JP3649532B2 - 冷凍麺類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は麺類、特に冷凍麺類の製造方法、それにより得られる冷凍麺類、それに用いる麺類用穀粉組成物に関する。より詳細には、本発明は、室温下での自然解凍や冷蔵温度での解凍などのような緩慢解凍を行った場合にも、茹伸びが少なくて、滑らかさ、弾力性、もちもち性などの特性に優れる、食感の良好な麺類を得ることのできる冷凍麺類、その製造方法およびそれに用いる麺類用穀粉組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
長期にわたって保存が可能であり、しかも必要なときに解凍するだけで簡単に喫食可能であることから、近年、茹で処理や蒸し処理などによってα化した麺類を凍結した冷凍麺類の需要が延びており、その生産量がますます増える傾向にある。冷凍麺類の解凍に当たっては、室温下での自然解凍や冷蔵温度での解凍などの緩慢解凍を行うと、解凍時に茹伸びが徐々に進行して、粘弾性、滑らかさ、もちもち性などの失われた麺類になるところから、電子レンジ、熱湯、加熱水蒸気などの加熱手段を用いる急速解凍が一般に広く行われている。
【0003】
しかしながら、加熱により急速解凍する場合は、上記したような加熱手段が必要であり、解凍作業に余分な手間がかかったりするために、設備面や熱効率などの点でコストがかかるなどの問題がある。一方、室温下での自然解凍や冷蔵温度での冷蔵解凍などのような緩慢解凍の場合は、解凍に時間がかかるものの、冷凍麺類をそのまま室温下に放置したり、冷蔵庫中に置いておくだけで解凍できるので、解凍作業に手間がかからず、しかも加熱手段を用いないために設備面および熱効率の点で経済的であるという長所がある。そのため、室温下や冷蔵温度で緩慢解凍したときにも、茹伸びが少なくて、弾力性、滑らかさ、もちもち性などに優れる食感の良好な麺類にすることのできる冷凍麺類が極めて望ましいが、従来、そのような要望を十分に満足し得る冷凍麺類が未だ開発されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、加熱下に急速解凍したときは勿論のこと、室温下での自然解凍や冷蔵温度での解凍などのような緩慢解凍を行ったときにも、茹伸びが少なくて、粘弾性、滑らかさ、もちもち性などに優れていて、食感の良好な麺類にすることのできる冷凍麺類を提供することである。
そして、本発明は、上記した優れた特性を備える冷凍麺類の製造方法、およびそれに用いる麺類用穀粉組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく本発明者らは、製麺原料、麺類の製造工程などについて多面的に研究を重ねてきた。その結果、麺用小麦粉として、従来用いられてきた小麦粉よりも粗蛋白含量の高い特定の小麦粉を用い、これにエーテル化処理および/またはアセチル化処理という特定の処理を施されたタピオカ澱粉および更にグルテンを組み合わせて用いて冷凍麺類を製造したところ、それにより得られる冷凍麺類が、室温下での自然解凍や冷蔵温度での解凍のような緩慢解凍を行った場合にも、茹伸びが少なく、粘弾性、滑らかさ、もちもち性などに優れる、食感の極めて良好なものとなることを見出して本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、穀粉類の合計重量に基づいて、(a)粗蛋白含量が12重量%以上である小麦粉を5〜30重量%、(b)エーテル化処理および/またはアセチル化処理がなされているタピオカ澱粉を40〜80重量%および(c)グルテンを5〜30重量%の割合で用い、更に場合により(d)脱脂粉乳を、必要に応じて他の原料および/または添加剤と共に用いて、常法にしたがってα化した麺類を製造した後、凍結することを特徴とする冷凍麺類の製造方法である。
【0007】
さらに、本発明は、(a)粗蛋白含量が12重量%以上である小麦粉;(b)エーテル化処理および/またはアセチル化処理がなされているタピオカ澱粉;並びに(c)乾燥したグルテンから主としてなり、穀粉類の合計重量に基づいて、小麦粉(a)を5〜30重量%、タピオカ澱粉(b)を40〜80重量%、およびグルテン(c)を5〜30重量%の割合で含有することを特徴とする冷凍麺類用穀粉組成物である。
【0008】
