることができるので、感光体10上のトナー像が乱れるのを防止することができる。また、中間転写体に可撓性を有するベルトを用いた場合のように、中間転写体を高速で回転させても蛇行制御等の問題が生じない。尚、中間転写ドラム602の硬度は、5〜50度JIS−A、できれば15〜40度JIS−Aであることが望ましい。硬度が5度JIS−A以下であると、柔らかすぎるため一定形状を保つことが困難になる。一方、硬度が50度JIS−A以上であると、固すぎるため、感光体10上に形成されたトナー像と中間転写ドラム602とを接触させた際に、感光体10上のトナー像を押しつぶすおそれがある。
【0031】
尚、中間転写ドラム602の弾性層を形成する部材としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、NBR(ニトリル・ブチレン・ラバー)等の発泡体、あるいは、シリコンゴム、ウレタンゴム等の低硬度のゴム部材がある。但し、ゴム部材は、一般に弾性変形させた状態で長年使用すると、永久変形して本来の形状、すなわちローラ状に戻らなくなることがある。このため、弾性層を形成する部材には、できれば発泡体を用いることが好ましい。尚、芯金の周囲にゴム部材で弾性層を形成し、更にその表面に発泡体で弾性層を形成してもよい。
【0032】
中間転写ドラム602の表面層は液体現像剤508のキャリア液であるシリコンオイルに膨潤しない部材で形成されている。表面層を形成する方法としては、例えば、弾性層の表面に合成ゴム系結合体をコーティングする方法、弾性層の表面をチューブで被覆する方法等がある。これ等のチューブは、つなぎ目のない所謂エンドレスチューブである樹脂チューブ、例えばポリイミド、PET等のチューブであることが望ましい。尚、弾性層がウレタンゴム、フロロシリコンゴム等のシリコンオイルに膨潤しないゴム部材で形成されている場合は中間転写ドラムの側面を表面層で覆う必要はないが、発泡体等のシリコンオイルに膨潤するもので形成されている場合は中間転写ドラムの側面を表面層で覆う必要がある。
【0033】
中間転写ドラム602の電気抵抗値は104 〜1011Ωcm、できれば106 〜109 Ωcmあることが望ましい。電気抵抗値が104 Ωcm以下であると、中間転写ドラム602を帯電した際に、中間転写ドラム602から感光体10に急激に放電し、感光体10を損傷し、転写不良が発生する。一方、電気抵抗値が1011Ωcm以上であると、中間転写ドラム602の帯電が十分でなくなり、中間転写ドラム602と感光体10上に形成されたトナー像との間の静電気力が弱まりトナーの移動が十分に行われなくなる。中間転写ドラム602を上記のような電気抵抗値にするためには、中間転写ドラム602の表面を導電加工するか、あるいは、表面層を形成する部材に導電性微粒子を添加するなどして、電気抵抗値を下げる必要がある。
【0034】
中間転写ドラム602の表面は、離型性を有する光沢面であることが望ましい。これは、トナーとの離型性をよくすることにより、中間転写ドラム602に付着したトナーの除去を容易にするためである。したがって、中間転写ドラム602の表面層を形成する部材として、ラテックス、コーティングされたゴム部材、フッ素コーティング等の離型コートが施されたポリイミド等の樹脂チューブ、または、表面に離型効果を有するPFA、PTFE、ETFE、FEP等の樹脂チューブを用いることが望ましい。
【0035】
二次転写ローラ604は、中間転写ドラム602の回転方向と反対方向に回転することにより、記録媒体である紙を中間転写ドラム602と二次転写ローラ604との間に送り込む。この際、二次転写ローラ604は紙を介して中間転写ドラム602に押圧される。また、二次転写ローラ604は、図1に示すように、電源装置612によりトナーと反対の極性を有する電荷で帯電されている。このため、二次転写ローラ604の静電気力と中間転写ドラム602の弾性層とにより、中間転写体と記録媒体との密着性を向上させ、記録媒体の表面の凹凸に関係なく良好に転写が行える。
【0036】
二次転写ローラ604の表面には、フッ素コーティングが施されている。これは、トナーとの離型性をよくすることにより、二次転写ローラ604に付着したトナーの除去を容易にして二次転写ローラ604が汚れるのを防止するためである。
【0037】
除去ローラ606は、中間転写ドラム602と離接可能に設置され、且つ二次転写終了時に中間転写ドラム602に当接するように設置されており、中間転写ドラム602の回転方向と反対方向に回転する。また、除去ローラ606は、図1に示すように、電源装置614によりトナーと反対の極性を有する電荷で帯電されている。これにより、二次転写工程終了後に中間転写ドラム602に残留するトナーを除去ローラ606の表面に付着させ、中間転写ドラム602から除去する。
【0038】
本実施例のクリーニング装置70は、除去ローラ702と、除去ローラ702に接続された電源装置704とを備えている。除去ローラ702は、感光体10に当接するように設けられており、感光体10の回転方向と反対方向に回転する。電源装置704は、除去ローラ702をトナーと反対の極性を有する電荷で帯電するように除去ローラ702に電圧を印加する。これにより、感光体10上に残留するトナーを除去する。
【0039】
次に、本実施例に用いた画像形成用資材について説明する。本実施例に用いた液体現像剤は、エポキシ等のバインダーとなるレジン、トナーに所定の電荷、本実施例ではプラスの電荷を与える荷電制御剤、着色顔料、トナーを均一に分散させる分散剤等からなるトナーと、キャリア液とからなる。トナーの構成は、従来の液体現像剤に用いられてきたものと基本的には同様であるが、帯電特性及び分散性の調整のためそれらの処方はシリコンオイルに適合するよう変更してある。トナーの平均粒径は、小さい程、解像度がよくなるが、粒径が小さいと物理的接着力が大きくなり転写する際に、はがし難くなる。このため、本実施例ではトナーの平均粒径は、転写性の向上を目的として2〜4μmあたりに中心が来るように調整してある。
【0040】
液体現像剤の粘性は、用いるキャリア液、レジン、着色顔料、荷電制御剤などおよびそれらの濃度により決まる。本実施例では、粘度を50〜6000mPa・s、トナー濃度を5〜40%の範囲で変化させて実験した。
【0041】
