JP4210345B2 - 静電潜像の液体現像装置 - Google Patents

静電潜像の液体現像装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真や静電記録、イオノグラフィ等の方法で形成された静電潜像を、液体現像剤を用いて可視像化する静電潜像の液体現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、静電潜像の液体現像装置では、画像支持体上の潜像面に液体現像剤を供給する方法として、現像剤支持体である現像ローラの表面に凹凸を設け、凹部に液体現像剤を保持して画像支持体に供給する方法、現像剤支持体にスポンジローラを用い、スポンジローラを画像支持体に押圧することによりスポンジローラに吸収された液体現像剤を画像支持体に供給する方法、または、画像支持体を液体現像剤が貯蔵された現像剤槽に浸漬することにより現像剤支持体を用いずに直接液体現像剤を画像支持体に供給する方法等が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の静電記録装置等では、一般に有機溶剤であるIsoparG (登録商標:Exxon 社製)にトナーを約1〜2%の割合で混ぜた低粘性の液体現像剤が使用されている。このため、画像支持体への供給量が少量となる高濃度高粘性の液体現像剤(絶縁性液体中にトナーが高濃度に分散された100〜10000mPa・sの高粘性の液体現像剤)を用いた場合、画像支持体の潜像面に液体現像剤を供給する方法としていかなる方法が好適であるのか明らかでない。
【0004】
【目的】
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、少量の高濃度高粘性の液体現像剤を現像剤支持体上に均一の厚みで塗布することにより画像支持体の潜像面に液体現像剤を均一に供給することができる静電潜像の液体現像装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の静電潜像の液体現像装置は、画像支持体上に形成された静電潜像を帯電した顕像化粒子であるトナーによって現像する静電潜像の液体現像装置であって、絶縁性液体中にトナーが高濃度に分散された100〜10000mPa・sの高粘度の液体現像剤を担持するベルト状の現像剤支持体と、前記現像剤支持体上に前記液体現像剤を塗布する塗布ローラと前記塗布ローラに前記液体現像剤を搬送する三つの搬送ローラ1、2及び3とを有する塗布手段と、隣合う前記搬送ローラ間の軸間距離を調節する調節手段と、を具備する液体現像装置において、前記塗布ローラと三つの搬送ローラは、搬送ローラ1、搬送ローラ2、搬送ローラ3、塗布ローラの順に当接し、前記塗布ローラと前記搬送ローラ2はゴム硬度90°(JIS A)以上のハードローラであり、前記搬送ローラ1及び前記搬送ローラ3は、ゴム硬度が15°〜40°(JIS A)のソフトローラであり、前記調節手段には前記搬送ローラ2が取り付けられ、該調節手段は該搬送ローラ2を回動して、該搬送ローラ2と、前記搬送ローラ1及び3の軸間距離を調節し、該軸間距離の調節により、前記三つの搬送ローラ及び前記塗布ローラ上の液体現像剤の層厚を調節し、前記塗布ローラ上の液体現像剤の層厚の調節により、前記ベルト状の現像剤支持体上に液体現像剤の厚みが5〜40μmとなるように調整することを特徴とするものである。
【0006】
発明の静電潜像の液体現像装置の実施形態1は、前記調節手段が、前記搬送ローラが回転自在に取り付けられた回動可能な調節板と、前記調節板を回動させる偏心ピンと、を具備することを特徴とするものである。
【0007】
発明の静電潜像の液体現像装置の実施形態2は、前記液体現像剤の絶縁性液体の粘度が0.5〜1000mPa・s、電気抵抗が1012 Ωcm以上、表面張力が21dyne/cm以下沸点が100°C以上であることを特徴とするものである。
【0008】
発明の静電潜像の液体現像装置の実施形態3は、前記液体現像剤がシリコンオイルを絶縁性液体として利用するものであることを特徴とするものである。
【0009】
発明の静電潜像の液体現像装置の実施形態4は、前記液体現像剤が、平均粒径0.1〜5μmのトナーを5〜40%の濃度で含むものであることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】
本発明の静電潜像の液体現像装置は、現像剤支持体上に液体現像剤を塗布する塗布ローラと塗布ローラに液体現像剤を搬送する三つの搬送ローラとを有する塗布手段を設けたことにより、各ローラ上の液体現像剤の層厚は隣合うローラとの当接部で薄く均一に規制されるので、現像剤支持体上に液体現像剤を薄く均一に塗布することができ、これにより、画像支持体上の潜像面に液体現像剤を均一に供給することができる。また、隣合う搬送ローラ間の軸間距離を調節する調節手段を設けたことにより、各ローラ上の液体現像剤の層厚を調節することができるので、現像剤支持体上の液体現像剤層の層厚を調節することができ、これにより、画像濃度を変えることができる。さらに、トナーが高濃度に分散された液体現像剤を用いたことにより、従来の低濃度の液体現像剤に比べて、液量を遥かに少なくすることができる。液体現像剤は、粘度が10000mPa・s以上になると、絶縁性液体とトナーとの攪拌が難しくなり、液体現像剤をどのようにして作るかが問題となる。したがって、10000mPa・s以上の液体現像剤はコスト的に見合わなくなり、現実的でなくなる。一方、100mPa・s以下では、トナー濃度が低くなるとともに、トナーの分散性が悪くなるので、現像液を薄層にして現像することができなくなる。
【0011】