更に、本発明は、(a)粗蛋白含量が12重量%以上である小麦粉;(b)エーテル化処理および/またはアセチル化処理がなされているタピオカ澱粉;(c)グルテン;並びに(d)脱脂粉乳から主としてなり、穀粉類の合計重量に基づいて、小麦粉(a)を5〜30重量%、タピオカ澱粉(b)を40〜80重量%、およびグルテン(c)を5〜30重量%の割合で含有することを特徴とする冷凍麺類用穀粉組成物である。
【0009】
上記した麺類用穀粉組成物は、特に冷凍麺類用に好ましく用いられ、そのうちでも室温下での自然解凍や冷蔵温度での解凍などのような緩慢解凍を行う冷凍麺類用の麺類用穀粉組成物として特に好ましく用いられる。
さらに、本発明は、上記の方法で製造される冷凍麺類を更に包含する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
まず、本発明では、粗蛋白含量が12重量%以上である小麦粉[以下これらを総称して「小麦粉(a)」ということがある]を用いることが必要であり、粗蛋白含量が13重量%以上である小麦粉を用いるのが好ましい。
【0011】
本発明では、小麦粉(a)として、粗蛋白含量が12重量%以上の小麦粉であればいずれも使用でき、その調製法、種類、小麦粉の平均粒径などは特に制限されない。小麦粉(a)としては、例えば、粗蛋白含量が12重量%以上である、蛋白質含量の元々多い強力小麦粉(例えばデュラム小麦、硬質小麦(ハードウィート)などのような蛋白含量の多い小麦を製粉して得られる小麦粉)をそのまま使用してもよいし、或いは蛋白質含量の少ない小麦粉(薄力粉や中力粉など)を分級処理して粗蛋白含量が12重量%以上である高蛋白含量小麦粉画分を回収してそれを用いてもよい。
【0012】
周知のように、小麦粒は、胚芽、胚乳、胚乳を包囲する皮や外殻から主として構成されていて、小麦粒を製粉して得られる小麦粉の主体は胚乳成分であり、それに胚芽や皮などに由来する成分が少量含まれている。従来の麺類用小麦粉では、その平均粒径が、胚乳を構成する澱粉粒子の大きさに略匹敵する約60〜80μm程度となっており、その中に胚芽や皮などに由来するそれよりも粒径の小さい成分が含まれた状態になっている。
そして、胚乳部分は蛋白質含量が低く、胚芽や皮またはそれらの近傍では蛋白質含量が高くなっている。そのため、通常の薄力粉や中力粉をさらに分級処理して平均粒径の小さい画分を回収すると、その画分では胚芽や皮またはそれらの近傍に由来する成分が濃縮して含まれるようになって、通常の薄力粉や中力粉におけるよりも粗蛋白含量が高いものとなる。そのような分級処理において、小粒径の小麦粉画分を回収すると、そこではその粗蛋白含量が一般に12重量%以上になっている。
そのため、本発明では、小麦粉(a)として小粒径画分の小麦粉を用いて冷凍麺類を製造し、それを室温下での自然解凍や冷蔵温度での解凍などのような緩慢解凍を行った場合にも、茹伸びの少ない、粘弾性、滑らかさ、もちもち性などに優れる麺類を得ることができる。
【0013】
そして、本発明では、上記した小麦粉(a)と共に、エーテル化処理およびアセチル化処理のうちの少なくとも一方の処理がなされているタピオカ澱粉[以下これを「タピオカ澱粉(b)」ということがある]を用いることが必要である。エーテル化処理および/またはアセチル化処理をしたタピオカ澱粉としては、種々のものが市販されており、本発明ではそのいずれもが使用でき、その調製法などは特に制限されない。そのうちでも、エーテル化度0.023以上および/またはアセチル化度0.03以上のタピオカ澱粉が麺の老化防止の点から好ましい。
【0014】
さらに、上記した小麦粉(a)およびエーテル化処理および/またはアセチル化処理タピオカ澱粉(b)と共にグルテンを更に用いることが必要である。グルテンは小麦に由来する蛋白質であり、したがって小麦粉(a)中にもグルテンが含まれているが、本発明で(c)成分として用いるグルテンは小麦粉(a)中に元々含まれているグルテンを意味せず、小麦粉から予め分離回収されていて本発明の目的達成のために別途使用されるグルテンをいう[以下これを「グルテン(c)」ということがある]。
本発明では、グルテン(c)として、乾燥グルテン(グルテン粉末)および湿グルテンのいずれもが使用でき、それらの一方のみを用いてもまたは両方が併用してもよい。また、グルテン(c)の種類や調製法なども特に制限されず、いずれのものも使用でき、例えば活性グルテン、バイタルグルテン、凍結乾燥グルテンなどを用いることができる。
【0015】
