JP3649922B2 - 瓦棟用換気水切及び瓦棟用換気部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、瓦使用の低層住宅における棟部換気のための換気水切及び換気部材に関するものである。特に波瓦屋根の住宅内換気において各部屋内の空気を給気孔からの換気流の流入及び隙間からの自然換気あるいはダクト等で小屋裏に集め、棟より換気するような場合に効果的な瓦棟構造の一部、特に防水部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に住宅の高気密化に伴って、機械換気が用いられているが、ランニングコストや停電時・故障時の問題から住宅の自然換気が注目を浴びてきた。住宅における屋根部よりの換気システムには、煙突方式が用いられていた。煙突方式は給気経路に給気口又はサッシガラリ等の建物隙間を利用し、ダクトを換気経路として煙突へ連結することにより屋内の汚染空気を排出する換気システムである。しかし冠瓦を用いる場合等においてはこの棟換気方式が取られておらず、図4に示すように冠瓦を高く積み上げる複雑な構造が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように瓦棟では冠瓦と屋根瓦の間に距離があり、この距離を利用して防水を図った上での換気をいかに行うかが、本発明の課題となる。
【0004】
本発明は、このような従来の問題点に着目したもので、瓦屋根の棟換気において野地板上に一対の瓦棟用換気水切、瓦棟用換気部材、棟包み及び必要によっては、防雪用排気部材それらの工夫された取付部品等を用いることにより、屋内より棟への十分な換気量を確保し、外観のすぐれた瓦棟部を形成する瓦棟用換気水切及び瓦棟用換気部材を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の瓦棟用換気水切は、棟木が野地板より離れて上部に設けられており、冠瓦と野地板上の屋根波瓦との間が離れている冠瓦屋根において、防水防鳥を実現しながら、屋内より棟への十分な換気量を確保するための棟用換気水切であって、
野地板間に換気隙間を形成し、野地板上部に棟木、棟包みを設けた冠瓦屋根の野地板傾斜角に合わせた底斜面を設け、底斜面上端から連続して垂直方向に側面を設け、側面上方には横長形状の換気口を設け、側面上部を棟木に接して設けることを特徴とし、
さらに、その換気口正面には、
複数換気口を有する垂直面及びそれに続く水平方向への底部及びそれに続く下方垂直方向への底側面、該垂直面上部には断面L字形の防水突起を有し、該底側面下端は瓦表面形状に合致させた形状を有する瓦棟用換気部材の下側面が配置されるように用いることを要旨とする。
【0006】
又、本発明の瓦棟用換気部材は、棟木が野地板より離れて上部に設けられており、冠瓦と野地板上の屋根波瓦との間が離れている冠瓦屋根において、防水防鳥を実現しながら、屋内より棟への十分な換気量を確保するための棟用換気部材であって、
複数換気口を有する垂直面及びそれに続く水平方向への底部及びそれに続く下方垂直方向への底側面、該垂直面上部には断面L字形の防水突起を有し、該底側面下端は瓦表面形状に合致させた形状を有し、
野地板間に換気隙間を形成し、野地板上部に棟木、棟包みを設けた屋根の野地板間隙を挟んで野地板上左右に設置された請求項1記載の瓦棟用換気水切と波瓦の両方に接し、請求項1記載の瓦棟用換気水切の換気口の正面に、瓦用換気部材の下側面が配置されるように設けることを要旨とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に係る瓦棟用換気水切は従来家屋の棟形状を変更すること無く、十分な換気量を確保し、しかも雨仕舞をほぼ完全にするために、屋根の野地板傾斜角に合わせた底斜面(1b)を設け、底斜面上端から連続して垂直方向に側面(1a)を設け、側面上方には横長形状の換気口(1d)を設けている。さらに換気口上部には防水突起(1c)を有している。その換気口正面には、下記に述べる瓦棟用換気部材(2)の下側面(2d)が配置されるように設置し、より防水を完全としている。
【0008】