本発明の実施形態1の静電潜像の液体現像装置は、前記の構成によって、偏心ピンを回転することにより、ローラが回転自在に取り付けられた調節板を回動することができる。これにより、簡易な構成で隣合うローラの軸間距離を調節することができる。
【0012】
本発明の実施形態2の静電潜像の液体現像装置は、絶縁性液体に前記特性のものを用いることにより、高粘度の液体現像剤を得ることができる。現像剤支持体上に形成される液体現像剤は薄層状に形成されるため、液体現像剤層中に含まれる絶縁性液体はきわめて少量であるので、画像支持体の潜像面に供給される液体現像剤中に含まれる絶縁性液体もきわめて少量である。したがって、転写時に紙等に吸収される絶縁性液体はきわめて少量となるので、粘度が1000mPa・s以下であれば絶縁性液体の紙等への付着の問題は特に生じない。しかし、粘度が0.5mPa・s以下であると揮発性が高くなるので、危険物扱いとなり適当でない。絶縁性液体は沸点が100℃以下であると、蒸発量が多くなるので現像剤の保存方法に問題があり、装置全体を密閉構造にしなければならず、また作業環境を改善することも難しくなる。電気抵抗は1012 Ωcm以下になると、絶縁性が悪くなり、トナーの導電性の問題が起こり現像剤として使用できなくなる。したがって、電気抵抗はできるだけ高い値が望ましい。表面張力は21dyne/cm以上になると、濡れ性が悪くなる。したがって、表面張力は、できるだけ低い値が望ましい。
【0013】
本発明の実施形態3の静電潜像の液体現像装置は、絶縁性液体がシリコンオイルを主成分としたものであることにより、上述の特性を有する絶縁性液体を得ることができる。
【0014】
本発明の実施形態4の静電潜像の液体現像装置は、液体現像剤が平均粒径0.1〜5μmのトナーを5〜40%の濃度で含むものであることにより、絶縁性液体中にトナーが高濃度に分散された液体現像剤を得ることができる。また、トナーの粒径の大きさに略反比例して、解像度が良くなる。通常、トナーは、プリントアウトされた紙上で5〜10個位の固まりとなって、存在しているので、トナーの平均粒径が5μm以上になると、解像度が悪くなる。一方、トナーの平均粒径が0.1μm以下になると、物理的な接着力が大きくなり、転写の際にトナーを剥がし難くなる。
【0015】
【実施例】
以下に本発明の一実施例を図1乃至図5を参照して説明する。図1は本発明の一実施例である静電潜像の液体現像装置の概略構成図、図2は図1に示す静電潜像の液体現像装置に用いられる現像装置の概略正面図、図3は図2に示す現像装置の右側面図、図4は図2に示す現像装置に用いられる調節手段の動作を説明するための図、図5は図4(A)に示す調節手段のA−A矢視方向概略断面図、図6は図1に示す静電潜像の液体現像装置の動作を説明するための図である。
【0016】
本発明の一実施例である静電潜像の液体現像装置1は、図1に示すように、画像支持体である感光体10と、感光体10上にプリウェット液を塗布するプリウェット装置20と、感光体10を帯電させる帯電装置30と、感光体10上に像を露光する露光装置40と、感光体10の静電潜像が形成された部分にトナーを供給することにより静電潜像を顕像化する現像装置50と、感光体10上のトナーを所定の紙Pに転写すると共に定着させる転写装置60と、感光体10上に残留したトナーを除去するクリーニング装置70と、図示されていないが帯電された感光体10を除電する除電装置を備えている。
【0017】
帯電装置30、露光装置40、クリーニング装置70、および除電装置については従来の電子写真式プリンタに用いられている従来技術をほとんどの場合について流用することができる。したがって、本実施例では、上記の各装置の説明を省略して、本発明の主要部であるプリウェット装置20、現像装置50及び転写装置60について説明する。
【0018】
本実施例のプリウェット装置20に要求される機能は、一定の量のプリウェット液を感光体10上に均一に塗布することである。その目的のためには、スポンジ状のものによりプリウェット液を塗布する方法、感光体10の幅方向に並んだ複数のノズルからプリウェット液を吐出させる方法、スポンジローラ等によりプリウェット液を塗布する方法等、他の目的でコーティングする方法を用いることができる。本発明者等は種々の方法を試みて、上記の方法が可能であることを確認したが、最も簡便で性能の良い方法は、ベルイータ(登録商標:カネボウ(株))を用いてプリウェット液を塗布する方法であった。ベルイータは、気孔が連続した立体網目構造を有する連続多孔質体であり、気孔の体積分だけプリウェット液を保持することができ、また気孔の体積を越えるプリウェット液が供給されたときには、プリウェット液を表面から均一に放出することができる。尚、本実施例のベルイータには感光体10との当接面が略半円筒状のものを用いた。
【0019】
現像装置50は、図2及び図3に示すように、現像部51と、塗布部52とを備えて構成される。現像部51は、現像剤支持体である現像ベルト510と、現像ベルト510を回転駆動すると共に現像ベルト510の一部を感光体10に当接させるようにして保持する駆動ローラ512a,512bと、現像ベルト510に残留する液体現像剤を除去する掻き取りブレード514,514と、現像ベルト用側板516,516とを有する。塗布部52は、現像ベルト510の表面に液体現像剤を塗布する塗布部52a,52b,52c,52dを含む。
【0020】
現像ベルト510は、駆動ローラ512a,512bによって感光体10に従動する方向に回転駆動される。現像ベルト510には、シームレスのニッケルベルト、ポリイミドベルトのような樹脂ベルト等の可撓性を有するベルト部材が用いられる。尚、現像ベルト510は現像バイアスを印加できるものでなければならない。したがって、樹脂ベルトを用いる場合には、ベルト表面を導電加工するかベルト材質に導電性微粒子を添加するなどして電気抵抗値を下げる必要がある。
【0021】
