JPH08137277A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH08137277A
JPH08137277A JP29588494A JP29588494A JPH08137277A JP H08137277 A JPH08137277 A JP H08137277A JP 29588494 A JP29588494 A JP 29588494A JP 29588494 A JP29588494 A JP 29588494A JP H08137277 A JPH08137277 A JP H08137277A
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Japan
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toner
image
image forming
intermediate transfer
forming apparatus
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Application number
JP29588494A
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English (en)
Inventor
Masahiko Itaya
正彦 板谷
Yasushi Hasegawa
泰 長谷川
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置の小型化を図ることができ、且つ、熱に
より画像支持体が損傷されるのを防止することができる
画像形成装置を提供する。 【構成】 液体現像剤によって感光体10上に形成され
た静電潜像を現像することにより感光体10上にトナー
像を形成し、このトナー像を紙Pに転写定着する画像形
成装置であって、感光体10上に形成されたトナー像を
中間転写ベルト610上に転写し、その後、紙Pを中間
転写ベルト610に押圧すると同時に加熱することによ
り中間転写ベルト610上のトナー像を記録紙P上に熱
転写定着する転写定着装置60と、中間転写ベルト61
0の駆動ローラ612cに内設されたヒートパイプ62
4とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真や静電記録、
イオノグラフィ等の方法で形成された静電潜像を、液体
現像剤を用いて可視像化した後、記録媒体に転写定着す
る画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、主にカラー対応の画像形成装
置では、一般に画像支持体上に形成されたトナー像を、
中間転写体上に一次転写した後、記録媒体上に二次転写
する方法が用いられている。また、装置の小型化を図る
ために、記録媒体を中間転写体に押圧すると共に加熱す
ることにより、中間転写体上に一次転写されたトナー像
を記録媒体上に二次転写すると同時に定着する方法を用
いている装置もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、記録媒
体を中間転写体に押圧すると共に加熱することにより、
中間転写体上に一次転写されたトナー像を記録媒体上に
熱転写定着した場合、熱が中間転写体を介して画像支持
体に伝わり、これにより、画像支持体が損傷されるとい
う問題があった。
【0004】
【目的】本発明は上記事情に基づいてなされたものであ
り、装置の小型化を図ることができ、且つ、熱により画
像支持体が損傷されるのを防止することができる画像形
成装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載した本発明の画像形成装置は、絶縁
性液体中に帯電した顕像化粒子であるトナーが分散され
た液体現像剤によって画像支持体上に形成された静電潜
像を現像することにより前記画像支持体上にトナー像を
形成し、前記トナー像を記録媒体上に転写定着する画像
形成装置であって、前記画像支持体上に形成された前記
トナー像を中間転写体上に転写する一次転写手段と、前
記記録媒体を前記中間転写体に押圧すると共に加熱する
ことにより前記中間転写体上に転写されたトナー像を前
記記録媒体上に二次転写すると同時に定着する二次転写
手段と、前記中間転写体の進行方向であって前記二次転
写手段より下流側に設置された前記中間転写体を冷却す
る冷却手段と、を具備することを特徴とするものであ
る。
【0006】請求項2に記載した本発明の画像形成装置
は、請求項1記載の発明において、前記冷却手段が、ヒ
ートパイプの蒸発部を用いたものであることを特徴とす
るものである。
【0007】請求項3に記載した本発明の画像形成装置
は、請求項1記載の発明において、前記冷却手段が、ペ
ルティエ素子を用いたものであることを特徴とするもの
である。
【0008】請求項4に記載した本発明の画像形成装置
は、請求項1,2又は3記載の発明において、前記二次
転写手段が、前記中間転写体と離接する加熱部材を有す
ることを特徴とするものである。
【0009】請求項5に記載した本発明の画像形成装置
は、請求項1,2,3又は4記載の発明において、前記
液体現像剤が絶縁性液体中にトナーが高濃度に分散され
た100〜10000mPa・sの高粘度のものである
ことを特徴とするものである。
【0010】請求項6に記載した本発明の画像形成装置
は、請求項5記載の発明において、前記液体現像剤の絶
縁性液体の粘度が0.5〜1000mPa・s、電気抵
抗が1012Ωcm以上、表面張力が21dyne/cm
以下沸点が100°C以上であることを特徴とするもの
である。
【0011】請求項7に記載した本発明の画像形成装置
は、請求項6記載の発明において、前記液体現像剤がシ
リコンオイルを絶縁性液体として利用するものであるこ
とを特徴とするものである。
【0012】請求項8に記載した本発明の画像形成装置
