JP3649892B2 - 調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、切削刃を有するカッターを容器内に設け、このカッターを回転させることにより被調理物を切削・撹拌していく調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、容器内にカッターを配設し、このカッターをモータにより回転させることにより、容器内に入れた被調理物を切削・撹拌していく調理器が知られている。
【0003】
かかる調理器のカッターの刃先は0.1mm以下の薄さとなっており、このカッターの刃先が薄いことにより、果物の繊維質等の切断が容易となり、ジュースなどが短時間で作れるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ジュースを凍らしてこの氷をカッターで切削・撹拌することによりクリーム状のジェラートを作ることができるが、従来の調理器にあっては、ジェラートを作れる構成にはなっていない。これは、以下の理由による。
【0005】
すなわち、カッターの刃は、ジュースを作るには繊維質などの切断が容易にできるように切削性の良さが要求される。一方、氷を切削・撹拌するには強度が要求されるものであるが、上記従来のものではジェラートを作ることが全く考慮されていないため、カッターの刃先が0.1mm以下の薄さとなっていることにより、氷を切削する際にそのカッターの刃先が破損してしまうという問題があった。また、氷を切削すために刃先を厚くすると、果物の繊維質等の切断ができなくなってしまい、ジュースなどを短時間で作ることができないという問題が生じる。
【0006】
この発明は、上記問題点に鑑みてなされもので、その目的は、短時間でジュースなどを作ることができ、しかも、刃先を破損させずにジェラート等を作ることのできる調理器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、径方向に延びた切削刃を有するカッターを上下に備えた第1 , 第2回転体を交換可能に容器内に設け、第1回転体または第2回転体を上下のカッターとともに回転させることにより被調理物を切削・撹拌していく調理器であって、
前記第2回転体の上下のカッターの刃先の厚さを前記第1回転体の上下のカッターの刃先の厚さより厚く形成し、
前記第1回転体および第2回転体の下のカッターの先端部を上方に折り曲げ、
前記第1回転体および第2回転体の上のカッターの下面が回転方向に向き且つ回転方向に対して傾斜するように第1 , 第2回転体の上のカッターを折り曲げたことを特徴とする。
【0008】
そして、刃先の薄いカッターは鋭利であるため繊維質も容易に切削することができ、厚いカッターは強度があるため氷を切削・撹拌することができる。したがって、ジェラートなども作ることができる。
【0009】
請求項2の発明は、前記第1 , 第2上カッターの切削刃の刃先を、切削方向に対して凹凸する波状に形成したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る調理器の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1および図2において、10は被調理物を入れる容器であり、この容器10内には回転体20が回転可能に且つ交換可能に配設されている。容器10の底部12には回転体(第1回転体)20を回転自在に保持する支持部13が設けられている。14は把手部である。
【0014】
40は容器10の開口11に嵌合する蓋体であり、この蓋体40の中央部には、回転体20の従動カップリング21が挿入される貫通孔41を形成した筒状壁42が形成されている。
【0015】
50は蓋体40の上に載せる本体であり、この本体50内には回転体20を回転させるモータ(図示せず)が内蔵されている。本体50の下面には、蓋体40の貫通孔41に挿入された回転体20のカップリング21に係合する駆動カップリング(図示せず)が設けられている。この駆動カップリングが前記モータによって回転するようになっており、駆動カップリングが回転すると従動カップリング21を介して回転体20が回転していくようになっている。51は把手部であり、52はモータのオン・オフスイッチである。
【0016】
回転体20は、図3に示すように、大径の筒体22と、この筒体22の上下面に取り付けられたカッター30,35と、筒体22の上面22Aの中央部から上方に延びた軸部23と、軸部23の上部に取り付けられた従動カップリング21とから構成されている。
【0017】