又、本発明の瓦棟用換気部材は図1bに示す、やや複雑な形状をしており、図3に示すように、屋根瓦との隙間を防ぐために、下側面(2d)下端の形状を瓦表面形状と合致させ、下部に水密材(2e)を貼付して防水を完全にしている。さらに、瓦棟用換気水切の換気口位置と瓦棟用換気部材の換気口位置を大きくずらし、後者の換気口上部にも防水突起(2b)を設けている。いずれの部材も軽く防水効果があり、棟使用に耐えうる素材であればどのような素材であっても良い。
【0009】
【実施例】
〔実施例1〕 以下に、本発明の第1の実施例の瓦棟用換気水切について図1〜図4に基づいて説明する。
図1aは、請求項1に対応する本発明の実施例1による瓦棟用換気水切(1)の説明斜視図である。(1a)は側面、(1b)は底斜面、(1c)は防水突起、(1d)は換気口である。図2cは本発明の換気部材を使用した瓦棟構造を示す断面説明図であり、(a)は棟木、(b)は棟金具である。図3は本発明の換気部材を使用した瓦棟包み構造の分解説明図である。
【0010】
まず棟部より換気するために、野地板間に30mm程度の換気隙間(9)を形成しておく。
図1aに示す形状の瓦棟用換気水切(1)は、図2及び図3に示すように、換気隙間(9)の上部に一対で用い、側面上部を棟木(3)と接するように設置する。瓦棟の頂部を構成する冠瓦(5)は屋根瓦と同質瓦で形成され、棟木(3)上に防水シート(7)を介して載置されている。
このようにすると野地板表面から連続して上方垂直方向に側面を有する瓦棟用換気水切があり、該側面中央寄り上部には横長形状の換気口(1d)、(1d)上部には防水突起(1c)が設けられることとなる。さらに瓦棟用換気水切には、実施例2で述べる瓦棟用換気部材(2)を配置する。その換気部材(2)には横長形状の換気口(2c)を設け、換気口下部には瓦の凹凸に合わせた波状下端を有した下側面(2d)を設け、上記瓦棟用換気水切(1)の換気口(1d)の前面に下側面(2d)が配置されるように設置し、換気口(1d)へ雨水が侵入しにくいように、防水の工夫がなされている。
又、この換気口は、10mm〜20mmの高さの開口とすることで、換気流の圧力損失抵抗を2.0*10-5程度に押さえるようにしている。この工夫により、十分な換気量を確保することができた。
【0011】
〔実施例2〕
本発明の第2の実施例について図1bを利用して説明する。
本実施例は請求項2に対応する瓦用換気部材であり、図1bに示すような複雑な形状をしている。これは瓦棟自体が図2や図3に示すように、野地板より上方に離れた状態で、棟木に支えられており、野地板間の隙間からの換気流の出口は十分確保できるが、防水、防鳥の点が問題であるためである。そこで、本実施例の瓦棟用換気部材(2)は主に屋外と棟部との防水に重点を置き、図3に示すように瓦棟用換気水切(1)の側面(1a)の防水突起(1c)より上部の側面の脇に換気口(2c)を配設し、防水突起(1c)より下方部については、全く外部への換気口を設けず、屋根瓦の形状に合わせた下端を有した下側面(2d)で外部との遮断を図った構成となっている。
このような瓦棟用換気水切(1)と瓦棟用換気部材(2)との組み合わせで、瓦棟用換気のための防水として野地板の換気隙間(9)への防水を目的としたものである。
この時換気口(2c)の開口部縦方向長さは10mm〜20mmが適当と思われる。10mmで圧力損失抵抗は2.04*10-5、20mmで圧力損失抵抗は1.97*10-5となる。圧力損失は1.70*10-5程度が理想値であるが、防水、防鳥の点より10mm〜20mmが適当である。
【0012】
【発明の効果】
本発明は、上記したように屋内空気をダクト等で小屋裏に集め、棟の換気隙間から屋外へ開放するための瓦棟用換気水切及び瓦棟用換気部材であり、棟部隙間通過時の換気面積変化を極力抑える工夫及び防水措置を施したため、換気流が滞ることなく棟の細長い換気隙間から排気される。換気水切や換気部材の組み合わせで、十分な換気量及び防水を確保でき、あらゆる瓦、あるいは防雪用についても十分な建物排気量を確保することができた。