キャリア液は、高電気抵抗を示すジメチルポリシロキサンオイル、環状ポリジメチルシロキサンオイル等を用いる。尚、現像ローラ510上の液体現像剤層中に含まれるキャリア液はきわめて少量であるので、感光体10の潜像面に供給される液体現像剤中に含まれるキャリア液もきわめて少量である。したがって、転写時に紙等に吸収されるキャリア液はきわめて少量となるので、粘度が1000mPa・s以下であれば定着後に残留するキャリア液は、ほとんど見られない。本発明者等の実験によれば、キャリア液に粘度が2.5mPa・sである米国ダウコーニング社のDC344及び粘度が6.5mPa・sである米国ダウコーニング社のDC345を用いて出画実験を行ったときは、いずれも定着後に紙上に残留するキャリア液は見られなかった。しかし、揮発性が高いため、現像装置を密閉構造にする必要が生じた。また、キャリア液に粘度が20mPa・sである信越シリコン社のKF−96−20を用いて出画実験を行ったときは、定着後に紙上に残留するキャリア液は見られなかった。また、揮発性がそれほど高くないので、現像装置を密閉構造にする必要は生じなかった。DC344,DC345及びKF−96−20は、一般的に化粧品に用いられるもので毒性等の安全性は高い。キャリア液については、信越シリコン社のKF9937等他に多くの種類があり、電気抵抗、蒸発特性、表面張力、安全性等が満たされていればいずれを選択してもよい。
【0042】
また、発明者等が行った実験では、表面張力が大きい場合にはかぶりやトナーの塊が付着することがあり、実験的には表面張力が21dyn/cm以上では画質に問題が起こりやすいことが分かった。
【0043】
電気抵抗値としては、トナーの帯電安定性の問題があり、1014Ωcm以上が望ましい。最低限1012Ωcm以上は必要である。本実施例の説明では、これらの実験結果に鑑み、価格が低く入手の容易なDC345を用いた例を示す。
【0044】
プリウェット液は、画像支持体上に形成された静電潜像を乱すことなく、定着時に容易に蒸発し、かぶりやトナーの塊が付着しないものであることが要求される。例としては、米国ダウコーニング社のDC344,DC200−0.65,−1.0,−2.0、信越シリコン社のKF96L−1,KF9937などが挙げられる。一般的に蒸発性の高いシリコンオイルを選択することが好ましい。
【0045】
発明者等の行った実験では、液粘度が0.5〜3mPa・sの範囲で問題なく現像、転写、定着による液の乾燥が行われたが、5mPa・sから6mPa・s程度ではやや定着時の液の乾燥に時間と温度が必要になる傾向が見られた。10mPa・sでは乾燥に要するエネルギーが大きくなり過ぎ一般的ではない。また、0.5mPa・s以下であると揮発性が高くなるので、危険物として法規制の対象となり適当でない。また、紙への加熱の影響もあり、沸点は、250℃以下のものであることが好ましい。
【0046】
表面張力は、現像剤と画像支持体との付着力をなくし、離型性をよくして画像の汚れを防ぎ、画質の解像力を向上させるため、できるだけ低いものがよい。本発明者等の実験によれば、20〜21dyn/cm程度が限界でこれより低いものを選択する必要がある。
【0047】
電気抵抗は、低い場合、潜像電荷をリークして像をぼかしてしまう。従って、できるだけ高いものを使用する必要がある。実験的には1014Ωcm程度以上が望ましい。最低限1012Ωcmは必要である。
【0048】
次に、本実施例の画像形成装置1の動作について説明する。
先ず、図4(A)に示すように、帯電装置30により感光体10の表面をトナーと反対の極性を有する電荷、本実施例の場合はマイナスの電荷で帯電する。一般に帯電装置30には、コロナ放電器が用いられる。次に、露光装置40により帯電した感光体10上に像を露光する。例えば、レーザースキャナーにより像を露光して感光体10の表面に静電潜像を形成する。図4(B)に示すようにレーザースキャナーの光が当たった部分は、導電化するので電荷が消失し、光の当たらなかった部分は電荷の像である静電潜像として残る。
【0049】
次に、図4(C)に示すように、プリウェット装置20により感光体10上にプリウェット液220を塗布する。タンク202に貯蔵されたプリウェット液220は、供給ローラ202aにより汲み上げられて搬送ローラ204に供給される。搬送ローラ204に供給されたプリウェット液220は塗布ローラ206に搬送された後、感光体10上に塗布される。このように、ローラを介してプリウェット220を塗布することにより、感光体10上に薄層のプリウェット液層を形成する。
【0050】
次に、現像装置50により静電潜像を顕像化する。タンク502に貯蔵された液体現像剤508は、供給ローラ502aにより搬送ローラ504に供給される。搬送ローラ504に供給された液体現像剤508は、塗布ローラ506a,506bに搬送された後、現像ローラ510に塗布される。このように、ローラを介して液体現像剤508を塗布することにより、現像ローラ510上に薄層の液体現像剤層を形成する。次に、図4(D)に示すように、現像ローラ510上の液体現像剤層を、感光体10上のプリウェット液層とソフトコンタクトさせることにより感光体10の表面に形成された静電潜像に近接させて、静電気力により、帯電したトナーを感光体10上に移動させ、感光体10上にトナー像を形成する。尚、現像時に感光体10から現像ローラ510に移動したプリウェット液220はプリウェット液回収装置51により、また現像後に現像ローラ510上に残留する液体現像剤508は現像剤回収装置52によりそれぞれ回収される。
【0051】
次に、転写装置60により感光体10上に形成されたトナー像を記録媒体である紙に転写する。先ず、図4(E)に示すように、感光体10上に形成されたトナー像を、トナーと電源装置608によりトナーと反対の極性を有する電荷で帯電された中間転写ドラム602との間に生じる静電気力により、中間転写ドラム602上に一次転写する。次に、図4(F)に示すように、中間転写ドラム602上に一次転写されたトナー像を、二次転写ローラ604の中間転写ドラム602への押圧力及び二次転写ローラ604に印加された二次転写バイアスによって生じる静電気力により、中間転写ドラム602と二次転写ローラ604との間に送り込まれた紙に二次転写する。一方、感光体10は、クリーニング装置70により感光体10上に残留した液体現像剤508が除去され、その後、除電装置80により除電される。
【0052】
次に、図4(G)に示すように、図1には図示されていない定着装置620により、紙上に二次転写されたトナー像を定着する。定着装置620の定着ローラ622内に設けられた定着ヒータ624は、トナーを熱的に溶融させる。これにより、紙上にトナー像を定着する。
【0053】
図5乃至図9は、本実施例の現像過程について詳細に説明するための図であり、図5は現像過程の全体を説明するための図、図6は接近過程のようすを示す図、図7はトナー移動過程のようすを示す図、図8は非画像部の分離過程を示す図、図9は画像部の分離過程を示す図である。従来の現像過程と異なり本実施例の現像過程は、図5に示すように、現像ローラが感光体に接近して液体現像剤層がプリウェット液層に接近する接近過程と、液体現像剤層とプリウェット液層とがソフトコンタクトしてトナーが移動するトナー移動過程と、現像ローラが感光体から離れて現像ローラに付着するトナーと感光体上に付着するトナーとに分離される分離過程との3つの過程から成り立っていると考えられる。