各原料の配合量は冷凍麺類の種類などに応じて調節できるが、本発明では、穀粉類の合計重量[すなわち上記の小麦粉(a)、タピオカ澱粉(b)、グルテン(c)および必要において用いられる他の穀粉類の合計重量]に基づいて、小麦粉(a)を5〜30重量%、タピオカ澱粉(b)を40〜80重量%、およびグルテン(c)を5〜30重量%(乾物換算)の割合で用いる。本発明では穀粉類の合計重量に基づいて、小麦粉(a)を10〜25重量%、タピオカ澱粉(b)を45〜75重量%、およびグルテン(c)を8〜25重量%(乾物換算)の割合で用いるのがより好ましい。小麦粉(a)、タピオカ澱粉(b)およびグルテン(c)の使用割合が、上記した範囲から外れると、冷凍麺類を室温や冷蔵温度で緩慢解凍したときに、茹伸びが生じ易くなって、粘弾性、滑らかさ、もちもち性などに優れる麺類が得られにくくなる。
【0016】
また、本発明において、上記した成分と共に更に脱脂粉乳を用いると、麺類の種類などによっては色調に一層優れる冷凍麺類を得ることができ、特に、冷凍うどん、冷凍中華(冷凍ラーメン)、冷凍冷し中華などの場合は脱脂粉乳を併用すると色調のクスミの少ない冴えた冷凍麺類を得ることができるので好ましい。脱脂粉乳を用いる場合は、小麦粉(a)、タピオカ澱粉(b)およびグルテン(c)の合計重量(乾燥重量)に基づいて、約1〜8重量%程度の割合(内割)で用いるのが好ましい。
【0017】
本発明では、穀粉類として、上記の小麦粉(a)、タピオカ澱粉(b)およびグルテン(c)を必須原料として用い、さらに冷凍麺類の種類などにより、必要に応じて、小麦粉(a)以外の小麦粉、そば粉、米粉、大麦粉、タピオカ澱粉(b)以外の澱粉類、大豆粉等などの穀粉類を使用することができる。その場合に、緩慢解凍を行った場合にも茹伸びの少ない冷凍麺類を得るために、冷凍麺類の製造に用いる穀粉類の合計重量に対して、小麦粉(a)、タピオカ澱粉(b)およびグルテン(c)の合計重量が50重量%以上になるようにし、60重量%以上であるのがより好ましい。
【0018】
また、本発明では、穀粉類以外に、麺類の種類などに応じて、従来から汎用されている副原料や添加剤、例えば食塩、乳化剤、アルコール、かん水(かん粉)、ゲル化剤、着色料、防腐剤、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸などの栄養強化剤、山芋粉、卵または卵製品、茶粉末、海草粉末などの1種または2種以上を使用することができる。
【0019】
そして、上記した小麦粉(a)、タピオカ澱粉(b)、グルテン(c)、場合により脱脂粉乳(d)、および更に必要に応じて他の穀粉類や上記したような他の副原料や添加剤を用いて麺生地を製造し、その麺生地を用いて麺類を製造し、それをα化した後、凍結して冷凍麺類を製造する。
【0020】
その場合に、麺生地の製造に当たっては、
(i) 小麦粉(a)、タピオカ澱粉(b)および乾燥したグルテン(c)を上記した割合で用いて、更に場合により脱脂粉乳(d)、必要に応じて他の穀粉類や上記した他の副原料や添加剤のうち1種または2種以上(但し乾燥物)と共に予め混合して、冷凍麺類用穀粉組成物(冷凍麺類用ミックス粉)を製造しておき、その冷凍麺類用穀粉組成物に水および必要に応じて他の添加剤を添加して常法にしたがって混練して生地を製造する方法;または
(ii) 小麦粉(a)、タピオカ澱粉(b)、乾燥または湿潤したグルテン(c)を上記した割合で用い、それに水、および場合により脱脂粉乳(d)、さらに必要に応じて他の穀粉類や上記した他の副資材や添加剤を、製麺時に混合・混練して生地を製造する方法;
のいずれもが採用できる。
【0021】
そして、上記(i)において、小麦粉(a)、タピオカ澱粉(b)、乾燥したグルテン(c)、場合により脱脂粉乳(d)、および必要に応じてさらに他の穀粉類、上記した他の副原料や添加剤のうちの乾燥物の1種または2種以上(但し乾燥物)を予め混合して得られる麺類用穀粉組成物は、一般に水分含量の少なく乾燥粉末の状態になっているので、長期間常温で保存が可能であり、いわゆる麺類用ミックス粉として、そのまま保存、流通・販売することができ、したがって本発明はそのような麺類用穀粉組成物(麺類用ミックス粉)を本発明の範囲に包含する。
本発明の麺類用穀粉組成物は、それを購入して、水を加え、必要に応じてさらに他の成分を添加し、通常の冷凍麺類の製法に準じて製麺、α化、凍結処理を行うだけで、室温や冷蔵温度で緩慢解凍したときにも茹伸びが少なくて、弾力性、滑らかさ、もちもち性などに優れる解凍麺にすることのできる、高品質の冷凍麺類を簡単に製造できるので極めて便利である。