カッター30は、図4に示すように、筒体22の上面に取り付けられたリング状の取付部31と、この取付部31から円弧を描くように径方向へ且つ回転方向Pと反対方向へ延びた平板状の切削刃体32とを有している。切削刃体32は、図4に示すように実線Q1から上方へ少し折り曲げられていて、図5に示すように水平線Hに対して角度R1で傾斜している。
【0018】
切削刃体32の上面32Aの外周側には、刃付け33が形成されていて切削刃体32に沿って切削刃34が形成されている。この切削刃34の刃先34Aは、切削方向に対して凹凸した波状に形成され、図6に示すように、刃先34Aの厚さ34Nは0.1mm以下となっている。
【0019】
カッター35は、図7に示すように、筒体22の下面に取り付けられたリング状の取付部36と、この取付部36から円弧を描くように径方向へ且つ回転方向Pと反対方向へ延びた平板状の切削刃体37とを有している。切削刃体37は水平となっており、この切削刃体37の先端部37Tは、図8に示すように、水平線Hに対して角度R2(R1<R2)で上方へ折り曲げられている。
【0020】
切削刃体37の上面37Aの外周側には、刃付け38が形成されていて切削刃体37に沿って切削刃39が形成されている。この切削刃39の刃先39Aの厚さ39Nは、図9に示すように、0.1mm以下となっている。
【0021】
図10は回転体20と交換可能な回転体(第2回転体)60を示したものであり、この回転体60は、大径の筒体61と、この筒体61の上下面に取り付けられたカッター70,80と、筒体61の上面の中央部から上方に延びた軸部62と、軸部62の上部に取り付けられた従動カップリング21とから構成されている。
【0022】
カッター70は、図11に示すように、筒体61の上面に取り付けられたリング状の取付部71と、この取付部71から円弧を描くように径方向へ且つ回転方向Pと反対方向へ延びた平板状の切削刃体72とを有している。切削刃体72は、図12に示すように実線Q2から上方へ少し折り曲げられていて、図12に示すように、水平線Hに対して角度R1で傾斜している。
【0023】
切削刃体72の上面72Aの外周側には、刃付け73が形成されていて切削刃体72に沿って切削刃74が形成されている。この切削刃74の刃先74Aの厚さ74Nは、図13に示すように、0.2mm〜0.6mmに設定されている。
【0024】
カッター80は、図14に示すように、筒体61の下面61Bに取り付けられたリング状の取付部81と、この取付部81から円弧を描くように径方向へ且つ回転方向Pと反対方向へ延びた平板状の切削刃体82とを有している。切削体82は水平となっており、この切削刃体82の先端部83は、図15に示すように、水平線Hに対して角度R2で上方へ折り曲げられている。
【0025】
切削刃体82の上面82Aの外周側には、刃付け84が形成されていて切削刃体82に沿って切削刃85が形成されている。この切削刃85の刃先85Aの厚さ85Nは図16に示すようには0.2mm〜0.6mmに設定されている。
【0026】
次に、上記実施形態の調理器の動作について説明する。
【0027】
ジュースを作るには、先ず、回転体20を容器10内に配設し、容器10内に所定の大きさに切った果物を入れて蓋体40を容器10の開口11に嵌合させる。そして、蓋体40の上に本体50を載置してスイッチ52を投入する。この投入によりモータが回転して回転体20が回転していく。
【0028】
回転体20の回転ととともにカッター30,35が回転していくので、カッター30,35の切削刃34,39により果物が切削・撹拌されていく。切削刃34,39の刃先34A,39Aは、その厚さ34N,39Nが0.1mm以下となっていて鋭くなっていることにより、果物の繊維質等を容易に切断していく。また、切削刃34の刃先34Aが波状に形成されていることにより、切削刃34の切削効率がよく、このため、果物を短時間で切削していくことができる。
【0029】
また、下段にあるカッター35の切削刃体37の先端部37Tが上方へ折り曲げられていることにより、この先端部37Tが切削された果物を上方へ飛散させ、上段にあるカッター30の切削刃体32が図5に示すように上方へ折り曲げられていることにより、切削刃体32が切削された果物を下方へ飛散させるので、切削された果物は容器10内で効率良く撹拌されていく。このため、切削刃34,39によって効率良く果物を切削していくことができ、短時間でジュースなどが作れることになる。
【0030】
ジュースが作り終えたら、このジュースを凍らす。そして、回転体20を交換して回転体60を容器10内に配設し、ジュースを凍らした氷を容器10内に入れる。そして、上記と同様にして、回転体60を回転させていく。
【0031】