は、請求項5,6又は7記載の発明において、前記液体
現像剤が、平均粒径0.1〜5μmのトナーを5〜40
%の濃度で含むものであることを特徴とするものてあ
る。
【0013】
【作用】請求項1記載の画像形成装置は、記録媒体を中
間転写体に押圧すると共に加熱することにより中間転写
体上に転写されたトナー像を記録媒体上に二次転写する
と同時に定着する二次転写手段を設けたことにより、転
写装置と定着装置とを一体化することができるので、装
置の小型化を図ることができる。また、中間転写体を冷
却する冷却手段を中間転写体の進行方向であって二次転
写手段より下流側に設置したことにより、中間転写体上
に転写されたトナー像を記録媒体上に熱転写定着した際
に発生した熱が中間転写体を介して画像支持体に伝わる
のを防止することができる。
【0014】請求項2記載の画像形成装置は、冷却手段
にヒートパイプの蒸発部を用いたことにより、簡易な構
成で熱が画像支持体に伝わるのを防止することができ
る。
【0015】請求項3記載の画像形成装置は、冷却手段
にペルティエ素子を用いたことにより、簡易な構成で熱
が画像支持体に伝わるのを防止することができる。
【0016】請求項4記載の画像形成装置は、二次転写
手段に中間転写体と離接する加熱部材を設けたことによ
り、非定着時によけいな熱が中間転写体に伝わるのを防
止することができる。
【0017】請求項5記載の画像形成装置は、トナーが
高濃度に分散された液体現像剤を用いたことにより、従
来の低濃度の液体現像剤に比べて、液量を遥かに少なく
することができる。液体現像剤は、粘度が10000m
Pa・s以上になると、絶縁性液体とトナーとの攪拌が
難しくなり、液体現像剤をどのようにして作るかが問題
となる。したがって、10000mPa・s以上の液体
現像剤はコスト的に見合わなくなり、現実的でなくな
る。一方、100mPa・s以下では、トナー濃度が低
くなるとともに、トナーの分散性が悪くなるので、現像
液を薄層にして現像することができなくなる。
【0018】請求項6記載の画像形成装置は、絶縁性液
体に前記特性のものを用いることにより、高粘度の液体
現像剤を得ることができる。現像剤支持体上に形成され
る液体現像剤は薄層状に形成されるため、液体現像剤層
中に含まれる絶縁性液体はきわめて少量であるので、画
像支持体の潜像面に供給される液体現像剤中に含まれる
絶縁性液体もきわめて少量である。したがって、転写時
に紙等に吸収される絶縁性液体はきわめて少量となるの
で、粘度が1000mPa・s以下であれば絶縁性液体
の紙等への付着の問題は特に生じない。しかし、粘度が
0.5mPa・s以下であると揮発性が高くなるので、
危険物扱いとなり適当でない。絶縁性液体は沸点が10
0℃以下であると、蒸発量が多くなるので現像剤の保存
方法に問題があり、装置全体を密閉構造にしなければな
らず、また作業環境を改善することも難しくなる。電気
抵抗は1012Ωcm以下になると、絶縁性が悪くなり、
トナーの導電性の問題が起こり現像剤として使用できな
くなる。したがって、電気抵抗はできるだけ高い値が望
ましい。表面張力は21dyne/cm以上になると、
濡れ性が悪くなる。したがって、表面張力は、できるだ
け低い値が望ましい。
【0019】請求項7記載の画像形成装置は、絶縁性液
体がシリコンオイルを主成分としたものであることによ
り、請求項6記載の特性を有する絶縁性液体を得ること
ができる。
【0020】請求項8記載の画像形成装置は、液体現像
剤が平均粒径0.1〜5μmのトナーを5〜40%の濃
度で含むものであることにより、絶縁性液体中にトナー
が高濃度に分散された液体現像剤を得ることができる。
また、トナーの粒径の大きさに略反比例して、解像度が
良くなる。通常、トナーは、プリントアウトされた紙上
で5〜10個位の固まりとなって、存在しているので、
トナーの平均粒径が5μm以上になると、解像度が悪く
なる。一方、トナーの平均粒径が0.1μm以下になる
と、物理的な接着力が大きくなり、転写の際にトナーを
剥がし難くなる。
【0021】
【実施例】以下に本発明の一実施例を図1及び図2を参
照して説明する。図1は本発明の一実施例である画像形
成装置の概略構成図、図2は図1に示す画像形成装置の
動作を説明するための図である。
【0022】本発明の一実施例である画像形成装置1
は、図1に示すように、画像支持体である感光体10
と、感光体10上にプリウェット液を塗布するプリウェ
ット装置20と、感光体10を帯電する帯電装置30
と、感光体10上に像を露光する露光装置40と、感光
体10の静電潜像が形成された部分にトナーを供給する
ことにより静電潜像を顕像化する現像装置50と、感光
体10上のトナー像を所定の記録紙Pに転写すると共に
定着させる転写定着装置60と、感光体10上に残留し
たトナーを除去するクリーニング装置70と、帯電した
感光体10を除電する除電装置80を備えている。
【0023】帯電装置30、露光装置40、クリーニン
グ装置70、および除電装置80については従来の電子
写真式プリンタに用いられている従来技術をほとんどの
場合について流用することができる。したがって、本実
施例では、上記の各装置の説明を省略して、本発明の主
要部であるプリウェット装置20、現像装置50及び転
写定着装置60について説明する。
【0024】本実施例のプリウェット装置20に要求さ
れる機能は、一定の量のプリウェット液を感光体10上
に均一に塗布することである。その目的のためには、ス
ポンジ状のものによりプリウェット液を塗布する方法、
感光体10の幅方向に並んだ複数のノズルからプリウェ
ット液を吐出させる方法、スポンジローラ等によりプリ
ウェット液を塗布する方法等、他の目的でコーティング
する方法を用いることができる。本発明者等は種々の方
法を試みて、上記の方法が可能であることを確認した
が、最も簡便で性能の良い方法は、ベルイータ(登録商
標:カネボウ(株))を用いてプリウェット液を塗布す
る方法であった。ベルイータは、気孔が連続した立体網