塗布部52a〜52dは、液体現像剤を貯蔵すると共に放出するベローズポンプ520と、ベローズポンプ520により放出された液体現像剤を後述する塗布ローラ522dに搬送する搬送ローラ522a,522b,522cと、液体現像剤を現像ベルト510上に塗布する塗布ローラ522dと、アーム524,524と、塗布部側板526,526と、調節手段53,53とを備えている。塗布部52aのベローズポンプ520aにはイエローのトナーを含む液体現像剤が、塗布部52bのベローズポンプ520bにはマゼンダのトナーを含む液体現像剤が、塗布部52cのベローズポンプ520cにはシアンのトナーを含む液体現像剤が、そして、塗布部52dのベローズポンプ520dにはブラックのトナーを含む液体現像剤がそれぞれ貯蔵されている。
【0022】
塗布ローラ522dは搬送ローラ522cと当接するように、搬送ローラ522cは搬送ローラ522bと当接するように、そして、搬送ローラ522bは搬送ローラ522aと当接するようにそれぞれ設けられている。塗布ローラ522dは現像ベルト510に従動する方向に、搬送ローラ522cは塗布ローラ522dに従動する方向に、搬送ローラ522bは搬送ローラ522cに従動する方向に、そして、搬送ローラ522aは搬送ローラ522bに従動する方向にそれぞれ回転する。
【0023】
搬送ローラ522b及び塗布ローラ522dには硬度が60°(JIS A) 以上のハードローラが、また、搬送ローラ522a及び搬送ローラ522cには硬度が60°(JIS A) 以下のソフトローラがそれぞれ用いられる。硬度が60°(JIS A) 以上のハードローラと硬度が60°(JIS A) 以下のソフトローラとを交互に当接させて配列したのは、ソフトローラを弾性変形させて、隣接するハードローラとの当接部にニップを形成するためである。ソフトローラを弾性変形させるにはハードローラは硬いほど良い。したがってハードローラの硬度は90°(JIS A) 以上が望ましい。硬度が90°(JIS A) 以上のローラとしては、尿素樹脂で形成されたULTRA-S (宮川ローラ社製)、アルミナを主成分とするセラミックスで形成されたセラミックスローラ(新日本製鐵社製)、エボナイトで形成されたローラ等がある。また、ソフトローラのハードローラへの押圧力が強いと各ローラを回転させるのに高トルクが必要となる。このため、ソフトローラは弱い押圧力で弾性変形するものが良い。したがってソフトローラの硬度は40°(JIS A) 以下であることが望ましい。但し、硬度が15°(JIS A) 以下になると一定の形状を保持することができなくなり、このため、ハードローラとの当接部に一定のニップを形成することが困難になる。硬度が15°〜40°(JIS A) のローラとしては、合成樹脂で形成されたBEET(宮川ローラ社製)、NBR (アクリロニトリル−ブタジエンゴム)で形成されたローラ等がある。尚、搬送ローラ522a〜522c及び塗布ローラ522dは、表面に後述する高濃度高粘性の液体現像剤を薄くムラなく塗布する必要があるため、親油性のよいものが望ましい。
【0024】
搬送ローラ522a及び搬送ローラ522cの軸の両端部は、塗布部側板526,526に回転自在に取り付けられている。搬送ローラ522cの軸の両端部には、一対のアーム524,524が回動自在に取り付けられている。アーム524,524には、塗布ローラ522dが回転自在に取り付けられている。アーム524,524は、図示されていない駆動装置により搬送ローラ522cの軸を軸として回動する。これにより、塗布ローラ522dを現像ベルト510に離接させる。
【0025】
調節手段53は、図4(A)及び図4(B)に示すように、調節板532と、偏心ピン534とを備えている。調節板532は、塗布部側板526に設けられた凸部526aを軸として、塗布部側板526に回動自在に取り付けられている。搬送ローラ522bの軸は、塗布部側板526に形成された長穴526bを貫通して、調節板532に回転自在に取り付けられている。偏心ピン534は、図5に示すように、円筒状の頭部534aが軸534bに対し偏心して形成されている。偏心ピン534は、軸534bが塗布部側板526に回転自在に取り付けられると共に、頭部534aが調節板532に形成された長穴532aに収まるように設置されている。尚、長穴532aの幅は、円筒状の頭部534aの側面が常に長穴532aの内面と当接するように、頭部534aの外径と略同一か又は若干大きめに形成されている。調節手段53は、図4(A)及び図4(B)に示すように、偏心ピン534を回転することにより、凸部526aを軸として調節板532を回動し、これにより、搬送ローラ522a及び搬送ローラ522bの軸間距離と、搬送ローラ522b及び搬送ローラ522cの軸間距離とを調節する。
【0026】
転写装置60は、中間転写体である中間転写ベルト610と、中間転写ベルト610を回転駆動すると共に中間転写ベルト610の一部を感光体10に当接させるようにして保持する駆動ローラ612a,612b,612cと、中間転写ベルト610に当接するようにして設置された二次転写体である二次転写ローラ614と、中間転写ベルト610上に残留するトナーを除去する掻き取りブレード616とを備える。
【0027】
中間転写ベルト610は、駆動ローラ612a,612b,612cによって感光体10に従動する方向に回転駆動される。二次転写ローラ614は、紙Pを介して中間転写ベルト610に押圧される。駆動ローラ612cの内部には、紙Pを加熱する定着ヒータ618が設けられている。
【0028】