【0022】
また、上記(ii)においては、小麦粉(a)、タピオカ澱粉(b)、乾燥または湿潤したグルテン(c)、水、場合により脱脂粉乳(d)、および必要に応じて他の穀粉類、上記した他の副原料や添加剤を、麺類の種類などに応じて、適当な方法および順序で混合し、それを混練すればよい。
【0023】
上記(i)および(ii)のいずれの方法を採用する場合でも、生地製造時の条件や方法(例えば加水率、混練条件など)は特に制限されず、麺類の種類などに応じて従来の方法や条件などに準じて行うことができる。
また、麺生地から麺類を製造する際の製麺工程や条件なども特に制限されず、適宜選択して行うことができる。さらに、麺類のα化方法なども特に制限されず、麺類の種類などに応じて、茹で処理、蒸し処理、茹で処理と蒸し処理の併用などによってα化を行うことができる。
【0024】
α化した麺類の凍結に当たっては、α化した麺類を1食分または複数食分ずつ型容器に充填し、その際に好ましくは凍結や解凍が行い易いように偏平な状態で充填して、一般的には約−30℃以下の温度になるまで急速に凍結する。
凍結時に用いる型容器は、冷凍麺類を包装、流通させるのに用いるトレーをそのまま型容器として用いても、または冷凍麺専用の型容器を用いてもよい。
上記のようにして得られた本発明の冷凍麺類は、従来の冷凍麺類と同様にしてプラスチックフイルムやシート、それからなる袋などの包材を用いて包装して、流通、販売することができる。
【0025】
更に、本発明では、上記で製造した冷凍麺類のみを包装して流通・販売しても、または冷凍麺類と共にソース類および/または具材などを添付して流通・販売してもよい。ソース類および/または具材などを冷凍麺類に添付する場合は、麺にのびを生じたり、麺類の食感や食味を損なわない限りは、冷凍麺類の上、下、横、中間などの適当な場所にソース類および/または具材を冷凍麺類に直接接触させた状態にして添付してもよく、或いはソース類および/または具材を冷凍麺類とは別に包材中に入れ、それを冷凍麺類に添付してもよい。
【0026】
本発明では冷凍麺類の種類は特に制限されず、うどん、平めん(ひもかわうどん)、日本そば、中華麺、麺皮類(ギョウザ、シュウマイ、春巻、ワンタンの皮等)、日本そば、パスタ類などのいずれであってもよい。
【0027】
本発明により得られる冷凍麺類は、包装したまま又は包材から取り出して、室温下における自然解凍や、冷蔵庫中での冷蔵解凍などのような緩慢解凍を行うことができ、その場合にも、茹伸びが少なくて、粘弾性、滑らかさ、もちもち性などに優れる、食感の極めて良好な麺類を得ることができる。また、本発明により得られる冷凍麺類は、電子レンジ、熱湯、加熱蒸気などを用いる急速解凍によって解凍しても何ら勿論さしつかえはなく、その場合にも、茹伸びが少なくて、粘弾性、滑らかさ、もちもち性などに優れる食感の良好な麺類を勿論円滑に得ることができる。
【0028】
【実施例】
以下に例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。以下の例中、特に断らない限り、部は重量部を表し、%は重量%を表す。なお、以下の例において、茹上げた麺類の茹で歩留りは下記の数式により求めた。
【0029】
【数1】
茹で歩留り(%)=(Wb/Wa)×100
[式中、Wa=茹でる前の生麺Wグラムの製造に用いられた粉(穀粉組成物)の重量(g)、Wb=生麺Wグラムを茹上げて得られる茹で麺の重量(g)を表す。]
【0030】
例えば、粉100gを用いて生麺150gが得られ、その生麺150gを茹上げときの茹で麺の重量が290gである場合には、茹で歩留り=(290/100)×100=290%となる。
【0031】
《実施例 1》[冷凍うどんの製造]
(1) 強力小麦粉(日清製粉株式会社製「ビリオン」;粗蛋白含量12.8%)13部、アセチル化タピオカ澱粉(ホーネンコーポレーション社製「A−700」)65部、活性グルテン(小川製粉社製「Oグル」;水分含量8%)17部および脱脂粉乳(雪印乳業社製)5部を混合して、うどん用穀粉組成物を予め調製した。
(2) 食塩5部および天然色素0.1部を水45部に溶解した水溶液を、上記の(1)で調製したうどん用小麦組成物100部に加えて、横型ミキサー(東京麺機株式会社製のテスト用ミキサー)にて、100回転/分の回転速度で13分間混練して麺生地を製造した。