【0054】
接近過程では、図6に示すように、現像ローラ510に弾性を有する円柱状に形成されたものを用いたことにより、現像ローラ510の感光体10への押圧力調節して現像ローラ510上の液体現像剤層と感光体10上のプリウェット液層とが接触する際の接触圧力を分散させると、キャリア液とトナーからなる高粘度の液体現像剤層とプリウェット液層とはソフトコンタクトされる。この際、液体現像剤層及びプリウェット液層を介して現像ローラ510と感光体10との間に微小ギャップ即ち間隔dが形成される。尚、粘度の低いプリウェット液は前後に若干押し出されてプリウェット液の液溜りが生ずる。
【0055】
トナー移動過程においては、図7に示すように画像部では、トナーが感光体10上の電荷と現像ローラ510との間に形成される電界によって主にクーロン力によりプリウェット液層を通過して潜像面に移動する。一方、非画像部のトナーは、基本的には感光体10の表面と液体現像剤層とがプリウェット液層により分離されているので、不要なトナーの感光体10の表面への付着は起こらない。
【0056】
分離過程においては、非画像部では、図8に示すように基本的に液体現像剤層は現像ローラ510に残留する。プリウェット液層と液体現像剤層との界面では2つの層が分離する際に、粘度の低いプリウェット液層の一部が液体現像剤層に転移して分離する。したがって、2つの層の分離点は、プリウェット液層の内部にあると考えられる。一方、画像部では、図9に示すように感光体10の表面に移動したトナーがプリウェット液層を押しのけるため、プリウェット液層はトナー層の上に位置し、その層内で分離する。現像ローラ510上には、トナーが移動した後に残るキャリア液の一部とプリウェット液の一部が層を形成する。感光体10上に残ったプリウェット液は、後の転写工程において、トナーの静電気力による移動を容易にする。
【0057】
図10は液体現像剤層を薄層化したことの意義を説明するための図である。現像ローラ510上に塗布された液体現像剤層が厚すぎると、液体現像剤508の粘度が高いので、静電気力で現像ローラ510から感光体10の表面に移動しようとするトナー群が、その周りに位置するトナーに対して粘性を断ち切れずにクラスターを形成して、感光体10の表面に移動するため、トナーの過剰付着が起こり、画像ノイズが発生する。このクラスターの発生を抑えるために、液体現像剤層の層厚を現像が十分にできる最小限の値に抑える必要がある。
【0058】
図11は金属等の剛体で形成された現像ローラと感光体とをハードコンタクトさせたようすを示す図であり、図12は本実施例のソフトコンタクトを説明するための図である。上記で説明したように、本実施例の現像過程では、プリウェット液層の画像形成への機能は重要である。したがって、現像過程における重要な要件はプリウェット液層と液体現像剤層の2層の状態を維持することである。図11に示すように、剛体で形成された現像ローラと感光体とをハードコンタクトさせると2層の状態を維持することができない。本実施例では、図12に示すように、弾性性を有する現像ローラ510を用い、現像ローラ510の感光体10への押圧力を調節して現像ローラ510上に形成された液体現像剤層と感光体10上に形成されたプリウェット液層とが接触する際の接触圧力を分散させることにより、液体現像剤層とプリウェット液層とを2層状態を維持しつつ接触させている。尚、この際、液体現像剤層及びプリウェット液層を介して現像ローラ510と感光体10との間にあたかも微小ギャップ、すなわち間隔dが形成されたようになる。
【0059】
次に、液体現像剤層の層厚、プリウェット液層の層厚及び現像ギャップ即ち間隔の最適化について説明する。液体現像剤層の層厚は、液体現像剤の粘性が50〜100mPa・s以上のものについては、特に500mPa・s以上のものについては、薄くする必要がある。理想的には、現像時に要求されるトナー現像量(すなわち、ソリッド部の濃度)を満たす層厚より若干厚目が良い。これは、粘度の高い液体現像剤を用いた場合、現像時に、静電気的に選択されたトナーが液の粘性により余計なトナーを引き連れて感光体上に移動してしまうために、トナーの異常付着を生じてしまい画像汚れを引き起こすからである。発明者等の実験では、トナー濃度の高い液体現像剤については、5μmからトナー濃度の低いものは40μm程度の層厚で良好な画像が得られた。また、トナー濃度20〜30%の液体現像剤を用いた場合、液体現像剤の層厚が8〜20μm程度で良好な画質が得られた。
【0060】
プリウェット液層の層厚は、選択されたプリウェット液の粘度、表面張力により最適値が存在する。薄過ぎる場合には、高粘度の液体現像剤が感光体上に不規則に付着して画像汚れを生じる。プリウェット液の量を増やしていくに従って、画像汚れは改善されて、最適値が確認される。更に量を増やしていくと、潜像の電荷が流れ鮮鋭度、解像力の低下が起こること、現像時にトナー流れを生じやはり画像がぼける傾向を示す。DC344を用いた実験では、30μm以下、特に20μm以下の厚みで良好な結果を得られた。これより粘性の低いものについては、この結果より薄めでも、厚目でも良い結果を得られる。しかしながら、高粘度のものに関しては、最適値は範囲が狭くなる傾向にある。
【0061】
感光体と現像ローラのギャップ、すなわち間隔は、狭いほうが画質において解像力、ソリッド部の濃度の均一性が良くなるのは、従来の現像法と同じである。本実施例に用いた高粘性の液体現像剤では、トナー間の凝集力が強いため、粉体現像剤のように、現像剤支持体あるいはキャリア粒子から機械的衝撃、静電気力により遊離したトナーが現像に使われるような現象が起きない。すなわち、液体現像剤層と感光体との間に空気層を介在させては現像がなされない。それゆえ、現像ローラ510と液体現像剤層、液体現像剤層とプリウェット液層、プリウェット液層と感光体がそれぞれ接触している関係になることが必須である。したがって、微小ギャップ即ち間隔dは、液体現像剤層、プリウェット液層の厚み以下でそれぞれの層を乱さない程度の寸法でなければならない。本実施例では、現像ローラ510の感光体10への押圧力を調節して、液体現像剤の粘度、トナー濃度の違いに応じ、感光体10上のプリウェット液層と現像ローラ510上の液体現像剤層とを接触させたときに間隔dが8μmから50μmの間になるようにした。
【0062】
上述の条件下で画出し実験をおこなった結果を表1に示す。これらの結果から、本実施例の現像法に最適な現像剤及びプリウェット液の粘性に関する範囲は、現像剤が100mPa・sから6000mPa・s、プリウェット液が0.5mPa・sから5mPa・sの間であることが分かった。また、画質に関しては、現像ベルト上の液体現像剤層の厚み、プリウェット液層の厚み、現像ギャップ即ち間隔等の影響により変化するが、現像諸条件の最適化をしても、概ね表1に示すような傾向にあり、液体現像剤の最適な領域は表1に示した範囲に入ることを確認した。尚、プリウェット液のシリコンオイルには、ダウコーニング製のDC200シリーズを用い、また現像液のキャリア液には、同社製のDC345を用いた。