次に、本発明の一実施例に用いた画像形成用資材について説明する。本実施例に用いた液体現像剤は、エポキシ等のバインダーとなるレジン、トナーに所定の電荷を与える荷電制御剤、着色顔料、トナーを均一に分散させる分散剤等からなるトナーと、キャリア液とからなる。トナーの構成は、従来の液体現像剤に用いられてきたものと基本的には同様であるが、帯電特性及び分散性の調整のためそれらの処方はシリコンオイルに適合するよう変更してある。トナーの平均粒径は、小さい程、解像度がよくなるが、粒径が小さいと物理的接着力が大きくなり転写する際に、はがし難くなる。このため、本実施例ではトナーの平均粒径は、転写性の向上を目的として2〜4μmあたりに中心が来るように調整してある。
【0029】
液体現像剤の粘性は、用いるキャリア液、レジン、着色顔料、荷電制御剤などおよびそれらの濃度により決まる。本実施例では、粘度を50〜6000mPa・s、トナー濃度を5〜40%の範囲で変化させて実験した。
【0030】
キャリア液は、高電気抵抗を示すジメチルポリシロキサンオイル、環状ポリジメチルシロキサンオイル等の低粘度のものを用いる。尚、現像ベルト510上に形成される液体現像剤層は薄層状に形成されるため、液体現像剤層中に含まれるキャリア液はきわめて少量である。したがって、感光体10の潜像面に供給される液体現像剤中に含まれるキャリア液もきわめて少量となるので、転写時に紙等に吸収されるキャリア液はきわめて少量となる。このため、粘度が1000mPa・s以下であれば定着後に残留するキャリア液は、ほとんど見られない。
【0031】
本発明者等の実験によれば、キャリア液に粘度が2.5mPa・sである米国ダウコーニング社のDC344を用いて出画実験を行ったときは、定着後に紙上に残留するキャリア液は見られなかった。しかし、揮発性が高いため、現像装置を密閉構造にする必要が生じた。また、キャリア液に粘度が6.5mPa・sである米国ダウコーニング社のDC345を用いて出画実験を行ったときは、DC344を用いて出画実験を行ったときと同様に、定着後に紙上に残留するキャリア液は見られなかった。しかし、揮発性が高いため、現像装置を密閉構造にする必要が生じた。さらに、キャリア液に粘度が20mPa・sである信越シリコン社のKF−96−20を用いて出画実験を行ったときは、定着後に紙上に残留するキャリア液は見られなかった。また、揮発性がそれほど高くないので、現像装置を密閉構造にする必要は生じなかった。DC344,DC345及びKF−96−20は、一般的に化粧品に用いられるもので毒性等の安全性は高い。キャリア液については、信越シリコン社のKF9937等他に多くの種類があり、電気抵抗、蒸発特性、表面張力、安全性等が満たされていればいずれを選択してもよい。
【0032】
また、本発明者等が行った実験では、表面張力が大きい場合にはかぶりやトナーの塊が感光体10に付着することがあり、実験的には21dyne/cm以上では画質に問題が起こりやすいことが分かった。
【0033】
電気抵抗値としては、トナーの帯電安定性の問題があり、1014Ωcm以上が望ましい。最低限1012Ωcm以上は必要である。本実施例の説明では、これらの実験結果に鑑み、価格が低く入手の容易なDC345を用いた例を示す。
【0034】
プリウェット液は、感光体10上に形成された静電潜像を乱すことなく、定着時に容易に蒸発し、かぶりやトナーの塊が感光体10に付着しないものであることが要求される。例としては、米国ダウコーニング社のDC344,DC200−0.65,−1.0,−2.0、信越シリコン社のKF96L−1,KF9937等が挙げられる。一般的に、蒸発性の高いシリコンオイルを選択する必要がある。
【0035】
本発明者等の行った実験では、液粘度が0.5〜3mPa・sの範囲で問題なく現像、転写、定着による液の乾燥が行われたが、5mPa・sから6mPa・s程度ではやや定着時の液の乾燥に時間と温度が必要になる傾向が見られた。10mPa・sでは乾燥に要するエネルギーが大きくなり過ぎ一般的ではない。また、0.5mPa・s以下であると揮発性が高くなるので、危険物扱いとなり適当でない。また、紙への加熱の影響もあり、沸点は、250°C以下のものである必要がある。
【0036】
表面張力は、液体現像剤と感光体10との付着力をなくし、離型性をよくして画像の汚れ、かぶりを防ぎ、また画質の解像力、かぶりを向上させるため、できるだけ低いものがよい。本発明者等の実験によれば、20〜21dyne/cm程度が限界でこれより低いものを選択する必要がある。
【0037】
電気抵抗は、低い場合、絶縁性が悪くなり電荷をリークしてしまう。従って、できるだけ高いものを使用する必要がある。実験的には1014Ωcm程度以上が望ましい。最低限1012Ωcmは必要である。
【0038】
次に、本発明の第一実施例である静電潜像の現像装置の動作について説明する。先ず、図6(A)に示すように、帯電装置30により感光体10を帯電する。一般に帯電装置30には、コロナ放電器が用いられる。次に、帯電した感光体10上に像を露光する。例えば、レーザースキャナーにより像を露光して感光体10の表面に静電潜像を形成する。図6(B)に示すようにレーザースキャナーの光が当たった部分は、導電化するので電荷が消失し、光の当たらなかった部分は電荷の像である静電潜像として残る。
【0039】
次に、図6(C)に示すように、プリウェット装置20により感光体10上に前述したプリウェット液を塗布する。
【0040】
次に、現像装置50により静電潜像を顕像化する。ベローズポンプ520により搬送ローラ522aと搬送ローラ522bの当接開始位置に放出された液体現像剤は、搬送ローラ522aと搬送ローラ522bとの当接部に形成されたニップ(弾性変形した部分)、搬送ローラ522bと搬送ローラ522cとの当接部に形成されたニップ、そして、搬送ローラ522cと塗布ローラ522dとの当接部に形成されたニップにより均一な厚みに規制されて現像ベルト510の表面に薄くムラなく塗布される。これにより、現像ベルト510上に液体現像剤の薄層を形成することができる。現像装置50は、各々の塗布部52a〜52dに設けられた一対のアーム524,524を回動することにより、いずれかの塗布部52a〜52dを現像ベルト510に当接する。これにより、現像ベルト510上にイエロー、マゼンダ、シアン及びブラックのうちのいずれかのトナーを含む液体現像剤を薄くムラなく塗布することができる。尚、現像ベルト510上の液体現像剤の層厚は、調節手段53によって搬送ローラ522aと搬送ローラ522bとの軸間距離及び搬送ローラ522bと搬送ローラ522cとの軸間距離を調節することにより調節することができる。