(3) 上記(2)で製造した麺生地を常法にしたがって圧延処理して麺帯(厚さ2.6mm)にした後、切刃#10M刃にて切り出して麺線を製造した。
【0032】
(4) 上記(3)で得られた麺線450gを沸騰水45リットル中で8.5分間茹でた後、水洗い、冷却を行って茹歩留り290%の茹麺を製造し、これを230gずつ型容器に平らに充填して、−35℃に急速凍結して、冷凍うどんを製造した。
(5) 上記(4)で得られた冷凍うどんを温度−18℃の冷凍庫で7日間保管した後、冷凍庫より取り出して冷蔵庫(温度5℃)に入れて一昼夜(24時間)かけて緩慢解凍した。それを袋から取り出して軽く水洗いし、つけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、下記の表1に示す評価基準にしたがって弾力性、粘りおよび茹伸びを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0033】
《比較例 1》[冷凍うどんの製造]
(1) 中力小麦粉(日清製粉株式会社製「金すずらん」;粗蛋白含量8.8%)85部およびタピオカ澱粉(ホーネンコーポレーション社製「A−700」)15部を、実施例1で使用したのと同じ横型ミキサーに前以て投入し混合しておき、これに食塩4部を水38部に溶解した食塩水溶液を加え、以下実施例1の(2)および(3)と同様にして混練および切り出しを行って麺線を製造した。
(2) 上記(1)で得られた麺線450gを実施例1の(4)と同様にして茹で上げて茹で歩留り290%の茹麺を製造した後、これを230gずつ型容器に平らに充填して、−35℃に急速凍結して、冷凍うどんを製造した。
(3) 上記(2)で得られた冷凍うどんを温度−18℃の冷凍庫で7日間保管した後、冷凍庫より取り出して冷蔵庫(温度5℃)に入れて一昼夜(24時間)かけて緩慢解凍した。それを袋から取り出して軽く水洗いし、つけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、下記の表1に示す評価基準にしたがって弾力性、粘りおよび茹伸びを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0034】
《比較例 2》[冷蔵うどんの製造]
(1) 中力小麦粉(日清製粉株式会社製「金すずらん」;粗蛋白含量8.8%)85部およびタピオカ澱粉(松谷化学工業社製「MKK100」)15部を、実施例1で使用したのと同じ横型ミキサーに前以て投入し混合しておき、これに食塩4部を水38部に溶解した食塩水溶液を加え、以下実施例1の(2)および(3)と同様にして混練および切り出しを行って麺線を製造した。
(2) 上記(1)で得られた麺線450gを実施例1の(4)と同様にして茹で上げて茹で歩留り290%の茹麺を製造した。これを直ちに230gずつに分けて包装して、温度5℃の冷蔵庫に入れて一昼夜(24時間)保管した後、冷蔵庫から取り出して軽く水洗いし、つけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、下記の表1に示す評価基準にしたがって弾力性、粘りおよび茹伸びを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
上記の表2の結果から、粗蛋白含量が12%以上である小麦粉、アセチル化タピオカ澱粉およびグルテンを本発明で規定する割合で用いると共に脱脂粉乳を用いて得られた実施例1の冷凍うどんの場合は、冷蔵温度で緩慢解凍したときにも、茹伸びが少なくて、弾力性、粘りに優れる、食感の良好なうどんが得られることがわかる。
それに対して、粗蛋白含量が12%未満の小麦粉およびアセチル化していないタピオカ澱粉を用いて製造した比較例1の冷凍うどん(従来の冷凍うどんに相当)の場合は、冷蔵温度で緩慢解凍すると、茹伸びが著しく、弾力性、粘りのすべてが劣ったものとなることがわかる。
また、粗蛋白含量が12%未満の小麦粉およびアセチル化していないタピオカ澱粉を用いて製造した比較例2のうどん(凍結処理を行なわない通常の茹でうどん)の場合は、凍結処理を行っていないことによって比較例1の冷凍うどんに比べると澱粉の老化が少ないため茹伸びが少ないものの、冷蔵保存時にやはりかなりの茹伸びが生じて、弾力性、粘りともに劣ったものになることがわかる。