回転体60の回転とともにカッター70,80が回転していき、カッター70,80の切削刃74,85により氷が切削・撹拌されていく。切削刃74,85はその刃先74A,85Aの厚さが0.2mm〜0.6mmに設定されていることにより、破損することなく氷を細かく切削していくことができる。これは、実験により、刃先74A,85Aの厚さを0.2mm〜0.6mmに設定すると、刃先を破損せずに氷片を細かく切削できることが分かった。
【0032】
ところで、下段にあるカッター80の切削刃体37の先端部83が上方へ折り曲げられていることにより、この先端部83が切削された氷片を上方へ飛散させ、上段にあるカッター70の切削刃体72が図12に示すように上方へ折り曲げられていることにより、切削刃体72が切削された氷片を下方へ飛散させるので、切削された氷片は容器10内で効率良く撹拌されていき、短時間で氷片は細かく切削されていく。
【0033】
また、切削刃体72が上方へ折り曲げられていることにより、細かく切削された氷片は、切削刃体72により空気とともに効率良く混ぜられて練られていく。このため、短時間でしかも舌ざわりのよいジェラートを作ることができる。
【0034】
さらに、上方へ折り曲げた切削刃体72の上面に刃付け73を形成したので、刃先74Aの向きがほぼ水平となる。このため、切削抵抗が減少し、氷をさらに細かく切削することができる。また、水平となっている切削刃体82の上面に刃付け84を形成したことにより、この刃付け84が切削した氷片を上方へ飛散させていく。このため、さらに効率よく氷片を撹拌することができ、ジェラートをより短時間で作ることができることとなる。
【0035】
また、刃付け73,84の角度を7〜9度に設定すると、切削刃体72,82の切削抵抗をさらに小さくすることができ、過負荷により切削刃体72,82が氷に食い込んでロックしてしまうことを防止することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、第1 , 第2回転体の下のカッターの先端部を上方に折り曲げ、第1 , 第2回転体の上のカッターの下面が回転方向に向き且つ回転方向に対して傾斜するように第1 , 第2回転体の上のカッターを折り曲げたものであるから、第1回転体の上のカッターと第1回転体の下のカッターとで果物などを効率よく切削していくことができ、短時間でジュースなどを作ることができる。しかも、第1回転体を第2回転体に交換することにより、第2回転体の上のカッターと下のカッターとで刃先を破損せずに氷片を効率よく切削していくことができ、短時間でジェラートなどを作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る調理器を示した斜視図である。
【図2】図1の調理器の構成を示した分解斜視図である。
【図3】回転体の構成を示した斜視図である。
【図4】上段のカッターを示した平面図である。
【図5】図4のカッターのA−A線に沿った断面図である。
【図6】図4のカッターの切削刃体の先端部を示した拡大断面図である。
【図7】下段のカッターを示した平面図である。
【図8】図7のカッターのB−B線に沿った断面図である。
【図9】図7のカッターのC−C線に沿った断面図である。
【図10】図3の回転体と交換可能な回転体の構成を示した斜視図である。
【図11】図10の回転体に取り付けられた上段のカッターを示した平面図である。
【図12】図11のカッターのD−D線に沿った断面図である。
【図13】図11のカッターのE−E線に沿った断面図である。
【図14】下段のカッターを示した平面図である。
【図15】図14のカッターのF−F線に沿った断面図である。
【図16】図14のカッターのG−G線に沿った断面図である。
【符号の説明】
10 容器
20 回転体
30 カッター
32 切削刃体
35 カッター
37 切削刃体

Claims (2)

  1. 径方向に延びた切削刃を有するカッターを上下に備えた第1 , 第2回転体を交換可能に容器内に設け、第1回転体または第2回転体を上下のカッターとともに回転させることにより被調理物を切削・撹拌していく調理器であって、
    前記第2回転体の上下のカッターの刃先の厚さを前記第1回転体の上下のカッターの刃先の厚さより厚く形成し、
    前記第1回転体および第2回転体の下のカッターの先端部を上方に折り曲げ、
    前記第1回転体および第2回転体の上のカッターの下面が回転方向に向き且つ回転方向に対して傾斜するように第1 , 第2回転体の上のカッターを折り曲げたことを特徴とする調理器。
  2. 前記第1 , 第2回転体の上のカッターの切削刃の刃先を、切削方向に対して凹凸する波状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の調理器。
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