【0041】
次に、現像ベルト510上に形成された液体現像剤層を、図6(D)に示すように、感光体10の表面に形成された静電潜像に近接させて、静電気力により、帯電したトナーを感光体10上に移動する。これにより、感光体10上にトナー像が形成される。
【0042】
次に、図6(E)に示すように、転写装置60により現像ベルト510上に形成されたトナー像を中間転写ベルト610上に一次転写する。一方、感光体10は、クリーニング装置70により感光体10上に残留した液体現像剤が除去され、その後、図示されていない除電装置により除電される。
【0043】
次に、各々の塗布部52a〜52dに設けられたアーム524,524を回動することにより現像ベルト510に当接する塗布部52a〜52dを切り換える。そして、再び上記の帯電から除電までのサイクルを繰り返すことにより、中間転写ベルト610上にイエロー、マゼンダ、シアン及びブラックのトナー像を次々と重ねて転写する。これにより、中間転写ベルト610上にカラー化に対応したトナー像が形成される。
【0044】
次に、図6(F)に示すように、転写装置60により中間転写ベルト610上に形成されたカラー化に対応したトナー像を記録媒体である紙Pに二次転写すると同時に定着させる。中間転写ベルト610上に形成されたカラー化に対応したトナー像は、二次転写ローラ614の中間転写ベルト610への押圧力及び定着ヒータ618による熱により、紙P上に移動し二次転写されると同時に熱的に溶融し定着する。これにより、紙P上にカラー画像を形成することができる。
【0045】
図7乃至図11は本発明の一実施例の現像過程について詳細に説明するための図であり、図7は現像過程の全体を説明するための図、図8は接近過程の様子を示す図、図9はトナー移動過程の様子を示す図、図10は非画像部の分離過程の様子を示す図、図11は画像部の分離過程の様子を示す図である。従来の現像過程と異なり、本実施例の現像過程は、図7に示すように、現像ベルト510が感光体10に接近して液体現像剤が感光体10の表面に接近する接近過程と、液体現像剤層とプリウェット液層とがソフトコンタクトしてトナーが移動するトナー移動過程と、現像ベルト510が感光体10から離れて現像ベルト510に付着するトナーと感光体10に付着するトナーとに分離される分離過程との3つの過程から成り立っていると考えられる。
【0046】
接近過程では、現像ベルト510を可撓性を有するベルト部材で構成したことにより、図8に示すように、現像ベルト510上の液体現像剤層と感光体10上のプリウェット層とが接触する際の接触圧力が分散され、キャリア液とトナーからなる高粘度の液体現像剤とプリウェット液とはソフトコンタクトされる。これにより粘度の低いプリウェット液は前後に若干押し出されてプリウェット液の液溜りが生ずる。
【0047】
トナー移動過程においては、図9に示すように、画像部では、現像ベルト510上のトナーが感光体10上の電荷と現像ベルト510の間に形成される電界によって主にクーロン力によりプリウェット液層を通過して潜像面に移動する。一方、非画像部では、現像ベルト510上のトナーは、感光体10の表面と液体現像剤層とがプリウェット液層により分離されているので、感光体10の表面に移動しない。
【0048】
分離過程においては、非画像部では、図10に示すように、液体現像剤は現像ベルト510上に残留する。プリウェット液層と液体現像剤層との界面では2つの層が分離する際に、粘度の低いプリウェット液層の一部が液体現像剤層に転移して分離する。したがって、2つの層の分離点は、プリウェット液層の内部にあると考えられる。一方、画像部では、図11に示すように、感光体10の表面に移動したトナーがプリウェット液層を押しのけるため、プリウェット液層はトナー層の上に位置し、両者はプリウェット液層の内部で分離する。現像ベルト510上には、トナーが移動した後に残るキャリア液の一部とプリウェット液の一部が層を形成する。
【0049】
図12は液体現像剤を薄層化したことの意義を説明するための図である。現像ベルト510上に塗布された液体現像剤層が厚すぎると、液体現像剤の粘度が高いので、静電気力で現像ベルト510から感光体10の表面に移動しようとするトナー群が、その周りに位置するトナーに対して粘性を断ち切れずにクラスターを形成して、感光体10の表面に移動する。このため、トナーが過剰に移動し、感光体10上に形成されたトナー像に乱れが生じて画像ノイズが発生する。このクラスターの発生を抑えるために、液体現像剤層の層厚を現像が十分にできる最小限の値に抑える必要がある。
【0050】
図13は現像支持体である剛体で形成された現像ローラと感光体10とをハードコンタクトさせたようすを示す図であり、図14は本実施例のソフトコンタクトを説明するための図である。上記で説明したように、本実施例の現像過程では、プリウェット液層の画像形成への機能は重要である。したがって、現像過程における重要な要件はプリウェット液層と液体現像剤層の2層の状態を維持することである。図13に示すように現像ローラと感光体とをハードコンタクトさせると2層の状態を維持することができないので、本実施例では、図14に示すように、現像剤支持体として可撓性を有するベルト部材で構成された現像ベルト510を用い、感光体10上のプリウェット液層と現像ベルト510上の液体現像剤層とが接触する際の接触圧力を分散させることにより、プリウェット液層と液体現像剤層とが2層の状態を維持するようにしている。