【0038】
《実施例 2》[冷凍ラーメンの製造]
(1) 市販の薄力小麦粉(日清製粉株式会社製「フラワー」;粗蛋白含量7.7%;平均粒径60μm)を分級機(日清エンジニアリング株式会社製「ターボクラシファイアーTC−15N」)にかけて分級処理して、小粒径の小麦粉画分(粗蛋白含量15%)を回収した。
(2) 上記(1)で得られた小粒径の小麦粉25部、エーテル化タピオカ澱粉(ホーネンコーポレーション社製「POT04」)63部および活性グルテン(小川製粉社製「Oグル」;水分含量8%)12部を混合して、ラーメン用穀粉組成物を予め調製した。
【0039】
(3) かん粉1.5部および色素0.2部を水48部に予め溶解したものを、上記(1)で調製したラーメン用小麦組成物100部に加えて、横型ミキサー(東京麺機株式会社製のテスト用ミキサー)にて、100回転/分の回転速度で15分間混練して麺生地を製造した。
(4) 上記(3)で製造した麺生地を常法にしたがって圧延・複合して複合麺帯(厚さ7mm)をつくり、室温で1時間熟成した後、圧延して厚さ1.5mmの麺帯にし、これを切刃#20角にて切り出して麺線を製造した。
【0040】
(5) 上記(4)で得られた麺線450gを沸騰水55リットル中で1分15秒間茹でた後、水洗い、冷却を行って茹歩留り260%の茹麺を製造し、これを200gずつ型容器に平らに充填して、−40℃に急速凍結して、冷凍ラーメンを製造した。
(6) 上記(5)で得られた冷凍ラーメンを温度−18℃の冷凍庫で7日間保管した後、冷凍庫より取り出して、表面が乾かないようにビニールフイルムで覆って、常温下(23℃)に一昼夜(24時間)放置して自然解凍した。
解凍したラーメンに、前以てつくっておいた冷し中華用のタレをかけて、10名のパネラーに食してもらい、上記の表1に示す評価基準にしたがって弾力性、茹伸びおよび滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0041】
《比較例 3》[冷凍ラーメンの製造]
(1) 準強力小麦粉[日清製粉株式会社製「(特)ナンバーワン」;粗蛋白含量11.2%]95部、タピオカ澱粉(ホーネンコーポレーション社製「MKK100」)5部を、バイタルグルテン(小川製粉社製「Oグル」)3部および卵白1部を横型真空ミキサーに前以て投入し混合しておき、これにかん粉1.5部と色素0.2部を水40部に溶解しておいて水溶液を加え、通常ミキシング2分、真空ミキシング13分(−600mHg)を行った後、常法通り製麺切り出しを行って麺線を製造した。
(2) 上記(1)で得られた麺線450gを実施例2の(5)と同様にして茹で上げて茹で歩留り265%の茹麺を製造した後、これを200gずつ型容器に平らに充填して、−40℃に急速凍結して、冷凍ラーメンを製造した。
(3) 上記(2)で得られた冷凍ラーメンを温度−18℃の冷凍庫で7日間保管した後、冷凍庫より取り出して、実施例2の(6)と同様にして室温下に自然解凍した。解凍したラーメンに、前以てつくっておいた冷し中華用のタレをかけて、10名のパネラーに食してもらい、上記の表1に示す評価基準にしたがって弾力性、茹伸びおよび滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0042】
《比較例 4》[冷蔵ラーメンの製造]
(1) 準強力小麦粉[日清製粉株式会社製「(特)ナンバーワン」;粗蛋白含量11.2%]95部、馬鈴薯澱粉(斜里町農業協同組合製「なかしゃり」)5部を、バイタルグルテン(小川製粉社製「Oグル」)3部および卵白1部を実施例1で使用したのと同じ横型ミキサーに前以て投入し混合しておき、これにかん粉1.5部と色素0.2部を水40部に溶解しておいて水溶液を加え、以下実施例2の(3)および(4)と同様にして混練および切り出しを行って麺線を製造した。
(2) 上記(1)で得られた麺線450gを実施例2の(5)と同様にして茹で上げて茹で歩留り270%の茹麺を製造した。これを直ちに200gずつに分けて包装して、温度5℃の冷蔵庫に入れて一昼夜(24時間)保管した後、冷蔵庫から取り出して、前以てつくっておいた冷し中華用のタレをかけて、10名のパネラーに食してもらい、上記の表1に示す評価基準にしたがって弾力性、茹伸びおよび滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0043】