【0063】
【表1】
Figure 0003650431
【0064】
本発明の第一実施例によれば、現像ローラ510との間に生じる電界により、トナーに対して斥力が働くようにバイアス電圧が印加されたプリウェット液回収ローラ512を、現像ローラ510の回転方向と同方向に回転させながら現像ローラ510に接触させることにより、現像時に感光体10から現像ローラ510に移動したプリウェット液220を、現像後に現像ローラ510上に残留する液体現像剤508と分離して回収し、また、現像ローラ510との間に生じる電界により、トナーに対して引力が働くようにバイアス電圧が印加された現像剤回収ローラ514を、現像ローラ510の回転方向と反対方向に回転させながら現像ローラ510に接触させることにより、プリウェット液220の回収後に現像ローラ510上に残留する液体現像剤508を回収する。したがって、回収した液体現像剤508にプリウェット液220が混合するのを防止することができるので、回収した液体現像剤を現像工程に再利用することができる。また、現像剤回収ローラ514を回転させながら液体現像剤を回収するので、高粘性の液体現像剤を用いた場合でも良好に液体現像剤を回収することができる。
【0065】
また、本発明の第一実施例によれば、現像剤回収ローラ514により回収された液体現像剤508のトナー濃度を測定する濃度測定装置528と、濃度測定装置528で測定されたトナー濃度に基づき、回収された液体現像剤508に更に高濃度の液体現像剤509を混合してトナー濃度を調整する濃度調整装置530とを設けたことにより、回収した液体現像剤のトナー濃度をタンク502に貯蔵された液体現像剤の濃度、すなわち初期濃度に合わせることができる。
【0066】
さらに、本発明の第一実施例によれば、液体現像剤層を介して現像ローラ510にプリウェット液回収ローラ512を接触させたことにより、プリウェット液220は液体現像剤508に比べて現像ローラ510への付着力が弱く、したがって液体現像剤層上にプリウェット液層を形成するので、静電気的に現像ローラ510の液体現像剤層上のプリウェット液層のみをプリウェット液回収ローラ512上に引き込むことができ、これにより、更に良好にプリウェット液220のみをプリウェット液回収ローラ512の表面に付着させることができる。
【0067】
また、本発明の第一実施例によれば、液体現像剤のキャリア液としてシリコンオイルを用いたことにより、従来のものに比べて以下に述べる利点を有する。
【0068】
従来の液体現像剤は、一般にキャリア液としてIsoparG (登録商標:Exxon 社製)を用いている。このIsoparは、シリコンオイルほど抵抗値が高くないので、トナー濃度を濃くすると、即ち粒子間距離が小さくなると、トナーの帯電性が悪くなる。したがって、Isoparの場合は、トナー濃度に限界がある。これに対して、第一実施例で用いたシリコンオイルは、抵抗値が十分に大きいので、トナー濃度を濃くすることができる。また、一般にIsoparの場合、トナーの分散状態が良く、したがって、トナー濃度が1〜2%でも、トナー同士が反発しあうので、均一にトナーが分散している。これに対して、シリコンオイルは、トナー濃度が1〜2%の場合、分散性が良くなく、じきに沈殿してしまう。しかし、トナー濃度を5〜40%にすると、密に詰まった状態となり、安定して分散する。このため、本実施例では、トナーが高密度に分散された高粘度の液体現像剤を使用している。これにより、従来の低濃度の液体現像剤に比べて、現像液の液量を大幅に低減することができ、現像装置の小型化を図ることができる。更に、本実施例の液体現像剤は高粘度の液体であるので、保管や取り扱いの点でも、従来の低粘度の液体現像剤や粉体現像剤に比べて容易になる。
【0069】
従来の液体現像剤で用いていたIsoparは、前述のように、揮発性が高く、しかも悪臭を放つので、作業環境を悪化させるだけでなく、公害を起こすという問題があった。これに対して本実施例で用いているシリコンオイルは、化粧品用として用いられていることからも明らかなように、安全な液体であり、また無臭であるので、本実施例によれば、作業環境を改善することができ、また公害の問題も発生しない。
【0070】
次に、本発明の第二実施例について図13乃至図16を参照して説明する。
図13は本発明の第二実施例である画像形成装置の概略構成図、図14は図13に示す画像形成装置に用いられるプリウェット装置の概略斜視図、図15は図14に示すプリウェット装置の動作を説明するための図、図16はプリウェット液供給体を感光体10に当接させたときのプリウェット液の流れを表した図である。ここで、図中の符号は第一実施例と同じ機能を有するものについては同じ符号を使用している。
【0071】
本発明の第二実施例である画像形成装置2は、図13に示すように、画像支持体である感光体10と、感光体10上にプリウェット液を塗布するプリウェット装置25と、感光体10を帯電する帯電装置30と、感光体10上に像を露光する露光装置40と、感光体10の静電潜像が形成された部分にプラスに帯電したトナーを供給することにより静電潜像を顕像化する現像装置55と、感光体10上に形成されたトナー像を所定の紙に転写する転写装置60と、感光体10上に残留したトナーを除去するクリーニング装置70と、帯電された感光体10を除電する除電装置80と、図示されていないが紙に転写されたトナーを定着させる定着装置と、を備えている。
【0072】
図13に示す画像形成装置2が図1に示す第一実施例の画像形成装置1と異なる点は、プリウェット装置20に代えてプリウェット装置25を用いたこと、および現像装置50に代えて現像装置55を用いたことである。したがって、本実施例では、プリウェット装置25及び現像装置55について説明し、その他の装置の詳細な説明を省略する。
【0073】
本実施例のプリウェット装置25は、図14に示すように、感光体10上に描かれる画像幅と略同じ長さを有する板状のプリウェット液供給体252と、プリウェット液供給体252を収納するケース254と、プリウェット液220を貯蔵するタンク256と、タンク256に貯蔵されたプリウェット液220を汲み上げるポンプ258と、チューブ260a,260bと、変位装置262と、を備えている。
【0074】