目構造を有する連続多孔質体であり、気孔の体積分だけ
プリウェット液を保持することができ、また気孔の体積
を越えるプリウェット液が供給されたときには、プリウ
ェット液を表面から均一に放出することができる。尚、
本実施例のベルイータには感光体10との当接面が略半
円筒状のものを用いた。
【0025】現像装置50は、現像部51と、塗布部5
2とを備えて構成される。現像部51は、現像剤支持体
である現像ベルト510と、現像ベルト510を回転駆
動すると共に現像ベルト510の一部を感光体10に当
接するようにして保持する駆動ローラ512a,512
bとを有する。塗布部52は、現像ベルト510の表面
に液体現像剤を塗布する塗布部52a,52b,52
c,52dを含む。
【0026】現像ベルト510は、駆動ローラ512
a,512bによって感光体10に従動する方向に回転
駆動される。現像ベルト510には、シームレスのニッ
ケルベルト、ポリイミドベルトのような樹脂ベルト等の
可撓性を有するベルト部材が用いられる。尚、現像ベル
ト510は現像バイアスを印加できるものでなければな
らない。したがって、樹脂ベルトを用いる場合には、導
電性微粒子を添加して電気抵抗値を下げるか、または、
ベルトの表面に導電加工を施す必要がある。
【0027】塗布部52a〜52dは、液体現像剤を貯
蔵すると共に放出するベローズポンプ520と、ベロー
ズポンプ520により放出された液体現像剤を現像ベル
ト510に搬送する搬送ローラ522a〜522dと、
図示されていないが搬送ローラ522dを現像ベルト5
10に離接させる離接装置とを備える。塗布部52aの
ベローズポンプ520aにはイエローのトナーを含む液
体現像剤が、塗布部52bのベローズポンプ520bに
はマゼンダのトナーを含む液体現像剤が、塗布部52c
のベローズポンプ520cにはシアンのトナーを含む液
体現像剤が、そして、塗布部52dのベローズポンプ5
20dにはブラックのトナーを含む液体現像剤がそれぞ
れ貯蔵されている。
【0028】搬送ローラ522dは搬送ローラ522c
と当接するように、搬送ローラ522cは搬送ローラ5
22bと当接するように、そして、搬送ローラ522b
は搬送ローラ522aと当接するようにそれぞれ設けら
れている。搬送ローラ522dは現像ベルト510に従
動する方向に、搬送ローラ522cは搬送ローラ522
dに従動する方向に、搬送ローラ522bは搬送ローラ
522cに従動する方向に、そして、搬送ローラ522
aは搬送ローラ522bに従動する方向にそれぞれ回転
する。
【0029】転写定着装置60は、中間転写体である中
間転写ベルト610と、中間転写ベルト610を回転駆
動する駆動ローラ612a,612b,612cと、中
間転写ベルト610と感光体10とが当接する位置にお
いて中間転写ベルト610の裏面側に設置されたコロナ
放電器614と、コロナ放電器614の両側に設けられ
た中間転写ベルト610の一部を感光体10に当接させ
るようにして保持する除電ローラ616a,616b
と、中間転写ベルト610のテンションを調節する調節
ローラ618と、中間転写ベルト610に当接するよう
にして設置された二次転写定着ローラ620とを備え
る。
【0030】中間転写ベルト610は、駆動ローラ61
2a,612b,612cによって感光体10に従動す
る方向に回転駆動される。中間転写ベルト610には、
シームレスのニッケルベルト、ポリイミドフィルムベル
トのような樹脂ベルト等の可撓性を有する部材が用いら
れる。これにより、感光体10上に形成されたトナー像
と中間転写ベルト610とが接触する際の接触圧力を分
散させることができる。尚、中間転写ベルト610は帯
電することができるものでなければならない。したがっ
て、樹脂ベルトを用いる場合には、ベルト表面を導電加
工するか、ベルト材質に導電性微粒子を添加するなどし
て電気抵抗値を下げる必要がある。
【0031】駆動ローラ612bの内部にはヒートパイ
プ624の蒸発部が内設されている。尚、ヒートパイプ
624の凝縮部は放熱効果を高めるように、駆動ローラ
612bの外部に引き出されている。駆動ローラ612
cの内部には、記録紙P及びトナー像を加熱する定着ヒ
ータ622が内設されている。除電ローラ616a,6
16bは、中間転写ベルト610を除電する。二次転写
定着ローラ620は、記録紙Pを中間転写ベルト610
に押圧すると共に、駆動ローラ612cに従動する方向
に回転することにより記録紙Pを送りだす。また、定着
ヒータ622が内設されている駆動ローラ612cは、
非定着時には中間転写ベルト610より離間しており、
定着時には中間転写ベルト610に圧接し、且つ二次転
写定着ローラ620と共に記録紙Pを圧着挟持し回転す
ることにより記録紙Pを送り出す。
【0032】次に、本発明の一実施例に用いた画像形成
用資材について説明する。本実施例に用いた液体現像剤
は、エポキシ等のバインダーとなるレジン、トナーに所
定の電荷を与える荷電制御剤、着色顔料、トナーを均一
に分散させる分散剤等からなるトナーと、キャリア液と
からなる。トナーの構成は、従来の液体現像剤に用いら
れてきたものと基本的には同様であるが、帯電特性及び
分散性の調整のためそれらの処方はシリコンオイルに適
合するよう変更してある。トナーの平均粒径は、小さい
程、解像度がよくなるが、粒径が小さいと物理的接着力
が大きくなり転写する際に、はがし難くなる。このた
め、本実施例ではトナーの平均粒径は、転写性の向上を
目的として2〜4μmあたりに中心が来るように調整し
てある。
【0033】液体現像剤の粘性は、用いるキャリア液、
レジン、着色顔料、荷電制御剤などおよびそれらの濃度
により決まる。本実施例では、粘度を50〜6000m
Pa・s、トナー濃度を5〜40%の範囲で変化させて
実験した。
【0034】キャリア液は、高電気抵抗を示すジメチル
ポリシロキサンオイル、環状ポリジメチルシロキサンオ
イル等の低粘度のものを用いる。尚、現像ベルト510
上に形成される液体現像剤層は薄層状に形成されるた