【表3】
【0044】
上記の表3の結果から、粗蛋白含量の高い小麦粉(小粒径画分の小麦粉)、エーテル化タピオカ澱粉およびグルテンを本発明で規定する割合で用いて得られた実施例2の冷凍ラーメンの場合は、室温下に自然解凍(緩慢解凍)したときにも、茹伸びが少なくて、弾力性、滑らかさに優れる、食感の良好なラーメンが得られることがわかる。
それに対して、粗蛋白含量が12%未満の小麦粉、エーテル化していないタピオカ澱粉およびグルテンを用いて製造した比較例3の冷凍ラーメン(従来の冷凍ラーメンに相当)の場合は、室温下に自然解凍(緩慢解凍)すると、茹伸びが著しく、弾力性、滑らかさのすべてが劣ったものとなることがわかる。
また、粗蛋白含量が12%未満の小麦粉、エーテル化していないタピオカ澱粉およびグルテンを用いて製造した比較例4のラーメン(凍結処理を行なわない通常の茹でラーメン)の場合は、凍結処理を行っていないことによって比較例3の冷凍ラーメンに比べれば茹伸びは少ないものの、冷蔵保存時にやはりかなりの茹伸びが生じて、弾力性、滑らかさのいずれもが劣ったものになることがわかる。
【0045】
《実施例 3》[冷凍日本そばの製造]
(1) 市販の薄力小麦粉(日清製粉株式会社製「フラワー」;粗蛋白含量7.7%;平均粒径60μm)を分級機(日清エンジニアリング株式会社製「ターボクラシファイアーTC−15N」)にかけて分級処理して、小粒径の小麦粉画分(粗蛋白含量15%)を回収した。
(2) 上記(1)で得られた小粒径の小麦粉10部、アセチル化タピオカ澱粉(ホーネンコーポレーション社製「A−700」)45部、活性グルテン(小川製粉社製「Oグル」;水分含量8%)15部およびそば粉(宮本製粉社製「青玉印」)30部を混合して、日本そば用穀粉組成物を予め調製した。
(3) 食塩1部を水42部に予め溶解したものを、上記(1)で調製した日本そば用小麦組成物100部に加えて、横型ミキサー(東京麺機株式会社製のテスト用ミキサー)にて、100回転/分の回転速度で13分間混練して麺生地を製造した。
(4) 上記(3)で製造した麺生地を常法にしたがって圧延して厚さ1.5mmの麺帯にし、これを切刃#20角にて切り出して麺線を製造した。
【0046】
(5) 上記(4)で得られた麺線450gを沸騰水55リットル中で35秒間茹でた後、水洗い、冷却を行って茹歩留り250%の茹麺を製造し、これを180gずつ型容器に平らに充填して、−40℃に急速凍結して、冷凍日本そばを製造した。
(6) 上記(5)で得られた冷凍日本そばを温度−18℃の冷凍庫で7日間保管した後、冷凍庫より取り出して、冷蔵庫(温度5℃)に入れて一昼夜(24時間)かけて緩慢解凍した。
解凍した日本そばを軽く水洗いした後、つけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、上記の表1に示す評価基準にしたがって弾力性、茹伸びおよび滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0047】
《比較例 5》[冷凍日本そばの製造]
(1) 強力小麦粉(日清製粉株式会社製「ミリオン」;粗蛋白含量12.2%)70部、そば粉(宮本製粉社製「青玉印」)30部を、活性グルテン(小川製粉社製「Oグル」)2部および卵白0.8部を実施例1で使用したのと同じ横型ミキサーに前以て投入し混合しておき、これに食塩1部を水30部に溶解しておいた食塩水を加え、以下実施例3の(3)および(4)と同様にして混練および切り出しを行って麺線を製造した。
(2) 上記(1)で得られた麺線450gを実施例2の(5)と同様にして茹で上げて茹で歩留り230%の茹麺を製造した後、これを180gずつ型容器に平らに充填して、−40℃に急速凍結して、冷凍日本そばを製造した。
(3) 上記(2)で得られた冷凍日本そばを温度−18℃の冷凍庫で7日間保管した後、冷凍庫より取り出して、実施例3の(6)と同様にして冷蔵庫にて緩慢解凍した。解凍した日本そばをつけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、上記の表1に示す評価基準にしたがって弾力性、茹伸びおよび滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0048】
《比較例 6》[冷蔵日本そばの製造]