プリウェット液供給体252には、気孔が連続した立体網目構造を有する連続多孔質体、例えばベルイータ(登録商標:カネボウ(株))が用いられる。ベルイータは、気孔の容積分だけプリウェット液220を保持することができ、また気孔の容積を越えるプリウェット液220が供給されたときには、プリウェット液220の流れ方向に対し垂直な方向においてプリウェット液220を均一に放出することができる。ケース254の感光体10と対向する面には、図15に示すように、プリウェット液供給体252の底面を感光体10に当接させることができるように開口部254aが設けられている。チューブ260aは、ポンプ258により汲み上げられたプリウェット液220をプリウェット液供給体252の供給側252aに搬送する。尚、プリウェット液供給体252の供給側252aとケース254との間には空間部254bが形成されており、プリウェット液220はこの空間部254bに蓄えられた後、供給側252aから供給される。チューブ260bは、プリウェット液供給体252の放出側252bから放出されたプリウェット液220をタンク256に搬送する。変位装置262は、外部からの信号が入力されていないときは、図15(A)に示すように、プリウェット液供給体252を感光体10から離れた位置に保持し、外部からの信号が入力されているときは、図15(B)に示すように、プリウェット液供給体252を感光体10に当接する。
【0075】
本実施例の現像装置55は、現像剤支持体である現像ベルト560と、現像ベルト560を回転駆動すると共に現像ベルト560の一部を感光体10に当接するように保持する駆動ローラ562a,562bと、現像ベルト560の表面に液体現像剤を塗布する現像剤供給装置57と、現像時に感光体10から現像ベルト560に移動したプリウェット液を回収するプリウェット液回収装置51と、現像後に現像ベルト560上に残留する液体現像剤508を回収する現像剤回収装置58と、を備えている。
【0076】
現像剤供給装置57は、四つの現像カートリッジ57a,57b,57c,57d(以下、単に現像カートリッジともいう)と、図示されていないが現像カートリッジを現像ベルト560の表面に離接する離接装置と、を有する。各現像カートリッジは、液体現像剤508を貯蔵すると共に吐出するベローズポンプ552と、現像ベルト560の表面に液体現像剤を塗布する塗布ローラ556と、ベローズポンプ552から吐出された液体現像剤を塗布ローラ556に搬送する搬送ローラ554a,554bと、調整ローラ555と、を備えている。現像カートリッジ57aのベローズポンプ552にはイエローのトナーを含む液体現像剤508aが、現像カートリッジ57bのベローズポンプ552にはマゼンタのトナーを含む液体現像剤508bが、現像カートリッジ57cのベローズポンプ552にはシアンのトナーを含む液体現像剤508cが、そして、現像カートリッジ57dのベローズポンプ552にはブラックのトナーを含む液体現像剤508dがそれぞれ貯蔵されている(以下、液体現像剤508a,508b,508c,508dを単に液体現像剤508ともいう)。
【0077】
搬送ローラ554bは、搬送ローラ554aに当接するように設置されており、搬送ローラ554aの回転方向と反対方向に回転することにより、ベローズポンプ552に貯蔵された液体現像剤508を搬送ローラ544aに搬送する。搬送ローラ554aは、塗布ローラ556に当接するように設置されており、塗布ローラ556の回転方向と反対方向に回転することにより、搬送ローラ554bにより搬送された液体現像剤508を塗布ローラ556に搬送する。塗布ローラ556は、図示されていない離接装置により現像ベルト560の表面と離接可能に設置されており、現像ベルト510の回転方向と反対方向に回転することにより、搬送ローラ554aにより搬送された液体現像剤508を現像ベルト510の表面に塗布する。調整ローラ555は、搬送ローラ554bに当接するように設置されており、搬送ローラ554bの回転方向と反対方向に回転することにより、搬送ローラ554b上の液体現像剤508の層厚を調節する。尚、搬送ローラの数は2個に限定されるものではない。また、現像ベルト560上に液体現像剤508を均一に塗布することができる場合には、搬送ローラを設けなくてもよい。
【0078】
上記構成の現像剤供給装置57は、図示されていない離接装置によって、いずれかの現像カートリッジが備える塗布ローラ556を現像ベルト560に当接させることにより、現像ベルト560の表面に所望の色のトナーを含む液体現像剤508を塗布する。
【0079】
現像ベルト560は、駆動ローラ562a,562bによって感光体10の回転方向と反対方向に回転することにより、感光体10の表面に塗布ローラ556によって塗布された液体現像剤508を供給する。現像ベルト560には、シームレスのニッケルベルトのような金属ベルト、ポリイミドフィルムベルトのような樹脂ベルト等の可撓性を有する部材が用いられる。これにより、現像ベルト560のテンションを調節して現像ベルト560上に形成された液体現像剤層と感光体10上に形成されたプリウェット液層とが接触する際の接触圧力を分散させると、液体現像剤層及びプリウェット液層を介して感光体10と現像ベルト560との間にあたかも間隔が形成されたようになる。このため、現像過程において、現像ベルト560上に形成された液体現像剤層と感光体10上に形成されたプリウェット液層とを層同士を区別できるような2層状態を維持しつつ接触させることができる。尚、現像ベルト560は電気的な現像バイアスを印加できるものでなければならない。したがって、樹脂ベルトを用いる場合には、ベルトの表面を導電加工するか、ベルトの材質に導電性微粒子を添加するなどして電気抵抗値を下げる必要がある。ベルト自体が導電性を有する場合、駆動ローラ562a,562bには、現像バイアスを印加できるように導電性微粒子が添加された電気抵抗値の低いゴムローラが用いられる。ベルトの表面に導電加工を施した場合はベルトの表面に接触する導体を配設し、この導体に現像バイアスを印加する。
【0080】
プリウェット液回収装置51は、第一実施例で用いたものと同様である。したがって、その詳細な説明を省略する。
【0081】
現像剤回収装置58は、四つの現像剤回収ローラ580a,580b,580c,580d(以下、単に現像剤回収ローラともいう)が回転軸582に取り付けられて構成される。回転軸582は、図示されていない駆動装置により、現像ベルト560上にイエローのトナーを含む液体現像剤508aが塗布されているときは現像剤回収ローラ580aを、マゼンタのトナーを含む液体現像剤508bが塗布されているときは現像剤回収ローラ580bを、シアンのトナーを含む液体現像剤508cが塗布されているときは現像剤回収ローラ580cを、そして、ブラックのトナーを含む液体現像剤508dが塗布されているときは現像剤回収ローラ580dを、それぞれ当接するように回転駆動される。
【0082】