め、液体現像剤層中に含まれるキャリア液はきわめて少
量である。したがって、感光体10の潜像面に供給され
る液体現像剤中に含まれるキャリア液もきわめて少量と
なるので、転写時に紙等に吸収されるキャリア液はきわ
めて少量となる。このため、粘度が1000mPa・s
以下であれば定着後に残留するキャリア液は、ほとんど
見られない。
【0035】本発明者等の実験によれば、キャリア液に
粘度が2.5mPa・sである米国ダウコーニング社の
DC344を用いて出画実験を行ったときは、定着後に
紙上に残留するキャリア液は見られなかった。しかし、
揮発性が高いため、現像装置を密閉構造にする必要が生
じた。また、キャリア液に粘度が6.5mPa・sであ
る米国ダウコーニング社のDC345を用いて出画実験
を行ったときは、DC344を用いて出画実験を行った
ときと同様に、定着後に紙上に残留するキャリア液は見
られなかった。しかし、揮発性が高いため、現像装置を
密閉構造にする必要が生じた。さらに、キャリア液に粘
度が20mPa・sである信越シリコン社のKF−96
−20を用いて出画実験を行ったときは、定着後に紙上
に残留するキャリア液は見られなかった。また、揮発性
がそれほど高くないので、現像装置を密閉構造にする必
要は生じなかった。DC344,DC345及びKF−
96−20は、一般的に化粧品に用いられるもので毒性
等の安全性は高い。キャリア液については、信越シリコ
ン社のKF9937等他に多くの種類があり、電気抵
抗、蒸発特性、表面張力、安全性等が満たされていれば
いずれを選択してもよい。
【0036】また、本発明者等が行った実験では、表面
張力が大きい場合にはかぶりやトナーの塊が感光体10
に付着することがあり、実験的には21dyne/cm
以上では画質に問題が起こりやすいことが分かった。
【0037】電気抵抗値としては、トナーの帯電安定性
の問題があり、1014Ωcm以上が望ましい。最低限1
12Ωcm以上は必要である。本実施例の説明では、こ
れらの実験結果に鑑み、価格が低く入手の容易なDC3
45を用いた例を示す。
【0038】プリウェット液は、感光体10上に形成さ
れた静電潜像を乱すことなく、定着時に容易に蒸発し、
かぶりやトナーの塊が感光体10に付着しないものであ
ることが要求される。例としては、米国ダウコーニング
社のDC344,DC200−0.65,−1.0,−
2.0、信越シリコン社のKF96L−1,KF993
7等が挙げられる。一般的に、蒸発性の高いシリコンオ
イルを選択する必要がある。
【0039】本発明者等の行った実験では、液粘度が
0.5〜3mPa・sの範囲で問題なく現像、転写、定
着による液の乾燥が行われたが、5mPa・sから6m
Pa・s程度ではやや定着時の液の乾燥に時間と温度が
必要になる傾向が見られた。10mPa・sでは乾燥に
要するエネルギーが大きくなり過ぎ一般的ではない。ま
た、0.5mPa・s以下であると揮発性が高くなるの
で、危険物扱いとなり適当でない。また、紙への加熱の
影響もあり、沸点は、250°C以下のものである必要
がある。
【0040】表面張力は、液体現像剤と感光体10との
付着力をなくし、離型性をよくして画像の汚れ、かぶり
を防ぎ、また画質の解像力、かぶりを向上させるため、
できるだけ低いものがよい。本発明者等の実験によれ
ば、20〜21dyne/cm程度が限界でこれより低
いものを選択する必要がある。
【0041】電気抵抗は、低い場合、絶縁性が悪くなり
電荷をリークしてしまう。従って、できるだけ高いもの
を使用する必要がある。実験的には1014Ωcm程度以
上が望ましい。最低限1012Ωcmは必要である。
【0042】次に、本発明の第一実施例である静電潜像
の現像装置の動作について説明する。先ず、図2(A)
に示すように、帯電装置30により感光体10を帯電す
る。一般に帯電装置30には、コロナ放電器が用いられ
る。次に、帯電した感光体10上に像を露光する。例え
ば、レーザースキャナーにより像を露光して感光体10
の表面に静電潜像を形成する。図2(B)に示すように
レーザースキャナーの光が当たった部分は、導電化する
ので電荷が消失し、光の当たらなかった部分は電荷の像
である静電潜像として残る。
【0043】次に、図2(C)に示すように、プリウェ
ット装置20により感光体10上に前述したプリウェッ
ト液を塗布する。
【0044】次に、現像装置50により静電潜像を顕像
化する。ベローズポンプ520により搬送ローラ522
aと搬送ローラ522bの当接開始位置側に放出された
液体現像剤は、隣合う搬送ローラ間の当接部により均一
な厚みに規制されて現像ベルト510の表面に薄くムラ
なく塗布される。これにより、現像ベルト510上に液
体現像剤の薄層を形成することができる。現像装置50
は、図示されていない離接装置により、いずれか一つの
塗布部52a〜52dを現像ベルト510に当接する。
これにより、現像ベルト510上にイエロー、マゼン
ダ、シアン及びブラックのうちのいずれかのトナーを含
む液体現像剤を薄くムラなく塗布することができる。
【0045】次に、現像ベルト510上に形成された液
体現像剤層を、図2(D)に示すように、感光体10の
表面に形成された静電潜像に近接させて、静電気力によ
り、帯電したトナーを感光体10上に移動する。これに
より、感光体10上にトナー像が形成される。
【0046】次に、図2(E)に示すように、転写定着
装置60により現像ベルト510上に形成されたトナー
像を中間転写ベルト610上に一次転写する。コロナ放
電器614は、転写点において中間転写ベルト610を
トナーと反対の極性を有する電荷で帯電する。これによ
り、現像ベルト510上に形成されたトナー像は、静電
気力により、中間転写ベルト610上に移動する。尚、
コロナ放電器614の両側には除電ローラ616a,6
16bが設置されているので、中間転写ベルト610
は、除電ローラ616a及び除電ローラ616bの間で
のみ帯電する。
【0047】一方、感光体10は、クリーニング装置7