本願の瓦棟用換気水切及び瓦棟用換気部材を用いれば、棟の外観を全く変更することなく、瓦棟からの小屋裏換気が可能となり、しかも換気量がしっかり確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明実施例1の瓦棟用換気水切の説明斜視図
(b)本発明実施例1の瓦棟用換気部材の説明斜視図
【図2】(a)棟木
(b)棟金具
(c)瓦棟構造を示す断面説明図
【図3】瓦棟構造の分解説明図
【図4】従来の瓦棟構造を示す断面説明図
【符号の説明】
1 瓦棟用換気水切
1a 側面
1b 底斜面
1c 防水突起
1d、2c 換気口
2 瓦棟用換気部材
2d 下側面
3 棟木
4 棟金具
5 冠瓦
7 防水シート
9 換気隙間
Claims (2)
- 棟木が野地板より離れて上部に設けられており、冠瓦と野地板上の屋根波瓦との間が離れている冠瓦屋根において、防水防鳥を実現しながら、屋内より棟への十分な換気量を確保するための棟用換気水切であって、
野地板間に換気隙間を形成し、野地板上部に棟木、棟包みを設けた冠瓦屋根の野地板傾斜角に合わせた底斜面を設け、底斜面上端から連続して垂直方向に側面を設け、側面上方には横長形状の換気口を設け、側面上部を棟木に接して設けることを特徴とし、
さらに、その換気口正面には、
複数換気口を有する垂直面及びそれに続く水平方向への底部及びそれに続く下方垂直方向への底側面、該垂直面上部には断面L字形の防水突起を有し、該底側面下端は瓦表面形状に合致させた形状を有する瓦棟用換気部材の下側面が配置されるように用いることを特徴とする瓦棟用換気水切。 - 棟木が野地板より離れて上部に設けられており、冠瓦と野地板上の屋根波瓦との間が離れている冠瓦屋根において、防水防鳥を実現しながら、屋内より棟への十分な換気量を確保するための棟用換気部材であって、
複数換気口を有する垂直面及びそれに続く水平方向への底部及びそれに続く下方垂直方向への底側面、該垂直面上部には断面L字形の防水突起を有し、該底側面下端は瓦表面形状に合致させた形状を有し、
野地板間に換気隙間を形成し、野地板上部に棟木、棟包みを設けた屋根の野地板間隙を挟んで野地板上左右に設置された請求項1記載の瓦棟用換気水切と波瓦の両方に接し、請求項1記載の瓦棟用換気水切の換気口の正面に、瓦用換気部材の下側面が配置されるように設けることを特徴とする瓦棟用換気部材。
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JP31713798A JP3649922B2 (ja) | 1998-11-09 | 1998-11-09 | 瓦棟用換気水切及び瓦棟用換気部材 |
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JP31713798A JP3649922B2 (ja) | 1998-11-09 | 1998-11-09 | 瓦棟用換気水切及び瓦棟用換気部材 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000145033A JP2000145033A (ja) | 2000-05-26 |
JP3649922B2 true JP3649922B2 (ja) | 2005-05-18 |
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JP31713798A Expired - Lifetime JP3649922B2 (ja) | 1998-11-09 | 1998-11-09 | 瓦棟用換気水切及び瓦棟用換気部材 |
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JP (1) | JP3649922B2 (ja) |
-
1998
- 1998-11-09 JP JP31713798A patent/JP3649922B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2000145033A (ja) | 2000-05-26 |
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