各現像剤回収ローラは現像ベルト560の回転方向と反対方向に回転する。また、各現像剤回収ローラは、図13に示すように、電源装置583により回転軸582を介してバイアス電圧が印加されている。バイアス電圧は、現像ベルト560と現像ベルト560に当接する現像剤回収ローラとの間に生じる電界により、トナーが現像剤回収ローラに対して引力を受けるように設定されなければならない。これは、トナーの現像剤回収ローラへの付着力を現像ベルト560への付着力より強くすることにより、液体現像剤508を現像剤回収ローラ514の表面に付着させるためである。
【0083】
上記構成の現像剤回収装置58は、現像ベルト560に塗布されている液体現像剤の色に応じて当接する現像剤回収ローラを切換え、現像後に現像ベルト560上に残留する液体現像剤を回収する。尚、各現像剤回収ローラ毎に、第一実施例の現像剤回収装置52に示すような濃度測定装置528と濃度調整装置530を設け、回収された液体現像剤508のトナー濃度を各色毎に調整するようにしてもよい。
【0084】
次に、本実施例の画像形成装置2の動作について説明する。
先ず、帯電装置30によって感光体10の表面を帯電し、その後、露光装置40により帯電した感光体10上に像を露光する。
【0085】
次に、プリウェット装置25により感光体10上にプリウェット液220を塗布する。プリウェット装置25は、外部からの信号が入力されるとプリウェット液供給体252を感光体10に当接する。プリウェット液供給体252の内部には、ポンプ258によりプリウェット液220が常時循環しており、プリウェット液供給体252であるベルイータの気孔の容積を越えるプリウェット液220は、図16に示すように、プリウェット液供給体252の放出側252bから放出されると共にプリウェット液供給体252の底面から放出され、感光体10に傷を付けることなく感光体10上に均一に塗布される。
【0086】
次に、現像装置55により静電潜像を顕像化する。ベローズポンプ552により調整ローラ555と搬送ローラ554bとの当接開始側に供給された液体現像剤508は、搬送ローラ554aを介して塗布ローラ556に搬送された後、現像ベルト560に塗布される。このように、複数のローラを介して現像ベルト560上に液体現像剤508を塗布することにより、現像ベルト560上に薄層の液体現像剤層を形成する。尚、図示されていない離接装置により、現像ベルト560にいずれかの現像カートリッジが備える塗布ローラ556を当接することにより、イエロー、マゼンダ、シアン及びブラックのいずれかのトナーを含む液体現像剤508を現像ベルト560に塗布することができる。
【0087】
次に、このようにして現像ベルト560上に形成された液体現像剤層を感光体10の表面に形成された静電潜像に近接させて、静電気力により、帯電したトナーを感光体10上に移動させ、トナー像を形成する。尚、現像時に感光体10から現像ローラ510に移動したプリウェット液220はプリウェット液回収装置51により回収される。また、現像後に現像ローラ510上に残留する液体現像剤508は現像剤回収装置58により各色毎に回収される。
【0088】
次に、転写装置60により感光体10上に形成されたトナー像を中間転写ドラム602上に一次転写する。感光体10上に形成されたトナー像は、感光体10上に形成されたトナー像と電源装置608によりトナーと反対の極性を有する電荷で帯電した中間転写ドラム602との間に生じる静電気力により、中間転写ドラム602上に移動し一次転写される。一方、感光体10は、クリーニング装置70により感光体10上に残留した液体現像剤508が除去され、その後、除電装置80により除電される。そして、図示されていない離接装置により、現像ベルト560に当接する塗布ローラ556が切り換えられ、再び上記の帯電から除電までのサイクルを繰り返すことにより、中間転写ドラム602上にイエロー、マゼンダ、シアン及びブラックのトナー像を次々と重ねて一次転写する。これにより、中間転写ドラム602上にカラー化に対応したトナー像を形成する。
【0089】
次に、転写装置60により中間転写ドラム602上に形成されたカラー化に対応したトナー像を記録媒体である紙に二次転写する。中間転写ドラム602上に形成されたカラー化に対応したトナー像は、二次転写ローラ604の中間転写ドラム602への押圧力及び二次転写ローラ604に印加された二次転写バイアスによって生じる静電気力により、中間転写ドラム602と二次転写ローラ604との間に送り込まれた紙に二次転写される。そして、図示されていない定着装置により、紙上に定着する。これにより、紙上にカラー画像を形成することができる。
【0090】
本発明の第二実施例によれば、現像後に、現像ベルト560上に残留する液体現像剤508a〜508dをそれぞれ対応する現像剤回収ローラ580a〜580dによって各色毎に回収する現像剤回収装置58を設けたことにより、回収された液体現像剤が混色するのを防止することができる。その他の効果は第一実施例のものと同様である。
【0091】
尚、上記の第二実施例では、現像剤供給装置として、現像ベルト560上にイエローのトナーを含む液体現像剤508aを塗布する現像カートリッジ57aと、マゼンダのトナーを含む液体現像剤508bを塗布する現像カートリッジ57bと、シアンのトナーを含む液体現像剤508cを塗布する現像カートリッジ57cと、ブラックのトナーを含む液体現像剤508dを塗布する現像カートリッジ57dと、を設けたものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。現像剤供給装置は、現像剤支持体に所望の色のトナーを含む液体現像剤を塗布する現像カートリッジを必要に応じて二個又は三個設けたものであってもよい。この場合、現像剤回収装置が備える現像剤回収ローラの数も、現像カートリッジの数に応じたものとすればよい。
【0092】
本発明は、上記の各実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。たとえば、上記の各実施例では、画像支持体として有機感光体を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像支持体は、カールソン法で用いる各種感光体あるいはイオノグラフィ等の静電潜像を直接形成する導体上に絶縁体層を形成したもの、静電プロッタで用いるような静電記録紙でもよい。
【0093】
また、上記の各実施例では、露光装置により画像支持体上に像を露光し、その後、プリウェット装置により画像支持体上にプリウェット液を塗布するものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、プリウェット液の塗布は、現像工程に先立って行われるものであればよい。たとえば、プリウェット装置により画像支持体上にプリウェット液を塗布し、その後、露光装置により画像支持体上に像を露光するものであってもよい。また、プリウェット装置は、上記の各実施例で用いたものに限定されるものではなく、一定の量のプリウェット液を感光体の表面に均一に塗布することができるものであればよい。たとえば、軸方向に並んだ複数のノズルからプリウェット液を吐出させることにより塗布するもの、スポンジローラ等により塗布するもの等でもよい。また、プリウェット液の粘度が0.5〜5mPa・s、電気抵抗が1012Ωcm以上、沸点が100〜250℃、表面張力が21dyn/cm以下であれば、プリウェット液はシリコンを主成分とするものでなくてもよい。さらに、画像支持体の表面に離型性を有する材料をコーティングした場合、特にプリウェット装置を必要とするものではない。