0により感光体10上に残留した液体現像剤が除去さ
れ、その後、図示されていない除電装置80により除電
される。
【0048】次に、図示されていない離接装置により現
像ベルト510に当接する塗布部52a〜52dを切り
換える。そして、再び上記の帯電から除電までのサイク
ルを繰り返すことにより、中間転写ベルト610上にイ
エロー、マゼンダ、シアン及びブラックのトナー像を次
々と重ねて転写する。これにより、中間転写ベルト61
0上にカラー化に対応したトナー像が形成される。
【0049】次に、図2(F)に示すように、転写定着
装置60により中間転写ベルト610上に形成されたカ
ラー化に対応したトナー像を記録媒体である記録紙Pに
二次転写すると同時に定着する。中間転写ベルト610
上に形成されたカラー化に対応したトナー像は、二次転
写定着ローラ620の中間転写ベルト610への押圧力
及び定着ヒータ622による熱により、記録紙P上に移
動し二次転写されると同時に熱的に溶融し定着する。こ
れにより、記録紙P上にカラー画像を形成することがで
きる。尚、トナーの融点はおよそ100℃である。した
がって、トナーを紙に溶融し定着するには、トナーを1
00℃以上に加熱しなければならない。トナーを加熱す
る際に中間転写ベルト610も60〜70℃程度に加熱
されるため、本実施例装置では、駆動ローラ612bに
内設されたヒートパイプ624により中間転写ベルト6
10を冷却している。これにより、加熱された中間転写
ベルト610が感光体10に当接するのを防止して、感
光体10が中間転写ベルト610の熱により損傷される
のを防止している。
【0050】図3乃至図7は本発明の一実施例の現像過
程について詳細に説明するための図であり、図3は現像
過程の全体を説明するための図、図4は接近過程の様子
を示す図、図5はトナー移動過程の様子を示す図、図6
は非画像部の分離過程の様子を示す図、図7は画像部の
分離過程の様子を示す図である。従来の現像過程と異な
り、本実施例の現像過程は、図3に示すように、現像ベ
ルト510が感光体10に接近して液体現像剤が感光体
10の表面に接近する接近過程と、液体現像剤層とプリ
ウェット液層とがソフトコンタクトしてトナーが移動す
るトナー移動過程と、現像ベルト510が感光体10か
ら離れて現像ベルト510に付着するトナーと感光体1
0に付着するトナーとに分離される分離過程との3つの
過程から成り立っていると考えられる。
【0051】接近過程では、現像ベルト510を可撓性
を有するベルト部材で構成したことにより、図4に示す
ように、現像ベルト510上の液体現像剤層と感光体1
0上のプリウェット層とが接触する際の接触圧力が分散
され、キャリア液とトナーからなる高粘度の液体現像剤
とプリウェット液とはソフトコンタクトされる。これに
より粘度の低いプリウェット液は前後に若干押し出され
てプリウェット液の液溜りが生ずる。
【0052】トナー移動過程においては、図5に示すよ
うに、画像部では、現像ベルト510上のトナーが感光
体10上の電荷と現像ベルト510の間に形成される電
界によって主にクーロン力によりプリウェット液層を通
過して潜像面に移動する。一方、非画像部では、現像ベ
ルト510上のトナーは、感光体10の表面と液体現像
剤層とがプリウェット液層により分離されているので、
感光体10の表面に移動しない。
【0053】分離過程においては、非画像部では、図6
に示すように、液体現像剤は現像ベルト510上に残留
する。プリウェット液層と液体現像剤層との界面では2
つの層が分離する際に、粘度の低いプリウェット液層の
一部が液体現像剤層に転移して分離する。したがって、
2つの層の分離点は、プリウェット液層の内部にあると
考えられる。一方、画像部では、図7に示すように、感
光体10の表面に移動したトナーがプリウェット液層を
押しのけるため、プリウェット液層はトナー層の上に位
置し、両者はプリウェット液層の内部で分離する。現像
ベルト510上には、トナーが移動した後に残るキャリ
ア液の一部とプリウェット液の一部が層を形成する。
【0054】図8は液体現像剤を薄層化したことの意義
を説明するための図である。現像ベルト510上に塗布
された液体現像剤層が厚すぎると、液体現像剤の粘度が
高いので、静電気力で現像ベルト510から感光体10
の表面に移動しようとするトナー群が、その周りに位置
するトナーに対して粘性を断ち切れずにクラスターを形
成して、感光体10の表面に移動する。このため、トナ
ーが過剰に移動し、感光体10上に形成されたトナー像
に乱れが生じて画像ノイズが発生する。このクラスター
の発生を抑えるために、液体現像剤層の層厚を現像が十
分にできる最小限の値に抑える必要がある。
【0055】図9は現像支持体である剛体で形成された
現像ローラと感光体10とをハードコンタクトさせたよ
うすを示す図であり、図10は本実施例のソフトコンタ
クトを説明するための図である。上記で説明したよう
に、本実施例の現像過程では、プリウェット液層の画像
形成への機能は重要である。したがって、現像過程にお
ける重要な要件はプリウェット液層と液体現像剤層の2
層の状態を維持することである。図9に示すように現像
ローラと感光体とをハードコンタクトさせると2層の状
態を維持することができないので、本実施例では、図1
0に示すように、現像剤支持体として可撓性を有するベ
ルト部材で構成された現像ベルト510を用い、感光体
10上のプリウェット液層と現像ベルト510上の液体
現像剤層とが接触する際の接触圧力を分散させることに
より、プリウェット液層と液体現像剤層とが2層の状態
を維持するようにしている。
【0056】次に、現像ベルト510上の液体現像剤層
の層厚、感光体10上のプリウェット液層の層厚につい
て説明する。現像ベルト510上の液体現像剤層の層厚
は、液体現像剤の粘性が50〜100mPa・s以上の
ものについては、特に500mPa・s以上のものにつ
いては、薄くする必要がある。理想的には、現像時に要
求されるトナー現像量(すなわち、ベタ黒を出したとき