【0051】
次に、現像ベルト510上の液体現像剤層の層厚、感光体10上のプリウェット液層の層厚について説明する。現像ベルト510上の液体現像剤層の層厚は、液体現像剤の粘性が50〜100mPa・s以上のものについては、特に500mPa・s以上のものについては、薄くする必要がある。理想的には、現像時に要求されるトナー現像量(すなわち、ベタ黒を出したときの濃度)を満たす層厚より若干厚目が良い。これは、粘度の高い液体現像剤を用いた場合、現像時に、静電気的に選択されたトナーが液の粘性により余計なトナーを引き連れて感光体10上に移動してしまうため、感光体10上に形成されたトナー像に乱れが生じるからである。本発明者等の実験では、トナー濃度の高い液体現像剤については約5μmの層厚で、また、トナー濃度の低いものについては約40μmの層厚で良好な画像が得られた。特に、トナー濃度20〜30%の液体現像剤を用いた場合、液体現像剤の層厚が8〜20μmで良好な画質が得られた。
【0052】
感光体10上のプリウェット液層の層厚は、選択されたプリウェット液の粘度、表面張力により最適値が存在する。薄過ぎる場合には、現像ベルト510上のトナーが感光体10上に不規則に移動して感光体10上に形成されるトナー像に乱れが生じる。プリウェット液の量を増やしていくに従って、トナー像の乱れは改善されて、最適値が確認される。更に量を増やしていくと、感光体10上のトナーが流れて、感光体10上のトナー像がぼける傾向を示す。DC344を用いた実験では、30μm以下、特に20μm以下の厚みで良好な結果を得られた。これより粘性の低いものについては、この結果より薄めでも、厚目でも良い結果を得られる。しかしながら、高粘度のものに関しては、最適値は範囲が狭くなる傾向にある。
【0053】
上述の条件下で画出し実験をおこなった結果、本実施例の静電潜像の現像装置に最適な液体現像剤及びプリウェット液の粘性に関する範囲は、液体現像剤が100mPa・sから6000mPa・s、プリウェット液が0.5mPa・sから5mPa・sの間であることが分かった。尚、プリウェット液のシリコンオイルには、ダウコーニング社製のDC200シリーズを用い、また現像液のキャリア液には、同社製のDC345を用いた。
【0054】
本実施例によれば、搬送ローラ522a〜522c及び塗布ローラ522dを介して現像ベルト510上に液体現像剤を塗布する塗布部52a〜52dを設けたことにより、各搬送ローラ522a〜522c及び塗布ローラ522d上の液体現像剤の層厚は隣接する搬送ローラとの当接部で薄く均一に規制されるので、現像ベルト510上に液体現像剤を薄く均一に塗布することができ、これにより、感光体10上の潜像面に液体現像剤を均一に供給することができる。
【0055】
また、本実施例によれば、搬送ローラ522aと搬送ローラ522bとの軸間距離及び搬送ローラ522bと搬送ローラ522cとの軸間距離を調節する調節手段53を設けたことにより、搬送ローラ522a〜522c及び塗布ローラ522d上の液体現像剤の層厚を調節することができるので、現像ベルト510上の液体現像剤層の層厚を調節することができ、これにより、画像濃度を容易に変えることができる。
【0056】
さらに、本実施例によれば、偏心ピン534を回転することにより搬送ローラ522bが回転自在に取り付けられた調節板532を回動させることができる調節手段53を設けたことにより、簡易な構成で搬送ローラ522aと搬送ローラ522bとの軸間距離及び搬送ローラ522bと搬送ローラ522cとの軸間距離を調節することができる。
【0057】
さらに、本実施例によれば、液体現像剤のキャリア液としてシリコンオイルを用いたことにより、従来のものに比べて以下に述べる利点を有する。
【0058】
従来の液体現像剤は、一般にキャリア液としてIsoparG (登録商標:Exxon 社製)を用いている。このIsoparは、シリコンオイルほど抵抗値が高くないので、トナー濃度を濃くすると、即ち粒子間距離が小さくなると、トナーの帯電性が悪くなる。したがって、Isoparの場合は、トナー濃度に限界がある。これに対して、本実施例で用いたシリコンオイルは、抵抗値が十分に大きいので、トナー濃度を濃くすることができる。また、一般にIsoparの場合、トナーの分散状態が良く、したがって、トナー濃度が1〜2%でも、トナー同士が反発しあうので、均一にトナーが分散している。これに対して、シリコンオイルは、トナー濃度が1〜2%の場合、分散性が良くなく、じきに沈殿してしまう。しかし、トナー濃度を5〜40%にすると、密に詰まった状態となり、安定して分散する。このため、本実施例では、トナーが高密度に分散された高粘度の液体現像剤を使用している。これにより、従来の低濃度の液体現像剤に比べて、現像液の液量を大幅に低減することができ、装置の小型化を図ることができる。更に、本実施例の液体現像剤は高粘度の液体であるので、保管や取り扱いの点でも、従来の低粘度の液体現像剤や粉体現像剤に比べて容易になる。
【0059】
従来の液体現像剤で用いていたIsoparは、前述のように、揮発性が高く、しかも悪臭を放つので、作業環境を悪化させるだけでなく、公害を起こすという問題があった。これに対して本実施例で用いているシリコンオイルは、化粧品用として用いられていることからも明らかなように、安全な液体であり、また無臭であるので、本実施例によれば、作業環境を改善することができ、また公害の問題も発生しない。
【0060】