【0094】
さらに、上記の各実施例では、帯電装置により画像支持体をトナーと反対の極性を有する電荷で帯電し、その後、露光装置により画像支持体に光を当てて、画像支持体の光が当たらなかった部分に可視像化すべき静電潜像を形成する、いわゆる正規現像を用いたものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。帯電装置により画像支持体をトナーと同じの極性を有する電荷で帯電し、その後、露光装置により画像支持体に光を当てて、画像支持体の光が当たった部分に可視像化すべき像を形成する、いわゆる反転現像を用いるものであってもよい。本発明者等は、反転現像を適用した装置において、プラスに帯電したトナーを用い、現像バイアス電圧を600Vに設定した場合、プリウェット液回収ローラのバイアス電圧を650〜700Vに設定し、現像剤回収ローラのバイアス電圧を500〜550Vに設定したときに、現像剤支持体上の液体現像剤とプリウェット液とを良好に分離して回収できることを確認した。
【0095】
また、上記の各実施例では、現像装置における液体現像剤の現像剤支持体への供給として、ローラを介して現像剤支持体に液体現像剤を塗布するものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、現像装置は現像剤支持体上に液体現像剤を薄くムラなく塗布することができるものであればよい。たとえば、ベローズポンプにより現像剤支持体上に液体現像剤を直接塗布し、その後、層形成ローラや層形成ブレードで現像剤支持体上の液体現像剤層の層厚を規制するようにしてもよい。また、現像剤支持体は、上記の各実施例で用いたものに限定されるものではなく、金属等の導電性を有する剛体で形成されたものでもよい。但し、剛体で形成された現像ローラを用いる場合、現像ローラ上に形成された液体現像剤層と感光体上に形成されたプリウェット液層とを2層状態を維持しつつ接触させるため、感光体に可撓性を有するベルト状部材で形成されたものを用いるか、または、現像ローラと感光体ドラムとの間に微小なギャップ即ち間隔dを形成するようにして現像ローラを設置する必要がある。
【0096】
さらに、上記の各実施例では、転写装置における一次転写として、電源装置608によって中間転写ドラム602をトナーと反対の極性を有する電荷で帯電することにより、感光体10上に形成されたトナー像を中間転写ドラム602上に一次転写するものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。転写装置は、たとえば、コロナ放電器により中間転写ドラム602をトナーと反対の極性を有する電荷で帯電するようにしたものであってもよい。また、上記の各実施例では、転写装置における二次転写として、二次転写ローラ604の中間転写ドラム602への押圧力及び二次転写ローラ604に印加されたバイアス電圧によって生じる静電気力により、中間転写ドラム602上のトナー像を紙に二次転写するものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。転写装置は、中間転写ドラム602上のトナー像を紙に二次転写することができるものであればよい。たとえば、二次転写ローラ604の内部に定着ヒータを設け、中間転写ドラム602上のトナーを加熱した場合、中間転写ドラム602上のトナー像を紙に二次転写すると同時に定着することができる。
【0097】
また、上記の各実施例では、クリーニング装置として、トナーと反対の極性を有する電荷で帯電された除去ローラ702を用いたものについて説明したが、本発明はこれに限定されない。クリーニング装置は、感光体上に残留するトナーを除去することができるものであればよく、例えば、感光体上に残留するトナーをブレード等を用いて掻き取るものでもよい。
【0098】
また、本発明は上記の各実施例に限定されるものではなく、液体現像剤の層厚が5〜40μmであれば、高粘性現像剤の粘度は10000mPa・sであっても良い。現状では、6000mPa・s以上の高粘度の現像剤は、キャリア液とトナーとの攪拌が難しくなるので、コスト的にあわなくなると考えるが、安価に入手できるようになれば、6000mPa・s以上でもよい。粘度が10000mPa・sを越えるものは、現実的でなくなる。また、液体現像剤のキャリア液はシリコンオイルに限定されない。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、前記構成のプリウェット液回収工程と現像剤回収工程を設けたことにより、トナー及び現像剤支持体の間に働く静電気力と粘性とにより現像剤支持体に付着する液体現像剤と、液体現像剤に比べて現像剤支持体への付着力が弱いため液体現像剤層上に層を形成するプリウェット液とを分離して回収することができ、これにより、回収した液体現像剤にプリウェット液が混合するのを防止することができ、したがって、回収した液体現像剤を現像工程に再利用することができ、また、トナーが高濃度に分散された液体現像剤を薄層にして現像することにより、高解像度であると共に、小型化が容易で、しかも低公害化が可能であり、加えて、現像工程に先立って、画像支持体上に離型性を有し化学的に不活性な誘電性液であるプリウェット工程を設けたことにより、画像支持体の非画像部にトナーが付着するのを防止することができる静電潜像の液体現像方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例である画像形成装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置に用いられる現像装置の概略構成図である。
【図3】図2に示す現像ローラとプリウェット液回収ローラとの設置位置を説明するための図である。
【図4】図1に示す画像形成装置の動作を説明するための図である。
【図5】現像過程の全体を説明するための図である。
【図6】接近過程のようすを示す図である。
【図7】トナー移動過程のようすを示す図である。
【図8】非画像部の分離過程を示す図である。
【図9】画像部の分離過程を示す図である。
【図10】液体現像剤を薄層化したことの意義を説明するための図である。
【図11】現像ローラと感光体とをハードコンタクトさせたようすを示す図である。