の濃度)を満たす層厚より若干厚目が良い。これは、粘
度の高い液体現像剤を用いた場合、現像時に、静電気的
に選択されたトナーが液の粘性により余計なトナーを引
き連れて感光体10上に移動してしまうため、感光体1
0上に形成されたトナー像に乱れが生じるからである。
本発明者等の実験では、トナー濃度の高い液体現像剤に
ついては約5μmの層厚で、また、トナー濃度の低いも
のについては約40μmの層厚で良好な画像が得られ
た。特に、トナー濃度20〜30%の液体現像剤を用い
た場合、液体現像剤の層厚が8〜20μmで良好な画質
が得られた。
【0057】感光体10上のプリウェット液層の層厚
は、選択されたプリウェット液の粘度、表面張力により
最適値が存在する。薄過ぎる場合には、現像ベルト51
0上のトナーが感光体10上に不規則に移動して感光体
10上に形成されるトナー像に乱れが生じる。プリウェ
ット液の量を増やしていくに従って、トナー像の乱れは
改善されて、最適値が確認される。更に量を増やしてい
くと、感光体10上のトナーが流れて、感光体10上の
トナー像がぼける傾向を示す。DC344を用いた実験
では、30μm以下、特に20μm以下の厚みで良好な
結果を得られた。これより粘性の低いものについては、
この結果より薄めでも、厚目でも良い結果を得られる。
しかしながら、高粘度のものに関しては、最適値は範囲
が狭くなる傾向にある。
【0058】上述の条件下で画出し実験をおこなった結
果、本実施例の静電潜像の現像装置に最適な液体現像剤
及びプリウェット液の粘性に関する範囲は、液体現像剤
が100mPa・sから6000mPa・s、プリウェ
ット液が0.5mPa・sから5mPa・sの間である
ことが分かった。尚、プリウェット液のシリコンオイル
には、ダウコーニング社製のDC200シリーズを用
い、また現像液のキャリア液には、同社製のDC345
を用いた。
【0059】上記の本実施例によれば、記録紙Pを中間
転写ベルト610に押圧する二次転写ローラと、記録紙
Pが中間転写ベルト610に押圧された際に記録紙Pを
加熱する定着ヒータ622とを備えた転写定着装置60
を用いたことにより、中間転写ベルト610上のトナー
像を記録紙Pに二次転写すると同時に定着することがで
き、したがって、転写装置と定着装置とを一体化するこ
とがてきるので、装置の小型化を図ることができる。
【0060】また、本実施例によれば、ヒートパイプ6
24の蒸発部が内設された駆動ローラ612cを中間転
写ベルト610の進行方向であって二次転写定着ローラ
620より下流側に設けたことにより、中間転写ベルト
610上に転写されたトナー像を記録紙Pに熱転写定着
した際に発生した熱が中間転写ベルト610を介して感
光体10に伝わるのを防止することができ、これによ
り、感光体10が熱により損傷されるのを防止すること
ができる。
【0061】さらに、本実施例によれば、液体現像剤の
キャリア液としてシリコンオイルを用いたことにより、
従来のものに比べて以下に述べる利点を有する。
【0062】従来の液体現像剤は、一般にキャリア液と
してIsoparG (登録商標:Exxon 社製)を用いている。
このIsoparは、シリコンオイルほど抵抗値が高くないの
で、トナー濃度を濃くすると、即ち粒子間距離が小さく
なると、トナーの帯電性が悪くなる。したがって、Isop
arの場合は、トナー濃度に限界がある。これに対して、
本実施例で用いたシリコンオイルは、抵抗値が十分に大
きいので、トナー濃度を濃くすることができる。また、
一般にIsoparの場合、トナーの分散状態が良く、したが
って、トナー濃度が1〜2%でも、トナー同士が反発し
あうので、均一にトナーが分散している。これに対し
て、シリコンオイルは、トナー濃度が1〜2%の場合、
分散性が良くなく、じきに沈殿してしまう。しかし、ト
ナー濃度を5〜40%にすると、密に詰まった状態とな
り、安定して分散する。このため、本実施例では、トナ
ーが高密度に分散された高粘度の液体現像剤を使用して
いる。これにより、従来の低濃度の液体現像剤に比べ
て、現像液の液量を大幅に低減することができ、装置の
小型化を図ることができる。更に、本実施例の液体現像
剤は高粘度の液体であるので、保管や取り扱いの点で
も、従来の低粘度の液体現像剤や粉体現像剤に比べて容
易になる。
【0063】従来の液体現像剤で用いていたIsoparは、
前述のように、揮発性が高く、しかも悪臭を放つので、
作業環境を悪化させるだけでなく、公害を起こすという
問題があった。これに対して本実施例で用いているシリ
コンオイルは、化粧品用として用いられていることから
も明らかなように、安全な液体であり、また無臭である
ので、本実施例によれば、作業環境を改善することがで
き、また公害の問題も発生しない。
【0064】本発明は上記の実施例に限定されるもので
はなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
たとえば、上記の実施例では、中間転写ベルト610を
冷却する冷却手段として、ヒートパイプ624の蒸発部
が内設された駆動ローラ612bを用いたものについて
説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
冷却手段は、中間転写ベルト610を冷却することがで
きるものであればよく、また、中間転写ベルト610の
進行方向であって二次転写定着ローラ620より下流側
に設けられたものであればよい。たとえば、駆動ローラ
612cと除電ローラ616bとの間において、中間転
写ベルト610に当接するようにペルティエ素子を設置
してもよい。この場合、熱を吸収する方向にペルティエ
素子に電流を流すことにより、定着ヒータ622により
加熱された中間転写ベルト610を冷却することがで
き、これにより、感光体10が中間転写ベルト610の
熱により損傷されるのを防止することができる。
【0065】また、上記の実施例では、転写定着装置6
0の一次転写として、コロナ放電器614によって中間