(1) 強力小麦粉(日清製粉株式会社製「オーション」;粗蛋白含量13.0%)70部、そば粉(宮本製粉社製「青玉印」)30部を、活性グルテン(小川製粉社製「Oグル」)2部および卵白0.8部を実施例1で使用したのと同じ横型ミキサーに前以て投入し混合しておき、これに食塩1部を水30部に溶解しておいた食塩水を加え、以下実施例3の(3)および(4)と同様にして混練および切り出しを行って麺線を製造した。
(2) 上記(1)で得られた麺線450gを実施例3の(5)と同様にして茹で上げて茹で歩留り250%の茹麺を製造した。これを直ちに180gずつに分けて包装して、温度5℃の冷蔵庫に入れて一昼夜(24時間)保管した後、冷蔵庫から取り出して、つけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、上記の表1に示す評価基準にしたがって弾力性、茹伸びおよび滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0049】
【表4】
【0050】
上記の表4の結果から、粗蛋白含量の高い小麦粉(小粒径の小麦粉)、アセチル化タピオカ澱粉およびグルテンを本発明で規定する割合で用いて得られた実施例3の冷凍日本そばの場合は、冷蔵庫にて緩慢解凍したときにも、茹伸びが少なくて、弾力性、滑らかさに優れる、食感の良好な日本そばが得られることがわかる。
それに対して、粗蛋白含量が12%以上である小麦粉およびグルテンを用いているが、アセチル化処理および/またはエーテル化処理タピオカ澱粉を用いていない比較例5の冷凍日本そばの場合は、室温下に冷蔵温度で緩慢解凍すると、茹伸びが著しく、弾力性、滑らかさのすべてが劣ったものとなることがわかる。
また、粗蛋白含量が12%以上である小麦粉およびグルテンを用いているが、アセチル化処理および/またはエーテル化処理タピオカ澱粉を用いていない比較例6の日本そば(凍結処理を行わない通常の茹で日本そば)の場合は、凍結処理を行っていないことによって比較例5の冷凍日本そばに比べれば茹伸びは少ないものの、冷蔵保存時にやはりかなりの茹伸びが生じて、弾力性、滑らかさのいずれもが劣ったものになることがわかる。
【0051】
【発明の効果】
本発明による場合は、加熱下での急速解凍を行った場合は勿論のこと、室温下での自然解凍や冷蔵温度での解凍などのような緩慢解凍を行った場合にも、茹伸びが少なくて、滑らかさ、弾力性、もちもち性などの特性に優れる、食感の良好な麺類に解凍することのできる冷凍麺類を得ることができる。
さらに、本発明の冷凍麺類用穀粉組成物を用いた場合には、上記した優れた冷凍麺類を、所定の原料成分を個々に購入して配合するなどの繁雑な手間を要することなく、極めて短時間に且つ簡単に製造することができる。
そして、本発明による場合は、室温下での自然解凍や冷蔵温度での解凍などのような緩慢解凍を行っても、茹伸びの少ない、上記した高品質の麺類が得られるので、冷凍麺類を加熱解凍する場合のように、電子レンジ、熱湯供給装置、加熱水蒸気などの解凍装置などを設置しなくても良いので、設備面および熱効率の点に経費をかける必要がなくなり、所定の作業予定を組んでおくだけで、美味しい麺類をタイムリーに提供することができる。
Claims (6)
- 穀粉類の合計重量に基づいて、(a)粗蛋白含量が12重量%以上である小麦粉を5〜30重量%、(b)エーテル化処理および/またはアセチル化処理がなされているタピオカ澱粉を40〜80重量%および(c)グルテンを5〜30重量%の割合で用い、更に場合により(d)脱脂粉乳を、必要に応じて他の原料および/または添加剤と共に用いて、常法にしたがってα化した麺類を製造した後、凍結することを特徴とする冷凍麺類の製造方法。
- (a)粗蛋白含量が12重量%以上である小麦粉;(b)エーテル化処理および/またはアセチル化処理がなされているタピオカ澱粉;並びに(c)乾燥したグルテンから主としてなり、穀粉類の合計重量に基づいて、小麦粉(a)を5〜30重量%、タピオカ澱粉(b)を40〜80重量%、およびグルテン(c)を5〜30重量%の割合で含有することを特徴とする冷凍麺類用穀粉組成物。
- 脱脂粉乳を更に含有する請求項2の冷凍麺類用穀粉組成物。
- 緩慢解凍を行う冷凍麺類用である請求項2または3の冷凍麺類用穀粉組成物。
- 請求項1の方法で製造される冷凍麺類。
- 緩慢解凍用の冷凍麺類である請求項5の冷凍麺類。
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