本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。たとえば、上記の実施例では、塗布部として、搬送ローラ522a〜522cを介して塗布ローラ522d上に液体現像剤を塗布したものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。塗布部は少なくとも一つの搬送ローラを介して塗布ローラ522d上に液体現像剤を塗布するものであればよい。また、硬度が60度以上のハードローラと硬度が60度以下のソフトローラとを交互に配列したものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0061】
また、上記の実施例では、調節手段53を搬送ローラ522bに取り付けたものに付いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、現像ベルト510に液体現像剤を直接塗布する塗布ローラ522d以外であれば、調節手段53をいずれの搬送ローラ522a〜522cに取り付けてもよい。
【0062】
さらに、上記の実施例では、調節手段として、偏心ピン534を回転することにより、搬送ローラ522bが回転自在に取り付けられた調節板532を回動するものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。調節手段は、搬送ローラの軸間距離を調節することができるものであればよい。
【0063】
さらに、上記の実施例では、イエローのトナーを含む液体現像剤を現像ベルト510に塗布する塗布部52aと、マゼンダのトナーを含む液体現像剤を現像ベルト510に塗布する塗布部52bと、シアンのトナーを含む液体現像剤を現像ベルト510に塗布する塗布部52cと、ブラックのトナーを含む液体現像剤を現像ベルト510に塗布する塗布部52dとを備えるものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。所望の色のトナーを含む液体現像剤を現像ベルト510上に塗布する塗布部を必要に応じて少なくとも一個設けたものであればよい。
【0064】
また、上記の実施例では、現像剤支持体として可撓性を有するベルト部材で構成された現像ベルト510を用いたものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。現像剤支持体は、弾性体で形成された弾性ローラ、金属等の導電性部材で形成された剛体ローラ等でもよい。但し、現像剤支持体に剛体ローラを用いた場合、剛体ローラ上に形成された液体現像剤層を押しつぶすことなく剛体ローラと画像支持体とを接触させるため、画像支持体に可撓性を有するベルト部材で構成された画像支持体ベルトを用いるか、または、剛体ローラと画像支持体とを当接させた際に、両者間に微小なギャップすなわち間隔が形成されるようにする必要がある。
【0065】
さらに、上記の実施例では、画像支持体として有機感光体10を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。画像支持体は、カールソン法で用いる各種感光体、イオノグラフィ等の静電潜像を直接形成する導体上に絶縁体層を形成したもの、静電プロッタのような静電記録紙等でもよい。
【0066】
また、上記の実施例では、転写装置として、感光体10上に形成されたトナー像を中間転写体である中間転写ベルト610上に一次転写した後、中間転写ベルト610上に一次転写されたトナー像を紙P上に二次転写することにより、紙P上に画像を形成するものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、転写装置は、画像支持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写することができるものであればよい。たとえば、モノクロ用の液体現像装置では、画像支持体上に形成されたトナー像を中間転写体上に一次転写することなく記録媒体上に直接転写するものであってもよい。
【0067】
さらに、上記の実施例では、露光装置40により帯電した画像支持体上に像を露光し、その後、プリウェット装置20により画像支持体上にプリウェット液を塗布したものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、プリウェット液の塗布は、現像工程に先立って行われるものであればよい。また、プリウェット液は、粘度が0.5〜5mPa・s、電気抵抗が1012Ωcm以上、沸点が100〜250°C、表面張力が21dyne/cm以下であれば、シリコンオイルを主成分とするものでなくてもよい。さらに、画像支持体の表面に離型性を有する材料がコーティングされたものを用いる場合、特にプリウェット工程を必要とするものではない。
【0068】
また、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、液体現像剤の層厚が5〜40μm程度であれば、高粘性現像剤の粘度は10000mPa・sであっても良い。現状では、6000mPa・s以上の高粘度の現像剤は、キャリア液とトナーとの攪拌が難しくなるので、コスト的にあわなくなると考えるが、安価に入手できるようになれば、6000mPa・s以上でもよい。粘度が10000mPa・sを越えるものは、現実的でなくなる。また、液体現像剤のキャリア液はシリコンオイルに限定されない。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、現像剤支持体上に液体現像剤を塗布する塗布ローラと塗布ローラに液体現像剤を搬送する三つの搬送ローラとを有する塗布手段を設けたことにより、各ローラ上の液体現像剤の層厚は隣合うローラとの当接部で薄く均一に規制されるので、現像剤支持体上に液体現像剤を薄く均一に塗布することができ、これにより、画像支持体上の潜像面に液体現像剤を均一に供給することができ、また、隣合う搬送ローラ間の軸間距離を調節する調節手段を設けたことにより、各ローラ上の液体現像剤の層厚を調節することができるので、現像剤支持体上の液体現像剤層の層厚を調節することができ、これにより、画像濃度を容易に変えることができ、さらに、トナーが高濃度に分散された高粘度の液体現像剤を薄層にして現像することにより、高解像度で小型化が容易であり、しかも低公害化が可能な静電潜像の液体現像装置を提供することができる。