転写ベルト610をトナーと反対の極性を有する電荷で
帯電することにより、感光体10上のトナー像を中間転
写ベルト610上に一次転写するものについて説明した
が、本発明はこれに限定されるものではない。たとえ
ば、電源装置によって中間転写ベルト610に印加され
たバイアス電圧により、感光体10上のトナー像を中間
転写ベルト610上に一次転写するものであってもよ
い。
【0066】さらに、上記の実施例では、中間転写体と
して、可撓性を有するベルト部材で形成された中間転写
ベルト610を用いたものについて説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、中間転写体はドラム
状のものでもよい。
【0067】また、上記の実施例では、塗布部として、
複数の搬送ローラ522a〜522dを介して現像ベル
ト510上に液体現像剤を塗布したものについて説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、現像ベ
ルト510上に薄層の液体現像剤層を形成することがで
きるものであればどのような方法によるものであっても
よい。たとえば、現像ベルト510上に塗布された液体
現像剤をゴム又は剛体のブレードによって層厚を規制す
ることにより、現像ベルト510上に薄層の液体現像剤
層を形成するものでもよい。
【0068】さらに、上記の実施例では、イエローのト
ナーを含む液体現像剤を現像ベルト510に塗布する塗
布部52aと、マゼンダのトナーを含む液体現像剤を現
像ベルト510に塗布する塗布部52bと、シアンのト
ナーを含む液体現像剤を現像ベルト510に塗布する塗
布部52cと、ブラックのトナーを含む液体現像剤を現
像ベルト510に塗布する塗布部52dとを備えるもの
について説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はない。所望の色のトナーを含む液体現像剤を現像ベル
ト510上に塗布する塗布部を必要に応じて少なくとも
一個設けたものであればよい。
【0069】さらに、上記の実施例では、現像剤支持体
として可撓性を有するベルト部材で構成された現像ベル
ト510を用いたものについて説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではない。現像剤支持体は、導電性
を有し、弾性部材で形成された弾性ローラ、金属等の剛
体ローラでもよい。但し、剛体ローラを用いる場合、剛
体ローラ上に形成された液体現像剤層を押しつぶすこと
なく剛体ローラと画像支持体とを接触させるため、画像
支持体に可撓性を有するベルト部材で構成された画像支
持体ベルトを用いるか、または、剛体ローラと画像支持
体とを当接させた際に、両者間に微小なギャップ即ち間
隔が形成されるようにする必要がある。
【0070】また、上記の実施例では、画像支持体とし
て有機感光体10を用いた場合について説明したが、本
発明はこれに限定されるものではない。画像支持体は、
カールソン法で用いる各種感光体、イオノグラフィ等の
静電潜像を直接形成する導体上に絶縁体層を形成したも
の、静電プロッタのような静電記録紙等でもよい。
【0071】さらに、上記の実施例では、露光装置40
により帯電した画像支持体上に像を露光し、その後、プ
リウェット装置20により画像支持体上にプリウェット
液を塗布したものについて説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、プリウェット液の塗布は、現
像工程に先立って行われるものであればよい。また、プ
リウェット液は、粘度が0.5〜5mPa・s、電気抵
抗が1012Ωcm以上、沸点が100〜250°C、表
面張力が21dyne/cm以下であれば、シリコンオ
イルを主成分とするものでなくてもよい。さらに、画像
支持体の表面に離型性を有する材料がコーティングされ
たものを用いる場合、特にプリウェット工程を必要とす
るものではない。
【0072】また、本発明は上記の実施例に限定される
ものではなく、液体現像剤の層厚が5〜40μm程度で
あれば、高粘性現像剤の粘度は10000mPa・sで
あっても良い。現状では、6000mPa・s以上の高
粘度の現像剤は、キャリア液とトナーとの攪拌が難しく
なるので、コスト的にあわなくなると考えるが、安価に
入手できるようになれば、6000mPa・s以上でも
よい。粘度が10000mPa・sを越えるものは、現
実的でなくなる。また、液体現像剤のキャリア液はシリ
コンオイルに限定されない。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、記録媒体を中間転写体に押圧すると共に加熱
することにより中間転写体上に転写されたトナー像を記
録媒体上に二次転写すると同時に定着する二次転写手段
を設けたことにより、転写装置と定着装置とを一体化す
ることができるので、装置の小型化を図ることができ、
また、中間転写体を冷却する冷却手段を中間転写体の進
行方向であって二次転写手段より下流側に設置したこと
により、中間転写体上に転写されたトナー像を記録媒体
上に熱転写定着した際に発生した熱が中間転写体を介し
て画像支持体に伝わるのを防止することができ、これに
より、画像支持体が熱により損傷されるのを防止するこ
とができる画像形成装置を提供することができる。
【0074】請求項2記載の発明によれば、冷却手段に
ヒートパイプの蒸発部を用いたことにより、請求項1記
載の発明の効果に加えて、簡易な構成で熱が画像支持体
に伝わるのを防止することができる画像形成装置を提供
することができる。
【0075】請求項3記載の発明によれば、冷却手段に
ペルティエ素子を用いたことにより、請求項1記載の発
明の効果に加えて、簡易な構成で熱が画像支持体に伝わ
るのを防止することができる画像形成装置を提供するこ
とができる。
【0076】請求項4記載の発明によれば、中間転写体
と離接する加熱部材が設けられた二次転写手段を用いた