【図12】本発明のソフトコンタクトを説明するための図である。
【図13】本発明の第二実施例である画像形成装置の概略構成図である。
【図14】図13に示す画像形成装置に用いられるプリウェット装置の概略斜視図である。
【図15】図14に示すプリウェット装置の動作を説明するための図である。
【図16】プリウェット液供給体を感光体に当接させたときのプリウェット液の流れを表した図である。
【符号の説明】
1,2 画像形成装置
10 感光体
20,25 プリウェット装置
30 帯電装置
40 露光装置
50,55 現像装置
51 プリウェット液回収装置
52,58 現像剤回収装置
57 現像剤供給装置
57a,57b,57c,57d 現像カートリッジ
60 転写装置
70 クリーニング装置
80 除電装置
202,256,502,526 タンク
202a,502a 供給ローラ
204,504,554a,554b 搬送ローラ
206,506a,506b,556 塗布ローラ
220 プリウェット液
252 プリウェット液供給体
254 ケース
258 ポンプ
260a,260b チューブ
262 変位装置
302 遮光板
508,508a,508b,508c,508d,509 液体現像剤
510 現像ローラ
512 プリウェット液回収ローラ
513,515,517,519,583,608,612,614,704電源装置
514,580a,580b,580c,580d 現像剤回収ローラ
520 掻き取りブレード
522,524 回収タンク
528 濃度測定装置
530 濃度調整装置
552 ベローズポンプ
555 調整ローラ
560 現像ローラ
562a,562b 駆動ローラ
582 回転軸
602 中間転写ドラム
604 二次転写ローラ
606,702 除去ローラ
620 定着装置
622 定着ローラ
624 定着ヒータ

Claims (10)

  1. 画像支持体上に形成された静電潜像を帯電した顕像化粒子であるトナーによって現像する静電潜像の液体現像方法であって、
    現像工程に先立って、画像支持体上に離型性を有し化学的に不活性な誘電性液であるプリウェット液を塗布するプリウェット工程と、
    現像剤支持体上に塗布された絶縁性液体中にトナーが高濃度に分散された100〜10000mPa・sの高粘度の液体現像剤を前記画像支持体の潜像面に供給する現像工程と、
    前記現像剤支持体との間に生じる電界により、トナーに対して斥力が働くようにバイアス電圧が印加されたプリウェット液回収ローラを、前記現像剤支持体の回転方向と同方向に回転させながら前記現像剤支持体に接触させることにより、現像工程の際に前記現像剤支持体に付着した前記プリウェット液を前記プリウェット液回収ローラに付着させて回収するプリウェット液回収工程と、
    前記現像剤支持体との間に生じる電界により、トナーに対して引力が働くようにバイアス電圧が印加された現像剤回収ローラを、前記現像剤支持体の回転方向と反対方向に回転させながら前記現像剤支持体に接触させることにより、前記現像剤支持体上に残留した前記液体現像剤を前記現像剤回収ローラに付着させて回収する現像剤回収工程と、
    を備えていることを特徴とする静電潜像の液体現像方法。
  2. 前記現像剤回収工程により回収された前記液体現像剤の濃度を測定する濃度測定工程と、
    前記濃度測定工程の結果に基づいて前記現像剤回収工程により回収された前記液体現像剤にトナーを加えて濃度を調整する濃度調整工程と、
    を備えていることを特徴とする請求項1記載の静電潜像の液体現像方法。
  3. 前記現像剤回収工程は、前記液体現像剤の色に応じた複数の現像剤回収ローラを有し、前記現像剤支持体上に塗布される前記液体現像剤の色に応じて前記現像剤支持体に接触させる現像剤回収ローラを切り換えることを特徴とする請求項1又は2記載の静電潜像の液体現像方法。
  4. 前記プリウェット液回収工程は、前記現像剤支持体上の液体現像剤層を介して前記現像剤支持体に前記プリウェット液回収ローラを接触させることを特徴とする請求項1,2又は3記載の静電潜像の液体現像方法。
  5. 前記液体現像剤は、絶縁性液体の粘度が0.5〜1000mPa・s、電気抵抗が1012Ωcm以上、表面張力が21dyn/cm以下、沸点が100℃以上であることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の静電潜像の液体現像方法。
  6. 前記液体現像剤は、シリコンオイルを絶縁性液体として利用するものであることを特徴とする請求項5記載の静電潜像の液体現像方法。
  7. 前記液体現像剤は、平均粒径0.1〜5μmのトナーを5〜40%の濃度で含むものであることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の静電潜像の液体現像方法。
  8. 前記プリウェット液は、粘度が0.5〜5mPa・s、電気抵抗が1012Ωcm以上、沸点が100〜250℃、表面張力が21dyn/cm以下であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の静電潜像の液体現像方法。
  9. 前記プリウェット液は、シリコンオイルを主成分としたものであることを特徴とする請求項8記載の静電潜像の液体現像方法。
  10. 画像支持体上に形成された静電潜像を帯電した顕像化粒子であるトナーによって現像する静電潜像の液体現像装置であって、
    画像支持体上に離型性を有し化学的に不活性な誘電性液であるプリウェット液を塗布するプリウェット手段と、
    現像剤支持体上に塗布された絶縁性液体中にトナーが高濃度に分散された100〜10000mPa・sの高粘度の液体現像剤を前記画像支持体の潜像面に供給する現像手段と、
    前記現像剤支持体に当接するように設置されたプリウェット液回収ローラと、前記プリウェット液回収ローラを前記現像剤支持体の回転方向と同方向に回転させる回転駆動手段と、前記プリウェット液回収ローラと前記現像剤支持体との間に生じる電界により、前記プリウェット液回収ローラにトナーに対して斥力が働くようにバイアス電圧を印加する電圧印加手段とを有するプリウェット液回収手段と、
    前記現像剤支持体に当接するように設置された現像剤回収ローラと、前記現像剤回収ローラを前記現像剤支持体の回転方向と反対方向に回転させる回転駆動手段と、前記現像剤回収ローラと前記現像剤支持体との間に生じる電界により、前記現像剤回収ローラにトナーに対して引力が働くようにバイアス電圧を印加する電圧印加手段とを有する現像剤回収手段と、
    を備えていることを特徴とする静電潜像の液体現像装置。
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