【0070】
本発明の実施形態1によれば、前記の構成によって、偏心ピンを回転することにより、ローラが回転自在に取り付けられた調節板を回動させることができるので、発明の効果に加えて、簡易な構成で隣合うローラの軸間距離を調節することができる静電潜像の液体現像装置を提供することができる。
【0071】
本発明の実施形態2によれば、前記の構成としたことにより、発明の効果に加えて、液体現像剤の濡れ性がよい静電潜像の液体現像装置を提供することができる。
【0072】
本発明の実施形態3によれば、前記の構成としたことにより、実施形態2の効果に加えて、公害が少なく、作業環境の改善を図ることができる静電潜像の液体現像装置を提供することができる。
【0073】
本発明の実施形態4によれば、前記の構成としたことにより、実施形態3の効果に加えて、転写の際にトナーを剥がしやすくなる静電潜像の液体現像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である静電潜像の液体現像装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す静電潜像の液体現像装置に用いられる現像装置の概略正面図である。
【図3】図2に示す現像装置の右側面図である。
【図4】図2に示す現像装置に用いられる調節手段の動作を説明するための図である。
【図5】図4(A)に示す調節手段のA−A矢視方向概略断面図である。
【図6】図1に示す静電潜像の液体現像装置の動作を説明するための図である。
【図7】現像過程の全体を説明するための図である。
【図8】接近過程の様子を説明するための図である。
【図9】トナー移動過程の様子を説明するための図である。
【図10】非画像部の分離過程を説明するための図である。
【図11】画像部の分離過程を説明するための図である。
【図12】液体現像剤を薄層化したことの意義を説明するための図である。
【図13】現像ローラと感光体とをハードコンタクトさせた様子を示す図である。
【図14】本実施例である静電潜像の液体現像装置のソフトコンタクトを説明するための図である。
【符号の説明】
10 感光体
20 プリウェット装置
30 帯電装置
40 露光装置
50 現像装置
51 現像部
52 塗布部
52a,52b,52c,52d 塗布部
53 調節手段
60 転写装置
70 クリーニング装置
510 現像ベルト
512a,512b,612a,612b,612c 駆動ローラ
514,616 掻き取りブレード
516 現像ベルト用側板
520a,520b,520c,520d ベローズポンプ
522a,522b,522c 搬送ローラ
522d 塗布ローラ
524 アーム
526 塗布部側板
526a 凸部
526b,532a 長穴
532 調節板
534 偏心ピン
534a 頭部
534b 軸
614 二次転写ローラ
618 ヒータ

Claims (5)

  1. 画像支持体上に形成された静電潜像を帯電した顕像化粒子であるトナーによって現像する静電潜像の液体現像装置であって、
    絶縁性液体中にトナーが高濃度に分散された100〜10000mPa・sの高粘度の液体現像剤を担持するベルト状の現像剤支持体と、
    前記現像剤支持体上に前記液体現像剤を塗布する塗布ローラと前記塗布ローラに前記液体現像剤を搬送する三つの搬送ローラ1、2及び3とを有する塗布手段と、
    隣合う前記搬送ローラ間の軸間距離を調節する調節手段と、を具備する液体現像装置において、
    前記塗布ローラと三つの搬送ローラは、搬送ローラ1、搬送ローラ2、搬送ローラ3、塗布ローラの順に当接し、
    前記塗布ローラと前記搬送ローラ2はゴム硬度90°(JIS A)以上のハードローラであり、前記搬送ローラ1及び前記搬送ローラ3は、ゴム硬度が15°〜40°(JIS A)のソフトローラであり、
    前記調節手段には前記搬送ローラ2が取り付けられ、該調節手段は該搬送ローラ2を回動して、該搬送ローラ2と、前記搬送ローラ1及び3の軸間距離を調節し、該軸間距離の調節により、前記三つの搬送ローラ及び前記塗布ローラ上の液体現像剤の層厚を調節し、前記塗布ローラ上の液体現像剤の層厚の調節により、前記ベルト状の現像剤支持体上に液体現像剤の厚みが5〜40μmとなるように調整する
    ことを特徴とする静電潜像の液体現像装置。
  2. 前記調節手段は、記搬送ローラが回転自在に取り付けられた回動可能な調節板と、前記調節板を回動させる偏心ピンと、を具備する
    ことを特徴とする請求項1記載の静電潜像の液体現像装置。
  3. 前記液体現像剤は、絶縁性液体の粘度が0.5〜1000mPa・s、電気抵抗が1012Ωcm以上、表面張力が21dyne/cm以下、沸点が100°C以上である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の静電潜像の液体現像装置。
  4. 前記液体現像剤は、シリコンオイルを絶縁性液体として利用するものである
    ことを特徴とする請求項3記載の静電潜像の液体現像装置。
  5. 前記液体現像剤は、平均粒径0.1〜5μmのトナーを5〜40%の濃度で含むものである
    ことを特徴とする請求項3又は4記載の静電潜像の液体現像装置。
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