ことにより、上記の効果に加えて、非定着時によけいな
熱が中間転写体に伝わるのを防止することができる画像
形成装置を提供することができる。
【0077】請求項5記載の発明によれば、トナーが高
濃度に分散された高粘度の液体現像剤を薄層にして現像
することにより、高解像度で小型化が容易であり、しか
も低公害化が可能な画像形成装置を提供することができ
る。
【0078】請求項6記載の発明によれば、前記の構成
としたことにより、請求項5記載の発明の効果に加え
て、液体現像剤の濡れ性がよい画像形成装置を提供する
ことができる。
【0079】請求項7記載の発明によれば、前記の構成
としたことにより、請求項6記載の発明の効果に加え
て、公害が少なく、作業環境の改善を図ることができる
画像形成装置を提供することができる。
【0080】請求項8記載の発明によれば、前記の構成
としたことにより、請求項5記載の発明の効果に加え
て、転写の際にトナーを剥がしやすくなる画像形成装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である画像形成装置の概略構
成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の動作を説明するため
の図である。
【図3】現像過程の全体を説明するための図である。
【図4】接近過程の様子を説明するための図である。
【図5】トナー移動過程の様子を説明するための図であ
る。
【図6】非画像部の分離過程を説明するための図であ
る。
【図7】画像部の分離過程を説明するための図である。
【図8】液体現像剤を薄層化したことの意義を説明する
ための図である。
【図9】現像ローラと感光体とをハードコンタクトさせ
た様子を示す図である。
【図10】本実施例である画像形成装置のソフトコンタ
クトを説明するための図である。
【符号の説明】
10 感光体 20 プリウェット装置 30 帯電装置 40 露光装置 50 現像装置 51 現像部 52 塗布部 52a,52b,52c,52d 塗布部 60 転写定着装置 70 クリーニング装置 80 除電装置 510 現像ベルト 512a,512b,612a,612b,612c
駆動ローラ 520a,520b,520c,520d ベローズ
ポンプ 522a,522b,522c,522d 搬送ロー
ラ 610 中間転写ベルト 614 コロナ放電器 616a,616b 除電ローラ 618 調節ローラ 620 二次転写定着ローラ 622 定着ヒータ 624 ヒートパイプ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性液体中に帯電した顕像化粒子であ
    るトナーが分散された液体現像剤によって画像支持体上
    に形成された静電潜像を現像することにより前記画像支
    持体上にトナー像を形成し、前記トナー像を記録媒体上
    に転写定着する画像形成装置であって、 前記画像支持体上に形成された前記トナー像を中間転写
    体上に一次転写する一次転写手段と、 前記記録媒体を前記中間転写体に押圧すると共に加熱す
    ることにより前記中間転写体上に転写されたトナー像を
    前記記録媒体上に二次転写すると同時に定着する二次転
    写手段と、 前記中間転写体の進行方向であって前記二次転写手段よ
    り下流側に設置された前記中間転写体を冷却する冷却手
    段と、 を具備することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記冷却手段は、ヒートパイプの蒸発部
    を用いたものであることを特徴とする請求項1記載の画
    像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記冷却手段は、ペルティエ素子を用い
    たものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成
    装置。
  4. 【請求項4】 前記二次転写手段は、前記中間転写体と
    離接する加熱部材を有することを特徴とする請求項1,
    2又は3記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記液体現像剤は、絶縁性液体中にトナ
    ーが高濃度に分散された100〜10000mPa・s
    の高粘度のものであることを特徴とする請求項1,2,
    3又は4記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記液体現像剤は、絶縁性液体の粘度が
    0.5〜1000mPa・s、電気抵抗が1012Ωcm
    以上、表面張力が21dyne/cm以下沸点が100
    °C以上であることを特徴とする請求項5記載の画像形
    成装置。
  7. 【請求項7】 前記液体現像剤は、シリコンオイルを絶
    縁性液体として利用するものであることを特徴とする請
    求項6記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記液体現像剤は、平均粒径0.1〜5
    μmのトナーを5〜40%の濃度で含むものであること
    を特徴とする請求項5,6又は7記載の画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999050716A1 (fr) * 1998-03-25 1999-10-07 Pfu Limited Appareil d'electrophotographie humide
US7369803B2 (en) 2004-12-20 2008-05-06 Ricoh Company, Ltd. Fixing device and image forming apparatus using the same

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